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アポカリプス・ランページ⑨〜火の着いてしまった夜~

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●アドレナリン
「この手の音楽を流しながらのドライブは、事故率が上がるらしい」
 グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートが流しているものは、ハイテンポで流れる電子楽器で構成された楽曲だった。
 原色カラーの灯の中で、熱狂と歓喜の声を挙げて踊る人々の光景が見えてきそうな音楽の中、彼女は語りを続ける。
「だからだね、そういう世界で免許を持つ諸君。流す音楽に関わらず、安全運転は心掛けるべきだ。それが大人の嗜みというものだよ。さて……」
 そう言うと彼女は音楽を流したまま、羽根ペンを象ったグリモアを手に取った。

「さぁ語ろうか! 舞台は暴走車のエンジンと車輪の音が喧しいアポカリプスヘル! 君達には暴走車に乗ったレイダーを追い詰めて貰いたい!」

 ニューヨークの二倍はあろうかといわれている、超巨大都市【悪徳の都】ヴォーテックスシティには、一族傘下のレイダー達が無数に闊歩している。
 放置しておけばその莫大な戦力が集結し、フルスロットル・ヴォーテックスの攻略をより困難としてしまう。
 その中のレイダーの一団を滅して欲しいのだとスフィーエは語る。
「見ての通り、全員改造車に乗り込み凄まじい機動力を誇っている」
 刺々しかったり、派手に塗装をされていたり――排気量も凄まじいことになっている改造車を乗りこなす半機械の拳士達を示す。
 機械改造による邪道で力を得た彼女達は、バギーの機動力で敵を翻弄しながら内蔵された火器や増幅された腕力で敵を甚振ってくるのだという。
「よって君達には、同様にバギーやバイク……高速移動できる手段で彼女達を追い詰めていって欲しい」
 自前の乗り物――四輪車やバイク、或いはキャバリアであろうと何であろうと、何かしらの乗騎を使うか、或いは自前の高速移動できる手段を用いて追い詰めるか。
 最悪の場合は現地で調達、例えば放置されてる車なりバイクなりを奪うか、敵の車両を乗っ取るか。
 兎にも角にも、彼女達の機動力に追いつける何かしらの手段を用いて、カーチェイスを繰り広げつつ戦うことになるだろうと語る。
「場所としては市街地……にはなるが、無法地帯だ。道幅自体も狭くは無いし、巻き込んではいけない民の存在もない」
 ハイスピードで巡る以上、目まぐるしく光景は変わるだろうが、それ以外に心配する必要はない――下手に遠慮すれば逃げられたりするだけだとスフィーエは語った。

「ハイスピードの高揚感を否定はしないのだがね」
 変わらずに流し続けた電子楽器の旋律が、漸くに収まろうとしている中、スフィーエは一通りの語りを終えて再度語り出した。
 一説によればあの高揚感は何とも言えない特有の快楽を齎すものではあるが……。
「だがまあ、時と場合によるものだ。安全運転が必要な時は、安全運転で。とはいえ、このケースでは遠慮は要らないがね」
 だから存分に、解放したいと願うならば解き放てば良い――と悪戯っぽく笑ってみせてから。
「さて、スピードが大事と言っておきながら長々と語ってしまった。準備が出来たら、この門を通ってくれたまえ」
 羽根ペンを動かし、描かれた門は宛らレースのスタートラインにも似て。
 スフィーエは手を差し出し、猟兵達の出陣を見送るのだった。


裏山薬草
 どうも、裏山薬草です。
 頭(かしら)文字を頭(あたま)文字と勘違いしてるんだという笑い話も懐かしいものですよね。
 現実には危険運転ダメ、ゼッタイ。交通ルールとマナーを守って気持ちよく運転しましょうね。

 さて今回はバギーで暴れ回るレイダー相手にカーチェイスを繰り広げつつ、それを撃破するシナリオとなっております。
 勿論乗り物などが無ければ、現地調達も出来ますし、自前の高速移動とか色々と追い回す手段を駆使しても全然構いません。

●プレイングボーナス
 レイダー達とカーチェイスしながら戦う(乗り物の有無は不問)

 プレイングの受付状況に関しては、タグにてお知らせします。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 集団戦 『邪流拳法『機拳流』の武術家』

POW   :    機拳流奥義・戯岩斗拳(ギガントパンチ)
【機械化した右腕の一撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    機拳流禁忌・王刃悪狼怒(オーバーロード)
【体内に埋め込んだ加速装置を暴走させる】事で【オーバーロード状態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    機拳流秘伝・魔心眼(マシンガン)
【機械化した左眼で見た対象の動きを解析して】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夜刀神・鏡介
愛車を改造するとか思い切り走りたいみたいな気持ちは、正直分からんでもない
とはいえ、時と場合によるというのもあるが、そもそもレイダーだしな。見逃す道理もないって奴だ

バイク『八咫烏』に騎乗してバギーを追いかけ、まずはカーチェイスというこう
高速で追い掛けながら、機を伺ってバイクで体当たりなど仕掛けてやる

敵が積極的に攻撃を仕掛けてくる気配を感じたら、此方も神刀の封印を解除
緋色の神気を解放し、陸の秘剣【緋洸閃】でバギーごと攻撃
敵の反応速度が上がっていても、バギー自体の速度は上がるまいし、無数の刀を全て回避はできないだろう
バギーをクラッシュさせて、敵が混乱している間に一気に接近して攻撃を叩き込む



●私の愛を殺して
 愛車を存分に改造し、思うがままの――それこそ己の手足に等しく誂え、何の柵もなく、出せる限りの力を出して風と共になる。
 それは確かに浪漫に溢れるものだろう。
(気持ちはわからないでもないが、時と場合にも依るだろう)
 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は己が愛車(バイク)に乗りながら、目まぐるしく変わる景色の中、暴走バギーを追い回していた。
 そもそもレイダーである以上見逃す道理も無し。原動機の唸りも激しく暴走バギーの斜め後ろに幅を寄せると。
「というわけだ。逃がさないからその心算で」
 ガチン、と幅寄せはバイクの車体を文字通りに横殴りの形でバギーに叩き付けさせ、バギーは急激にコントロールを失い、激しい旋回を見せる。
 そのままスピンの末に投げ飛ばされた同胞に眼もくれず、レイダー達は唇を歪めた。
「ハッ、おもしれー男」
「着いてこれるかよ!?」
 煽るように車体をドリフトで左右に揺らし、アクセルを踏み込み手早く駆け抜けても。
 時に地の利を活かし、急激なドリフトからの急速な方向転換からの離脱を試みても、鏡介のバイクは執拗に追い縋り、突撃が制動を失わせ、タイヤのアスファルトを削る音も激しく左右に揺るがせた。
「チィッ……上等だよッ! ステゴロで叩きのめしてやらぁッ!」
 機械で身体を武装しておいて、素手喧嘩も何もあったものではないが――レイダー達は変わらずに、運転を任せながらも乗合している者が鏡介を排除すると決めたのか、一斉に立ち上がった。
 レイダー達の身体に埋め込まれた機械の加速装置が暴走し不快な唸り声を挙げる――試しにバイクのスロットルを最大限に回し、バギーの後ろへ体当たりを仕掛けるものの、それを難なく急激な旋回で躱す。
 確かに反応速度は上がっている、これまでの体当たりは通じないと見て良いかもしれないが、彼女達は忘れている。
「――神刀解放」
 機械の駆動音が唸りを挙げ、本格的に鏡介へ攻勢を仕掛けんとする気配が放たれると同時、彼の持つ刀は力を解き放つ――!
「斬り穿て、千の刃――」
 ――忘れていることは一つ。
 反応速度を上昇させたとしても、バギー自体は対応しきれない。
 因果と法則を超え、斬ると定められた者を断ち切る気迫が緋色の閃きとなって刀より立ち昇り。
「陸の秘剣【緋洸閃】」
 一瞬の後に戦場に隙間なき網の如く張り巡らされた斬撃が、瞬き一つも満たぬ時にバギーを分解し。
 呆気に取られ身を投げ出されたレイダー達が、超反応を活かす間も無く迫った鏡介が擦れ違い、彼女達の耳に原動機の唸り過ぎ去る残響を遺し。
 消え去る時には既に、広がった爆発の余波が鏡介の後ろ髪を煽り続けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「カーチェイス、に見せ掛けたドッグファイト、でも良いですよね?」

シャシーからエンジンからバリバリ(死語)に改造したケータリングカーで参加

敵車両が視認出来る距離迄近付いたらUC「出前一丁・弐」使用
地上1mをマッハ9越えで飛行して敵車両に吶喊する
進路決定や敵車両への効果的な吶喊進路は第六感や見切りで決定

敵の車両軍を突破したら高度を取って飛行し再度敵車両群の後方に移動
敵車両群がスクラップになるまで何度も音速越えの吶喊を繰り返す

「骸の海に還っても、また同じ願いしか持たないのなら。何度でも同じように貴女達を轢き潰しましょう。次は…可能ならば、共存出来る願いを持ってお戻りになられますよう」
戦闘後鎮魂歌歌う



●面白可笑舞踊
 巨大都市を嬉々としてバギーを走らせ、エウロペの律動を馬鹿みたいに歌い騒いでいたレイダー達は、背後から照付けたライトとその主に声を挙げた。
「なんだこいつ!?」
「屋台か!?」
「痛車か!?」
「いや……」
 ――そこに見えたものは、桜色のキャンピングカー。より正確にいうならば、
 否、そんなことはどうでも良い――あれは唯の車じゃない。ジェットの轟音も激しく、走る度に発生するソニックブームが都市のアスファルトや建物を削り破片を散らしながら飛ぶ光景は異様という他なく。
 それが単純なスピードでレイダー達のバギーを圧倒的に上回り、まるで吸い込まれるかのような巧みな足取りで後方からレイダー達を轢き飛ばす――!
「こんなこともあろうかと、ケータリングカーのシャシーと搭載エンジンは改造済みですの、うふふ。さあ、戦場デリバリーと参りましょう」
 ――届けるのは影朧としての存在からの解放を。
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)はハンドルを切り、改めて今しがた吹き飛ばした車両の群れへと向き直り。
 再びアクセルを吹かせると、車に備え付けられたターボエンジンが火を吹き上げ、なんと車を空へと飛ばし、レイダー達の後方へ再び桜花の車を着地させる。
「カーチェイス、に見せ掛けたドッグファイト、でも良いですよね?」
「上等だよォ! ぶっ潰れろやあぁぁっ!!」
「それはお断りです」
 バギーから飛び出し、機械の豪腕を振り上げ真っ向から桜花の車を叩き潰さんとするレイダーの一撃を、急激にハンドルを切り躱す。
 急速な方向転換が車体を一時回転させながら、宛ら尾を打ち付けるかのように次々に群がるレイダー達を横殴りに吹き飛ばし。
 一時のスピンからすぐ様に立ち直ると、そのままアクセルを一気に踏み抜き改造エンジンが熱く昂ぶり――そして。
 再びレイダー達の後方から音を圧倒的に超えた速度を叩き付ける――!
 そのまま何度も、何度も。
 突破しては後方へ回り込み、幾度となく繰り返される吶喊がレイダー達を車諸共瓦礫と化すのはそう遠からぬことだった。
「骸の海に還っても、また同じ願いしか持たないのなら」
 やがてキュっとブレーキ音を立て、哀れな死体の山一つと変わったレイダー達と、今しがたバギーであった鉄屑の積み上げられた墓に彼女は祈り、そして歌う。
「何度でも同じように貴女達を轢き潰しましょう。次は……可能ならば、共存出来る願いを持ってお戻りになられますよう」
 ――例ヘ桜花幻朧の世でなくとも。
 斃れたレイダー達へ捧げられた祈り歌は一時、エウロペの律動を忘れさせ穏やかな時を都に与えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…騎獣の類なら、ある程度自分で判断して危険を避けるけど、
他世界の鋼鉄の騎馬はそうも往かないのが難点ね

…え?最近はそうでも無い?カーセンサーに自動ブレーキ?

…そう。ゴーレムみたいな物かしら?

UCを発動して自身に風の精霊を降霊して肉体改造を施し精霊化を行い、
風の流れを暗視する精霊の視力で周囲の大気や敵の攻撃の流れを見切り受け流しつつ、
全身を飛翔力が増加する疾風のオーラで防御して超高速の空中機動で敵陣に切り込み、
風の魔力を溜めて切断力を強化した大鎌をなぎ払い風属性攻撃の斬撃波を放つ

…確かに馬を走らせるより速いけど、風に乗り空を飛ぶ私程じゃないわ

…此処から先は行き止まりよ。お前達の人生の、ね



●大賞
 殆どをこの黙示録の地獄よりは、大幅に工業文明に劣る――尤も地獄という度合いでは変わらないのかもしれないが――常闇の世で動くことの多い身としては馴染みの薄きものもあり。
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は今にも壁にぶつかりそうなバギーを一つ見遣り。
「……自律してある程度危機を避けられないのが……え?」
 急激に運転に気を使ったとも思えない、急速な停止と方向転換。その光景に僅かに目を丸くして。
「バーカッ」
「危険を察知! って奴さぁ!」
 げらげらと笑うレイダー達の声に、リーヴァルディは少しだけ思案し。
「……そう。最近はそういうものがあるのね」
 ゴーレムのようなものか――そう納得しながらも、リーヴァルディは幅広き道を往くレイダー達を追う。
 生身の身ではありながらも、身に宿した風の精霊が文字通りにリーヴァルディに疾風の勢いを与え、工業技術の結晶に劣らぬ速度で以て追い縋らせていく。
「……確かに馬を走らせるより速いけど」
 そのまま大鎌を風の勢いに乗せて斬り込めば、ちぃ、と舌打ちした後にレイダー達が加速装置を機動さえ、リーヴァルディを迎撃する体制へと入る。
「風に乗り空を飛ぶ私程じゃないわ」
 敵の攻撃は全て、纏う風の精霊が見せてくれる――如何に反応速度を挙げ人智を超えた動きを行おうとも、大気の乱れを逸早く察知し、繰り出される蹴りを、拳を、大鎌の柄で受け止め、打ち落とし、弾き返していき。
 そのまま深く、もっと深く敵陣に文字通り風を切りながら斬り込んでいくと、リーヴァルディは大鎌に吹き荒ぶ風の魔力を込め。それを一気に横薙ぎに払う――!
 だが咄嗟に加速装置を使い、斬撃を躱したレイダー達が下手くそ、遅いとリーヴァルディを煽るが、彼女は意にも介さず口を開いた。
「……最後に言っておくわね。此処から先は行き止まりよ」
「オイオイ、もう耄碌したのかよお嬢ちゃん」
 またもやげらげらと笑うレイダー達は、まだまだ壁どころか障害物の一つも見えない道を指で示し、下品に手を叩きリーヴァルディを囃し立てる。
 具体的な内容や言はどうでもいい。聞く価値もない、涼風のように流すのみ――そして静かに、凪のように穏やかにリーヴァルディが鎌を下ろせば。
「……お前達の人生の、ね」
 それをスイッチとしたかのように、レイダー達の間を激しい暴風が吹き荒び、相応に丈夫であった筈のバギーも、機械の身体も容易く吹き飛ばされ、瓦礫と化していく。
 侮り後悔しても時すでに遅く、車は急に止まれない、一秒に満たぬ不注意は命を永遠に奪われる途轍もなく重い代価として刻まれるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レン・ランフォード
今回の件はれんが担当するよ…
音楽は好きだけど…事故しちゃったら大変…
安全運転大事…だけど今回はとばさないとね…ひゃっほう

戦いは数だよ…
【式神・鬼丸兄弟】発動
れん含めて102人分…まぁ調達しよう…
バギーには2人乗りするけど…ここが悪徳の都で良かったね…

目標集団を左右から鋏むように布陣…
一人の敵に対して二人以上で対応…
貴女たちの処理能力はどれだけ優秀かな…?

更に反応速度が上がったようなら…
『盗み』げふん調達したショットガンを撃ち込んだり…
大量のネジ等を進行方向にバラすように『投擲』する『範囲攻撃』…飽和攻撃だ
この速度で進行方向から飛んでくる石…ハチの巣にならないといいね…?



●密林の中の舞踊
 戦いに於ける有利性とは何か?
 数多くの回答は其処に在り、そしてそのどれもが正解であり不正解。
 それでも大体の場合において、特にこうした大都市の広いハイウェイでそれを制する力とは即ち――
「戦いは数だよ……」
「「「うわっ、なんだこいつら!?」」」
 エウロペの律動も喧しく流し爆走を続けていたレイダー達は、後方から失われた秩序の化身の如く追い立てる無数の車という車に驚愕の声を挙げた。
 その総数にしてバギーの数でいえば五十、其処に乗る戦力の数々は一台に付き二名以上――優に百を超える大軍勢が其処に在った。
 その戦闘にて指揮を執る者、レン・ランフォード(近接忍術師・f00762)――正確には内に在る【れん】なる人格だが――より顕現せし、二頭身の鉄杖を備えた鬼の数々が放置されていたバギーを乗りこなし、ハイウェイの中レイダー達を追い詰めていく。
「さて」
 そのまま翼広がるかのように、限界寸前のアクセルを踏み込みながら挟み込むように数多の車と式鬼達がレイダー達を囲むと。
「貴女たちの処理能力はどれだけ優秀かな……?」
 れんの呟きを契機に、バギーから躍り出た式鬼達が焦らず、数の利を最大限に活かし二人で一つの敵を取り囲み、幾度となく鉄杖で打ち据える。
 取り囲み棒を叩き付ける数で押す基本にして完成された攻撃の妙に、レイダー達の身体は無論のこと、改造バギーも盛大に破損し、高速で吹き飛ばされたパーツが後続車を打ち据え、派手なクラッシュを産み出していった
 これには埒が明かないと見たか、加速装置が唸りレイダー達が駆け出す――目標は指揮官のれん。だがそれらの敵を、彼女は現地調達したショットガンを取り出し、冷静沈着、焦ることなく散弾を撃ち込みレイダー達をバラしていく、が。
「弾切れ……」
「今だぜ! あのガキ叩き潰す!!」
 撃ち尽くしたショットガンを捨てたれんへと、レイダー達は加速装置を限界以上に稼働させ一気に向かわんとする。
 されどれんは動ずることもなく、現地調達してきた大量のネジ等の細かい部品を取り出す――礫として投擲するのだろうか。
「ハハハッ、こんな、こんな……!?」
「…………」
 単なる礫は目晦ましにしかならない、と思った瞬間、急速な思考が導き出してしまったものに気が付くと、レイダー達は半機械の身体より残った血の気を一気に退かせ。
 言葉を発さぬれんの、とてもとても穏やかな笑みが示した未来は――
「……ハチの巣にならないといいね……?」
 斯様な速度での飛び込みの前に、軽く見える礫のばら撒きはそれこそに散弾銃にも劣らずに。
 制止の声も響くことなく、ばら撒かれたネジは死を齎す種子か――そして花開くは機械化したレイダー達の血とオイルの入り混じる飛沫と、血肉と機械片の混じる残骸であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎

フン、暴走行為に危険運転か
世界の終末(アポカリプス)とは言え、迷惑行為には相応の罰が必要だろう

UCを発動
パワードスーツを着込み地面ギリギリをブースト飛行して移動する
飛行と言うよりホバー走行だな
これならあの厄介な衛星も文句は言うまい

さて、楽しい鬼ごっこはもう終わりだ
さっさとお家へ帰らないと痛い目を見るぞ?

暴走しているバギーに照準を合わせてレーザーガトリング砲の一斉発射を次々と行って破壊していく
オーバーロードを使って接近する敵はビームライフルやレーザーブレードで対処しよう
なるべく敵が集まる前に殲滅したい所だな

お前達全員、次は免許を取り直して出直してこい
まぁ…次があればの話だがな



●止まれよ
「フン、暴走行為に危険運転か」
 世界の終末(アポカリプス)とは言え、迷惑行為には相応の罰が必要だろう――下品に改造バギーに乗り、ルール無用のドリフト、スピード違反の役満を繰り広げるレイダー達を追う。
 ガソリンの排気が鼻を衝き、騒音が耳に不快な爆走を難なく追い詰めるは、パワードスーツを着込み、地面寸前の超低空飛行を行うキリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)だった。
「さて、楽しい鬼ごっこはもう終わりだ。さっさとお家へ帰らないと痛い目を見るぞ?」
 言うが早いかキリカが取り出したのは、物々しいガトリング砲――ターゲットを定める先は暴走バギー。
 取り出し、狙いをつけるまでコンマ一秒にも満たぬ間を経て解き放つ。
 砲身が勢いよく旋回し張り巡らされる光の弾幕がバギーを撃ち抜き、鉄屑と変えながら、破壊の衝撃に投げ飛ばされたレイダー達の身体諸共蜂の巣と変えていく。
「ヒューッ! やるぅーっ」
「痛い目ってなぁ……こういうことだるぉ!?」
 それでも懲りることなく、身体に埋め込まれた加速装置を最大限、否、限界突破(オーバーロード)で稼働させ光の弾幕の中を縫うように駆け抜けていく。
「成程」
 既に幾多の同胞がやられているというのに、中々に諦めが悪いか。
 耳をつんざくような加速装置の唸りを伴い、駆け寄ってくるレイダー達の救いようのない嬉々とした顔と、埋め込まれた機械を交互に見遣ると。
「その身体といい、中々の被虐趣味と見た」
 もちろん皮肉だがな――それを語ることもなく、キリカはパワードスーツより光り輝く刃を顕現させると。
 鋭いレイダー達の蹴りを、拳をブースターの噴き上げですぐ様に後方へ飛びながらそれを躱し。
 地を力強く蹴り、再び噴き上げたブースターによる加速は音をも超えた速度を与えキリカを飛ばす――そして擦れ違い様に閃くは数多の光芒。
 レイダー達の間を過ぎ去ると同時に繰り出したレーザーブレードの連閃が、レイダー達を無数の鉄屑と変えてそこかしこへと飛ばす――!
「お前達全員、次は免許を取り直して出直してこい。まぁ……」
 着地と同時に更にキリカはレイダー達に向き直りつつ、ライフルを突き出すと。
「次があればの話だがな」
 勿論、その次は決して存在しえない――引鉄が引かれ、何よりも速く駆け抜ける閃光がレイダー達の身体を突き刺し抜けるは、どこか団子の如く。
 崩れ落ちる体を過ぎ去った光が、続け様にバギーのエンジンを撃ち抜けば派手に火柱が立ち昇る爆発を産み出して。
 マスクを外し、吹き付ける爆風に籠り熱を払う女の靡く紫髪は何処までも鮮やかであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
緋瑪「キャバリアも使用可能みたいだし、遠慮なく使わせて貰うよ!」
瑠璃「私達の機体の力、見せてあげるよ」

UCで分身&空戦形態へ換装

カーチェイスがお望みみたいだし、空戦形態だけどなるべく地上ギリギリの低空飛行で戦闘。
ソードライフルの連射で牽制しつつ、敵の攻撃を超音速飛行で回避しながら街中を縦横無尽に移動。
瑠璃が飛行しながらフェザービットを展開し、ミサイルの一斉発射と四方からのビームで追い込み、緋瑪がソードライフルを連射しながら接近し、パイルバンカーで車体ごと撃ち抜いて攻撃。
最後は二機のハイペリオンヴェスバーEXの同時斉射で吹き飛ばすよ

緋瑪「オーバーキルだったかな?」
瑠璃「敵も生身じゃないしね」



●夜に迷って
「瞬間換装!」
「超音速空戦形態へ変形」
 赤と青の二つの機体(キャバリア)が号令に従い、変形を始めていく――四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と半身の緋瑪の乗るキャバリアは、音をも超える戦いを可能とする形態へと姿を変えると。
「行くよ、緋瑪」
「行こう、瑠璃!」
「「空を駆けろ! 破壊の翼!」」
 流儀に合わせ二人で一人の殺人姫達の機体は、限りなく地面に近い位置で飛行しながらレイダー達の車を追い詰めて。
 緋瑪の機体より放たれるは、剣とライフルの一体となった武装から放たれた無数の閃光がバギーの前を撃ち抜いた。
 急ブレーキの響きを伴い横滑りに寸での所でそれを躱し、レイダー達が加速装置を唸らせながら緋瑪の機体へと攻撃を仕掛けていく。
 されどそれを変幻自在に、三次元的な機動を以て躱していき――そして続け様に瑠璃の機体から放たれた無数のビット、そして数多のミサイルと光線が飛び交っては取り囲み――真正面から放たれる緋瑪からの光線が容赦なく追い詰めながら。
 トドメに放たれた杭打ちが一気に車体とレイダーを穿つ――!
「卑怯だぞてめえら!!」
「降りてこいや降りてぇッ!!」
 正に手も足も出ない――速度でも追いつかず、機動区域に於いても柔軟性に於いても勝るところの一つもないレイダー達が、負け惜しみの如く親指を下にしながらバギーの座席で騒ぎ立てる。
 優れた集音器がそれを殺人姫達の元に運ぶも、コックピットの中、緋瑪は心底呆れたように。
「ここまで下げてる時点で譲歩してあげてるんだけどね~」
「相手にするだけ損だよ」
 その気になれば空を自在に翔け抜け、その上で圧倒的な火力を以て蹂躙することも出来たのかもしれないが――流儀に従い、反撃など幾らでも出来る高度に留めた以上、活かせず殺られるは未熟故。
 喚き走り回るだけの慢心に引導を渡すかのように、殺人姫達は一斉に構えた――黙示録の世に溢れるエネルギーを取り込み続け、極限まで威力を高めた必殺の砲を。
「「ファイヤー!」」
 そして――レイダー達の命乞いも軽々と聞き流しつつ、同時に解き放たれた眩い閃光が巨大都市に容赦なく広がっていき。
 想像を絶するエネルギーの奔流が、レイダー達を一瞬で飲み込み、そして灼き尽くしていく――!!
 やがてエネルギーの奔流も収まり、塵も一つ残らずに消え去ったレイダー達とバギーの存在した痕跡を見遣り、解き放った砲を交互に見比べると緋瑪は軽く首を傾げた。
「オーバーキルだったかな?」
「いいんじゃない? 敵も生身じゃないしね」
 瑠璃の言葉にそれもそっか、とコンソール越しに緩やかに笑顔を向けて。
 二つのキャバリアは元の人型に戻れば、完全勝利を祝うように掌と掌を重ねるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月18日


挿絵イラスト