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銀河帝国攻略戦⑪~その一撃に全てを込めて

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「みんな集まってくれてありがとう。」
 巨大な機械鎧の肩に乗った妖精の少年、トゥール・ビヨン(時計職人見習い・f05703)は集まった猟兵達に声をかける。
「まずはお疲れ様。みんなの頑張りもあって、先の戦いで帝国の大要塞『エンペラーズマインド』に大打撃を与える事ができたんだ。」
 防衛艦隊とエンペライダーズを排除した事で行うことが出来た先の大攻勢。参加した猟兵達から大きな歓声の声が上がる。
「でも、帝国の大要塞『エンペラーズマインド』の防御装甲と対艦武装は、規格外のコアマシン、『エンペラーズマインド・コア』によって修復され続けるんだ。一度は与えられた大打撃でも撃破するには至らず、今は膠着状態に入ってしまっている。」
 先ほどの歓声とは別のどよめきが集まった猟兵達から上がる。トゥールは一度言葉を句切ると、集まった猟兵達を見渡しはっきりとした声で告げる。
「そこで、この膠着状況を打開する為、猟兵達による『コア』への突入作戦が行われる事となったんだ。みんなにはこの突入作戦に参加して貰いたい。」
 作戦の概要はこうだ。先ず、エンペラーズマインドへの突入だが、これはスペースシップワールドの艦隊の援護によって、比較的安全に行う事が出来る。そして、内部の巨大隔壁についても先行して突入した猟兵によって破壊され、コアマシンルームへ至る侵攻ルートも確保されている状況だ。
 つまり、この部隊の役割はコアマシンルームへ踏み込みコアマシン、『エンペラーズマインド・コア』だけ。集まった猟兵の中から、安堵の声が上がった。しかし、とトゥールは表情を険しくし、猟兵達に向け口を開く。
「でも、そうはいかない。コアマシンルームへの最後の難関が残っている。」
 コアマシンルームを守護する帝国の兵器。古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』。戦闘のみに特化し、感情を持たないこの兵器は、かつての『解放軍』の英雄達を何人も殺害したとされる強敵だ。
「この部隊の役割を果たすためには『デストロイ・ウォーマシン』の撃破が必須になる。恐らく、気を緩めれば猟兵のみんなと言えど返り討ちに遭うかも知れない……。」
 例え、猟兵であっても油断すれば簡単に敗北しかねない強敵。しかし、こいつを排除しなければ、コアルームに向かう事は不可能なのだ。
「恐ろしい帝国の兵器が相手となる危険な任務になる。ボクとパンデュールもみんなを送り出すため精一杯努力する。だから、スペースシップワールドの平和のために力を貸して欲しい。」
 そう言うと、トゥールは猟兵達に頭を下げるのであった。


西駝きゅー
 こんにちは、マスターの西駝きゅー(にしだ・きゅー)です。
 おこしいただき、ありがとうございます。
 成功条件は帝国の古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』の撃破とその先の『エンペラーズマインド・コア』の破壊となります。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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●デストロイ・ウォーマシン
 詳細はOP等にあるとおりです。成功度の判定は難易度相当に見ますのでご了承ください。
 しかし、皆さんであれば必ず撃破できると信じております。

●エンペラーズマインド・コア
 見事、デストロイ・ウォーマシンを撃破できた後は、コアマシンルームに踏み込みます。
 コアマシンルーム内には、殺人ウイルス『オロチウイルス』が充満しており、猟兵であっても数秒程度しか活動する事が出来ません。
(理屈は現状不明ですが、なぜかウォーマシンやバーチャルキャラクターなど、明らかに普通のウイルスが効かないであろう存在にも効いてしまいます)
 その為、コアマシンルーム突入後は、渾身のユーベルコードを1度放つのが精いっぱいとなります。
 ユーベルコードを撃った後は、グリモア猟兵によって強制帰還させられます。

 以上になります。
 それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『デストロイウォーマシン』

POW   :    デストロイトリガー
【一切殺戮モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    クリムゾンバースト
【全武装から全力砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ユーベルアナライザー
対象のユーベルコードを防御すると、それを【自身の戦闘プログラムで高速解析し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


――ビー!ビー!ビー!
 警報音が鳴り響いている。
 スペースシップワールド艦隊の援護により、難なく帝国の大要塞『エンペラーズマインド』へと侵入を果たした猟兵達は、目指すべき目的地、コアマシンルームへ向けて道を駆けていた。
 やがて広く、天井の高い、何もない部屋へと辿り着いた猟兵達は入ってきた通路とは反対方向に更に奥へと通じる通路を発見する。
 先行して突入した猟兵が帝国兵より得た情報によれば、あの先がコアマシンルームへと通じているはずだ。
 猟兵達は後方からの追っ手がいないことを確認すると、慎重に大部屋の中へと歩みを進める。
 すると、突然入ってきた通路にエネルギー障壁が展開され猟兵達は大部屋内に閉じ込められてしまった!
 どうやら目指すべき反対方向の通路も同じ様子である。
 戸惑いを隠せない猟兵達はやがて、大部屋の上空より何か巨大な物が降ってくるのを発見する。
 そして、爆発音のような大きな音とともに、ビルほどもある物体が猟兵達の前に降り立つ。
「――警告、警告。コアマシンルームヘノ侵入者ヲ発見、シマシタ。デストロイ・ウォーマシン、待機モードヨリ起動、成功。戦闘モードニ移行、成功。コレヨリ、侵入者ノ排除ヲ開始シマス。」
 無機質な音声と共に、猟兵達へと殺意を向ける巨大な鉄の塊。これが、グリモア猟兵の情報にあった帝国の古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』!
 瞬時に戦闘態勢に入った猟兵達はデストロイ・ウォーマシンへと各々が武器を構える。
 銀河の存亡をかけた戦いが今、始まろうとしている。
ジェット・ラトリオック
【呪物:精霊の苗床】を始めから使用。加減は無しだ
高速移動と逃げ足、残像で武装の砲撃範囲から回避しつつ、
細い足、関節部を狙って触手を放ち、絡め取って体制を崩したり、武装を引き剥がせないか試してみる。
フェイントも織り交ぜつつ、可能な限り奔走する。
頭部、カメラ部にも触手を放ち、切り離し、視覚を妨害するよう触手に働きかける。(目潰し)

鉄相手は苦手だ、だがやる他ない。

(※アドリブ、絡み、自由にお任せします)


サーズデイ・ドラッケン
感情を持たぬ、戦うためだけのウォーマシン…
私もキャプテン達と出会わなければ、ああなっていたのかもしれません
他人のようには思えませんね
…とはいえ、加減をするつもりはありません。押し通させて頂きます

まずは火力を奪います
敵の兵装に狙いを定め、中距離からミサイルポッドとウッドペッカーによる機動戦を仕掛けます
接近された場合は盾のブースターで吹き飛ばしつつ距離を取り、白兵戦を拒否
敵が火砲を構え一斉射撃の予兆が見えたら【ソードスウォーム】を展開
正面に全ての盾を重ねて敵の攻撃に耐えながら突撃、零距離からのレールガンで撃ち抜きます

コアには全火砲での一斉射撃
何も考えず、ただ最大火力を叩き込むのみです



●クリムゾンバースト
「――コレヨリ、侵入者ノ排除ヲ開始シマス。」
 無機質な音声がエンペラーズマインド内の巨大な部屋に響き渡る。突然の来訪者に対応を決めあぐねる猟兵達に向け、デストロイ・ウォーマシンは一部の迷いもなくその巨大な紅のブラスターの引き金を引く。
 とっさに散り散りに散会し砲撃を回避した猟兵達。着弾し巨大な爆炎を上げた砲撃の爆風がその一人、バケツのような兜を被った大男、ジェット・ラトリオック(黒玉の蛸・f01121)の服を揺らす。
「鉄相手は専門じゃないが、やる他ない……!」
 瞬時にユーベルコードを発動したジェットの身体に触手状の精霊が纏わり憑く。ジェットの身体を苗床に寄生し、驚異的な身体能力の強化を施した触手はうねうねとデストロイ・ウォーマシンへの敵意を露わにする。
「いくぞ、手加減は抜きだ。」
 強化された身体能力をもって、高速移動でデストロイ・ウォーマシンから放たれる砲撃を躱していくジェット。そして、隙を見てデストロイ・ウォーマシンの脚部関節に向けて触手を伸ばし、力を込める。ギリギリとデストロイ・ウォーマシンの脚部が悲鳴を上げる。ジェットの攻撃はデストロイ・ウォーマシンの脚部をへし折るまでは行かずとも、その脚部装甲を歪めへこませたに見えた。が、デストロイ・ウォーマシンの巨体はビクともしない。
「くっ、体勢を崩すにしてもこの巨体では。」
 ジェットの触手での攻撃の間にも、間髪入れずにデストロイ・ウォーマシンより放たれる砲撃を高速移動で躱していく。直撃は免れるものの、飛散する爆炎が少しずつ彼の身を焦がしていく。
 決して歩みは止めず、しかし攻撃の一手を決めかねるジェット。突如、彼の兜の中からぐっ!と言う呻き声が漏れる。ジェットに寄生した触手の精霊はその生命を代価に顕現している。生命を蝕む触手に悲鳴を上げたジョットの身体は、頭部に強烈な痛みをもって警告を発している。突然の頭痛に意識を手放しそうになるジェットは肌身離さず被る倫理の鉄兜に手を触れ、落ち着きを取り戻す。彼が今も狂気に犯されずに自己を保っていられるのは、このバケツのような兜のお陰だ。
「ジョット殿、援護します!」
 デストロイ・ウォーマシンを挟んだ向かい側からジェットに呼び掛けたのは青き機体のウォーマシン、サーズデイ・ドラッケン(宇宙を駆ける義賊・f12249)であった。サーズデイのミサイルポッドによる援護射撃がデストロイ・ウォーマシンに命中し火を上げると、デストロイ・ウォーマシンの注意がサーズデイへと向けられる。
「すまない、恩に着る!」
 声を返したジェットの反応を見届けると、サーズデイは向き直ったデストロイ・ウォーマシンに対峙するようにその鋭い赤い眼光を向ける。
「戦闘のみに特化した、戦うためだけのウォーマシン……。」
 他人のようには思えませんね。と、胸の内で呟いた彼はカービン銃、BAC-ウッドペッカーより放たれる荷電粒子弾の連続射撃をデストロイ・ウォーマシンの巨体へと浴びせる。
 同じだ、彼と私は。ただ、たった一つ私と彼に違いがあるとすれば。
 サーズデイがかつて所属した宇宙義賊『ドラッケン海賊団』。そこでの出会いがなければ、サーズデイはあの心を持たぬデストロイ・ウォーマシンと同じ殺戮兵器としてその生を終えていたかも知れない。キャプテン、海賊団の仲間達。たった一つ、その出会いがサーズデイを心ある猟兵としてこの場に存在させている。かつての仲間達の矜持を胸に、弱きを助け強きを挫くためサーズデイは今も戦い続けている。
「とはいえ、加減をするつもりはありません。押し通させていただきます!」
 荷電粒子弾の連射に加え、ありったけのミサイルポッドをデストロイ・ウォーマシンへと飛ばすサーズデイ。爆炎と閃光が紅の巨体の一部を飲み込んでいく。
 突如、デストロイ・ウォーマシンの頭部に光るセンサーが青から黄へと明滅した。何かがデストロイ・ウォーマシンの中で切り替わった、それを察したサーズデイは彼の盾、WMC-ハミングバードを構えながら搭載されたブースターを噴射しデストロイ・ウォーマシンから距離を取る。すると、再びデストロイ・ウォーマシンからあの無機質な音声が部屋中に響き渡った。
「デストロイ・ウォーマシン、全武装ノ拘束ヲ解除、成功。対象ノ侵入者ヘ向ケ最大火力デノ砲撃ヲ開始、シマス。――クリムゾンバースト、レディ。」
 デストロイ・ウォーマシンの紅の巨体に搭載された全武装が、射程内に捕らえられたサーズデイとジェット二人の猟兵に向けられる。そして、エネルギーの込められた砲門が開かれる。――その刹那。
「それを待っていました。ソードスウォーム、レディ!」
 サーズデイの叫びと共に、彼のユーベルコードが発動する。彼の盾、WMC-ハミングバードより展開されるビームブレード。変化はそれだけにとどまらず、一瞬にして19もの複製された盾が彼の念力により周囲に浮かび上がり展開する。念力により操作された盾を、半分をジェットに、もう半分を自らの前に重ねるように飛ばしたサーズデイ。その刹那、デストロイ・ウォーマシンの最大砲撃が二人の猟兵へ向けて放たれた。
「うっ!?」
「ぐうっ!!」
 デストロイ・ウォーマシンの最大火力の砲撃は苛烈を極めていた。爆炎と爆煙、そして超高熱がサーズデイとジェットを飲み込んでいく。
 永遠か一瞬か、地獄のような砲撃が終わりを迎え、辺りに立ちこめた煙が晴れてくると、その跡には何も残っていなかった。

 かに思われた。
 薄れていく煙の中から突如として伸ばされたジェットの触手が、デストロイ・ウォーマシンの頭部センサーへ向け、渾身の力を込めて突き立てられ、そのレンズを砕いた。
「よしっ、とったぞ!」
 激しく明滅を繰り返しながら、火花を上げるデストロイ・ウォーマシンのセンサーからその首を離したジェットの触手は続いて、頭部付近に展開された小さなサブセンサーを探り当て、うねうねと意志を持つかのような動きを見せながら巻き付き締め上げていく。
「ふっ、どうだ。面白いだろう俺の触手は!」
 煙の中から表れたジェットの身体は半身が炭化し焼け焦げ、今にも倒れそうな様相を見せていた。彼が辛うじて立っていられるのは、サーズデイが放った盾と彼の強靱な意志によるところが大きい。ジェットは兜の中で不敵に笑うと、その手から放たれる触手に全ての力を注ぎデストロイ・ウォーマシンの感覚器を潰していく。
「好機、ジェット殿感謝します!」
 続いて煙の中から表れたサーズデイ。彼の身体も左腕を中心に完全に溶けて無くなっていた。それでも、サーズデイは右半身に残ったアームドフォート、XAF-レイヴンの大型レールガンを構えるとデストロイ・ウォーマシンに搭載された最大の武装の一つ、紅のブラスターの砲門を収めるギリギリの位置まで近づき、引き金を引いた。
「その火力、流石のものでした。ですが、ここまでです!」
 砲門から逆流したエネルギーの本流により、火花を上げながら爆発するデストロイ・ウォーマシンの最大武装。
 ジェットとサーズデイ、二人の猟兵の力によりデストロイ・ウォーマシンは大きくその力を落としていた。
「緊急事態発生、緊急事態発生。」
 紅の巨体より流れる無機質な音声が部屋中に響いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シェイド・レーム
へっ、始まったみてぇだな。相変わらず銀河帝国とやらとドンパチやってんのか、この世界は。面倒だが給料ぶんは働いてやるさ!

最初から全力全開で行くぜ!【高速詠唱】+【デスナイトの召喚】だ!こんなポンコツに俺様の死霊騎士を扱いこなせるとは思えねえ、俺様の方が練度は上よ!【呪詛】を組み込み最大限まで強化した死霊騎士どもに模倣品が負けてたまるかよっ!【オーラ防御】も高速展開だ!他猟兵のダメージもできる限りこれで抑えてやるぜ!

「死霊騎士よ!剣でぶった斬れぇ!!」

面倒くせえがもう一仕事残ってるんだったな。エンペラーズマインド・コアなんて大層なモンに向けて死霊騎士どもを突撃させるぜ!


ヴィクトル・サリヴァン
最終関門か。
抜けた先にも厄介な仕掛けはあるけどまずはここを乗り切らないとね。
感情を持たず、けれど過去には敗れ去った兵器。
なら負ける道理などないと強気に挑む。

基本は支援、頑丈そうな壁等障害物を防御に利用。
氷と波合成し敵の足元を凍らせ機動力を奪う。
隙を見つけたら仲間に合わせ雷と嵐合成し敵を撃つ。
ただしUC解析されたら銛を手前に突き立て避雷針に。雷だけでも直撃避けれないか試す。
一切殺戮モードには銛を仲間のいない方向に全力投擲+大海より来たれり。
其方に攻撃させて仲間が体勢整えたり攻撃の為の隙を作ってみる。

コアには全力のUC。
炎と嵐を合成して部屋中焼き尽くす勢いで炎の竜巻を起こす。

※アドリブ連携等お任せ



●ユーベルアナライザー
「緊急事態発生、緊急事態発生。頭部センサー部ニ損傷、甚大。大型ブラスターニ損傷、甚大。脚部間接部ニ損傷、軽微。本体装甲部ニ損傷、軽微。デストロイ・ウォーマシン、防御モードニ移行、成功。並行シテ自己修復システムヲ起動、成功。現在ノ損傷率ヲ考慮シ、戦闘プログラムノ書キ換エヲ開始シマス。」
 デストロイ・ウォーマシンの巨体より流れる音声が、猟兵達の与えたダメージの大きさを物語る。
 デストロイ・ウォーマシンの猛攻を凌いだ猟兵達を後ろに下がらせると、白い長髪をなびかせた一人の猟兵、シェイド・レーム(ナイトハンター・f13612)が前へと進み出る。
「へっ、後は任せろ。面倒だが給料ぶんは働いてやるさ!」
 先ほどの戦いで援護に徹していたシェイドは軽い調子で、しかしその赤き瞳に闘志を宿らせて戦いを引き継ぐ。
「おらっ、ポンコツが調子に乗るな!全力全開でぶっ潰す!」
 先ほどまでの猛攻が嘘のように、静かに動きを止めたデストロイ・ウォーマシンの巨体を見上げたシェイドは、これを好機と攻勢を開始する。高速で複雑な詠唱を紡いでいくシェイド、そして詠唱の最後にその手に持つ闇の短剣を地に突き立て彼岸と此岸をつなぐ扉を開き闇の力を纏う従僕を召喚する。
 シェイドのユーベルコードにより顕現したのは二体の死霊騎士。ノーランド、ウィルソンと呼び掛けたシェイドはその手から闇の従僕達に力を注ぎ命令を下す。
「死霊騎士よ!剣でぶった斬れぇ!!」
 シェイドから下された命令に、二体の死霊騎士は巨大なデストロイ・ウォーマシンへ向けて真っ向から突撃を開始する。そして、人ならざる力で跳躍した彼らの剣が紅の巨体を捉えその装甲を切り裂かんと振るわれた。
「オート防御機構、起動。エネルギー障壁、展開。対象ノ攻撃ノ防御二成功、シマシタ。デストロイ・ウォーマシン、ユーベルアナライザーヲ発動シマス。」
「何!?」
 しかし、その剣が本体へ到達することはなかった。
 二体の死霊騎士の攻撃をエネルギー障壁を展開することにより弾いたデストロイ・ウォーマシンから不穏な音声が鳴り響く。巨大な機械内部に走る戦闘プログラムによる高速解析により、エネルギー障壁の表面に展開される魔方陣。そして、その中心より彼らの前に顕現した者は――。
「ジェイドさん!」
 巨体のシャチの如き猟兵、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)が声を上げると、シェイドは咄嗟に死霊騎士達を下がらせた。ヴィクトルは普段柔和なその表情を少し険しくし、エネルギー障壁に描かれた魔方陣から表れようとするそれらを警戒するように見つめていた。
「『シ』ェイドだ!次間違えたらはっ倒すぞ!!」
 後方で警戒するヴィクトルを一瞥し声を荒げるシェイドは動揺を隠せなかった。何故ならばデストロイ・ウォーマシンの展開した魔方陣より、彼らの前に現れた者達はシェイドが召喚した死霊騎士達と瓜二つの、しかし一回り二回りも大きな二体の死霊騎士であったからだ。闇の力を纏う死霊騎士の召喚という、デストロイ・ウォーマシンの機械の身体より発動するには似つかわしくない能力。恐らくこれはシェイドのユーベルコードを真似たもの、コピー能力。
「厄介な能力、だけどここを乗り切らないと!」
 デストロイ・ウォーマシンの能力を冷静に分析したヴィクトルは、巨大な死霊騎士と対峙するシェイドの死霊騎士達を支援するためにユーベルコードを発動する。
「属性は『氷』、現象は『波』。いくよ、エレメンタル・ファンタジア!」
 ヴィクトルはその身体に流れる魔力を氷の波へと変換し、巨大な死霊騎士達の足下を捉える。シェイドの死霊騎士達へ向け突貫を開始していた二つの巨体は、足下を凍らされたことによりその動きを鈍らせる。そこへすかさず、シェイドの死霊騎士ノーランドとウィルソンによる連続攻撃が叩き込まれた。巨大な死霊騎士の足下に氷の波が押し寄せる一方、シェイドの死霊騎士達の足下は波が割れるように彼らを避け、道を作っていく。このフィールドを操るヴィクトルの支援により、シェイドの死霊騎士達は敵を圧倒する。そして、ノーランドとウィルソンの斬撃により十文字に切り裂かれた巨大な死霊騎士達は堪らずに氷の波の上でその膝をつき転倒する。
「やるじゃねーか、シャチのおっさん!」
「ヴィクトルだよ!」
 シェイドとヴィクトル、二人の連携でデストロイ・ウォーマシンの手駒を押し返したことにより、シェイドは勢いを取り戻していた。
「こんなポンコツに俺様の死霊騎士を扱いこなせるとは思えねえ、俺様の方が練度は上よ!」
 転倒から立ち上がろうとする巨大な死霊騎士達に向け、ノーランドとウィルソンに追撃を命じるシェイド。
「援護するよ!属性は『雷』、現象は『嵐』。いけ!」
 そして、後方からヴィクトルの大魔力が雷の嵐となり巨大な死霊騎士達へ向けて放たれる。
 その瞬間であった。
 再び立ち上がろうともがく二体の死霊騎士達は突如、魂が抜けたかのように崩れ去り、その身を崩壊させていった。今まさに、斬撃を放とうと剣を振るったシェイドの死霊騎士達はその手応えを失い、そして、目標を失ったヴィクトルの雷の嵐はそのままその後方に控えるデストロイ・ウォーマシンの巨体に引き寄せられるように目標を変え、エネルギー障壁により相殺されていった。
「――ユーベルアナライザー、発動。」
「しまった!?」
 ヴィクトルの大魔法を解析した、デストロイ・ウォーマシンは先ほどヴィクトルが放ったと同じく、強大な雷の本流を嵐に変えて猟兵達に向けて解き放つ。
「ちいっ!」
 シェイドは咄嗟に死霊騎士達をヴィクトルと己の前に呼び戻し、雷の直撃を防ごうとするが間に合わない。その前へ、シェイドを後ろに庇うようにヴィクトルの巨体が表れた。
 刹那のことであった。デストロイ・ウォーマシンから放たれた巨大な雷の嵐に飲み込まれたシェイドとヴィクトルは地に伏せるように膝をつく。それと同時に、シェイドの死霊騎士達はその力を失い身体を崩壊させていった。
「ハァハァ、……大丈夫かよ、ヴィクトル。」
 シェイドも甚大なダメージを受けている。雷の本流は彼の神経を焼き切り、先ほどから皮膚の感覚が全くない。頭痛が止まらない。しかし、それよりも庇いに入ったヴィクトルの損傷は大きかった。
「……うん、シェイドさんも。だけど……今のでわかった。あのコピー能力の発動は……一回に一度きり。そして……一度に二つの攻撃は発動できない。」
 息も絶え絶えにデストロイ・ウォーマシンの攻撃特性の分析を口にするヴィクトル。下半分の身体はもう使い物にならない。腕も右腕を上げるだけでやっとだ。
 しかし、ヴィクトルはシェイドに向けて、あのデストロイ・ウォーマシンに一矢報いるための作戦を告げる。
 シェイドはヴィクトルの作戦を聞き届けると、最後の力を振り絞り再び立ち上がる。そして、再び高速で紡がれる呪われし闇の詠唱。もう、扉を開くための短剣を地に突き立てる力は残っていない。――ならば。
 代わりとばかりに、シェイドは詠唱の最後にその手に持つ闇の短剣を、前へと差し出した彼の左腕に向けて突き刺した。その覚悟が、溢れ出す闇の呪いを更に強固なものとする。
 彼の左腕を中心に展開される死の世界への扉。そこから再び召喚されたシェイドの騎士、ノーランドとウィルソン。
「これが俺の全部だ!最大限まで強化した死霊騎士どもが負けてたまるかよっ!」
 シェイドは残った力の全てを二体の死霊騎士に注ぎ込むとデストロイ・ウォーマシンへ向けて攻撃を命じる。
「感情を……持たず、けれど過去には敗れ去った……兵器。」
 言葉を詰まらせながら、辛うじて上体を起こしたヴィクトルは震える右手で彼の武器たる三叉銛、勇魚狩りの柄を掴む。
「なら負ける道理など、ない!」
 彼は魂の底から残る魔力を振り絞り、最後の大魔法を発動する。雷の嵐が、シェイドの死霊騎士達を追いかけるように解き放たれていく。
「いけえええ!!」
 それと同時にヴィクトルはその手に持つ三叉銛をデストロイ・ウォーマシンの巨体に目がけ真っ直ぐに射出する。
 ヴィクトルの雷の嵐がデストロイ・ウォーマシンの障壁に飲み込まれる。それと同時に発動するデストロイ・ウォーマシンのコピー能力、ユーベルアナライザー。強大な雷の放流が再び猟兵達に向け放たれようとした刹那、ヴィクトルの投げた三叉銛の柄を掴んだシェイドの死霊騎士ウィルソンが尋常ならざる跳躍でデストロイ・ウォーマシンの頂点に三叉銛を突き刺す。エネルギー障壁に押し返されそうとする銛に力を込めるウィルソン。突き立てられた銛はまさに避雷針。そして、そこへ引き寄せられるようにデストロイ・ウォーマシンから放たれた雷の放流が自分自身へと返ってくる。
 自身の強大な雷撃の前に、デストロイ・ウォーマシンの防御機構耐えられずは火花を上げ、そしてエネルギー障壁を消滅させていく。
 そこへもう一つの影、シェイドの死霊騎士ノーランドがその剣に闇の力を滾らせ襲いかかる。
「骸の海に沈めポンコツ!」
 火花を上げる防御機構目がけ、その剣を振り下ろした死霊騎士は巨大な傷跡をデストロイ・ウォーマシンの装甲に刻み、その防御機構を完全に沈黙させた。
 感覚器を潰され、最大武装を失い、そして今、二人の猟兵の力により防衛機能をも失った古代の超兵器デストロイ・ウォーマシン。
 力を出し尽くしたシェイドとヴィクトルは後を任せるように地に伏せる。
 決着の時は、近い。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花盛・乙女
面白い。頑丈さが自慢と来たか。
なればこの花盛乙女の修羅の剣とどちらが強いか勝負と参ろう!

【一切殺戮モード】の特性を逆手にとろう。
黒椿と乙女の二振りを構え、UC火喰鳥を使い速度で私を狙わせる。一瞬的を私に向ければ上出来だ。
攻撃を『見切り』『残像』を打たせ、迫る攻撃は『武器受け』でいなし、『ジャンプ』を平行に使い推進力と成す。
剣の届く範囲に捕らえれば『鎧無視攻撃』『鎧砕き』『グラップル』『怪力』を駆使し斬る。一撃が入れば我が【雀蜂】は必中だ。

私の拳はこの宇宙の誰の拳よりも痛いぞ!覚悟しろ!


毒煙幕の張られた部屋では、火喰鳥からの【雀蜂】だ。
我ら猟兵を、この花盛乙女を毒如きで止めよう等とは片腹痛いぞ!


黒曜・鵺
POW対応

・感情なきウォーマシン、ですか。まさに破壊と殺戮特化といったところですが…対人とはまた違った隙もあろうというもの。その針孔のような隙、つかせてもらいましょう。

・速く動くものを無差別攻撃。確かに強力です。ならば、それを存分に使ってもらいましょう。液状化して「目立たない」ようにゆっくりと物陰を選びながら動きつつ、瓦礫などを【サイコキネシス】で速く動かしてぶつけるなどの攻撃を行います。さあ、殺戮者よ、あなたはどっちを攻撃せざるを得ないでしょうね。

・私自身は「暗殺」攻撃を狙っていきますが、隙がつけないと見れば【サイコキネシス】での援護に努めます。

・コアには殺戮マシンの残骸をぶつけましょう。


カイム・クローバー
デストロイウォーマシン…噂にゃ聞いてたが、こいつはヤベェな。全身武装の鋼の塊なんざ、極力絡みたくねぇ相手だ。宇宙の平和なんざ、興味もねぇが、世界一個が丸々消えちまうなんざ言われりゃよ…引くに引けねぇぜ(溜息)
POW判定。SPDは広範囲を巻き込んじまうみてーだし、近距離で大剣を振るってその装甲をぶち抜いてやるぜ。【二回攻撃】【鎧砕き】【串刺し】【なぎ払い】【早業】で一点を集中的に狙う。攻撃に対しては【見切り】【武器受け】で対処。猟兵との連携は必須だが俺の狙いはUC。ヒビの入った外装にUCを叩き込む!外装は見ての通り。けど中身はどーだ?
コアマシンルームじゃ銃撃の協奏曲を。手数で一発ぶちかますぜ?



●デストロイトリガー
 傷ついた猟兵達を下がらせ安全を確保すると、この場には三人の猟兵が残っていた。その内の一人、黒いタール状の直方体を組み合わせたかのような巨体を持つ、黒曜・鵺(影渡り・f10896)は腕を組みながら静かに戦場を見渡していた。これまでの戦いで甚大なダメージを受けた帝国の超兵器『デストロイ・ウォーマシン』は先ほどから壊れたかのように無機質な音声を再生し続けていた。
「――防御モードヨリ復帰、失敗。自己修復システムヲ再起動、失敗。防衛機構、システムダウン。戦闘プログラム再読ミ込ミ開始、失敗。戦闘モードヘノ移行、不可能。」
 これは、私の手番が回ってくる前に決着がつくか。黒曜がそのように思った瞬間であった。
「警告、警告。デストロイ・ウォーマシン、戦闘ノ続行ヲ不可能ト判断、シマシタ。コレヨリ、『戦闘』行動ヲ放棄シ一切ノ『殺戮』ヲ開始、シマス。リミッター解除、成功。戦術演算システム、放棄。自己保存機構、放棄。最終殲滅システム、デストロイトリガー――レディ。」
 冷たい、ゾッとするような感覚。その場に立つ、三人の猟兵達ははっきりとした死の気配を感じとっていた。圧倒的な死の予感に、それでも立ち向かおうと最初に動き出したのは片角の美しき女剣士、花盛・乙女(誇り咲き舞う乙女花・f00399)であった。敵は虫の息だったはずだ、ならば仕掛けるのは今しかないとその一歩を踏み出したその刹那。
 巨大な鉄塊が花盛が立っていた場所を一瞬にして抉り砕いていた。
何の前触れもなく。デストロイ・ウォーマシンより伸びる巨大な『ブラスターの砲身』が音速で直撃したのだ。質量を持った巨大な鉄塊が爆風を起こし、刹那の判断で紙一重で避けた花盛の細い身体を膨大な衝撃波が吹き飛ばす。
 宙に舞う花盛を助けようと次に身体を動かしたのは漆黒の盗賊装束に身を包んだ色黒の猟兵、カイム・クローバー((自称)凄腕イケメン狼盗賊・f08018)であった。 咄嗟に跳躍し花盛の身体へ手を伸ばしたカイムは自らの判断が誤りであることを悟る。
 二人が宙にいた場所を何かが通り過ぎた。次の瞬間、空域に描かれた真空の軌道を中心に巨大なソニックブームが発生する。デストロイ・ウォーマシンの巨大なビームブレードが音速で振り抜かれたのだ。二人の身体はもう、そこにはなかった。
 黒曜が瞬時の判断で念動力を行使し引き寄せていなければ、空中で回避行動がとれない二人の猟兵はビームブレードの直撃を受けこの世界からも消滅していたであろう。
 荒れ狂う音速の衝撃波は戦場の一切合切を切り裂き、飲み込み、三人の猟兵にも甚大なダメージを与えていた。特に、二度衝撃波の本流に飲まれた花盛の身体へのダメージは大きかった。身体のあちこちに刻まれた裂傷から出血が止まらない。
 幸いなことに、ソニックブームの本流が収まると、身動きを取れずにいた三人の猟兵への追撃も止んでいた。恐らくあれは、この場で動く物体を無差別に攻撃しているのであろう。動かずにいれば、攻撃をされることもない。しかし、それではジリ貧だ。
 焦る猟兵達の中で最初に声を上げたのは出血を押さえながら立っていた花盛だった。彼女は黒曜へ顔を向けると凜とした声で告げた。
「黒曜殿、一瞬でも良い。奴の注意を引きつけて欲しい。可能か?」
 花盛の真摯な瞳に見つめられた黒曜は一つ息を吐き出すと、赤い瞳を細めて花盛の提案に頷く。
「お安いご用、とは言い切れませんがやってみましょう。」
 美女からの頼みですしね、と飄々とした声音で請け負った黒曜に頷きを返した花盛は次いでカイムに向き直る。
「カイム殿、聞こえるか。」
 衝撃波に飲まれ、刻まれた裂傷と共に片耳の鼓膜を破壊されたカイムは花盛の声を拾おうと必死に耳を傾ける。
「いけるか?」
 耳元に直接語りかけられた花盛の言葉に、小さく頷きを返したカイムは絶望的なこの場の雰囲気をかき消すように調子よく言葉を返す。
「俺は生憎と、正義だ信念だとかいう重たい物は持ち合わせてはいないが。」
 にやりと笑った彼の紫の瞳には強い意志が宿っていた。
「それでも、派手なギャンブルには目がなくてな。乗ったぜ、その賭け!」
 身体はズタズタに切り裂かれ、流れる血液は止まる気配を見せない。衝撃波に打たれた筋肉は痙攣を起こし、足の震えは止まらない。対する敵との戦力差は圧倒的。それでも、この絶望的な状況において、三人の猟兵達は誰一人諦めていなかった。その目に強き輝きを宿した猟兵達は最後の戦いに向けて行動を開始する!
「では、いくぞ。散!」
 散り散りに全力の速さで散会した三人の猟兵。中でも、黒曜はその身に宿る力の限りを尽くし猛スピードで巨大な殺戮兵器へ向けて突撃していた。
 速く動くものを無差別攻撃、確かに強力です。胸の中で冷静に分析した敵の攻撃特性を反芻する黒曜。
「ならば、その特性、存分に使わせてもらいましょう!」
 デストロイ・ウォーマシンの攻撃は黒曜に集中していた。衝撃波の余波を受けながらも、殺戮兵器の攻撃を紙一重で躱し、抉られた床面の瓦礫を彼のサイコキネシスにより操作する。
 そして、浮遊する瓦礫が空域に満ちたことを確認した黒曜は突如スピードを落とすと操作した瓦礫の影に隠れるようにタール状の身体を液状化させ、その影から影へと静かに渡っていく。
 その間にも、デストロイ・ウォーマシンの攻撃を引きつけるために、瓦礫を超スピードで操り続ける。音速で繰り出されるデストロイ・ウォーマシンの砲身の直撃が次々と浮遊する瓦礫を粉々に打ち砕いていく。
 そして、一際巨大な瓦礫の影に隠れながら十分にデストロイ・ウォーマシンとの距離をつめた黒曜は自らが隠れていた瓦礫を敵の正面に放ち、そして自身はその影から敵の背後に回り込み渾身のサイキックエナジーを不可視のフォースセイバー、インヴィジブルセイバーに込め巨甲を切り裂かんと放つ。
 さあ、殺戮者よ、あなたはどっちを攻撃せざるを得ないでしょうね!
 デストロイ・ウォーマシンの砲身の直撃を受け、砕かれる巨大な瓦礫。そして、背後から不可視の剣による闇討ちを行った黒曜は。
 ――その身体を巨大なビームブレードに貫かれていた。
「両方、ですか……。」
 不可視の剣により、僅かながら巨大なビームブレードの軌跡を逸らした黒曜であったが、左肩から袈裟斬りにその身体をビームブレードに焼き切られていた。
 落下していく黒いタール状の身体。しかし、その顔はにやりと笑っていた。
「重畳!後は任せましたよ!」
 先ほど砕かれ、ひと一人分を隠す程度分かたれた瓦礫。黒曜のサイコキネシスにより未だ浮遊していたその影よりもう一人。花のように舞う美しき猟兵、花盛が飛び出していく。
「ああ、任せろ!」
 黒曜殿が作り出した、この好機。この剣の間合いは、私の領域だ!
 花盛は胸の内で声を上げ、その手の剣を構える。
「この花盛乙女の修羅の剣、一筋縄ではいかんぞ。とくと味わえ!」
 瞬時に放たれる殺戮兵器の砲身が花盛の身体を捕らえる。しかし、それは幻影。花盛が残した残像である。
 瓦礫の間を跳躍で駆け抜け、デストロイ・ウォーマシンの眼前に迫る花盛。花盛家伝家の悪刀、黒椿が巨大な殺戮兵器の装甲を捕らえ、切り裂いた。そこへすかさず放たれる、修羅の力を込めた花盛の渾身の拳骨。その拳に刻まれた花盛紋、転蓮華が赤き光を放つ。
「私の拳はこの宇宙の誰の拳よりも痛いぞ!覚悟しろ!」
 巨大な爆発音が戦場に響き渡った。花盛はその拳骨を切り裂いた殺戮兵器の装甲の向こう側へ撃ち抜いた体勢で、その身を爆炎に焼かれていた。
 デストロイ・ウォーマシンの砲身には、まだ砲弾が込められていた。花盛はその身を火炎に焼かれながらも、未だその声に力を込めて物言わぬ殺戮兵器に言葉を投げる。
「……一瞬だ。一瞬、的を私に向ければ上出来だったんだ。なあ、貴様もそう思うだろ!」
 裂傷の傷跡を焼き塞ぐかのようにその身を炎に包まれた花盛はその地獄の炎の奥でその赤き瞳に鬼を宿らせデストロイ・ウォーマシンを睨みつける。
「一撃を避けぬ者には二撃が待つ、覚えておくが良い!」
 その身を装甲から離し、炎と共に落下していく花盛はその頭上。デストロイ・ウォーマシンの頂点に降り立った人影に向けて言葉を放つ。
「いけ、カイム殿!」
 花盛の言葉とともに、デストロイ・ウォーマシンの巨大な装甲に次々とひびが入り崩壊していく。
 これまでの猟兵との戦いにより蓄積されていったダメージ。黒曜が操る、いくつもの瓦礫に向けて音速の攻撃を連続して放ったことによるオーバーヒート。そして、トドメの花盛の必殺の二撃。これまでの猟兵達の全ての力が、数多の銀河の英雄を屠ってきたデストロイ・ウォーマシンの無敵の装甲に打ち勝った瞬間であった。
「あいよ。」
 崩壊していく殺戮兵器の装甲を下に見ながら、花盛の言葉を受けたカイムは身の丈を超える巨大な大剣、狼盗賊の大剣の柄を握りしめる。
「外装は見ての通りだったが、けど中身はどーだ?」
 崩れていく装甲に一部の動揺も見せない意志無き殺戮兵器は、頂に降り立ったカイムの動きを認識すると辛うじて稼働する必殺のビームブレードを振り抜こうと動きを見せた。
 しかし、突如ビームブレードを支える間接部を飛来した熱線が捕らえ溶解させると、自重を支えられなくなったビームブレードはそのまま崩れるように地に落ちていった。
「影に紛れて闇を行く。卑怯卑劣は褒め言葉!」
 熱線を放ったのは黒曜であった。半身を切り裂かれ地に落ちながらも、その目に義眼として埋め込まれた熱線銃、アイブラスターで最後まで攻撃の機会をうかがっていたのだ。
「今です、カイム!」
「ありがとよ、黒曜!」
 黒曜、花盛。二人の猟兵が紡いだ反逆の糸を受け継ぎ、今、カイムはその手の大剣に全ての力を注ぐ。
 ユーベルコード、過去への反逆――オブリビオン・スレイヤー。
「この間合いなら外さねぇぜ?覚悟しろ!」
 大剣を両手に構えたカイムは巨大なデストロイ・ウォーマシンの頂点から、真下に突き立てるように狼盗賊の大剣を振り下ろす。
 力の奔流が、装甲を失った殺戮兵器の表面を駆け巡り、巨大な爆発を起こす。爆風に流されるように、デストロイ・ウォーマシンから離れ距離を取るカイムは最後に赤と黒二丁の拳銃、イーグルとラプターを崩れゆく兵器の残骸へと向けるとその引き金を引いた。
「骸の海に帰りな。ここはお前の居る場所じゃねぇよ。」
 銃声が沈み行くデストロイ・ウォーマシンを送り出す鎮魂曲のように響き渡り、帝国の古代超兵器デストロイ・ウォーマシンは骸の海の彼方へと消えていった。

●エンペラーズマインド・コア
 猟兵達は、確かに高い作戦遂行能力を持っていました。ですが、今まさに帝国の大艦隊を押し返そうとしているのは、「覚悟を決めた人々」の力。
 かつて敗れた私達は、人の心がもたらす力を失念すべきではなかった。

 強敵、デストロイ・ウォーマシンを撃破した猟兵達は互いの身体を支えながら、最終地、コアマシンルームへと辿り着く。
 殺人ウイルス『オロチウイルス』が満ちるその部屋の中央で、自らの過ちに思いを馳せるように言葉を紡ぐエンペラーズマインド・コアへ向け、猟兵達は最後の一撃を放つ。
 グリモア猟兵による強制帰還が行われる中、エンペラーズマインド・コアの最後の言葉が猟兵達の耳に響いていた。

「覚悟を決めた人間は強い」。そんな大前提すら、私達は失念していたとは……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト