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アポカリプス・ランページ⑰〜セコンド・バイ・イェーガー

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●予知:猟兵諸君! 君たちの力を見せてくれ!
 アメリカ合衆国の首都。ワシントン州コロンビア特別区。
 街並みだけが完璧に復興された、無人のワシントンD.C.の中心部にそびえたつワシントン・モニュメント。
 ワシントン記念碑と呼ばれる巨大な白色のオベリスクの前に、巨人やキャバリアも入れるほどの大きなリングが建造されていた。

 その前に立つのは、葉巻を口にした筋骨隆々のナイスガイ。
 フィールド・オブ・ナインの第一席、『プレジデント』。
 プレジデントは上機嫌に笑いながら、巨大な機械の腕で拍手をしている。

「はっはっはっはっは。見事、見事だよ、猟兵諸君。
 流石はオブリビオンの仇敵だ。恐るべき戦果だ、素直に称賛しよう」

 プレジデントが予知をした猟兵に目を合わせて笑いかける。
 葉巻を目一杯に吸い、紫煙を燻らせている。

「どうやらこの戦い、私たちは劣勢のようだね。
 ヴォーテックス一族はフルスロットルを残して壊滅。
 スーパー戦車も破壊され、ポーシュボスのもとに辿り着くのも時間の問題。
 デミウルゴスの喉元まで諸君らの手が伸びているとは……驚きだよ」

 だが、と。プレジデントは笑顔の奥に宿る戦意を込めた視線を送る。

「私もただ朽ち果てるのは、釈然としないのでね。
 最期の悪あがきだ。せっかくなら私との戦いで、諸君の力を見極めさせてもらおう」

 葉巻を携帯灰皿にしまい、プレジデントは一足飛びでリングへと上がる。
 そして、カメラ目線で指を突き付ける。

「君たちの中には、共に戦う仲間を強化したり、強い仲間を召喚したりする猟兵もいるじゃないか。
 その力を見せてもらいたい。
 そう。猟兵としての絆、コンビプレイやチームプレイを披露してほしいのだ。
 私は一人、君たちはチーム。変則的な試合形式となるが、損はあるまい?」

 プレジデントの爽やかな笑みと共に、予知越しに挑戦状が叩きつけられた。

「さあ。私の挑戦を受けてくれるかね? イェーガー!」

●招集:チームバトルの挑戦状。
「OK! それでは、ルールを説明しマース!」

 プレジデントの挑戦状という映像を流してから、バルタン・ノーヴェがマイクを片手に声を上げる。
 用意した照明器具がキラキラと光を放っている。

「試合形式はタイマンではなく、チームバトル!
 敵はプレジデントただ一人!
 それに対して人形遣いやビーストマスター、召喚系、合体系、支援系の猟兵の方との、
 One-to-many!
 プレジデントと、皆様の相棒やパートナーやバディが戦うミッションデース!」

 もはやボクシングではないのでは? いいえ、拳を握ればボクシングです。
 拳が無くても心で握りしめればボクシングです。

「明確露骨な武器や兵器、魔法や魔術を攻撃に用いなければ、OK!
 属性エンチャント、ステータスアップに、数の暴力!
 自立型や遠隔操縦のキャバリアの鉄腕を振るうも良し!
 四足歩行の動物や手足のないサムシングが戦うのを応援するのも、All right!
 皆さんはコーナーから指示を出して、仲間の勝利を信じるのデース!」

 要するに魂のボクシング。魂を込めてぶつかれば、それがプレジデントに届くというのだ。
 デバフ行為も、リング外からプレジデントに直接攻撃を行うようなことでなければ許容されるという。

「HAHAHA! おっと、そうそう。もう一つ連絡事項がありマース!」

 ハイテンションに笑いながら、バルタンは最後の説明に入る。

「プレジデントは闘争心を煽るソーシャル・ネットワークにより、強力な精神波を放ってきマース!
 これにより、皆様は窮地になくても『真の姿』に変身して戦う事ができマース!
 戦うご本人はもとより、セコンドの方々も有効活用してくだサーイ!
 それでは……Ready fight!」

 バルタンはグリモアを起動させて、ゲートを展開する。
 虹色のスモークを炊くという演出を凝らせ、入場する猟兵たちのテンションを盛り上げながら送り出していった。


リバーソン
 こんにちは。リバーソンです。
 マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。

 今回のシナリオは一章構成です。アポカリプスヘルの戦争シナリオとなります。
 フィールド・オブ・ナインの一体である『プレジデント』の撃破が目的です。
 複数の猟兵で参加される場合は、グループ名や猟兵IDなどをご記入ください。

 プレイングボーナスは、『真の姿を晒し、ボクシングで戦う(🔴は不要)』です。
  この『プレジデント』は先制攻撃ユーベルコードを行いません。

 今回は特殊な戦闘形式となります。
 アイテムやユーベルコード、共同プレイングによるチームプレイなどを披露してください。
 一体に全力を費やすことも、数百人で襲い掛かることも可能です。拳を握ればボクシングです。
 なお、プレジデントの主張を無視してソロプレイで挑戦することも可能です。特にペナルティなどの不利益はありません。

 今回はオープニング公開後の断章はありません。
 皆様、よろしくお願いいたします。
77




第1章 ボス戦 『プレジデント・ザ・ショウダウン』

POW   :    アイ・アム・プレジデント
自身の【大統領魂】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    プレジデント・ナックル
【竜巻をも引き起こす鋼鉄の両拳】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    アポカリプス・ヘブン
【対象を天高く吹き飛ばすアッパーカット】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
今回は全面セコンド

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
真の姿ver.2:紅炎狼(狼獣人)

ははは!なるほど。よい話だ。
ちょうど陰海月と霹靂も、やりたいと言うておってな(毎回応援団してた)
セコンド=操縦。よいな?ちなみに、炎属性攻撃ついとる。

というても、陰海月はシュシュっとパンチが主でな。
霹靂は今回の場合、拳代わりに翼を用いるようだ。
あやつら、密かに連携を練習しておったりするからの。どちらかが気を引いて、もう片方が攻撃したり。
慣れておるのは、場数の関係上、陰海月じゃが。
油断はするなよ!


陰海月「ぷきゅーるるる」
霹靂「クエッ」
やる気満々。二匹は友だち!



●1st Round! 陰海月&霹靂コンビ!

 リングにて待ち受けるプレジデントを見上げる猟兵がいた。
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)である。
 普段の穏やかな雰囲気とは異なり、交戦的に豪快に声を上げて笑っている。

「ははは! なるほど。よい話だ」

 馬県・義透は、複合型悪霊である。
 生前は戦友であった四人が、一人となって現れた猟兵なのだ。戦いに際しては、四人の中でもっとも最適な人が表に出るようにしている。
 今回表に出ているのは、『侵す者』武の天才、馬舘・景雅であった。

「ちょうど陰海月と霹靂も、毎度応援ばかりでなく、直にやりたいと言うておってな。
 よし、わしがセコンドに着こう!」
「ぷきゅぷきゅ!」「クエェ!」

 豪快に笑いながら景雅は、狼獣人『紅炎狼』としての真の姿を現し、リングに上がる陰海月と霹靂に炎属性を付与して増強させる。
 ぽわぽわと浮かぶジャイアントくらげと、元気の良いヒポグリフを前にして、プレジデントは笑みをこぼす。

「いいだろう。初戦の相手として不足はない! さあ、ゴングを鳴らそう!」

 どこからともなく甲高いゴングが鳴らされ、戦いが始まった。

「ぷきゅーるるるっ!」
「ほう、いいジャブだ!」

 陰海月が前に出て、触手からジャブの連打を放つ。
 浮いている故に軽い打撃と思われかねないが、場数を踏んでいる陰海月のパンチは柔くはない。
 一発一発が重い一撃だ。
 陰海月のパンチの嵐が油断なくガードするプレジデントを押していく。
 陰海月がプレジデントを正面から抑え込む間に、霹靂は側面へと回り込んだ。

「クエッ!」
「ハッハッ! 見事な連携だ!」

 霹靂の翼が勢いよくプレジデントを強打する。
 プレジデントが機械腕で防ぎ、カウンターブローの構えを取るが、すかさず陰海月がカットする。
 陰海月に対処した隙に霹靂は距離を取り、再びリングを駆けまわってプレジデントを攻撃する隙を伺っている。
 陰海月の連打に、霹靂のヒットアンドアウェイ。
 密かに練習を重ねてきた二匹のコンビネーションに、プレジデントは防戦一方だ。

「フフフッ……! 素晴らしい。実に素晴らしい連携だ。
 おかげで、私の魂も! 暖まってきたぞ!」
「っ! 油断するな! 来るぞ!」

 プレジデントがガードを解いた。
 その隙だらけの様子に反応して、景雅がコーナーから声を張り上げる。
 プレジデントは、自身の大統領魂の為に不利な行動をすることで、身体能力が増大する。
 防戦一方で叩かれ、大きく隙を見せた動きが、プレジデントの大統領魂を燃え上がらせた。
 隙を見て攻撃を仕掛けた霹靂へ、プレジデントがカウンターを放つ。
 立ちどころに陰海月が反応して、霹靂のカバーに入った。

「アイ、アム、プレジデント!」
「ぷきゅぅ!」「クエエ!?」「陰海月っ!!」

 プレジデントの強烈なフックが陰海月に直撃する。
 そのまま吹き飛ばされるかと思いきや、陰海月は触手をプレジデントの腕に絡め、拘束する。
 そう。クランチである!

「なんと、私の腕にしがみつくとは!」
「ぷー……! ぷきゅぅー!」
「クェ……! クェ、クエエ!」

 プレジデントのカウンターは直撃している。決して、ノーダメージではない。
 それでも陰海月はプレジデントの腕を抑えたまま、放さない。
 視線を交わした二匹。
 コーナーにいる景雅にも、二匹の意思はしっかりと伝わっていた。

「よし! 行けぃ!」
「ぷきゅるるる!」「クエエエエ!」
「うおおおおお!」

 燃え上がるのは、プレジデントの特権ではない。
 陰海月と霹靂もまた、景雅によって炎が点されているのだ。
 体躯そのものから炎を上げて、腕を焼く陰海月!
 そして動きを止められているプレジデントへ向けて、炎を纏った翼を振るう霹靂!
 二匹のツープラトンが、プレジデントに痛打を与えた!

「くっ……見事……!」

 膝をつくプレジデント。テンカウントによるKOが宣言される。
 プレジデントから離れた陰海月が、霹靂とハイタッチを決める。

「ぷきゅーるるる」「クエッ」
「よくやった! 陰海月! 霹靂!」

 勝者、陰海月&霹靂コンビ!

成功 🔵​🔵​🔴​

月影・左京
※アドリブ等大歓迎♪

「はわっ!面白い挑戦を叩きつけて来るわね〜。なら、お望みどーり☆」

さくっと真の姿へ。
露骨な武器や魔法の類がダメでも、【祈り】に呼応するものならへーきそーね?
念の為【オーラ防御】で、無防備にだけはならないようにして〜。

【第六感】【聞き耳】で敵の挙動を【情報収集】。
ついでに得意の【ハッキング】で敵の思考の分析も♪
それに基づいて、敵のUCはアッパーカットの来る気配を読み、【見切り】で回避。

【忍び足】で【目立たない】ように敵近くへ向か……ずるっ☆べちっ☆(あ、【演技】よ?)

「はわーっ!?なんでやねん!」

ん、UC発動。
天から降る100本の巨大ハンマー(ピコハン)で敵をボコってみるわ。



●2nd Round! 天からの裁き!

「はわっ! 面白い挑戦を叩きつけて来るわね~。なら、お望みどーり☆」

 続いて意気揚々とリングに近づくのは、月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)だ。
 左京は人間であるものの、猟兵活動の中で出会ったエルフたちに強い憧れを抱き、普段は髪を金色に染めてエルフのつけ耳を愛用している。
 だが、今回はプレジデントとの闘いのために真の姿である黒髪と着物姿にさくっと戻っていた。

「露骨な武器や魔法の類がダメでも、祈りに呼応するものなら……へーきそーね?
 あ。念の為にオーラ防御で、無防備にだけはならないようにして~……よし!
 行くわよ!」
「ほほう。レディ、君はパートナーは連れて来なかったのかね?」

 先のラウンドのダメージを回復させて、ウォームアップをしているプレジデントが左京の周囲に伴う者がいないことを指摘する。
 左京はその問いに明確には答えず。柔和に微笑む。

「ふふん♪ ご期待には添えられるわよ。さあ! ゴングを鳴らして頂戴!」

 左京がリングによじ登るのを見届けて、プレジデントはゴーサインを出す。
 ゴングが鳴らされた。

「ならば遠慮なく攻めさせてもらおう!」

 開幕から様子見などをせず、プレジデントが正面からのストレートを放った。
 左京はそれを、必要最小限の動きで躱す。

「見切った通りの動きね!」

 リングに上がる前から、第六感で、その耳で、そして目利きで。
 プレジデントの身体の動きを情報収集していたのだ。
 さらには、左京が得意とするコミュ力からのハッキングでプレジデントの思考分析まで済ませていた。
 軽快なステップでプレジデントの攻撃を回避し、左京は自信満々の表情で反撃のカウンターを叩き込む。
 と、思わせて。

「はわっ!?」
「えっ」

 ずるっと滑って転び、左京はリングに倒れ込んだ。
 左京のカウンターに対してブロックする構えを取っていたプレジデントは、虚をつかれる。
 何事も起こらず、無慈悲なカウントが始まる。
 ワン、ツー、スリー。

「な、なんでコケるねーん!」

 立ち上がった左京がツッコミを入れると共に、天から何かが降り注ぐ。
 リングに生じる影に気づき、プレジデントは左京への警戒を解かぬよう気を払いながら、頭上をちらりと見やる。
 そして、警戒心が消し飛んで頭上を見上げることとなる。

「ハハッ、なるほど……! これが、君のバディか!」
「そうだけど! そこは、なんで巨大ハンマーが降ってくるんだーってツッコミ入れるところでしょ!」

 左京がプレジデントを、ぺしんと軽い平手で叩く。
 天上から降り注ぐツッコミ属性の巨大ハンマー。
 左京が召喚したその総数、なんと500!  ファイブハンドレッドである!

 武器の使用ではないか? というツッコミを入れた視聴者の皆様方には、これは左京が祈りを捧げて召喚した、いわば召喚獣のようなもの。なのでセーフとお応えさせていただく!

「フッ。心配ご無用さ、レディ。
 このプレジデント、ツッコミを前にボケを放棄するような無責任者ではない!」
「シリアス属性かと思ったら天然ボケなの!? キャラ崩壊しても知らないわよ!」
「さあ、かかってくるといい、ハンマーたち! アポカリプス・ヘブン!」

 降り注ぐ大量のハンマーを相手に、プレジデントは必殺のアッパーを繰り出した。
 たった一度のアッパーで、いくつものハンマーを棲家へと帰していく。
 範囲外に逃れたハンマーたちがプレジデントに襲い掛かるが、数が減れば各個撃破が可能となる。
 プレジデントは油断なく的確な動きで、頭上のハンマーたちをノーマルのアッパーカットで沈めていく。
 そして、最後のハンマーを打ち払い、プレジデントは勝利を確信して輝く笑顔を浮かべて、空を指さす決めポーズを取る。

「ハッハッハッ! どうかね、私のボクシングは!
 見事にハンマーたちを、天に送り返してやったとも。
 そう、天上(アッパー)にね!」
「しょうもないダジャレはおやめくださいプレジデント!」

 ハンマーに気を取られていたプレジデントの顔を、両手の平で叩く左京。
 不意打ちの暗殺じみた平手打ちサンドが、プレジデントの意識を一瞬刈り取った。
 膝をつき朦朧とするプレジデントに、無慈悲なテンカウントが告げられた。

 勝者、月影・左京!

成功 🔵​🔵​🔴​

秋月・充嘉
アドリブ大歓迎!

なら、ご指名通りにやるっすかね。
出番っすよウルフー!
「ちっ」
おっとぉ?なんで舌打ちを?
「面倒だからに決まってるだろ。お前も相手も」
ま、相手は同意っすよ。
そんじゃあ、コンビ攻撃でやりますかね!
俺の攻撃にウルフ、ウルフの攻撃に俺っていう感じで連携するっすよ。
攻撃は基本的に腕で防御して、防御しなかった方が反撃するっす。

倒せると思ったら一気に畳み掛けるっすよ。
地面に伏せさせたら、そのままマウント。
さーて、プレジデント?このまま倒してもいいんすけど…
「おい、お前まさか…」
オレと主従契約しません?
「お前…」
悪いようにはしないっすよ。まぁ、少しばかり不便を強いることになるっすけど。
貴方みたいなナイスガイ、無くすには惜しすぎる。

ウルフ、カウント開始!
「あ?おい!たくっ…」
さぁ、テンカウントの内に答えをどうぞ。
どちらを選んでも、尊重するさ。

(真の姿は全身が影のように真っ暗に揺らいで、攻撃や掴みのときだけ腕が実体化)



●3rd Round! 充嘉&ウルフコンビ!

「なるほどね。なら、ご指名通りにやるっすかね」

 秋月・充嘉(キマイラメカニカ・f01160)がリングの脇に現れる。
 狼ベースで他にも龍や獅子などいろいろ混ざっているキマイラの充嘉は、全身が影のように真っ暗に揺らぐ真の姿を披露している。
 充嘉は独自の価値観を持ってプレジデントとの戦いに挑みに来ていた。

「フッ……次はどのようなチームかな?」

 充嘉の準備が整うまで、プレジデントはコーナーに椅子を置いて座り、休んでいる。
 連戦の負傷や疲れを癒し、万全の状態で猟兵たちと戦おうという意図だ。
 そんなプレジデントに目を向けつつ、充嘉はユーベルコードを起動する。

「出番っすよウルフー!」

 充嘉は、この戦いのパートナーを召喚する。
 大剣を担いだイケメンな狼獣人の男、ウルフが現れる
 ウルフは充嘉になんやかんにゃで協力してくれる頼りになる戦友だ。

「ちっ」

 そして呼び出されたウルフは、早々に舌打ちをついた。

「おっとぉ?なんで舌打ちを?」
「面倒だからに決まってるだろ。お前も相手も」

 リングにいるプレジデントを睨みつけるウルフ。
 素手で戦うということに不服があるのか、それとも何か思うところがあるのか……。
 ともかく、戦うこと自体を拒否する様子はない。ウルフは大剣を置き、拳を鳴らしている。

「ま、相手に関しては同意っすよ。そんじゃあ、コンビ攻撃でやりますかね!」
「たくっ……仕方ねぇな」

 朗らかに笑う充嘉と渋々といった様子のウルフがロープをくぐり、リングに上がる。
 それを見てプレジデントも立ち上がり、笑みを浮かべてファイティングポーズをとる。

「獣人のコンビか。良いだろう、ゴングを鳴らそう!」

 プレジデントの声に応じて、ゴングが鳴らされた。

「いくっすよ、ウルフ!」
「ふんっ!」

 速攻。駆け出した充嘉とウルフは、息の合った連携攻撃を行う。
 キマイラと獣人という速度に自信のある二人は、軽快なフットワークで立ち回る。
 片方がプレジデントの攻撃を防御し、もう片方が反撃をする。
 どちらがといった役割は定めずに、柔軟に対応していく変幻自在の攻防だ。
 三者三様の殴り合いがしばし続く。

「いやあ、効くっすね! でも、このままなら押し通せるっすよ!」
「ハハハッ! 随分と鍛えられたコンビネーションだ! だが、これは防げるかな!」
「っ! おい、充嘉! 気をつけろ!」

 プレジデントの鋼鉄の両拳が巨大化し、構える。
 充嘉とウルフが防御の構えを取ったその時、竜巻をも引き起こす強力な三連続パンチが放たれた。

「プレジデント・ナックル!!」

 狭いリングの上に逃げ場はなく、嵐のような拳が充嘉とウルフを襲う。
 充嘉は野生の勘で致命傷となるパンチだけを防ぎ、激痛に耐えている。
 ウルフはガードの上から殴り飛ばされ、ロープまで追いやられた。

「どうだっ! ……むっ?」
「いくっすよっ!」

 必殺技を放った直後、一瞬動きを止めるプレジデント。
 その隙を狙い、充嘉が真正面からのジャンプしてプレジデントに飛び掛かる。

「見え見えだっ!」

 直ちにプレジデントが空中にいる充嘉へめがけて、迎撃のカウンターパンチを放つ、が。
 プレジデントの拳は、充嘉の身体をすり抜けた。

「何!?」
「うまくいったっすね!」

 充嘉の真の姿は、影である。そこに実体はない。
 だがあえて影の奥に実体となる肉体を残して戦っていた。
 プレジデントに、この揺らめく影は見せかけだけだという誤認を与えるために、殴り合いの応酬を続けていたのだ。
 すべては、この機を得るために。
 パンチが空振りするという体勢が崩れた状態で、大柄のキマイラのジャンプタックルを受けてはプレジデントも踏み止まることはできない。
 プレジデントを掴む充嘉の腕が実体化し、そのままの勢いで充嘉は全身を実体化させてプレジデントを押し倒す。
 ダウンを取った。カウントが始まる。

「くっ……! よもや、この私がそのような手に惑わされるとはね……。
 プレジデント・ナックルをボディに受けたのも、狙い通りということか?」
「貴方みたいな男は、こっちも捨て身で挑まなきゃ届かないっすからね。さて」

 マウントポジションを取った充嘉はそのままプレジデントの両腕を抑えている。
 巨大化した拳が仇となり、プレジデントは充嘉を振りほどくことができない。
 ウルフがロープから立ち上がり、結末を見届けようと近づいてきていた。

「このままテンカウントで終わりっすけど、提案があるっす。プレジデント」
「ん?」
「……おい、充嘉。お前まさか」

 だが、充嘉は、ウルフもプレジデントも予想外の提案をした。

「オレと主従契約しません?」
「なんだと?」
「お前……」

 プレジデントが驚きに目を開き、ウルフがため息をつきながら額に手を当てている。
 これが試合開始前にウルフが言っていた、面倒なのだろうか?

「悪いようにはしないっすよ。まぁ、少しばかり不便を強いることになるっすけど……。
 貴方みたいなナイスガイ、ここで無くすには惜しすぎる」
「……フッ。フハハハハ! これは驚いた!
 このアメリカ合衆国大統領を! フィールド・オブ・ナインを!
 ヘッドハンティングしようというのかね! ハハハハハ!」
「選択は尊重しますよ。テンカウントの内に答えをどうぞ」

 残り一秒。考える時間はなく、プレジデントは爽やかな笑顔で答えた。

「断る。君たちとの勝負を濁したくはないからね」
「……そうっすか」

 テンカウント。ゴングが鳴り響き、KOが宣言される。
 出会う時が、場所が、立場が異なっていれば、あるいは……。

「「ナイスファイト」」

 誰ともなくそんな胸中を抱え、立ち上がった充嘉とプレジデントは握手を交わしてリングから離れた。

 勝者、充嘉&ウルフコンビ!

成功 🔵​🔵​🔴​

マリア・ルート
(真の姿で)言ったな?
では遠慮なく行かせてもらう。

【指定UC】発動。
武器と防具は捨てさせ、数の暴力でプレジデントに襲い掛からせる。
多少送還されたところでこいつらの数は無制限、しかも真の姿の私と同じ強さだ。『蹂躙』するには十分だろう。『残像』も合わせればさらに多く見せれるか。
さらに手の兵装を外したキャバリア『ブリュンヒルデ』を投入しよう。これで火力は十分だろう。
防御は各々に『オーラ防御』をさせれば十分か。『継戦能力』はあると思うがどうだ?
相手のコードはなるべく軍勢に受けさせる、キャバリアが送還されたらまずいからな。

わかるか?これが多勢無勢だ。
単体で一騎当千できる、その驕りがこの結果を招いたのだ。


リーヴァルディ・カーライル
…ボクシングは基本、1VS1と聞いていたんだけど、色々なルールがあるのね?

…まあ。そういう事ならば遠慮なく、他の猟兵達の援護をしましょうか

必要なら素手の殴り合いも出来なくは無いけれど…
やっぱり私の性には合わないもの

左眼の聖痕が解放された真の姿に変身してUCを発動
頭上に虹色の光を放つ光輪を召喚して敵と殴り合う召喚獣や乗騎、
彼らを支援する他の猟兵達に光の魔力溜めた光輪の光を乱れ撃ち、
彼らの潜在能力を限界を突破して引き出して戦闘能力を爆発的に増大させる

…100%中の100%、暴走半歩先の強化率よ

…あまり長時間、強化していると寿命が尽きて自壊したり、
(筋肉痛で)次の日以降が辛くなるから注意して



●Final Round! マリア&レギオン&リーヴァルディチーム!

「……ボクシングは基本、1VS1と聞いていたんだけど、色々なルールがあるのね?」

 そう呟いたのは、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)だ。
 普段から戦闘では武器や呪詛を用いるリーヴァルディは、素手での殴り合いは性に合わないと判断して、もう一人の猟兵のセコンドとして同行していた。
 リーヴァルディの問いに、プレジデントは笑顔で答える。

「もちろんだとも。二人がかりでも、何人がかりでも。
 君たちの力のある限り振るうといい」
「……まあ。そういう事ならば遠慮なく、マリアの援護をしましょう」

 リングに上がるのは、マリア・ルート(紅の姫・f15057)だ。
 真の姿である、残酷なダンピールの姫としての姿を見せて、威圧を感じさせている。
 マリアは、余裕の表情で微笑むプレジデントを冷たく睥睨し、堂々と告げる。

「言ったな? では遠慮なく行かせてもらう。
 ―――さあ、思いっきり蹂躙しなさい、私のレギオンたち!」

 《自己創造『兵隊形成』》。
 その力は、マリアと同じ強さの、同じ姿の分身を作り出すユーベルコードである。
 喚び出されたレギオンたちは武器と防具を捨てて、リングに上がっていく。
 10人、20人……リングは満員となり、下で順番を待つ分身たちもいる。

「ほう……これが猟兵の、君の真の力か……!」
「わかるか? これが多勢に無勢というやつだ。文句はなかろう?」
「ハッハッハッ! もちろん、ノー・コンプライアンス(文句はない)!
 これはこれで私に相応しい戦いだろう。
 何せ、彼女たちを薙ぎ払って、君をノックアウトすれば良いのだからな!」

 そして。多対一の戦いのゴングが鳴らされた。
 
「行くぞ! アポカリプス・ヘブン!」

 プレジデントが最初から全力の一撃を振るう。
 プレジデントのアッパーに巻き込まれ、リング上にいた数多くのレギオンたちが棲家へと送還されていく。
 当然マリアはただちに次のレギオンたちをリングに上げる。
 多少送還されたところで、レギオンの数は無制限の上限なし。
 マリアの真の姿と同じ強さである。
 一発のアッパーを振るった直後に殺到し、四方八方からの蹂躙を行っていく。

「どうした、その程度で手詰まりとは言わんだろう?」
「ハッハッハッ……当然!」

 身体中を殴打されてなお、プレジデントは笑っていた。
 鼻から、唇から血を流しながら、この不利な状況をものともしていなかった。

「私は、フィールド・オブ・ナインの第一席!
 アイ・アム・プレジデント! そうたやすく、この首は渡さないさ!」

 プレジデントの身体能力が増大する。
 アッパーカット、ストレート。ボディブロー、ワンツーパンチ。
 次から次へと手を変えて、プレジデントは大統領魂を燃え上がらせてレギオンたちを強引に突き破っていく。
 無論、レギオンは無限に等しく湧いてくる。
 このままレギオンで押し続ければ、いずれプレジデントは討てるだろう。
 だがそれまでに、プレジデントが倒れる前に、プレジデントがマリアに手が届くことになる。
 レギオンの形成に力を注いでいるマリアは戦うことが出来ず、わずかでもダメージを負えばすべてのレギオンが消えてしまう。
 ならばリングから降りて距離を取れば、安全だ。
 逃げればよいと、賢明な者は言うだろう。

「……そうか。あくまでも貴様は一人なのだな」

 しかしマリアは、プレジデントから逃げるような真似は選ばない。
 正面からねじ伏せることを選択する。

「ならばさらに戦力を投入しよう。頼んだぞ、リーヴァルディ」
「……わかったわ。……人類に、今一度の繁栄を。貴女の力を借して、ラグナ」

 マリアの要請を聞き入れて、セコンドのリーヴァルディが動き出す。
 リーヴァルディは左眼の聖痕が解放された真の姿に変身して、ユーベルコードを起動する。

 そして、すべてのレギオンの頭上に、虹色の光を放つ光輪が召喚される。
 光輪の光を受けたレギオンたちは、自身に眠る真の力に覚醒して、一時的に限界を超える能力を発揮できるになる。
 《代行憑依・繁栄の時、来たれり(ポゼッション・ラグナソピア)》。
 マリアの真の姿と同じ姿のレギオンたちは、リーヴァルディの力を受けて限界突破を果たして。

「……100%中の100%、暴走半歩先の強化率よ」
「ああ」

 呟くリーヴァルディの言葉に、マリアは支障ないと頷き返す。
 《代行憑依・繁栄の時、来たれり》は爆発的な戦闘能力の増大を引き起こす。
 だが、その強さには相応の代償が降りかかるのだ。
 最前線に立つ何人かのレギオンが、自壊している。

「……あまり長時間、強化していると、寿命が尽きて自壊したりするから……注意して」
「問題ない。この戦いが終わるまで、もてばいい」

 マリアのレギオンはあくまでも分身。その寿命を気にする必要などなかった。

「むっ……! ぐう……!」
「試合はこれで終幕だ。これよりは貴様の処刑を執り行う」

 強化されたレギオンたちは、再びプレジデントと拮抗し始める。
 プレジデントの腕や胴体にしがみつき、身動きを止めていく。
 そのままレギオンたちにプレジデントを抑えさせて、マリアは押しの一手を召喚した。

「来い、『ブリュンヒルデ』。……遠隔操縦のキャバリアでも、構わんのだろう?」

 現れたのは、赤と黒の色合いが目立つ人型のサイキックキャバリアだ。
 手にした兵装をリングの外に捨て、『ブリュンヒルデ』が拳を振り上げる。
 その頭上には当然、リーヴァルディの光輪が輝いている。

「ハッハッハッ……! 見事だ、猟兵諸君!」

 『ブリュンヒルデ』の拳がレギオン諸共、プレジデントを叩き潰す。
 リングが砕かれ、プレジデントが地面に倒れ伏す。

 そして、テンカウントが行われ、試合終了のゴングが鳴らされる。
 マリアがレギオンたちを解除し、リーヴァルディが光輪を消す。
 マリアとリーヴァルディがプレジデントを見下ろしている。
 プレジデントは指先を動かすこともなく、微かに声を上げる。

「……私の負けか。これが、猟兵の絆の、力か……」
「おい。猟兵の力は人海戦術だけではないぞ。絆の強さは否定せんがな」
「……うん。一人じゃないけれど。数が多いから、勝てた訳ではないわ」

 マリアが口を出し、リーヴァルディが同意の意を示す。

「それぞれができることを全力で為すからこそ、勝てるのだ。
 他力本願で世界を救える訳があるか。
 一騎当千の猟兵たちが、力を合わせるからこそ立ち向かえるのだ」

 消えゆくプレジデントに、マリアが告げる。

「単体で一騎当千できるなどという、貴様の驕りがこの結果を招いたのだ。
 敵の軍勢には、同等以上の兵力を用意するのが当たり前だろう」
「……ハハッ。兵法の基礎、どうして忘れていたのやら……」

 最期まで、プレジデントは笑ったままで消滅していった。
 ここに、全人類をオブリビオンと化す計画を立てたオブリビオン・フォーミュラ、『プレジデント』は打倒された。
 跡形もなくなったリングの前、ワシントン・モニュメントの前で、
 マリアとリーヴァルディは目を合わせて、勝利を称えるように拳をぶつけあった。

 勝者、マリア&リーヴァルディチーム!
 フィールド・オブ・ナインの第1席、『プレジデント』、撃破!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月18日


挿絵イラスト