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銀河帝国攻略戦⑫~追撃のセカンド・バレット

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●要塞攻略に向けて
「先の戦いはお疲れ様でした」
 ユーノ・ディエール(アレキサンドライト・f06261)は集まった猟兵達へ、恭しく礼をする。
「これまでの戦いで遂に、大要塞『エンペラーズマインド』への活路が開けました。皆さんのお陰です」
 この世界の出身者として、素直に礼を述べるユーノ。ワープドライブと転移の阻害をする『エンペラーズマインド』、これを突破する事が出来れば、解放軍の戦局は大いに有利となる。絶対に負けられない戦いだ。
「しかしその『エンペラーズマインド』に再集結する敵軍の動きが察知されました。今は烏合の衆ですが、集まって統制を取られてはこの先の攻略に大きな影響が出る事は否めません」
 『エンペラーズマインド』防衛艦隊、そしてエンペライダーズ。敵の前衛部隊はその尽くが壊滅したが、敗走した敵の一派が集結しているとの事だ。
「そこで先手を打ち、彼奴等の集合地点を襲撃し殲滅する事が本作戦の目的です」

●セカンド・コンバット
「私達が狙う敵は先の戦いで轟沈したディクタトル級巡洋戦艦『ガッドズィラ』の配下、前回の戦いで投棄された第二飛行隊“蜻蛉”と呼ばれるミサイルファイター攻撃機群です」
 終局の特攻時に投棄された右舷格納庫に残っていた一群の残存兵力が、どうやら敗残兵団への合流を目指しているらしい。
「しかし攻撃機ばかりの部隊です。機動性で勝る戦力を投入すれば殲滅は容易な筈」
 つまり、難しい作戦は必要ない。出た所で思いっきり全力を投入出来れば良いのだ。
「周辺宙域までは解放軍が運び、後は皆さんにお任せします」
 転移は出来なくとも、既に敵の追撃は始まっている。そして予知した場所へ戦力を投入すれば迅速に戦力を展開出来る。
「早々に叩き潰してください。合流さえされなければ、要塞攻略も目前ですから!」
 皆さんを信じていますと、ユーノは深く頭を下げた。


ブラツ
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 こんにちは、ブラツです。
 続いて始まる追撃戦、七面鳥撃ちかくやと成るでしょう。
 無双シナリオです。

 プレイングの受付は2/10中に頂いた分から、
 順次書けるだけ書きたいと思います。

 それでは戦争を再開します。
 皆様にご武運を。
174




第1章 集団戦 『ミサイルファイター』

POW   :    衝角突撃
【機体前方に装備された対艦衝角】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ファイターレーザー
【速射式レーザービーム】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    スターシップキラー
【レーダー波】を向けた対象に、【対艦ミサイル『スターシップキラー』】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『レーダーに感! 敵群捕捉しました!』
『よーし、全艦通達、第4ハッチ開け! 燕を降ろすぞ!』
 俄かに慌ただしい艦橋で艦長の檄が飛ぶ。たとえ敗走中相手の追撃戦と言えど、もたもたしていては全ての戦線に影響が出かねない。
『フォースゲートオープン、投下行けます!』
『こちら艦長、悪いが俺達はここまでだ』
 通信に対し、ここで構わないと一人の猟兵が返す。
『スマンがよろしく頼むぞ――グッドラック、イェーガー!』
 投下、全速前進。
 手負いの蜻蛉へ引導を渡す為、ここに11人の刺客が放たれた。
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎

(解放軍に)
「ここで降ろしてください。後はお任せ下さい」
「援護要請を承認。攻撃を開始します」

【SPD】
方針:マシンガンをクイックリロードを行いつつ、2弾倉分連射し敵を掃討する。敵のUCはライオットシールド型パイルバンカーで防御する。
技能:(UC)一斉発射、視力、スナイパー。(クイックリロード)2回攻撃、クイックドロウ。(防御)武器受け

(UC)
「CODE:FORTUNA。全弾まとめて持って行け」

(クイックリロード)
「弾倉交換完了。射撃再開」


ヘスティア・イクテュス
戦闘機が相手…ね
相手として不足はないわ!

ティターニアの機動性で勝負【空中戦&ダッシュ】
こっちの方が小回りでは勝るはずよ!
流石に戦闘機じゃあ人間サイズの敵に攻撃は当てづらいんじゃないかしら?

ミサイルファイターならこれで!
狙うは対艦ミサイル…そこにマイクロミサイルを放って誘爆による撃破を狙うわ!
これで、落ちなさい!

蜻蛉…蚊蜻蛉に隊の名前変えたほうがいいんじゃないかしら?


モニカ・ノイチェ
私は守りが信条。基本的にこちらから手を出す事は普段はないのですが戦争ともなれば話は別。個々の問題ではないですね。未来を守るために殲滅作戦に向かいましょう。
POW
一機だけでも確実に手負いにさせたいですね。
UCをぶつけ爆発で推進力を低下させ、普段はチェインで引き寄せるのですが、今回は引っ張られる感じになるでしょうか。でも近づければ問題ありません。敵の衝角はなるべく回避。かする程度なら大盾で防ぎます。艦の事はよく分からないけれど、ぶつかり合いでは恐ろしい衝角も逆に弱点にはならないかしら?中心にあるようですし、。盾なり剣なりで破壊出来るよう努めます。

連携アドリブ歓迎です



●イェーガー・スクランブル

「戦闘機が相手……ね。相手として不足はないわ!」
 真っ先に先陣を切ったヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)はティターニア――妖精の羽根を象ったジェットパックを煌めかせ、宇宙を駆ける。
「こっちの方が小回りでは勝るはずよ! アベル、ターゲットロック!」
『承知しました、お嬢様』
 数では圧倒する敵を少しでも多く、確実に屠る為。ヘスティアは変幻自在な機動で敵意を引き寄せ、集合する火線を躱し続ける。
『敵群解析完了、茶会の準備は整いました』
「何よそれ、海賊らしくない!」
『承知しました。それではカチコミましょう、お嬢様』
 直後、推力全開。直線的な戦闘機動に引き寄せられる敵群。包囲する様に散らばっていた蜻蛉の群れが、妖精に追いつかんと一塊と化していく。
 妖精と蜻蛉が一条の光群となった時、ティターニアを逆噴射。ヘスティアは追いすがる敵群を鮮やかに切り抜け、その背後を取り、必殺の115発の【マイクロミサイル】が乱舞する。
 狙うは敵の対艦ミサイル。先方が備えた威力に殺到する小さな牙は、突き立てられると共にその威力を花開く。一面を覆う爆発は傍の仲間もろとも、蜻蛉を物言わぬ鉄塊へと変えていった。
「蜻蛉……蚊蜻蛉に隊の名前変えたほうがいいんじゃないかしら?」
『僭越ながらお嬢様、第二波接近中でございます』
 星の光を浴びて輝く青い髪をさらりと掻き上げながら、眼前の戦果を誇るヘスティアを嗜めるアベル。瞬間、ミサイル接近の警報が嵐の到来を告げた。
「ございますじゃないわよ! 回避機動!」
『……ですが心配には及びません。嵐は過ぎ去るものです』
 言う通り、嵐はヘスティアにぶつかる事無く、眼前でその威力を失ったのだった。

 吹き荒ぶミサイルの嵐を防いだのは巨大な盾。着弾の爆風をもろに浴びながらも、その意志は決して折れはしない。
「私は守りが信条。基本的にこちらから手を出す事は普段はないのですが」
 モニカ・ノイチェ(ドラゴニアンのパラディン・f12048)は正面にかざした盾を片手に持ち直すと、ミサイルの群れが来た方角を見やる。
「戦争ともなれば話は別。個々の問題ではないですね。未来を守るために殲滅作戦に向かいましょう」
 輝く銀髪を振りながらヘスティアに向き直り語ると、モニカは盾を構えて敵の方角へ前進する。
「ちょっと! 勝手に言うだけ言って行かないでよ!」
 ゆったりと前進するモニカを正面から捕まえて、ヘスティアが続けた。
「こうした方が早いでしょ? アベル!」
『重量補正完了。加速しますよ、お嬢様方』
 二人は片手を繋いで、宇宙を加速する。第二波の方角に向けて飛翔する乙女達に、再びミサイルの群れが殺到するのは明白だった。
「ありがとうございます。では、アレは私が」
「こちらこそありがとう。それじゃあ、行ってらっ……しゃい!」
 挨拶を交わした後、モニカは思い切り放り投げられる。ミサイルを自慢の大盾で潰しながら前進し、眼前に敵機を捉えた。
「……大したサイズじゃありませんね」
 以前遭遇した敵と比較し、不敵な笑みを浮かべるモニカ。離した手には、いつの間にか【ドラゴニアン・チェイン】が。
「この距離なら外しません……参ります」
 投擲された闘気は蜻蛉に命中すると、念動鎖として絡み付く。それに引きずられる様にふわりと舞うモニカは敵の推力を利用したのだ。
 モニカを振り払わんと動揺する蜻蛉の動きに合わせて、追いすがる編隊を大盾で殴打し、剣を突き立て、用が済めば爆砕する。
 その勢いを利用して、次の獲物に念動鎖を巻き付けるモニカ。こう接近されては得意の重火器は使用出来まいと、狭い空間で縦横無尽に敵群を翻弄した。
 討ち漏らして散開した敵は妖精の餌食に。翻って衝角突撃を行おうとも、目標が小さすぎて追いすがるだけ。
 しかし敵の数は多い。マイクロミサイルを警戒して散開する敵に大きく囲まれ、二人は徐々に疲弊していった。
「中々……数だけは多いです。どなたか手伝ってもらえませんかね」
「――援護要請を承認。攻撃を開始します」
 ふと呟いたモニカの声に、怜悧なサイボーグが頼もしく応えた。

「CODE:FORTUNA。全弾まとめて持って行け」
 淡々と攻撃開始を告げるクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)の両手から、「ゲオルギウス」と「Sir Buster」が炎を放つ。神に仇為すアームドフォートと上官殺しのガトリングガンは、モニカを囲む蜻蛉の群れを呼び名の如く鏖殺せしめた。
「ターゲット破壊、弾倉交換完了。射撃再開」
 続け様に今度はヘスティアに群がる一群を正確に射抜く。その所業は戦神斯くや、一時は優勢に事を運ぼうとしていた敵第二波の悉くを無力化する。
「……周辺の制圧を完了しました。データリンク、戦闘情報の共有」
『情報受諾、貴殿の支援に感謝を』
 アベルにE.MAGIから情報を伝えるクネウス。ここまでの戦闘で得た情報と、これから迫る敵の想定進路を共有し、次撃に備える。
「これより重砲で敵の進軍を制圧後、陣を強行破断しますが、一緒に行きますか?」
 手にしたアームドフォート「リア・ファル」をチャージしながら、クネウスが仲間に問う。
「勿論です。ここで奴等を絶やさなければ後に被害が出ます」
「当然よ! 逃げ道教えてもらったわけじゃないんだから!」
「了解です、では行きましょう。攻撃再開」
 強く答える仲間達を頼もしく思い、クネウスはトリガーを引く。炸裂した重砲が第三波の陣形を大きく穿ち、敵軍は歩みを止める。
 されどその威力は健在。ならば屠ると猟兵の性分を果たすべく、三つの光がその渦中へ向けて進軍した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花
ここは愛刀白嵐玉椿の鞘を使って【誘導弾】を放ちます。

弾速が足りるか分からないので迎え撃つ感じに出来るように、遠距離戦をしている他の人のカバーに入る感じで敵を迎え撃ちましょう。

【POW】

敵がこっちに突っ込んできたら、刃を抜き放ち、ユーベルコードの鋭刃線閃で迎え撃ちます。


(アドリブ、大きな負傷OKです)


シン・ドレッドノート
SPDで勝負しますね。
アドリブ・連携OKです。
特に乗機が無い方が居ましたら、後ろに同乗いただければ。

「ブースト・オン!」
【天翔ける紅彗星】を発動。『貴紅<ノーブル・スカーレット>』のリアウィングを上下に開き、その間から露出した推進器から紅い粒子を放出、超高速機動形態に変形して敵攻撃機群に突入します。

「狙い撃ちます!」
敵が射程に入ったら『貴紅』に取り付けた『真紅銃』と『精霊石の銃』を一斉発射。『怪盗の単眼鏡』でロックオンした敵を1機ずつスナイパー技能で撃ち落していきます。

味方への攻撃については援護射撃で妨害。私を狙った攻撃は『閃光の魔盾』で盾受け、攻撃の隙をついてカウンターの射撃を撃ち込みます。



●剣嵐武統再
 弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)の愛刀『白嵐玉椿』の『封刃の鞘杖』は魔法の杖を原典とする。
 振るわれる一撃は抜かずとも玉散る必中の業。未だ慣れぬ空間戦闘、先ずは遠間より敵を屠らんとその威力を炸裂させていた。
「当たる……には当たりますが、どうしても数が多いですね」
 小柄な銀花に追いすがる蜻蛉へ一撃、また一撃と必中の業を放つものの、距離を取り、そして迅速に間を詰める相手には分が悪い。
「くっ……この速さ……一つならまだしも」
 ミサイルは放たれる殺気を見切れば、爆ぜるより早く信管を叩き切り無力化出来る。しかし蜻蛉そのものの衝角突撃は、気配が寸前まで掴めない事もあった。
「ああっ!」
 不意に背後から、ゆったりと現れた蜻蛉の一撃が銀花を襲う。死角の左側面を撫でる様に通過した威力が、純白の軍服を赤く染めた。間一髪直撃は避けたものの、流血が嫌が応にも己の危うい立場を克明にする。
「足場さえ……あれば」
 振りかざした愛刀を鞘ごと左腰へと下げる銀花。居合であれば擦れ違い様に屠れる自信があった。しかし浮かんだままでは、刹那の切り返しは至難の業……その時、蜻蛉の残骸が目に入る。これならば――!
「足場が無ければ……作ればいい!」
 飛び移った残骸の機上に踏み込めるだけの足場を確保し、腰に愛刀を下げる。動きを止めた銀花を確認し、止めとばかりに蜻蛉が次々と飛来した。
 そこから先は独り舞台、気の張りようも無い殺意など、天才剣士の前ではよく動く木偶に過ぎない。一歩抜刀、機体を真一文字に切り裂き、力強い踏込みが残骸にめり込む。返す刀で、二歩袈裟斬り。振り向き様の殺意を容易に両断する。踏み込んだ片足を高く上げ三歩、諸手突き。踏み込むと同時に正面の衝角から左右に別れた。己の鮮血が玉と散り、蜻蛉の群れが球と爆ぜる。崩れた足場を跳躍し、今しがた出来上がった次の足場へと着地。来るなら来い、白嵐玉椿はこの程度では砕けない。銀花の片眼が漆黒に瞬く悪意を睨んだ。

 距離を取っても近付いても為すがままに屠られ続ける蜻蛉の群れは、それでも銀花を蹂躙すべく、今度は無差別に光条を放ちながらその頭上を追いすがる。
「このままでは……!」
 突撃を諦められれば斬り伏せることは叶わず、じわじわと血が流れれば己の命も危うい。肩で息をし白髪を振り乱す銀花を、再び敵の照準が捉える。
「狙い撃ちます!」
 突如、紅い光条が頭上の悪意を一撃で屠った。シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)が愛機たる『貴紅<ノーブル・スカーレット>』に跨り、間一髪で銀花を死中から救ったのだった。
「エアロモード、チェンジ! ブースト・オン!」
 続けて超高速機動形態【天翔ける紅彗星】に変形した貴紅は、距離を取って未だ並居る敵群に突撃する。大きく開いた上下の後部翼の隙間から紅い粒子を振りまき、『怪盗の単眼鏡』で捉えた敵機を機体に備えた『真紅銃』と『精霊石の銃』で滅多撃ちにする。
「数は多いですが、こうも単調ならば……!」
 殺到する光条をひらりと躱し、お返しにと二門の銃砲が敵を射抜く。一方的な超機動に照準を合わせる事もままならない敵群は、突如現れた紅に蹂躙し尽くされる。
 無差別に放たれる蜻蛉の光条は時には味方をも撃ち抜き、貴紅が放つ真紅の裁きは正確に敵のみを無力化する。混沌とした敵群の中は、ありとあらゆる暴力が乱舞する鉄火場であったが、それに抗う様に流れる様な金髪を揺らしながら、シンはこの狩場をひたすら駆け抜ける。猟兵らしく、確実に一つずつ獲物を仕留めていき、終には貴紅の周りは紫電舞う鋼鉄の墓場と化したのだった。
「ふぅ……まあ、こんな所でしょうか」
 粗方敵を片付けたシンは、拡がる爆光を背後に銀花の下へ駆けつける。そして真紅に染まった一張羅を見やり、申し訳なさそうに語った。
「遅れてすいません。大丈夫ですか?」
「はい、ありがとうございます……」
 九死に一生を得た銀花は素直に礼を述べた。もう少しシンの到着が遅ければ、あのままレーザーに蹂躙され嬲られていた所だった。
 それでも、シンは乙女の柔肌を傷つけた蜻蛉の猛攻に憤りを隠せない。血に塗れたその姿を悲しそうに見つめる。
「貴女に紅はまだ早い……変わりがあれば良かったのですが」
「いえ、大丈夫です。まだ私は戦えます――!」
 されど闘志を絶やさない銀花の熱意に、シンは認識を改めざるを得なかった。彼女は乙女である前に、一人の戦士なのだと。
「それは重畳、ならば最前線へエスコートしますよ」
 後ろへどうぞと、シンは銀花へ声を掛けた。
 戦いは未だ終わらない。眼前の光芒の中へ、二人の猟兵は駆けてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルル・アークライト
【WIZ】
相手の本命武装は…ミサイルって奴かしら、
たぶんあそこに付いてる筒がそれでしょ?
だったらそれを吹っ飛ばしてあげる、片っ端からねっ

私だってエルフだもの、剣技だけじゃないって所を見せてあげる。
炎の『属性攻撃』魔法を受けるがいいのだわ!
【ウィザード・ミサイル】!

周囲に浮かべた炎の矢弾を対艦ミサイル向けて集中砲火。
相手の撃沈を確認し次第、
別の奴にも同様に…と言う感じで叩き潰して行くわね!

ふふふ、面白い位によく落ちるのだわ
まるでトンボ取りでもしてるみたいね!


フィロメーラ・アステール
「みんな、いっちょ派手に決めてやろうぜー!」
景気付けにドバっと【鼓舞】していくぞ!

【生まれいずる光へ】を使って、味方をまとめて強化するぜ!
この【全力魔法】の輝きに【迷彩】効果を加えておくことで、敵のレーダーをかく乱だー!

あたし自身も適当に飛び回って【空中戦】を演出するぞ!
余裕のない敵なら驚いて、無駄弾を撃ったり操縦をミスったりしてくれるかもしれないからな!

おっと、反撃があるようなら【残像】のスピードと【第六感】レーダーを駆使した【気合い】避けだ!
【スライディング】もオマケして、華麗なスペースアクションの【パフォーマンス】を見せてやるぜー!



「相手の本命武装は…ミサイルって奴かしら、たぶんあそこに付いてる筒がそれでしょ?」
 戦端が開かれ10分弱、光芒の中を飛び交う猟兵達と蜻蛉の空間戦闘を冷静に分析し、アルル・アークライト(星剣使い・f01046)は蜻蛉――ミサイルファイターの機体上部に備え付けられた対艦ミサイルに狙いを定める。
 エルフらしく、剣技だけじゃない魔法を見せてあげるわ、と。不敵に微笑むアルルの傍にはふわふわと浮かぶ魔法のミサイルがその姿を現していた。
「だったらそれを吹っ飛ばしてあげる、片っ端からねっ」
 【ウィザード・ミサイル】!――周囲に浮かべた95本の炎の矢弾は、瞬く間に敵群へと殺到した。その尖端を対艦ミサイルに向けて、一直線に。
 突如空間に出現した熱源に対応する間も無く、狙われた蜻蛉は炎の球と化す。その爆発は辺りを巻き込み、たちまち火の手が戦域を包み込んだ。
「ふふふ、面白い位によく落ちるのだわ」
 流れる黒髪をなびかせて、アルルは戦場を見下ろした。まるでトンボ取りでもしてる様――続けざまに、残る敵機に狙いを定める。
 しかし、再びの攻撃は易々と当たらない。機上のミサイルを直ちに投射、ターゲットはアルル。飽和する火線に追われ迎撃の炎をやたらに放つものの、吹き飛ぶミサイルの爆発に煽られ、ままならぬ動きを取らざるを得ない。
「ちょっと、しつこいわよ」
 私が魅力的だからって、こうもしつこいのはお呼びではないわ、と。ふわりと戦場を舞いながら悪態をつく。刹那、多重のレーダー照射がアルルの位置を正確に捉え、第三のミサイルが無慈悲にも放たれた。

「随分盛り上がってるじゃんよー!」
 現れたのはフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)、爆炎に引き寄せられて、星くずの妖精はステージに上がった。
「アタシも行くぜー! いっちょ派手に決めてやろうじゃん!」
 明日に繋ぐ物語のはじまりはじまり、ってなー! 全力で放たれた【生まれいずる光へ】の輝きがアルルを包むと、蜻蛉のレーダーはあろうことか、その相手を見失う。手品の種は魔法の迷彩、妖精の悪戯だ。
「誰だか知らないけどアリガト! テンション上がってきたわ――これなら、まだまだ戦える!」
 その隙を逃さないアルルではない。星剣『スターフレイム』を抜き、追いすがるミサイルを片っ端から斬り伏せる。こんなのにもう一度狙われてはたまらない。幸い群がっていたミサイルを一刀両断、連鎖爆発。フィロメーラに強化された身体能力で、爆風を浴びる事無く切り抜けた。
「いいねぇ、ノってるじゃん。今度はアタシの番だ、っと!」
 アルルの活躍に奮起し、更にノってきたフィロメーラも戦線に加わる。流星の尾を引き、群がる敵群に吶喊するフィロメーラ。輝く金髪を振り乱しながら、レーダーを無効化されて動揺する敵機に対して強烈なスライディング――水平キックをお見舞いする。
 突然の闖入者に対して一斉に殺意を剥き出しにした敵群は、即座にレーザーの反撃に転じる。しかし並居る光条は、レーダーを潰され、残像に攪乱され、軽やかに舞う光の妖精にただの一撃すら当てられない。その上を滑る様にすれ違い様の光弾を放ち、追いすがる敵機には光速の蹴りをお見舞いする。踊る様に敵機を蹂躙する小さき者は、最早誰にも止められない。
「光線ってのは大体直線なんだよね、真っ直ぐ攻めれば簡単に避けられるし、こっちは一撃当てられるんだよ!」
 戦場を照らすスポットライトはその数を徐々に減らし、終には妖精と蜻蛉の一対一の果し合いとなった。
「抜けよ……って手が無いか。じゃあ撃てよ! 臆病者!」
 言われるがままの様に、最後のミサイルを放つ蜻蛉に対し、そのミサイルを踏み越えて最接近するフィロメーラ。悪足掻きのレーザーのシャワーを潜り抜け、強烈な光の蹴りをブチかます。
「これにてゲームセット……ってうぉぉぉ!?」
 刹那、避けた筈のミサイルがフィロメーラに向かい来る。だが、その一撃も横から放たれた炎の矢に焼き尽くされた。眼前に爆ぜた二つの光球は、まるでミラーボールの様。
「危ない所……って、助けられたのは私も一緒ね。大丈夫?」
「サンキューな、まあこれで半分以上片付いたろ」
 続きはどうする? 勿論行くわよ!
 爆光を浴びて輝くエルフと妖精は、気合も十分に次の戦場へ歩みを進めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルビィ・リオネッタ
相棒にして恋人の六道紫音(f01807)と共闘するわ

スピードと機動力、【空中戦】には自信があるわ
攻撃力のある相棒が技を命中させられるようにサポートしてみるわね

まずは【目立たない】ように【暗殺】できる位置からの攻撃を考えるわ

もし見つかったなら、敵の『衝角突撃』は【視力・見切り】で攻撃ポイントを見切って持ち前のスピードと【残像・逃げ足・ダッシュ】で最低限の動きで避けるわね

推進力を生んでいるエンジンを狙って【早業・鎧無視攻撃】の『グラウンドクラッシャー』を【2回攻撃】
破壊したり曲げたりして、思った方向に飛べないようにしてみる

「機械とかよく分かんないけど破壊はできるわ!」
「仕上げは頼んだわよ、シオン」


六道・紫音
相棒にして恋人のルビィ(f01944)と共闘

たとえそれが人の形をしておらずとも、兵器の類としても斬ってみせよう。
俺の剣と、ルビィとの連携があれば容易いはずだ。

ルビィと共に斬り込み、彼女が撹乱し俺が仕留めていく。
「行くぞ、ルビィ!」
『残像』を伴いながら『ダッシュ』で一足飛びに駆ける《縮地》にて敵集団の中央に飛び込み、敵の攻撃を『第六感』と『見切り』で見極めて回避し残心のまま即座に『カウンター』。
「任せろ、俺が撫で斬りにする!」
『鎧無視効果』で装甲の隙間を狙い『怪力』を発揮して膂力を増し『捨て身の一撃』により全神経を攻撃に集中した【陸之太刀《絶佳》】を『二回攻撃』で連続発動、範囲内の敵を一掃する。



 会敵から15分、既に半数以上の蜻蛉は猟兵の猛攻に敗れ、鉄の骸をそこかしこで晒していた。
「機械とかよく分かんないけど破壊はできるわ!」
 ルビィ・リオネッタ(小さな暗殺蝶・f01944)は眼前にて乱舞する蜻蛉の猛攻を軽やかに避け、『見えざる手』で本体ごと叩き落とす。
「そうだ。たとえそれが人の形をしておらずとも、兵器の類としても斬ってみせよう」
 相棒にして恋人の六道・紫音(剣聖・f01807)も、『宝刀《皇月》』を無形の位で、殺到する敵群を舞う様に切り結ぶ。
 暗殺者と剣聖、業を極めし二人の舞は、溢れんばかりの蜻蛉の群れを次々に物言わぬ鉄塊へと変えていく。
 二人は作戦開始より他のチームから率先して離れ、敵の一群をおびき出す事に成功していた。しかしそれは、退路を断たれた背水の陣でもある。
「それにしても数多過ぎ!」
「意志無き機械など恐るるに足らず、こうなれば纏めて仕上げるぞ!」
 幾ら有象無象と言えど、ひっきりなしの追撃にさらされては、達人らと言えど多少は辟易としてきた所だった。
 ぼやくルビィを嗜め、紫音は動きを変える。だらりとした無形の位から、刀を軽く担ぐ様に八相の構えへ。
「分かったわ! それじゃあアタシは暗殺を……開始する!」
 ふらりと、残像に隠れてルビィの姿が消える。動くモノは全て影、レーダーも光学観測も正しい答えを導けず、翻弄される蜻蛉の群れが不安な挙動を示し始めた。
「流石だな……行くぞ、ルビィ!」
 剣聖は狼狽える機械の群れに跳躍。それは縮地の極意、ほんの一呼吸で零距離まで詰められた間合いから一刀両断、続く太刀は蜻蛉のレーザー銃座を捉え、これを斬り伏せる。
「この太刀に斬れぬモノ無し」
 爆ぜる蜻蛉の群れに囲まれ、爆光を背後に紫音は残心を取る。敵は未だ健在、戦いは終わっていない。

「だーいぶ固まって来たわね」
 先程までは二人を囲む様に大きく散開していた蜻蛉の群れも、見失ったルビィが逃げたと見えたのか、紫音の場所へと次から次へと殺到する。
 しかしその猛攻も、残像と体捌きで軽くいなし、返す刃が蜻蛉の鼻先を一突き、両断された鉄塊が連鎖爆発を巻き起こす。
「……相変わらず容赦ないわね」
 ま、それはアタシもか、とルビィ。未だ己の姿は敵に見つけられず、自身は一塊で襲来する敵群に最大の一撃をくれてやる準備をしていた。
 ターゲットは集団後方でややもたついてるあの蜻蛉、狙うはエンジン……だっけ? よく爆発するらしい。
「それじゃアタシも……参らせる!」
 ニヤリと笑い、小さき者は宇宙を駆ける。先程までの軽やかな舞では無い、一突きで相手を死に至らしめる殺し屋の機動だ。
 相手の軌道は読み切った、後は威力をぶつけるだけ。手にした『フェアリーアックス』が星の明かりを浴びて鈍く煌めく。
「この野郎、砕けろッ!」
 背後から仕掛けたルビィの【グラウンドクラッシャー】は蜻蛉のエンジンを直撃、編隊を組む仲間もろとも破壊の嵐に巻き込まれる。
「そーれ、もう一丁!」
 反転したルビィはその威力を殺す事無く、眼下で狼狽える蜻蛉の頭上に破壊の鉄槌を喰らわせた。
 紫音を狙う敵群はここに来て完全に崩壊し、鋒鋩の体で撤退を開始する。しかし、それを逃す猟兵ではない。
「仕上げは頼んだわよ、シオン」
「任せろ、俺が撫で斬りにする!」
 散り散りに逃げようとする蜻蛉へ間合いを詰める。この距離ならば逃さないと、捨て身の一撃を抜き放つ。
「逃しはしない……【陸之太刀《絶佳》】!」
 闘争の火を噴くよりも疾く、神速の斬撃はその膂力を以って暴風を纏い、紫音の半径23m内の全てを微塵と化す。それでも尚逃げようとする蜻蛉には、ルビィの残像を纏った機動が包囲をし、退路を完全に遮断する。
「これで……仕舞いだ!」
 紫音の二の太刀は蜻蛉を襤褸切れの様に吹き飛ばし、装甲の隙間から浸透した威力が、空域に次々と花火を打ち上げる。

「あーあ……これが戦いじゃなかったら良かったのに」
「何、終わってから何処か、行けばいい」
 爆ぜる爆光を眺め溜め息をつくルビィに、紫音は二人の為の提案をする。
 だが今は、この世界を護る事が先決。
 業を極めし二人は、続けて己の獲物を狙い飛び立った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神薙・焔
ミサイルファイターって言ってるけど対艦攻撃機なのね、対空レーザーも積んでるしマルチロールなのかもしれないけど。
ウィングド・ビートにスラスターを増設して宇戦仕様に、ガッドズィラ攻略時の戦訓もあるし、あの時ほどハリネズミになる必要はないけど、速度と機動性は必要ね。

レーザー軽減に地獄の焔をバラまいて、近接したらブレイズバルディッシュの出番ね。対艦ミサイル? ウィングド・ビートと身一つ(薄型宇宙服着てるけど)で宇宙を駆けるあたしに当たるとは思えないわ。

あとは七面鳥撃ちね、灼熱ガトリングガン・フルバースト、スコアを伸ばすわよ!

スキル:属性攻撃5、援護射撃1、範囲攻撃3、零距離射撃3、武器改造3、操縦5


シュトフテア・ラルカ
ふむ、残存戦力があったですか。
最後の自爆で足止め食らってる内に逃げられてしまったような物ですししっかり追撃していくのです。

あの艦を相手にするよりは楽なはず。ですが気は抜かずに行くですよ。
UCを発動、足に分離装着し、スピードを確保するです。
今回は手数よりも精密性を重視していくです。
手持ちの精霊銃と熱線銃を連結。狙撃戦仕様に変更するです。
【スナイパー】で機体の中心部を狙い撃ちながら【空中戦】をこなすです。

手数は減ったですが貫通制は上がってるのです。
敵を【おびき寄せ】て一気に纏めて貫くですよ。
そちらの戦力は徹底的に削らせていただくのです。
※絡み、アドリブ歓迎



「それにしても、敵の数多くない?」
 神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・f01122)は今回の元凶、巡洋戦艦ガッドズィラに止めの一撃を加えた立役者。だが残された脅威があると知り、再びかつての戦域近くまで足を延ばしていた。
「そうですね……前の戦いの航宙隊も、これほどの数では無かったです」
 同道するシュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)も同じく、先の戦いを共に生き抜いた仲間だ。二人は会戦と同時にあえて最前線ではなく、敵群が出現するポイントを辿り、その道中で残敵を掃討しつつ前進していた。
 開戦から既に20分、仲間達は圧倒的なスコアを次々と叩き出している。ならば敵の出所へ行けば、最大の戦果が得られるだろうと信じて進む。行く道に次々と現れる蜻蛉は、回頭性と機動性を重視した焔の『ウィングド・ビート』に翻弄され、あるいはシュトフレアが【高機動コード『Patte de lapin』】で身に纏ったガジェットらの猛攻に晒され、返す刃で次々と撃破せしめられていた。
「……俄かに信じがたいですが」
「どうしたの?」
 バラバラと精霊銃『あれにえくん』から魔弾をばら撒くシュトフテアが、不意に焔へ告げる。
「既に数百機の蜻蛉が斃されています。どう考えてもおかしい」
 巡洋戦艦の格納庫なら、どんなに多くても両舷合せて百数十機が関の山、それを優に超える戦果に二人は違和感を感じ取った。
「とにかく! 敵の出所を叩けば万事オッケーでしょ? もうすぐ敵の格納庫が投下されたポイント……あれ」
 『灼熱ガトリングガン』をばら撒き敵を掃討する焔がふと、立ち止まる。眼前には件の格納庫――第三艦体構造物が。
「あれが……ガッドズィラの残した骸……」
 それを見やり、シュトフテアが呟く。
 墓標か、あるいは死骸か。
 その構造物は間違いなく死んでいた。
 幾重にも張り巡らされた装甲板は、虫食いの様にそこら中に穴をあけ、
 船体を支える頑強な骨格も所々ほつれている。
 その内部では無人のクレーンや溶接機が、まるで己の血肉を原料に、大量の蜻蛉――ミサイルファイターを生産しているのであった。

●追撃のセカンド・バレット

「アレを止めよう」
 オブリビオンとは、骸の海に捨てられた筈の過去が受肉した化け物。
「艦体構造物を使って、受肉した……モンスター?」
 違う、相手は機械だ。だがその根源は機械ではない、世界の埒外の怨念が形を成したモノ。
 眼前のアレは最早、ガッドズィラの第二次攻撃隊ではない。オブリビオン『ミサイルファイター』だった。
 そして、それを屠るのは猟兵の役目。
 二人の少女は決意も新たに、敵の発生源へ向けて飛翔した。

 先ずは焔が加速、それに立ち塞がるミサイルファイター――蜻蛉の群れが歓迎のレーザーを乱舞する。
「それだけじゃあ、あたしは止まらないッ!」
 お返しにと高鳴る『胸にある焔』から、地獄が顕現する。やわなレーザーではその炎を突破する事もままならない。
 爆炎の中から赤い髪をなびかせて、焔は手にした『ブレイズバルディッシュ』で正面から蜻蛉を一刀両断。その反動で飛び上がり、距離を取った蜻蛉を片手の『灼熱ガトリングガン』の餌食とする。蜂の巣の様にぼこぼこと開けられた穴から炎が引火し、周辺に爆光が炸裂した。

「最後の自爆で足止め食らってる内に逃げられてしまったような物ですし、しっかり追撃していくのです」
 先の戦いの最後を悔やむシュトフテア、復讐戦と言わんばかりに全身のガジェットから圧倒する力を解き放つ。熱線銃と精霊銃が咆哮し、追いすがる蜻蛉を背後から正確に叩き落す。衝角で果敢にも立ち向かう蜻蛉も、背中より隠された短銃がその出端を挫いた。よく見ればシュトフテアの周りには蜂型のデバイスが。それらが彼女の周辺状況を的確にサーチし、最適な攻撃手段を選択、数で圧倒する蜻蛉の群れを只管に返り討ちにしていったのだ。ひらりと舞いながらシュトフテアは、気が付けば辺りの敵群を蹂躙していた。

 立ち塞がる悪意の尽くを薙ぎ倒し、辿り着くは骸の源、ガッドズィラだったモノだ。あのキャプテンらの死肉を貪る、悍ましい別のモノ。死者への冒涜にも近しい嫌悪感が、二人の背筋を奔った。
 されど眼下では蜻蛉が無尽蔵に、何の意志も無く淡々と製造されている。その中の製造途中の蜻蛉から弱弱しい対空砲火が。対艦ミサイルも取り付けられず、正に発艦寸前の個体まで居る。
「七面鳥は撃ち飽きたわ……もう、いいでしょ」
「ええ、今度こそ終わりです」
 送り火を、と。焔が【ブレイズフレイム】を眼下に投げ打った。自身も傷だらけ、出し所に困る状況では無い。
 続いて艦体構造物の中心――蜻蛉を生産しているマザーマシンらしき機械に狙いを定め、シュトフテアは『ふぉこんくん』と『あれにえくん』を繋げ、最大出力で狙撃。
 焔が放った地獄の炎は、舐めるように冒涜の鉄塊を焼き尽くし、シュトフテアが根源を貫いた威力はそのまま、艦体構造物をバラバラに砕く引き金となった。
 後には焼け焦げた巨大な鉄塊のみが残される。これならばもう二度と、悍ましい悪意に晒される事もあるまい。

 友軍艦艇に作戦終了の連絡を入れる二人。ここに蜻蛉追撃戦が、ガッドズィラ迎撃戦が本当に終わったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト