アポカリプス・ランページ⑨〜追うのは敵か夢か限界か(作者 真白ブランコ
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●グリモアベースにて

 悪徳の都・ヴォーテックス・シティで活発化しているレイダーたちがいます。
 予知の説明をそう開始しながら、サティ・フェーニエンス(知の海に溺れる迷走っコ・f30798)なる少年は集まってくれた猟兵たちへ、ありがたそうな視線を順に向けていく。
「好戦的ですがそれ以上にカーチェイスに闘志を燃やすバギー軍団です。フルスロットルの下に集まってしまったら、暴れられる!と士気高まり一気に勢いを増してしまうでしょう」
 今のうちに打倒してもらいたい、そう懇願する少年が続けた。
「自分たちに追いつけない者、追おうともしない者の事は全く相手にしないようです。
 その代わり全力で追いつけ追い越せで競ってくる者には、やたら好印象を抱くようで、決して逃げることなく最後まで挑んできます。
 ですので、こちらも武装バギーやバイクで目一杯かっ飛ばして下さい。あわよくば向こうから現れますので」
 最後に、と付け足される言の葉。
「もしも彼らと相対出来る乗り物が無い方は、いつかこういう日の為に!と水面下で反抗心を育てていた奴隷の方々が、こっそり隠し持っていた乗り物を貸してくれるそうです。
 種類はいくつかあるようなので、ご自身の相性に合う物を選べばよいかと思います」
 ご武運を――少年のグリモアが光を放った。

●その頃のレイダーたち。

「最近骨のある奴がいやしねえ!」
「俺の夢は……音速を超えること! 今日こそは……!」
「白熱した抜き合いがしてぇよっ、互いの限界を推し量れるようなよぉ!!」
 根性論やら体育会系やら暑苦しい性格が集まっているかもしれない。


真白ブランコ
 良かった戦争二本目出せた……っ、とすでにやり切った感が出始めている、全力マイペースな真白ブランコです。
 プレイングやリプレイはやたらスピーディな風景が盛りだくさんになりそうですが、心にはゆとりを持って楽しんでいただければ幸いです。

●バギー軍団と対峙する為の乗り物を用意。

 このシナリオに限り、バギーやバイクをお持ちで無い方には、選りすぐりの乗り物が準備されています。
 【希望の乗り物番号】をプレイング冒頭にご記載下さい。
 自前の物がある方は、勿論そちらでOKです。

 【1】敵とそっくり同じバギー。
 目には目を!敵の改造バギーと同じ性能持つバギー。
 武器も積んでおり(※任意でご自由に設定可)スピードもそっくり同じに出るので、戦いながら平行して走らせるにはもってこい。
 (※余談。奴隷の誰かがレイダーの一人からちょろまかした品。敵の中に持ち主がいる、かもしれない)
 【2】バイク。
 装甲は硬く強化されているが、武器は積んでいない。けれどヘルメットの防御力は抜群。
 【3】馬車。
 エンジン音が苦手なアナタに。馬に癒されながらしっかりした屋根と座席で安心安全!
 (レイダーたちは追いかけて来てくれさえすれば攻撃しに寄ってきます)

●プレイングボーナス……レイダー達とカーチェイスしながら戦う。

 悪徳の都内でのカーチェイスですが、周囲の障害物や人などは織り込まずで大丈夫です。きっとレイダーたちがしょっちゅうカーチェイスするため、相当拓けた道でしょう。


 OP公開と同時に受付開始。送信可能な間は受付中とします。
 コメディ寄りな描写になると踏んでいますが、基本個々のプレイングの雰囲気に合わせます。
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第1章 集団戦 『レイダー・フュエルスピッター』

POW ●フュエルバースト
自身の【持つ燃料タンク1つ】を代償に、【タンクを投げつけ膨大な爆発力】を籠めた一撃を放つ。自分にとって持つ燃料タンク1つを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD ●フュエルイグニッション
【ノズルから発射した燃料】が命中した対象を燃やす。放たれた【燃料は外れても地形に残留、衝撃で発火。】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ ●スティッキーフュエル
【ノズル】から【可燃性を失った代わり粘性を高めた燃料】を放ち、【対象の身体に絡みつかせること】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


森宮・陽太
【1】
【WIZ】
アドリブ連携カオス大惨事大歓迎

目には目を、いいじゃねえか
俺もレイダーのやり方で対抗してやらあ

自前の乗り物がないので、バギーを借りるぜ
あんたらの代わりに奴らをギッタギタにしてやるから、まあ見てろ
あ、でっかいネットを撃ち出せる大砲をのっけてもらえるとありがてぇ

というわけでアクセル全開、全力でかっ飛ばし
レイダーが横に並ぶまで待ってやらあ
レイダーと並んだら大砲発射、ぽちっとな!
そらそら、ネットに驚いて止まりやがれ!

レイダーが足を止めたらアスモデウスの出番
「高速詠唱」+指定UCでアスモデウス召喚
「属性攻撃、制圧射撃、蹂躙」全開の獄炎で
粘性を高めた燃料ごとレイダーを丸焼きにしてやるぜ!


ゲニウス・サガレン
ばるッばるるるッ!さっそうとバギーで登場します

「待ってたよ、この瞬間(とき)をね!」

バギー軍団との戦い方なら文献で見たよ
赤とか緑の亀ぶつけたり、やばいキノコ食べて加速したりして勝負するんだよね?
……ええい!運転しながらそんなことできるか!!

アイテム「フライング・シュリンプ」&「沈滞の投網」&「海蛍閃光弾」
私は慣れない運転に集中、頑張れ有翅エビ!
閃光弾で目くらまし、投網を車輪に投げつけて相手のクラッシュを誘う!

さらに「C式ガジェット」&UC「ガジェットショータイム」

巨大なバナナの皮となり連中のバギーをスピンさせてやれ!

……あ、しまった!バナナの皮を自分の車より前に出しちゃ
(音声はここで途切れた)



 戦闘に耐えうる上等な生地にして、誰もの目にもふと留まるモダンなデザイン。その足元は至ってシンプルな漆黒ながら、余分な装飾の代わりに持ち主の意思のままに足音操るブーツで覆われ。
 そんな出で立ちたる森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)が、颯爽とバギーを乗りこなせばレイダーたちの注目を受けないはずも無く。
「お……俺たちより似合っている、だと!?」
「落ち着け! 今初めて乗ったふうだ! 腕前は俺たちの方が上に決まって――うめえ!?」
 暗にレイダーたちの意を組み、レイダー流にて迎え撃とうじゃねえかとその場でバギーを借り受けた陽太が、一気にアクセルを全開まで振り絞ればコントロール失う事無く加速した。
「ギッタギタにしてやると約束したからな、虐げられている奴らと。手加減しねーぜ!」
 消え入りそうな奴隷たちの微笑みたちを思い浮かべて、陽太の瞳に闘志の炎が燃え上がる。
 四輪駆動の大きなタイヤが仮初の主の意のままにドリフトしては、悪徳の都の中で最も直線距離が長い道へと躍り出た。
「本当のカーチェイスを知らねぇひよっこが調子にのるなよ! そーら追いついたぞ!」
 一時は突き放されていた距離を、直線大道路に出たところで陽太のバギー横まで迫ったレイダーたちが、陽太の真横へつけて嘲笑う。
 しかしてレイダーたちは知らない。陽太がわざとスピードを、気付かれぬ程巧みにじわじわと落としていた事を。
「へいお疲れさん、っと!」
 ぽちーっ。
 陽太の手元で軽やかに押されたボタン、直後ボタンとは対照的に重低音響かせ発射された、バギーに載せられていた大砲。
 ア、シンダ。
 刹那レイダーたちの思考は一つになった。
 しかして放たれた砲弾はレイダーたちの真上で弾け、一瞬にして網目が広がりレイダーのバギーたちもろとも覆いつくした。
「驚きと安心を味わえたか? だがまだまだ……そんな甘くはないぜ」
「コノヤロウ……! 車体とはひたすらスピードに乗せてかっ飛ばすもんだ! それを荷物みてぇにまとめて止めやがるたぁレイダーの風上にもおけねえ!!」
「誰がレイダーだ!」
 バギーの操縦があまりに見事過ぎて、陽太をもはやどっかのレイダー隊の一味くらいに見ていたらしい台詞が放たれれば、聞き捨てならんと当然の異議が飛んだり。
 浪漫ってのを追い求めるだけならここで終えてやったけどな……人々を奴隷に落とし弄んでいた奴らだ、容赦しねえ。
 妖艶な微笑みは殺気の表れ。刹那の唇の動きから、陽太のUC【悪魔召喚「アスモデウス」】が解き放たれた。
 獄炎の悪魔が黒紅の巨体を陽太の背後に浮き上がらせる。
「――やれ」
 普段は明るく快活な口から、同じ声にして冷えて燻るような静かなる声色が紡がれる。
 瞬間、赤黒き地獄の炎がレイダーたちを取り囲み炎柱が収縮していく。
 微かまだ動いたレイダーから、悪足掻きに粘着性のある燃料弾を放たれるも、陽太は避けることもせずそれを腕に、バギーに浴びせたまま吐息を合図にした。
 獄炎がうねりを上げてバギーごとレイダーたちを飲み込んだ。
 それを見つめる金糸の下の翠はどこか昏かった。
 そんな陽太の耳に、大通りの反対方向から『ばるッばるるるッ!』と軽快なバギー音が届く――

「待ってたよ、この瞬間(とき)をね!」
 速さによる風や埃から視界を守るゴーグルをしっかり装着し、汗で滑らせぬようハンドル握った手には本格的グローブ。
「文献で予習していたから準備も運転もばっちりさ! いやこのゴーグルとグローブは拝借したバギーに元から備えられていたんだけれどね!」
 颯爽と、ちゃっかりと。コーナー切って姿現したゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)から堂々としたそんな言葉が繰り出される。
 そのすぐ後をレイダー軍団がぱらりらぱらりらとラッパが鳴る勢いで追いかける。
「スピードの出し方は甘えくせにっ! おかしな蛇行しやがるせいで抜くに抜けねえ!」
「はははっ、インコーナー取ろうとするのをバックで妨害するのは常識さ!
 このあたりで赤とか緑の亀ぶつけたり、やばいキノコ食べて加速したりして勝負するんだよね?」
「やべえオマエそれ以上は何かわからねーが言うな!!」
 レイダーたち、圧倒的巨大組織の圧力をいづこからか受信したり。
 そんなことはお構いなしに、ゲニウス、片手ハンドルになりもう片手で素振り数回……。
「ここで手首のスナップをきかせて狙い先へ回転を……ええい! 運転しながらそんなことできるか!!」
 いけない。正論はイケナイ。
 幸いか、他の手段を試そうとしたゲニウスへ(やっと)レイダーたちが迫り攻撃を開始した。
 ゲニウスの左右へ分かれ、バギーの車体でゲニウスごと潰そうと双方から体当たりが繰り出される。
 バギーは生身の体が意外と無防備である。流石にプロの真似はよそう! と潔さをみせれば、ゲニウスは懐から慣れた手つきで「フライング・シュリンプ」たちを解き放った。
「私は慣れない運転に集中、頑張れ有翅エビ! なんなら金色に輝く無敵の星になってくれてもいいよ!」
 社会性を有するエビたち、主の作戦には従うが世界規模の空気も読む。後半の期待台詞は聞こえなかったことにし、主から託された「海蛍閃光弾」をまずはレイダーたちの上空から投下した。
「ぐわ……!? 目が、目がぁあー!!」
「ばかやろうしっかりしろ存在を消されてぇのか!!」
 連携の取れたレイダーたち、数台がよろめくのを他の機体がフォローしに回る。
 敵の集中が逸れた。
「今だ!」
 キリッと主人らしく飛ばされた指示により、エビたちから「沈滞の投網」が放たれる。
 金属繊維で出来た投網が見事にレイダーたちのバギーへ、その車輪へ絡まっては乗り手の意思を無視し始めた。
「うわバカ! こっちくんギャーーーッ!」
 いたる所でレイダーたちがクラッシュし、ちゅどーん!という音を立てる。
「……っこんの……ならせめて道連れにしてやるぜ……!」
 伊達なレイダー、絡まる網タイヤの操舵の癖を早くも把握し、ヨロヨロしながらもゲニウスへ向けて燃料をやみくもに発射した。当たらなかった燃料はゲニウスの周辺で発火し、さながら炎の水たまりを構築する。
「その根性やよし! ならば出番だC式ガジェットくん!」
 特殊な魔導蒸気機械を投げたと同時にUC【ガジェットショータイム】が発動された。
 すでにゲニウスの思考を具現化したそれは、巨大なバナナの皮と成って突っ込んできた敵のバギーをものの見事にスピンさせたのだった。
 勝利のガッツポーズを決めたバギーと操舵手。
 タイヤは走るよどこまでも――その先にまだあった己の投げた黄色い物体。
「……しまった! バナナの皮を自分の車の前に出しちゃ」
 キュルルルルルッー!
 音声の代わりに華麗なスピン音が鳴った。
 レイダーたちに合わせ真面目にスピード出す事へ専念していたその車体は、回転しながら直線距離をどこまでも走るというか滑っていく。
「――は? 嘘だろこっち来っ」
 ゲニウスの滑った先には、粘液でまだ動けずにいた陽太とそのバギーが在ったり。
 突然のことに、先程までの雰囲気をすっかり霧散させ、表情豊かなビックリ顔を向ける陽太に、座席で祈りか謝罪か、両掌を合わせているゲニウスの姿が微か見えた気がした。
 互いになすすべナシ。
 二つの音声がほぼ同時に途絶えた先で、ぱたぱたとエビたちの飛空音が軽やかに鳴っていたとか。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

夜刀神・鏡介
俺が本格的にバイクに乗るようになったのは最近だが、思い切り走りたいって願望は分からないでもない
が、流石にフルスロットルの元に加勢するのは放っておけないしな
悪いが始末させてもらう

自前のバイク『八咫烏』に騎乗して、まずは全速力で駆け抜けよう
褒められた行いではないが、レイダー相手だしちょっと煽るように運転をして、勝負を仕掛けてくるように誘導

いい感じにカーチェイスが始まって、敵が攻撃を仕掛けてきそうなら、此方も刀を抜く
燃料タンクを投げつけてくる前に、壱の型【飛燕】の技で斬りつけ叩き落とす
そのまま追撃して火花でも起こせば、敵のバギーごと大爆発

俺はその爆発を背景に、バイクで思いっきりジャンプして離脱



 剣豪とは得てして視力が良い。言い方を変えれば目で捉えるより先に、気配や直感が掴んだ情景情報を即座に脳へ送るのであろう。
 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)の視界にほんの一瞬のみ映って、気付けばフェードアウトしたバギーたちがあったわけだが、その情報もしっかりと脳へ電気信号となって送られたところであった。
 ――先程クラッシュしていったのは……いつぞやの、掴みかかってくる戦車の場に居た者のような……。
 ふとそう思案するも。
「いこうか、『八咫烏』……今は俺に出来る事をしに」
 仲間を信じているからこそ、己が足手まといになってはならない。
 自前のバイクをひと撫でしてから、本格的に走るようになってまだ幾何とは思えぬ流れる動作で、あっという間に速度アップさせた。
 こちらのエリア一帯を占めるレイダーたちが、一斉に鏡介の姿を捉える。
「よぉよぉにーちゃんイイモン持ってんじゃねーか!!
 だがそんなお上品な走りで俺らをかわせると思うなよぉ!」
 ほぼチンピラな絡みで、レイダーたちが鏡介へと追いついてくる。
 ――言葉が通じる分、煽るのが有効か。
 伊達にアニマルなレイダーたちを相手にしていない。むしろ人型に安堵すら覚えながら、鏡介は不敵な笑みを作ってみせる。
 瞬間、真横についていた敵のバギーをあっさり追い抜き、しかしあえてそのフロントすれすれを走行した。抜けるものなら抜いてみろ……暗にそう示すように。
 レイダーたち、まんまと闘争心に火がついた。
「舐めるな……! こちとらスピードに命かけてんだ!
 てめぇを抜いて仕留められるんなら誇りってもんだぜ……!!」
 敵の一人がバギーのエンジン音を大きく高鳴らせた。
 ――その願望、その誇り、分からないでもない……が。
 こちらにも譲れないものがある。
 命を奪うために剣を振るう時、それは心を鬼にし一切の迷いを搔き捨てる時――“あの頃”持っていなかった強さを胸に。
 再び真横へつけてきたレイダーへ、躊躇う事無く鏡介の刃が翻った。
 壱の型【飛燕】。
 燃料タンクを投げつけようと振り上げられたそれへ、鉄剣が白金の弧を描き下から上へと跳ね上げられた。
 レイダーの手元を離れる瞬間、タンクは真っ二つに切断される。
「覚悟は認めよう……一思いに、散れ」
 重心を動かしても安定した走りを続ける八咫烏へその身を預け。鏡介は両手を離し、鞘と剣先をこすり合わせ火花を起こせば、それを纏ったまま追撃を繰り出した。
 火花が引火スイッチとなって、タンクからレイダーとバギーを巻き込んだ大爆発を生む。
 すかさずアクセルへ両手を握り込み、爆発を背に合わせバイクにての跳躍でその場を離脱する。
「あとでちゃんと手入れしてやるからな」
 八咫烏と鉄剣へ、剣戟放った時とは表情を一転させた穏やかな声が落とされるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

灰神楽・綾
【不死蝶】【1】
この前はバイクに乗ったから今回はバギーにしようかな~
ほらほら、梓も乗ろうよ
レイダーたちもどうせ無免許だろうからへーきへーき

というわけでバギーに乗り込んでよーいドン
走りながらバギーに搭載されたガトリング砲をぶっ放して
敵の意識を俺へと向けさせる
さっきのはちょっとした挨拶さ
ここからは正々堂々と勝負しようじゃないか
格好良く宣戦布告

レイダーたちがいい感じに集まってきたら
UC発動、炎属性のオーラのナイフを生成
念動力で操り、敵の群れに向けて一斉に放つ
狙いは彼らの身に付けた燃料タンク
炎を纏ったナイフがそれを貫けばどうなるか?
ドッカーンだよ
一つが爆発すれば周りの燃料タンクにも引火してさぁ大変だ


乱獅子・梓
【不死蝶】【2】
え!?俺は別にいいって!
ほら、バイクもバギーも免許持ってないし…(真面目

綾に押されて結局俺までバイクに乗ることに…
綾が敵の意識を引きつけている間、
俺は「追いつく気はありませんよ」な適当な速度で追いかけて
時が来るまでやり過ごす

綾の作戦が成功したら俺の出番だ
UC発動し、水属性と雷属性のドラゴンを半数ずつ召喚
派手に燃えてんな、消火してやろうじゃないか
広範囲に水属性のドラゴンのブレス攻撃を浴びせ
レイダーたちや地面を水浸しにしてやる

だがこれで終わりじゃないぞ
続いて雷属性のドラゴンのブレス攻撃
濡れた身体に電気はよく効くだろう?
こうして辺り一帯のレイダーたちを一気に片付ける



 悪徳の都――その名の通り無秩序で混沌とし、法などないも同然である。しいて挙げるとすれば、強者こそ正しい、ということであろうか。
 そんな無法地帯のど真ん中で耳を澄ませば、大変真っ当な言の葉が眩しく浮くように響き渡る。
「だから俺は別にいいって! ほら、バイクもバギーも免許持ってないし……」
 どのような悲惨な戦場を経ても変わらない、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)のいつも通りな姿勢を楽しく受け止めながら、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)はそれでも尚推し進める。
「レイダーたちもどうせ無免許だろうからへーきへーき」
「そういう問題じゃねえって!」
「俺はこの前はバイクに乗ったから、今回はバギーにしようかな~。
ほらほら、レイダーたちに俺たちがよそ者だってバレたみたいだよ、こっちに来そうだ――というわけで、よーいドーン」
「あっ! こら待て綾っズリィぞ!」
 ひらりとバギーへ乗り込んだ綾がとっととエンジンキー回したのへ、まんまと流され手近なバイクに跨る純粋な男一名。
 一足先に加速した綾の後姿をサングラスの下でジト目するも、相棒が何をしたいか、己へ何を求めているかはもはや阿吽の呼吸。
 ――陽動はアイツの十八番みたいなもんだしな……。
 エンジン音を唸らせては、聞こえるか分からぬその背へ了承の合図としては、梓もあえてスピードを抑えて走らせ始めた。
「あれ、速すぎたかな……ってああ良かった、ちゃんと来た来た」
 建物の間を、悪徳の都に相応しく縦横無尽にバギーで飛ばす綾の視界、後方からレイダーたちの群れが追いついてくるのを見とめ口角を上げる。
 まだ数体が梓の方を追うか図りかねている仕草見つければ、座席から手を伸ばし搭載されたガトリング砲の引き金を遠慮なく引いた。
 ドガガガガガッ!
 無数の弾丸がレイダーたちを挑発するようにわざとスレスレ近くへぶっ放される。
「ッッヤロウ!! 片手間に俺らを倒せるとも抜けるとも思うな!」
「勿論そうだろうねぇ。いいよ、ここからは正々堂々と勝負しようじゃないか」
 綾の狙い通り敵の意識が全て自身へ向いた様に、にっこりと微笑みハンドルを握り直す。
 宣戦布告を受け止めねばレイダーが廃る! とばかりに敵のバギーたち、全力で綾を抜く事へ集中し出した。
(成程あっちか)
 ガトリング砲の派手な音に耳を澄まし、追いつく素振りみせず綾からもレイダーからも視界から消えてみせていた梓は、微かスピードを上げ建物を死角にしながら回り込む。
 運転に慣れてくれば風が頬や耳を心地よく打った。そのうち、その風の中に独特な燃料の匂いをかぎ取って、そろそろ仕掛けそうだと、梓はスピードを上げた。
「――もういいかな」
 幾台ものバギーを尻目にし呟かれた瞬間、風を切る綾の周囲に数多の紅蓮が出現する。
 UC【マスカレード・ブレード】。
 それは炎のオーラで生成されたナイフ群。
 目を見開いたレイダーたちが慌てて背に背負う燃料やノズルに手をかけるも、コンマで綾の動作の方が早かった。
 念動力を駆使し操られた紅蓮の刃の雨が、一斉に、的確に、その燃料タンクたちへ降り注いだ。
 辛うじてバギーを操り躱す者もいた中で、一つのタンクに深々と赤い刃が突き刺さる。
 ドォ……――――ッカーン!!
 炎が丸く収縮したかと思えば、一瞬にして膨張し大爆発を引き起こした。
 そうして次に起こるのは引火の連鎖。群れていたバギー、密接していたレイダーたちのタンクへ次々に炎が燃え移りあちこちで同等の爆発を生みだす。
「さぁ大変だ」
 燃え盛る火の海を見つめる視線は、昔であれば喜々として残酷な光を放っていたであろうか。
 しかして今の綾の瞳には、逃げ惑うレイダーたちの姿がくっきりと捉えられ、けれどそこには非情なだけでは無い色が浮かんでいた。
 もうちょい耐えてみせてごらん。火だるまよりはマシな目が待っているかもよ、なんて。
 赤々とした色を称える綾のサングラスに、蒼と黄金色が混ざったのはその時だった。
「出番間に合ったか!?」
「ぎりぎりかなー」
 ドルルルッとドリフト切って角から現れた梓のUC【竜飛鳳舞(レイジングドラゴニアン)】を見つけ、満面の笑みとなる綾。
「おう派手に燃えてんな、んじゃ消火してやろうじゃないか」
 UCで形成されたまた何体ものドラゴンたち。その内の蒼を司るものたちが、炎の海に向けて同時に水のブレスを撃ち出した。
 赤が青で塗り潰される。
 焦げ尽くしたバギーの上で、どうにか根性で蠢く数名のレイダーたち。
 未だ敵意を纏っているその姿を見つめ、水浸しになっている一帯を確認し。
「流石、中々しぶてぇな。だがこれで終わりじゃないぞ。奴隷たちの受けた屈辱はきっちり返してやらねーと……な!」
 言ったと同時に、金色のドラゴンから雷撃ブレスが放たれる。
 この場で水を浴びていないレイダーもバギーもいなかった。ゆえに、雷は余すことなく浸透し機械へも生身へも浴びせられた。
「濡れた身体に電気はよく効くだろう?」
「梓のそういう優しくて容赦ないとこ好きだなー」
「おいどっちだ」
 すっかり一網打尽に失神した一味を見回しながら。二つのサングラスは同じ景色という色を映す。
「頑張ったらお腹がすいたね」
「そうだな、っていやお前今回ろくに体動かしてないだろう、乗って楽してただろ」
「神経とか集中力とか使えばお腹はすくでしょう。帰ったら梓の手料理手料理」
「俺作る前提じゃねーかっ。最近食い過ぎじゃないのか!」
「梓のご飯が美味しいのがいけないんだよ。ほら俺成長期だし~」
 レイダーたちをコテンパンにしたとは思えぬ、のほほんとした会話が悪徳の都内で繰り広げられていたとか。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

櫟・陽里
オーケー相棒、フルスロットルだ!
小物相手に大人気ないかね?

思いっきり走って良いなんて最高の依頼じゃん!
速さってのはマシンスペックと操縦者のテクニックの両方が必要なんだぜ
さぁ俺と闘いたいヤツは現れるかな?

とりあえずエリア内を走ってる車両全てをサイバーアイで観測
把握、予測、思考はレースには必須
はっはー、楽しいねぇ!
ユーベルコードを発動し
全てを避けて全てを追い越し全てを振り切る!

しっかり力を見せつけたところで反転
悪ぃがこれもお仕事なんで!
敵の合間をすり抜けながら
持ってた拳銃で敵の燃料タンクを撃ってまわる
楽しませてもらったぜ、あんがとな!



 同気相求む――レイダーたちは第六感を得た。今この時、音速を競うに値する相手が現れたと。
「はっはー! 思いっきり走って良いなんて最高の依頼じゃん、なあ相棒!」
 初めて訪れたとは思えぬ走行で、まもなく悪徳の都内の路を網羅しようとしている櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)とその相棒バイク『ライ』が在った。
 ヘルメットからの視界内、半透明に映る液晶ナビから地形を把握し、研ぎ澄まされた集中力にて一度走行した路を瞬時に記憶する。この幅の狭まったコースでは、あの急カーブでは、などと起こり得ることすらも予測して。
「オーケー相棒、絶好調のイイ走りだ。しかしいきなりこの速さでいるのは大人気ないかね」
 追ってくる奴はいるだろうか。
 一抹の不安が陽里によぎるも、それはすぐに杞憂だと分かった。
 振り向かなくとも感じる。敵が、競争相手が、もう背後に現れたことを。
 珍しくも、レイダーたちから叫ばれる言葉はなかった。ただただひたすらに、目の前の相手と限界突破の勝負をするのみ。そう互いに感じていたゆえに。
 ――いいじゃねーか、そうこなくっちゃよ。
 フルスロットルだ!
 いくつものエンジン音が同時に高鳴る。
 都をレース会場とすれば、コーナーリングでバギーがライへと衝突する勢いでインコーナーを責め立て、障害物の多いコースでは一瞬の隙に段差を利用したライが大ジャンプでバギーを上空から追い抜く。
「はっはー、楽しいねぇ!」
 一時は同志を見つけノリノリで競っていたレイダーたちだが。
 経験値が、マシンスペックが、総じてテクニックが、陽里とはあまりにも差があると間もなく気づく。
 あれは魂すら捧げたマシンだ。生命燃やした走りだ。
 まだ辿り着けぬ頂を目の前でまざまざと見せつけられたレイダーが一人、また一人と戦意喪失していく。
「ふ、ふざんけんな! あんな野郎に負けるはずはねえ! そうだ、最後まで走り抜いている奴が勝者だ……!」
 夢も限界もプライドもかなぐり捨てた一部のレイダーが、暴走を開始する。
 タンクに繋がるブースから粘性のある燃料を、陽里とライへ放射した。
「へ、足掻くのも否定はしねえけどな、それすら単調な走りだぜ!」
 UC【Over the Top】により、陽里の予測能力や動体視力が極限まで高められれば、華麗にライを操り四方から飛んでくる燃料を回避する。
 レイダーが唖然とする中で、直線距離をぶっちぎったライがゴールかの如く路を突き当たった所で停止した。
「さぁて。しっかり力を見せつけたところで……悪ぃがこれもお仕事なんで!」
 一瞬で反転した陽里が、ライが、自分たちへ向かって逆走行してくるのへすっかり統率を乱すレイダーたち。
 無茶苦茶に振るわれる燃料の雨をシールドで弾きながら、巧みにすり抜けて。
「楽しませてもらったぜ、あんがとな!」
 拳銃「PPtoWin」を、スピードに乗ったまま敵のタンクへ次々と撃ち込んだ。
 レース終了の花火が陽里とライの背後で爆ぜるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

レイ・オブライト

フレーム剥き出しのイカツイマシン

武器に頼る気もねえが、くっついてるのは火炎放射器
ヤツらが毎度無駄に噴かしてるコイツにロマンを感じねえといや嘘になる。無駄だが
後方へ火を噴射させつつ競う
前につけられた方が消し炭になるデスマッチ。ちなみにオレの運転技術だがクルマの止め方は知らねえ、アクセル全開のみ
カーブも同様。障害は『覇気』で殴りつけ破壊し直進、敵UC含め多少破損しようと
【UC】移動↑ 装甲↓
飛び散るパーツを念動力で雑に呼び戻し、歪なゾンビマシンとして走り続ける
肉体の損傷もVエンジンの回転で同様に呼び戻せる継戦能力
この走りに並べる賊なら敬意を表し殴り倒し
後ろで日和ってるようなら、焼却でさようならだ



 “それ”は幾度も壊れ、倒れ、修理された姿。
 内部機械を守るフレームももはや付け直される事なく、その魂を晒すように剝き出しな機体。
「――そうだな、お前にしよう」
 いくつかあったバギーの中から、あえてレイ・オブライト(steel・f25854)が選んだのはそんなバギーだった。
「走れるならそれで十分だ。余裕でオレを乗せられるイカツさも良いんじゃねえか」
 まるで昔からの相棒に話しかけるテイで。早速現れたレイダーたちもろとも引き連れ加速した。
 一台、また一台と己を取り囲みだす同車体のバギーたちをチラリ見てから。
 おもむろに背後に備え付けられていた火炎放射器を、レイダー狙うでもなくただ後方へ、盛大に噴射させた。
 レイダーたちがにわかに騒ぎ出す。レイの意図を読み取ったのだ。
 ――ヤツらが無駄に噴かしてるコイツにロマンを感じねえといや嘘になる。
 何に対しても興味は薄い自覚はあれど、男としてか、本能からか、心ざわつく物が時にあるのも否めない。
 なら今回コイツを無駄じゃなく使ってやろう。
 レイダーたちも次々と、レイに倣って火炎放射器をバギーの逆噴射として放ち出した。
 それはデスマッチへのいざない。互いが了承した。
 開始の合図などなく、もはや誰にも止められぬスピードと死の世界へ。
 レイが油断していた一台の前へとつけた。
 途端、逆噴射している火炎がうねりをあげて真後ろのバギーへ引火し燃え上がった。
 己も抜かれればこうなるという事。
 いっそ羨望すらある。
 全てを大地へ、空へ還す炎見つめる瞳に、一瞬熱を込めて。
 けれど覚悟を賭して生きるデッドマンは、すぐに前を見据え次なる敵を葬りに走った。
「こうなることを望んでるかは知らねーが。オレを載せたのが悪縁だ、付き合ってくれや」
 時に燃料タンクで、時に体当たりで走行を妨害してくるレイダーたちの攻撃に、自身のバギーから次々部品が剥がれ落ちたのを見て取ると、言の葉にのせてUCを発動させた。
【Relic(ワンダーラスト)】
 ひと撫でしたバギーに即席の奇跡が宿る。念動力で呼び戻された飛び散ったパーツたちを、なけなし程度に装着しながらも、レイを乗せたバギーは速度落とすどころか乗り手の意思通りに速度を上げた。
 突き出した障害物は究極に鍛えられた『覇気』の拳によって破壊され、ひたすらに加速を繰り返す。
 レイとそのバギーは決してブレーキを押すことは無かった。建物も、罠構え行く先で待ち伏せした敵のバギーも、自分たちの損傷と引き換えに打ち砕く。
 防御も忘れた拳は次第に蓄積されたダメージにて動きが鈍くなるも、それは体内のVエンジンによりすぐさま動力という電気信号を呼び起こし、動きを止めることは無かった。
 歪なゾンビマシーンと前だけを見据えるデッドマンの、鬼気迫る走りという闘いにいつしかレイダーの数が減っていた。
「日和ってるヤツに用はねえ」
 とうとうスピード落とし戦線離脱しようとするレイダーたちに、見た目動くはずのない一人と一台から、最期くらい命を燃やせと火炎が浴びせられた。
 自分たちにはない、たった一つの鼓動潰える輝きが暫し見守られるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

叢雲・源次
【義煉】
【2】バイク

正直この脚(サイボーグ体)のが速いのだが…まぁいい
つまるところ、相手の土俵で完膚なきまでに叩き潰せばいいのだろう?

クロウ、先に言っておく。俺はペーパードライバーだ

加減は利かんぞ
(ノーヘル、2ケツ、スロットル全開。道交法クソくらえなルール無用の走りが炸裂する。舞い上がる土煙や白煙は攻勢防壁で防ぎつつ、インターセプターとアナライザーで常に敵を捕捉)
服の事を気にしている暇があったらさっさとやれ

(炎獄機関出力上昇。エネルギーバイパス、右義眼へ接続完了)
<< RDY_GUN >>
(右義眼より収束眼光を連射モードで使用。右眼が煌めくたびに熱線が瞬く)
やはりヘルメットは邪魔だったようだ。


杜鬼・クロウ
【義煉】

閃墨(八咫烏)に乗ったら余裕で俺が勝っちまうからなァ(凄い自信
勝負は時の運だが
白熱した戦い、上等だわ
俺もギリギリの勝負をしてみてェ

付き合え、源次(いつもの。首根っこ掴む
今だけ俺専用の運転手に任命してヤる(運転無理な為
男なら浪漫を求むる時もあンだろ?ン?
ヘルメット無しかよ…(お前も愉しんでるじゃねェか
ガンガン飛ばしてけや

バイクに2ケツ
粘性の燃料に眉顰め

運転荒過ぎねェ?ハ、振り落とされるなってか
う、源次避けろ!
ちィ、うざってェ…俺の自慢の服汚しやがって

UC使用
敵本体を狙い毒効果で運転操作を狂わす
その隙に黒焔を剣に出力し、片手は源次に捕まったまま一刀両断

目指すのは当然
俺達なら限界のその先まで



 至る方向から爆発音の轟く悪徳の都。
 仲間たちが派手にヤッているのだろうと察すれば、杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)の夕赤と青浅葱が鮮やかに燃え出す。
 落ち着いた深緋を変わらず浮かべる叢雲・源次(DEAD SET・f14403)は、その隣ですでにインターセプターと右目のアナライザーを駆使し、周辺情報を探索しながら。
「……俺たちからした死角、後方の路地奥に集まりつつあるな。こちらを捕捉されるまであと10秒内といったところか」
「負けん気強くて結構じゃねェか。限界を定め無ェで挑み続けてる輩はキライじゃねえゼ。俺もギリギリの勝負をしてみてェ。よし付き合え、源氏」
「正直この脚のが速いのだが……まて、当然のように首根を引くな」
 スタスタと源氏を引っ張り、自らを待っていたかのようなバイクにつけばクロウはあっさり跨った。後部座席へ。
「俺とて閃墨に乗ったら余裕で俺が勝っちまう。どうせなら白熱した勝負ッてのがオツだろ」
「で。運転役は俺か」
「今だけ俺専用の、な。男なら浪漫を求むる時もあンだろ? ン?」
「浪漫かは知らんが、まぁいい。つまるところ、相手の土俵で完膚なきまでに叩き潰せばいいのだろう?」
 言うが早いか、クロウの前へと乗り込んだ源氏、ノットヘルメット・2ケツに何のツッコミも入れぬまま颯爽とエンジン音轟かせ一気に走り出した。
 源氏たちのスタートダッシュとほぼ同時に、後方から歓声とドリフト音鳴らせながらレイダーたちが現れる。
「HEY! まさか二人載せた機体で俺らを抜けるなんて思ってねーよなあ!」
 挑発台詞をまき散らしながらも、そのトーンは嬉しそうである。臆する事無くグングン加速する標的に、レイダーたちのテンションは上がる一方な様子。
 あっという間に後方につかれるも、源次の操縦に一切の乱れは起きない。カーブでもろくにスピード落とさず土煙や白煙を舞い上げれば、何の合図もないまま攻勢防壁という斥力場にて自分たちをガードするのを、クロウは後ろで呆れの吐息一つ。
「中々にお前も愉しんでるじゃねェか」
「クロウ、先に言っておく。俺はペーパードライバーだ」
「こんな走りすでにしといて先もペーパーも何もあるか。気にすンな、ガンガン飛ばしてけや」
「――加減は利かんぞ」
「俺が居てする必要あンのかよ」
 にっ、と口角上がる気配を読み取ると、源次は是と応える代わりに思い切りアクセルを押し込んだ。
 レイダーたちから驚愕の声が上がる。今以上に加速し、あまつさえ二人乗り状態であれほどに、自分たちを躱す精密な捌きっぷりをみせられるとは思ってもいなかったのだろう。
 隙を突かれた逆切れにて、レイダーから粘性の燃料が源氏のバイクへと吹きかけられる。
 常にアナライザーと同期していれば、寸でで源次のハンドルがバイクへそれらが当たるのを避けた。
 が。
「俺もバイクの一部と組み込んどいてほしかったもンだ……ちィ、うざってェ……俺の自慢の服汚しやがって」
 後部にいたクロウにはバッチリかかったようだ。
 ベタつきのあるそれらが上質な艶浮かぶ生地を台無しにしたのを、眉顰め細目で見下ろす。
「服の事を気にしている暇があったらさっさとやれ」
 ブォンッと切られたエンジンが急カーブを利用し、ほぼ180度その車体の向きを変えた。
 しっかりと後部を握り締めながら、クロウは大剣に手をかける。
「ハ、振り落とされずにやれってか」
 暗に容赦ない要求をする友へ、けれど喜々として応えるように刀身を振り上げた。
 五色の煌めきが主君に従うが如く翻る。
 クロウの動き、その呼吸に合わせ源次がこの一瞬、傾きを安定させた。直後、クロウは片手を源次の肩へしっかり掛けてその大魔剣を撃ち下ろした。
 UC【滅鬼伝阿修羅流「八ノ型・死の沈丁花」(シノセンリコウ】。
 優美に踊る花弁は死への誘い。敵が見惚れた瞬きの時、剣閃は群れていたバギー全てを両断した。
「めげずに食いついてきたのは褒めてやらァ。潔く奈落に堕ちな」
 仲間を盾にし免れたレイダー数体へ、花から香る最期の毒が回る。
 奴隷を苦しめた時点でテメェらに義は無ェが。真っ向からキタ者と卑怯者、因果応報の差ッてのはあって然るべき――だろ?
 風を切って真横を通り過ぎたクロウたちを追おうとしたレイダーは、次第に黒焔を帯びあらぬ方向へ車体揺らせば、互いに衝突し動かなくなった。
 再び加速促したバイクを目ざとく見つけ、別のレイダーの一群が今度は正面から現れるのへ、源次はしっかりと手に力を籠めれば。
「<< RDY_GUN >>」
 地獄の黒蒼い炎が心の臓から体をつたい、右の義眼へと集束されれば、閃光となって放たれた。
 UC【収束眼光(メーザー・アイ)】は眩い線を描き、鉄の車体を貫く。貫く。貫く。
「ッて連射かよ。目からビームもある種男の浪漫だ、奴らも本望だな」
「……お前の浪漫の基準が今一つ分からんな。しかしやはりヘルメットは無しで正解だった」
「ノーヘル推奨だな源次」
 法などないこの都に限り。
 互いに同調する空気を醸し出して、その速度を心地よい風に変えていく。
 またどこかで鳴り出したバギーの走行音に、クロウは自然とバイク上に立っては、両の手を運転手の肩へと添えた。
「目指すのは当然、俺達なら限界のその先まで」
 付き合ってくれンだろ。
 源次の耳にそう響けば、引き結ばれた唇に微か弧が浮かぶ。
「それは願いか」
「『叶うのを待つ』ンでなく『自ら叶える』って意味でなら、そうだな」
 ――誰かが言っていたか。願いとは所信表明に似ていると。
 成程と意を得れば万理一空の下。迷いのない二つの影が一体の獣かのように、暫し都を縦横無尽に駆け抜けていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月17日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵