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あっちこっちでバカ騒ぎ!遂に登場「チンパンパン」?

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「事件だよ。チンパンパンだって」
 ――なんて?
 開口一番に告げられた、しかも彼女のイメージからは想像もつかないお間抜けな単語。
 その度合いこそ様々なれど、集まった猟兵達の目が点になる。
 或いはフリーズの跡に首をかしげる。
「言いたい事は分かる、分かるけど……取りあえず説明をね」
 彼女の方も色々と言いたげに、そして頭痛がしてきたらしい頭を押さえながら。
 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は説明を開始した。
 疑似ARのホログラフに映っているそれは――何だろう、猿?
 いや正確にいうならば。
 パンツ一丁でパーティー帽をかぶり、さらにカラフルなメガホンを手に持つ……という、実に奇妙な格好をし【チンパンジー染みた何か】がいる。
 普通のチンパンジーは知能も高く人に近いともいわれるほど。
 なのだが、このチンパンジーは何だろう――正しく人が真っ先に思いつくだろう猿のイメージそのものなバカさ加減だった。見た目からあふれ出ていた。
 ……目も微妙に視点が定まってない。はっきり言って色々と“ヤバい”相手に見える。
「こいつが件のチンパンパン。見た目は、その、お世辞にも脅威とは思えないんだけど――」
 そう、見た目は脅威ではない。問題は彼らが使ってくる特異な【音波】にあると、フロッシュは説明した。
 思考回路を乱してしまうそれは、まともに受ければ恐ろしいことになるという。
 その恐ろしい事とは……!
「――バカになるんだ」
 思わぬその効果に……猟兵達の首が再びひねられる。
「だから【バカになる】んだよ。……例えば、宙に舞う紙きれをちょうちょだと思い込んで、笑顔で追いかけるようになったり」
 本当にそこまでの【おバカ】になってしまうのなら、これ以上恐ろしいことなどないだろう……ある意味。
「しかも頭が空な状態だから、色々教えられるがままに吸収し取り込んで――しかも逆らえないから命令もそのまま聞いてしまう」
 即ち、今回のオブリビオン達の狙いはキマイラフューチャーの住人をバカにしてしまい、自分達の目的を達する事なのだろう。
 外見だけ見ればものすごく珍妙で腑抜けているものの、割と洒落にならない事件だ。
 ならばと皆気を引き締め、フロッシュはしめの言葉を口にした。

「……あと最後に一つ――これ【猟兵にも効く】から注意してね。健闘を祈るよ」

 ―――今なんて言った?


青空
 オバカになれる依頼です。……はい、この一文で説明が付きます、そんなネタ依頼です。
 第一章、二章ではキャラ崩壊必死な目に合いかねないので、其処ら辺くれぐれもご注意を。
 おバカになりたい方、ハッチャケたい方、参加歓迎です。
「敵味方問わず騒ぎを止めるツッコミ側として参加したい」という方も勿論OK!
 なので今回は、

 ハッチャケたい方→『▼』
 ツッコみに入る方→無表記(アドリブOK 等を除く)

 ――との明記を忘れないでください。
 また第二章でもまた【音波】が出る他。
 第一章でかかった方は、まだオバカのままで居るか、それとも正気に返ったかは個々人の判断にお任せします。
 第三章は皆さんのオバカ化も解けているので、思う存分鬱憤をぶつけちゃって下さい!

 それでは皆さん、冒険の時間です!
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第1章 冒険 『ゴリラがいるならチンパンパンだ』

POW   :    チンパンパンの群れに潜伏する

SPD   :    チンパンパンの群れを潜り抜ける

WIZ   :    チンパンパンに知恵比べをする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


彼方此方でバカ騒ぎが起きている。
――ある者はコンコンして出て来たボールを手に決めポーズを取り続けていたり。
――ある者はフラフープを延々回しながら、サムズアップしていたり。
最早混沌だ。

その原因はチンパンパン達。
どうにかして止めなければならないだろう……物理で叩いてでも。

猟兵にも効く音波、というとんでもないものに気を付けながら――急ぎ自体の収集にあたる猟兵達。
……彼らは果たして、正気のまま任務を終えられるのだろうか……?
神羅・アマミ

フォローこそ入っているがバカをチンパン呼ばわりってガバナンスだのコンプライアンスだの横文字が叫ばれる今の世の中では結構ギリギリじゃよな。

…というように妾はネットでリテラシー積んだIQ3000を誇る知性派なのでチンパンパンの群れに潜入し知能指数が半分になろうともまだ1500残る猛者なのじゃ。

し…しかし群れに潜入せよとは言われたが何をしろとまでは指令を受けておらん気がするぞ!
へへへ…うひゃー!あの雲って綿菓子みたいで美味しそうじゃのー!妾、自分が甘い物苦手って設定も忘れちまいそうじゃぜー!
キマイラってその辺コンコンすると食べ物出てくるんじゃろ?道端にかりんとう大量生産されたら大惨事じゃなかろか…




 彼方此方で笛の音?がなり、パンツ一丁のチンパンパン達がぴょこぴょこ跳ね回っている。
 見かけたキマイラフューチャーの住人達へと、片っ端から思考回路錯乱の音波を放っているようだ。……お陰で回りは大混乱である。
 しかもオバカ状態になってしまっている所為で、騒ぎ方があまりに珍妙、且つ止める者すらいないという全力でブレーキぶっ壊れな状態。
 ――この事件の沈静化を図れるものなど、最早猟兵達しかいないだろう。
 そんな混沌のさなかに、まず飛び込んでいくべく降り立ったのは、羅刹の少女。
 白くもきらめく灰色の髪に、赤い瞳の生えるバーバーリアン・神羅アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク)である。
「しかしバカをチンパン呼ばわりとは……」
 少し呆れたような表情で、先の件や説明を思い返しつつ。理知的な風にアマミはチンパンパンの群れを見やっては呟く。
「フォローこそ入っていたが、コンプライアンスだのと横文字飛び交う今世では結構ギリギリじゃよなー」
 どちらもけなしてしまうかもしれない、その単語が引っ掛かっていたらしく……うんうんと頷き彼女は続ける。
 老々とした雰囲気に相応しき、その知の力を持って。

「――というように妾はネットでリテラシー積んだIQ3000を誇る知性派! たとえチンパンの群れに突撃し、知能指数が半分に落ちようとそれでもIQ1500! 猛者たる妾にかかれば大事ない!」
 ……あくまで【オバカになる】のであり【知能を明確に半分にする】とは言って無かった気もするが、兎も角自信満々に突っ込んで行くアマミ。
 否、突っ込んで行こうとした。
 だがここで致命的な事に気が付いてしまう。
「そう言えば何をしろ、とは言われておらんかった気がする……」
 ――確かに『チンパンパンが出た』とは言われたが、『チンパンパンを○○しろ』とは明確に口にはされていなかった。
 つまりは自由なのだろうが、これを普通に止めるのか、それとも混ざってみるのか判断が付きにくい。
 だが、害をなす存在なら止めねばとアマミは指針を固め再度駆け出――
「ウッキッキ~」
「あ」
 ――そうとして、プアァーン!と妙に抜けた音をカラフルメガホンから放ってきた。考えてしまったことが仇になったのか、諸にそれを受けてしまう。
 するとどうだろう……先までキリッとしていたアマミの顔が、妙に腑抜けた者へと変わってしまったではないか。
「まあ何しろと言われたわけではないのなら、混ざってハッチャけても良いって事じゃ!」
 カオスに混ざり更に加速させるという行いに、ツッコミ入れる者はいる筈もなく。アマミは空を仰ぎ見てぴょんぴょん跳ねまわり始めた。
「うっひゃー!ほれ、ほれあの雲綿菓子みたいでおいしそうじゃのー!!言い焼きっと綿菓子に違いない……妾が残さず取って見せるんじゃぜー!!」
 甘いものが苦手なはずの彼女が、雲に向かって必死に手を伸ばしながら全力ジャンプ――なにも厭わず飛び跳ねて、あっちこっちに頭をゴンゴン。
 それでもかまわずのけぞって跳べば、今度は地面とこんにちは。
「うおおぉおおお綿菓子いぃぃい!! 綿菓子大量生産!!」
 ……言いながらコンコン叩きまくって周りからお菓子を取り出す。
 しかし出てきたのはかりんとう。まごう事なきかりんとうだ。
 けれど暴走止まらずアマミはコンコン。どころか最早バンバンな勢いで叩きまくり、綿菓子じゃなくかりんとうを大量生産。
 ――当然ながらこんなに叩けば何が起こるかは自明の理であり。
「ってぬわああぁぁぁ!? わ、綿菓子の化身の暴挙じゃぜー!!!」
 ドバッっと流れ出る、THE・かりんとう津波。
 思いっ切り押し流されて行きながら、それでもアマミは空へと手を伸ばし続ける。
 かりんとうが口に入るのも構わず伸ばし続ける。

 ……だがこの綿菓子乱舞。
 なんと、チンパンパン達を思いっ切りかりんとうで押し流し、しかもアマミの大暴れに巻き込まれ消えていくという、怪我の功名を齎していた。
「綿菓子よ、この手に我が手にカムブァアアァァァック!!」
 そんなことは露知らず。
 我に返った際甘味で苦しむことも厭わず、まだまだアマミは空へと手を伸ばし続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー

(街や人々の惨状を見て)「......うわぁ」

もうこれ何をどうやったら収まるのかサッパリ分からない、ので当てもなく探索から始めるルク
「チンパンパンを見つけたら...説得...いや、ユーベルコードで...いや、うーん...」
などと考えていると音波を食らってしまう
ドサッと地面に倒れ込み、やがて起き上がったルク
「...とりあえず叩きましょう!」(ニッコリ)

ニッコリ笑顔のままPOW45で持てる限りの重いものを振り回しチンパンパンも市民も街も無差別に殴りかかります


ロート・カニーンヒェン
(POW)▼
とりあえず、ばか騒ぎなら任せろー!!(バリバリ)チンパンパンの群れに潜入だー。
とりあえず、チンパンパンー!サッカーやろうぜ!お前ボールな!!ドリブルを止まるんじゃねぇぞ!ユーベルコードを駆使した超次元サッカーを楽しむんだ!!(アドリブ歓迎です)




 かりんとうの津波が起きた。……そんな、見ても聞いても己の五感を疑うような光景が、今目の前で繰り広げられた。
 ついでに『俺はチョコレートの魔王様派である!』と言いながら思い切り半裸で飛び込んで――当然浅いので頭をぶつけてノビているキマイラも居た。更にノビながら平泳ぎしている……もうそこにかりんとう無いのに。
 というか魔王様じゃなく魔王様“派”なのは一体どういうことなのだろうか。別の派閥でもあるのか。
「……………えーと……」
 お陰で、今駆け付けた一人の少年猟兵――色鮮やか且つマスコットの様な体型のドラゴニアン、ルク・フッシー(普通の仔竜(じゃない))はただ茫然としている。
 そりゃあそうだろう。
 今別の場所で『これがアタシのブレイクダンス!』と言いながら豆腐を只管かき混ぜているバーチャルキャラクターも居るのだから、固まって当然だった。
「うわぁ……」
 そんな言葉しか呟けないルクはしかし、呆けていても仕方ないと己の心へ鞭を入れる。
 先ずは兎にも角にも、オバカ状態になっている物たちの沈静化より、元凶の【チンパンパン】探索から始めるべきだ。……と、そのセオリーを胸に一歩踏み出した。
 しかし探すまでも無く――どうやら騒ぎを聞きつけたらしきチンパンパン達があちこちから現れる。
「あ……!」
 何とかしないと……そう思い、ルクは合い様の絵筆を握った。

「ばか騒ぎなら任せろー!!」
 そこへ絶妙のタイミングで元気のよい声が割込み、ルクはビクッと二の足を踏む。
「ッ!?」
 視線を傾けてみれば……バイクをバリバリ言わせてそうな勢いで、レオタードの様な衣装を着込む、ヒーロー然とした外見の少女が突っ走って来るではないか。
 彼女もまた猟兵の1人。
 一本縛りにした黒髪を振り乱し――バーチャルキャラクター、ロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム)だ。
「ハハハ、私に任せれば万事解決!要するにチンパンパンをどうにかしてしまえばよいって訳だなー!」
 正にその通り。なのだが何故だろう……。
「大丈夫、私は負けない、負けるはずが無いんだ。あんな一山いくらにはなっ!」
 紡がれるその言葉を聞いていると、どうも……。
「だが万が一があった場合は……殺せ。潔く散りたい!」
 不安な気持ちがコンコンと湧き出て来る。
 現にルクもまた、言いようの無い【何か】を確り感じ取っていた。
 ちょっとまって――と、声をかけようとして。
「あの……」
「チンパンパンども覚悟! 突撃ー!!」
 声が小さすぎたか全く届かず、そのままロートはチンパンパンの群れへと勇ましく突っ込んでいった。
 その勢いや『流星』が如し。
 これはもしや、もしや……!
「ウッキキ~☆」
「ウキッキ~❤」
「はうぁ」
 駄目だったようだ。
 群れに突っ込んだせいか一斉に音波が飛び、避けようもなく真面に前から喰らっていた。
 嫌な予感が――フラグというそれが当たってしまったと、ルクが慌てて視線をさまよわせる。
「……よーしとりあえずサッカーやろうぜ! お前ボールな!!」
 言いながら蹴り飛ばしたのは【チンパンパン】。頭=ボールなのだろうか。
 もう既にオバカ状態になっているが故、音波の意味も無く、チンパンパン達はそのシュートに次々巻き込まれていく。
「ドリブル……止まるんじゃねえぞぉ!」
 ロートはまだまだ暴れ続ける。どこかで聞いたことあるようなセリフを口走りつつ、チンパンパン達を一纏めに思い切り蹴り転がしていた。
「チンパンパンをチンパンパンのドタマにシューッ!これが超次元サッカーだ!!」
 言いながら繰り出されるのは“両足ドロップキック”。
 パッカーン! とかなり綺麗にぶっ飛んでいくチンパンパン達。
 ……もう混沌とデジャブのオンパレードである。
 そして、どうもユーベルコードを発動していたらしく、その効果でロートは著しい身体能力向上効果を得ていた様子。もはや二重の意味で止められないだろう。

「――ハッ!」
 カオス再びに動転して意識が飛んでいたらしく、ルクが漸く我に返った。
 そのまま先までの目的を果たすべく、何とかしなければ! と奮起しようとして……気力の焔は瞬く間に鎮火していく。
 それもその筈――一体何をどうすれば収まるのだろうか、この状況は。
 弱冠13歳の彼にとって、このケイオス・ワールドに対し的確な対処法を出せというのは流石に高難易度すぎる。
「で、でも……チンパンパンは見つけた……」
 されど彼もまた猟兵。自分なりの手段でどうにか道を切り開こうと、ロートが暴れチンパンパンを吹っ飛ばしている隙に、考えを巡らせ始めた。
「まずは説得……でも、聞いてれるかな……ならユーベルコードで……でも反撃が……普通の攻撃、は危険がいっぱい……うーん……?」
 あーでもないこーでもない、と有効な手段を只管考え続けるルク。
 考え、考え、考えて――1つの答えが今彼の元へとやって来た。
「ウ~キッキャ🏁」
「あ」
 【音波】という思考放棄そのものな答え(?)が。
 哀れ、思考回路を乱されたルクは、バタリと地面に倒れ伏してしまう。
 そしてムクリと起き上がり……!
「取りあえず叩くのが一番ですね! ラブ&ピース&バイオレンス!!」
 物凄い良い笑顔でそこら辺にあった、棒状のものを思い切り掲げると、見境なく風車が如く、ブンブン回って振り回し始めた。
「どーですか!そーですか!!そーですよ僕が化身です!!あの!!あの化身!!」
 どの化身? などとツッコミは入る訳もなく、周りのチンパンパン達が次々と吹き飛ばされていく。
 ついでに住民達も巻き添えにして吹っ飛ばして行く。猟兵達はちゃっかり避ける。それでもチンパンパンは粒子と消え、市民達がムクリ起き上がるあたり、何とかなっていると言えた。
「さあ、あの化身としてあれやりますよアレ、荒れですよ在れ、あれあれぇ!!」
 まだ回る、まだまだ回る。まだ回る。
 ――と、其処へ逃げ遅れたチンパンパン達を一纏めにしたロートが、敵の塊を持ち上げて跳び上がり……。
「オーバーヘットシューーゥゥゥウト!! 超エキサイティン!」
 綺麗な両手組みのアームハンマーで思いっ切り叩き落してきた。
 それを狙って、ルフが回転で息を意を付けたまま振りかぶり……打つ――!
「ホームラン狙ってぇ!!」
「「「ウキキャァァ~~………!!」」」
 そのまま遠くへ飛んで行ったチンパンパン塊は、建物と何故か積んであったドラム缶にぶつかり、其処ら辺へ思いっ切りぶちまけた。
「ストラーイク!!」
「これで行けるねゴールドメダル!」
 もう何を目指しているのかが分からなくなりながら、大暴れを続ける2人組。 こうして、結果的にチンパンパン達を排除していくのだった。
 ――あと周りも破壊していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

片桐・公明

(ただし分身はツッコミに入ります)
(事前にUCを使い、被害のでないところに潜ましておく。分身の武器は日本刀)
(台詞は全て分身)

何するわけでもなく簡単に音波を食らう公明
猿を無造作に斬り殺しながら近づく分身
「いよう、大丈夫か。ってなんだ?その熱っぽい目は?」
公明は分身に思いっきり抱きつく
その後はひたすら百合百合(R-17.9 作者ができるギリギリを攻めてくださると嬉しいです)
「胸を揉むな!内腿を撫でるな!うなじを舐めるなぁ!」

分身は決して音波を食らわない
公明を抱えたまま回避して斬り殺す
「猿の分際で不意打ちかましてんじゃねえぞ。」

「こんな初登場嫌だ!」

本体:ひたすら楽しそうに、きゃらきゃらと大笑い


ルーレイ・バーンシュタイン
ああ、なんてこと。あっちもこっちも大変な有様。
私にどうにかできる案件なのかな?

ポンコツの汚名挽回をするのよ。
「既にオバカだから効果がないなんてそんなわけ……。納得いかないんですけどー!」
とにもかくにもユーベルコードで対抗する花を作り出し、頭に花を挿していく。
(アドリブ歓迎)




 ファインプレー……という名の超暴力により、周りのチンパンパン達も粗方なぎ倒されたが、しかして生き残りとて普通にいる。
 余りにも豪快過ぎて偶然、偶々残れたチンパンパン達が――仲間の安否も先までの“嵐”も特に気にすることも無く、再び音波を放ってはオバカ状態にしていく。
 先の騒ぎはどうも野次馬を集める類となってしまったらしく、一般人も一定数の凝っていた。
 ――とはいえ。
 チンパンパンの総数が少ない今、恐れるものなどそう無いだろう。
「おらおら、どいたどいたぁ!!」
 高い位置で止められた、藍髪のポニーテールを快活に揺らし、フォースブレイドを振り回しながら。
 新たな猟兵であるフォースナイト・片桐公明(Mathemの名を継ぐ者)がチンパンパン達を切り刻んでいく。
 音波を的確に避けながら、一閃し。
 また後ろに目が付いているかのように宙返りしてかわし。
 残ったチンパンパンの群れを尽く滅していった。
「ははっ、どうだ!!」
 ……しかし此処で疑問が残る。実は彼女、ここまで粗暴染みた口調などしていないのだ。
 ならば一体何が起きているのかと言うと、それはユーベルコード『邪悪なる別人格(アナザー・ダークネス)』が関わっている。
 その効果は闇に染まった自分自身を召喚するという物であり――要するに今ここにいる彼女は、公明であって公明ではないIFの存在にも似ているのだ。
「そろそろ狩りつくせそうだけど、油断は禁物だな」
 して本物は何処に居るかと言うと……今、役割分担という事なのか、チンパンパンの群れの真っただ中にいる。
 【Mathem842】と【臥龍炎】の双銃を構えて、闇の公明とはまた別の戦法で蹴散らそうとしているらしい。
 刹那、その銃口から熱閃が光る――

 ――前に、何をするでもなく音波を食らってしまっていた。
「ウッキャッキャ~🍔」
「っておいおい……?」
 何やってんだとフォースブレイドの出力を上げ、無造作にぶん回し切刻んでいく“闇の公明”。
 幸いすぐ辿り着けた為、一先ず顔を覗き込んでみる。
「いよう、大丈夫か?」
 問われて見上げた公明の目を見て、“闇の公明”の表情が突如、怪訝なものに変わる。どうしたのだろうか……彼女の目がどこか熱を帯びているように見えるのだ。
 オバカ状態になるだけなのだから、こうなる事は無い筈なのだが……。
「なんだ、何か有ったの――むおっ!?」
 しかもどういうことか。“闇の公明”の言葉をさえぎって、公明が思い切り抱き着いてきたではないか。
 本格的にどうしたのかと分身である彼女が、本体である彼女を引きはがそうとする。
 ――まさにその瞬間だった。
「はひゃ!?」
 ねろん、という効果音が似合うような動作で、いきなり項をなめとられたのだ。
 不意打ちに“闇の公明”も思わず奇妙な声が出てしまう。
「ちょっ、何やってん――んんっ……って待て待て!」
 二度も舐められまいと其処を押さえれば、無防備になった隙を突き今度は胸をもんで来た。
 いや仮にも自分そっくりの体だろう!?思い直せ!とそんな言葉を叩き付けようとする“闇の公明”だったが。
「ふわ……あっ……って内股、内股に手止めろ!撫でるな!?」
 最早どこをカバーして良いのか分からず、“闇の公明”は悲鳴を上げる。
 せっかくの登場なのに。何でいきなりこんな目に合っているんだ。
 もっと格好良く活躍したかったのに。
 こんな事する為に呼ばれたわけじゃないだろ、と。
 最早、目の前のチンパンパンより己の体の方が、一番のピンチに陥ってた。
 件の公明自身はキャラキャラ笑いながら――すっと目を細め、とうとう不味い所にまで手を伸ばそうとしてくる。
「た、た、助けてくれぇ!?」
 万事休す―――。

「私にどうにかできる案件なのかなって、そう思ってた――けど!」
 と、正にその時だった。
 間一髪のところで公明の頭に花が突き刺さり、ピキーン!と硬直した後に徐にバタリ……その場へ倒れたではないか。
「あ、危なかった……!」
 “闇の公明”がほっと胸をなでおろし、恩人へと目線を向けた。
 其処に居たのは彼女と同じくメガネをかけ、茶髪の髪を前髪ぱっつんにした一人の猟兵。――ルーレイ・バーンシュタイン(人間の探索者)だった。
「いや、何というか本当に危ない所だったわね」
 どうもユーベルコード製らしい花を数本手に持ちながら、ちょっと冷や汗をかきつつ、うんうん頷き近寄ってくる。
「……冗談抜きでな」
「ホントアッチもこっちも大変な有様ね……でももう数は少ないし、ラストスパートと行きましょう!」
 やる気にみっちあふれている彼女の脳裏には、いくつもの言葉が飛び交っている。
 大胆故にポンコツ、というその困った点を、そしてソレで根付いた価値観を返上すべく、内心激しく気炎を燃やす。
 意識を失った公明を抱える“闇の公明”は今派手には動けないのだし、援護役としてぴったりだろう。
「『一輪の花(ワンフラワー)』の使い道と効果はもう分かってる。音波の影響を中和できるみたいだから、投げ刺し手で刺し一気に行こう!」
「よおっし、なら止まった所をこっちが思いっ切りブッ裂いてやればよいな!」
 役割も決まり気合十分。
 そうと決まればまた一歩踏み出し、前衛後衛で進むのみ……。
 さあ反撃開始だ。

「ウキッ🍌」
「あ」
「って、ちょっと待てぇ!?」
 でもその前にルーレイもまた呆気なく音波を食らっていた。
 これには思わず“闇の公明”も公明を放り出さんばかりな勢いでツッコミを入れざるを得ない。
 ……どうなるかそれ自体は分からないだろう。
 だが、百合の花を咲かせようとするもの一名に、オバカ化してしまった一名。
 彼女らを連れて動くのは至難だ。――いったいどうすれば――!
「――って、アレ?」
「……え?」
「「「ウキキ?」」」
 と、悩む前にルーレイの様子がおかしい事に気が付き、場を静寂が包む。
 何が起こったのかと。
 よく見れば目の焦点もあっているし、普段通りの彼女に思える。
 そして受けた本人が目を白黒させっぱなしなのだから、明らかに変だ。
 一体どういう事なのか。
「ま、まさか……!?」
 その答えは、本人の口から語られた。
 曰く――。
「既にオバカだから効果がないなんてそんなわけ……」
 ――もう元々基準がそこなら、下がりようがないよね。という事らしかった。
「あ、そういう事かぁ!!」
「どういうことなの!?」
「そういう事だよ!!」
「え、そういう事なの?!」
 余りの衝撃に両者ともからオウム返しの応酬になり、ツッコミなのかボケなのかすらわからなくなってくる始末。
 ポンコツパワー……恐るべし。
「納得……納得、いかないんですけどー!」
 そこで開き直ったかそれとも理不尽に対してのやけっぱちを見せたか、すごい勢いでルーレイは走り回り、件の花を次々にぶっ刺していく。
 ポンコツとは思えない勢いで戦果を挙げてみせている。
「兎も角漸く反撃だなっと!」
 花をもらった“闇の公明”もまた、近寄ろうとするチンパンパンを回し蹴りで吹っ飛ばしては、投げ放った花を見事に命中させる。
 こちらも日と一人抱えているとは思えない動作だ。
「せーいっ!!」
 元々数が少なかったこともあり、速攻で始末し終え……最後の一匹にルーレイぶっ刺しものの数分で討伐完了。
 あとは此方の沈静化のみだと、住人達に花をブッスリして、ひとまずこの周囲の暴動を沈めていった。
 ――暴れている猟兵達には手が付けられないが、まあ彼等も戦士の一人。
 自然と回復してくれるだろう。
「取りあえずここら辺は終了、だよね?」
「みたいだな。じゃあボスでも探すか!」
 何とか抑え終えた“闇の公明”とルーレイは。
 被害を減らすため遠くに見える野次馬たちから遠ざからねばと、そう決心して離れ始めるのだった。


「「「ちょおおおおおおおおっとまったぁ!!」」」
 否―――離れられれば良かったのだが。
 どうもそう上手くはいかないらしい。
 第二ラウンド、開始の予感だ……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『雀牌戦闘員』

POW   :    国士無双
予め【異なる顔の戦闘員が14人揃う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    三元牌
【3人同時攻撃】による素早い一撃を放つ。また、【鳴く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    立直
【相手の行動を読み、作戦通りの攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【狙いすました一発】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「何という事だ、自慢のチンパンパン達が散っているではないか!?」
 真白の四角頭……いや、正確には牌頭の怪人が大仰な動作でそう告げる。
「だがこれで終わったと思ったならまだ甘い、我らとてその秘技を持っている!」
 發と書かれた牌頭の怪人が、やたら芝居がかった動作でビシリ、指を突きつける。
「故に我らの野望は尽きぬのだ! そう――」
 最後に🀄頭の怪人が、ミュージカルの如く大降りで手を広げる。
 そしてその“野望”の名を、とうとう口にした……!!

「「「脱衣麻雀常識化計画を」」」

 ……あほすぎた。
 さあこんな女の敵、そして男の気を乱す輩は、遠慮なく潰してしまおう。
 ――けれどオバカ状態はまだ継続中。
 もしくは我に返っても敵は音波持ち。
 果たしてどうなる猟兵達……!!
ルク・フッシー
▼引き続きおバカモード

「わーい!たーのしー!」
獲物を特大絵筆に持ち替え、3歳児のような無邪気な笑顔で踊るように塗料を撒き散らし塗りたくるルクくん
属性がたっぷりこもった色とりどりの塗料を浴びまくった街や怪人は燃えたり濡れたり痺れたり吹き飛んだり埋まったり凍ったり溶けたり光ったり陰ったりしている
「お父さーん!お母さーん!みてるー?」(見てません)

※一般人や猟兵には無害な都合の良い塗料を使用しています

「トランプですか?まけないぞー!」
余談だがルクくん、対人ゲームは冗談みたいに弱い。顔に出るので。
【アドリブ、絡み歓迎します】


ルーレイ・バーンシュタイン
次から次へともう知らない。
「あんた達いい加減にしなさいよ!」
大惨事を逃げ回りながら【レプリカクラフト】で【仕掛け罠】を設置。ひっかかると顔にペンキ(洗い流せば取れる)をできるものを作って回る。
(アドリブ歓迎)



「脱衣麻雀こそ至高!」
「故に広めるは正当なり!」
「さあ身を委ねるのだ!」
 ――などと余迷い事を言いながらバババッポーズをとる牌頭三人衆+αいっぱいの怪人達。
 漸く避難活動が出来るかと思えば、トンデモない変体共のご登場である。
 まあ、元々の事件があり、其処へ衝撃の事実が来たところに、追加の援軍。
 唖然とし微妙に志向が追い付き切らなくても不思議ではない。
 次から次へとまあ良く来るものだ……。
 その所為でかルーレイはちょっと泣きかけていた。
「ああもう――アンタ達本当、いい加減にしなさいよ!」
 お陰でフラフープを足で回しながらブレイクダンスしようとして、亀みたいに転がっている住人を避けつつ。
 また綿あめを持って来ては延々と水で洗う住人の間をすり抜け。
 上記も含めみな「白鳥の舞~」だの「紅蓮の炎で焼き尽くしてやる!」だの、おかしな住人達の齎す大惨事から逃げながら――何だろう。
 どうも何かを仕込んでいるらしい。
「此処まで大騒ぎになってくれたおかげで、まあ仕掛け自体はそう難しくな――わひゃ!?」
 反射的に避けたおかげで、頭の上を飛んで行ったそれは“どら焼き”。
 とってこーいと言われて取りに行ったのは……投げた本人。
 当然間に合うはずもなく、しかもなぜか途中でずっこけた。ついでに断末魔(?)は「さあ僕達ホイコーロー!」。
 ――意味が分からない。
「こ、こんな事態さっさと収取しないと……!!」
 ユーベルコードの一つ、『レプリカクラフト』で、其処らのガラクタから極めて精緻な偽物を作り出していくルーレイ。
 時折躓きそうになりながらもなんとか仕掛け続けるそれは――ブービートラップにも似ているが、一体何を作動させるものなのだろうか。
「わあぁ……! もうアッチもこっちも、向こうも――!」
 と、ルーレイが顔を向ける先。そこでは……これまた大惨事が巻き起こっている。

「わーいたーのしー!!」
 棒状の得物から、どこからか引っ張り出したのか巨大な絵筆に持ち替えつつ、グルングルン回っている……ルクだ。どうも音波の影響が解けていないらしい。
 多色彩の塗料をまき散らしつつ、塗りたくりつつ。どこぞのサバンナで聞けそうなことを叫びながら、依然として風車状態継続中である。
 その笑顔はもはや無邪気な3歳児。臆病さなど欠片も見られない暴れっぷりだ。
「なんという事だ……!」
 驚いたように反応する怪人達はしかし、それでもああいう風にハチャメチャやること自体は想定出来ていたか、すぐに陣形を組み始めた。
「ええい、彼方からどうにかすべきと……そうみた!」
「異論なし。あの状態では教え諭すこともままならぬわ!」
 いつの間にか消えていた(と彼らは思っている)ルーレイよりも、今は大暴れし続けているルクの方が深刻だ。
 そう思った牌頭怪人達は一瞬で三組ずつに分かれ、僅かに硬直したかと思うと瞬時に加速……素早い一撃を見舞わんと迫ってくる。
 ルクは未だに隙だらけ。この距離ならやれる――!
「のぼほぉ!?」
 ――とはいかないのが現実である。
 撒かれた絵具は多種多様な効果をもたらす【属性塗料】。
 その内一つが凍らせる効果を持っていたらしく、地面が見事にスケートリンク状態に。
 思いっ切り滑った先は……雷をたっぷり含んだ電気床。
「アババババババ」
「何と残酷な! しかーしこの私は空のかなたへぇええぇ!?」
 絵具を避けようとすれば爆風に変わり、また岩の雨が降り注いでいっぺんに潰され埋まっていく。
「おとーさんおかーさん見てるー!?」
「え、キサマ親父さんたちが見に来ているのか!」
「いえー見てる―見てるー!?」
「こっちも見てるがよいわー!アンタの息子は今日ここであべし」
 そも世界が違うのだから見に来ているわけ無いのに、律儀にノった怪人は溶かされ(?)――果てに光の影響で消えていく。
 ……あと何時の間にか、陰に呑まれて戦闘不能になってましたとさ。

「こ、これはたまらん!逃げろ!!」
 一般人や猟兵達には無害という、なんともトンデモな性質を発揮された所為で、誰かを盾にする卑怯な作戦すらままならない。
 此処は一旦別の猟兵に当たるべきだと、ルクの周囲から退こうとした。
 ……だがしかし。
「へぶっ――!? ってアチチチチチ!!」
 上からいきなり新たな塗料が降って来たと思うと、その重さで動きを止められている間に火だるまとなったではないか。
 よく見ればあちらこちらで、絵具とはまた違う塗料――恐らくペンキであろうそれを怪人が浴び、動きを止められたところに絵の具が命中するありさまだ。
 ――もうお分かりだろう。
 ルーレイが仕掛けていた罠は、どうもこれの事だったらしい。
「う、上手く行ってるみたいだね……!」
 ガッツポーズするルーレイの視線の先、其処に居るのは勿論怪人達だ。……まあそれだけじゃなく、カオス祭り真っただ中のキマイラ達も巻き込まれてはいるが、ただのペンキまみれなので洗えば落ちる。
 在り来たりな方法で動きを止められ、葬られる側はたまったものじゃない。
 これは混沌を利用した、ルーレイの作戦勝ちと言えるだろう。
「よし、彼の大暴れを利用して今のうちに避難や退治を……!」
 彼女は期待に満ちた目線で、無双状態のドラゴニアンの方を見やった。
 希望の光たる彼は今――!
 
「僕の負けだぁー!」
「ははは我らの勝ちだぁー!」
 ――絶賛トランプ中だった。しかも三連敗中だった。
「ってなにやってるのー!?」
 本当に、目を離して隙に一体何があったのだろうか。というかトラップは何処から持ってきたのか。
「ならば約束通り、キサマの知人たる女を連れてまいれ!」
「し、仕方ない……約束は守るよっ!」
「守っちゃ駄目!!」
 叫び一発、仕掛け罠作動。
 ルーレイの手によりペンキまみれになった怪人、絶妙な距離感で難を逃れたルク。
 その一瞬の硬直を逃さず、【アサルトウェポン】で乱れ撃ち放つ。
 見事に数体を退治した。
「ぬかったわあぁぁぁ……!」
「はぁ……。あ……! あの、ごめんなさい。乱暴な手段になってしまって……!」
 掛かってはおらず、また思わず動いたとはいえ謝罪せねばならないと、ルーレイが頭を下げる。
 それを受けたルクは目を閉じ、告げる。
「――さあ第二ラウンド開始だよ、僕はあの化身だ、あの化身。さあペンキの願いを成就するのだぁ!!」
「……って結局それなの!?」
 ルクがペンキをシェイクシェイクするたびに、辺りはバーニング&フリージング。
 混沌を形作りながら進むルクを、ルーレイはただ見やるのみ。
 でも――と、取りあえず罠を設置しなおしながら、彼の後を追う事にしたのだった。

 さて次なる混沌は……?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

片桐・公明
(本体は未だおバカ状態。顔を正面に俵担ぎしている。分身目線)

なんだお前ら。愉快な頭してんな。
でもちょうどいいや。ちょっと機嫌悪いから付き合えや。

【POW】
「三元牌なんて、表面削れば全部白だろ。おとなしく1翻で我慢しておけ。」
セイバーで顔の表面を削るように攻撃していく
「…あ、でもこれ14牌揃うともっとやばくなるんだっけか。」
適当に怪人を倒す

「お、目を覚ましたか。ってまだおバカ状態じゃないか!!」
起きたとたん胸をもまれる分身
肩の上で暴れ始める本体
その隙をついて後ろから奇襲
「しまっ…」
迎撃しようとするも1秒足りないが
本体が持っている拳銃が火を噴く
「…初めて本体を尊敬したわ。だから首筋を舐めるなぁ。」



 一方。
「まったく何でこんな目に……!」
 彼方此方で大騒ぎが起きている中――こちらでもまた女性一人、何やら苦労をしている様子。
「それにしても豪快なこった」
 多彩なる自然現象で怪人達が倒され、その数を減らしていく光景が広がっている。
 先の大暴れがまだ続いているらしい。
 それを横目に、“闇の公明”が本体である公明を俵の様に担ぎ上げつつ、ある程度ながら別の猟兵達と距離を取っていた。
「っていうか早く起きろよな。多分、元には戻ってるだろうし」
 気絶していても“闇の公明”の維持自体は何とかなる。
 だが、公明自身が傷により倒れてしまえば同時に解除されてしまうため、このような片手ふさがった状態は確かに早々解除したくもあろう。
「っと目的を果たさないとな」
 されど、この行動の訳は危ないから逃げる為ではなく、また別の理由がある。
 と、幾らか進んだそこで――“闇の公明”はふと足を止めた。
 どうやら目的の理由が目の前に現れたらしい。
「すまぬな、此処から先に通すわけにはいかぬ!」
「そも、我らから逃げようなどとは笑止!」
「大人しく縛につき、またオバカになり――」
 その“理由”とは……今まさに跳び出てきた複数の影。
 【牌頭の怪人】達、彼等の存在そのものに尽きた。
「「「さあその衣を脱ぎ捨て、更に脱衣麻雀のすばらしさを広めようではないか!!」」」
 ……などと、全力でぶん殴られても文句は言えないようなことを口走り。
 相当自信があるのか、メガホンモドキを持ちつつ“闇の公明”へと近寄ってきた。
 確かにメガホンからの音波の威力は強力に尽きる――構えなくとも勝てるのだから、この余裕も当然とはいえた。
 
「よう、愉快な頭してるじゃないか?」
 牌頭怪人達へ“闇の公明”は凶悪ともいえる空気を湛えて微笑を浮かべつつ、発言をスルーする形でそう言葉をかける。
 彼らが何か反論するその前に……ゴキリ、指を鳴らしてこう続けた。
「予想通り――んで、ちょうどいいな。ちょっと機嫌悪いから付き合えや」
「付き合う? 麻雀ならば」
 大歓迎。
 ……そう言い始めるその前に、 頭の怪人が数多の物を巻き込んでぶっ飛んでいく。気が付けば、“闇の公明”は既に前蹴りを繰り出した後だった。
「こっちの憂さ晴らしにだよ!!」
 言いながらフォースセイバーを作り出すや否や、人ひとり担いでいるとは思えない速度でダッシュし始めた。
 先までの行動は絵の具の暴風域から逃げていた彼らを、探す為の物だったのだ。
 ハッとなった怪人達は負けるかとばかりに三位一体の敏速攻撃を刺し向けてくる。
「三元牌、ね」
 小さくそれだけ呟くと……光の小さな瞬きと、避けるような僅かな音だけを残して、“闇の公明”はもう怪人達の後方に陣取っている。
 そして彼等が振り向く間もなく、彼等の顔に巨大な削撃跡がバツン!と刻まれた
「のああぁぁぁ!?」
「か、顔がアアァァァこれでは役の意味が、意味が変わってしまうウウ!?」
 ……予想とは違う反応を見せる彼らに対し、寧ろそれこそ望んでいたと、“闇の公明”は不敵に笑った。
「あれだろ。言っちまえば三元牌って表面削れば全部白だろ。つーわけで、おとなしく1翻で我慢しておけ」
「こ、このぉ~……良くも味な真似を!?」
 暴論(?)にある意味ノリノリで牌頭怪人は返すが、まだその気炎は消えていない。むしろ燃え盛っているようだ。
 その理由を自分から説明すべく、一歩前に出て大仰に白牌は胸を張った。
「でもこれ14牌揃うともっとやばくなるんだっけか――ってなわけでクタバレ」
「待ってそれ我らのセリフおぶばろー!!」
 まあ、もののコンマ数秒で“闇の公明”に先取られ、適当な感じでボコられたのだが。単純な実力に差が開き過ぎている現状、公明本人を抱えていても、彼女にとっては彼ら程度なら戦うに十分なのだ。
「お、目を覚ましたか」
 ――ここで更に追い風が吹いてくる――
 俵担ぎされたままの公明本人が、ようやく目を覚ましたのだ。これで二人とも自由に動けるし、更なるコンビネーションを見せることも可能だろう。
 GoodTimingでの目覚めに、“闇の公明”はガッツポーズをして見せる。
 さあ大暴れ開始だ。

「ぅはん!」
 ――開始できなかった。ってうかまた胸をもまれていた。しかも割と力強く。
 犯人は当然言うまでも無く、熱っぽい目で振り返る女性……公明本人である。
「ってまだオバカ状態じゃないか!!解けてなかったのかよ?!」
 音波の影響恐るべし。
 だが抱え上げていることもあって優位は“闇の公明”にある。ビリリとくる妙な刺激に耐えながらぐるりと向きを変えさせようと、もっと持ち上げた。
 のだが……キャラキャラ楽しそうに笑う反面、駄々っ子の如く暴れるため上手く行かない。
「だから大人しく――」
 余りの暴走っぷりについ“闇の公明”の、まだ周囲へ向けられていた意識が……公明1人へと集中した。
「隙を見せたな? 神妙にせい、そして脱衣のすばらしさを広めるのだぁ!!」
「しまっ……!?」
 それを逃す牌頭怪人達ではない。ずっとやられっぱなしなのもあり、その挙動はあまりに素早い。
 オマケに後ろからの奇襲だ。“闇の公明”の手は届かず、そも公明を担いでいた。
 迎撃するにも僅かに時間が足りない、どうしようもない絶体絶命。
 斬り裂くが如き鋭い動きで、二組躍動、三位一体の六連攻撃が遂に命中する……!
「――オイ。何故、何時の間にイーピンになっているのだ?」
「いやそれをいうなら貴様も……」
 寸前、三元牌であるはずの彼等は何故か筒子に早変わり。
 かと思えば、まるで幾つもの音を無理やり一つに連ねた様な……長く響く【銃声】が轟き、牌の欠片がド派手に飛び散った。
「い、何時の間に撃たれていたァアァァァ!? ……ぐほぉ!」
「これは……!」
 哀れ、牌怪人達はちょっとお間抜けな格好のまま、それでも散り際のセリフは忘れず大仰に倒れていく。
 いきなりなこの状況に、しかし“闇の公明”は誰のお陰か気が付いていた。
「……邪魔をしないで」
 そう。紛う事なき、公明本人の射撃であるという事に。
 あの短時間で、六体の頭をすべて撃ち抜いて見せたのだ。しかも担がれたままで、視界も土台も安定せぬ場所で――驚異的な技量である。
 アテが付いていてなお、“闇の公明”も驚かざるを得ない。
「初めて本体を尊敬したわ、うん。……っておい、だから首筋を舐めるなぁ!?」
 が、安堵したのもつかの間。逆向きに抱えた所為か今度はそこが標的となり。
 コンマ一秒でそれを撤回しつつ、“闇の公明”は更なる憂さ晴らし相手を求めて駆けまわるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロート・カニーンヒェン
「麻雀牌?ロンロンローン!(物理)」麻雀といえば、表面を削って白にしたり、爆発したりするんでしょ?サイコキネシスで戦闘員のみんなで役を作ろう!役知らないけど、並べて地面にどーんと叩きつけてロン!て言えばいいと思う。(アドリブ歓迎です)


神羅・アマミ

ひひ…うひゃほーッ!お豆腐が一杯じゃぜー!
なんかカラフルなトッピングが盛りつけられててオシャレじゃのーッ!
いくら大豆が貴重な蛋白源だからって、こんなに沢山は食いきれんぜーッ!
淡白な蛋白質!
うへーッ!
さ、流石はIQ3000を誇る頭脳派なワシ…ギャグも超一流じゃぜ?
お豆腐さんにはちと高度すぎたかのう…溢れる知性を理解できずコッチコチに固まっとるぜ、可哀想に…。
いっただきまアババーッ!

そんな感じで自慢のギザ歯を使用し片っ端から雀牌にかぶりついていきます。
無意識下で発動しているコード『緞帳』の効果により、敵陣へ無茶な特攻をすればするほど彼女の肉体は加速度的に強化されていく!
ひ~!マッスル・デビル~!



 彼方此方で物が飛び、人が飛び、敵が飛び。
 カオスにケイオスを重ねて混沌を乗せた大騒ぎの中でも――一番盛り上がっているの場所があった。
 片や念動力を纏って走り回るロート。
 片や思いっ切り敵へ突っ込むアマミ。
 ……文面のみなら普通に戦っているようにも思えるこの行動。

 しかし現実は全く違う。
「ロンロンのロン、もう一発ロンでローン!」 
 まずロート。
「何を言っているのだこの女は――良いか、ロンだけではなりたたなぐはあぁ!」
「しまった! 脱衣麻雀に賭ける余り教え諭す衝動をノハアァァ!?」
 初っ端から何やら飛ばしており、恐らく聞いたことあるであろう麻雀用語を連呼しながら牌頭の怪人達と大立ち回りを演じていた。
 ……見た目からではまだオバカ状態なのか、もう解けているのかが分からない程の暴れっぷりだ。
 どちらにせよ怪人達にとっては何も変わらない。
 超火力が随時ボンボン、これでもかと叩き付けられてくる……窮地である。
「麻雀ってあれでしょ! 削って白くしたり、役を作ったら爆発するってやつでしょ!!」
「服が爆裂するのならば大歓迎だが、そんな話は聞いた事なかったぶらあぁぁっ!」
 説教しようと近寄った哀れな怪人がまた一人、放物線を描いてキレイに吹っ飛んでいき、サクッと地面に刺さった。 
 ボケにツッコミを入れているようで――その実ボケを返し、そのまま物理で突っ込まれて飛んでいく様は、最早喜劇である。
「これはたまらん……残る人員をかき集めるのだ!14人一丸となった、フルパワーの一撃を打ちこんでくれるわっ!」
「「オォッ!!」」
 猟兵1人に怪人数人では埒が明かない、何より敵わないと悟ったらしい。
 そんな牌頭怪人達は、特定の柄を掘られた物たちを集め……一列に並び始めたではないか。
 これもまたユーベルコードの一つ。
 “役”の感性を許せば、いかな無双者とて大きな負傷は避けられまい。
「なんの! 私の方が先に役を作り上げてみせるっ!」
「ほぅ……面白い!!」
 だというのにロートは、その“役”を――敵の策を自ら積み上げようとしていた。 強力な『サイコキネシス』とはいえ、パワーアップした相手では行使至難。
 ほくそ笑んだ表情の(口無いから分からない)まま、ロートへ最大限の一撃を叩き込もうと迫る。
 刹那、交錯する―――!
「まあ役なんて知らないけど並べてドーンってやれば良いよね!」
「待て待て待てぇぇぃ!?」
 哀れ。
 なんとまあ『相手がルールを知らない可能性』という初歩的な事をまるで考えず、逆にロートの一手にハマった形になった。
 ただただ普通に彼らの失策である。
 もがけど足掻けどもう遅く、濃密なサイキックエナジーにより思い切り持ち上げられていく牌頭怪人達。
「ロオォォォォォオン!!」
「「「脱衣麻雀に栄光あれええぇ!!」」」
 そのまま綺麗に一直線に叩き付けられ、派手に煙を巻き上げながら、ドミノ倒し後のオブジェ宜しくめり込まされるのだった。


 そしてもう一方のアマミ。
 彼女の方も彼女の方で、またトンデモな大騒ぎの真っ最中だ。
 別の牌頭怪人の集団を物凄い気迫で追い回している。
 もしや――オバカ化が解けているのだろうか?
 故に、脱衣麻雀と言う文化(?)に腹をたててとっちめ様として居るのか……!
「うひゃほーっお豆腐が一杯じゃぜぇ! しかもカラフルなトッピングが盛りつけられてて……やー、何ともオシャレじゃのー!」
 ――全く解けていなかった様子。
 まあ確かに似てはいる。正面から見れば、牌と豆腐とは割と似ている。
 しかしそれを見ているだけならば兎も角として、実際喰い付かれる方はたまったものではあるまい。
 今この場にいる牌頭怪人達の、指をピッと揃えた姿勢よい逃げっぷりが、それを分かり易く示していた。
「おいお前! お前は紅しょうがのようで美味しそうだな、囮になってくれないか!」
「なにおう! 貴様とてまるでねぎの様な鮮やかな緑ではないか! ぜひ囮になってくれ!!」
「な、仲間割れをしている場合ではないぞ! ――よし俺が行こう!」
「「頼んだ」」
「おいいいぃぃい!?」
 何やらコントしながらも必死に逃げているようだが、そうやっておふざけを交えていれば当然……。
「捕えたぁ!」
「しまった紅ショウガたるこの私がぁ!?」
 いやアンタ🀄だろと突っ込む者はおらず。アマミは上機嫌のまま怪人の一体を取り押さえている。
「しっかしいくら大豆が貴重な蛋白源だからって、こんなに沢山は食いきれんぜーっ!」
 歓喜に打ち震えるアマミだったが……そこで何故だかハッ! となり天を指さし超え高々に叫んだ。
 その絶大な効果を持つ一言を。

「これぞ、淡白な蛋白質!」
 ――周囲を凍らせる、絶大な一言を……。
「うへーッ! さ、流石はIQ3000を誇る頭脳派なワシ…ギャグも超一流じゃぜ……自分のセンスが恐ろしいッ……!!」
 その様子を見た牌怪人達――逃げようとしていた者も、立ち向かおうとしていた者も、仲間をどうしようか考えていた者も、そして今捕えられている者も。
 皆一様に固まっていた。そのあまりの絶対零度に。
 対するアマミは……お豆腐さんには高度すぎたか、溢れる知性を理解できんとは――とそう言いたげな視線を向けていた。
「いやはや、可哀想に」
「ちょ、何故我達が哀れまれているんだ……何故だ!?」
 もし牌頭怪人達に目があったなら『ダジャレでそんな眼向けないで下さい』と抗議の色を映していたに違いない。
 困惑する怪人達。
 が、アマミはすぐさま切り替えると大口を開けた。ああそうだ豆腐相手なんだから次に行う行動は当然。
「いっただきまアババーッ!」
「喰うな食うなアダダーッ!」
 思いっ切りかぶりつくことそれ一本。……まあ豆腐じゃなく、牌且つ怪人なので齧り取れはしなかったが。
 それでも物凄い歯型が付いているあたり、羅刹の力恐るべしである。
「な、何というカチコチ豆腐……負けんぞ! この程度でワシは負けられないんじゃぜ~!!」
 言いながら大口を開けて突進、突進、また突進。
 一見すると不利な行いにしか見えないのだが、実は無意識化でユーベルコード『緞帳(ドンチョウ)』が発動しており……避けられては攻撃され、防がれては弾かれ。
 そして喰い付いては暴れられ、と繰り返す度にどんどん力強さも増していく。
 牌頭怪人達もそれに気が付きなんとか陣形を組もうとするが――時すでに遅しだ。
「ひ~! こ、これぞマッスル・デビルじゃぜーー!!」
 ――アマミ自身ですら跳ね上がるその力におののく頃には……死屍累々。
 食い千切られ、ブッ叩かれた怪人達の屍が転がっている。
 『犯人はおに』とのダイイングメッセージが、より生ましさを演出している。
 やで始まりそうな辺りが特にそう思わせる。
 見渡すまでも無く―――牌怪人達の大負け。全滅だった。
「もっともっと、豆腐をぉぉぉ!!」
 まだ解けぬオバカ状態のまま、アマミは大きく天を仰ぐ。
 天へ高々吠えるそれを合図としたかの如く、周囲へも静寂が広がっていく。
 つまり……この混沌祭りは漸く、漸く収束を見たのだった。



「さあそろそろ自分の出番かな? トゥッ……シュタッ! さあ待っていてくれよ可愛い妹達よっ!!」
 ――まあ二度あることは三度あると言ったもの。
 どうやらまだ、もう一波乱ありそうで……?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『妹が大好きな怪人・マイホゥ』

POW   :    妹の願いを叶えぬ兄などいない!お兄ちゃん頑張るぞ
【妄想の元気系妹の激励 】【妄想の清楚系妹の声援】【妄想のツンデレ系妹の罵倒(?)】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    妹の何が良いかだと?これを見れば良さがわかるぞ
レベル×5本の【妹 】属性の【動画を再生するモニター付ドローン】を放つ。
WIZ   :    どんな妹が好みだい?言わなくてもわかっているさ
【頭部のタブレットPC 】から【対象が考える理想の妹の幻影】を放ち、【実体化した幻の妹とのふれあい】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィン・スターニスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「さあ妹達よ!お兄ちゃんが迎えに来たよ! 愛を存分にささやいてくれ!!」
 ……言いながら現れた怪人の顔は、何故だか液晶モニターだった。
 しかも中央にはかわいらしい女の子キャラが映っており、しきりにあざといポーズをとっている。
 華奢なその体に反し――下についている男の肉体は、割と筋骨隆々。
 一体何なのだコイツは。
「あ、男とかは要らないからな! 男の娘だってワンチャンないんだよ、妹が良いんだよシッシッ! ショタとかもイラネーからほらあっち行ってろ」
 明らかに此方が言う事を聞く前提で喋っているあたり、彼は全く気が付いていないのだろう。
 ――もう音波を出す【メガホン】が全く見当たらない事に。
 ――そして猟兵達がオバカ状態になってから、大分経ったという事に。
「いや~それにしても……オバカにしてしまえば要らない奴はどかせる、妹達は懐いてくれる、一石二鳥だったな」
 全くそれを知らないままに、怪人は両手を広げて、言い放つ。
「さっ、妹達よ! 遠慮なく胸に飛び込んでおいで❤」
 それを受けた猟兵達の答えはバラバラなれど、結論は1つだった。
 ――さっさと叩きのめしてしまおう、と。
 もう遠慮することは無い。
 存分に、ありったけの鬱憤をぶつけてしまおう――!
ロート・カニーンヒェン
「あ、液晶!液晶だ!!液晶はパンチで割るって動画業界ではごほうびだから!!」(POW)液晶はパンチで割るってばっちゃが言ってた!!とりあえず、ハザードイグニッションでハザードモードになって液晶画面にと見せかけて股間に、と見せかけてやっぱり液晶に攻撃だ!!(無差別)まあ、ユーベルコードが無差別に攻撃する暴走モードだしね!・・・もう暴走してるし、問題無いよね♪最後の大暴れだ、ヒャッハー!!(アドリブ歓迎です)



 いきなり現れた、恐らく元凶であろう怪人。
 多数の猟兵を前に堂々と宣えるその姿勢は、音波の脅威を知っているからこその余裕か。
 ……それとも浴びせるまでも無く、単に根っからの“お馬鹿さん”なのか。
 それは兎も角として――。
 飛び込んでおいで、なんてハートマークがつきそうな勢いで言われても、ハイ分かりましたという者はいない。
 いたとしたならその猟兵は、かなりノリが良い芸人気質なのかもしれない。
 或いは……。
「勿論飛び込んでいくよー!!」
 と、其処で一人の猟兵が――【忍者マフラー】をなびかせるロートが、いの一番に出した。
 もう既に音波の影響は解けてはいるものの、外面上ではそのハイテンション故にか……判別がつかないロートが怪人目掛けてツッコんでいく。
 だが彼女の容姿は女性的であり、一般で言う妹とはズレがある。もしかすると、攻撃態勢で向かい打たれる可能性すらあるだろう。
 そんな彼女を見た怪人の反応はと言うと……。
「むっちり巨乳系とか良い、良い、実に良い――妹に貴賎なし!採用っ!!」
 割とこだわりなかった様子。
 それ所か大手を振って迎え入れている。自分から駆け寄ってすらいる。
 丸で千年来の出会いが如く。また大仰な挨拶よろしく。更には隙あっている2人みたく。
 躊躇いなしに駆けよって、そのまま二人の影が重なり合う……。

「マッスルハザァァァドッ!」
「どぶらっほうぁぁぁぁ!?」
 ……直前に思い切り殴り飛ばされる。
 それはもう爽快に、且つその後は綺麗な放物線を描いて、ガッスリ地面に突き刺さる。
 のもつかの間、すぐに起き上がって来た。
「まままさかの反抗期かマイシスター! お兄ちゃんは悲しいぞっ!?」
 当然ながら……と言ってよいのか良く分からない戯言を口にしながら、ロートをびしっと指さす液晶モニター怪人。
 対し、ロートはビシッと指さし返して堂々と告げてみせた。
「液晶、液晶ってあれでしょ、パンチで割るのが業界ではごほうびな奴でしょ!」
「どういうことぉ!?」
 本当にどういう事だろうか。
 ばっちゃが言ってた、液晶はパンチで割るモノだと、だから思い切りいくよー!とかなり自信満々に腕をグルングルン振り回し始めるロート。
「ぬ、ぬおおぉぉぉ……い、妹達よ!この俺に力を、声援オオォォォッ!」
『頑張って、お兄ちゃんなら勝てるよ!だって自慢のお兄ちゃんだもん!』
「そのとおおおおおおおおおりっ!!」
 自分の頭であるモニターから聞こえる声で、やる気モリモリパワーアップと言うトンデモない現象を引き起こし、負けじと怪人もマッスルポーズをとって見せる。
「妹の声援ある限り、この俺の力は無限――さあ、俺がお前の兄であるにふさわしいという事を証明してみせようか!」
 ごもっと筋肉を盛り上がらせ、攻撃力をフルアップさせたままに、ロートへと怪人は突っ込んでいく……!

「ヒャッハァアアァァー!!」
「どぅわああぁぁぁ!?」
 だがロートもまた、持ち得るユーべルコードの一つ『ハザードイグニッション』を発動させている。
 身体の周りにエネルギーが廻り、強烈に爆ぜてスパークしているその様は、正に災害急の圧力を敵へと叩き付けてくる勢いだ。
 ……しかも怪人は攻撃力を上げて、総合的に動きの良さを引き上げている所為か、その素早さに釣られて思いっ切り突っ込ませる結果を招いているではないか。
「オラァ!バーン!!」
「ぐぼえぇ!?」
 液晶をもういっぺん殴られる怪人。画面が割れずへこんでは戻る当たり矢鱈丈夫ではあるが、その分理性が飛んで尚『画面を割ろう』という強い意志の元に動いているロートの打撃を、更に浴びる羽目となっていた。
「オォリャアァァ!!」
「って其処はアカーン!?」
 更にはなんと怪人にとっては――否、男性女性問わずの急所である股間部分まで狙ってくるではないか。
 慌ててモニター頭の怪人が前屈みになり、腕をクロスさせて防がんと構える。
「モニタアァァァァ!!」
「結局そこなのねぐごおっはあぁぁぁ!!」
 されどもフェイク、やっぱりフェイク、三度画面に拳が叩き込まれ……此処でぴしりとひびが入る。
 流石に耐えきれなかったようだ。ハザードモード、おそるべし――!
「ヒャッハアアァァァァ!!」
 止まらぬ勢いで駆け周りながら、ロートはただ画面を殴り、腹を殴り、背中を殴っては画面を殴る。
 そして肩を殴って画面を殴り――画面を殴って、もう一発殴り飛ばした。
 暴走状態でのロートによる、加減無し躊躇いなしの乱舞である。
「おぶらっぼふごぶべお!」
「ドッリャアァァァ!!」
「ギャッハー!?」
 追い付いてのアッパーでとどめを刺し、また綺麗に地面へ突きさして見せた。
「く、くそぉ……まだだ!まだ終わらん……妹達をこの両腕で抱きしめるまで終わる物かぁっ!!」
 しかし――これからだとばかりに怪人もまた立ち上がった。
 この根性、どうやらまだ終わらなそうである。
「なら確り叩き割らないとだね!」
 一旦ハザードモードから戻ったロートは――それを確信しつつも、まだまだ暴れてやろうと突っ込んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

片桐・公明
本「恥ずかしい。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!穴があったら入りたい!」蹲って頭を抱える
分「正気に戻っても面倒臭ぇ。
こんなんから。あたしみたいなのが出来るなんて。お前、信じられるか?」敵に同意を求める
少しだけ服が開けている
手を出してきたら斬る

【SPD】
唐突に起き上がり敵顔面に飛び膝蹴りをする本体
本「こうなったら蹂躙して憂さ晴らしするしかない。」
分「おう。それには賛成だ。」
前後衛に別れて応戦
連携は完璧?
分「おい!もう少しこっちに気を使え」
本「うるさい!あんたなんて私の黒歴史そのものでしょうが!」

分「この場合。あたしも妹ってことになるのかな?」
本「まぁどちらかと言うと腑分けに近い気と思うわ。」



 ――さて。
 初っ端から大暴れで度肝を抜いた猟兵達ではあったが、なにも全員が全員割り切れる鋼の心臓を持っているわけではない。
 当然ながら『オバカ状態』と化していた際の記憶がフラッシュ・バックし、思いっ切り苛まれる猟兵とて当然いるモノで……。
「恥ずかしい。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいっ!!」
 公明はまさにその『苛まれる』一人であった。
 キャラキャラと笑い続けるというだけなら兎も角、分身かつ己そっくりとはいえ、大勢が見ている前で思い切りあんな事やこんな事をやったのだ。
 お陰で顔はまっかっか。
 ……蹲って頭を抱え、今にも転がりださんばかりの勢いで叫び続けている。
「あ、あ、穴があったら入りたいぃぃぃ!」
「正気に戻っても面倒臭えなぁ、もう……」
 そんな公明を仁王立ちしたまま“闇の公明”は呆れた声音でそう漏らした。
 何処か安堵が入り混じっているのは、元に戻ったことで『安全』になったからだろう。
 ――何が危険だったのかは、開けている服を見て察する他あるまい。
「全く……信じられるか? こんなんから、あたしみたいなのが出来るなんて。なぁ?」
 他に聞く相手もいないのか、“闇の公明”は液晶モニター怪人へと話を振る。
 その件の怪人はと言うと……何故だろうか、ちょっとプルプル震えていた。
 だが笑っているようには見えない。
 ならば何故か、と問う前に当の本人が大手を広げて近寄って来た事で判明する。
「イケナイ格好で誘惑してくるなんて――なんて罪な妹なんだっ!」
 なんともポジティブ。
 ぶん殴られておいてなおこれとは、トンデモないポジティブシンキングである。
「だからこそお兄ちゃんは全身全霊で答えてあげるよーーー!!」
 まあ本人がいくら好意を示そうが相手の答えは1つな訳で……。
「寄るんじゃねえよ変態野郎!」
「イデエエェェ!?」
 お約束、とばかりに“闇の公明”がフォースセイバーを一閃。
 ものの見事にざっくりやられていた。
 更に十字を描いて刃を振るい、防御こそされたが思い切り吹き飛ばして見せる。
「反抗期だって限度があるでしょ! お兄ちゃん怒るよ!!」
「ふざけたこと言ってるんじゃねえよ、誰が誰の兄だ!!」
 ――そんなことを言い合いながら斬り付けたり避けたり、接近したり下がったりを繰り返す2人。
 最早コントになりかけている。このまま怒鳴り合いで戦闘が続くのだろうか。

「もう、良いわ……」
 そう思われた時だった。
 のっそりと公明が唐突に起き上がり、【Mathem842】【臥龍炎】の二丁の銃をガチャリと持ち出した。
 鋭い視線が狙う先は勿論……液晶モニター頭の、元凶たる怪人。
「こうなったら蹂躙して憂さ晴らしするしかない!」
「おうその意見には賛成だ。バラバラにしてやるか」
「妹二人とも反抗期とは――だがそれを受け止めてこそ兄の度量が」
「「だから誰が妹だ!!」」
 同じ顔、同じ声、同じ体格から発せられる異口同音を合図に、“闇の公明”が前衛として跳び出す。
 それから一瞬遅れて、公明もまた二つの銃口を敵へと差し向けている。
「そぉら!!」
「おわわわ……!?」
 素早く三度フォースセイバーを閃らめかせ、怪人の反撃を許さない“闇の公明”。
 だが腐っても頭領。怪人は隙をついてゴロゴロ転がり、何処からともなくモニター付きドローンを出して見せる。
「さあコレを見るがよい妹達よ! さすればどれだけ兄と言う元というつながりが尊いものかを実感出き」
「もう、鬱陶しいのよ!」
 言い切る前に公明の構える銃が火を噴いた。
 瞬く間に40機近くあっただろうドローンは数瞬で三分の一も叩き落されている。
 『オバカ状態』の時ですら敵の頭を瞬時に複数撃ち抜いたのだ……正気に戻った今、これ位ワケないのだろう。
「っしゃ! まだまだ!」
 勢いづいた“闇の公明”も続き、光の軌跡が空に残るほどの速度でフォースセイバーを振るう。
 その間を縫って、公明もまた援護射撃を連ねていく。
 近接を避ければドローンが撃たれ、遠距離に対応しようとすれば近接が斬裂する。
 映像を流す間もない、正に完璧な連携だった。
「って危ないなオイ!? 少しはこっちを気遣え!」
 ――地味に“闇の公明”の方にも数発流れ弾が飛んでいた様子。
 キッチリ全部焼き切ってから、抗議の言葉を浴びせかける。
「うるさい! あんたなんて私の黒歴史そのものでしょうが!」
「んだと!? さっきあたし関係ない黒歴史作っといてよく言うぜ!」
「あ、ちょ、この――忘れかけてたのにぃ! よくも言ったわね?!」
 なんだかまたもやののしり合いというか、コント(?)が始まりかけているが、怪人はいまだ健在。
 その隙を見て、勝機見えたり!と最後のドローンを持ち上げる。
 等々ケンカがヒートアップし過ぎ……公明が銃口から再びマズルフラッシュを放ち、“闇の公明”もフォースセイバーの出力を上げて前傾姿勢を取る。
「隙アリだ妹達! これで俺の野望がどれだけのものか、理解させてあげるよ!!」

「「隙なんかあるか」」
「へ?」
 刹那。
 “闇の公明”が僅かに姿勢を変えて飛んできた弾丸を躱し、背後にいた怪人へとぶつけてみせる。
 そして痛みに悲鳴を上げる事も許さず、フォースブレイドによる力強い斬撃が命中し――思い切り吹っ飛ばされた。
「流石に忘れるほど怒っちゃいないんだよ」
「ホントに怒ってはいたけどね……それよりも腹の立つ奴がいるし」
 最後に目的だけは見失っていなかった二人は――ふと、疑問に思ったことを口にする。
「“達”って言ってたけどよ。この場合はあたしも妹ってことになるのかな?」
「まぁどちらかと言うと『腑分け』に近い気と思うわ」
「いや言いたい事は分かるけどさ、植物かよ」
 ちょっとした息抜きの会話は、されど此処まで。
 まだまだ起き上がってくる怪人に二人は目線を同時に合わせ――何の合図を出すでもなく、前後に分かれて戦闘を再開しだした。

 ……戦いは、まだ続くようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
「あ、あなたが、黒幕ですね…!」
先程までの記憶はないが、ある意味恐ろしい計画に震え上がるルク

それはさておき、ふと街のディスプレイを見ると1人のドラゴニアンが映っている
画面『取りあえず叩くのが一番ですね! ラブ&ピース&バイオレンス!!』
ルク「……?…………!?」
画面『おとーさんおかーさん見てるー!?いえー見てる―見てるー!?』

ルク「そ、そんな…ボクが…あんな…」
画面『――さあ第二ラウンド開始だよ、僕はあの化身だ、あの化身。さあペンキの願いを成就するのだぁ!!』

ルク「う……ゔわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ーーー!!!」【羞恥と罪悪感を怪人にぶつける】
【アドリブ、絡み歓迎します】



「い、いたたた……なんて乱暴な妹なんだ! だがそれを受け止めてこそ格好良い兄貴ってやつだよなぁ!」
 などと余迷い事を口にしながら立ち上がる怪人。
 そのまま意気揚々と、再び女性の猟兵達の方へ歩みを進めようとした。
 だが、しかし。
「んだよ。お呼びじゃないって言ったろ!」
 ある一人の猟兵が徐に立ち塞がったことで、その足は止めざるを得なくなる。
 怪人はその姿を見るや否や、露骨に不機嫌そうな声を発し始めた。
 その猟兵は……怪人が追い払った(と思い込んでいる)筈の、『少年』だったからだ。
「あ、貴方が黒幕なんですから……退く訳にはいきません……!」
 その少年――ドラゴニアンのルクは、震え声ながらも確りと立ち、絵筆を構えてモニター怪人へ視線を集中させていた。
 震えているのは敵が怖いから、ではなくその計画ゆえだ。
(人をおバカにして、その上で逆らえなくして刷り込みを起こすなんて……!)
 何という恐るべき計画。
 何という珍妙なる計画。
 ……ある意味、震えが止まらなくなっても仕方ない。
 だからこそルクは立ち塞がる。
 この怪人の怖ろしき妹化計画を完全に潰えさせるために――!
「ふん、どうやら言う事が聞けないオバカも居るみたいだな。なら直接吹っ飛ばしてやろう」
「いえもう、オバカ解けてるんですけど……で、でも吹き飛ばされはしませんよ……!」
 怪人がまだまだ強気な理由がちょっと見えた気がしたものの、構わずルクは絵筆を振り上げる。
 先ずは先制攻撃として、何か動きを止める手段を用いるべく。
 何を同行使するべきか。氷か、雷か、はたまた石か。
 ならば組み合わせよう……と、滑らかに腕が動き出した。

『取りあえず叩くのが一番ですね! ラブ&ピース&バイオレンス!!』
「……?」
 途端に止まった。
 原因は今しがた流れ始めた、何とも奇妙な映像。
 街にあるディスプレイに繋がれて流れているらしいが、これは一体誰の物なのか。
『おとーさんおかーさん見てるー!?いえー見てる―見てるー!?』
「え、ぼ、ぼ……僕ぅ……!?」
 いや言うまでも無かった、ルク自身だ。
 風車になりながらあっちこっちをボンバカ吹っ飛ばして、更にホームランまでかましちゃっているルク自身だった。
 オマケにかなり良い笑顔。
 清々しいまでの全力スマイルである。
「そ、そんな……ボクが……あん、な………」
 謎の化身という正体不明の単語が飛び交い、ルクはパニック寸前。
 ――どうもあまりに暴れ過ぎていた為に、直前までの記憶がすっ飛んでいたらしい。
 ならば、驚くのも無理はあるまい。
「フフフ、さあ転げまわれ!! さっさと道を開けろ……ショタはお呼びじゃないんだよ!」
 どうも怪人が何やら操作していたらしい。
 もっと言えば全員が全員音波を受けている訳ではないし、液晶モニター頭はオブリビオン……誰かが撮った映像を利用できても不思議ではない。
 或いは元々、妹とのふれあい()を撮影する気だったのかもしれないが。
「コレでトドメだぁ!」
『――さあ第二ラウンド開始だよ、僕はあの化身だ、あの化身。さあペンキの願いを成就するのだぁ!!』
 物凄い凛々しい、アニメなら作画担当が違うんじゃないかというレベルの顔で、如何如何言い放つルクが画面に現れる。
 コレで崩れ落ちるだろう……。

 されど、そう簡単に行かないのが猟兵という存在。
 生命体の埒外、その認識は伊達ではない。
 詰まる所――。
「う……ゔわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ーーー!!!」
 ――余りの参事に耐え切れず、遂に、少年の中で何かがキレた。
 間髪おかずに様々な絵の具を持ち出すと、絵筆から矢鱈目ったら乱射し始めたではないか。
 対する怪人は無効化できたと勘違いしているらしく、暢気にモニターを持ち出し。
「さあ、分かったのなら見るが良い。俺は慈悲深い……今すぐ妹も絵に準ずるならあつあぁああぁぁぁぁ!?」
 当然ながらモニター諸共火炎弾にぶち割られて三度ぶっ飛ばされていた。
 しかも激流弾が、風翔弾が、雷電弾が、氷冷弾が、土岩弾が次々に殺到。
 避ける事なんて勿論できずに、雨あられと喰らいぼっこぼこ。
「ちょ、やめ、冷た、熱、しびれびれぶげほほごばらっぼれらぁぁぁ!!」
 因果応報とはこの事である。
 結局、妨害系のUCでルクの動きを止める事も出来ず、無様に吹っ飛んでは撃ちあがり、落とされては跳ね上げられ、ぶつかって叩き潰された。
「ショ、ショタつえぇぇ……流石オネ」
「わ゛ああぁぁぁぁぁあ!」
「おわあああああぁげふぼ!!」
 何やら口走ろうとするも絵具弾諸共に絵筆が叩き付けられ、怪人は沈黙。

 ――そのままルクは走って行ってしまったが、今は放っておいてあげた方が良いだろう。
 何より、彼の思わぬ活躍のお陰で、モニター頭の怪人は既に弱り切っている。
 ……終わりの時は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ

ッキャー!お兄ちゃーん!お兄ちゃーん!!お兄ちゃーん!!!!
今のワシ、妹キャラって奴なのか!?
へへ、これからは妾が甲斐甲斐しく世話をしてやるんじゃぜ!?
炊事洗濯お風呂、やがて芽生える禁断の恋…!
じゃが、まずは朝のお寝坊を起こすとこから始めんとなぁ!

抱きつくように飛びついてコード『グランドクラッシャー』を発動し、怪人の脳天めがけ両の拳を何度も打ち付ける。
それはもう、頭がひしゃげ周囲の地形も原型がなくなる勢いで。
一通り暴れ回った後にようやくバカの電波はとっくに止んでいたことへ気づき、「や…!ち…違…!私そんなつもりじゃ…!」とかイヤボーンした時のヒロインみたいな台詞を残し颯爽とその場を走り去る。


ルーレイ・バーンシュタイン

自らの頭に花を挿しておバカになろうとする。
「クハハハ!お前もお花畑にしてやろうかー!」
おバカっていうか、寄生植物に乗っ取られてない?大丈夫?
(花が枯れて意識が戻るまで大暴れする)

「私だけおバカにならないの癪だったんだもん。」
などと供述しており、自らの頭に刺さった花が萎れている。
(アドリブ歓迎)



 猟兵達が巻き起こした、力の嵐や連携劇、そして吹っ切れた大乱舞。
 全てが軌跡ともいえる繋がりを生み、猟兵達の鬱憤晴らしも兼ね、次々炸裂した。
 正に完全優位と言っても過言ではない。
「―――」
 その中で……ルーレイは何故だか呆然と佇んでいる。
 彼女は今回唯一『元々ポンコツだったから』という、ちょっと可哀想な理由でオバカ化を免れていた猟兵だ。
 だが裏を返せば、黒歴史を生まずに済んだという事でもある。
 ならば何故そんな状態になっているのだろうか。
「く、く、クソ……な、何故なんだ……!? 何故にこうも妹達や猟兵達が抗ってこれるんだ……!?」
 一方の怪人は既に満身創痍だ。
 言動から薄々察せられるが、どうも何やら勘違いしているようで、その所為で普通ならばまだ避けられたものをガッツリ喰らっている様子。
 タフネスを抜き出せば確かに物凄いが、本気で挑めるようになった猟兵達には、数の差も大きくそれだけじゃあ敵わない。
 ――しかし拘りは捨てない。
 両腕を広げ、未だに妹と思わしき可愛げなキャラクターの映るモニターを目立たせつつ、ルーレイの方へ体ごと向いた。
「おぉ……そうか……メガネ属性持ちのポンコツっぽい妹よ……!」
「――――」
 怪人の言葉が聞こえているのか分からない表情のまま、ルーレイは徐にユーベルコード製の“一凛の花”を取り出す。
「さあ飛び込んでおいで……お兄ちゃんの胸に、ジャンプしておいでっ!」
 そしてドスドスと言う擬音が似合いそうな、重い足取りで近づいてくる怪人を無視するかのように、その花を頭に突き刺す。
 構わず、液晶モニター頭の怪人がルーレイを抱きしめようとした。
 (身勝手な)愛の抱擁が今ここに完成する。
「クァハハハハハハハハハァァァ!!」
「ドブラババババババババババ!!?」
 ――訳がなく、アサルトウェポンを思い切り連射されていた。
 オマケで柄の悪いポージングからの、痛烈な前蹴りまで喰らう。
 そのまま凶悪な笑顔を突きつけられる。
「ククク……クハハハハハハハ! お前の頭もお花畑にしてやろうかぁー!!」
 なんとまあどういう原理か、メガホンも音波も無くなった最後の最後で、ルーレイがオバカ化してしまっていた。
 十中八九頭の花が原因だろうが、効能が分かっていたのだろうか。
 ……分かっていたなら何でやったのだろうか。
「ちょ、これって反抗期ってレベルじゃ――!」
「待てやゴラァアァァ! お花を植えるにふさわしい頭にしてやろうかぁ!!」
 言ってることだけ抜き出せばまだファンシー(?)だが、その実態は普通にハチの巣にしてやるという事。
 普通に物騒だった。
 しかも遠慮なく打ちながら近づいてくるうえ、跳びかかったら近接が来る。
「ぐべら!!」
 というか今普通にルーレイに怪人が殴り飛ばされていた。
 オマケにゲシゲシ蹴った後、“消毒してやるぜー!!”と言わんばかりに再び乱射して乱射する。
 モニターへ狙いを定めて肘鉄タックルを食らわせてから、また乱射する。
 割と普通に驚異的な、銃弾の雨が降り注いでいた。
 ――途中からなんか別の方向にまでアサルトウェポンを撃ちながら、瓦礫を持ち上げてエアギターなんかやっちゃってるのだが、大丈夫なのだろうか。
 更に思い切り投げ捨てた後に、ヘッドバンギングしながらジャンプしてのけぞる物凄く器用な真似までしていた。
「クァハハハハハハハハハハハーーーーー!!」
 しかし思わぬ隙が出来たのは事実。
 怪人は這う這うの体で逃げ出していく。……生きてさえいればまだ望みはある。
 何とかなったと安堵のため息をついた。

「ッキャー!お兄ちゃーん!お兄ちゃーん!!」
 しかも何という幸運か。
 今度こそ、自分を慕うように叫びながら、一人の少女が近寄って来てくれている。
 無邪気に笑いながら手を振りつつ、自分に武器も向けず走って来るではないか。
「おお……おぉ、妹よ!妹よぉ!!」
「お兄ちゃーん!!!!」
 おかっぱ風に切りそろえられた、風に靡く灰色の髪と。
 宝石のように輝く赤い瞳。
 何より彼よりも背が低く、身長もあってか見た目の雰囲気は正に妹。
 ゴツイその手を伸ばしながら、彼もまた駆け寄り1メートル弱の距離で互いにストップした。
「へへ、これからは妾が甲斐甲斐しく世話してやるんじゃぜ……今の妾は“妹キャラ”って奴らしいからな!!」
「ああ――これぞ夢にまで見た光景……!」
 ……途中に挟まれた不可思議な宣言には耳もくれず、歓喜の涙でむせび泣いている(らしい)モニター頭の怪人。
 件の少女は、牙の様な歯をニィッと見せて笑い、更に言葉を続ける。
「炊事は基本、洗濯は当然、お風呂も当たり前――その先に待っている、やがて芽生える禁断の恋……!」
「っ―――その通りだ妹よ!! ――とうとうかな、った……かなった……楽園は、此処にあったんだぁ!」
 いやどの通りだとツッコミが入りそうなその言葉に、しかし少女は反論しない。
 むしろ嬉しそうに元気よく笑うだけ。
 敵たる猟兵だろうことは分かっているが、それでも液晶モニター怪人にとって、それ以上に求めた夢こそ至高なのだ。
 オバカ化が解けていないが故に、求め続けた宝が手に入ったのだ。
 さあ今こそ抱擁の時……!

「――じゃが」
「じゃが?」
 いきなりな先の読めない発言に、首をかしげたモニター怪人―――は、刹那。
「まずは『朝のお寝坊を起こす』とこから始めんとなぁぁっ!!!」
 思い切り跳びつかれ、抱き着かれ押し倒され、それに対する感想を言う間もなく。
「ほら起きろー!! 起きれー! 起きるんじゃぜー!! お兄ちゃーん!!!」
「ハハハ妹よごぼ! これはがぶ! 起きる前にげも! また倒れでば!」
 【グランドクラッシャー】……ユーベルコードの一つであるそれの乱打を、至近距離でガッツリ喰らっていた。
 それはもう避けようがなく。
 物凄くきれいに何度も打ち込まれていた。
 まあやっぱりと言うべきか――彼の望む妹ライフが待っているはずもなく。
「ほら起きないとー! 遅刻してー! 怒られちゃうぞー! 早くー!!」
「アレのほん! これってだらぼ!! ちょっとぼぼっ!! ぐけおろば!」
 元々命中した地点から破壊を広げ、周囲をも崩す超火力のユーベルコードだ。
 怪人ごしとは言え、もう地形の原型すらない。
 外見ひしゃげた頭部で怪人はとうとう一つの答えにたどり着く。
(あ、まさかオバカ化してなかったの? なら駄目じゃーーん!!)
 漸く最後の最後で気が付いた時には、思いっ切り両の拳が叩き付けられ、砕け散るが如く光の粒子となって消えて行った。
 と、此処で周りの大破壊跡に少女はやっとこさ気が付いた様子で。
「や……?!ち、違……!私そんなつもりじゃ……!」
 何やら言いながら走り去っていく――猟兵・アマミの背中へ何とも言えない視線が幾つも突き刺さった。


 余談ではあるが。
 とある冷や汗だらだらな羅刹の少女曰く――
「まだオバカ化続いてると思ったんじゃぜ……」
 とある狩れた花を刺した人間の少女曰く――
「自分だけオバカにならないのが癪だったもん」
 ――とのこと。
 反省はしているけど後悔はしていない、なんて開き直りも無く、二人とも率先して復興作業を手伝ったそうな。
 こうして街は再び活気を取り戻し、キマイラフューチャーの住人達は何時もの様に【いいね!】を求めて様々な事にチャレンジするのだろう。
 けれど脳裏によぎる“あの出来事が”、暫く住人達や猟兵達を休憩所やらベッドの上で、顔をうずめて転げ回らせる事となったのは……言うまでも無かろう。

 ――こうして数多の参事を生み出したチンパンパン事件は。
 かなりあっさり終了し、またある意味深い傷を残したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月09日


挿絵イラスト