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アポカリプス・ランページ⑪〜ファルスス・デウス

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●アポカリプスヘル・アイオワ州デモイン
 ――再建されたデモインの象徴「デモイン砦」にて。

「……煩い……煩い……煩い……!」
 半身を獣に変貌させ、右手に大剣を手にした異形の男が、何かを打ち消すように耳を塞ぎ、喚き続ける。
 異形の男の頭には、人々の声にならぬ祈りが届いていた。

 ――助けてくれ。
 ――裁いてくれ。
 ――赦してくれ。

 絶え間なく届く、人々の救いを求める祈りは、決して途切れることがない。
 それがまた、男の神経を苛立たせる。
「俺は、狂った教団に造られた偽物の神だ」
 デミウルゴスの名を持つ、造物主になり得ない偽神の男は、己が存在を自嘲しつつも困惑を隠さない。
「なのになぜ、俺に人間の祈りが届き続ける……!?」
 困惑する偽神に、しかし祈りは容赦なく届き続ける。

 ――助けてくれ。
 ――赦してくれ。
 ――慈悲をくれ。

「……黙れ……黙れ……黙れ……!」
 偽神は祈りを振り払うかのように、手にした大剣をがむしゃらに振り回し、真摯な祈りを斬り刻み無に帰す。
「俺に……お前達を救う力など無い……!」
 ――今の俺は、救いではなく破壊を齎す偽神なのだから。
「いいだろう……祈りの声が聞こえなくなるまで、俺がお前達を殺し尽くしてやる」

 ――あるいは、俺を殺してくれ……!

 狂信から造られし偽神は、人類かおのれ、何れかの破滅を天に願う。
 だが、その祈りを天が聞き届けることは――ない。

●falsus deux―偽神
「……だったら俺らが祈りを聞き遂げてやろうじゃねえか」
 グリモアベースの片隅で、集まった猟兵たちを前に。
 昏い翠の瞳を湛えながら、グリモア猟兵森宮・陽太が低い声で呟く。
「というわけで、集まった皆に、フィールド・オブ・ナインが一『デミウルゴス』の討伐を頼みたい」
 偽であるとしても、神を殺せと告げられた猟兵達は、一瞬息を呑む。
「だが、無理強いはできねえ案件だ……行くかどうかはこの後の話を聞いた上で判断してくれ」
 目を伏せながら話す陽太の予知内容に、猟兵達は耳を傾け始める。

「知っている者もいるだろうが、デミウルゴスは……『無敵の偽神』だ」
 体内に偽神細胞を持たない存在からの攻撃を完全に無効化するデミウルゴスに、ストームブレイド以外の猟兵の攻撃は一切通用しない。
「だから、体内に偽神細胞を持つストームブレイド以外は、これを注射してから向かってもらうことになる」
 陽太が懐から取り出したのは、ソルトレークシティで猟兵達が入手した、偽神細胞液が装填された注射器。
「こいつを接種し、一時的に『偽神化』すれば……攻撃が通るようになる」
 ただし、劇薬にも等しい偽神細胞の接種は、猟兵に激しい拒絶反応を齎す。
 その激烈さは、世界の加護を受ける猟兵であっても、絶命の危機すら生じる程。
 一時的に肉体が変貌するかもしれないし、精神に劇的な変化が生じる可能性もあるが、拒絶反応に抗いながら最高の一撃を繰り出せれば……偽神に祈りという名の痛打を与えられるはず。
「長く持つもんじゃねえから、短期決戦、一撃離脱の戦いとなる。それでも絶命する危険性がある」
 猟兵達に死の危険があるのは、陽太も承知の上。
 一方、それでも行ってくれ……と頼まざるを得ないのが、グリモア猟兵の宿命。
 だから、陽太は皆に――誓いの言の葉を告げるのだ。
「もし死にそうになったら緊急回収して助ける。だから今は俺に命を預けてほしい」
 頼むぜ、と深く頭を下げる陽太に、猟兵達は其々の想いを胸に頷いた。

 猟兵達は、それぞれ偽神細胞液を接種し、偽神細胞を体内に取り入れる。
 即座に身体を蝕むような拒絶反応に襲われながらも、猟兵達は陽太が愛用の二槍で描いた漆黒の転送ゲートを潜り。

 ――真摯な祈りを拒み続ける、偽神の下へ赴いた。


北瀬沙希
 北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
 よろしくお願い致します。

 デモイン砦にて偽神たる己が死を望む、
 フィールド・オブ・ナインが一『デミウルゴス』の撃破をお願い致します。

 オブリビオン・フォーミュラ戦につき、やや厳しく判定致します。
 それ相応の準備をした上での挑戦をお待ちしております。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アポカリプス・ランページ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

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 状況は全てオープニングの通り。
 今回は冒頭の追記はありません。

●本シナリオにおける「プレイングボーナス」
【「偽神化」し、デミウルゴスを攻撃する】とプレイングボーナスが付与されます。

 ストームブレイド以外の猟兵が偽神細胞液を体内に入れると、デミウルゴスに攻撃が通るようになる代わり、肉体精神双方に変化をもたらすような強烈な拒絶反応に襲われます。
 如何なる拒絶反応に襲われ、苦しみ、抗いながらデミウルゴスに一撃を叩き込むか、プレイングに目いっぱい詰め込んでください。
 拒絶反応の種類は千差万別ですので、本シナリオでは所持技能や使用ユーベルコードと矛盾しなければどんな変化でもOKとします。
 ただし、「拒絶反応を利用して真の姿へ変身する」のと「性別や年齢等、ステータスシートの基本情報を変更するような変化が起こる」のはNGです。

 なお、ストームブレイドの猟兵は、最初から偽神細胞を埋め込まれておりますので、自動的にプレイングボーナスが適用されます。
 よって、最初から普通に戦って頂いて構いませんが、あえて偽神細胞液を接種していただいても構いません。

●プレイング受付期間
 オープニング公開直後~システム的に締め切られるまで随時。

●【重要】プレイングの採用について
 隙間時間を利用して、構成しやすいプレイングから採用し執筆していきます。
 そのため採用は必要最小限のみとなり、挑戦者多数の場合はプレイングを採用せずお返しすることもございますこと、ご了承願います。
 オーバーロードへの対応は、マスターページをご確認いただけますと幸いです。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『デミウルゴス』

POW   :    デミウルゴス・セル
自身の【偽神細胞でできた、変化する肉体】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[偽神細胞でできた、変化する肉体]から何度でも発動できる。
SPD   :    偽神断罪剣
装備中のアイテム「【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ   :    デミウルゴス・ヴァイオレーション
自身が装備する【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】から【強毒化した偽神細胞】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【死に至る拒絶反応】の状態異常を与える。

イラスト:佐渡芽せつこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

城田・紗希
偽細胞注射、効果短いのがなぁ…毎回痛い思いするのがなぁ……(すっごい不服そう)
とりあえず私は、気絶耐性とか激痛耐性とか地形耐性…は今はいっか、とりあえず腕が動かせない以外は耐えてるけど……他の人は平気なの?(疑問を抱きつつも死体を見そうなので答えは求めない)

とりあえず、(注射針の)止血が確認できたら、デミゴウルスを叩きに行く…。
前に戦った気もするけど多分別の行動パターンだろうし、絶望の福音で回避したりカウンター打ち込んだり、受け流して防御を崩したり、なんやかんやで斬りつける……。
うー、まだ左腕が痛いー(利き腕だけで出せる全力は出している様子)



●斬り合い叩き潰し合いに混沌の気配はなく
「偽神細胞液の注射、効果が短いのがなぁ……」
 毎回痛い思いするのがなぁ……と不服そうにぼやく城田・紗希(人間の探索者・f01927)の左二の腕にごく浅く注射針が刺さり、中の偽神細胞液が体内に押し込まれる。
 注射の痛み自体はごくわずかで、注射痕からの出血もすぐに止まるが、すぐに偽神細胞が拒絶反応を起こし始めたか、左腕に激しい痛みが走った。
 持ち前の耐性のおかげか、痛みは我慢できない程ではないが、注射痕周辺の左の二の腕は全く動かない。
 右腕が動けばなんとか刀は振れそうだが、かなりの制約になるのは間違いないだろう。
「……他の人は平気なの?」
 紗希は右人差し指で頬を押さえながら頭上に「?」を浮かべつつ周囲を見渡そうとするが、すぐに思いとどまる。
 拒絶反応に耐えきれなかった場合の死屍累々を想像すると、答えは求めないほうがよさそうだ。

 その後、なんやかんやで転送された紗希の目の前に、呪詛を吐き続けながら偽神断罪剣を振り回すデミウルゴスが現れる。
「煩い……煩い……煩い……!!」
 声なき祈りを全て否定し斬り捨てるよう、偽神断罪剣を振り回すフィールド・オブ・ナインのひとりを目にした紗希の口から漏れるのは、大変素直な感想。
「うわぁ……いかついし怖いなぁ」
 濡れ衣を着せる余地がないほどシリアス一直線のデミウルゴスは、おそらく24時間ずっと頭に届く祈りに苦しめられているのだろう。
(「……頭の中にずっと望まない声が届き続けるのって、どんな感じなんだろう?」)
 それでも、望まぬ祈りを届かせないようにするためには倒すしかない。
 右手に紅時雨を手にする紗希を見て、デミウルゴスは無暗に偽神断罪剣を振るのをやめ、上段に構える。
 その構えは、何となく、前に戦った時とは別の行動パターンの気がした。
 というか、前戦ったのはいつだっけ……? と自分の記憶すらあやふやだが。
「あっ、なんやかんややっていたら勝てる……?」
「なんやかんやで俺を殺せるなら、殺してくれ!!」
 つい漏らした紗希の独り言を聞き咎め、瞬時に殺意を膨らませたデミウルゴスが、手にした偽神断罪剣の偽神細胞を活性化させ、刀身を3倍の長さに伸ばしながら振り下ろす。
 無造作に振り下ろされた剣を、紗希は右手の紅時雨だけで受け止めよう……としたが、嫌な予感が脳裏を過り、咄嗟に身をくるりと翻し全力ダッシュで逃げた。
 ――ドゴォッ!!
 直後、振り下ろされた偽神断罪剣が、紗希が立っていた地面を真っ二つに割らんばかりの勢いで叩きつけられ、刀身を半ば地面にめり込ませた。
(「うわぁ……あのまま受けていたら、紅時雨ごと叩き切られていたよー……」)
 偽神断罪剣が振り下ろされる直前、一瞬だけ視えた10秒先のヴィジョンは『紅時雨ごと偽神断罪剣に真っ二つに叩き割られる紗希自身』。
 真っ二つにされるのはゴメンだと、咄嗟に受けを諦め全力ダッシュで逃げたが、結果的には正解だった。
 刀身の長さも威力も3倍になった今、回避後反撃に繋げたくても、デミウルゴスの懐に飛び込むのは難しそう。
 だが、1度依頼として受けた以上、簡単には引くわけにはいかない。
「うー、まだ左腕が痛いー」
 10秒先の光景が目に映るのを期待しつつ、紗希は左腕をだらりと下げたまま、デミウルゴスの懐に飛び込み、異形化した腹に斬りつけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

久留米・圓太郎
■SPD
(高熱と耳や尻尾の総毛立ち&関節という関節が痛む、という副作用に)
まともに歩けもしないじゃないか!

UC発動!
師匠には
「オレは[オーラ防御、毒耐性、毒使い]使って頑張って持ちこたえます。
今はオレの代わりに偽神やっつけちゃってください!(と精一杯虚勢をはる)」

師匠には[高速詠唱、全力魔法、地形の利用、属性攻撃、範囲攻撃、2回攻撃、空中浮遊、援護射撃]と、全力で攻撃していただく
偽神が剣で来るのなら、実体のない師匠なら射程に入らないような位置取りはできるはず

■作戦成功時
師匠、今回ばかりは甘えさせてください
(母親未満姉以上の、最高に強くて格好いい師匠だぜ!オレには勿体ないほどのな)



●師は偽神に、弟子は拒絶反応に挑み
(「これじゃ、まともに歩けもしないじゃないか!」)
 体内に摂取した偽神細胞液が引き起こす拒絶反応のせいで高熱で霞む意識の中、久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)は己が身体の不調をひとつひとつ確かめつつ、苦悶の表情を浮かべる。
 三毛猫の耳と尻尾は総毛立ちし、関節という関節が全てズキズキと痛むのでは、自力で魔法を行使することもかなわないし、逃げることもかなわないだろう。
「どうした? 俺を殺せよ、殺してくれよ!」
「くっ……」
 懇願するかのように挑発するデミウルゴスに、言い返す言葉を持てぬ圓太郎の脳裏に、ある女性の姿が過る。
 霞む意識の中、圓太郎は思わずその女性に助けを求めるかのように叫んでいた。
「Please Help Me!!」
 直後、圓太郎の目の前に、紫のウィザードハットとマントを纏い、右手に箒を手にしたビジネススーツ姿の女性が現れた。
「あらあら圓太郎、随分と痛そうだけど、大丈夫?」
「師匠!!」
 現れた女性は、圓太郎にとって母親以上、姉未満の存在でもある、頼もしい魔法使いの師匠……の幻影。
 師匠は圓太郎とデミウルゴスを交互に見やり、何かに気づいたかのように軽く頷く。
「ふーん……圓太郎はあの異形の男性と同じ細胞を取り込んでいるのね」
「はい。オレは偽神細胞を抑え込みながら頑張って持ちこたえます。だから、今はオレの代わりに偽神やっつけちゃってください!」
「わかったわ、任せておきなさい」
 拒絶反応の苦しさを見せぬと精一杯虚勢を張る弟子に、師匠は箒を片手に、デミウルゴスの前に歩き出した。

 圓太郎から少し離れつつ、偽神断罪剣の間合いに入らない位置を見極め立つ師匠に、デミウルゴスは偽神断罪剣を手に問いかける。
「お前も俺を殺してくれるのか?」
「さあ、わからないわね」
 正直に答える師匠に、デミウルゴスは何故か苛立ちを募らせる。
 幻影たる師匠の魔術がデミウルゴスに効くかどうかは、実際に魔術を行使して確かめてみないとわからない。
 だから師匠は正直に答えただけなのだが、その傲慢とも正直ともとれる言いぐさが、デミウルゴスの神経を逆なでした。
「わからないのならここで死ね! 師弟ともども殺し尽くしてやる!!」
 デミウルゴスは有無を言わさず偽神断罪剣の刀身を3倍に伸ばし、大上段から師匠の頭目がけて振り下ろす。
 師匠を真っ二つにせんと地面にめり込む勢いで振り下ろされた剣は、しかし師匠を素通りし、地面を叩いていた。
「何!?」
 一瞬ふたつに引き裂かれ揺らぎ、直ぐに元に戻る師匠の幻影に、言葉を失うデミウルゴス。
(「あ、危なかった……」)
 一方、圓太郎は拒絶反応に抗いつつ、師匠が無事であったことに内心ほっとしていた。
 偽神が剣で斬りかかるなら、実体なき幻影の師匠なら射程に入らないような位置取りができるのでは、と考え、圓太郎自身が拒絶反応に耐えている間に幻影の師匠に攻撃してもらうつもりだったのだが、まさか幻影が偽神断罪剣そのものをすり抜けるとは。
「けど、さすがにちょっと驚いたわね……お返しよ」
 師匠は箒を軽く振りながら魔術を編み上げ、実体化させた無数の氷の矢をデミウルゴスに降らせ、四肢と胴を撃ち抜く。
「がああああああっ!!」
「もう一つ行くわよ?」
 手ごたえありと感じた師匠が再度箒を振ると、今度は炎のミサイルが無数にデミウルゴスに降り注ぎ、周囲の荒野ごと焼き尽くした。

「す、すごい……」
 立て続けに苦も無く魔術を操る師匠の姿に、圓太郎は驚きとともに頼もしさを感じていた。
 最高に強くて格好いい師匠に、今回だけは甘えさせてもらおう。
 圓太郎は時間経過で少しずつ和らいでいく拒絶反応に耐え続けながら、その後ろ姿を見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

泉・星流
接種は対象を確認後
射撃・砲撃が得意…距離を置いての戦闘

行動
確かに…長時間は持たないな…
気を抜けば、意識にしろ体にしろ自分では無くなってしまいそうな感覚

指定UCを使用…瞳に魔力を集中…と同時に目が焼けるように熱くなり、瞳が偽神細胞の影響で鷲や鷹のように、変化の方向性を得た偽神細胞により体に熱や痛みと共に首元や腕に羽毛・羽根が生え始め…戦闘経過と共に手の甲まで羽毛に包まれ爪も鋭くなり
下半身にも変化…羽毛に包まれはじめ鉤爪化した足がブーツを突き破る

それだけ大きくなったら…攻撃した後の隙も大きいよね
偽神断罪剣を強化された【視力・見切り】で回避し、装備『BR』による魔力弾や魔力での砲撃で反撃


月影・左京(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK!

「はわっ!?……大丈夫。私も手伝うから♪」

一人称:私
口調:女性的でラフ(〜よね、なの?、あら〜等)
口癖:はわっ!?
性格:おっとりのんびり。「わぁ!頼りにな……る、の?(笑)」な印象

基本戦法:【忍び足】で敵の死角に入りメイスによる【気絶攻撃】を【2回攻撃】。【鎧砕き】も狙う。

敵の攻撃は【聞き耳】を立てて【第六感】も使い、【見切り】ます。
※不意打ちを受けた時など、「はわーっ!?」と叫ぶ傾向あり。

指定したUCを何でも使用。
但し負傷した猟兵がいれば戦況次第で攻撃より【祈り】の力と【医術】及び【救助活動】で治療。

後はお任せします。よろしくお願いします。



●拒絶反応は肉体をも封じ
 全身焼け焦げたデミウルゴスを確認し、泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)は偽神細胞液を自らに接種すると同時に、己が魔眼を開放する。
「魔眼……解放……」
 星流の瞳に魔法陣が浮かび上がり、魔力が集中するに連れ、徐々に眼球が熱っぽくなる。
 ……否、熱っぽいのは眼球だけでない。
 あっという間に全身が熱っぽくなり、さらに突き刺すような痛みまで訴え始めていた。
(「確かに……これは長くは持たないな」)
 それは、致死毒にすらなり得る偽神細胞が引き起こす、超急性の拒絶反応。
 焼けるように熱い眼球は、やがて鷲や鷹のような猛禽類のようなそれに変化していくが、熱でぼやけているからか、照準どころか焦点すら定められない。
「どうした? 俺を殺しに来たなら、早く撃て」
「ぐ……」
 目を押さえながら必死に抗う星流を嘲笑うように、変化の方向性を得た偽神細胞は、星流の首筋や腕に羽毛や羽根らしき物体を生やす。
 ふと、星流が焦点定まらぬ目で手の甲を見ると、既にびっしり細かい羽根に覆われていた。
「ひっ……!!」
 思わず星流が喉に詰まるような声を上げても、拒絶反応が齎した肉体の変化は止まらない。
 十指の爪は鷲のように鋭く尖りながら曲がり、手にしていたBroomRodを掴みづらくさせる。
 踵から生えた鋭い鉤爪がブーツを突き破る音が、奇妙な程大きく耳に響き渡った。
 それは「泉・星流」というひとりの猟兵の意識や本能まで一匹の鷲に変化させ、無力化するような悍ましい感覚。
 翼や嘴が生える気配がない以上、完全に鷲になることはないと思われるが、それでも少しでも気を抜けば、自分が自分でなくなるような感覚に襲われる。
 瞳に宿した魔力で本質や目標を見出そうとしても、自分を見失いそうな錯覚がどうしても振り払えず、照準が全く定まらない。
「偽神細胞に拒絶され、人としての姿すら見失いかけているか」
「ぐ……う……っ!」
 偽神断罪剣の刀身を伸ばし、星流に突き付けながら、デミウルゴスは星流を嘲り、侮蔑する。
 だが、星流の胸中は、侮蔑された怒り以上に己を見失う恐怖に支配されていた。

●殴りヒーラーの本領は殴りにこそあり
 ――少しだけ、時は遡る。
「はわっ!? 大丈夫……じゃないわね」
 増援として戦場に駆けつけた月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)が最初に見たのは、鷲人間のように全身を羽毛で覆われた星流。
 おそらく、偽神細胞の拒絶反応が、妙な方向性をもって星流を苦しめている……医術の知識が豊富な左京はそう判断していた。
(「今すぐ治療しなくちゃ……少し気を逸らそうかしら」)
 あえて偽神細胞を接種せず駆けつけた左京は、星流とデミウルゴスに見られぬ様、身を隠しながらそっと背後に忍び寄る。
 あわてんぼうかつおっとりした性格の左京だが、こっそり忍び足でデミウルゴスに近づこうとする足さばきは、紛れもない一流の猟兵の動きそのもの。
 やがて、左京は侮蔑の言葉を星流に投げかけているデミウルゴスの背後に辿り着いた。
 周囲を見渡す余裕がない星流はともかく、星流に気を取られているデミウルゴスは、左京に全く気づいていない。
(「はわわ、意外と感づかれないものね」)
「はわっ! 気合入れていくわよっ!」
 左京は己に気合を入れながら見た目ワンドのメイスを思いっきり振りかぶり、デミウルゴスの頭に振り下ろした。

 ――ゴーン!!
 ――バキッ!!

 左京のメイスの二連撃は、確かにデミウルゴスの後頭部をとらえるが、偽神細胞を接種していない左京の攻撃は、デミウルゴスを傷つけられない。
 しかし、傷がつかずとも痛みは感じるのか、あっさりとデミウルゴスに気づかれ、振り向かれた。
「は、はわ……?」
「お前も死を望むか。なら死ね!!」
「はわーっ!?」
 慌てる左京に、デミウルゴスの左手から強毒化した偽神細胞の波が放たれる。
 形を持った死の本流にあわや左京が呑まれ、心の臓を止めるかと思われた、その時。

 ――ドーン!!

 1発の凝縮された魔力の砲撃が、左京を呑み込まんとしていた偽神細胞の波を全て吹き散らし、デミウルゴスの左手を大きく弾き飛ばした。
 デミウルゴスが振り返ると、そこにいたのはBroomRodの先端をしっかりと突き付けた星流の姿。
「な、なぜお前が……その姿で動ける!!」
「なぜって……見た通りだけど」
 いつの間にか余裕を取り戻していた星流が、BroomRodの先端から拡散する魔力をじっと見つめながら、何ともない口調でデミウルゴスに告げる。
 左京がふと星流を見ると、星流を包んでいた羽毛は少しずつ剥がれ落ちて地面に降り積もり、両手指の爪や踵の鉤爪も少しずつ縮みつつあった。
「よ、よかったぁ~……」
 その場に腰を抜かしたかのようにへなへなと座り込んだ左京に、星流が熱っぽさの残る目を向ける。
「あ、お姉さん回復ありがとう」
(「このお姉さん、殴りヒーラーだったのね……凄いや」)
 言の葉に感謝を乗せつつ、星流は胸中で左京の勇気に驚いていた。
 偽神細胞液を接種していないにも関わらず、あえて左京がデミウルゴスを背後から殴ったのは、敵を殴り音を立てることでユーベルコード【気合のげんこつ】を発動させ、音を耳にした星流に癒しの漣を届かせるため。
 メイスの殴打音に乗るように広がった癒しの漣は、殴打音を耳にした星流の意識と肉体をヒトならざるものからヒトへと引き戻し、凝縮された魔力砲を発射できる程にまで回復させていた。
 ――攻撃ではなく回復目的で、それも味方ではなく、危険を冒して敵を殴る。
 それを実行した左京の勇気が、拒絶反応に苦しむ星流に一矢報いるチャンスを与えたのは明白だった。

●魔弾の射手の本領は「視えて」から発揮される
 星流の眼球に宿っていた熱が癒しの漣で少しずつ引いていくに連れ、視界が、焦点が定まり始める。
 心なしか、腕や首筋に生えていた羽根が、少し減った気もした。
「そのまま鷲に変化したほうが、余計なことを考えずに済んで楽だったかもな!」
「そうかもね」
 星流はデミウルゴスの挑発を受け流しつつ、爪が縮んだ両手でBroomRodを確りと握り込みながら構え、今度は胴を狙う。
 デミウルゴスも星流に撃たせまいと偽神断罪剣の刀身を3倍に伸ばし、星流を上下に両断せんと横薙ぎに振るうが、魔眼を取り戻した星流には容易にその軌道が見えた。
「それだけ大きくなったら……攻撃した後の隙も大きいよね」
 星流は魔眼で偽神断罪剣の振り下ろしを見切りながら後ろに飛んで回避しつつ、BroomRodの照準を胴に合わせ、魔力弾を発射。

 ――ドーン!!

「ぐぅおおおおぉぉぉ……!!」
 魔力弾は偽神断罪剣を弾きつつデミウルゴスの異形の部位を貫き、体内で膨張、爆発する。
 至近距離で魔力に滅多打ちにされたデミウルゴスは、もはや立っているのもやっとの状態だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

霧崎・紫苑
安楽死を御所望か?
ならば付き合ってやろう……1分半の間だけな!

邂逅と同時にUCを発動させ、メディカル・チェーンソーで斬り掛かる
AOSシステムが起動している間、オブリビオンはユーベルコードを含む、あらゆる超常の力を使えない
もはや貴様は、その大剣を持ち上げるだけの膂力も失い、偽神細胞を使った攻撃もできない、ただ哀れな患者に過ぎん
「安楽死商売はしていないんだがな……今日は特別サービスだ

飛斬帽を投げつけて怯ませると同時に、メカニカル・フィストからガス弾を発射し、最後は武装医療鞄からグレネード弾を発射
ガスに引火させる形で大爆発を起こし、そのまま滅菌消毒してやろう
「これ以上の戦闘は危険だな。離脱する



●闇医者は偽神にすら安楽死を齎す
「ぐぐぐぅぅうぅ……」
 炎と氷で炙られ、魔力弾で滅多打ちにされ、立っているのもやっとのデミウルゴスの前に霧崎・紫苑(機械仕掛けの闇医者・f32327)が立ちはだかる。
 ストームブレイドたる彼は、偽神細胞を体内に持つゆえ、偽神細胞液を接種せずにこの場に立っていた。
「安楽死をご所望か?」
 瀕死のデミウルゴスを前に、冷徹に言い放つよう問いかける紫苑の目は、鋭く、冷たい。
 オブリビオン・ストームに巻き込まれ、偽神細胞の移植でかろうじて一命をとりとめたものの、常に偽神細胞の拒絶反応に苦しめられている紫苑にとって、自分の運命を狂わせたオブリビオンは「世界を蝕む病巣」。
 世界にオブリビオン・ストームを呼び込み、破滅へと追いやらんとするフィールド・オブ・ナインのひとりなら、その憎悪は尚更強くなる。
 肯定とも否定ともとれぬ反応を見せるデミウルゴスを見て、紫苑の目に宿る光が鋭さを増した。
「ならば付き合ってやろう……1分半の間だけな!」
 闇医者ではなく猟兵としての顔を見せながら、紫苑はメディカル・チェーンソーを手に、世界の病巣を取り除く手術の開始を宣言した。

「エネルギー反転……。制限時間内にケリを着ける!」
 紫苑の全身から発せられた視えぬ嵐が、デミウルゴスごとデモイン砦一帯を包みこむ、
 同時にメディカル・チェーンソーで斬りかかった紫苑を見て、デミウルゴスも己が偽神細胞を体内で凝縮し、強毒性を増した偽神細胞の波を放とうとするが、何も起こらない。
(「何が、何が起こっている!?」)
 戸惑うデミウルゴスの左肩に、メディカル・チェーンソーが食い込んだ。
「ぐお、お、おおおおお!」
 そのまま左腕を肩から切断されたデミウルゴスは、まるで神から見放されたことを悔やむかのように天を仰ぎながら絶叫した。
 紫苑の心臓部を形成するヤルタバオート・コアから放出されたアンチ・オブリビオンストームは、オブリビオンのユーベルコードを始めとする超常の力を封じ、無力化するという強力な切り札。
 1分半を超えて使用すると、コアの動力が尽きて紫苑自身が死ぬという諸刃の刃でもあるが、デミウルゴスを始めとするフィールド・オブ・ナインに対しても有効だった。
 偽神細胞が齎す恩恵を全て無力化されたデミウルゴスに、もはや偽神断罪剣を握る膂力はおろか、立っている力すら残っていない。
 そこにあるのは――あらゆる力を剥ぎ取られた哀れな患者の姿のみ。
「安楽死商売はしてないんだがな……今日は特別サービスだ」
 紫苑は膝をついたデミウルゴスを一瞥しつつ被っていた飛斬帽を脱ぎ、徐に顔面に投げつける。
 鍔に仕込まれていた鋭いブレード状の装甲板が、デミウルゴスの両目を潰した。
「うおおおおぉぉおぉ―――!!」
 目を押さえながら絶叫するデミウルゴスに、紫苑はすかさず万能医療義手の掌を向け、内蔵されたメカニカル・フィストからガス弾を発射し、デミウルゴスをガスで包み込んだ。
「ぐ、ぐぐぐぅぅう……!!」
 充満するガスがデミウルゴスの周囲から拡散し薄まらないうちに、紫苑は武装医療鞄に仕込まれたグレネードランチャーの砲口を露出し、デミウルゴスに向けた。
「終わりだ」
 軽い音とともに撃ち出されたグレネードは、デミウルゴスの手前に転がるように落下し、爆発した。

 ――ドオオオオオオオォォオン!!

 手榴弾の爆発で生じた火種が充満していたガスに引火し、大爆発を引き起こす。
 その中心にいたデミウルゴスは、爆発音に断末魔すらかき消されながら燃やし尽くされ、消滅した。

「これ以上の戦闘は危険だな。離脱する」
 広く拡散したガスに引火し、連鎖爆発が起こり始めたのを見て、紫苑はアンチ・オブリビオンストームを止め、患者の滅菌消毒が終わったとばかりに身を翻す。
 かくして、闇医者は安楽死を求める患者に死を齎し、グリモアベースへと帰還した。

 ――フィールド・オブ・ナイン『デミウルゴス』撃破。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月25日


挿絵イラスト