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アポカリプス・ランページ⑧〜日常裏の攻防(作者 炉端侠庵
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「アポカリプスヘルでの戦い、お疲れ様です。まるでうっかり締切がダブルブッキングしたような忙しさの中、集まってくれてありがとうございます」
 そういうお前は何日目の徹夜だ、みたいな顔で、楚良・珠輝は猟兵達を迎えた。
 だいたいいつも通りである。
「今回は、アポカリプスヘルにおけるアメリカとカナダの国境近くにある巨大拠点『セントメアリー・ベース』での調査依頼になります。……ここが、ちょっと特殊な拠点なんですよね、規模の大きさもありますが、基本的にアポカリプスヘルとしてはかなり穏やかな日常が営まれている……あ、地図ありました」
 ぱっと猟兵達の前に現れた空間映像のアメリカ地図が、さらにセントメアリー・ベース周辺へと移り変わる。
「ちなみに避難民の受け入れもしてますし、閉鎖的な場所ではないです。……ただ、その避難民に紛れ込んだり、もしくは住民を殺して入れ替わるなどの手段によって、オブリビオン側の間者が紛れ込んでいます」
 彼らの役目はやがてセントメアリー・ベースを侵略するであろうオブリビオン軍勢の手引きを行うことだ。
 これまで巨大な安全地帯の一つとして機能してきた拠点だけあって、正面から攻め落とすとなればオブリビオン側もかなりの消耗は免れないだろう。しかし、内側から崩し、混乱させ、道を開くことができれば――それは、遥かに容易となる。

「既に相当数の間者が潜入していますので、見つけ次第倒して欲しいところです。ただ……」
 そこまで言って珠輝は僅かに考えてから、猟兵達を見渡して再び口を開く。
「できる限り『一般の住民に気付かれないように』間者を見つけ出し、倒してください。この拠点の住民はアポカリプスヘルでは稀有なほどの平和の中で暮らしている……その平和が脅かされているという恐怖自体が、さらに間者の入り込む隙になりかねないので」
 幸い、それほど強いオブリビオンが入り込んでいる様子はない。猟兵達ならば1人で複数の間者に遭遇しても対処出来るだろう。

「よろしくお願いします。……ああそれとこれ、いくらある程度平和な拠点といっても物資はそこそこ限られてるんで」
 珍しく自分の手で珠輝が差し出した大きなバスケットには、菓子を詰め合わせた袋がいくつか入っている。
「糖分不足は思考の大敵ですし、こちら差し入れです。いろいろ入ってるんで好きなのどうぞ」
 そう言って珠輝は、自分も傍らの菓子籠からクッキーを一つ摘んだのだった。


炉端侠庵
 こんにちは、炉端侠庵です。
 今回はセントメアリー・ベースへの潜入と間者の「お片付け」をお願いします。

 プレイングボーナス条件は、住民に敵の存在を気付かれないように行動すること。
 プレイングは、具体的にどのような調査をするかをメインにしてもらって大丈夫です。潜入している間者は強くても雑魚戦のオブリビオンくらいなので、人目につかないところであっさり始末できます。
 誰かと入れ替わっているタイプの場合は、身近な人々へのアフターケアなどがあるといいかもしれません。

 それでは、よろしくお願いします!
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第1章 冒険 『ヒドゥン・エネミー』

POW拠点周辺を歩き回り、怪しい人物を探す
SPD人目につかないように行動し、情報収集する
WIZ避難者のふりをして住民達に話を聞く
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


七那原・望
お菓子美味しいのです。
さて、お菓子も食べたしねこさん達にお願いして街中の監視をお願いするのです。

怪しい行動をしてる人を見かけたら教えて下さいね。

ねこさんを待ってる間わたしも避難民のふりをして住人達と雑談を。
間者の手掛かりはどこに転がってるかわからないですからね。
会話の端々に手掛かりがないか注意深く聞くのです。

間者を特定出来たら間者の動向を注意深く観察し、人気のない路地裏等に入ったら暗殺の要領で音もなく接近。
望み集いし花園で花園にご案内です。
すぐにわたしもあちらへ向かい、あっちで敵を始末します。

もしもあれが成り代わり系で身内の特定が出来ていたら本人になりすました書き置きを遺してアフターケアを。


 さく、と柔らかな音と共に、バターの香りがふわりと広がった。
「ん、お菓子美味しいのです」
 七那原・望はふわりと表情を和らげた。目元は封印の目隠しに隠されていても、その頬が柔らかに綻ぶのを遮るものはない。菓子を詰めた袋の中に、もう一つ、と伸ばした小さな手も。特にジャムを包んで焼き上げたクッキーを口にした時には、ぱっと嬉しそうに表情が輝いた。
 やがてまだお菓子を残した袋の口をそっと中身がこぼれないように畳んで仕舞って、望は代わりに鈴のついた白いタクトを取り出した。共達・アマービレ――音楽用語で『愛らしく』の名を冠した指揮棒をふわりと振れば、現れるのは魔法の力持つ白猫達。
「ねこさん達、怪しい行動をしてる人を見かけたら教えて下さいね」
 セントメアリー・ベースのあちこちへと建物の間を縫って、屋根を伝って、物陰を駆け抜けて散っていく猫達を見送った後、望も賑わいを見せる通りへと歩き出す。髪に咲く赤いアネモネの花がふわりと歩みと共に揺れた。巨大拠点であるセントメアリー・ベースは文明崩壊前の建物や施設をある程度残しており、住民や避難民の住居として割り当てられていないものの中には交流の場となっているものもある。公園や広場などはいい例だ。
 そして小柄な少女である望は、交流の中に自然と入り込み、住民や避難民達と雑談を繰り広げていた。
 平和な拠点といえど、決して娯楽が多いわけではない。話題はどうしても人間関係のことに偏りやすくなる。そして――いくつかの雑談や井戸端会議を辿り、集めた噂話の中でまた気になる場所や人物を探し、その末にまた入り込んだ会話で一歩、望は核心近くへと踏み込んだのを感じる。

「恋人さんが家に帰ってこなくなってしまった……そうなんですね」
「元々忙しい人なんだけどねえ、もう2週間は顔も見ていないわ。どこかで浮気でもしてるんじゃないかしら」
 あっさりとした口ぶりで言ってはいるが、女性の顔を見ればはっきりと心配と不安の色が見て取れた。そして封印の目隠しによってそれを見ることができない望には、声に滲む不安がかえって鋭敏に感じ取れた。同時にその情報から『目標』――入れ替わったオブリビオンの間者、そして入れ替わられた住民――それに繋がる手がかりである可能性も、望は感じ取ってしまっていた。
「でも……帰ってきてくれるといいですね」
「そりゃま、……浮気だったらぶん殴って蹴り出すけどね!」
 威勢よく笑った女性につられて周囲に集まった住民や避難民からも笑いが零れる。それに合わせて浮かべた笑顔で、望は悲しげな表情を押し隠した。
 するり、戻ってきていた魔法猫の一匹が、望の足元から離れ、井戸端会議の輪が解散したところでそっとかの女性の後を追いかけた。望はそれを見送り、別の方向へと向かう。
 いなくなったという恋人が、自警団のような組織に入っていたのを望は女性から聞いていた。さらにその組織の本部がどこにあるか聞き出し、組織の一員からさりげなく男性のことを聞き出し、そして――その男性が一人になるタイミングを、注意深く見守る。
 確かにその男は、女性の恋人として聞いたのと同じ特徴を有している。けれど最近印象が変わった、と彼と親しい組織の一員からは聞いた。そっと尾行しているうちに、隠しきれぬ粗暴さを露わにする場面も見た。それは、聞き込みを続けるうちに感じ取った、女性の恋人の人となりとはどうしたって重ならないものだった。

 ――だから、確信を持って、路地裏へと入り込んだその背に一気に近づいた。
 そして。
「誘いましょう……ここは世界から隔絶された花園。わたしというセカイの支配域。小さく穏やかなわたしのせかい」
 男は抵抗しなかった。
 否――抵抗する意志さえ示せなかったのだ。
 ユーベルコード『望み集いし花園』、男の背に触れた黄金の林檎が、あらゆる果樹を擁する花園へと誘い込む。本来ならばそうと望むだけで外に出られる空間、けれど完全なる不意打ちはそれすらも許さない。すぐに追って転移した望の振るう刃が命を刈り取る。血ではなく黒い靄を撒き散らし消える姿が、もはや男が当人ではなく、オブリビオンによって成り変わられていたのだという『正解』を告げる。
 静かに花園から戻ってきた望は、ほんの小さく細く吐息零し、既に亡きその人を悼むかのように、しばらくその場で黙祷を捧げた。

 自警組織に所属していたその男性は、セントメアリー・ベースの警備巡回を行っていた最中に消息を絶った。そう封書にて知らせを受け取った彼の恋人は、そう、と小さく呟いた。
 他の拠点に比べればごく少ないことではあったが、自警組織である以上こういうことが全くないわけではない。
 だから、彼女も覚悟を決めていたのだろう、その封書を渡しに来た望に、届けてくれてありがとう、と微笑む。けれど振り返る一瞬、ほんの喉の奥を揺らすほどだった嗚咽が、目を隠した望の耳に僅かに、けれど確かに届いた。彼女にこの家の場所を教えた白猫を、そっと望は抱き締めた。
 男の死も、女の嘆きも、きっとこのセントメアリー・ベースの日常に埋もれていくのだろう。けれど、彼は――彼の姿は、裏切り者の誹りを受けることなく、この街を守った殉職者として記憶されるはず。本当の彼の姿から、おそらくは遠くない形で。
 きっとそれは、亡き人にとっては救いであるに違いなかった。
大成功 🔵🔵🔵

エルヴィン・シュミット
侵入者を排除せよ、か。
中々難しい仕事だが、不可能ではないだろう。

まずは【ECLIPSE】の【変装】を用いて姿を変える。
敵も猟兵が来たと知れば姿を隠すかもしれん。
ならば此方も外部からの避難民を装って潜り込もう。

後は念入りに街を歩き回って情報を拾い集めるだけだ…
まあ、どちらかと言えば人目につかない所に居そうではあるが。

獲物を見つけたら機を伺って【DIRTY ARMS】を振るって【騙し討ち】で仕留める。
これほど大きな街なら死体の隠し場所にも困らんだろう。
奴らも元より『ここには居なかった』のだから一人二人街から消えても問題あるまい。

『バレなきゃ何でもお咎め無しというモノだ。』


 セントメアリー・ベースは巨大拠点であるため、防衛できなくなった小規模な拠点などからの避難民を常に受け入れ続けている。
 もちろんあからさまに怪しい者がいればその地点で排除されたり、もしくはしばらくは監視下に入れられたりするのだが、逆に言うなら一見して怪しくは見えない者を逐一チェックできるほどに綿密な体制ではない。
「侵入者を排除せよ、か。中々難しい仕事だが……」
 その様子を見て、エルヴィン・シュミットは呟いた。周囲の避難民に溶け込むように、外套『ECLIPSE』によってその姿は変えている。
 ちなみに中々難しい、のは二つの意味合いである。一つはこの避難民の人数と拠点自体の規模による捜査の難しさ、もう一つはエルヴィン自身が割と直情型で熱血漢タイプだということだ。
「しかし不可能ではないだろう」
 実際、今回は調査だけでなく間者の排除まで含んでいるので逆にやりやすいとも言える。
 避難民を装って入り込んだからといって、行動を阻害されるわけでも見張られるわけでもない。間者と確定した相手が何をしても手を出さず追いかけ続ける、とかが必要なわけでもない。怪しい者が間者かどうか慎重に見極める必要はあるが、間者だと断じたなら即座に『片付ける』ことのできる豪胆さも必要になる。

 というわけで、避難民向けの案内を最低限受けたところで抜け出したエルヴィンは、街の中をくまなく歩き回っていた。
 ちょうど解散した場所は、まだこの拠点に生活基盤を築くには至っていない避難民達が多く暮らしている場所だ。元からの住民と成り代わっている者もいるし、時間を置けばやがては街に溶け込んでオブリビオン軍勢を手引きする時を待つのだろうが、今はおそらくまだこの辺りに紛れ込んでいる間者が多いだろう。
 丁寧に探せば違和感はどこかに垣間見える。例えば食料の配給時間、いつも配給場所ではないところにいる者。人など滅多に通らないような路地裏の、全く同じ場所に常にいる者。抗っていたはずが急に抵抗しなくなった人間から、食事を奪っていった者。むやみやたらとセントメアリー・ベース入口の守衛達に近づき、仲を深めたり取り入ったりしたがる者。違う、と思えば潔く観察対象から外し、逆にその違和感を感じさせ続ける者を丁寧に、丁寧に追っていく。
 そして――相手がこの街の住民でも避難民でもないオブリビオンに違いない、そう確信を持った瞬間、エルヴィンはすっとすれ違った少女の頭に、振り向きざまに赤黒く汚れたバール『DIRTY ARMS』を叩きつけた。完全なる不意打ちに悲鳴もなく倒れた、まるで人形のように整っていた美貌の少女の頭蓋は、まさに人形のように割れて中は何もない空洞だ。念の為さらに首を心臓部に当たる場所に念入りにバールの先端を突き刺し破壊してから、エルヴィンは路地裏に積まれた廃棄物の内側にオブリビオンの死体をしっかりと埋めて隠す。
「奴らも元より『ここには居なかった』のだから、一人二人街から消えても問題あるまい」
 このオブリビオンは積極的に入口の守衛に言い寄ったり、こそこそユーベルコードで魅了しようとしていたから、いなくなったことに気づく者はいるかもしれない。それでも身内がいるというわけでもないし、不審に思われるほどのことはないだろう。――避難民の中にその失踪を疑って彼女を探し回る者がいるなら、その者もまたオブリビオンである可能性も高い。
「バレなきゃ何でもお咎め無しというモノだ」
 どっちが間者だかわからないことを呟きつつ、エルヴィンは次のオブリビオンを探し出してセントメアリー・ベースを救うため、夜の街に消えていったのであった――。
大成功 🔵🔵🔵