アポカリプス・ランページ⑪〜偽神を討つため偽神とならん
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「新たな敵、デミウルゴスへとついにたどり着いたようじゃな――」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、そこで一度言葉を切る。その表情は真剣そのものであり、これから語る内容の重要さを既に物語っていた。
「今回おぬしたちに頼みたいのは、デミウルゴスの討伐なのじゃが……」
問題は、このデミウルゴスが文字通り『無敵』であることだ。無敵の偽神デミウルゴス――体内に偽神細胞を持たない存在からの攻撃を完全無効化する、というまさに圧倒的理不尽そのものの力を持っているのだ。
「この攻撃の完全無効化を突破する方法は、ふたつじゃ」
その内ひとつが、ジョブ:ストームブレイドであること。そして、もうひとつの方法は――ガングランが、厳しい表情で語った。
「ソルトレークシティで手に入れた偽神細胞液を体内に注射し、一時的に「偽神化」しなければ、デミウルゴスに傷を与える事すらできんのじゃ。ストームブレイドの場合、既に偽神細胞をその身に埋め込まれているからこそ、攻撃が通るのじゃが……」
ガングランが歯切れが悪くなるのも当然だ。偽神細胞の接種は激しい拒絶反応をもたらし、絶命の危機さえあるのだから――ようは、生命を懸けて挑めと言っているのだ。
「じゃが、ストームブレイドのみで挑むのも困難なのは確か。偽神細胞を摂取し、挑む覚悟のある者ならば――偽神となって、デミウルゴスに指が届く存在となれるじゃろう。今回もかなり厳しい状況じゃが、今までをくぐり抜けて来たおぬしらならやり遂げられるじゃろう。どうか、よろしく頼むぞ」
波多野志郎
キミよ、挑む覚悟はあるか? どうも波多野志郎です。
今回は「偽神化」し、無敵の偽神デミウルゴスと戦っていただきます。
プレイングボーナスに関しては『「偽神化」し、デミウルゴスを攻撃する。』となっております。
偽りの神と偽りの神の戦い、存分にお楽しみくださいませ。
第1章 ボス戦
『デミウルゴス』
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POW : デミウルゴス・セル
自身の【偽神細胞でできた、変化する肉体】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[偽神細胞でできた、変化する肉体]から何度でも発動できる。
SPD : 偽神断罪剣
装備中のアイテム「【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ : デミウルゴス・ヴァイオレーション
自身が装備する【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】から【強毒化した偽神細胞】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【死に至る拒絶反応】の状態異常を与える。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ルドラ・ヴォルテクス
●アドリブ連携OKです
黒い嵐が哭いている。
嵐を鎮めるのは、同じ嵐の剣を持つ者の宿命、嘆きも哀しみも全て断ち切る。
【ナタラージャ】
断罪の剣、アレが奴の必殺の得物、ならば、ナタラージャの連撃を。
チャンドラーエクリプスを双剣にし、受け流し、タービュランスの暴風を纏い、剣戟の突撃の威力を削ぎ、鍔迫り合いからのインシネイトの至近距離射撃、距離を取ってラプチャーズの目眩しと爆破で再び詰めて、地形ごとリミッター解除したアンピュテイターの振り下ろしで、断罪の剣を打つ。
武器の隙が生じた時、最終の連打、双剣の連撃を限界突破に乗せて放つ。
デミウルゴス、おまえをその枷から救い出す!
藤・美雨
大変だけど逃げちゃいけない戦いだ
偽神化して戦うよ
拒絶反応はめちゃくちゃ辛い
でも死んだ時の痛みに比べたらまだまだだ!
私はこいつを可哀想だと思う
だってこんな生かされ方、全然楽しくないだろう
だから一思いに殺してやろうと思うのさ
その思いをヴォルテックエンジンの力に変えて立ち向かうよ
拒絶反応は本当に辛い
でも私は魂の衝動がある限り絶対に止まらない
死んでたまるか
無理矢理にでも身体を起こし敵へと【ダッシュ】で接近だ
顔が見える位置まで着けば悲しい話はもうすぐ終わる
全力でエンジンを滾らせ狙うは相手の――剣!
【限界突破】、最大級の【怪力】を乗せて拳を振りかぶり、剣を思い切りぶん殴る
偽物だろうと神様なら裁きの時だ!
月夜・玲
この仕事やってて、命を掛けるのを惜しむ訳ないっしょ
それに偽神化なんて良いデータ、滅多と取れるもんじゃないしね
人体実験は好きじゃないけど、喜んでさせて貰おうか!
●
偽神細胞液注射
体を軋ませる激痛も、脳を揺さぶる頭痛もなんぼのもんじゃい!
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
【光剣解放】起動
全光の剣をオートで射出!
デミウルゴスに対して一斉に『串刺し』攻撃!
1000本超えの攻撃、捌ききれるかな?
そして光の剣に攻撃させている間に私は抜刀した両剣で『斬撃波』を放ち強毒化した偽神細胞を迎撃
斬撃波に『念動力』も上乗せしてこっちにこないように『吹き飛ばし』!
これ以上の拒絶反応はノーサンキュー
マリア・ルート
ああ、遂に出たわねデミウルゴス 。
造物主の名を持つあんたがーー私は許せない。
ーー猟兵である以上、死ぬ覚悟なんかもうできている。
私はーー死をも厭わず進む、わ。
相手のコードは大剣から出る。
なら、それに対して『早業』で【指定UC】発動。分解して、私の剣の大群にするわ。
っぐ…でも、長くは続かない。でも戻せば一気に拒絶反応を強められる…!
勝負は、一気に決めないといけない!
『早業』で奴に集中砲火!私への攻撃は『野生の勘』『残像』で可能な限り回避しつつ『オーラ防御』で必要最低限の防御!
攻めるしかないーーそうこの身が尽きるまで!
今の私は『偽りの創造神』!
創造を齎すためーー破壊を齎す者!
消えろ、造物主ーー!
ジフテリア・クレステッド
私の身体中の偽神細胞が叫んでる…敵は嫌になるほどに格上だ、って。
でも、関係ない。同じ力を持つ者として、同じ力に苦しむ者として…あの偽神を見捨てるなんてこと、私にはできない…!
敵は格上!【限界突破】だよ!
身体中の偽神細胞を氾濫する程に活性化させて【毒使い】の能力を極限まで高めた怪物を作り出す!
敵の方が絶対強いだろうけどこれできっと射程だけはこっちが有利!
胎児の泣き声による【衝撃波】の【範囲攻撃】と骨の怪物の腐食毒を含んだ伸びる尾による【鎧無視攻撃】で一気に攻める!
毒の効果で【マヒ攻撃】【目潰し】を重ねることで少しずつ弱らせていけば倒すチャンスもあるはず!根比べだ!※【継戦能力】
頑張って殺すよ…!
ペイン・フィン
こんにちは
自分は、ペイン・フィン、という
指潰しという、拷問具で、怨念喰らい、だよ
負の感情……、苦痛とか、絶望とか、そういうモノを喰らい、力に変える
そういう、存在、だよ
今回は、ね
貴方を、終わらせに来たよ
「偽神細胞液」を注射
そして、コードを、使用
自分の属性を、怨念の力を、反転
浄化の属性へと、変わる
……自分は、貴方がどんな存在だったのか、よく知らない
でも、ね
祈りに押しつぶされ、苦しんだその怨念と恐怖を
造られ、偽物の神として虐げられたその憤怒と憎悪を
救う力を持たず、無力だったその悲哀と絶望を
細胞の拒絶反応の痛みと一緒に
自分が、全部、食べていこう
だから、そう
貴方の痛みは、此処でお仕舞い、だよ
お疲れ様
肆陸・ミサキ
※絡み苦戦ケガアドリブ歓迎
いいね、命懸けってところが実に好みだ
まあ私、いつだって命くらい懸けないと、勝てない勝負しかしてない気がするけど
ところで細胞の接種ってどうするのかな、注射って嫌いなんだけど、こういうのって腕とか首とかブスッてするのが多いじゃない?
まあ、やるけどさ
気合いと根性で動ける時間は少ないだろうから速攻で
UCは全部敵の本体へぶちこみたいから近付きに行く
敵の大剣は黒剣を斧にして怪力で逸らしつつかな
条件からして捨て身みたいなものだけど、到達までの道行きも捨て身で推し通らせてもらう
●造物の偽神
「黒い嵐が哭いている」
オブリビオンストーム、その中心に立ち苦悩する偽神がいる――それを己の身に宿る力で感じながらルドラ・ヴォルテクス(終末を破壊する剣“嵐闘雷武“・f25181)が呟く。 同じくストームブレイドであるジフテリア・クレステッド(ビリオン・マウスユニット・f24668)も、自分の身体の奥深くからうずく感覚を感じていた。
(「私の身体中の偽神細胞が叫んでる……敵は嫌になるほどに格上だ、って。でも、関係ない。同じ力を持つ者として、同じ力に苦しむ者として……あの偽神を見捨てるなんてこと、私にはできない……!」)
猟兵達は、文字通り生命を懸けて挑む。戦いに、ではない――ソルトレークシティで手に入れた偽神細胞液を体内に注射、一時的にでも偽神化しなくては戦場にも立てないのだ。同じ舞台に立つ、それだけで生命を懸けなくてはならない敵が、オブリビオンストームの中心に立っていた。
「ああ、遂に出たわねデミウルゴス」
マリア・ルート(紅の姫・f15057)の声に、俯いていた黒き偽神――デミウルゴスが顔を上げた。虚ろな、絶望にまみれた瞳が猟兵達を見る。
「……来た、のか」
「この仕事やってて、命を掛けるのを惜しむ訳ないっしょ。それに偽神化なんて良いデータ、滅多と取れるもんじゃないしね。人体実験は好きじゃないけど、喜んでさせて貰おうか!」
月夜・玲(頂の探究者・f01605)の言葉に、デミウルゴスは――造物主たる偽神の名を持つ者が、表情を歪めた。愚かな、そう言いたげに。だが、口にはしなかった――例え愚行であろうと、それは称賛に値する蛮勇なのだから。
「こんにちは」
いっそ穏やかに挨拶したのは、ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)だ。その言葉を、デミウルゴスは静かに聞く。その価値がある言葉だと、評価したからだ。
「自分は、ペイン・フィン、という。指潰しという、拷問具で、怨念喰らい、だよ。負の感情……、苦痛とか、絶望とか、そういうモノを喰らい、力に変える。そういう、存在、だよ」
ペインの抑揚のない名乗りに、デミウルゴスはただ視線を向けるのみだ。だからこそ、ペインは心の底から告げた。
「今回は、ね。貴方を、終わらせに来たよ」
「……そう、か。そうか」
偽神断罪剣を引きずり、デミウルゴスは歩を進める。それだけで偽神細胞を持つ者は知る――今、祈りを受けたデミウルゴスが自分たちへ殺意を向けたのだ、と。
「……俺を殺してみろ」
「造物主の名を持つあんたが――私は許せない。――猟兵である以上、死ぬ覚悟なんかもうできている。私は――死をも厭わず進む、わ」
マリアの手には、偽神細胞液の注射がある。同じく注射を手に持った肆陸・ミサキ(独りの・f00415)が言った。
「いいね、命懸けってところが実に好みだ。まあ私、いつだって命くらい懸けないと、勝てない勝負しかしてない気がするけどところで細胞の接種ってどうするのかな、注射って嫌いなんだけど、こういうのって腕とか首とかブスッてするのが多いじゃない?」
まあ、やるけどさ、とミサキが首元に注射の針を刺す。
――ドクン。
その瞬間、猟兵達が偽神化した。
●偽りなれど、神に至るということ――
身体が、心が、魂が悲鳴を上げる。偽神細胞は、ただあるがままに猟兵達を偽神へと変えていく――。
(「拒絶反応はめちゃくちゃ辛い、でも死んだ時の痛みに比べたらまだまだだ!」)
藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)は、死よりの帰還を思い出し踏みとどまった。デミウルゴスは常にこれを感じ、在り続けたのだ……世界とは、デミウルゴスにとって呪うのに充分な理由を持つ地獄なのだと美雨は理解した。
(「私はこいつを可哀想だと思う。だってこんな生かされ方、全然楽しくないだろう。だから一思いに殺してやろうと思うのさ)
その思いをヴォルテックエンジンの力に変えて、美雨は走る。だが、デミウルゴスは偽神断罪剣を力任せに振り回すという行為で応じた。
「……ッ!」
ただ、それだけで大地が砕け大気が切り裂かれる! 火尖鎗を紙一重で構えた美雨が、それを踏ん張りながら受け止めた。
「体を軋ませる激痛も、脳を揺さぶる頭痛もなんぼのもんじゃい!」
その刹那に玲は《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀――即座に光剣解放(セイバー・リリース)で千本を超える光の剣を展開した。
「機能解放、光剣よ舞い踊れ!」
ゴォ! とまばゆい輝きが、黒き偽神に迫る。デミウルゴスはその光の奔流とも言うべき千剣の軍勢をその身へ受けた。
「……痛み、ああ、いいな。いい」
ミジリ……と光の剣が、偽神細胞に食いつぶされていく――次の瞬間、オブリビオンストームさえ超える黒の剣が隊列を組んで生み出された。デミウルゴス・セルによる、光剣解放の再現だ。
ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガン! と黒い剣が、猟兵達へと殺到した。その前に立ちふさがったのは、ルドラだ。
「一切合切、鏖殺し、灰塵と化せ!」
鏖殺の殺戮舞踏(ナタラージャ)、チャンドラーエクリプスを双剣にし黒剣の怒涛を切り刻んでいく。圧倒的手数さえ鏖殺し、ルドラはタービュランスの暴風で黒剣を薙ぎ払った。
破壊と創造の輪廻転生(ワールドリメイク・ウェポンズカーニバル)――マリアは周囲の瓦礫を己の剣として構築、残った黒剣の軍勢へと大群として解き放った。
(「っぐ……でも、長くは続かない。でも戻せば一気に拒絶反応を強められる……!」)
身体の底、生命を源泉、力の源流、何とでも言えばいいだろう――マリアという存在のすべてを絞り上げて偽神細胞は力へと還元する。強いわけだ、無敵なわけだ、デミウルゴスが何故これほどの力を誇るのか、まさにその一端を教え込まれた気分だ。
「さあ、行こう兄弟たち。私たちの恐ろしさを教えてあげよう」
ジフテリアによる偽神細胞の氾濫(ジフテリア・オーバードライブ)によって召喚された毒の胎児と腐食毒を含んだ骨の怪物がデミウルゴスへと迫る。射程では圧倒的に有利だ、その耳にこびりつくような泣き声、どこまでも伸びる骨の尾――だが、それさえもデミウルゴスは拒絶する、抗う!
「……ねえ、あなたは、どんな物語が、望み?」
そして、ペインの読者が見たいのは痛快な物語(ユビツブシデモデキタコト)により呼び出された無数の物語を宿したツバメ型紙飛行機が空を舞う。デミウルゴスが放つ強毒化した偽神細胞を紙飛行機が切り裂き、浄化していった。
「気合いと根性で動ける時間は少ないだろうから速攻で――!」
ミサキがDeicidaManを手に駆け出した。偽神細胞は、刻一刻と猟兵達を死へとおやっていく――時間がないことは、誰よりも猟兵達が知っていた。
●偽りの神の平穏は、そこにしかなく――
心臓の鼓動がうるさい、目がかすむ、死の息遣いが聞こえる――それは目の前の敵には、あまりにも身近なものなのかもしれない。
「……自分は、貴方がどんな存在だったのか、よく知らない。でも、ね。祈りに押しつぶされ、苦しんだその怨念と恐怖を、造られ、偽物の神として虐げられたその憤怒と憎悪を救う力を持たず、無力だったその悲哀と絶望を……細胞の拒絶反応の痛みと一緒に自分が、全部、食べていこう」
「……愚かな」
ペインの呟き、その在り方をデミウルゴスはそう称した。だが、嘲りも侮りも……哀れみも、そこにはなかった。
「だから、そう――貴方の痛みは、此処でお仕舞い、だよ」
ペインが迫る、デミウルゴスがデミウルゴス・ヴァイオレーションによって死に至る拒絶反応で迎え撃つ――だが、それはペインに届かず霧散する。怨念の力が反転した浄化の力が、それさえ受け入れ浄化した。
「…………」
それをデミウルゴスは偽神断罪剣で切って返す。だが、それを受け止めたのはミサキだ。DeicidaManを斧に変え、受け止めた腕が骨ごと軋もうと構わずに前へ出る!
「捨て身で推し通らせてもらう!」
ミサキの焦げ付いた陽光(ブラックサン)による漆黒の高熱球体から発生する光線が、ミサキとデミウルゴスを焼いた。零距離での炸裂、デミウルゴスがついに後退した瞬間、ジフテリアの背後から伸びた骨の尾がついにデミウルゴスへと迫った。
「頑張って殺すよ……!」
「……ッ!」
左足に骨の尾を受けて、デミウルゴスの動きが止まる。ほんの一瞬、ほんの刹那――それで充分だった。
「攻めるしかない――そうこの身が尽きるまで! 今の私は『偽りの創造神』! 創造を齎すため――破壊を齎す者! 消えろ、造物主――!」
ズガガガガガガガガガガガガガガガ! とマリアの生み出した剣の大群が、デミウルゴスへ突き刺さっていく。ごふ、と口の端からこぼれる血――その口角が上がっていたように見えたのは、錯覚か。
「……それ、を……試す!」
そして、貫かれながらもデミウルゴスがデミウルゴス・ヴァイオレーションを繰り出した。そこへ、玲は《RE》IncarnationとBlue Birdをを振るい衝撃波で迎撃する!
「これ以上の拒絶反応はノーサンキュー」
念動力さえ乗せた玲の一撃が、強毒化した偽神細胞を散らしていった。だが、デミウルゴスは止まらない――偽神断罪剣による刺突。三倍の間合いは、一直線に複数の猟兵を貫く……はずだった。
「偽物だろうと神様なら裁きの時だ!」
機械仕掛けの心臓は笑う(アレグロ)によって増強した戦闘能力、その限界さえ突破して美雨の拳が真っ向から偽神断罪剣と激突した。偽神断罪剣が上へ弾かれ、美雨が吹き飛ばされる――そこへルドラが双剣を手に疾走する。
「デミウルゴス、おまえをその枷から救い出す!」
繰り出されるルドラの双剣が、デミウルゴスの腹部を大きく切り裂いた。ゆっくりと、崩れ落ちるデミウルゴス……死の寸前、その瞳に光が宿った。
「……ああ、な、にも……聞こえな……い……」
「お疲れ様」
倒れ、消滅していく偽神へペインが告げる。それは渦巻く風と共に、デミウルゴスの灰を天へと巻き上げていった……。
大成功
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