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アポカリプス・ランページ⑪〜偽神の盃(作者 秋月諒
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#アポカリプスヘル  #アポカリプス・ランページ  #フィールド・オブ・ナイン  #デミウルゴス  #アポカリプス・ランページ⑪  #【受付期間】〜9月18日中  #状況によっては締め切りを延長します。 


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#【受付期間】〜9月18日中
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●デミウルゴス
 廃墟に長い影が落ちていた。手をついた壁が崩れ、僅かばかり残っていた街の名残が消える。
「……さい」
 人の営みが、日々の名残が全て、すべて消え失せる。骸さえ残らず、流れた血も、焼き尽くした炎も無い地に——だが、声だけがあった。
「……煩い……煩い……煩い……!」
 頭の中、絶え間なく響く声に男は頭を震う。
「『助けてくれ』『裁いてくれ』『赦してくれ』……。 俺は、狂った教団に造られた偽物の神だ。なのになぜ、俺に人間の祈りが届き続ける……!?」
 骨も無く、屍肉さえ遠い地でフィールド・オブ・ナイン「デミウルゴス」は顔を覆う。異形の腕が頬をなで、は、と身を揺らした男の声が揺れる。
「……黙れ……黙れ……黙れ……! 俺に……お前達を救う力など無い……!」
 助けてくれと、裁いてくれと、赦してくれと。人は願う、祈る。全てを託すように縋るように、どうにかしてくれると信じて。
「祈りの声が聞こえなくなるまで、俺がお前達を殺し尽くしてやる」
 その全てを振り払うようにデミウルゴスは吼えた。
「あるいは、俺を殺してくれ……!」

●偽神の盃
「お集まり頂きありがとうございます」
 我らが友人よ、と告げたハイネ・アーラス(海華の契約・f26238)が、集まった猟兵達に視線を向けた。
「フィールド・オブ・ナインに関する話は、お聞きのことでしょう」
 彼らは、全員がオブリビオン・フォーミュラであり、そのうちの一体、フルスロットル・ヴォーテックスがカタストロフを発生させようとしているのだ。
「新たに一人、情報を得る事が出来ました。フィールド・オブ・ナイン、デミウルゴス。彼は無敵の偽神とされています」
 無敵と呼ばれる所以は、体内に偽神細胞を持たない存在からの攻撃を無効化する為だ。
「既にその身に移植された「偽神細胞」を持つストームブレイドの皆様であれば問題は無いでしょうが……、そうでない皆様にはひとつ手を打って頂きます」
 偽神細胞が無いままでは戦いにならない以上、戦いに、倒す為の力を得る必要がある。
「それが仮初めであるとしても」
 一度伏せた瞳をゆっくりと開いて、ハイネは告げた。
「ソルトレークシティで手に入れた偽神細胞液、これを調達してあります。皆様にはこれを注射して頂きます」
 注射器を並べると、ハイネは続けた。
「これにより、一時的な「偽神化」が可能です。……ですが、一時的な変化は、体に激しい拒絶反応をもたらします」
 偽神細胞を摂取するのだ。激しい拒絶反応は、絶命の危機さえある。
「皆様はどうか、この盃を飲み干し、耐えきってください。ストームブレイドの皆様は、どうかその力をお貸し頂ければ」
 セイレーンは誘いの光を灯す。淡く揺らぐ水面に似た光の中、ハイネは告げた。
「では、参りましょう。我らが航路へと。偽神を止めるために」
 終われぬ者へ終わりを告げに。


秋月諒
秋月諒です。どうぞよろしくお願い致します。

このシナリオは戦争シナリオです。一章で完結致します。

●プレイング受付について
 導入追加後の受付開始です。
 0時を過ぎる場合は翌日の8:31〜だと締め切り的にハッピーです。

 状況にもよりますが全員の描写はお約束できません。
 完結を優先し、書けそうなものを書いていく、という感じになります。
 予めご了承ください。

●プレイングボーナス
 「偽神化」し、デミウルゴスを攻撃する。

●リプレイについて
 戦闘開始からスタート
 難易度相応の判定をします。戦闘プレもしっかりないと危ないですよーな、そんな感じ。

 技能を並べるだけなどではなく、どのように行動し、どう対応するかなどが大切になるかと。

●偽神細胞の接種
 ストームブレイド以外の猟兵に必要。
 偽神細胞液を体内に注射し、接種する。激しい拒絶反応をもたらし、絶命の危機さえある。


●同行について
 キャパシティ上、複数の参加はお二人までとさせて頂きます。
 プレイングに【名前+ID】若しくは【グループ名】を明記してください。

 プレイングの送信日は統一をお願い致します。
 失効日がバラバラだと、採用が難しい場合がございます。

 それでは皆様、ご武運を。
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第1章 ボス戦 『デミウルゴス』

POW ●デミウルゴス・セル
自身の【偽神細胞でできた、変化する肉体】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[偽神細胞でできた、変化する肉体]から何度でも発動できる。
SPD ●偽神断罪剣
装備中のアイテム「【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ ●デミウルゴス・ヴァイオレーション
自身が装備する【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】から【強毒化した偽神細胞】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【死に至る拒絶反応】の状態異常を与える。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●うつろわざるもの
 濃く深い緑と、廃墟がそこにはあった。壁は崩れ、家としての形を遠い昔に失い——だからこそ、砦としては役に立つ。灰色の影が並ぶ地に、フィールド・オブ・ナイン「デミウルゴス」が立っていた。
「……煩い……煩い……煩い……!」
 繰り返される言葉と共に、手が壁を打つ。砕け散った破片が、ばらばらと周りに散らばる。その手に傷ひとつなく、その身から流れる血も無いままに、無敵の偽神は唸る。
「黙れ……黙れ黙れ黙れ」
 その体は、体内に偽神細胞を持つ者で無ければ傷つけることができず、故に無敵と言われたか。偽神と言われたか。
「殺してやるお前達を。殺して殺して……殺し尽くしてやる……祈りの声が届かなくなるまで」
 低く低く響く声の主がゆらり、と視線を上げる。射るように鋭い瞳がこちらを捉える。
「お前達もか」
 その身に、偽神細胞を持つ者であれば戦いへと向う時だろう。
 その身に、偽神細胞を持たないものであれば偽神細胞液を注射するしかない。
 ——さぁ、戦いの時だ。
待鳥・鎬
伊達に闇医者とかいう不本意な評価を受けているわけじゃない
【医術】をもって、拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤を偽神細胞と共に投与
あとは鎮痛剤や制吐剤その他諸々で症状緩和
戦い終わるまで全力で動ければ、それでいい

【迷彩】効果のある「山吹」を纏って、間合いを読み難く
距離があるうちは「花香」で【クイックドロウ】からの連射
接敵されたら「鋼切」で【武器を受け】て斬り返す
UCは常時発動
強毒化した偽神細胞への拒絶反応も、事前投与で多少緩和できるはず

「救う気はない」じゃない、「救う力など無い」……か
だからこそ苦しいのかもね
それがせめてもの救いというのなら、遠慮なく殺させてもらうよ
……我ながら情けないことだけど


●光雨と共に彼女は告げる
 それは、嘆きであったか、呻きであったか。荒く振るわれた腕が、壁を砕く。飛び散った欠片が地に付く前に消え失せれば、獣じみた唸り声だけが戦場に残る。
「……煩い……煩い……煩い……!」
 呻く男の——偽神の視線がこちらを向く。距離は、まだある。それでも、向こうが戦うと決めればすぐだろう。待鳥・鎬(草径の探究者・f25865)は手にした渡された注射器を見た。
 ソルトレークシティで手に入れたという偽神細胞液。適合者であるストームブレイド以外が体に入れれば強烈な拒絶反応を起こす。
「伊達に闇医者とかいう不本意な評価を受けているわけじゃない」
 鎬はひとつ息を吸って、注射器を握る。悩んでいる暇は無く、悩む気も無い。
「……いこう」
 呟いて、偽神細胞と拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤を同時に腕に、打つ。体の中に、何かが入り込んでくる感覚と同時に、どくん、と脈が跳ねた。
「——」
 軋むような体に、割れるような感覚を抑え込むように手に握っていた鎮痛剤を放り込む。ばらばらと指の隙間から落ちていくが——今日は、とりあえず良い。別に、治そうと思っている訳じゃ無いのだ。歪む視界を正すように拳を握る。意識は、手放さない。
「戦い終わるまで全力で動ければ、それでいい」
 無茶も無謀も、知っているだけだ。
 トン、と踏み込むと同時に、鎬は山吹を羽織る。紗の羽織ものは鎬の姿を空間に混ぜていく。ゆらりと身を揺らした相手が——フィールド・オブ・ナイン「デミウルゴス」が一瞬、こちらを見失う。
(「いや、意識の外になった、かな」)
 声が聞こえ続けると言っていた。なら、そっちの方が今は大きいのだろう。荒く振った腕、大剣、間合いは広く動きは重いが、動きは遅くは無い。
(「多分……」)
 リボルバーに手をかける。銃口を向けた瞬間、ぐん、とデミウルゴスがこちらを向いた。
「お前もか!」
「やっぱり、速いか!」
 荒い踏み込みと同時に偽神が——来た。
 ガウン、と向かい来る相手に銃弾を叩き込む。二発目よりは——防御だ。身を横に振りながら、鎬は唄うように紡ぐ。
「星降る夜の思い出話を」
「デミウルゴス・ヴァイオレーション。この毒に飲まれて消えろ!」
 降り注ぐ光と、放たれる黒き波は同時であった。受け止めるように立てた刃が、高く音を上げる。焼くような痛みが体に届き、どくん、どくん、と体が軋む。歪む。
「拒絶反応……」
 荒く吐いた息と同時に、風が鎬の頬を打った。ざぁああ、と靡く髪に、己に落ちる影に、低い声が応じた。
「それは、死に至るものだ」
 落ちる影は、振り上げられた大剣だ。偽神断罪剣、偽神細胞によって作られた大剣が迫る。だが、娘は顔を上げる。使い魔を身に宿し得た翼に光をたたえて。
「「救う気はない」じゃない、「救う力など無い」……か」
 一撃を、一振りの刀で受け止めた。
 ——ギィイ、と鈍い音と、衝撃が腕に届く。軋むのは体か、傷口か。は、と一度息を吐くだけで終えた娘は、鋼切を握る手に力をいれる。
「だからこそ苦しいのかもね」
「何を……」
 睨めつけるデミウルゴスの大剣を、払い上げる。ギン、と鈍い音と共にそのまま、踏み込んだ鎬の刃がデミウルゴスの体に——沈む。
「な……まさか、お前」
「それがせめてもの救いというのなら、遠慮なく殺させてもらうよ」
 驚愕に目を見開くデミウルゴスを視界に、刃をそのまま一気に上に滑らせる。零れ落ちる血が、赤く、黒く変じていく。ぐらり、と一度身を揺らしたデミウルゴスが後ろに飛ぶ。取り直された間合い、続けて踏み込むには——流石に、こっちのダメージが大きいか。
「……我ながら情けないことだけど」
 は、と落とした息と共に視線を上げる。偽神を見据える瞳はほんの僅か滲ませた思いを覚悟に染めるようにして、刀を握った。
成功 🔵🔵🔴

マオ・ブロークン
……迷うことは、ない。
とっくに、本来の、形じゃ、ない、身体。だもの。

かれは、倒すべき、敵の……中途の、ひとり。
こんな所で、倒れる、わけに、いかない。
力を、咀嚼して……打ち克って、みせる。

細胞を、得て。接近戦で、挑みかかるよ。
電気丸鋸と、向こうの剣の、ぶつけあい。
打ち合いのなか。捕食を、狙ってくる、はず。

腕一本は、あげる。けれど、喰わせる為、じゃない。
噛みつく、瞬間。肉体を、エネルギーへ、分解して。
開いた"口"へ。電撃を、叩き込む!

……それに。力は、取られても。構わない。
そのUCを、使えば。あなたの、身体も、削れていく。
もし、それを、望むなら。……放って、みろ。
エンジンで。受け止めて、あげる。


●だから彼女は手を伸ばす
 斬撃と共に黒い波が戦場を襲った。残る廃墟の残骸さえ削り取るように強毒化した偽神細胞が衝撃に乗る。一撃を受け止め、その身に受けながらも尚、踏み込んだ猟兵にフィールド・オブ・ナイン「デミウルゴス」は低く唸る。
「俺がお前達を殺し尽くしてやる!」
「……」
 あれは、強い相手だ、とマオ・ブロークン(涙の海に沈む・f24917)は思う。今のままではきっと、傷をつけることもできない。。
「……迷うことは、ない」
 注射器に一度、マオは視線を落とす。これを接種して、死の危険さえあるとしても——死であれば、マオは知っている。
「とっくに、本来の、形じゃ、ない、身体。だもの」
 青い肌、冷たい頬。たどたどしく落ちる声が、風に飲み込まれていく。獣のように呻く神はすぐにこちらに気がつくだろう。
「かれは、倒すべき、敵の……中途の、ひとり」
 注射器の針を腕に向ける、死んでしまった自分を、もう一度人では無いものにする力。
「こんな所で、倒れる、わけに、いかない」
 ひとつ息を吸って、マオは注射器を腕に突き立てる。どくん、と嘗て知っていた心臓の音が耳に届く。熱い、寒い、痛い。視界が歪み、痺れるような感覚に落ちる声が掠れた。
(「力を、咀嚼して……」)
 乾いた大地に自分の影が見えていた。ゆらり、と揺れるそれに、はたはたと揺れる制服に息を吸う。こうして、今も存在している自分をその形を辿るようにしてマオは顔を——上げる。
「打ち克って、みせる」
 告げる言葉と同時に、マオは前に出た。たん、と踏み込む娘の足音は軽く——だが、この世全てを振り払う事を望む偽神は、その足音に振り返った。
「お前もか」
 低く響く言葉と同時に、無敵の偽神・デミウルゴスが動いた。身を傾けたと思った次の瞬間、ひゅん、と鋭い音がマオの耳に届く。
「——こ、の……」
 腕を、振り上げたのは半ば反射だ。振り回すように手にした電気丸鋸を持ち上げる。ギィイイイ、と鈍い音と火花が散った。偽神断罪剣と回転する刃がぶつかり合い、ぐ、と押し込むようにデミウルゴスが踏み込んでくる。
「お前も、殺し尽くすまでだ」
 唸るように響いた声と共に、丸鋸にかかっていた重さが消える。僅かにデミウルゴスが身を引き、次の瞬間、空いた手が——異形のそれが勢いよくマオに向かって突き出された。
「その全て、砕ききる」
「——あ」
 異形の爪が、手がマオの腕を掴んだ。ぐ、と引っ張られるような感覚と同時に、デミウルゴスの爪がマオの腕に沈む。痛みと熱、千切れる、とそう思ったのは掴んできた異形の腕が食らい付く獣の顔に変わったからだ。
「デミウルゴス・セル」
「——ッ」
 ひゅ、とマオは息を飲む。痛みに、軋む体に視界が歪む。——でも、これは『分かっていた』ことだ。
「腕一本は、あげる。けれど、喰わせる為、じゃない」
「何を言っ……」
 言って、と続く筈だったデミウルゴスの声が電撃に喰われた。ゴォオオ、と空間の全てを震わせるような衝撃。それは、持って行かれた片腕を代償にマオが放った膨大な電流だった。轟音と共に光が、デミウルゴスの変化した腕を喰らう。獣の口は砕け散り、零れ落ちた血が大地を染める。
「俺に傷が……、まさか、お前、あれを持っているのか」
 間合いひとつ、取り直すようにデミウルゴスが後ろに飛ぶ。赤く、黒く染まっていく己の腕を一瞥し、は、と息を吐いた偽神が視線を上げる。
「だが、お前の力は喰らった」
「……それに。力は、取られても。構わない。その力を、使えば。あなたの、身体も、削れていく」
 無くした片腕をそのままに、マオはゆらりと体を起こす。
「もし、それを、望むなら。……放って、みろ」
 言い放った言葉に、その事実にデミウルゴスは、ぎり、と歯を噛むようにして大剣だけを向けた。
成功 🔵🔵🔴

夜刀神・鏡介
条件付きとはいえ無敵とは……偽でも神って事か
これを超えるのはかなり厳しそうだが、人の身で神に届かせるにはそれも必要か

神刀の封印を解除し、神気を身に纏う事で、自身の身体能力を限界を超えて強化
そして、偽神細胞液を自身に注射――この代償、神気を用いても普段より動けないか……なら、取る手は一つ

まずは集中して敵の攻撃を防御しつつ、動きを見極めていく

ある程度機を窺ったなら、敢えて敵に捕食されてUCをコピーさせる
奴が俺の技を使うのなら、その弱点は俺が一番良く知っている
技に対する知識、敵の行動を見極めてきた知識を用いて、敵がUCを使用するタイミングを見切り、敵が攻撃を仕掛けてくる寸前でカウンターを叩き込む


●覚悟と矜持
 轟音と共に電撃が戦場を白く染めた。一瞬の眩しさの先、傷を負った片腕を押さえること無く迎え撃つことを選んだ猟兵が電器丸鋸を手に立っていた。
「黙れ……黙れ……黙れ黙れ黙れ!」
 暴れるように荒く腕を振るったフィールド・オブ・ナイン「デミウルゴス」の腕から赤い血が飛ぶ。だん、と重い踏み込みと同時にデミウルゴスの視線がこちらを向いた。
「お前もか」
「——来るか」
 ひとつ、落とした息と共に夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は受け取っていた注射器を見た。
 ソルトレークシティで手に入れた偽神細胞液。
 適合者であるストームブレイド以外が体内に入れれば、激しい拒絶反応を起こし、死の危険さえあるブツ。それは同時に、耐えきれば一時的な偽神化が可能というものだった。
「これを超えるのはかなり厳しそうだが、人の身で神に届かせるにはそれも必要か」
 ゆっくりと抜いた刃に指先を滑らせる。神刀の封印を解けば、零れ落ちる神気が鏡介に触れる。沈んでいく。
「……」
 一度だけ伏せた瞳、呼吸は、己が間合いを、絶対の領域を意識するために深く息を吸い——瞳を、開く。
「無仭」
 鈍く刃は光ったか、差し込む陽の光が理由であったか。二度目の呼吸と共に、鏡介は握りしめていた注射器を腕に刺した。
「——」
 瞬間、どくん、と心臓が跳ねた。は、と落とす声が僅かに揺れる。速くなった脈と共に感じる痛みは、斬られた時のそれに近いか。
「この代償、神気を用いても普段より動けないか……なら」
 だん、と荒い踏み込み。向かってくる相手を真っ正面に鏡介は捉える。
「取る手は一つ」
「黙れ!」
 叫ぶ声と同時に、デミウルゴスの刃が来た。斬る、というよりは半ば、ぶつけるように来た一撃に刀を持つ腕を上げる。ギィイイ、と受け止めた一撃。それでも浅く、腕に、傷が走る。
「お前も、その声が聞こえなくなるまで殺してやる……!」
「——生憎」
 ぐ、と押し込まれる感覚に息を吐く。躱すには向かない相手だ。だから——そう、最初からこの手をとると鏡介は決めていた。
「負けるつもりは無い」
「は! 喰らい尽くされて尚言えたら、誇るが良い……! デミウルゴス・セル!」
 吼えると同時に、異形の腕が、ぐ、と伸びてきた。鏡介の腕を掴むと同時に腕が獣に変わる。食らいつき、突き立てられた牙が鏡介の腕を血に染める。
「——」
 息を飲む事は無かった。代わりに、鏡介は腕をひく。血濡れの腕がだらりと垂れる。ばたばたと落ちる血に、は、とデミウルゴスが笑った。
「お前の技も貰い受けたぞ」
 口の端を上げ、告げた言葉と同時にデミウルゴスが大剣を高く構えた。
「あぁ、そうだろうな」
 それを使うだろう、と鏡介は思う。
 参の型【天火】体に馴染ませたその技だからこそ、その弱点は鏡介が一番良く知っている。
「剛刃一閃」
 低く偽神から聞こえたその声に、鏡介は視線を上げる。体勢は崩れている。この身で真面に受ければそれこそ命が危ないが——この瞬間、行うべきものを、鏡介は理解している。
「……」
 身を前に寄せる。利き手は生きている。己の間合いより、相手の間合い深く踏み込んで同じように刀を上段に構え——言った。
「参の型【天火】」
「——!」
 偽神の告げる言の葉の先を奪うように振り下ろされる大剣を、無仭で受け止める。ギィイ、と散る火花さえ斬り伏せるように鏡介はカウンターの一撃を振り下ろした。
「な……お前、俺に傷を……!」
「あぁ」
 深く沈む刃と共に鏡介は告げる。倒しに来たとも、止めに来たとも告げずに——ただ、相対する者として真っ直ぐな視線を向けた。
成功 🔵🔵🔴