アポカリプス・ランページ⑧〜堆く(作者 鷹橋高希
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●グリモアベース
「皆さぁん、『アポカリプス・ランページ』、お疲れ様ですぅ。これから、その事件の予知をお話ししますぅ」
 2021年9月。グリモア猟兵の少女・ミント・キャラメル(眠兎キャラメル・f25338)は猟兵達に語り始める。
「カナダとの国境近くの『セントメアリー・ベース』という巨大拠点でぇ、人々がアポカリプスヘルとしては比較的平和に共同生活を送っていますぅ。ここは、フィールド・オブ・ナインの『マザー・コンピュータ』に組み込まれた世界最高の歌姫マザーの出身地でぇ、『時間質量論』っていう、あの女の人の初期の研究論文が残されていますぅ」

 ミントがグリモアに映したのは、どうやって積み上げたのか判らないほどのコンピュータや記録媒体の山。それだけではなく、論文どころか史料の域に入りそうな色の紙媒体、オブジェか資料か区別がつかない巨大な砂時計など「時」にまつわる物体……と、後ろに括弧書きで「物理」と付け足されそうなほどの時間質量論の研究論文だった。

「貴重な論文だと思いますしぃ、ベースの人達もこの場所を食料保管庫に使いたいそうなのでぇ、わたし達で引き取っちゃいましょお☆ ですけどぉ、多いし重いしで工夫しないと時間がかかったり危なかったりするかもしれませんねぇ」
 ミントはグリモアを拡大させ、映像の質量な塊を拡げる。
「それではお願いしますねぇ☆ グリモア・イリュージョン☆ ワぁン・ツぅー・スリぃー☆ わたしはテレポートでサポートしますのでぇ、現地はお任せしましたぁ☆」


鷹橋高希
 2021年9月の戦争イベント「アポカリプス・ランページ」の戦争シナリオで、全1章となります。
 オープニングが承認され次第プレイングを受け付けますが、今回の戦争は青丸稼ぎが求められると見受けられるため、高い成功度で判定されて書けそうな順に採用(不採用およびプレイング締め切り)となる可能性が高いことをご理解・ご了承お願い致します。

 このシナリオには、下記の特別な「プレイングボーナス」があります。これに基づく行動をすると有利になります。

 プレイングボーナス……大量の記録媒体を運び出す。
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第1章 日常 『時間質量論を運び出せ』

POW腕力に任せて一気に運ぶ
SPD乗り物や道具を利用する
WIZより重要そうなデータを優先して運ぶ
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アイソラ・グランホエール
そういう事なら必要なのはやはり人手、人海戦術。


という訳で今回召喚したのがこちら。
1m程の身長、緑や青といった海をイメージしたカラーリング、ゆるくデフォルメされたデザインのロボット……エンジニアサハギン!
「およびで?」「でばんきた?」「おひさ~」「けんちく?けんちく?」
いや、今日は荷物運び。とにかく量が多いから人手が欲しくてね。


「じゃぁサハギンズ。ここにあるコンピューターや情報媒体、研究論文に……うん、もう全部持って行っちゃって」
「「「いえっさ~」」」

もちろん俺も念動力で複数の物を宙に浮かべて運べるし、サイボーグ由来の怪力で重い物も問題なし。
では、お仕事しますか。


●逞しい命を繋ぐための
 アイソラ・グランホエール(三海操る魔術剣士・f09631)が実際に訪れた時間質量論の保管庫は、グリモアベースで見た映像の中よりも大きく、論文も多かった。
「これはやはり人手が必要になるな。人海戦術だ。『電子の海より来たれ、あらゆる物を作る工兵達』」
 ユーベルコード「召喚・築き上げる工兵魚人」。アイソラの言葉を合図に、星の海のような緑色と青色の光が空間に描き出すのは、マスコットキャラクターのように愛嬌のある表情の魚人ロボット。
「およびで?」
「でばんきた?」
「おひさ~」
「けんちく? けんちく?」
 一言二言発して描き出された魚人ロボット――エンジニアサハギン達はアイソラの周りを1メートルほどの海色で囲む。
「いや、今日は荷物運び。とにかく量が多いから人手が欲しくてね」
 これだ、とアイソラの示した研究論文の山を見上げ、お~、たかいな~、などと緩い感嘆が反響する。
「じゃぁサハギンズ。ここにあるコンピューターや情報媒体、研究論文に……うん、もう全部持って行っちゃって」
「「「いえっさ~」」」
 エンジニアサハギン達は動き出し、総勢89体がいくつかのグループに分かれて運搬作業に取り掛かる。口調の緩さに反して緻密で効率よく作業が進むのは、彼らが工兵である証左だ。
「では、俺もお仕事しますか」
 問題なさそうだと確認したアイソラは、自らも研究論文の山に乗り込む。アイソラは取り分けて力自慢という風には見えない青年だが、その身体はサイボーグであり、エンジニアサハギンが手こずっているところの力添えや単独での重量物運搬を軽々と行なっていく。さらには念動力を併用し、力の一辺倒では難がある物体などを宙に浮かせて運び出していく。
「わぁ、かわいいー!」
「ひえ~」
 緩い悲鳴にアイソラが視線を向けると、エンジニアサハギンの数体にベースの子供達が群がっていた。
「その子達と遊んであげて。こっちは大丈夫だから」
 許可を得て、この世界の未来を担う逞しい命がロボット達と戯れる。それを見送ったアイソラは、その命を繋ぐための食料保管庫予定地を空けるために運搬作業を再開するのだった。
大成功 🔵🔵🔵

マキナ・エクス
アドリブ・他猟兵との連携歓迎

ふむ、まあTHE研究者の遺した物品たちといったところだね。まさかここまでの量があるとは素直に驚きだねえ。
我々猟兵とオブリビオンについて関係深い理論だろうしぜひとも閲覧してみたいものだ。

とはいえここを片付けねば何も始まらない。取りあえず人手を呼ぼう、UC発動。力仕事に関してはこれで問題ないけど、うまく考えて持ち運ばないと崩れて大惨事になりそうだね。取りあえず魔術糸で【グラップル】でうまいこと移動しつつ不安定なものを【捕縛】して固定して崩れないようにしよう。


●幸福な結末を綴るための
「ふむ、まあTHE研究者の遺した物品たちといったところだね。まさかここまでの量があるとは素直に驚きだねえ」
 マキナ・エクス(物語の観客にしてハッピーエンド主義者・f33726)は左右に積み上がっているコンピュータ群を見上げた。
「我々猟兵とオブリビオンについて関係深い理論だろうしぜひとも……とはいえここを片付けねば何も始まらないね。『偽典閲覧、伝承認識――」
 マキナが手にした一冊の本――傍観者の偽典がはためくようにページを開く。それはこの研究論文の大軍勢を崩すのに相応しい物語――ユーベルコード「偽典伝承・古代最強の勇士達」。
「『――軍勢招集。強大な力に抗い、絶望を覆し、己を鍛え続け、究極に至りし鋼の肉体を持つ軍勢よ、ここに集え』」
 物語の中から112人の筋骨隆々とした半裸身の男達が現れると、マキナはこれらを運び出せと命を下す。一見して力自慢と判る男達だが、彼らは数百人で百万人の軍勢を相手取った兵士達だ。科学など無き遥か古代に己の肉体と盾と槍でそれを成した者達が科学の最先端の塊を持ち上げるのは、地獄で夕餉を摂るという流儀を持つ彼らには朝飯前であった。
「運ぶのは余裕そうだね。それなら、もっと大きく纏めて運ぼうか」
 ミレナリィドールであるマキナの細く関節の見える指から魔術で編まれた糸【アリアドネ】が空間に光の線を描くと、機械や論文がある程度の重量、そして足掛かりにしても崩れないバランスの塊として縛り上げられていく。
「これでいいだろう。彼女の遺した『物語』はこれで私達が無事に引き受けられる」
 その後もマキナが研究論文を括り古代の勇士達が運び出すというファランクスが機械群を運び出していく。マキナ達の進軍した後に残るのは、この世界で生きる者達のハッピーエンドを綴るための真っ新なページであった。
大成功 🔵🔵🔵

城田・紗希
…なるほど、質量(物理)論文。
自力で運んでもいいけど、ユーベルコードを使ったほうが手は増えるよね。

という訳で、全員運べー、情報密度(byte/kg)が多いものを優先的に選んじゃえー。
……この紙を運びたい?どこかにロープない??(運べる上限を超えない程度に、論文をロープで束ねる)
私も、桃っぽいこれに乗せて運搬だー(『情報密度が低そうだけど勘が引っかかったもの』を追加しつつ、ヒーローカー?を台車代わりに扱う)


●Block and Clock
「『行けっ、全部隊出撃!』 全員運べー、情報密度が多そうなものを優先的に選んじゃえー」
 城田・紗希(人間の探索者・f01927)は「おもちゃ兵隊の行進」――ユーベルコードによる結合ブロックでできた兵隊を指揮していた。総勢104体の結合ブロック兵達は、研究論文を取り扱うに従って機械や論文の取り扱いで何に注意すべきかを学び、次第に運び方が丁寧に、かつ効率よくなっていく。
「ん……この紙を運びたい? どこかにロープない?」
 一体の手招きに応じた紗希は、膨大な紙の束を見る。紙媒体の論文であれば重なっている順に意味があるため固定して運びたい、ということだろう。どこからか魔術で編まれた糸を持ってきた他の一体が紗希にそれを手渡すと、角張った結合ブロックの指では為し得ぬしなやかな指捌きで束ねていく。
「これでオーケー? オーケー。じゃ、よろしく。よーし、私もこれで運搬だー」
 紗希は大きな桃らしき何かに乗り込み、どんぶらこー、という音と共に片付きつつある屋内を巡る。すると、壁一面に時計の掛けられた区画が見えて紗希は桃を停めた。
「……マザーは時計屋さんでもやってたのかな?」
 様々な時計が壁に掛かるその光景は、まさに時計店か雑貨店かという一角だ。しかし、その時計の全ては売り物ではなく、そして時を告げるべき相手もいなくなって久しいことを、一つとして同じ時刻を指さぬまま動かない針と被った埃が物語る。これらが論文や資料の一部なのか、それとも単純に時刻を知るためのものだったのか、今の紗希には判断する術はない。
「……んしょ」
 だが、いずれ取り払われる物であり、紗希の勘が引っかかった物であり、それらは埃を払われ次々と桃に載せられていく。最後に残ったのは日付の表示窓はおろか秒針もない――女子高生の感覚で「昭和レトロ」な――振り子時計。まるで時が止まっているような空間は全ての時計と共に消え、時計を載せた桃と紗希が走り出す。この場所にも結合ブロックのように食糧が蓄えられては消費され、未来を育んでいくのだろう。
大成功 🔵🔵🔵

七那原・望
みんなにとってはこんなよく分からない資料や記録媒体よりも食料保管庫の方が重要ですもんね。
えぇ、もちろんお任せなのですよ。

アマービレでねこさんをいっぱい呼んだら彼らにお願いして魔法で重たいものを浮かせてもらって運び出すのです。
精密機器等は慎重に運び出すようにしっかりお願いしておきましょう。

比較的軽いものは果実変性・ウィッシーズモノクロームを発動して、全力魔法で身体強化して怪力を限界突破させつつ、くろとしろと共に空間跳躍を駆使しながら手早く外に運び出しましょう。

それにしてもこんな砂時計まで重要資料なのです?天才の考える事はよく分からないのです。まぁ、だからこそ天才なのでしょうけど。


●Adagio
 視覚を目隠しで封印している七那原・望(封印されし果実・f04836)の嗅覚は様々な匂いを捉えるが、どれも科学や化学といった工業的な匂いだった。
「みんなにとってはこんなよく分からない資料や記録媒体よりも食料保管庫の方が重要ですもんね」
 お任せなのですよ、と望が取り出したのは鈴の付いた白いタクト。それを振るうと、一拍子ごとの鈴の音と共に魔法猫が現れ、次々と研究論文の山に向かう。ある程度の魔法猫が現れると望のタクト捌きは拍子を変えぬまま小さくなる。重たいけど慎重に運び出すようにお願いなのです――その指揮の通り、魔法猫達は数匹の魔力を合わせて資料や記録媒体を浮遊させながら引き返してくる。指揮者とすれ違いざまに猫達は合唱した。任せて、という鳴き声だ。
「お願いなのですー。それではわたし達も行くのです。わたしは望む……ウィッシーズモノクローム! くろ、しろ、力を貸してください!」
 指揮を終えた望の姿が揺らぎ、三人になる――正確には。
「くろにおまかせですっ!」
 と名乗る黒い衣と目隠しの望と、
『しろにもおまかせですぅ!』
 と名乗る白い衣と目隠しの望と、
「よろしくなのです!」
 ユーベルコード「果実変性・ウィッシーズモノクローム」により二人を喚んだ黒と白の衣と目隠しに身を包む望の姿となっていた。
 望達は空間跳躍により魔法猫の手の未だ届かぬ場所に転移すると、外寸が望達よりも大きな機械類を軽々と持ち上げる。小柄な少女が数十人かかったところで持ち上がるはずのない大きな機械だが、魔力による強化を帯びた望達にはタクトとさほど変わらず、それぞれが空間跳躍で次々と片付けていく。
「こんな砂時計まで重要資料なのです? 天才の考える事はよく分からないのです」
「ですねぇ」
『ですぅ』
 何度目かの空間跳躍で砂時計ばかりの区画を見つけた望達はそれらを抱えて運び出す。大きさこそ望の背丈ほどの実用には耐えない物もあるが、どれも大量生産品の一つとしか感じられなかった。
(天才の考える事はよく分からないのです。まぁ、だからこそ天才なのでしょうけど)
 望達の抱える砂時計の三重奏と益獣達の合唱は、この場所の時をゆるやかに食料保管庫へと進めていくのだった。
大成功 🔵🔵🔵

真月・真白
歌姫マザー、貴女は一体何を求めていたんですか?
『過去』を『歴史』として記して永遠にすることが僕の役割だから
貴方の『過去(じんせい)』の一部であるこれも、調べさせてもらいますね

資料がばらけないようにまとめてしまって
砂時計のような硝子や記録メディアのように壊れやすそうなものは柔らかい布などでしっかり梱包しましょう
準備が済んだらUC発動してトラックや台車などを再演し念動力で慎重に運び出しますね

食糧庫にするなら最後に埃やゴミなどの掃除もしていきますね
今まで彼女の『歴史』を守ってくれてありがとう
これからは彼ら(の食糧)を守ってください、と建物に声をかけます


●堆く積み上がるのは
「歌姫マザー、貴女は一体何を求めていたんですか?」
 食糧保管庫となるべき場所に最後に遺された資料を通して、真月・真白(真っ白な頁・f10636)は問い掛ける。無論、その問い掛けには誰も応えないことは真白自身が解っていた。
「『過去』を『歴史』として記して永遠にすることが僕の役割だから、貴方の『過去(じんせい)』の一部であるこれも、調べさせてもらいますね」
 真白は白紙の歴史書が本体のヤドリガミ。どのような歴史があったかを「知る」をすることで自らに記して来たのだ。真白は何度となく扱ってきた歴史資料を丁寧にまとめ、梱包と養生を施していく。全ての運び出しの準備が済むと、真白は歴史書を開いた。
「世界は『過去(じかん)』を棄てる。されど人は、『未来』への道標として『過去(おもい)』を遺し刻む。これを、『歴史』という」
 真白の言葉によって熱を持たない蒼い炎――ユーベルコード「蒼炎が再現せし器具の年代記」が燃え上がり、このアポカリプスヘルという地球型世界でも使われた、あるいは使われているであろうトラックや台車が再演される。台車は梱包された紙の束を運び出し、トラックには真白ほどやそれ以上の丈の砂時計が横たえられ、落ちきった砂の山を崩しながら運ばれていった。
 がらんどうとなった元・研究論文保管庫は真白達猟兵、そして猟兵達の進捗を聞き付けたベースの子供達とその大人達の手で掃除されていき、時間の止まっていた空間が談笑と生に満ちて時が進み出す。

「今まで彼女の『歴史』を守ってくれてありがとう。これからは彼らを守ってください」
 真白は空間に語り掛け、感謝の声を背に猟兵達はベースを後にする。程なくあの空間には砂時計のように堆く山が積み上がるだろう。その山が「未来」を育む食糧であるか、それとも研究論文を遺したマザーをはじめとしたフィールド・オブ・ナイン――オブリビオン・フォーミュラが染み出させる「過去」かは、アポカリプス・ランページを闘う猟兵達の手に掛かっている。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月18日
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