アポカリプス・ランページ⑧〜『時間質量論』を回収せよ(作者
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「アポカリプス・ランページへの参戦に感謝します。リムは戦況を報告します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々と、かつてアメリカと呼ばれた地の地図を広げながら語りだした。
「開戦から2周間近くが経過しましたが、戦況はおおむね順調と言えるでしょう。ですがフィールド・オブ・ナインの中には今だ所在を発見できていない者もいます」
 今回の戦争を起こした「フルスロットル・ヴォーテックス」のみならず、フィールド・オブ・ナインは全員がオブリビオン・フォーミュラ。それぞれが世界を滅ぼす為の独自の作戦計画を準備しており、逃亡される前にできる限り叩いておきたい相手である。

「今回はそのうちの1人『マザー・コンピュータ』に関連した、セントメアリー・ベースでの依頼になります」
 セントメアリー・ベースはカナダとの国境にほど近い巨大拠点で、人々が比較的平和に共同生活を送っている。この世界において貴重な人類文明の拠り所であると同時に、この地はマザー・コンピュータに組み込まれた世界最高の歌姫「マザー」の出身地でもある。
「ここには彼女の初期の研究論文である『時間質量論』のデータが残されています。マザーという女性はどうやら研究者としても秀でた人物だったようです」
 このデータを回収できれば、マザー・コンピュータを攻略する糸口が掴めるかもしれないし、オブリビオンにこのデータが渡るのを防ぐ事もできる。謎多きフィールド・オブ・ナインに関する調査となれば、戦時中でも人手を割く価値は十分にあるだろう。

「ただし問題が1つあります。『時間質量論』のデータを調べるためにはそれを記録した媒体をセントメアリー・ベースから運び出す必要がありますが、その量が膨大なのです」
 データの消失を恐れてか、あるいは純粋に関連資料の量が多いのかは定かではないが、『時間質量論』のデータは幾つものコンピュータやディスク、あるいは紙の書類などの様々な媒体に保存されており、その総量はとてつもなく多い。
「できるだけ多くのデータを回収したいところですが、記録媒体はどれも嵩張りやすくて重たいか、乱暴に扱えば破損する恐れがあるものばかりです」
 この記録媒体の山を無事に運び出すのは猟兵であっても一苦労だろう。だが調査の為にはやるしかない。各自の腕力や乗り物、ユーベルコード等も駆使して可能な限り迅速に、できるだけ多くのデータを回収するのだ。

「直接的にオブリビオンの戦力に打撃を与えるものではありませんが、この作戦の結果も戦争の行方に影響を及ぼすでしょう。どうかよろしくお願いします」
 説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、セントメアリー・ベースへの道を開く。貴重な平和を享受する拠点に遺された、膨大なる叡智の断片が猟兵達を待つ。
「転送準備完了です。リムは幸運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 開戦から早いものでもう2周間近く。今回の依頼はセントメアリー・ベースに遺されたマザーの研究論文「時間質量論」の回収が目的です。

 このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。

 プレイングボーナス……大量の記録媒体を運び出す。

 時間質量論のデータはでっかいコンピュータやディスクなどの電子媒体や、山のような紙媒体の資料などに記録されています。物理的にめちゃくちゃ重たいですし、乱暴にすれば壊れてしまうかもしれないので、気をつけて運び出して下さい。
 この戦場のシナリオが一定数クリアされると、「⑯マザー・コンピュータ」の戦力が半減します。マザーとの決戦を望むのであれば攻略する価値は高いでしょう。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『時間質量論を運び出せ』

POW腕力に任せて一気に運ぶ
SPD乗り物や道具を利用する
WIZより重要そうなデータを優先して運ぶ
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


エアリーネ・シルベンスタイン
こんぴゅーたー、はまだ良く分かりませんが、
つまり……たくさん盗みd(こほん)持ち出せばいいんですよね…?

建造物へは《忍び足》で侵入します。多少の事なら《サバイバル》とか《悪路走破》の技能で何とかできますよね…(迷宮遺跡か何かと思っている)
カギがかかっていれば《鍵開け》で突破を。

目的の物を見つけたら……小さなものは直接しまい、大きかったりすればUC【ワープリング】を使って転移させ、『ぷちぽーたるくん』の中の異界の倉庫に仕舞い込んで《運搬》します……
そうそう、書物や紙の媒体であれば『白紙の魔導書』に内容を写し取ってしまいましょうか(情報収集)…あくまでも一時的なもの、ですが……

※アドリブ他歓迎です


「こんぴゅーたー、はまだ良く分かりませんが、つまり……たくさん盗みd(こほん)持ち出せばいいんですよね……?」
 人聞きの悪いことを口にしかけ、咳払いで訂正するのはエアリーネ・シルベンスタイン(びんぼうエルフ・f26709)。此度回収を依頼された『時間質量論』は、この世界の過去や真理を紐解く貴重な手掛かりかもしれない。探求者としては見逃せない資料だ。
「でしたら頑張りますよ……」
 堂に入った足音と気配の消し方で、セントメアリー・ベースに密やかに侵入する彼女。探求者にしてウィザードを名乗ってはいるが、身のこなしは熟練のシーフのそれだった。

「多少の事ならいつもの探索の要領で何とかできますよね……」
 持ち前のサバイバルや悪路走破の技能を活かし、データが遺されているという建造物の中をすいすい探索するエアリーネ。彼女はここを迷宮遺跡か何かと思っているようだが、文明崩壊により一度は廃墟と化したビルなどは、確かにそう言えなくもない。
「ここ、でしょうか……」
 あっという間に目的に部屋に辿り着いた彼女は、「遺跡探検調査発掘セット」の中から鍵開け用のキットを取り出し、慣れた手付きで錠を外す。錆びついたドアをきぃ、と押し開ければ、中には大量のコンピュータや書類や記録媒体の山が雑然と積み重なっていた。

「これを持ち帰ればいいんですよね……?」
 電子機器の扱いについては専門外だし、この資料の山はすぐに解読できる量でもない。
 エアリーネはディスクなどの自分のポケットやバッグに入りそうなものは直接しまい、大きすぎるか重たいものは【ワープリング】を使って転移させる。彼女が呪文を唱えると光の輪が現れ、コンピュータや記録媒体はその中に吸い込まれるように消えていった。
「その品物、ちょっとばかりお借りしますよ……!」
 転送先は彼女が所持する魔法のかばん「ぷちぽーたるくん」から繋がる異界の倉庫だ。
 ちょっとばかりと言うが返却する予定は未定。このベースの住民にとっては無用の長物なので、盗み出しても文句を言われる心配はないが。

「そうそう、書物や紙の媒体であれば内容を写し取ってしまいましょうか……」
 さらにエアリーネは「白紙の魔導書」を取り出し、紙の資料に記された文章をそのまま転写していく。一見メモ帳のようなこの魔導書には、他の書物や媒体に記録された情報を取得し、閲覧できるようにする魔法がかかっていた。
「あくまでも一時的なもの、ですが……」
 魔導書に表れた情報は断片的かつ難解なもので、『時間質量論』の全容を読み解くには情報が足りない。それでも探求者であるエアリーネには、これを記した者の深い叡智と、世界の真相に迫りうる知の水脈を感じ取ることができた。

「これは興味深いです……!」
 エアリーネはぱっと目を輝かせて記録に目を通し、倉庫に詰め込めるだけの記録媒体を詰め込んでいく。此度の探索は彼女の知的好奇心を十分に満足させるものだったようだ。
大成功 🔵🔵🔵

星群・ヒカル
こういう時は番長と仲間たちに任せておけッ!
……というわけで【超宇宙・絆生大星群】を使用するぞ。
1人じゃできないことも、100人いれば大丈夫、ってな!

呼び出した舎弟たちはグループ分けをしよう。
ひとつは記録媒体を倉庫などから外へ運び出す係。
バケツリレーのように運べば効率よく丁寧に運べるだろうな。
力持ちと、繊細な作業が得意なやつで分けると効率よく運べそうだ。

もうひとつは外に出た記録媒体を、纏めて運び出す係だ。
どのくらい積めるか、どれだけ一気に運んでも壊れないかはおれの星の目の『視力・第六感』で判定だ。
宇宙バイクを持っている舎弟たちの機動力が生かされるってもんだッ!


「こういう時は番長と仲間たちに任せておけッ!」
 荷物運びと力仕事はお手の物と、星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)は胸を張る。
 彼が発動するのは【超宇宙・絆生大星群】。中学時代に青春と戦いを共にした舎弟が、銀河の向こうから世界の壁を超えてやって来る。
「おめーら! 再びおれと共に戦ってくれッ!」
「「おおーッ!!」」
 番長たるヒカルの号令に応えて叫ぶ舎弟達、その数実に105名。強大な銀河帝国の支配にも打ち勝った彼らがいれば、どんな事だってできる。そう、資料の回収だって楽勝だ。

「1人じゃできないことも、100人いれば大丈夫、ってな!」
 呼び出された舎弟達は、ヒカルの指揮の元でふたつのグループに分けられる。ひとつは既得媒体を倉庫などから外へ運び出す係。整理整頓などまるでされていない資料の山から『時間質量論』に関わるデータを持ち出すのはなかなかの重労働だ。
「バケツリレーのように運べば効率よく丁寧に運べるだろうな」
「へーいッス。ほらおめー、気ぃつけて運べよ、落としたら番長に怒鳴られっぞ」
「分かってるッスよ……ほいっ」「ほいっ」「ほいっと!」
 このグループはさらに力持ちと繊細な作業が得意な者に分かれ、前者は重たい書類の山を、後者は壊れやすい電子機器をという具合に役割分担がされている。倉庫から廊下へ、廊下から階段へと、えっさほいさと手際よく媒体を運び出す様子は流石の連携プレーだ。

「番長! これを積み込めばいいんスね?」
「ああ、頼むぜッ!」
 もうひとつのグループは、外に出た記録媒体を纏めて運び出す係だ。超宇宙番長ヒカルは熟練のスターライダーであり、その舎弟も1人1人が腕利きの宇宙バイク乗りである。その人手と車両を輸送に活かせば、一気に大量の媒体を迅速に運ぶことができる。
「こっちはあとコンピュータ1台は積めるんじゃないか?」
「ウッス! 了解ッス!」
 一台のバイクにどのくらい積めるか、どれだけ一気に運んでも壊れないかの見極めは、ヒカルの瞳に宿る魔眼「星の目」で測定する。積載重量とバランスを見比べ、最終的には第六感で決定。少しでも多くのデータを回収するために、ギリギリの量を荷台に乗せる。

「こういう仕事なら舎弟たちの機動力が生かされるってもんだッ!」
「任せて下さい! おめーら、番長にいいトコ見せんぞ!」
「「おうッ!!」」
 積み込みの完了した宇宙バイクは一斉に走り出し、大事な記録媒体をセントメアリー・ベースの外まで運び出していく。ここまでの努力を無駄にしないよう、安全運転第一だ。
 中学時代から変わらない絆と結束力を武器に、ヒカルと舎弟達による回収作業は順調に進んでいく。威勢のいい掛け声とバイクのエンジン音が、黄昏の荒野に響き渡った。
大成功 🔵🔵🔵

栗花落・澪
とりあえず、人手があるに越したことはないよね
というわけで【指定UC】で人員確保してみます
…あれ、いつの間にこんなに増えたんだろう…

とりあえず、力のある男性は重いもの
軽いものは女性に担当してもらいつつ
協力して運んだとしても保管場所に着くまでに体力削られたら
今度は落とす危険も出て来るし
全員で新しいもの持ち出すんじゃなく
重いものは担当を交代しながら運ぶといいかも

壊したらマズいものだから、絶対に無理はしないで
不安な時は一度僕に声をかけてください

そう指示を出して自分も…非力だけど
非力なりに持てそうなものを探し
風魔法を乗せた【オーラ防御】を記録媒体に纏わせる事で
保護しつつ風で少し浮かせ重さを緩和して回収


「とりあえず、人手があるに越したことはないよね」
 資料室の中に積まれた記録媒体の山を見上げた栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、これを少人数で運び出すのは辛いとすぐに思った。そこで【澪ちゃん親衛隊】を召喚し、人員確保にあたってみる。
「……あれ、いつの間にこんなに増えたんだろう……」
 呼びかけに応えてやって来た親衛隊は570名。異世界から召喚されて来た訳ではなく、この世界にいる人数だけでこれである。いったいどうやってファンを増やしているのか、それは本人にも分からない。

「とりあえず、力のある男の人は重いもの、軽いものは女の人が担当してください」
 澪が指示を出せば親衛隊は忠実にそれに従う。コンピュータのように重量のあるものを男性陣が持ち上げ、ディスクのように軽くて小さいものを女性達がバッグに詰めていく。これだけの人数がいればかなり多くの記録媒体を持ち出すことができるだろう。
(でも、協力して運んだとしても保管場所に着くまでに体力削られたら、今度は落とす危険も出て来るし……)
 彼らにはバイクや車といった移動手段がなく、輸送は基本的に徒歩しかない。ベースの外まで運ぶことを考えるとかなりの重労働である。もしもうっかり落としてしまったら、『時間質量論』に関する貴重なデータが永遠に失われてしまうかもしれない。

「全員で新しいもの持ち出すんじゃなく、重いものは担当を交代しながら運ぶといいかも」
 澪は効率自体は多少落ちるが、それより安全確実で親衛隊への負担も少ない方法を取ることにした。重たい荷物は数人がかりで担当するチームを決め、手ぶらの者は休憩しつつ他のサポートに回る体制だ。
「壊したらマズいものだから、絶対に無理はしないで。不安な時は一度僕に声をかけてください」
「「わかりました!」」
 推しである澪直々のお願いということで親衛隊の士気は高い。ともすれば疲れていても無理して頑張ってしまいそうなので、そこはしっかりと釘を差しておく。返ってきた答えは元気いっぱいすぎて、本当に分かっているのか逆にちょっと心配だったが。

「僕も口だけじゃなく手も動かさないと……」
 非力ながら非力なりに、自分も持てそうなものを探して運ぶのを手伝う澪。魔法による風のオーラを記録媒体に纏わせることで、衝撃から保護しつつ重さを緩和するという芸当も見せている。輸送でものを言うのは決して腕力だけでは無いということだ。
「これなら持てるかな。よいしょ、っと……」
 風で浮かせた荷物を両手で抱えて回収する。周りでは親衛隊がはらはらと見ているが、そこまで心配せずとも彼も猟兵である。これくらいの肉体労働で音を上げたりはしない。

「保管場所までもう少しです。頑張りましょう」
「「はいっ!!」」
 元気のいい親衛隊と共に、澪は助け合いながら記録媒体をベースの外へと運んでいく。
 彼の的確な指示と連携もあって、輸送中のトラブルや事故などは一切なかったようだ。
大成功 🔵🔵🔵

イーサン・ライネリス
たくさん運べばいいのね。OK,その「命令」承ったわ。
これで技能ぜーんぶ、100レベルね。

書類の山を運び出しましょう。
コートに包んで一山。魔力流して広げたタオルで一山。
エナジーワイヤーで十字に縛って何山か!
根性でできる限り持つわ!
エナジーアームと怪力でそれぞれ持って
操縦技能でバランス取って
バイク運転して運搬。

気遣いで丁寧に運ぶわ。頑張りましょうね、アンジー!
いや、アンタは一束だって持てないわよ。
アタシの肩で応援してちょうだい。それがアタシの力になるから!


「たくさん運べばいいのね。OK,その『命令』承ったわ」
 セントメアリー・ベースから『時間質量論』に関するデータを運び出すという依頼を、イーサン・ライネリス(有閑ダンピ・f22250)は他者からの命令として承諾した。そのほうが【午前十時は気分次第】な彼にとってはやる気が出るらしい。
「やってやろうじゃない!」
 元から何をやらせても一級レベルという多彩な才能を持つイーサンだが、やる気になった彼はまさに万能の天才といえる技能を発揮する。持続時間はあまり長続きはしないが、ひと仕事終えるまでなら十分だ。

「それじゃこの書類の山を運び出しましょう」
 うず高く積み上げられた『時間質量論』の論文と資料を、イーサンはまずコートに包んで一山。それから魔力を流して巨大化させた「木綿タオル」を広げてもう一山。おまけに魔力の「エナジーワイヤー」で荷造りするように書類を十字に縛って、さらに何山か。
「さっすがに重たいわね……でも根性よ!」
 合計すればとても1人では持ち上げられそうにない山々を、ダンピールの彼は人間離れした怪力で持ち上げる。ただし腕力だけではすぐに崩れてしまうだろう。両腕だけでなく魔力で作った見えない「エナジーアーム」でも支えて、うまくバランスを取っている。

「頑張りましょうね、アンジー!」
 古びた書類を気遣うように丁寧に運ぶイーサン。そんな彼を手伝おうとハツカネズミの「アンジェラ」も、彼の肩から降りて資料運びを手伝おうとする――残念ながらあくまで小さなネズミの彼女には困難なお仕事だが。
「いや、アンタは一束だって持てないわよ。アタシの肩で応援してちょうだい。それがアタシの力になるから!」
 書類の前でおたおたしている相棒に笑いかけながらそっと手を差し伸べると、賢い彼女はわかったと言うように鳴いて、手から腕へ駆け上ってちょこんと肩に乗る。その仕草はとてもかわいらしく、イーサンの心をやる気で満たしてくれる。

「ようし、もう一息よ!」
 アンジーの応援を支えにして、イーサンは大量の書類を無事に建物の外まで運び出す。
 ここから先は徒歩ではなく乗り物の出番だ。コートの中からミニカーのような大きさの「特注バイク」を取り出すと、それはあっという間に本物と同じサイズになった。
「ここまで来ればあとは楽勝ね」
 運んできた荷物を後ろに乗せて、崩れないようタオルとワイヤーで固定。乗り切らないぶんはエナジーアームで持ちつつ、座席に跨ってハンドルを握る。軽快な魔導エンジンの音を響かせて、バイクはゆっくりと走り出した。

「風が気持ちいいわね! あなたはどう、アンジー?」
 キキッと鳴くハツカネズミと話しながら、ベースの外へとバイクを走らせるイーサン。
 その巧みな操縦技術により、書類の山を積んでいてもバイクはバランスを崩さない。
 受けた「命令」を100%の仕事ぶりで解決し、彼は満足げな笑みを浮かべるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ラブリー・ラビットクロー
すっごい大きいコンピューターなんな
バットで殴ればいーのん?
【貴重なデータを消失する恐れがあります】
じゃーどーしたらいーんだ?
【当端末とケーブルで接続してみて下さい。ダウンロードを開始します】
じゃーマザーに任せたのん

敵もマザーってゆーんだって
名前被ってるぞ
【そういう事もありますよ】
マザーってマザーと関係あるんだ?
【そういう事もあるかも知れませんね】
えーなんか意味深
ところでまだなんな?
【現在0%完了。残り凡そ963時間です】
ええ!?
そんな待てる訳ないなん!
しっかりしろ
【保護の掛かった物を重要資料と認定し優先的に抽出します】
残りは?
【24時間です】
じゃーそれまでお喋りなん
【わかりましたよラブリー】


「すっごい大きいコンピューターなんな。バットで殴ればいーのん?」
【貴重なデータを消失する恐れがあります】
 かつてはデータサーバーだったと思しき大型のコンピュータを見上げて、金属バットを振りかぶるラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)。それを止めたのは彼女の端末にインストールされた"マザー"の警告だった。
「じゃーどーしたらいーんだ?」
【当端末とケーブルで接続してみて下さい。ダウンロードを開始します】
 運び出すのが困難なほど大きな媒体なら、別のものに中身を入れ替えてしまえばいい。タブレットPCと同程度のサイズのマザーの端末なら、転送先としては丁度いいだろう。

「じゃーマザーに任せたのん」
 ラブリーは言われるままに端末をコンピュータと繋げ、後の事はマザーに丸投げする。
 ときどきポンコツなところも見せるビッグマザーだが、旧文明の高度なテクノロジーの遺産である。旧式のコンピュータからデータを吸い上げる事くらい造作もない。
【接続を確認。内部データへのアクセスに成功しました】
 データ保護のために施されていたセキュリティもあっさり解除し、ダウンロードを開始するマザー。保存されたデータ量は膨大で、どれがより重要なデータか分からないうちは取り零しがあってもいけない。完了までは暫くの時間がかかるだろう。

「敵もマザーってゆーんだって」
 データ回収が終わるまで暇なラブリーは、コンピュータにもたれかかってビッグマザーに話しかける。ここにある膨大なデータを遺した人物の名は「マザー」――フィールド・オブ・ナインの1人「マザー・コンピュータ」のコアとなっている女性である。
「名前被ってるぞ」
【そういう事もありますよ】
 マザーという名称は様々なものに付けられるありふれた名ではあるし、たまたま被る事もあるだろう。しかしラブリーはなんとなく引っかかるものがあった。このセカイを荒廃させた元凶の1人が、自分の相棒と同じ名前だなんて。

「マザーってマザーと関係あるんだ?」
【そういう事もあるかも知れませんね】
「えーなんか意味深」
 はぐらかすようなマザーの言い方に、唇を尖らせるラブリー。しかし本当に知らないのかもしれないし、追求してもこれ以上の答えは返ってこなさそうだ。真相の手掛かりを求めるならば、デトロイトにいるマザー・コンピュータに会ってみるしかない。
「ところでまだなんな?」
【現在0%完了。残り凡そ963時間です】
「ええ!?」
 事務的なマザーのアナウンスに、少女は思わず大きな声を上げる。日数に直せばおよそ40日。カタストロフの到来まであと半月程しかないのに、そんなに待っていたら間違いなく戦争は終わっている。こうしている間もアメリカ各地で戦いは続いているのだ。

「そんな待てる訳ないなん! しっかりしろ」
 ぺちぺちと端末をはたいてラブリーが催促すると、画面に【しばらくお待ち下さい】の表示がポップアップし、少ししてから進行中だったダウンロード状況に変化が見られる。
【保護の掛かった物を重要資料と認定し優先的に抽出します】
 全てのデータを抜き取るのではなく、より重要そうなデータに当たりをつけて回収する方針に切り替えたようだ。これなら多少の取り零しは起きるかもしれないが、所要時間は大幅に短縮される。

「残りは?」
【24時間です】
 丸一日。それでも長いが待てる時間になった。幸いここは拠点(ベース)の中であり、安全は確保されている。思えばラブリー達はこの戦争が始まって以来、休む暇もない程に戦いを続けてきた――ここで少し休憩を挟むのも悪いことでは無いだろう。
「じゃーそれまでお喋りなん」
【わかりましたよラブリー】
 重要データの回収が終わるまでの間、人と機械の【ふたりでひとつ】のコンビは取り留めない会話をする。それは気心の知れた相棒のような、あるいは親子のようなやり取り。
 ここで入手した情報だけでなく、養われた英気はきっと次の戦いに活きるだろう――。
大成功 🔵🔵🔵

アナスタシア・ムスハルト
こういう機械には詳しくないから、どう扱えばいいのか分からないのよねぇ……

魔法はあんまり好みじゃないのだけど……
「無尽の刀剣」で資料を刀にするわぁ
紙とかも含むから、まともな強度になるまですっごい量を圧縮して、とんでもない重さに
kgじゃなくてtで量るレベルねぇ
「力持ち」で「怪力」には自信があるから持ち運ぶには大丈夫だけど……床の方がミシミシいって危ないわねぇ
まるで私の体重が重いみたいじゃない?
もう、失礼しちゃう

足跡をめり込ませながら、のっしのっし歩いて持ち帰るわよぉ
無尽の刀剣を解除すれば元通りになるから、解析のために解除するのは場所を選んじゃうわねぇ


「こういう機械には詳しくないから、どう扱えばいいのか分からないのよねぇ……」
 今も稼働を続けるコンピュータや電子記録媒体の山を見て、アナスタシア・ムスハルト(小さな大剣豪・f24499)は首を傾げる。この手の科学があまり進んでいないアックス&ウィザーズ出身で、刀を振ることに専心してきた彼女には正直持て余す技術の山だ。
「とりあえず壊さずに運び出せばいいのよねぇ?」
 扱いが分からないとはどの程度の強度があるかも分からないということ。このまま持ち上げて運んでも、うっかり力加減を間違えて壊してしまわないか不安がある。ここはまず自分が持ち慣れたものに"変換"するのがいいだろう。

「魔法はあんまり好みじゃないのだけど……」
 そう言ってアナスタシアが【無尽の刀剣】を発動すると、周囲にあったコンピュータや記録媒体、書類の山などの資料が刀に変換されていく。刀鍛冶の隠れ里出身である彼女はこうした魔法も一応学んでいる。あまりにお手軽に作れすぎてしまうため、本人の好みには合わないようだが。
「紙とかも含むから、まともな強度になるまですっごい量を圧縮しないといけないわねぇ」
 刀剣として十分な強度を得られるまで圧縮された資料の山は、結果としてとんでもない重さになる。何かの拍子で折れては元も子もないので仕方ないのだが、これは到底人間が扱える重量ではない。

「kgじゃなくてtで量るレベルねぇ」
 完成した一振りの超重刀を、アナスタシアはひょいっと物干し竿のように担ぎ上げた。
 彼女は屈強さで知られるドワーフ族でも並外れた力持ちであり、怪力には自信がある。なので持ち運ぶのは大丈夫なのだが――。
「……床の方がミシミシいって危ないわねぇ」
 アポカリプスヘルの建造物は総じて荒廃による劣化が進んでいる。脆くなっている場所を踏み抜いてしまわないように、アナスタシアは足元に気をつけながら出口へと向かう。

「まるで私の体重が重いみたいじゃない? もう、失礼しちゃう」
 肩に大きな刀を担いで、足跡をめり込ませながら、のっしのっしと歩くアナスタシア。
 年頃の女子としてはやはり気になるのだろう、全ては刀と建物が悪いのだ。幸いにして床が崩落するような事態にはならず、無事に外まで出ることはできた。
「あとはこれをどこで解除するかねえ」
 【無尽の刀剣】を解除すれば、刀に変換されていた資料は元通りになる。コンピュータ等の精密機械を安全に運ぶうえでは良い選択だった。ただ、圧縮されていた質量が一気に解放されるため、狭い所でやれば酷い事になるのは想像に難くない。

「解析のために解除するのは場所を選んじゃうわねぇ」
 元の場所にあった膨大な資料を広げても問題ないスペースとなれば、やはりベースの外が良いか。アナスタシアは刀を反対の肩に持ち替えて、再びのっしのっしと歩いていく。
 そうして彼女が持ち帰った資料は、『時間質量論』を解析する貴重なデータとなった。
大成功 🔵🔵🔵

リーヴァルディ・カーライル
…「時間質量論」ね。時間と過去、骸の海と世界について多少の知識ならあるけど…

…私達の知らない世界の秘密が、この施設に眠っているかもしれない、か

…まあ。此処にある書類の山以外の機械に関しては、
どうやって資料を読めば良いのか分からないんだけど…

「写し身の呪詛」に血の魔力を溜め武器改造を施しUCを発動
乱れ撃ちした複数体の自身の残像を吸血鬼化して実体化を行い、
集団戦術と吸血鬼の怪力を利用して大量の記録媒体を運び出すわ

…さて。これで人手の確保は出来たわね
それじゃあ、手当たり次第に運び出して

…私?私はほら、吸血鬼化は一瞬だけだし、太陽光が入る場所を遮る必要があるから

…力仕事は貴女達だけで十分でしょう?


「……『時間質量論』ね。時間と過去、骸の海と世界について多少の知識ならあるけど……」
 マザーという人物がより専門的な研究を行っていたとすれば、猟兵より深く世界の真実に迫っていた可能性もある。リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はそれに興味を抱きつつセントメアリー・ベースを訪れた。
「……私達の知らない世界の秘密が、この施設に眠っているかもしれない、か」
 真実の手掛かりは、この地に遺された膨大な記録媒体の中。整理整頓もされずに雑然と放置された資料の山だ。解析の前に運び出すだけで一苦労だが、無視する事もできない。

「……まあ。此処にある書類の山以外の機械に関しては、どうやって資料を読めば良いのか分からないんだけど……」
 ダークセイヴァー出身のりーヴァルディは、コンピュータ等のハイテクの扱いに疎い。
 その辺りは得意な猟兵に任せることにして、彼女はそれ以外の紙媒体を持ち出すために【限定解放・血の眷族】を発動する。
「……限定解放。仮初めなれど満ちよ、影なる器に血の祝福を」
 一時的な吸血鬼化を行った上で、血の魔力を「写し身の呪詛」に込めて呪文を唱える。
 すると本来は戦闘力のない残像を作り出すことしかできない呪術は、実体を伴った分身を生み出す御業に進化する。資料室に血色の霧が立ち込め、その中からリーヴァルディにそっくりの眷属達が次々に現れた。

「……さて。これで人手の確保は出来たわね。それじゃあ、手当たり次第に運び出して」
 リーヴァルディが指示を出すと、眷属達は各自近くにあった資料をひょいと持ち上げ、施設の外へと運び始める。仮初とはいえ彼女らは1人1人が吸血鬼の怪力を備えており、戦闘だけでなく労働力としても役に立つ存在であった。
「……やっぱり、こういう仕事は人数が大事よね」
 集団の力と腕力を活かして、大量の記録媒体をてきぱきと運び出していく眷属を見て、彼女はしみじみそう思う――が、作業中の眷属らがチラチラとこっちを見ているような。

「……私? 私はほら、吸血鬼化は一瞬だけだし、太陽光が入る場所を遮る必要があるから」
 血の眷属化させた分身と違って、リーヴァルディは吸血鬼の膂力を常時発揮できるわけでは無い――それでも普通の人間よりは力持ちだが。吸血鬼特有の弱点も存在しない強みを活かして、分身のフォローに回るのが適材適所というものだろう。
『…………』
 理に適った言い分ではあったものの、それで分身たちが納得したかと言えば――まあ。
 ほんとは重労働がやりたくないだけじゃないかという疑惑の視線が、じー、と同じ顔をした少女達から注がれる。

「……力仕事は貴女達だけで十分でしょう?」
 無表情ながらも決まりが悪そうに、ついっと視線を逸らすリーヴァルディ。ほら早く、と急かすと分身達は荷運びを再開するが、やれやれという雰囲気を醸している気もする。
 残像の実体化と眷属化にはこうした副作用もあるのかもしれない――ともあれ、当初の目的である記録媒体の回収は滞りなく進み、多くの資料を持ち帰る事ができたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

フレミア・レイブラッド
量が多いなら、純粋に人海戦術で運び出せば良いのよね。
一度わたしの城(及び城のある異空間)に運び出せば移動の手間も最低限で済むしね。

【虜の軍勢】でシルキー等の非戦闘員の眷属達も含めた総動員(雪花、エビルウィッチ、ヴィラン隊、邪神のエージェント達、神龍教派のクレリック、閉幕のアリス、ハーベスター、光の断罪者、サーヴァントバニー、渚のパイレーツ、雪華、堕ちた飛空艇技師、氷凝鳥、ウォルファン、邪悪エルフ、ホムンクルスの盗賊等々)して投入

【魔城スカーレット】への道を開き、眷属達に資料の捜索と運び出しを分担させる事で効率よく回収するわ。

慎重さが必要な機材類はわたしが【念動力】等で運んだりね


「量が多いなら、純粋に人海戦術で運び出せば良いのよね」
 セントメアリー・ベースに遺された大量の記録媒体を見やり、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は得意げに笑いながら【虜の軍勢】を召喚する。
 こんな時にいつでも駆けつけて力を貸してくれる、頼もしい仲間が彼女には大勢いる。それは様々な異世界で出会い、自らの虜にしてきた可愛い眷属達だ。
「わたしの可愛い僕達……さぁ、いらっしゃい♪」
 眷属筆頭たる雪女見習いの「雪花」を先頭に、エビルウィッチ、万能派遣ヴィラン隊、邪神のエージェント、神龍教派のクレリック――個性豊かな眷属が空間を超えて現れる。普段は城で使用人をしている非戦闘員まで呼び寄せるなど、正真正銘の総動員である。

「荷物を運ぶだけの簡単な仕事よ。さっさと終わらせてしまいましょう♪」
「「はい、フレミア様!」」
 主君たる吸血姫の号令の下、眷属達はおのおのが協力しあって記録媒体を運び始める。
 今回は戦闘能力が関係ない単純作業であり、むしろ非戦闘員の眷属が能力を発揮する。
「お部屋の整理整頓と同じですね。こういう事にはちょっとしたコツがあるのです」
 家事が得意な西洋妖怪のシルキーが、どこから片付けるべきかを他の眷属達に伝える。
 重たい荷物は力のある者に、壊れやすいものは手先の器用な者にという具合で、資料の捜索と運び出しの役割分担も自然に進められていった。

「これより業務に移ります」「くんくん……見つケタ!」
 持ち前の万能スキルを活かしてヴィラン隊がてきぱきと記録媒体を運び出す。その隣では獣人のウォルファン達が嗅覚によって大事そうな資料を山の中から見つけ出していた。
「「フレミア様のためなら、どのような重荷でも背負いましょう……」」
 邪神のエージェントや神龍教派のクレリック、光の断罪者のような信仰者系の眷属は、フレミアへの忠誠と信仰を心の支えにして、祈りの言葉を呟きながら荷物を運んでいる。生真面目な彼女らとは対照的に、アリスラビリンス出身の眷属達は騒がしい。
「これはあたしが運ぶ!」「そっちのほうが軽そう。ずるいわ」「ならこちらは私が」
 サーヴァントバニー、閉幕のアリス、ハーベスターなど、童話の中から出てきたような元オウガの眷属達。かしましくはあるが本格的なケンカに発展しないのは、今は同じ主を戴く者同士という連帯感が根底にあるからだろう。

「冷やしすぎて壊さないよう気をつけるのー」「もちろんよ」
 雪花や雪華、氷凝鳥といった氷雪系の眷属は、グループになって資料探しをしている。コンピュータや紙のような繊細な記録媒体が多いので、凍らせて運ぶわけにもいかないのが彼女達には悩ましいところだ。
「なぜ私達がこんな事を……」「主命です、頑張りましょう」
 エビルウィッチや邪悪エルフのような魔術系の眷属も、今回の作業に動員されている。肉体労働にはあまり向いていないが、乱雑に散らばった資料の整理と仕分けにおいては、その頭脳を活かして仲間の役に立っている。
「これ、面白そう!」「盗んでは駄目よ」
 この拠点に遺されたテクノロジーの数々は、ホムンクルスの盗賊や堕ちた飛空艇技師のような技巧系の眷属の興味を引くものでもあったが、流石に回収を求められているものをポッケにしまうわけにもいかず、テキパキと手を動かしている。

「一度わたしの城に運び出せば移動の手間も最低限で済むしね」
 こうして眷属の働きにより回収された記録媒体は、異空間にある【魔城スカーレット】に集積される。フレミアは魔城に繋がる次元の道を開きながら、全体の作業の進行状況を見て指示を出していた。
「ん、あれはわたしが運んだほうが良さそうね」
 もちろん口を出すだけではなく、自らも運搬作業にも携わる。慎重さが必要な壊れやすい機材の持ち運びは、念動力による繊細なコントロールが可能な彼女が最も適任だった。

「もう一息よ。頑張りましょう」
「「はいっ!」」
 一致団結したフレミアと眷属達により、積み上がっていた記録媒体の山は随分減った。
 吸血姫の号令とそれに応える眷属達の声が、セントメアリー・ベースに響くのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ジュリア・ホワイト
成程?
ボクはヒーロー、得意武器は蒸気や銃火器さ!
こちらはお供の運転士精霊さん
得意魔法は火炎と石炭生成さ!

紙資料の天敵だね?
しかし泣き言を言っているわけにもいかないね
これでもパワードスーツでそれなりに力持ちだ
地道に重量物の搬送をこなすとしようか(スチームレイヤー、オフ)

「せめて建物の外にあれば、ボクの本体でどんな所へでもお届けしてみせるのだがね!研究所の廊下は狭すぎる!」

むぐぐ、と力を入れて資料を運びながら
ふと資料の中身に思いを馳せる
「時間質量論、か。時の流れは重みであり、それを切り取る事に関する論文かな?重たく横たわる過去を退かして未来へ進もうという猟兵にとっても無関係ではない、か…」


「成程? ボクはヒーロー、得意武器は蒸気や銃火器さ!」
 グリモアベースで今回の依頼内容を聞いたジュリア・ホワイト(白い蒸気と黒い鋼・f17335)は、朗らかな笑顔で自己紹介する。蒸気機関車のヤドリガミという出自と能力を活かし、世界各地でヒーロー活動を行うのが彼女の日常である。
「こちらはお供の運転士精霊さん。得意魔法は火炎と石炭生成さ!」
 彼女の身の回りの世話を主な業務とする精霊さんも、いざとなれば頼れる相棒である。
 そんな彼女らの得意分野を踏まえて、改めて依頼内容との相性を考えてみると――。

「紙資料の天敵だね?」
 そう。戦場ではあらゆるヴィラン共をなぎ倒すジュリア達の能力は、紙媒体に対しては破損と焼失の元となる。貴重な記録媒体をできるだけ「破壊せず」に持ち出すためには、力に制限をかけておく必要があった。悲しいかなヒーローとは万能ではないのである。
「しかし泣き言を言っているわけにもいかないね。地道に重量物の搬送をこなすとしようか」
 白いパワードスーツ「プラチナハート」を装着し、蒸気の外装「スチームレイヤー」をオフにする。武器や能力を使えなくとも自分にはこの体がある、スーツで強化された筋力があれば重たいコンピュータや資料の山だって楽々と持ち運べるだろう。

「よいしょっと。しかし本当に地道な作業になるね」
 ずっしりと重量のある資料を抱え、保管室から建物の外まで運び出していくジュリア。
 遺されたデータは大量にあり、回収の為には何往復もする必要がある。体力的にもそうだが、精神的にもかなり疲労の溜まる作業である。
「せめて建物の外にあれば、ボクの本体でどんな所へでもお届けしてみせるのだがね! 研究所の廊下は狭すぎる!」
 彼女の本体たる蒸気機関車「D110ブラックタイガー号」の運搬力があれば、これだけの資料もあっという間に運び出せただろう。それを顕現させられるスペースさえあれば。
 つくづく相性と能力を活かしきれない環境に不満も溢れるが、しかしヒーローは逆境に挫けない。萎えかけた気力を奮い立たせ、むぐぐと力を入れて重たい資料を運んでいく。

「時間質量論、か」
 そんなこんなで運搬作業を続けながら、ジュリアが思いを馳せるのはやはり資料の中身についてだった。マザー・コンピュータに組み込まれた、世界最高の歌姫「マザー」――彼女が生前に行っていた研究とはいかなるものだったのか。
「時の流れは重みであり、それを切り取る事に関する論文かな?」
 時間とは質量を持つ物質であり、誰かがそれを消費し、骸の海に排出されることで時の流れが生じる。それが猟兵達に伝わっている世界の真実である。もしマザーがその真実に辿り着いた上で研究を進めていたとしたら、時を切り取るような干渉も可能だろうか?

「重たく横たわる過去を退かして未来へ進もうという猟兵にとっても無関係ではない、か……」
 猟兵にも、またオブリビオンにも、この『時間質量論』は無視できない研究データだ。回収して解析を進めたいのは勿論のことだが、敵にこの論文を渡すのも絶対に避けたい。
「つまり守るべき重要物品ということだね。そう考えればやる気も上がってきたよ!」
 敵と戦わない地道な作業でも、その重要性を再認識できればジュリアの気力も高まる。
 決して軽くはない彼女の歩みは、しかしこの世界の平和な未来に確実に繋がっていた。
大成功 🔵🔵🔵

雛菊・璃奈
メイド6人&ミラ達と参加…

「資料の山!」
「たくさん!」
「お片付け!」

片付けはしなくて良いんじゃないかな…。

【影竜進化】でミラ達を影竜に進化…。
ラン達と資料を選別して、ミラ達が操る影の中にコンピュータ等の機材や資料を取り込んで運び出すよ…。

影があれば取り込めるから、重量関係なく持ち運べるしね…。
あまり大きかったり多過ぎるとミラ達の影空間でも取り込んだり移動したり大変だけど…。

ゼロが使えればもう少し大物の運び出しが楽になりそうだけど…絶対壊しちゃうしね…。

それにしても、「時間質量論」ってなんだろう…?


「資料の山!」「たくさん!」「お片付け!」
 研究室を埋め尽くす大量の記録媒体を見上げて、雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)が連れてきた6人のメイド人形が口々に叫ぶ。ごちゃごちゃと散らかったお部屋を見ると片付けたくなるのは、メイドの性分なのかもしれない。
「片付けはしなくて良いんじゃないかな……」
 璃奈が言うように、今回の依頼はあくまで『時間質量論』に関する記録の回収である。
 まあ、この山のような記録媒体を運び出せば、結果的に部屋も片付くかもしれないが。

「きゅぃ~♪」
 璃奈が連れてきたのはメイドとは他にもう1組、3匹の仔竜「ミラ、クリュウ、アイ」も一緒である。ぴかぴか光るディスクにじゃれついたり、書類の山を崩したりして遊んでいるが、この子達には大事な役目がある。
「我が家族たる竜達……闇の衣を纏いて仮初の進化を得よ……」
 璃奈が【呪法・影竜進化】を発動すると、ミラ達は呪力により一時的に成体まで成長を遂げ、3頭の影竜へと進化する。この形態になった彼らは影を自在に操り、自分や他者を影と同化・潜航させる能力を獲得するのだ。

「お願いみんな、わたしに力を貸して……」
 璃奈の願いに応じて影竜達はその能力を応用し、積み上げられたコンピュータ等の機材や資料を影の中に取り込んでいく。そこはある種の異空間となっており、ミラ達の意思で物品の保管や出し入れも自由自在だ。
「影があれば取り込めるから、重量関係なく持ち運べるしね……」
 重くて壊れやすい記録媒体の運搬にかかる諸問題は、これで一気に改善されるだろう。
 璃奈とメイド達は遺された資料を選別し、重要そうなデータや取り扱いに注意を要する記録媒体を優先して影に取り込ませていく。

「あまり大きかったり多過ぎるとミラ達の影空間でも取り込んだり移動したり大変だけど……」
 影竜達の力が有能とは言え、流石に全ての資料を回収すると日が暮れてしまうだろう。
 ギリギリまで詰め込むのではなくある程度取り込んだところで、影竜達にはそれを外に運び出してもらい、その間に璃奈とメイド達が資料の選別を進める。そうした役割分担と作業の流れが自然にできあがっていた。
「整理整頓!」「きゅい!」
 種類ごとに運び出しやすいように記録媒体を陳列するメイド達。影から影に素早く移動して資料を運ぶ影竜達。みな家族である璃奈の助けになろうと一生懸命に頑張っていた。

「ゼロが使えればもう少し大物の運び出しが楽になりそうだけど……絶対壊しちゃうしね……」
 璃奈がぽつりと口にしたのは、彼女と契約を交わした「ディザスター・ゼロ」のこと。体高5mの戦闘用キャバリアを資料の運搬に使うのは、流石に難しいと判断したようだ。
 横着をして貴重なデータを破損させてしまっては元も子もない。慎重と丁寧を第一に、彼女は仲間たちと共に資料の選別に励む。

「それにしても、『時間質量論』ってなんだろう……?」
 選別のために目を通していれば、嫌でも気になるのはその内容である。史上最高の歌姫「マザー」の初期の研究論文であるというこのデータには、本戦争の行方にも影響しうる重要な価値があると見られているが、その内容を明らかにするには解析の必要がある。
「名前からして気になる研究ではあるけど……」
 真相を知りたければまず、この資料を運び出す地道な作業を完遂しなければならない。
 額に浮かんでいた汗をそっとぬぐい、璃奈は再び膨大な記録媒体の山に挑むのだった。
大成功 🔵🔵🔵

キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎

此処がセントメアリー・ベースか…これだけ大きな拠点がまだ残っていたとはな
この戦争が終われば、いずれ各地でこういった拠点が築かれる事だろう
改めて気合を入れねばな

UCを発動
私の【シャンブル・ミニヨン】ならば各媒体に合わせた最適な部屋を用意する事が可能だ
「見た目以上に快適」と言うのは伊達ではない
さらに、質量を無視して収納できるから持ち運びも容易だ
どれだけ嵩張る媒体だろうと山のような資料であろうと全く問題は無い
とは言え…この膨大な数の資料を一人で運ぶのは流石に無理だがな

「時間質量論」か…時間を研究するためには、膨大な時間をかける必要があったんだろう
フッ、これも一種のジレンマなんだろうな


「此処がセントメアリー・ベースか……これだけ大きな拠点がまだ残っていたとはな」
 依頼された現地に転送されたキリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)がまず驚いたのは、アポカリプスヘルでは稀有となる大規模な集落と住民の暮らしぶりだった。
 無論この拠点もオブリビオンの脅威と無縁ではないのだろうが、それでも比較的平和な共同生活を人々が送れているというだけで、この世界では奇跡のような場所だ。
「この戦争が終われば、いずれ各地でこういった拠点が築かれる事だろう。改めて気合を入れねばな」
 自分達の戦いにこの世界の復興がかかっているのだと、改めて実感すれば気力も増す。
 今はこの地に残された『時間質量論』のデータを回収し、必要な情報を持ち帰るのだ。

「私の【シャンブル・ミニヨン】ならば各媒体に合わせた最適な部屋を用意する事が可能だ」
 部屋に雑多に積み上げられた記録媒体の山を、キリカは自分のボリードポーチの中から繋がる亜空間にしまっていく。この空間はスイートルームから銃器保管庫まで用途に合わせた様々なスペースに切り替えが可能で、内部はどれも最高の状態を保っている。
「かなり長い間放置されていたらしいな……保存も管理もバラバラだ」
 紙媒体と電子媒体の違いやそれぞれの保存状態や劣化度に合わせて、適切な保管場所を選択する。このユーベルコードを「見た目以上に快適」と彼女が言うのは伊達ではなく、さらに質量を無視して収納できるため持ち運びも容易だ。

「とは言え……この膨大な数の資料を一人で運ぶのは流石に無理だがな」
 セントメアリー・ベースに遺されたデータは想像以上に多く、相当数の猟兵がこの依頼に協力してくれているにも関わらず、今だ大量の記録媒体が放置されているのが現状だ。
 独力で全てを回収するのは早々に諦め、キリカは他の者が運び辛そうな資料を優先的に【シャンブル・ミニヨン】に収める。どれだけ嵩張る媒体だろうと山のような資料であろうと、この保管庫なら全く問題はない。ならそれは自分が担当するのが適材適所だろう。

「『時間質量論』か……時間を研究するためには、膨大な時間をかける必要があったんだろう」
 回収を進める中でキリカが思いを馳せるのは、これを残した者の研究の日々について。
 関連するデータの膨大さだけでも、ここでの研究が一朝一夕に行われたものでない事は容易に分かる。時の法則とはそれだけ深淵であり、猟兵とて全てを理解してはいない。
「フッ、これも一種のジレンマなんだろうな」
 研究者とはある意味で、そのジレンマに立ち向かい続ける者達を指すのかもしれない。
 果たして歌姫「マザー」はこの場所で何を知ったのか。そして何故フィールド・オブ・ナインのひとりとなったのか――真実はまだ謎のヴェールに覆われている。

「では、もうひと頑張りといこうか」
 少しの休憩を挟んだのち、キリカは資料の回収を再開する。時間と保管庫のスペースが許す限り、ひとつでも多くのデータを持ち帰る――それが猟兵の勝利に繋がると信じて。
大成功 🔵🔵🔵

藤・美雨
大量の重いものをなるべく乱暴じゃない形で運搬する……
よし、それなら手作業だ!
こう見えて力仕事は得意だし好きだよ
元気いっぱい頑張っていくね

ヴォルテックエンジンをバリバリさせて
【怪力】を発揮して荷物を運んでいくね
私は疲弊したり怪我しても大丈夫
荷物を壊さないよう運ぶのを優先するね
最悪私がクッションになってもいいよ!
【激痛耐性】にも自信があるし、何より私は頑丈なデッドマンだからさ

うひゃあ、紙ってなんでいっぱいあるとこんなに重いんだろ
このコンピューターも重すぎ……!
旧式だから?それとも中身がいっぱい詰まっているから?
後者だったら嬉しいな

時間質量論って何なんだろうね
世界には謎がいっぱいだ
いつか分かるのかな


「大量の重いものをなるべく乱暴じゃない形で運搬する……よし、それなら手作業だ!」
 丁寧な扱いや繊細な力加減が必要となる作業では、道具に頼るよりも人力のほうが一番だという状況はままある。藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)にとっては今がそうだ。
「こう見えて力仕事は得意だし好きだよ」
 一見ただの明るい女の子のように見えて、彼女の正体はデッドマン。頑丈で無茶のきく屍人の身体はこういった力仕事にもお誂え向きだと、元気いっぱいに意気込みを見せる。

「それじゃあ頑張っていくね」
 美雨は体内に埋め込まれたヴォルテックエンジンをバリバリ稼働させて、保管庫に残されていた記録媒体をえいやと持ち上げる。少女の細腕とは思えない、驚くほどの怪力だ。
「うひゃあ、紙ってなんでいっぱいあるとこんなに重いんだろ」
 抱えたのは人の背丈と同じくらいの高さまで積まれた書類の山。ちょっとよろめいたが崩さないようにバランスを取って、建物の外までトコトコ運んでいく。書かれている内容は難しすぎて殆ど頭に入ってこなかったが、きっと大事な資料なのは間違いない。

「ふう。よし次っ」
 一山運び終えると美雨はすぐに保管庫に取って返し、残っている媒体の運搬を続ける。
 魂の衝動が尽きない限り、デッドマンの動力は不滅だ。疲弊したり怪我をしてもすぐに回復する。それ故に彼女は無茶をしがちだが、その力が求められているのも事実だった。
「このコンピューターも重すぎ……!」
 巨大な黒箱のようなコンピュータを持ち上げると、ずっしりとした重さがのしかかる。
 家庭用のPCとはサイズもまるで違う。うっかり落とさないように手掛かりとなる箇所をしっかりと掴み、一歩ずつ気をつけて歩く。

「旧式だから? それとも中身がいっぱい詰まっているから?」
 後者だったら嬉しいな、と労力に見合った成果を期待しつつコンピュータを運ぶ美雨。
 ところが彼女にとっては不幸な事に、その媒体が保管されていた建物は廃墟化が進んでいた。脆くなった足場はコンピュータの重さに耐えきれず、ガラッと音を立てて崩れる。
「わわっ、まずいっ!」
 足元の感覚が消え、浮遊感に包まれた美雨は反射的に自分よりも荷物のことを案じた。
 このまま下階に落ちればコンピュータの破損は避けられないだろう。彼女は自分の身体がクッションになるように、咄嗟に空中で体勢を入れ替える。

「うぐっ……でも、平気!」
 落下の衝撃をその身で受け止めて、美雨はぐっと歯を食いしばる。激痛に耐えるのには自信があるし、何より自分は頑丈なデッドマンだ。この程度で活動停止に陥りはしない。
「コンピュータは……よし、無事だね」
 身を挺して守った荷物も壊れてはいない。痛い思いをしたばかりだと言うのに、彼女は晴れやかな笑顔を浮かべて、また荷物運びを再開する。無茶しすぎのようにも思えるが、こうして身を粉にして働く時にこそ、彼女の心は「生きている」実感を覚えるのだった。

「時間質量論って何なんだろうね」
 それだけ頑張って回収した媒体の中身のことは、当然美雨も気になる。世界最高の歌姫「マザー」は、この地で何を研究し、何を解き明かしたのだろう。それを知るためには、資料回収後に解析を行う必要があるだろう。
「世界には謎がいっぱいだ。いつか分かるのかな」
 この荒廃した世界が今よりもマシになれば、謎を明らかにする機会も生まれるだろう。
 そう考えるとちょっとだけ楽しみになって、荷物を運ぶ足取りも軽くなるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

願祈・巡瑠
さて、ダークセイヴァーに似た境遇の世界を救うために私達も手伝うわよ!

【祈りの大筆飛行】を使って壊さない様に気を付けつつ高速で運び出すわ。
「一回で沢山運ぶ」よりも「往復回数を増やす」手段で出来るだけ大量の記録媒体を運び出すつもりよ。
特に繊細な物は……専門の人達に任せるわね。

どうせならより重要な物をより早く届けたいわよね。
私は安全に早く運ぶ事を優先して沢山運搬するから、廻璃はその間に重要そうなデータの選別と、
置いて戻ってきた私にすぐ次の運搬物を渡せる準備をしておいて。
こういうのは一人で一通りやるより作業を分担した方が絶対早いのよね。
力仕事と運搬作業は私に任せておいて!

(廻璃と同行、アドリブOK!)


願祈・廻璃
こういう裏方の仕事も大切ですね。
他の猟兵の皆さんがより戦い易くなる様、私達も頑張りましょう。

それにしても大量にありますね。
これを全て持って行くにしても、重要そうな物を先に運んでおいた方がより役に立ちそうですし、
万が一敵の襲撃を受けたとしてもデータ的な被害は少なくなりそうです。
必要そうなデータを優先して運び易くなる様に荷造りしましょう。

さあ!早く運搬を終わらせて、このデータが皆さんの役に立つ事を願いましょう!
作業中に怪我をしたり疲れた方々を【願いの奇跡】で癒しつつ、運ぶデータを準備しては巡瑠にお渡しします。
分担作業で効率的にどんどん運んでいきましょう!

(巡瑠と同行します。アレンジも大丈夫です。)


「さて、ダークセイヴァーに似た境遇の世界を救うために私達も手伝うわよ!」
 オブリビオンの手によって滅びかけている世界を見捨てたりしないと、意気込みを示す願祈・巡瑠(祈り巡る神殺・f04944)。彼女の姉である願祈・廻璃(願い廻る神秘・f04941)も、おっとりとした微笑みを浮かべながらこくりと頷く。
「こういう裏方の仕事も大切ですね。他の猟兵の皆さんがより戦い易くなる様、私達も頑張りましょう」
 戦争を指揮する強大なオブリビオンとの戦いも重要だが、その裏で行われる支援活動も大事な役目だ。こうした地道な活動が敵の戦力を削ぎ、最終的な勝利に繋がるのだから。

「それにしても大量にありますね」
 ベースに転送された廻璃は、保管庫に所狭しと積み上げられた記録媒体の山を見回す。
 ここにある全部の媒体に『時間質量論』に関するデータが保管されているのだろうか。残らず解析しようとすれば何日かかるか分からないし、運び出すだけでも一苦労である。
「これを全て持って行くにしても、重要そうな物を先に運んでおいた方がより役に立ちそうですし、万が一敵の襲撃を受けたとしてもデータ的な被害は少なくなりそうです」
「どうせならより重要な物をより早く届けたいわよね」
 まずは荷物に優先度を付けるべきという彼女の考えに、妹の巡瑠も賛成する。ちょうど自分達は二人いるのだから、選別する役と運ぶ役にそれぞれ分担するのが効率的だろう。

「私は安全に早く運ぶ事を優先して沢山運搬するから、廻璃はその間に重要そうなデータの選別と、置いて戻ってきた私にすぐ次の運搬物を渡せる準備をしておいて」
「わかりました。分担作業で効率的にどんどん運んでいきましょう!」
 整頓もされずに雑然と放置された記録媒体から、廻璃が必要そうなデータを洗い出す。
 そして運び易くなるように電子媒体と紙媒体に分けていき、崩れないように紐で縛る。荷造りが出来上がったものから巡瑠に渡せば、そこから先は彼女の役目だ。
「さあ、祈りに応えて!」
 故郷の隠れ里に伝わる魔法の筆のひと振り「祈りの筆」を変形させ、箒のように跨る。
 巡瑠と荷物を乗せた筆は風もないのにふわりと浮き上がり、鳥のような速さで建物の外に飛んでいく。積み込んだ記録媒体の重さもまるで感じさせない、実に軽やかな飛行だ。

「力仕事と運搬作業は私に任せておいて!」
 壊さないよう気をつけつつ、巡瑠は【祈りの大筆飛行】により荷物を高速で運び出す。
 「一回で沢山運ぶ」よりも「往復回数を増やす」手段で、出来るだけ大量の記録媒体を運び出そうという考えだ。祈りの筆に乗せられる重量も考慮すればベストな判断だろう。
 あっという間に最初の運搬を終えた彼女は筆を反転させ、すぐさま保管庫に引き返す。帰ってくる頃にはちょうど廻璃が新しいデータの荷造りを終えて妹を待っていた。
「お帰りなさい。次の用意はできていますよ」
「ありがとう。じゃあまた行ってくるわね」
 姉から荷物を受け取った巡瑠は、すぐにまた祈りの筆に乗って飛んでいく。選別してもなお『時間質量論』に関連するデータは多く、ゆっくり運んでいては日が暮れてしまう。少しでも妹の負担を減らすために、廻璃もまた記録媒体の選別に精を出すのだった。

「こういうのは一人で一通りやるより作業を分担した方が絶対早いのよね」
 願祈姉妹の息のあった連携プレーにより、データの回収作業は順調に進められていた。
 巡瑠は特に繊細な物だけは専門の人達に任せ、それ以外の記録媒体は紙や電子を問わず次々に運んでいく。その巧みな筆捌きはまるでおとぎ話に出てくる魔女のようだ。
「けど、流石にちょっと疲れてきたかしらね……」
 保管庫と回収ポイントの間を何十回と往復していれば、当然だが疲労も溜まってくる。
 しっかり者の巡瑠が弱音を吐くことはないが、それでも額には疲れの汗が滲んでいる。あと何回繰り返せばこの作業には終わりが来るのだろうか。

「大丈夫ですか、巡瑠?」
 そんな妹のことを気遣うのは廻璃だった。神秘の力を宿した彼女の【願いの奇跡】は、願いに共感する者の傷を癒やし、疲労を回復させる。願いはきっと叶うという強い想いが奇跡を呼ぶのだ。
「さあ! 早く運搬を終わらせて、このデータが皆さんの役に立つ事を願いましょう!」
 廻璃の優しい笑顔と力強い励ましは、巡瑠の心身に溜まっていた疲労を吹き飛ばした。
 彼女は「ええ、もう大丈夫!」と晴れやかな笑みで応えると、再び祈りの筆に跨った。姉が荷造りしてくれた記録媒体を後ろに乗せて、これまでよりも力強く空に舞い上がる。

「回収が終わるまでもう一息ね。やってやろうじゃない!」
「どうか気をつけてくださいね。危険があればすぐに戻ってきてください」
 意気揚々と運搬作業を頑張る妹に、選別作業を行いながら癒やしの奇跡を行使する姉。
 しっかりと分担と連携の取れたふたりの活動は、依頼を成功に導く大きな助けとなる。あれだけあった記録媒体の山も、気がつけば最初の頃よりも随分少なくなっていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

カビパン・カピパン
セントメアリー・ベースを目指した猟兵がいた。
幾たびの出会い、別れ。それらを乗り越えて英知と続く道のりを駆けた。長く、苦しい旅路であったが、貴重な人類文明の拠り所へとたどり着いた。そこまでたどり着けたネフラに世界最高の歌姫『カビパン紋章』はこういった。

私へたどり着いた褒美に君に装備されよう。

ネフラの苦難の旅路は、カビパン紋章を装備するための道だったのだ。ちっぽけな存在が、足掻き、苦しみ、健気に立ち向かう様を見るためにマザー・カビパンが考えた遊び…

OP一話くらいの内容を語る紋章。
ネフラは100分の1も理解できなかったが、装備してしまった。

紋章は電子機器に寄生していた為、データを記録していたという。


ネフラ・ノーヴァ
カビパン殿(f24111)と共に。

おやおや、出会いの物語とは大層なものだ。まあ使えるものは使うとしよう。
カビパン紋章を装備。なるほど電子記録は吸い上げられているとして、紙やサンプル品などの物理媒体はUCで呼び出した幽霊で集め鉄馬車で運び出そう。
それで、カビパン殿が収集したデータには何か面白そうなものはあったかな? 新しいカレーうどんのレシピ? 暗号だったりするのだろうか。
しかしカビパン紋章、つけっぱなしだと痒みを感じてくるな。アルコールスプレーをぶっかけてみよう。


「私へたどり着いた褒美に君に装備されよう」
 カビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)の霊魂を宿した『紋章』が、セントメアリー・ベースの保管庫でおもむろに告げる。まるで迷宮の奥に隠されたお宝のような佇まいでいるそれは、奇妙不可思議な色合いでピカピカと光っていた。
「幾たびの出会い、別れ。それらを乗り越えて英知と続く道のりを駆け、よくぞ貴重な人類文明の拠り所へとたどり着いた。長く、苦しい旅路であっただろう」
 いつになく厳かで真面目くさった調子で、滔々と語るカビパン紋章。それは自らの元に辿り着いた者への賛辞のようであり、労苦の報酬に自らを身につけるように彼女は言う。

「おやおや、出会いの物語とは大層なものだ」
 そんなカビパン紋章の前に立っているのはネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)。世界最高の歌姫「マザー」が残したという研究論文のデータを求めてこのベースを訪れたが、待っていたのは世界最高を自称するよく分からない何かだった。
「君の苦難の旅路は、カビパン紋章を装備するための道だったのだ。ちっぽけな存在が、足掻き、苦しみ、健気に立ち向かう様を見るためにマザー・カビパンが考えた遊び……」
 紋章が語るTVアニメならOP1話くらいの内容を、彼女はふむふむと頷きながら聞いていた。別にここまで来るのにそんな苦労した覚えもないし、正直何を言っているのか100分の1も理解できた気がしないが、たぶん何かの催しなのだろうという認識である。

「まあ使えるものは使うとしよう」
 結局それがどういった物かきちんと把握しないまま、ネフラはカビパン紋章を装備してしまった。別にもう少し話に付き合っていても良かったのだが、今は依頼の最中である。褒美だと言うなら彼女にもデータの回収を手伝って貰おう。
「私は電子機器に寄生していた為、データを記録していた」
「なるほど。では電子記録は吸い上げられているとして、紙やサンプル品などの物理媒体を集めようか」
 カビパン紋章と会話しつつ、ネフラは【血天鵞絨】を発動。足元から血の絨毯が伸び、そこから浮かび上がった鉄の馬車より、血塗れの舞踏服を纏った貴族の幽霊が躍り出た。

「今日は血の舞台を踊るわけではないが、たまにはこんな事にも役立って貰おう」
 ネフラは呼び出した貴族の幽霊達に、辺りに積み上げられた記録媒体の収集を命じる。
 この手の重労働においては、人海戦術こそが一番シンプルかつ有効な解決手段である。とはいえ舞踏服の貴族がのそのそと資料運びをするのは、一抹のシュールさもあったが。
「紙に血痕を付けないよう気をつけろ」
 大事な資料を汚さないようにとの厳命を受けつつ、貴族達はそれを鉄馬車に運び込む。
 外観は普通のものとさほど違いはないが、数百人の幽霊を乗せられるユーベルコードの馬車だ。乗員を空にすればいくらでも荷物を積めるだろう。
「これくらいで良いか」
 紙媒体やサンプルの山をぎっしりと積み込んだところで、馬車はガラガラと音を立てて走りだす。幽霊で集めて鉄馬車で運ぶ、ネフラの立てた回収プランは実に効率的だった。

「それで、カビパン殿が収集したデータには何か面白そうなものはあったかな?」
 回収作業が一段落すると、ネフラはカビパン紋章に話しかける。彼女が電子機器に寄生して記録したというデータにも、『時間質量論』に関する重要情報があるかもしれない。
「勿論あったとも。新しいカレーうどんのレシピだ」
 だが自信満々にカビパンが語りだしたのは、それとはまるで掠りもしない内容だった。
 彼女は旅団「悩み聞くカレー屋」の団長でもあり、新レシピの情報は本人としては重要なのかもしれないが、それがマザーの研究に関係するかと問われれば恐らくノーである。

「カレーうどんのレシピ? 暗号だったりするのだろうか」
 冗談じみた報告にも大真面目に考察するネフラだったが、残念なことに無関係である。
 いかに世界最高の歌姫でも、自分の研究論文を日本料理の作り方に暗号化する発想は思いつかないだろう。あまりに馬鹿か天才かの紙一重すぎる。
「他になにか情報はないのか?」
「あるけどよくわからない」
 このカビパン紋章、自分の気になった事以外のデータは吸い上げるだけ吸い上げた後はノータッチらしい。後で別の誰かが解析にかける必要があるだろう――この紋章の中からどうやって情報をダウンロードするのか、その方法はわからないが。

「しかしカビパン紋章、つけっぱなしだと痒みを感じてくるな」
 白い肌にぴったりと張り付いた紋章をつついて、そろそろ外そうかと考えだすネフラ。
 だが引っ張っても謎の吸着力でくっついて外れないので、消毒用のアルコールスプレーをぶっかけてみる。
「ギェェェェェェェエ」
 あわれ大量のアルコールを浴びせられたカビパン紋章は、断末魔のような悲鳴を上げてポロッと取れた。宝石状の身体から伸びた触手をぴくぴく痙攣させ、地面をのたうち回る様はまるで虫である。ちなみに彼女の本体は悪霊なので、実際のところはいたって無事。

「ん、取れたか」
 カビパン紋章がくっついていた肌をぽりぽりと掻いて、けろりとした顔でいるネフラ。
 彼女達は顔見知りのはずなのだがまるで容赦がない。顔見知りだからこそ、この程度でカビパンがどうにかなるはずが無いという事を知っているのかもしれないが。
「ではもう一働きするか。カビパン殿もそろそろ手伝ってくれ」
「は~い」
 荷物を置いて馬車が戻ってきたのを見ると、ネフラとカビパン(悪霊)は作業を再開する。二人による『時間質量論』データの回収作業は、こんな具合でまあ順調に進んだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

真月・真白
時間質量論、一体どのような研究論文なのか
歌姫マザーは何を残そうとしたのか
棄てなければならない『過去』を『歴史』として永遠に残す事が存在意義の僕としてはとても興味を引かれます
万が一にも欠損や破損が無いようにしないとですね…よし
紙の資料に関してはナンバリング等があればそれの順番通りに水を通さない袋にしまいましょう
サーバー等は柔らかい布などを紐で巻き付けてクッションに出来ればいいかなと思います
準備が出来たらUC発動、歴史に刻まれた人々の生み出した道具、この場合はリヤカー等でしょうかそれらを再演して念動力で運んで行きます
多少時間がかかっても慎重に進みますね


「時間質量論、一体どのような研究論文なのか。歌姫マザーは何を残そうとしたのか」
 全てが謎に包まれたその内容に興味を抱いて、真月・真白(真っ白な頁・f10636)はセントメアリー・ベースを訪れた。時間とは猟兵やオブリビオンの存在に深く関わっているだけでなく、彼のアイデンティティにも関わる事柄だったからだ。
「棄てなければならない『過去』を『歴史』として永遠に残す事が存在意義の僕としてはとても興味を引かれます」
 歴史書のヤドリガミである彼は、これまでにも世界を巡り、多くの歴史を記してきた。
 ここに遺された研究の記録を――マザーという人物の『物語(じんせい)』の断章を、彼は知りたいと、そして伝え残したいと望んだ。

「万が一にも欠損や破損が無いようにしないとですね……よし」
 真白はまず最初にうず高く積み上げられた紙の資料から回収を始める。ナンバリング等の順序が分かるものはそれの順番通りに整理しなおしてから、水を通さない袋にしまう。書物が本体のヤドリガミとして、こうした紙を劣化させない取り扱いは熟知している。
「こちらのサーバーは、この布を巻いて……と」
 コンピュータ等の電子機器には、柔らかい布などを紐で巻き付けてクッションにする。
 これも運搬中の衝撃で機器が破損しないようにするための配慮だ。物量が尋常ではないのでかかる手間も大変だが、重要なデータを安全確実に回収したい気持ちはよく分かる。
 今は戦時だからと言って、焦って雑な仕事をすれば貴重な記録が失われることになる。荷造りをする彼の表情は真剣であり、根の真面目な性分が現れていた。

「こんなところで良いでしょうか。では」
 準備ができると真白は【蒼炎が再現せし器具の年代記】を発動し、己の歴史書に記した物品から運搬道具を具現化する。熱のない蒼い炎で形作られたリヤカーや手押し車など、人々の歴史が生み出した古代から現代に至るまでの道具が次々と現れた。
「世界は『過去(じかん)』を棄てる。されど人は、『未来』への道標として『過去(おもい)』を遺し刻む。これを、『歴史』という」
 過ぎ去れども失われはしない想いを刻みつけ、時としてそれを再演するのが、歴史書のヤドリガミたる真白の力。出現した荷車は手で押さずとも彼の念動力によって操作され、包装された記録媒体を積んで動きだした。

「焦らず慎重に行きましょう」
 記録を積んだ荷車とともに、真白は移動を開始する。運搬中にぶつけたり落としたりする事のないよう、多少時間がかかっても安全第一で進む。曲がり角や階段は特に注意だ。
 歴史と記録の重要性を深く知る彼が、無事に運び出したこれらの資料は『時間質量論』の謎を解析する大きな手掛かりとなったのだった。
大成功 🔵🔵🔵

七那原・望
精密機器は壊れやすいですもんね。慎重に運び出さないとです。

マジックオーケストラを発動していっぱいのねこさんと影の猟兵達を呼ぶのです。

大きな記録媒体を運ぶのはねこさん達にお任せです。
ねこさん達の魔法を使えば念動力のように記録媒体を浮遊させて移動させられるので、どんなに壊れやすくても関係ないのです。
あ、もちろん魔力を込め過ぎて破壊とかしないようにしっかりお願いしておくのですよ。
それから運んだものを降ろすときには慎重にゆっくりお願いしておくのです。

影の猟兵達も遊ばせずに細かい機材やディスク、書類等比較的運びやすそうな物を運んでもらいましよう。

みんなでやればすぐですもんね。
あと一息、頑張るのですー。


「精密機器は壊れやすいですもんね。慎重に運び出さないとです」
 セントメアリー・ベースに遺棄されていたコンピュータや電子媒体の数々を見回して、そう呟いたのは七那原・望(封印されし果実・f04836)。うっかりこれらの機器に衝撃を与えて、中身が飛んでしまったら一大事だ。運搬には注意が必要となるだろう。
「さぁ、開演なのですよ!」
 そのための運び手として彼女が【マジックオーケストラ】で呼び出すのは無数の白猫と人影の軍勢。困った事があれば何かと助けてもらっている、彼女の頼もしい仲間たちだ。

「大きな記録媒体を運ぶのはねこさん達にお任せです」
 望が魔法のタクト「共達・アマービレ」を振ると、白猫達がその指揮通りに動きだす。
 一見力仕事や荷物運びには向いていないようだが、この子らは高い魔力を持った魔法の使い手である。にゃあと一声鳴けば重たいコンピュータや資料がふわりと浮かび上がり、誰の手も触れていないのに移動していく。
「これならどんなに壊れやすくても関係ないのです。あ、魔力を込め過ぎて破壊とかしないようにですよ」
 望が念の為しっかりお願いしておくと、白猫達はわかってますと言うように耳をぴこりと揺らして、そのまま魔法の念動力で記録媒体を運んでいく。壊れやすい物だという事はきちんと理解しているらしく、その動かし方はゆっくりと丁寧だった。

「影のみなさんには細かい機材やディスク、書類等を運んでもらいましょう」
 大荷物を白猫達が運搬する一方で、同時に呼び出された影達は比較的運びやすそうな物を担当する。この影はいずれも様々な猟兵の姿を模したものだが、能力までオリジナルと同じとは流石にいかないらしい。それでも遊ばせておくにはもったいない人手である。
「大きな箱にいいものが入っているとは限らないですもんね」
 重要なデータを取り零さないためには、できるだけ多くの媒体を持ち帰る必要がある。
 召喚された影の猟兵は望の指示に粛々と従い、散らばった記録媒体を拾い集めていく。

「それから運んだものを降ろすときには慎重にゆっくりお願いするのです」
 まだ幼く力仕事が得意でない望は、指揮者として作業状況の確認と指示出しに務める。
 声に合わせてタクトに付いた鈴がりんと鳴り、それに応じて白猫と影が行動する様子はさながら楽隊の行進のよう。重たい荷物も苦にもせず、保管庫にあった大量の記録媒体を次々に運び出していく。もちろん、壊さないように細心の注意をはらいながら。

「みんなでやればすぐですもんね。あと一息、頑張るのですー」
 望の号令に合わせてにゃあと高らかに鳴くねこさん達。影の猟兵達のほうは静かだが、片手を振ったり拳を上げたりとそれぞれに反応を示す。その動きには一糸の乱れもなく。
 『時間質量論』に関するデータの山は、こうして無事にベースの外に運ばれていった。
大成功 🔵🔵🔵

佐伯・晶
時間質量論、何か重要な事がわかればいいんだけど
とは言え、これを解析するのも大変そうだなぁ
まあ、そういう心配は後にして
今はとにかく運び出そうか

こういう時は頭数を揃えるに限るね
UCを使用して使い魔達に手伝って貰おう

まかされたのですよー

鉑帝竜に輸送用のコンテナを運んで
その中に集めて貰おうか

壊れない様に念動力を駆使して持って来て貰うよ

一部は僕とコンテナに残って
整頓と梱包を手伝って貰おう

引っ越しなんて目じゃない作業量だね
いい筋トレになりそうだよ

紙の資料とかはその場で読んでみたくなるけど
我慢して箱に積んでいこう
一体どんな内容なんだろうね

コンテナが一杯になったら
他の人達が集積してる場所まで鉑帝竜で運ぼうかな


「時間質量論、何か重要な事がわかればいいんだけど……とは言え、これを解析するのも大変そうだなぁ」
 世界最高の歌姫が残したという未知の研究データ、それを保存した記録媒体の山を見て佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は小さく嘆息する。これだけ膨大なデータは回収するだけでも一苦労だが、その内容を解き明かすにはさらなる苦労が待っているだろう。
「まあ、そういう心配は後にして、今はとにかく運び出そうか」
 ここに置いていても解析を進められない以上、まずはデータを持ち帰ることが先決だ。
 フィールド・オブ・ナインとの戦いも激化している現状、迅速に回収作業を進めたい。

「こういう時は頭数を揃えるに限るね」
 晶は希少金属で構成された565体の【式神白金竜複製模造群体】を召喚し、記録媒体の回収を手伝わせることにする。帝竜「プラチナ」を模した使い魔の集団は、彼女の命令に忠実に応える便利な軍団(レギオン)だ。
「さあ、みんな。よろしく頼むよ」
「まかされたのですよー」
 使い魔達はぱたぱたと四方に散っていき、積み上げられた記録媒体の山を拾い始める。
 その様子を確認してから晶は一旦建物の外に出て、試製竜騎「鉑帝竜」を召喚。使い魔と同じ希少金属で構成された、飛竜型のマシンが姿を現した。

「回収した資料はこの中に集めて貰おうか」
 晶は鉑帝竜の武装スペースに輸送用のコンテナを運ばせ、そこに記録媒体を入れるよう指示を出す。本来は戦闘用のマシンではあるが、その積載量を運搬に活かせばかなりの量を一度に運び出すことが出来るだろう。
「はいですよー」
 念動力を駆使して記録媒体を浮かび上がらせ、壊れないようにそうっと運ぶ使い魔達。
 重たくて壊れやすい物も多いが、きちんと注意を払っているようだ。すぐにコンテナの周りは大量の媒体が山積みとなる。

「ありがとう。一部は僕と残ってくれるかな」
「わかったのですー」
 晶はまだ残っている記録媒体の回収に使い魔の大半を向かわせつつ、残した者達と一緒に集めた媒体の整頓と梱包を行う。適当にコンテナに入れておいたら運送中の揺れや衝撃で壊れてしまうかもしれない。そうなれば折角の苦労が水の泡だ。
「引っ越しなんて目じゃない作業量だね。いい筋トレになりそうだよ」
 膨大な量の荷物をひたすら梱包し、コンテナに隙間なく積み込んでいく作業はなかなかの重労働だった。とは言えここで音を上げるわけにもいかず、使い魔達に手伝ってもらいながらひたすら手を動かす。汗ばんだ肌に、秋めいてきた荒野の風が冷たい。

(紙の資料とかはその場で読んでみたくなるけど……)
 一体どんな研究だったのだろうと好奇心を刺激されつつ、晶は我慢してそれを箱に積んでいく。こういうのは経験上、一度読みだすと作業そっちのけで没頭してしまうものだ。部屋の整理整頓や引っ越しの作業と同じ轍を踏むわけにはいかない。
「一体どんな内容なんだろうね」
 それを知る機会は一旦お預けとなるが、この記録が解析されればいずれ真相が明らかになる事もあるだろう。『時間質量論』という未知の研究論文に、興味を抱く猟兵は多い。このまま謎が放置されることは無いはずだ。

「こんなところかな。じゃあ運び出そうか」
 コンテナが一杯になったところで晶はコックピットに乗り込み、鉑帝竜を発進させる。
 梱包はしっかり行ったがそれでも事故が起きないよう飛行速度は抑えめに。向かうのは他の猟兵達が回収した記録媒体を集積しているポイントだ。
「いってらっしゃいですよー」
 飛んでいく白金の機体を使い魔達はぱたぱたと見送り、また戻ってきた時のために回収作業を続ける。ここにある全ての記録媒体を回収するまで、もう一息といったところだ。
大成功 🔵🔵🔵

ルナ・ステラ
可能な限り迅速に、できるだけ多くのデータを回収ですか…
難しそうですができる限りのことはやってみましょう!

わたし自身は力が強い方ではないので星霊さんに手伝っていただきましょうか。
―あなたは?
オリオン座の星霊さんですか?
力を貸してください!

力持ちの大きい星霊さんには重たいものやできるだけ多くのデータを運んでいただきましょう。
わたしは星霊さんのサポートをします。

念のためにデータに防護魔法で【オーラ防御】をかけて、破損しないようにしましょう。
もし、余力があって、高いところや通常では行き難い場所にあるデータがあれば、箒で飛んで取って運びましょう。

星霊さん協力して頑張りましょう!


「可能な限り迅速に、できるだけ多くのデータを回収ですか……難しそうですができる限りのことはやってみましょう!」
 山積みとなった記録媒体の量に目を丸くしつつも、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)はやる気を示す。この資料がフィールド・オブ・ナインの戦力を削る手掛かりになるのなら、やらない理由はないだろう。
「わたし自身は力が強い方ではないので星霊さんに手伝っていただきましょうか」
 そう言って彼女は空に手を伸ばし【夜空の仲間たちの力添え(星霊召喚)】を発動する。
 星と月に愛された少女の元には、願うことで多くの星霊が駆けつけ力を貸してくれる。どんな星霊が現れるか、まだ完全には魔法をコントロールできないのが玉に瑕だが。

「――あなたは?」
 今回ルナの前に召喚されたのは、力強い偉丈夫の姿をした星霊だった。それは星々の中でも特に明るく輝く星をつなぎ合わせた星座、こいぬ座とおおおいぬ座との間に大三角形を形成する、神話の英雄のひとりである。
「オリオン座の星霊さんですか? 力を貸してください!」
 その名を呼んで願いを告げると、星霊は鷹揚な態度で頷いてみせた。オリオンと言えば狩りや怪物退治の逸話が有名だが、その屈強さは荷運びにおいても力を発揮するだろう。

「重たいものやできるだけ多くのデータを運んでいただけますか?」
 力持ちの大きい星霊にはそれに合った荷物を。オリオンの星霊は任せろと言わんばかりに巨大なコンピュータや資料の山を軽々と持ち上げてみせる。星による再現とはいえ英雄の力にかかれば、この程度は朝飯前のようだ。
「わたしは星霊さんのサポートをします」
 ルナは魔法の箒「ファイアボルト」を手に魔力を高め、念のために記録媒体に防護魔法をかける。万が一ぶつけたり落としたりしても、データが破損しないようにするためだ。
 淡い星の光に包まれた荷物を、オリオンの星霊はのしのしと保管庫の外に運んでいく。

「あ、ここにもデータがありました」
 防護魔法をかけてもまだ余力のあったルナは、力仕事を星霊に任せる傍らでまだ残っているデータを探す。高いところや通常では行き難い場所など、人の目が届きにくい所には放置された記録媒体が埃を被っていることも多い。
「よいしょっ、と」
 彼女は箒に跨ってふわりと空を飛び、そうした場所にある資料を取っては運んでいく。
 どれが重要なデータかまだ確証がない段階では、記録の見落としを減らすのは大事だ。1枚のディスクや1ページの書類でも残さないように、しっかりと目を配る。

「ここにはもう無いみたいですね」
 データの取り零しをあらかた拾い集めたところで、ルナはオリオンの星霊と合流する。
 こちらもかなりの量のデータを運び出せたようで、建物の外には記録媒体が山積みになっている。それでもまだ回収作業が完了したわけではない。
「星霊さん協力して頑張りましょう!」
 もう一息ですとルナが小さな拳をぎゅっと握り、星霊も拳を打ち合わせて大きく頷く。
 心を通わせた魔女っ子と星霊は、それからもデータの回収にせっせと勤しむのだった。



 ――こうして猟兵達は『時間質量論』に関するデータの多くを回収する事に成功した。
 歌姫「マザー」が生前に研究したこれらの記録は、必ずや「マザー・コンピュータ」を打倒するための鍵に――あるいは、猟兵達がまだ知らぬ真実の手掛かりとなるだろう。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月18日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵