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アポカリプス・ランページ⑮〜虹色羊のお味は?

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 メンフィス灼熱草原。かつての姿を失い黒い炎に覆われた、死の草原。
 そこに、煌めく虹色。目が痛くなりそうな毛皮を輝かせつつ、走り回るのは……山羊?羊?
「ヒャッハー!!!」
「どんな奴でも見つけ次第粉砕だヒャッハー!」
 高めのテンションで山羊を乗り回し、辺りを暴走し続ける羊。サングラスをかけトゲトゲのついた棍棒を振り回し、背中には虹グラデの旗。ちなみに、旗には【煮慈威露愚喪】や【暴走上等】等と書かれている。
 黒い炎をものともせず、全力で走っては手当たり次第辺りのものを破壊する姿は、中々の脅威……であるようにも、見えた。

「まあ、戦争中だけどなァ。 羊食ったことある?」
 唐突な質問から話を始める樹・怜惺(Guardiano della Dea Verde・f31737)。
「今回の敵は、通称が【煮慈威露愚喪の獏羊族】。目ェ痛くなりそうなんだよなコレ」
 浮かんだ映像に映るのは、炎揺らめく中にぎらぎらと光る虹色の毛皮。
「山羊に乗って、暴走するファンキー虹色羊……情報多いわー」
 嫌そうな顔ですぐに映像を消す怜惺。先程の質問の意味が分からず、首を傾げる猟兵に気付きあ、と声を上げる。
「アンなだけどさ、アイツ食えるらしいんだ。しかもめっちゃ美味いんだと」
 絶品、と評価されるほどの食味らしい。
「とりあえず全部退治するのはするとして、その場で焼いて食うなり持って帰ってくるなり隙にしたら良いと思うぜー。あ、焼くのにあの黒い火は使わねェ方が良いと思う」
 なんかアブなそー、と軽く言いつつ転移の扉を用意する怜惺。
「とりあえず頑張れー、アンなでも攻撃はきっちりしてくるから油断すんなよ」


真空。
 見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。

 プレイングボーナスは【黒い炎に紛れた敵を素早く発見する】です。
 軽めの感じです。ラム肉美味しい。

 1章完結戦争シナリオのため、公開後即受付し、少数採用となるかと思われます。

 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。

 皆様の参加、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『煮慈威露愚喪の獏羊族』

POW   :    強奪の時間だヒャッハー!
自身が操縦する【山羊】の【突撃威力】と【物資強奪確率】を増強する。
SPD   :    ヒャッハー!突撃だ!!
【トゲ棍棒】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    1ヒャッハー!2ヒャッハー!!3ヒャッハー!!!
【ヒャッハー系歌詞で大音声の羊数え歌】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夜刀神・鏡介
羊肉か……あまり食べる機会はないけれど、前に食べた時は結構クセがあった気がするな
まあ、虹色の羊は流石に美味そうに見えないけど。見た目で判断するのも良くないのかね
とりあえず試してみるとしようか

敵が暴走しているなら、此方も同様に走り回って誘き寄せてみるとしよう
不意の遭遇に備えて刀は構えたままでバイク『八咫烏』に乗って、わざとらしく排気音をを響かせながら戦場を走り回る
多分、向こうの方から襲いかかってくるだろうから、出会い頭に参の型【天火】で叩き切っていく

近くのをざっと倒したら、一匹くらい捌いて食べてみよう
回収して戦場を離れて、シンプルに焼く。……見た目からは想像できないが、確かに美味いなこれ


藤・美雨
……わざわざ探さなくてもめちゃくちゃ相手が目立ってない?
ま、先制攻撃ができるならそれが良い
頑張って羊を探しに行こう

この世は弱肉強食だ
負けたらたぶん私達があいつらのお肉だな
それはやだなー……
負けられないという想いをエネルギーに変えて立ち向かおう

相手は突進が得意なんだろ?
それじゃあこっちは『火尖鎗』を構えておこう
耳を澄まして相手の接近音に注意して
こう、蹄がドカドカする音とか
ヒャッハーって叫びとか……叫びとか……

相手が突っ込んできたらそっちの方に槍を突き出す!
焦がさない程度に【焼却】だ!
無事に倒せたらちょっと食べてみよう
うーん、虹色はちょっと目に優しくないけど、味は美味しいね
ごちそうさまでした!


水鏡・怜悧
詠唱:改変・省略可
人格:アノン
お、美味い羊のヤツ。前(scenario_id=25434)は1匹しか喰えなかったからなァ。今度は腹いっぱい喰ってついでに何匹か持って帰ってやる
UDCの液体金属と暴食の王『ケルベロス』を纏ってデカい狼のような姿になるぜ。これなら熱くねェな。
発見は……あいつらウルセェからすぐ見つかるぜ。いないなら勘で走ってれば見つかるだろ。
見つけたら棍棒を尻尾で叩き落として、喉元に噛みついて喰い千切る
あァ、やっぱ美味ェ
何匹か喰ったら残りの首を落として、身体から液体金属を伸ばして持ち上げるぜ。このまま怪力で持って帰ろう。




 黒い炎が舞う死の草原。夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は刀を片手に、辺りを警戒しつつ歩き出す。
「羊肉か……あまり食べる機会はないけれど、前に食べた時は結構クセがあった気がするな」
 個性的な匂いが無いわけでは無い、苦手な人もいるだろうが今回に関しては問題は過去の記憶だけではなく。
「まあ、虹色の羊は流石に美味そうに見えないけど。見た目で判断するのも良くないのかね」
 虹色の毛皮の生き物がそもそも食べられるのかどうかとか色々な部分が気にかかるけれど。
「とりあえず試してみるとしようか」
 美味しければそれで良し、まずは倒さなければ。
 それだけ目立つ色をしているなら、あっさり見つけられそうな気もしないでもないが動き回った方がより見つけやすいだろう。八咫烏の名を持つオフロードバイクへと跨ると、片手で器用に走らせる。不意の遭遇に備えて、ハンドルを持たないもう片方の手は刀を握ったままだ。
 わざとらしく、普段よりも排気音を大きめに。暫く走っていれば、炎の向こうにきらきらと輝くものが現れる。
「来たな」
 暴走なら負けるわけにはいかないと、鏡介の周りを取り囲む――山羊。ヒャッハー等と叫びながら突撃してくる暴走羊に対し、鏡介は器用に直撃を避けると上段からの一閃で山羊毎斬り捨てる。
「剛刃一閃――参の型【天火】」
 次々と突撃してくる羊を斬っては避け、バイクで追い抜いてはまた正面から向かい合い、と繰り返すうちに群れの数が減っていく。
「そろそろ終わるか……一匹位は捌いて食べてみよう」
 暫くして、遭遇した群れを全滅させたところでバイクを止めると羊の一匹を回収、出来るだけ黒い炎から距離を取ると、さくさくと解体してシンプルに直火焼きで。綺麗なピンク色の肉が、火を通して白く変化していく。
「……見た目からは想像できないが、確かに美味いなこれ」
 最初はしっかりと焼き、大丈夫そうならちょっとレアで、と食べ進める。臭みも無く、柔らかく歯切れも良い正に絶品。戦争の最中、一時の休息は大満足なものとなった。


「……わざわざ探さなくてもめちゃくちゃ相手が目立ってない?」
 虹色なんてすぐに見つかりそうだなー、と黒い炎の隙間から、辺りを見回すのは藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)。
 光るものは今のところ視界の中には無さそうだ。それなら、と身の丈よりも大きな槍型宝貝、火尖鎗を構えながら歩きだす。
「ま、先制攻撃ができるならそれが良い。頑張って羊を探しに行こう」
 警戒しつつも足取りはゆったりと。歩きながら思うのは。
「この世は弱肉強食だ、負けたらたぶん私達があいつらのお肉だな」
 脳内に浮かぶのは、ヒャッハーしている羊達に荷物の様に担がれていく自分の姿。
「それはやだなー……此処で終わる訳にはいかない、終われない」
 決して負けるわけにはいかない、という思いを力に変わる。全身を闘気が多い、飛翔能力を得た美雨は僅かに浮いて速度を上げて敵を探す。相手の特技は突進、分かっていれば対策は可能。しっかりと火尖鎗を構えて辺りを探していく。
「音しないかなー……」
 賑やかそうな相手なのだけれど、主にヒャッハー系叫び声とかダブル蹄とか色々と。暫く歩きながら耳を澄ましていると、遠くの方でどかどかという地響きのような音、やがてテンション高げな叫び声が聞こえ始める。
 姿が見えるくらいまで近付けば、火尖鎗の出番。
「よし、焦げない程度に燃えちゃえー!」
 突き出された槍の先端から、凄まじい勢いの炎が噴き出すと、一気に羊達を燃やしていく。突進してこようとする者がいれば、そちらへ素早く槍を向けて決して近付かせない。火炎放射器のような槍を両腕でしっかりと支えつつ、美雨は羊たちが全滅するまで赤い炎を撒き散らした。
「いい感じに丸焼きだー、ちょっと食べてみようかな?」
 程良く焼けた一匹を手に、戦場を離脱。焼けてしまえば虹色だった毛皮も見当たらず、適当に削ぎ切って食べてみれば香ばしさと旨味のバランスが素晴らしい一品と化していた。お腹いっぱいまで食べ、満足げに息を漏らす美雨。
「うーん、虹色はちょっと目に優しくないけど、味は美味しいね。ごちそうさまでした!」


 生きるものの姿が見当たらない死の草原。転移で姿を現した水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)――正確には、彼の中のアノンという人格が剣呑な眼差しで辺りを見回している。
「美味い羊のヤツだろ、前は1匹しか喰えなかったからなァ。今度は腹いっぱい喰ってついでに何匹か持って帰ってやる」
 以前にも遭遇したことがあったらしい。目の前で燃え盛る炎を前に、どうやって避けるかを僅かに考えた後、手を伸ばすと生きた液体金属が伝う様に袖から姿を現して全身を覆い始め、UDCの液体金属と暴食の王『ケルベロス』と名付けたオブリビオンマシンを合わせて纏う事で、狼のような姿へと変貌する。
「行くか」
 煮慈威露愚喪の獏羊族を探し、炎を蹴散らしながら荒野を駆けるアノン。走っている内に、だんだんと賑やかな音が近付いてきて……気が付けば周りを囲んでくる。山羊に乗ったまま器用に幅寄せして、トゲ棍棒を振るおうとしてくるもののすぐさまそれを尻尾で叩き落し、身体を捻って飛び上がると羊の喉笛に食らいつく。溢れる血が口の中を満たし、そのまま引きちぎれば旨味の強い肉が残る。ゆっくりと咀嚼し、にやりと笑う顔は血に塗れて陰惨な迫力に満ちていた。
「あァ、やっぱ美味ェ――今回は魂までも全部纏めて喰らってやるぜ」
 一度殺した相手の動きは忘れない、次にどう動くかまでもすべてアノンの予測の内。虹色の雲の中心で黒狼が暴れ回る、それは既に戦いでは無く一方的な殺戮と化していた。食らいつき、引き裂き、叩き落す。虹色を赤で汚して、確保した分をその場で喰らっていく。食べ残した分は黒い炎が焼き尽くすのに任せて、また次の獲物へ。
「うし、そろそろ良いか」
 そろそろ満腹だ。予定通りに残りは持って帰るかと、身体から液体金属を伸ばし残りの羊だったものを吊り上げる。首を落とされたそれは、既にただの肉の塊。アノンは獲物を手に入れ、狼の姿のまま笑う。遠吠えにも似た声が、荒野に響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

箱庭・山岳
新作UC【炸裂する粘体の軍勢】で大量の粘液を呼び出し自分を中心に地表を覆う。
「数はわからんが、とりあえず各個撃破だ」

山羊が粘体上を通れば踏みつけという「一撃を食らった」わけでその部分の粘体は消滅し、爆発が起こる。爆発はなるべく高く敵を弾き飛ばすものであれば嬉しい。

敵が爆発で宙に浮き、【バウンドボディ】で伸び上がった体で視線が通る高さにまで達したら、その落下予想地点付近に多数の粘体を配置してタイミングよく跳躍させ、敵の居るべき空間を包み込み、粘体同士を互いに攻撃させることで爆発を引き起こす。
「さて、上手く行けば良いが」

相手が一体二体ならともかく、これを複数同時並行で敵を躱しながら、か。難儀だな。


御園・桜花
「美味しい羊肉…それは大量確保しませんと」

UC「出前一丁・弐」使用
持参したケータリングカーで高高度からマッハで急降下
地表激突前に水平飛行に移りダウンバースト発生させ黒い炎一時的に吹き消して羊を発見したらそのまま吶喊して山羊諸共羊を撥ね飛ばす
第六感や見切りで効果的な走行方向を判断し同じ事を何度か繰り返して群れを全て撥ね飛ばしたら車降りて肉拾い

使えそうな肉を集めたら車内で料理
ラム挽肉をまとめてケバブ風串焼きと羊肉団子入りクリームシチュー作成
周囲に他の猟兵がいれば振る舞ったり料理を交換したりする
いなければ近くの拠点まで走行して差し入れ

2人前は持ち帰り樹氏にも差し入れ
「お裾分けです。ご家族でどうぞ」


オメガ・カストゥール
羊?
丸呑みしたり、引きちぎって食ったことはある。
本来なら羊相手にブレスする気はない。
しかし、黒い火はうざい。
そして、焼くなら任せろ。

空を飛びながら、奴らがいるかを確認する。
見つけ次第、足から降りて目の前に立つ。
そして、即、山羊ごと羊を噛み付いて喰う。
「虹色に光っていて、見つけやすい」

その後に見つける羊は、降りないでそのままファイアーブレスIIして、焼いておく。
「丸焼きの味はどんなもんかだ…そりゃあ、うまい」

他のプレイヤーの所にも手伝って、羊を燃やすなら燃やしておく。

アドリブ歓迎




 箱庭・山岳(ブラックタールのウィザード・f02412)は自身を中心に、地表を大量の粘液で覆っていく。新しく得た力の腕試しとばかりに大きく広げた【炸裂する粘体の軍勢】は噴き上がる炎をも抑え込み、黒い膜となって辺りを支配していた。
「我が軍勢をここに――数はわからんが、とりあえず各個撃破だ」
 彼方此方で噴き上がってるはずの炎が止まれば、勿論目立つ。何かの気配を感じ集まったのだろう煮慈威露愚喪の獏羊族達が粘液の上へと踏み込めば、踏みつけ攻撃を受けたと判断した粘液が一気に爆発し、羊を乗せたままの山羊を大きく吹き飛ばした。
「良し」
 山岳の身体がぐんと伸びる。高く飛んだ羊と視線が並び、その落下地点を確認できたなら更に地上の粘液達を伸ばして跳ね上げさせ、落ちてくる山羊乗り羊を風呂敷の様に包み込んだかと思うと――爆風すら感じる大爆発を起こした。
 羊が包み込まれた中では何が起きていたのか……包み込んだ粘液達が互いを攻撃する事で、そのダメージによって爆発を引き起こしていたのだ。
 空中から山岳は広がった粘液達を見下ろす。
「さて、上手く行けば良いが」
 別の場所でも、踏み込んだ山羊が跳ね飛ばされている。そちらへ粘液を差し向けながら、山岳は小さく溜息を零した。未だ周りを囲む敵の数は少なくはない。その分だけこの複雑な攻撃を同時並行で続けるのか、そして。
「1ヒャッハー! 2ヒャッハー!! 3ヒャッハー!!! 煮慈威露羊が走るぜヒャッハー!」
 数え歌にしてはテンションが高すぎるが、歌に合わせて飛び交う羊が眠気を誘う。向けられる歌を呪詛耐性で耐えきるものの、この攻撃を受け続けながらとなるのか、と。中々難儀な戦いになりそうだと僅かに空を見上げ、気合を入れ直して羊達へと向き直った。


「美味しい羊肉……それは大量確保しませんと」
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は持参のケータリング用キャンピングカーへと乗り込み、まだ見ぬ食材への期待に目を輝かせる。
 絶品、と言われるほどの肉。必ず手に入れなければ。
 ぎゅっとハンドルを握ると、一気に空へと飛び上がるケータリングカー。きらきら……というよりはぎらぎらとした光を放つ群れを見つけ、群れ目掛けて一気に急降下を行う。地面にぶつかるぎりぎりで回避、水平走行に映る事でダウンバーストを起こし周りの炎を消しつつ体勢を崩させ、そのまま猛スピードで走行する事で乗っている山羊諸共羊を跳ね飛ばす。
 向こうが突撃した来たなら迎え撃ち、即座に最適なコースを見切っては何度もUターンして跳ね飛ばし。
「うん、これは大量確保できそうです!」
 気が付けば、一つの群れを壊滅させていた。
「わあ、綺麗なお肉です」
 綺麗に残っている羊を広い車内へと運び込む。炎を避けて止めた車の中で、お料理開始だ。
 挽き肉はスパイスを入れて纏めケバブ風串焼き、団子にしてコク旨クリームシチュー。その他普通のお肉もしっかり確保し、桜花もシチューを堪能する。
「美味しい――このコク、溶けだす味、正に絶品……」
 自分だけが楽しむのは勿体ない、誰かと分かち合わなければ。桜花は再びハンドルを握ると人が集まる拠点へと向かう。
「差し入れしましょう、きっと喜んでもらえます」
 うんうん、と楽し気にこれからの予定を考える。ああ、そうだ。帰還したら予知を行ったグリモア猟兵にもおすそ分けしよう。確か家族がいた筈だから二人分か。鼻歌を歌いながら、車を走らせた。向かった先では、滅多に食べられない美味を持ち込んだ桜花は大歓迎されたそうな。


 オメガ・カストゥール(火焔竜にして、竜神王・f34605)は竜の姿で死の草原に舞い降りる。
「羊か。丸呑みしたり、引きちぎって食ったことはあるな」
 今回のものは絶品という話だ、試してみたいという気持ちはある。さて、と飛び立とうとして……周りの黒い炎へと目を向けると、近場で吹き出したそれを尻尾でなぎ払った。
「うざいな」
 空へと上がり、群れを探す。上空から見たならすぐにわかるほどの輝く毛皮に、一気に追い越し群れの先頭と向かい合う様に降り立てば。
「虹色に光っていて、見つけやすい」
 先頭の一匹を捕え、山羊毎噛みつき、喰らっていく。熱く甘い血の味が口に広がり、肉の旨味が広がる。血に塗れたオメガの姿を見て、一瞬騒然とするもののすぐさま反撃へと転じる羊達。トゲ棍棒を構え突撃してくる群れを一瞥し、空へと飛び上がると。
「グルルルアァアッ!!」
 全てを燃やす真紅の炎。大火炎の吐息が黒い炎をかき消し、羊達を焼き尽くしていく。耐える事を許さないオメガの炎は、その場にいた群れを壊滅するまで吐かれ続け。
 数刻の後、その場にて動くものはオメガだけとなっていた。
 地面に降り立ち、黒く焼けた羊へと近寄る大きく一口齧り取る。
「丸焼きの味はどんなもんかだ…・…そりゃあ、うまい」
 流石絶品、焼けばまた味わいが変わる。溢れる肉汁、香ばしさも素晴らしい。
「ふむ……焼いた方が良さそうだな」
 火を通す事で、他の者にも食べやすくなるだろう。そう判断したオメガは満足するまで食べ尽すと、次の群れを探し飛び立つ。見つけた群れをファイアーブレスで焼き尽くし、視界の限りに動くものがいなくなれば適当に数匹掴んで帰還の途へ。

 煮慈威露愚喪の獏羊族は猟兵達の活躍により、この草原から姿を消した。
 其々が持ち帰った羊は――きっと美味しく頂かれた事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月20日


挿絵イラスト