アポカリプス・ランページ⑬〜嵐を乗り越えて~
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「皆、ついに来たぞ……奴が」
グリモアベースにて猟兵たちを見下ろしながら、ゴリ・ゴリ(ミュータント・ゴリラーズ・f18193)はそう語り掛ける。
その表情は緊張に満ちており、これから訪れる試練の苛烈さを物語っていた。
「そう、奴こそが今回の戦争の首魁――フルスロットル・ジ・アポカリプス」
数多の戦場を乗り越え、ついに猟兵たちはオブリビオン・フォーミュラでありヴォーテックス一族を束ねる巨人、フルスロットル・ジ・アポカリプスの下へとたどり着いたのだ。
当然その戦闘力は強大――間違いなく苛烈な戦いとなろう。
「奴は常にオブリビオン・ストームを吐き出している……問題はいかに近づくかだろう」
ゴリの言う通り、フルスロットル・ジ・アポカリプスはその身に纏う機械甲冑「ヴォーテックス・アーマー」からオブリビオン・ストームを噴出し続けている。
その勢いは生み出されるオブリビオンすら吹き飛ばす勢い……その嵐を乗り越え敵にたどり着くことすら、容易では無いだろう。
「そして近づいたならば……後は皆の実力を信じるしかあるまいな」
しかしたどり着いたとて、打ち倒すのは容易では無い。
嵐と共に吐き出される猛毒、死を恐れず群がるレイダー、そして何よりフルスロットル・ジ・アポカリプス本人の強大さだ。
だが……と、ゴリはそのまま言葉を続けた。
「だが、皆ならきっと乗り越えられると信じている」
大きく白い牙を剥きだしにしながら、巨漢のグリモア猟兵は皆を鼓舞し肩を叩く。
それ以上は多く語らず……猟兵たちを送り出すのだ。
どれだけ激しい戦場であろうと――敵がどれだけ強大であれど、皆であればこの困難を乗り越えられると、そう信じて。
きみはる
●ご挨拶
ついに来ました、フルスロットル・ジ・アポカリプス戦。
微力ながら戦争終結に向けて頑張りたいと思います。
●依頼について
敵はレイダー軍団を召喚したり、オブリビオンストームと共に猛毒をまき散らしたりします。その為、プレイングボーナスは下記のものとなります。
プレイングボーナス……オブリビオン・ストームに飛び込み、毒と敵群を乗り越える。
●プレイングについて
OP公開後順次プレイングを募集させて頂きます。
まったりペースで恐縮ですが、いつも通り全採用にはこだわらずにやっていきたいと考えております。
プレイング募集終了は完結の目星がついたころにタグでお知らせさせて頂きます。
●オーバーロードについて
実装されましたオーバーロード、ご使用はお任せ致します。文字数はある程度調整をしていきたいなとは考えています。自動返却は無くなりますが、採用絶対保障とはイコールではありませんので、その点だけご承知おき下さい。
それでは、皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『フルスロットル・ジ・アポカリプス』
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POW : 崩壊世界の覇者
レベル×1体の【オブリビオンレイダー軍団】を召喚する。[オブリビオンレイダー軍団]は【略奪】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : フルスロットル・ストーム
【ヴォーテックス・アーマー】から、戦場全体に「敵味方を識別する【オブリビオン・ストーム】」を放ち、ダメージと【致死毒】の状態異常を与える。
WIZ : ヴォーテックス・アーマー
自身の【ヴォーテックス・アーマー】から【オブリビオン・ストーム】を放出し、戦場内全ての【猟兵の接近】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
空桐・清導
POWで挑む
遂に来たか、フルスロットル!
今回の戦争、アンタを倒して終わらせる!
UCを発動
深く息を吸ってストームに飛翔して突っ込む
旋風に逆らわず、流れるように中心まで飛ぶ
迫りくる敵群やレイダー軍団を[斬撃波]、
サンライザーの[誘導弾]を[一斉射撃]することで撃破
接近された場合はぶった斬る
攻撃は[オーラで防御]する
息を止め、毒を吸わないようにする
中心に近づいたら、[限界突破]
風を斬撃で切り払い、その刹那を使ってフルスロットルまで飛ぶ
ストームを抜けたら、再度呼吸する
ちょいやばかったが、間に合ったな
フルスロットルには[零距離射撃]や剣で連撃を叩き込む
奴に攻撃の時間は与えねえ!
最後は全力の拳でトドメだ!
●
「遂に来たか、フルスロットル! 今回の戦争、アンタを倒して終わらせる!」
唸るエンジン音に立ち上がる砂煙。
荒れ狂うオブリビオンストームの中心に佇む巨漢――ヴォーテックス一族を束ねる巨人、フルスロットル・ジ・アポカリプスを見つめ、ヒーロー――空桐・清導(ブレイザイン・f28542)はにやりと笑う。
全身を包みこむ機械式甲冑の荒々しさも、巨人としての見上げるほどの巨躯をその目にしても、清導には決して気圧された様子は無かった。
何故ならば彼はこの戦場にヒーローとして赴いていたから……皆を護る、助ける――その覚悟と共に、戦いに挑んでいるからだ。
強大な敵に全力で挑むべく、清導は己が全身を黄金のオーラで覆う。
グリモアベースで聞いた情報を思い出せば、目指すは短期決戦だ。
砂嵐に含まれる毒を吸い込まぬよう……大きく息を吸い清導はオブリビオンストームの渦中へと飛び込む。
敵の首魁である巨人を守るようにオブリビオンストームから次々と飛び出すレイダーたちにたちを薙ぎ払い、目指すべき巨人へと直進するのだ。
「かかってこい、猟兵よ! 圧倒的な「暴力」で、汝らを骸の海に捧げよう!」
常人であればその目に捉えることすら困難な速度で移動し次々とレイダーを吹き飛ばす清導に対し、相対するフルスロットル・ジ・アポカリプスもまた怯むこと無く堂々と迎え撃つ。
清導の倍はあろう巨大チェーンソーのエンジンは唸り声をあげ一瞬でフルスロットルへと回転数をあげる。
そうして振り下ろされるその巨大な鉄塊は、荒れ果てた大地を容易に穿つのだ。
立ち上る砂煙は渦を巻くオブリビオンストームに吹き飛ばされ直ぐに姿を消す――しかし破壊されたクレーターに清導の姿は無い。
いぶかし気に辺りを見回すフルスロットル・ジ・アポカリプスは、何かの気配を察するように空を見上げた。
「ちょいやばかったが、間に合ったな」
荒れ狂う大剣の軌道を見切っていた清導はその増強された身体能力を活かし宙を舞う。
そうして大きく息を吸ったのならば、再度暴力の嵐にその身を投げ込むのだ。
「この全力の拳でトドメだ!」
「来い!」
ヒーローは最も危険な場所で拳を振るう。
その最前線を受け持つことこそが、仲間を守ることに繋がると知っているが故に。
成功
🔵🔵🔴
蒼・霓虹
オブリビオンストームと猛毒
備えの手はずは考えてはいますが
己の【幸運】を信じて向かいましょう
[POW◆プレボ込み]
【高速詠唱】UC発動
〈彩虹(戦車龍)〉さん共々
無敵の幸運の鱗装甲纏い
【オーラ防御&結界術&激痛耐性&毒耐性】で毒と攻撃に備え【悪路走破&推力移動&空中浮遊】で【操縦】し
【高速詠唱】で【属性攻撃(重力)】込めた〈レインボークローバー〉【弾幕】を【範囲攻撃】で弾幕展開【念動力】で遠隔操作
被弾は【盾受け&ジャストガード&受け流し】
【第六感】で【瞬間思考力&見切り】回避し
【高速詠唱&全力魔法】〈ハッピーティトラップ〉【砲撃&レーザー射撃&貫通攻撃】で回りの敵ごと
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
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「オブリビオンストームと猛毒……備えの手はずは考えてはいますが、己の幸運を信じて向かいましょう」
――幸運
――神頼み
戦場というその場を考えれば、本来であれば逃避であると思われるその単語も、竜神たる蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)が口にすればその意味は変わる。
虹と幸運を司る竜神たる彼女にとっては、幸運とは己が扱う異能。
万物の因果を操り己にとって利となる未来を手繰り寄せる異能。
その異能を操り、暴力が渦巻く嵐の渦中へと、その身を飛び込ませるのだ。
「今のわたしが使いきれる力と運気は、コレだけだけれども……わたしの幸運を貫らぬけるモノならっ! 「フォーチュン・スケイル」っ!」
その身に虹色の装甲を身に纏い、霓虹は愛機――彩虹へとその身を滑り込ませる。
戦車形態となった彩虹はキャタピラを駆動し荒れた大地を滑走し、その身を包む不可視の鎧は人身を蝕む猛毒の砂嵐から己が主人を守るのだ。
履帯が擦れ合う甲高い駆動音を響かせ、悪路をものともせず荒れ狂う嵐を進む。
周囲を囲むのはオブリビオンストームから己が首魁を守らんと次々と溢れだすレイダーの数々。
完全武装し襲い掛かるその軍勢をものともせず、霓虹は彩虹の主砲から魔法弾を放つ。
虹色に輝く魔力を圧縮された魔弾は大地を穿ち、次々と敵兵を吹き飛ばすのだ。
「……ッ!?」
幸運に守られた装甲によりレイダーたちの攻撃をものともせず一方的に攻撃をしてきた彩虹。
しかし急激に膨らむ殺気を直感的に感じた霓虹は、とっさに愛機を操縦しその機体を屈める。
「ほう、なかなかやるな」
突如として襲い掛かる衝撃と金属と金属がぶつかり合う甲高い衝撃音。
目に見えた愛機の傷と眼前でエンジン音を唸らせながら回転する鋼の刃を見れば、彼女がとっさに操縦し挙動を変えていなければ生み出されていたであろう最悪の未来を幻想し、霓虹はごくりと唾を飲む。
荒れ狂う砂嵐によって視界は悪く、下卑た叫び声を上げ続けるレイダーにより周りは騒音だらけ。
そんな劣悪な環境でもとっさに奇襲を避けられたのは、彼女が幸運を司るが故により優れた未来を引き寄せることが出来たが為だ。
「ほう、その目……我らを超克する意思があるならば……かかってこい、猟兵よ!」
「行きます……人々を護る為、発進です!」
虹の力を纏い、機械仕掛けの竜は砲撃を放つ。
次の瞬間――荒れ狂う砂煙の中に閃光が走った。
成功
🔵🔵🔴
御形・菘
邪神オーラを変形させて身に纏い、風圧はできるだけ受け流そう
いわゆる流線形というヤツだ!
さらに身を伏せ這って進む…妾の場合、身を起こして進むより安定するし全然速いしな!
襲撃してくる者どもは左腕でボコる!
はっはっは、御形・菘、推参!
暴力を振りかざすというのなら、それ以上の暴力でもって応じてくれよう! 真なる蛇神の名の下に!
右手で、眼前の空間をコンコンコンっと
死の渦の中であろうが関係なく、むしろだからこそ花々は咲き乱れる!
はーっはっはっは! 妾の攻撃力は無限大まで高まっておる!
軍団など尾の薙ぎ払いで一蹴だ!
そしてフルスロットル・ジ・アポカリプスよ! 全力の左腕の一撃で、エモくド派手にブッ飛ぶがよい!
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荒れ狂う砂煙。
飛び交う怒声。
鳴り響く剣戟と破裂音。
その戦場の最中を全力で気配を消し突き進む姿があった。
(妾の場合、身を起こして進むより安定するし普段より全然速いしな!)
それは地を這うような――否、言葉の通り地を這う低空走行。
下半身が蛇である御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)だからこその奇襲方法だ。
舞い上がる砂煙は彼女の姿を隠し、仲間の猟兵たちが戦う喧噪は彼女の気配を消す。
敵味方入り乱れる大混戦故に時折出会うレイダーはその剛腕で叩き伏せ――菘は戦場をするりと進む。
そうして目指すはこの荒れ狂う竜巻における中心。
目指すはこの軍勢の首魁――オブリビオン・フォーミュラである巨人、フルスロットル・ジ・アポカリプスだ。
「はっはっは、御形・菘、推参!」
「ほう……この軍勢の中を抜けるか」
荒れ狂うエンジン音と共にオブリビオン・ストームを吐き出し続ける機械甲冑を身に纏い、フルスロットル・ジ・アポカリプスはその手に握る巨大なチェーンソーを構える。
そうして振るわれる荒れ狂う鋼の刃の威力は圧倒的。
回転する暴力の権化に触れれば負傷は必至。
しかしその暴力の嵐にさらされて尚、菘はいつもと変わらぬふてぶてしい笑みを浮かべる。
「暴力を振りかざすというのなら、それ以上の暴力でもって応じてくれよう! 真なる蛇神の名の下に!」
そう叫ぶ菘を中心に広がるは、花々が咲き乱れる空間。
突如として姿を変える周囲の様子に戸惑う巨人を尻目に、菘は一段と甲高く声をあげるのだ。
それは彼女のUC――落花狼藉・散華世界(イキナリクライマックスバトル)によるもの。
それが例え戦場であろうと、例え如何なる死が……恐怖がまき散らされようとも。
そのような現実は関係無く……否、だからこそその恐怖を吹き飛ばすように華やかに花々が咲き乱れるのだ。
そうして飛び散る花弁と共に舞い上がる彼女の感情が、そうして突き動かされる彼女の衝動が、彼女の力を一段と高めてゆく。
「はーっはっはっは! フルスロットル・ジ・アポカリプスよ! 全力の左腕の一撃で、エモくド派手にブッ飛ぶがよい!」
「来るがいい! 圧倒的な「暴力」で、汝らを骸の海に捧げよう!」
暴力と暴力がぶつかり合う戦場で、菘は正面から拳で突き進む。
それこそが王道であると――己が道であると、そう信じているが故に。
成功
🔵🔵🔴
ラブリー・ラビットクロー
ここが終着?これ以上不要?
勝手に決めんじゃねーのん!
ヒトはまだ見た事もない未来を切り拓いてきたんだ
それは他人を想う気持ちがあったから
ユメを叶える喜びがあったから
明日へと踏み出す欲望が後押ししてくれたから
その全てが原動力となって諦めずに踏み出してるんだ
今もヒトは諦めないで力強くユメを描き続ける
セカイを照らす朝日を待ちながら!
ここで終わらせはしない
行くぞマザー!ヒトのユメを叶えるんだ!
【ネットワークに接続しました。ラブリーと世界を繋げます】
お前達の顔も見飽きたのん
邪魔すんな
今らぶ達はすっごい怒ってんだ
【空中機動を開始します。敵性反応を全てスポットしました】
相手なんてしてらんない
ラビットブレスで毒ガスをまくぞ
らぶの目的はお前だヴォーテックス
【偽神兵器をオーバーロード。オブリビオンストームを捕食します】
あの日見た涙を
笑顔を
別れの言葉を
らぶは全部覚えてる
【全世界の人々へ、映像を配信しています】
それが全部嘘だったなんて言わせない!
お前にでっかい爪痕を残してやるんだ
だってそれがヒトの叛逆の狼煙なんな!
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「ここが終着? これ以上不要? 勝手に決めんじゃねーのん!」
ラブリー・ラビットクロー(と人類叡智の結晶【ビッグマザー】・f26591)は声を高らかに叫ぶ。
それは普段はおっとりとした、マイペースな彼女らしからぬ強い言葉。
しかしこの地獄のような世界――アポカリプスヘルを生きる者の一人として、心の底からの本音であった。
「ヒトはまだ見た事もない未来を切り拓いてきたんだ。それは他人を想う気持ちがあったから……ユメを叶える喜びがあったから……」
彼女の眼前には、強烈な砂嵐が渦巻く。
ふと気を抜けばその華奢な身体を簡単に吹き飛ばさんとするであろう暴風。
しかし彼女は必死にその足腰に力を入れ、一歩、また一歩と歩を進める。
「明日へと踏み出す欲望が後押ししてくれたから……その全てが原動力となって諦めずに踏み出してるんだ。今もヒトは諦めないで力強くユメを描き続ける、セカイを照らす朝日を待ちながら!」
ガスマスクでくぐもったその声に疲労の色が浮かぼうとも――しかしその声に諦めの色は一欠けらも滲むことは無い。
腹の底から声を出して、足を踏みしめて、そして明日へと進んでいくのだ。
それが……その逞しさが、この世界に生きる人の眩しいところだと信じているから。
「ここで終わらせはしない……行くぞマザー! ヒトのユメを叶えるんだ!」
「ネットワークに接続しました。ラブリーと世界を繋げます」
ラブリーの言葉に呼応するように……彼女の相棒たるビックマザーの機械音声が辺りに響く。
彼女の背後に浮かぶは不思議な三対六枚の翼。
人類叡智の結晶たるビッグマザーの力を最大限に引き出したその姿にて、下卑た笑顔でこちらを囲う荒くれ者へと相対す。
「お前達の顔も見飽きたのん。邪魔すんな、今らぶ達はすっごい怒ってんだ」
「空中機動を開始します。敵性反応を全てスポットしました」
ラブリーの怒りに呼応するように……背後の翼は風をはらみ空へと飛び立つ。
辺りを包む暴風など関係無いとばかりに空気を引き裂き、先へ、先へと突き進むのだ。
直線距離で目的地へと突き進む為に敵を回避し、それでも縋りつく者に攻撃を叩きこむ。
チェーンソーをフルスロットルで叩きつけ――
金属バットで景気の良いホームランを打ち上げ――
レイダー負けじと火炎放射をまき散らし――
催涙毒ガスなんのその――
彼女の身に纏う全てがこの血と砂と暴力が渦巻く地獄のような世界で生を受けた彼女が逞しく生き足掻いてきた軌跡であり……それでもこここそが自分の生きる場所だと信じ受け入れ、そして明日を掴む為に掴んだ奇跡である。
「偽神兵器をオーバーロード。オブリビオンストームを捕食します」
それは彼女の最強の武器であり、頼れる相棒であり……かけがえの無い家族であるこのビックマザーも同じ。
その力を信じられるからこそ、過去を振り返らず……全力で目の前の壁へと挑むことが出来るのだから。
「らぶの目的は……お前だ、ヴォーテックス!」
そうして無限とも思える敵を蹴散らし、終わりが見えない砂嵐を越え。
ラブリー・ラビットクローは敵の首魁たるフルスロットル・ジ・アポカリプスへと相対する。
「全世界の人々へ、映像を配信しています」
問答は無用。
加減も不要。
己が全力で以って――その全てを眼前の敵にぶつけるのだ。
「あの日見た涙を、笑顔を、別れの言葉を……らぶは全部覚えてる。それが全部嘘だったなんて言わせない! お前にでっかい爪痕を残してやるんだ、だってそれがヒトの叛逆の狼煙なんな!」
己が全てを投げ出すように――己が全力を突き出すように。
少女は暴力の化身たる巨人へと突撃しする。
あの青空を――取り戻す為に。
あのろくでもない日常を――取り戻す為に。
大成功
🔵🔵🔵
アルテミシア・アガメムノン
フルスロットル・ヴォーテックスさん。
この戦争の元凶ですわね。
自ら終点を定めこれ以上が不要というのであれば消えるしかないですわよねえ?
ほほほ。終わりたいのなら勝手にどうぞ。終わりたい方たちだけで終わってくださいませ。わたくし達はその先に行かせてもらいます。
真の姿、無限の魔力を持つ6対12枚の黒翼を持つ熾天使の王の姿へ。
さあ、貴方を滅ぼす魔法をみなさい。
『滅びの創造』によりフルスロットルを滅ぼすべく『聖と生の渦』の魔法を創造。オブリビオン・ストームにぶつけて敵群を吹き飛ばし、毒を浄化しましょう。
敵WIZUCに対して
ほほほ。わたくしはいくらでもつきあいますが……貴方はあとどれだけ続けることができるのかしらね?
死ぬまで続けることはできないでしょうから、フルスロットルが放出を終えた時点で接近。万物を切り裂く黄金の大鎌『クロノスの大鎌』でフルスロットルを切り裂きます。
骸の海にお還りなさい、フルスロットル。終わりを定めた貴方はその時点で超克される運命だったのです。
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「フルスロットル・ヴォーテックスさん……この戦争の元凶ですわね。貴方が自ら終点を定めこれ以上が不要というのであれば消えるしかないですわよねえ?」
荒れ狂う砂嵐の渦中を優雅に歩き、アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)はそう語り掛ける。
彼女の視線の先にそびえ立つは彼女の数倍はあろう巨人――フルスロットル・ジ・アポカリプスだ。
「ほほほ。終わりたいのなら勝手にどうぞ。終わりたい方たちだけで終わってくださいませ」
アルテミシアがあげつらうのは、グリモアベースで聞いた彼の言葉。
まるで大義があるかのような言葉
まるで道理があるかのような言葉
しかしそれはあくまで、骸の海より蘇りし亡霊の言葉。
生者にとっては迷惑極まりなく、理不尽以外の何物でも無い。
故にアルテミスはその見下す態度を崩さない。
「わたくし達はその先に行かせてもらいます」
相手がいかに強者であれど……猟兵として、世界を守る者として、未来へと繋がる道を勝ち取る為に。
その為にも、前へと進む為に。
「さあ、貴方を滅ぼす魔法をみなさい」
三対六枚の翼を持つ堕天使たるアルテミシアは6対12枚の黒翼へとその姿を変える。
それは熾天使の王たる彼女の真の姿だ。
一目見れば美しき天使――しかし一度その黒翼の天使と相対したならば、彼女に集う尋常では無い濃密な魔力の気配に気付くだろう。
実際に辺りを見守るレイダーたちは彼女は発するプレッシャーに気圧され一歩後ずさる。
だがそんな彼女を見ても……暴力の化身たる巨人に躊躇う様子は無かった。
「我らが定めた終点を超克する意志があるならば……かかってこい、猟兵よ!」
うなるエンジン音と共に一際強い気炎を上げるは、フルスロットル・ジ・アポカリプスがその身に纏う機械甲冑――ヴォーテックス・アーマー。
その排気口から吐き出される砂煙によって生み出されるオブリビオン・ストームは一際その勢いを増し、近づく者全てを拒絶する。
その勢いはどんな屈強な男であっても立つことすら不可能なほどに暴力的なもの。
しかしその暴風にされされて尚、その優雅な縦ロールが風にたなびこうとも……黄金の女帝はその余裕を崩さない。
「願いは叶う。わたくしが叶える――これがその魔法です」
アルテミシアが放つは滅びの創造(アンラ・マンユ)――それは彼女に相対する者を滅ぼす為に最適な魔法を創造する魔法。
故にこの場で放たれるは眼前の脅威を滅ぼすもの……砂に含む毒を浄化し、苛烈な嵐の勢いを打ち消す為の聖と生の渦。
相対する暴風は互いの勢いを殺すように真正面からぶつかり合うのだ。
「ほほほ。わたくしはいくらでもつきあいますが……貴方はあとどれだけ続けることができるのかしらね?」
勢いの止まらぬオブリビオン・ストームとそれを打ち消す聖なる嵐。
両者の力は拮抗し――その時は永遠に続くかと思われた。
だが何ごとにも永遠というものは存在しない。
燃料切れ故か機械の故障か……段々と勢いの落ちるオブリビオン・ストームの勢いに、少しずつ聖なる渦は勢いを増す。
「骸の海にお還りなさい、フルスロットル。終わりを定めた貴方はその時点で超克される運命だったのです」
黒翼の天使は王鎌を振るう。
それは定められた終わりを切り開く黄金の刃。
未来を手繰り寄せる為に万物を切り開く剣だ。
黄金一閃――辺りに紅が広がった。
成功
🔵🔵🔴
キリカ・リクサール
【紫闇】
そうね、二人で教えてあげましょうか…
一番不要なモノは誰なのかって
ゴスロリ服に身を包んだ真の姿へと変身して魅夜と進む
抱っこなんて久々ね…しっかりと繋いだ手から私の念動力を流して、魅夜のオーラを更に強化させましょう
フフッ、嬉しいわね
信じてくれる魅夜の為にも、二人の邪魔をする無粋なレイダー達にはお仕置きをしましょうか
UCを発動
今は私自身がデゼス・ポアでもあるから…フフ、敵を見つめるだけで空間を切り開いて現れた刃で、レイダー達をどんどんと倒していきましょう
あまり時間をかけたくはないし…フルスロットルまでの最短ルートを魅夜と一緒に文字通り「切り開いて」いきましょうか
そうね、あのお馬鹿さんに見せてあげましょうか
不要と言って切り捨てた絆の力をね
大きなチェーンソー剣を振るった後にこそチャンスは生まれるわ
焦らずに敵を観察して、焦れた敵が大技を出す瞬間にカウンターでUCを発動
刃を打ち込んで、魅夜のUC攻撃をアシストしましょう
フフッ…ええ、構わないわよ
私も、もう少しだけ魅夜に抱っこされたい気分だもの
黒城・魅夜
【紫闇】
あなたが終わりを告げられるものはただ一つ
あなた自身だけですよ、愚かなる一族の末裔よ
「顕現化した悪夢」という真の姿に化身
同じく真の姿となったキリカさんと「優しさ」を込めて強く手を握り
嵐の中に飛び込みましょう
猛毒は「毒耐性」を「オーラ」に付与し、さらに「結界」を張って
私とキリカさんを共に包み込み凌ぎます
合わせて我が鎖を「範囲攻撃」「ロープワーク」で次々と大地に撃ち込み
命綱として嵐の威力に耐えつつ進みましょう
キリカさんは道を切り開いてくれるはず
このアポカリプスの世界に伸びる、ただ一筋の勝利へのロードをね
姿を視認したならそれがあなたの最期の時です
キリカさんの使ったUCと同じ由来を持つ私のUCは
あなたを虚無へと引きずり込み、終わりを告げるもの
これが絆の力ですよ、木偶の坊
一族がいながら力を合わせることもしなかったあなたとは異なる
私とキリカさんのね
……ところでもう少しそのままの姿でいませんか、キリカさん?
もう少し抱っこしていたいですから、ふふ
●
「あなたが終わりを告げられるものはただ一つ……あなた自身だけですよ、愚かなる一族の末裔よ」
漆黒の翼をその背に広げ――黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は顕現化した悪夢たる真の姿でそう言葉をかける。
それは眼前の砂嵐――オブリビオン・ストームを生み出している元凶……ヴォーテックス一族を束ねるオブリビオン・フォーミュラ、フルスロットル・ジ・アポカリプスへ向けた言葉。
それはこれから相対するであろう強大な敵を想像した言葉……しかし彼女のその言葉に、決して強大なオブリビオンに対する恐怖の色は無かった。
「そうね、二人で教えてあげましょうか……一番不要なモノは誰なのかって」
それは共に連れ添う少女もまた同じ。
真の姿であるフランス人形のような幼き少女の姿を取り、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)もまた魅夜の言葉に同意を返す。
そこに強大なオブリビオンに対する恐怖は存在しない。
二人であれば如何な強大な敵に対しても打ち勝つことが出来るのだとそう信じているから……。
これまでも、そうして世界を救ってきたのだと。
故に躊躇わず、二人は手を繋ぎ暴力の渦巻く嵐の中へと飛び込んで行くのだ。
●
荒れ狂う嵐に含まれるは、足を踏み入れる者を蝕む猛毒。
しかしそれは骸の海から生み出された者には害さぬ生者だけの命を奪う。
その凶悪な致死毒の含まれる嵐の中を――二人は優雅に歩いていた。
二人を包む不可視の鎧が……致死毒の毒性を弱めているが故に。
そうして何故か倒れぬ二人に対し、オブリビオン・ストームから次々と現れるレイダーたちは周囲を囲う。
二人のうちの一人……魅夜は己が鎖で大地を捉え、この暴風に飛ばされぬようキリカの身体を支えている。
ただでさえ多勢に無勢……そして一人は身動きが取れないならばと、下卑た笑みを浮かべた荒くれ者たちは、これ幸いにと襲い掛かるのだ。
「キリカさん……」
「フフッ……魅夜が信じてくれるなんて嬉しいわね。それじゃあ、私がお仕置きをしましょうか」
こちらへと襲い掛からんとするレイダーを見つめ、魅夜は己が身動きが取れずとも決して焦らない。
それは傍らに立つキリカを信頼している為――そしてその信頼を感じたが故に、キリカもまた嬉しそうに戦場に立つのだ。
「悍ましき哄笑で伝えろ、デゼス・ポア。私の瞳と貴様の刃に捕えられた者共に、安寧が訪れる事は永遠に無いと」
絶望を隠した人形――デゼス・ポア
彼女にとって武器にして相棒たる彼女だが、真の姿を取っている今は彼女自身がデゼス・ポアそのもの。
故に彼女の紡ぐ呪文のように、キリカに一目見つめられた荒くれ者たちは次々と虚空から現れた刃に切り伏せられる。
その勢いは凄まじく、どれだけのレイダーが束になろうと容易く屠ることが可能であろう。
しかしそこは猛毒を含む暴風が渦巻く砂嵐の中。
長期戦は二人にとって握手であるが故に、キリカは最短距離を切り開くのであった――最も濃密な暴力の気配の下へ……この渦の中心へと。
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「さぁ……私たちの絆の力を見せてあげましょうか、キリカさん」
「そうね、あのお馬鹿さんに見せてあげましょうか……不要と言って切り捨てた絆の力をね」
無限かと思われるほどの膨大な数のレイダーを屠り、二人はついにオブリビオン・ストームの中心へとたどり着く。
二人の視線の先に立つは機械甲冑を身に纏った巨人。
オブリビオン・フォーミュラたるフルスロットル・ジ・アポカリプスの姿だ。
「ほう、ならばその力とやらを見せるが良い、猟兵よ!」
巨人の手に握るチェーンソーの回転数は瞬間的にフルスロットルとなる。
常人であれば身動きすら困難なほど分厚い鉄板で拵えられた機械甲冑を身に纏い、しかし巨人は何でもないとばかりに一足飛びに彼我の距離を詰めてその手の鉄塊を叩きつける。
目に見える様々な傷は、おそらくは度重なる猟兵たちとの戦いによってつけられた傷。
しかし巨人の身のこなしには、手負いとは思わせぬほどの気迫と勢いがあった。
粉塵と共に大地は砕け、まるで隕石が降ったかのような衝撃を辺りが包む。
しかしその暴力にさらされて尚、魅夜とキリカはその余裕を崩さない。
例え不可視の鎧が破壊されその身に傷を負おうとも――例えそれにより身体が毒に侵されようとも。
己が勝利を信じ、共に戦う者の力を信じ……これまでだってどんな強大な敵にだって、打ち勝ってきたのだから。
「墜ちゆけ、沈め、奈落の底より深き場所、虚無の果てへと溺れゆけ」
魅夜が口ずさむは、終わりを告げる呪文。
闇によって捉えた者を影へと沈め、虚無の果てへと突き落とす業。
突如として現れた漆黒の影が巨人を捉えたかと思えば鎖のように束縛し、そして大地へと広がった闇の中へと引きずり込まんと蠢くのだ。
とっさに巨大なチェーンソーを振るうも、先ほどまでのように大地を砕くことは敵わない。
そうして少しずつその身を沈めるフルスロットル・ジ・アポカリプスを見つめ……二人は艶やかに笑うのだ。
「……ところでもう少しそのままの姿でいませんか、キリカさん? もう少し抱っこしていたいですから、ふふ」
「フフッ…ええ、構わないわよ。私も、もう少しだけ魅夜に抱っこされたい気分だもの」
闇を纏いし二人は笑う――まるでこの世界は二人しかいないかのように。
眼前の敵など、無へと帰したかのように。
いつまでも。
いつまでも。
成功
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