アポカリプス・ランページ⑪〜フェイク
●フェイク
「……煩い……煩い……煩い……!」
異形の身の男が大地に向かって吐き捨てる。
それは己の頭の中に響く声をかき消すためか。
『助けてく』『裁いてくれ』『赦してくれ』
俺は、狂った教団に造られた偽物の神だと、男は呻くのだ。
「なのになぜ、俺に人間の祈りが届き続ける……!?」
どうしてだと、また吐き捨てる。
「……黙れ……黙れ……黙れ……!」
俺に……お前達を救う力など無い……! と絞り出すように。
けれどいつまでもやまないのだ。この声が、止むことがない。
それなら、どうすればいいか――祈りの声が聞こえなくなるまで、俺がお前達を殺し尽くしてやると、男は辿り着く。
あるいは――と、祈りではなく、けれどそれに似たような、近いような想いをもって絞り出す。
「あるいは、俺を殺してくれ……!」
フィールド・オブ・ナイン「デミウルゴス」は、誰にも傷つけられぬ身をもって、座す。
●引き換え
それは己の身を切ることにもなると、終夜・嵐吾(灰青・f05366)は告げる。
「フィールド・オブ・ナイン」の1体である、無敵の偽神「デミウルゴス」との戦いは、普通に戦いに向かっても勝つころはできない。
「デミウルゴスは、体内に偽神細胞を持たない存在からの攻撃を『完全無効化』するんじゃ」
ゆえに、ストームブレイド以外の猟兵の攻撃は届かぬのだ。だがそれを解消する術がある。
「ソルトレークシティで手に入れた偽神細胞液を体内に注射し、一時的に『偽神化』すれば、攻撃は届くようになる」
しかし、と嵐吾は耳をぺたりとさせた。
けれど偽神細胞の接種は激しい拒絶反応をもたらす。下手をすれば絶命の危機さえあるのだ。
「偽神細胞液をうたんと、攻撃は届かん」
じゃから決して軽くはない痛みを引き受けても構わぬなら、向かってくれと嵐吾は告げるのだった。
志羽
御目通しありがとうございます、志羽です。
詳細な受付期間については【マスターページ】【シナリオ上部のタグ】で案内しますのでお手数ですが確認お願いいたします。
プレイングが送れる限りは送って頂いて大丈夫ですが、すべて採用となるかどうかはわかりません。
●シナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「アポカリプス・ランページ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●プレイングボーナスについて
プレイングボーナスは『「偽神化」し、デミウルゴスを攻撃する』です。
偽神化により痛みや、なんらかの阻害が起こります。拒絶反応お任せの場合、プレイングの最後に★の記入をお願いします。
割とひどめでもいい! と言う場合は★★でお願いします。
それに耐えて、攻撃をかけてくださいませ。
●お願い
グループ参加などの場合は、ご一緒する方がわかるように【グループ名】や【ID】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。
プレイング受付についてはマスターページの【簡易連絡】にて案内いたします。
受付期間外に送って頂いたプレイングについてはお返しします。受付期間中であれば再送については問題ありません。
また、団体さんについては人数によってはお返しとなる可能性がありますのでご了承ください。
以上です。
ご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『デミウルゴス』
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POW : デミウルゴス・セル
自身の【偽神細胞でできた、変化する肉体】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[偽神細胞でできた、変化する肉体]から何度でも発動できる。
SPD : 偽神断罪剣
装備中のアイテム「【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ : デミウルゴス・ヴァイオレーション
自身が装備する【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】から【強毒化した偽神細胞】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【死に至る拒絶反応】の状態異常を与える。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ルドラ・ヴォルテクス
⚫︎アドリブ連携OKです
昏い慟哭が聴こえる……デミウルゴス、偽りの神の座にある男。
嵐の剣が、その理不尽も嘆きも哀しみも全て断ち切る。
【ジャガンナートの本質】
ジャガンナート発動、限界突破!
ジャガンナートの本質は、妨げるものどもの破壊、おまえの放った偽神細胞の欠片も例外ではない、噛み砕き、毒を殺す。
このまま断罪剣を振われるわけにはいかないな。
機構剣タービュランス、蹂躙形態!その鋒を砕け!
(破壊、一時使用不能狙い)
ジャガンナートの力が顕現し続けている間、本体へ蹂躙のチャンドラーエクリプスの一刀を見舞い、決着をつける。
デミウルゴス……おまえの苦しみはここで終焉させる、それが嵐の剣の宿命だ。
昏い慟哭が聴こえる――と、ルドラ・ヴォルテクス(終末を破壊する剣“嵐闘雷武“・f25181)は男の前にたった。
デミウルゴス、偽りの神の座にある男。
ルドラはデミウルゴスへ向かって走る。
ストームブレイドであるルドラの攻撃はデミウルゴスへと通る。
嵐の剣が、その理不尽も嘆きも哀しみも全て断ち切るのだと。
「止めてみせろ!!」
止め処なきジャガンナートへとその身を変える。
ジャガンナートの本質は、妨げるものどもの破壊だ。
(「おまえの放った偽神細胞の欠片も例外ではない、噛み砕き、毒を殺す」)
そして、ルドラの目に入るのは、デミウルゴスが持つもの。
その剣を振るわれるわけにはいかないと、ルドラは攻撃かける。
「機構剣タービュランス、蹂躙形態! その鋒を砕け!」
「……煩わしい……!」
デミウルゴスは偽神断罪剣より、強毒化した偽神細胞を放とうとしていた。
それは死に至る拒絶反応を与えるものだ。
もとより、偽神細胞液を入れていないルドラがそれを浴びれば、拒絶反応が襲うだろう。
けれど機構剣が、放たれたその細胞を打ち砕く。
その中を滑り込んで、羅睺の刃をデミウルゴスへと届かせる。
「デミウルゴス……おまえの苦しみはここで終焉させる、それが嵐の剣の宿命だ」
ふ、と吐息零れる音をルドラは聞く。
攻撃は確かに届いているが、それが浅いというようにデミウルゴスは視線向けた。
これではまだ、己を殺せないと――ルドラへと一撃を返した。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
造られた神……奴もある意味被害者なのかもしれないが、だからと言って世界の滅びに加担する事は見逃せない
奴を救えないのであれば倒すまでだ
偽神細胞液を自身に打ち込む
生命力そのものを奪われるような感覚――だが、幸いと言っていいものか。俺はこの感覚には慣れている
神刀の封印を解き、神気を強く身に纏う事で強制的に真の姿へ
更に命が削られる感覚に襲われるが、神気によって強化された肉体を無理矢理動かす
一気にダッシュで接近。変化する肉体と言っても動きに予兆がある筈なので落ち着いて見切り、敵の剣を受け流してからのカウンターで斬撃を叩き込む
拒絶反応で倒れそうになるが、あと少しだけ……限界を超えて、最後の一撃を叩き込む
「造られた神……奴もある意味被害者なのかもしれないが、だからと言って」
世界の滅びに加担する事は見逃せないと夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は思う。
デミウルゴス。奴を救えないのであれば倒すまでだと、鏡介は攻撃する術を手に入れるべく偽神細胞液を自身に打ち込んだ。
体の中に異物が入ってくる。
それが与えるのは生命力そのものを奪われるような感覚だった。
だが。
(「だが、幸いと言っていいものか」)
俺はこの感覚を知って――いや、慣れていると鏡介は神刀【無仭】の封印を解いた。
「幽冥を越えて暁へと至る。黎の型【纏耀】」
神気が零れる。それを強く身に纏えば、鏡介は強制的に真の姿に至る事になる。
更に命が削られる感覚に襲われるが、強化された肉体を無理やり動かして鏡介は走り込んだ。
この一刀を向けるために。
デミウルゴスの身が変化するというっても動きには予兆があるはず。
それを落ち着いて見切り、踏み込む。
状態異常を無効化するといっても偽神細胞はずっと鏡介の体内にあり、内側を駆けてかき混ぜていく。
それに馴染まず、倒れそうになる一瞬があるが――あと少しだけ。
一歩、踏み込んで鏡介は耐える。そしてそれはデミウルゴスにとっては攻撃を向ける隙でもあったのだ。
その動きを目にし、無理やり体動か志限界を超えて、振り下ろされた剣を受け流しカウンターの斬撃をたたき込む。
デミウルゴスの身の一部が斬り裂かれるを目にしつつ、鏡介の視界は暗転した。
大成功
🔵🔵🔵
菊・菊
その針を、首に突き刺した
ひ、ひ。
モルモットにされんのは、慣れてんだよ
怖くねえ
強くなれんなら、それでいい
『心中』
あんな薬じゃあ、足りねえよ
もっと寄越せ、寒菊
刃が腕を撫ぜるのが合図だ
血を吸ったクソ女の高笑いがうぜえ
けどよ、これなら、動ける
目の端が赤く滲んでも
吐き出す血が、赤黒くても、
このくっそ弱い身体が拒否したって
無理やりでも動けばいい
時間は限られている
だから、サッサと遊ぼうぜにぃちゃん
勝手に神格化される気色悪さには同情してやる
な、遊んでる途中なら、
死んだことにも気づかねえだろ
そしたら、さみしくねえよ
ひひ、てめえが疎む力で
てめえを救ってやる
あの世で感謝しろ
★★
笑って、その針を、首に突き刺した。
走る痛みの心地に菊・菊(Code:pot mum・f29554)は口端を歪める。
「ひ、ひ」
そこからこぼれた声色はひきつれたような音だった。
モルモットにされんのは、慣れてんだよと菊は言う。
怖くねえと紡いだのはなんのためか。
「強くなれんなら、それでいい」
そう言った刹那、視界が赤く染まった。右の視界に赤いフィルターがかかる。
それは血が爆ぜたのだろう。体の内側から偽神細胞が何かを変えようとするのを拒絶する動き。
激痛だ。視界の全部を塗り潰されたほうがましな半分だけ赤の世界。
内臓もかきまぜられてぐちゃぐちゃにされている感覚がある。首から、体中を駆け巡るものが、己を変えようとしていく。
でも、菊ははっと吐き捨てる。
「あんな薬じゃあ、足りねえよ――もっと寄越せ、寒菊」
悪霊『寒菊』と、菊は一体化する。
菊の花が咲いて、咲いて、その身を彩って。
体に走った痛み。皮膚を咲いて流れ出た傷の上に咲いて、治していく。
けれど、身体の内側からの傷は勝手に増えてどちらの色が先にその身を埋めるのか。
菊は刃が腕を撫ぜるのが合図だとこぼす。
血を吸ったクソ女の高笑いがうぜえとわずかに視界を細めて。
「けどよ、これなら、動ける」
体の全てが、動く。
喉からせりあがってくる錆ついた匂い。飲み込むのも面倒くさい。
吐き出させるなら吐き出してやると菊は口端から赤黒い色を零す。
くっそ弱い身体が一丁前に拒否しても、無理やりでも動けばいいのだ。
けれど、時間が限られていることも知っている。
「だから、サッサと遊ぼうぜにぃちゃん」
ガァ、と吐き出すように呻くデミウルゴスがいる。
さまざまなものに苛まれているのだろう。
勝手に神格化される気色悪さには同情してやると瞳眇める。
「な、遊んでる途中なら、死んだことにも気づかねえだろ」
そしたら――さみしくねえよと一撃を。
身を変えていく、変えられていく。
誰かわからぬものから、勝手にあがめられ、想われて、望まれて。
「ひひ、てめえが疎む力で」
てめえを救ってやると菊にまみれた手で持つ刃が鈍く、鮮やかに。
そしたら、さみしくねえよとその響きはひどく優しく、さびしく。
あの世で感謝しろと、閃いた。
大成功
🔵🔵🔵
夜鳥・藍
デミウルゴス。哲学者によって想像された造物主の名前と知っているけれど。
この世界の彼もまた作られたものなのね。
本当は代償は嫌。だってそれで過去の私は死んだんだもの。
けれど心の奥底でそれでも誰かを助けられるなら、何かを成せるなら、世界を救えるならばいくらでも。そういう声がする。
だから一時的とはいえ偽神化を受け入れましょう。
うん大丈夫よ。一時的なものだと聞くしそれに……何となく似たような事が昔あった気がするから、きっと大丈夫。それに自分で決めたんだもの。例え命を無くしても後悔はしない。
代償ありきならUCの代償も変わりません。
UC神器解放で全力で行かせていただきます。今一時だけは心のままに。
夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は、手にある偽神細胞液を見つめて、そして対する男の姿をみつめる。
「デミウルゴス。哲学者によって想像された造物主の名前と知っているけれど」
この世界の彼もまた作られたものなのねと藍はつぶやく。
この手にあるものは力を与えてくれる。けれど――代償もあるのだ。
藍は、本当は代償は嫌と、思う。
「だってそれで過去の私は死んだんだもの」
嫌だと、思うものでしょうと呟いて。
けれど、心の奥底でそれでも誰かを助けられるなら、何かを成せるなら、世界を救えるならばいくらでも――そう言っている声があるのだ。
だから、とぎゅっとそれを握り己に突き立てる。
「一時的とはいえ偽神化を受け入れましょう。うん大丈夫よ」
一時的なものだと聞くしと、己に言い聞かせるように藍は紡ぐ。
刹那、走り抜ける痛みがある――これがきっとその代償だ。
「……何となく似たような事が昔あった気がするから、きっと大丈夫」
それに自分で決めたんだものと、藍は前を見据えた。
例え命を無くしても後悔はしないと。
代償ありきなら、三種の神器の力を解放するのもまた代償がある。
でも今は、それを解放する。
全力で走り抜けるために、今一時だけは心のままに――デミウルゴスへと向かって藍は走る。
振り下ろされる偽神断罪剣を見ながら、神器の力を藍はデミウルゴスへと届ける。
デミウルゴスが呻く声が聞こえた。けれどまだ、彼の存在を折るには届かない。
大成功
🔵🔵🔵
シキ・ジルモント
偽神細胞液を注入し、偽神化する
敵の様子をよく観察し、剣がこちらを捉える瞬間を見極めて回避を試みる
振るった剣を再度構え直すまでの間を狙い、銃弾を打ち込んでダメージを蓄積させたい
拒絶反応は多少の痛みであればそのまま交戦を続ける
拒絶反応が強くなり戦闘に支障があるならユーベルコードを発動
偽神化の拒絶反応にユーベルコードの代償も負う事になるが…
どちらにしろ遠からず限界が来るなら、それまでの間に少しでも手数を増やした方がいいと判断する
体を強引に動かしてでも、敵の動きに食らいつく
拒絶反応があっても一切退かない
元より覚悟の上、倒れるまで交戦を続ける
…殺してくれというのなら、これ以上苦しむ前に終わらせてやる
★★
シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)も、その身に偽神細胞を受け入れる。
体内に入った瞬間、それはとても静かなものだった。
何もおこらない――けれど、何か得体のしれぬ力を得たような、感覚がある。
じわりじわりと身体を這いまわっていくような、そんな感覚だった。
思考の乱れも何もない。拒絶反応が弱いのか、それともこれからなのか。
だが、今は動けるだけなのかもしれない。シキは己の身が自由に動くこの時を、決して無駄にする男ではなかった。
デミウルゴスの元へと距離を詰める。その動きひとつでもよく観察し、その手が剣を握る力を増す瞬間を見極めた。
振られるなら、回避を。一足、横に踏み込んで僅かに避けたつもりだった。
けれど脚力が増す。僅かのはずが、己の身を大きく転がすほどの距離を避ける事になってしまった。
それに驚くのも一瞬。すぐさま銃弾構え、打ち込んでいく。
だがその反動が大きくデミウルゴスへと当たらぬのだ。
いつもなら狙って外すはずすことはないだろう。それがぶれているのは、身体の内にある偽神細胞への拒絶反応なのだろう。
己の何かがくるっているような感覚は痛みよりもシキを苛むものだった。
けれど痛みも、大人しくはしていなかった。
体を動かせば、ひび割れるような痛みが走り始めた。多少の痛みであればこのままと思うが、身体の動きが大きすぎる。
それなら――とシキは戦法を変えるのだ。
「偽神化の拒絶反応にユーベルコードの代償も負う事になるが……」
この挙動の大きさ。リミッターを外せばどうなるだろうか。
しかし速さと反応速度を得ればぶれていても手数で補うこともできるはずだ。
遠からず、限界はくるだろうとシキは思いながら、瞳光らせ目の前の獲物――デミウルゴスへと駆ける。
一歩ごとに血が噴き出しているような感覚を得る。きっと足はズタボロで感覚も鈍くなっている気がするがもう止まることはない。
強引に身体を動かしてでも、デミウルゴスの動きについていく。
「……っ、殺して、くれ……!」
そんな、切なる願いのような声がか細く落ちた。
それを聞いたからこそ、シキは一切引かない。
ここに来ると決めた時から、元より覚悟の上なのだ。
倒れるまで交戦を続けると。
これ以上苦しむ前に終わらせてやると、己の命も削りながらシキは攻撃かける。
普段は抑えている人狼のサガを解き放って、その身に深い一撃を負わせた。
大成功
🔵🔵🔵
篝・倫太郎
勇気と覚悟をもって、偽神化する
自分とは異なる何かが入り込む感覚
拒絶するのは生存本能なんだろか
まぁ、華焔刀を振るう右手と足が動けばいいし
それだって、最悪は一撃入れるまで持てばいい
こいつは戦争で、遊びじゃねぇから
命くらい賭けてやるさ
攻撃力強化に篝火使用
鎧無視攻撃と鎧砕きを乗せた華焔刀でなぎ払い
刃先返して2回攻撃
無駄な足掻きでも念の為に生命力吸収を乗せてく
敵の攻撃は第六感と見切りで回避
身体がいう事を利かない場合はオーラ防御でジャストガードし
咄嗟の一撃で武器落とし狙いのカウンター
終わりたいのなら終わらせてやるさ
雑音みたいな救済を求める声に煩わされる事無く
骸の海に還って休みなよ、ニセモノのカミサマ
★★
その違和感には歯噛みするものがあった。
どうなるのかわからぬけれど、勇気と覚悟をもって篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は偽神細胞を受け入れようとしていた。
自分とは異なる何かが入り込む感覚。
ぎしぎしと、ぎりぎりと痛み始めた感覚。それは拒絶なのだ。
拒絶するのは生存本能なんだろかと思いながら華焔刀を握り込む。
これをもつ、右手と足が動けばそれでいいと。
倫太郎は己の手が変化するのを見つめる。右手が動けばいいと思ったからか、その手に黒曜の輝きが、皮膚を突き破って現れていた。
そして、血が流れ痛みが走る。遠慮なくその姿をあらわにする様を倫太郎は一瞥して、はと笑い捨てた。
最悪は一撃入れるまで待てばいい。でも、今は足が動く。
「こいつは戦争で、遊びじゃねぇから。命くらい賭けてやるさ」
己の攻撃を上乗せして倫太郎は華焔刀で薙ぎ払う。
デミウルゴスの身は重く、硬く。刃から伝わる感覚を受けながら、華焔刀取りまわして、再度攻撃かける。
無駄な足掻きでもと、その生命力を奪っていくけれど全然奪えている気はしなかった。
作られたとはいえ神。けれどまったく、攻撃が届かぬわけではないのだ。
デミウルゴスから向けられた攻撃をよけようと動こうとした瞬間、足から黒曜が生え地に縫い付ける。
それに気を取られる瞬間はわずかにあった。けれど意識はすぐにデミウルゴスへと向く。
力の限り振り下ろされた攻撃を、オーラではじいて咄嗟の一撃とばかりに華焔刀を振るった。
終わりたいのなら終わらせてやるさ、と振るう。
デミウルゴスの零す言葉にとらわれることも、煩わされる事もなく。
「骸の海に還って休みなよ、ニセモノのカミサマ」
今度は、届く。デミウルゴスの身に一閃が走ったのを倫太郎は見た。
大成功
🔵🔵🔵
マキナ・エクス
アドリブ・他猟兵との連携歓迎
使用武器 パイルバンカー
技能【貫通攻撃】【串刺し】【継戦能力】
「殺してくれ」か、彼の境遇を考えれば無理のないことだね。むしろ今までよく発狂せずに自我を保ってきたものだ。
人は神にはなれない、過ぎたる力は身を亡ぼす。彼の物語にここ終止符を打つとしよう。
偽神細胞が多大な拒絶反応をもたらし、自らに多大な苦痛を受けるというのならば、狂気にてそれを抑え込むとしよう。
UC発動。さあ、偽りの神の破壊と外なる神々の狂気を持って君に終わりを与えよう。
人形はその身を偽りの神へと変え外なる神々を降ろす。偽神細胞による苦痛すら快楽へと変えて。
さあ狂気に堕ちろ狂気に踊れ。
そこにまだ、デミウルゴスは立っている。しかし彼の身には幾重かの傷跡が走っていた。
マキナ・エクス(物語の観客にしてハッピーエンド主義者・f33726)はふと、瞳細める。
殺してくれ、とデミウルゴスは紡ぐ。その音を拾って、マキナは一歩踏み出した。
「『殺してくれ』か、彼の境遇を考えれば無理のないことだね。むしろ今までよく発狂せずに自我を保ってきたものだ」
偽神細胞をマキナも己の身に打ち込む。
人は、神にはなれない、過ぎたる力は身を亡ぼす――マキナはそれを知っている。
彼の物語にここ終止符を打つとしようとマキナは巨大な十字型のパイルバンカー、ヘレナの聖釘を構えた。
私が祈るのは幸福な終わりにであり、神にじゃないと。
そして、マキナの体内で偽神細胞が暴れはじめる。突き破るような痛みは拒絶反応だろう。
今はまだ小さなそれは、育てば多大な苦痛となる。
ならばそれを、己の内にある狂気にて抑え込むのだ。
「原初宇宙観測、神性認識、神躰憑依。……ヒャハハハハハハハハ!!! いあ! いあ! 我が親愛なる外なる神々よ! 我が業をご照覧あれ!」
大きく、声をあげた瞬間血が噴き出た。それはその身に招いたものの代償か、拒絶反応か。それとも、両方か。
そんなことは、今はどうだっていい。
マキナは――人形は、その身を偽りの神へと変え外なる神々を降ろす。「さあ、偽りの神の破壊と外なる神々の狂気を持って君に終わりを与えよう」
この痛みは、心地よい。快楽へ通じるものとぞくぞくと背中を駆け上がるものが有る。
「さあ狂気に堕ちろ狂気に踊れ」
デミウルゴスの振り下ろした一撃を、十字が受け止め地に落とす。
踏み込んだ瞬間、足の感覚がなくなったのは代償だろう。
けれど、マキナの向けた十字の先は、デミウルゴスの身を穿っていた。
大成功
🔵🔵🔵
ニノマエ・アラタ
ブッ倒れるまでブッた斬りゃいいんだな。
わかった。
敵の大剣の軌道に衝撃波を当てて、逸らす。
こっちも覚悟決めて、限界突破する勢いでブッ放しながら、
俺の間合いまで接近する。
斬撃に衝撃波をのせ、相手をブッ飛ばして体勢を崩させ、
崩れたところに一閃を喰らわせる。
なンか、偽神細胞のせいかもしれんが、いつもより
なりふり構ってねェぜ。捨て身上等もアリってな。
一閃喰らわせるまで喰いつく!
ハハハッ、倒れたと思ったか? 死んだと思ったか?
甘ェんだよ、俺は死ぬまで起き上がるんだっつーの。
何度でも。
この、妖刀と共に、な!
祈るのはテメエ自身だ。さあ、楽になれるよう、祈れ!
★(謎の何かを打たれるのは、それなりに慣れている為)
やることは単純――ニノマエ・アラタ(三白眼・f17341)は妖刀 輪廻宿業を手に、デミウルゴスの前に立つ。
「ブッ倒れるまでブッた斬りゃいいんだな」
わかった、と踏み込む。すでに偽神細胞は体内に招いていた。
血管の中を走り抜けて、痛みは体中に巡っていく。
けれどこのくらいの痛みでは、ニノマエは揺らがなかった。
デミウルゴスが振り下ろした大剣の軌道に、衝撃波を当てて、逸らす。
「こっちも覚悟決めてんだよ」
限界突破する勢いで、衝撃波放てばいつもより威力が増しているのか、ぶわりと激しい突風が髪を撫でていく。
その感覚さえ突き刺さるようなものであるのは、偽神細胞によってすべてが過敏になっているからだろうか。
輪廻宿業の斬撃でわずかにデミウルゴスの体勢が崩れる。
そして、崩れたところに一閃を食らわせた。
(「なンか、偽神細胞のせいかもしれんが、いつもより」)
なりふり構ってねェぜと己の変化をニノマエは感じていた。
捨て身上等もアリってなと踏み込んで、さらに一撃を見舞うために。
だがデミウルゴスの刃が、それより早く、深く身に入り膝を、突きかけたが。
「ハハハッ、倒れたと思ったか? 死んだと思ったか?」
笑って、踏み込み直した。
一閃喰らわせるまで喰いつく! と、その意識がまだ折れていないから。
「甘ェんだよ、俺は死ぬまで起き上がるんだっつーの」
何度でも――この、妖刀と共に。
「祈るのはテメエ自身だ。さあ、楽になれるよう、祈れ!」
妖刀の怨念を纏って、一瞬デミウルゴスの速さを凌駕する。誰かが貫いた、その傷の上を縦に、ニノマエの一刀が入った。
大成功
🔵🔵🔵
ジフテリア・クレステッド
同類とはいえ体内の偽神細胞の割合や質を考えると相手の方が途方もなく格上…打っとくかあ、注射。
【限界突破】して挑ませてもらうよ、大先輩。
あー、死ぬ程きっついけど…更にUC発動!!
どうせそれ以上耐えられないし1分40秒で決着をつける!
【念動力】を足に使用して【ダッシュ】力を無理矢理強化。一気に駆け抜ける!敵の偽神細胞の毒はガスマスクによるなけなしの【毒耐性】と【激痛耐性】、そして普段から毒で苦しむことに慣れた【根性】で耐えて突っ切る!
突っ切ったら【毒使い】謹製汚染毒弾の【零距離射撃】の【2回攻撃】。
それを普段の6倍の能力でやれば12発は撃ち込めるはず…いや、撃ち込む!
有害さなら私の勝ちだ!
★★
あれが、とジフテリア・クレステッド(ビリオン・マウスユニット・f24668)はデミウルゴスを見つめていた。
「同類……」
とはいえ体内の偽神細胞の割合や質を考えると相手の方が途方もなく格上だとジフテリアは理解する。
途方もない、距離。それを今すぐ努力で埋めるのは難しいだろうと。
「……打っとくかあ、注射」
ストームブレイドであるジフテリア。けれど、その力にさらに上乗せするために偽神細胞を己の内に打ち込んだ。
自分の身の内にもとからあるもの。そして今、打ちこんだものが噛みあいはじめた。
けれど滾る力は今までの何倍にも、何十倍にも膨れ上がる。
「限界突破して挑ませてもらうよ、大先輩」
一歩踏み込む。その距離さえも今までより大きな気がする。
けれど、走るごとに体の中で暴れまわる痛みが増して、ジフテリアは内側からの痛みを感じた。
中からせりあがってくるもの。それは血――内臓が傷ついて、口端からこぼれたものがガスマスクの中にわずかにたまる感覚がある。
飲み込めば、さびた味が自分の異変を知らせてくるだけだ。
「あー、死ぬ程きっついけど……」
どうせ、倒れるのなら――耐えられないのなら、1分40秒で決着をつけるだけだ。
脳の演算速度を一時的に増強する。
暴れ馬のように、力をもてあまし始めた足は念動力も使って、無理やり強化し一気に距離詰める。
デミウルゴスが放つ偽神細胞は、その毒は己の物より強いかもしれない。
けれど今しばしなら、耐えられる。
だって普段から毒で苦しむ事には慣れているのだ。
1分40秒なら、いやもう1分半程度なら根性で耐えられる。体のすべてから入ってこようとするそれと、身の内で暴れる拒絶反応。
もうどっちがどっちかわからないとジフテリアは笑って偽神細胞を突っ切り、デミウルゴスとはゼロ距離だ。
そして毒使い謹製汚染毒弾の零距離射撃を、その腹に。
いつもなら2回。でも、普段の六倍の能力でやれば、12発は撃ち込めるはず――いや、撃ち込む! とごふりと血を吐いても意志は鈍らない。
「有害さなら私の勝ちだ!」
デミウルゴスの身に、毒が――染み渡る。それを殺すために暴れる偽神細胞は彼にもまた痛みをもたらすのだろう。
ジフテリアは、その様を目にし意識を落とした。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…良いでしょう。お前が安らかに眠れるまで付き合ってあげる、偽神デミウルゴス
…人造であれ神を殺すのは、この世界でも半魔半人たる私の役目よ
偽神化の反動をUCを発動し全能力を6倍に強化した肉体改造術式で強引に受け流し、
積み重ねてきた戦闘知識と経験から敵の殺気を暗視して攻撃を見切り、
カウンターで「黄金の楔」を投擲して生命力吸収型拷問具に武器改造して敵を捕縛し、
体勢を崩した敵の懐に銃を早業で乱れ撃ちながら切り込み、
限界突破して魔力を溜めた大鎌を怪力任せになぎ払う追撃で敵を切断する
…毒をもって毒を制す、ではないけれどね
少なくとも、これで暫くの間は保つはず…
…その間に、私の全てをお前に叩き込む…!
★★
デミウルゴス――偽神細胞を打ち込みながら、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はその姿を見詰めていた。
「ああ……煩わしいっ! はやく、俺を、殺してくれ……!」
大きく頭を振って何かを振り払おうとしているデミウルゴス。リーヴァルディは己の身にすぐに表れた変化を感じながらつぶやく。
「……良いでしょう。お前が安らかに眠れるまで付き合ってあげる、偽神デミウルゴス」
一歩、踏み出せば痛みが走った。体の内側を暴れる偽神細胞を拒絶する己の身体。
けれどその痛みも何もかも、ねじ伏せるように進むだけ。
「……人造であれ神を殺すのは、この世界でも半魔半人たる私の役目よ」
リーヴァルディは左瞳に触れる。そこには、聖痕があるのだ。
「……聖痕解放。今こそ、その呪わしき眼に、名も無き神の力を降ろさん……」
聖痕の侵食率をあげ一時的に自分の能力を6倍に。それは114秒の間のみの恩恵。
しかし偽神の力を得ている今、その力は常よりも跳ね上がっているのだ。
肉体が悲鳴を上げる。皮膚に生まれていく切り傷。軋む身体の音。
「……毒をもって毒を制す、ではないけれどね。少なくとも、これで暫くの間は保つはず……」
それを肉体改造術式で強引に受け流していく。血が流れでていくのも構わず、リーヴァルディは己が重ねてきた戦いの経験をもって、デミウルゴスを見るのだ。
その殺気を、動きを、攻撃を。
デミウルゴスの攻撃の一瞬に、黄金の楔を投げて突きたてる。それは生命力吸収型拷問具となり、デミウルゴスの力を吸い上げる。
そしてその懐にリーヴァルディは一足で踏み込んだ。構えた大口径二連装マスケット銃をその腹に向けて、乱れ撃ちながら切りこむ。
打ち尽くせば、その手にもつのは過去を刻むものだ。
魔力を込めて思い切り、怪力任せにデミウルゴスをなぎ払う。
まだ、動ける。
リーヴァルディは、私の全てをお前に叩き込むと、さらに大鎌を大きく振り抜いた。
デミウルゴスの身にまた傷が増える。そして、男の足は後ろへと揺らいだ。
大成功
🔵🔵🔵
穂結・神楽耶
……あはは。
刀のヤドリガミともあろうモノが本体を握れないなんて。
敵の前でむざむざと膝をついているしか出来ないなんて。
ねぇ、だけど。
――それは戦わない理由にはならないんですよ。
痛みで動きがままならない?
なら防御も回避も捨てるだけ。
本体が無事でさえあればヤドリガミが死ぬことはありませんもの。
拒絶反応の痛みが意識を刈り取る前に焼き尽くすだけのことです。
――さあ、飛んでいけ【焦羽挵蝶】。
偽神化したわたくしの一部たる焔がデミゴウルスを焼きましょう。
祈りが煩わしいから全て滅ぼしてしまえ?
それがあなたの願いだとしても…
願われて生まれて、そう在るわたくしには許容できぬだけのことです。
静寂にお眠りなさい。
★★
結ノ太刀を握る手が、定まらない。
「……あはは」
穂結・神楽耶(あやつなぎ・f15297)は刀のヤドリガミともあろうモノが本体を握れないなんて、と自嘲を零す。
敵の前でむざむざと膝をついているしか出来ないなんて――と、思うが神楽耶の瞳に絶望の色はない。心は決して、折れていない。
ねぇ、だけどと神楽耶の瞳はデミウルゴスを射抜く。
「――それは戦わない理由にはならないんですよ」
偽神細胞の影響で、身体が鋭敏になるのに想い。感覚は研ぎ澄まされているのに、鈍い。
まるで己の身体ではないような感覚の中で痛みだけが明確だ。
体の中を走り抜ける稲妻のような痛み。でもそれに、支配されるのを拒む。
体の内側も撫でられて、暴かれるような痛みも走り始めた。
痛みで動きがままならないなら――防御も回避も捨てるだけ。
神楽耶はヤドリガミだ。本体が無事でさえあれば、死ぬことはない。
身体の芯を突き抜ける痛み。それが意識をブレさせる。これが意識を刈り取る前に焼き尽くすだけのこと。
「――さあ、飛んでいけ。焦羽挵蝶」
羽根を休める、涯はいらない。休める時があるなら、それはあの男を――燃やし尽くしたとき。
神楽耶の一部たる炎が、デミウルゴスの放った偽神細胞を喰らうように焼き尽くす。
焼き尽くして、焼き尽くして――男の元に辿り着いた。
「祈りが煩わしいから全て滅ぼしてしまえ?」
それがあなたの願いだとしても……と、神楽耶はぐらつく視界で燃え盛る焔を見る。
「願われて生まれて、そう在るわたくしには許容できぬだけのことです」
静寂にお眠りなさい――そう、神楽耶が告げて倒れるのと、デミウルゴスの身が崩れ落ちるのは同時だった。
神楽耶の焔は何もその場に残さず、やがて燃え尽きた。
大成功
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