アポカリプス・ランページ⑧〜Ride on time!(作者 銀條彦
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「今からちょっとお使い、お願いできるかなー?
 大戦争中のアポカリプスヘルにお菓子を届けて紅茶をご馳走になった後、荷物運びして来て欲しーんだけど」
 目下『アポカリプス・ランページ』に奮戦する多く猟兵達が行き交うグリモアベース。
 その一角にふらり姿を現したグリモア猟兵、巳六・荊(枯涙骨・f14646)がいきなり切り出したのはそんな依頼。
 これもまたなんやかんやでフィールド・オブ・ナインの1体「マザー・コンピュータ」攻略を大いに助けてくれると予知は弾き出してしまったのである。

 カナダとの国境に程近い巨大拠点『セントメアリー・ベース』。
 荒廃世界の渦中にありながら、現在に至るまでこの拠点へ身を寄せた人々はみな平和かつ文明的な共同生活を送っているという。
 そして、実はこの『セントメアリー・ベース』こそが「マザー・コンピュータ」に組み込まれた世界最高の歌姫「マザー」の故郷なのである。
「彼女はココに膨大な数の研究データを残してるって判明したんだ。
 中でも注目すべきは「マザー」初期の研究論文『時間質量論』!
 ……そう、ちょっと前に「プレジデント」からの混線でも耳にした言葉。
 それにこのテーマ、どうしたって『骸の海』を連想しちゃうよねー?」
 あるいは「マザー」とは、オブリビオンと化す前から世界の真実の一端に触れ得た者であったのか……。
 いずれせよこれらデータの存在は来たる対「マザー・コンピュータ」戦において猟兵を優位に導くとされており一刻も早い確保が急がれるのである。
「みんなに向かってもらうのは『セントメアリー・ベース』の外れに建つ廃教会。ソコの地下倉庫の更に下に広大な金庫室が隠されてて『時間質量論』を記録した媒体や大型コンピュータなんかががどっさり収められてるんだ」
 とにかくその数が膨大でしかも重量的にやたらと重い。
 地元住民にとっては嵩張るばかりで不要な物だが、あまり派手に大掛かりな運び出し作業を続ければ不審に思われ制止が入ってしまうかもしれない。
 猟兵といえども手間取ること間違いなしなのだが……そこでお菓子の出番なのである。

「この廃教会、現在はたまに集会所として使われるぐらいで普段は近所の老婦人が一人で管理を買って出てるんだ」
 とはいえ日課といえば掃除ぐらいで、労働の対価は紅茶の茶葉。
 彼女は食料も日用品も共同体からの支給分で事足りる慎ましやかな日々を送っており、たまに催すお茶会が何よりの楽しみであるらしい。
 のどかな『セントメアリー・ベース』ならではの話だが……猟兵が向かう今日この日は来客もおらず一人で退屈をしているらしい。
「そこへみんなが茶菓子を片手に訪ねていったら彼女は喜んで迎えてくれるだろーし、
 仲良くなれば運搬が多少ハデなコトになってもお目こぼししてくれるかもってワケ!
 ……あ、このお婆ちゃまが敵側の内通者じゃないのはちゃんと確認済みだからねー」
 お茶会は仲間に任せ、データ運搬だけに専念するというのは勿論アリ。
 だからどうか協力して欲しいなとにっこり笑ってヤドリガミのグリモア猟兵は転送準備にと取り掛かるのだった。


銀條彦
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アポカリプス・ランページ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●プレイングボーナス
 今回は『大量の記録媒体を運び出す』です。
 なのでお茶会のみに専念しすぎるプレイングは場合によっては採用が難しくなるかもしれません。

 廃教会のお婆ちゃまはおっとり穏やかでどちらかといえば甘党さんだそうです。

 みなさまのご参加、心よりお待ちしておりますね。
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第1章 日常 『時間質量論を運び出せ』

POW腕力に任せて一気に運ぶ
SPD乗り物や道具を利用する
WIZより重要そうなデータを優先して運ぶ
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


藤・美雨
廃教会とのどかに暮らす人々、か
アポカリプスヘルにもこんな場所があるんだね
資料も大事そうだし頑張って運んでいきたいな

という訳でまずは紅茶とクッキーを片手にお婆ちゃんのところに
はじめまして、こんにちは!
ここでよくお茶会をしてるって聞いてね
一緒にどうかな?

私、自分のお婆ちゃんの顔を知らないんだよね
こう……色々あってさ
だからこうやって話していると不思議な気分
でも、心がぽかぽかして嬉しいんだ

一息ついたら感謝と別れを告げて運搬の方へ
お婆ちゃん、またね!

荷物を運ぶ時は【怪力】を発揮だ
美味しいお茶とお菓子、楽しいお話で元気もいっぱい
不審がられない程度にどんどん運んでいこう

平和になったらまた遊びに来たいな!


 ベースからベースへ。
 転送を終えた藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)が廃教会のドアベルを鳴らす。
「あらあら、ちょっと待っていてくださるかしら」
 すると遅れて大扉が開き、エプロン姿の老婦人がにこやかに少女を出迎えてくれた。
「はじめまして、こんにちは!
 ここでよくお茶会をしてるって聞いてね。一緒にどうかな?」
「まあ! どうぞいらっしゃい、可愛らしいお嬢さん。今日のお茶会は貴女がはじめてのお客さまなのよ」
 美雨ほどの歳の少女の訪問は珍しかったのかもしれない。
 白髪の管理人は、喜んで彼女を建物の中へと丁重に招き入れてくれた。

 備え付けのキッチンから湯気が立ち昇る。
 生成りのクロスを掛けたダイニングテーブルの上には季節の野花を挿した小瓶がそっと飾られており……そんな、ささやかな憩いの小空間は美雨をほっと心安らがせてくれる。
(廃教会とのどかに暮らす人々、か。
 アポカリプスヘルにもこんな場所があるんだね……)
 一方で老婦人もまた。
 あれこれ手伝いを買って出ては生き生きと小気味良く動き回る少女のさまにすっかりと元気を分けてもらったと、彼女の朗らかな笑顔はますます明るさを増してゆく。
 白磁のカップへ注がれたお茶はキラキラと透き通る紅から深き芳香を漂わせて。
 さあ、楽しいお茶会の始まりである。
「まあまあ……なんて美味しそうなチョコチップクッキー!」
「えへへ、紅茶も持ってきたんだ。お婆ちゃんの紅茶と飲み比べてみたいなって♪」
 しっとりほろほろな美雨のクッキーは御歳を召した御婦人の口に優しい。
 合わせて差し入れられた茶葉は老婦人も飲んだことのない銘柄で、彼女はまるで少女のようにキラキラと瞳を輝かせて喜んでくれた。
 しばらくは二種類の紅茶の味について大いに盛り上がり、クッキーと交互に頂くともう止まらないなんて笑い合って――そして。
「私、自分のお婆ちゃんの顔を知らないんだよね。こう……色々あってさ」
「そうだったの……」
 訥々と語り始めた美雨の話に、老婦人も深く詮索せず……だってどんなに平和だとしても此処はアポカリプスヘルなのだから――しわだらけの両掌をティーカップで温めながら静かにただ耳を傾けてくれている。
(だからこうやって話していると不思議な気分。でも、心がぽかぽかして嬉しいんだ)
 なつっこい笑顔絶やさぬ、見るからに生気に満ち満ちた美雨はその実デッドマンで。
 あわやかな湯気と共にがらんどうの骸を満たす老婦人との一時は、衝動と呼ぶにはあまりにもささやかで。穏やかで。
 それなのに――強く強く少女の『魂』を脈打たせてやまなくって。

「美味しいお茶とお菓子、楽しいお話で元気もいっぱい!」
 その後、掃除のお手伝いという口実で地下倉庫まで老婦人に同行した美雨は、グリモアの予知通りに金庫室への隠し扉を発見する。
 長年管理人を務めていた自身も知らなかった隠し部屋と謎のガラクタの山に老婦人は目を丸くした。
 そしてすぐに、いざと言う場合に避難所として使える広大な地下金庫室そのものの方が『セントメアリー・ベース』にとっては重要だと考えた様だ。
 となれば室内を占拠する膨大な数の荷物はむしろ邪魔なばかり。
 可能なかぎりの荷を外へ運び出したいという美雨の申し出は不審どころか有難い渡りに船であった。
「あら、またお客様だわ……本当に貴女ひとりに任せてしまっていいの?」
 老婦人はいかにも心配げに階段を引き返していったが、少女はその後、猟兵として怪力を遺憾なく発揮してつつがなく作業を進めていったのだった。

「お婆ちゃん、またね!」
 そう。平和を取り戻した暁にはきっとまたここへ、
 ――このお婆ちゃんの所へ遊びに来るのだ。
 美雨の願いは猟兵がアポカリプス・ランページに勝利した時、きっと叶うだろう。
大成功 🔵🔵🔵

栗花落・澪
お茶会…!
お茶菓子としてはちょっと派手かもしれないけど
なんでもいいなら僕は薔薇のアップルパイを作って持ち込もうかな
1番得意なお菓子なんだ

廃教会…というか、教会も好きだから
時間が許す限り色々お話も聞いてみたいな
管理ってどんな事してるんだろうとか
お祈りを捧げてもいいなら是非少しだけ

ところでここ…コンピューターとか、色々あるよね
よかったら持ち出してもいいかな?
僕一人じゃ非力で持てないから、仲間…呼びたいんだけど
時間はかけないから

許可を得られたら【指定UC】
流石に全員で運び出しはごちゃっとするから
運ぶ組と運搬組に分かれて連携させようかと
僕は重そうなものに風魔法かけて、風力で浮かせて効率化狙い


七那原・望
こんにちはなのですー。もし良ければエクレアとアップルパイ持ってきたので、お茶会しませんか?

とっても良い香りの紅茶なのです。ホッとする良いお味なのですー。

お菓子はどうですか?お口に合えば良いのですけど。実は手作りなのです。

最初は紅茶やお菓子の話から初めて、その後はこの教会の話とかおばあさんの話とか色んなお話を聞いて打ち解けるのです。

十分にお茶会を楽しんだらおばあさんに許可をもらって記録媒体の運び出しを開始するのです。
記録媒体の運び出しは不退の超重甲兵で呼び出した兵達が丁寧に行います。

今日はありがとうなのです。お茶会、とっても楽しかったのです。
色々落ち着いたらまたお菓子持って遊びに来ますね。


 次いで『セントメアリー・ベース』の廃教会を訪れた猟兵は七那原・望(封印されし果実・f04836)であった。
「こんにちはなのですー。
 もし良ければエクレアとアップルパイ持ってきたので、お茶会しませんか?」
「え?」
 丁重なご挨拶に返った声は扉の向こうから、ではなく幼い少女の後ろから。
 望と同じオラトリオの栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が思わず驚きの声を上げた後ちょっぴりバツの悪そうな表情を浮かべていた。
「……僕もアップルパイなんだ。1番得意なお菓子だから」
「あー、手作りまで被ってしまいましたかー。
 それではいっそわたしはエクレアだけをお出しして……」
 2人は赤いアネモネとキンレンカの髪花を寄せ合い、ひそひそと緊急のひみつ会議。
 それに待ったを掛けたのはお婆ちゃんの甘党魂である。
「まあまあ、とんでもない! 折角の心尽くしをお預けだなんて悲しい事を言わないで。
 どちらの特製アップルパイも美味しく頂かせてくれないかしら?
 さあ、いらっしゃいお嬢さん達」
 茶目っ気たっぷりのウインク、ひとつ。
 僕はお嬢さんではないんだけどねという言葉をとりあえず澪は飲み込む事にした。

「ホッとする良いお味なのです……」
「お口に合ってなによりだわ」
 カップ越しに伝わる熱と芳しい香り。
 角砂糖かき混ぜた紅茶を一口飲めばほのかな甘さがふうわり膨らんで。
 視覚に頼らずともさまざまな『おいしい』が望の五感を優しく包んでくれる。
「わーい、望さんの網目アップルパイとっても美味しそう♪
 エクレアもこんなに綺麗な形に焼き上げられるなんてすごーい!」
 このエクレアにフォークやナイフを使うだなんて却ってマナー違反じゃないかしらとのお婆さまからの提案に頷く猟兵たち。
 お皿から手づかみし、表面をつやつやに覆うチョコレートごとがぶりと齧り付けばたちまちシュー皮の向こうからとろりと甘いカスタードが溢れだす。
「サックサクのパイ皮にバターやシナモンたっぷり利かせたアップルパイといい……。
 望さんのお菓子って味はもちろん、食感や風味の取り合わせがとにかく絶品っ!」
 かくいう澪の手作りパイだってひけを取らない会心の焼き上がり。
 最初こそ偶然のモロ被りに落胆していた彼だったが一口にアップルパイといっても長く世界中で愛されるおやつはその種類もさまざま。
 澪のアップルパイは望のものと外見からして全く別物で目も舌も決して飽きさせない。
 皮付きのまま薄切りにした林檎をじっくり煮詰めて、並べて、パイシートといっしょにくるくる巻かれたフィリングはほんのり紅色――薔薇のアップルパイである。
「食べてしまうのがもったいないぐらい、なのに……あぁ。
 なんて紅茶にピッタリなのかしら……」
 華やぐテーブルを囲んでの笑顔もおしゃべりもいっそう花咲かせ、徐々に心開いた老婦人はより踏み込んだ話題についても話し始めていた。
 教会はもはや集会場と化しているが裏手の共同墓地は現役で使われておりその手入れ等も合わせて任されていること。
 老婦人が実は早くに夫を亡くして息子とも生き別れた寡婦であること……。
「……いけないわね、すっかり湿っぽくなってしまって。
 ふふ、さあ紅茶のお替りをどうぞ」

 そして、楽しい時間もそろそろお開き。
 おずおずと澪がデータ持ち出しの許可をと申し出る。
「僕たちじゃ非力で持てないから、仲間……呼びたいんだけど。時間はかけないから」
 もちろん廃教会の管理人である老婦人は快くOKしてくれた。
 ただ、お友達の皆さんにもお茶を出したいという彼女からの気遣いについては丁重にお断りせねばならなかった。なぜならば……。
「――防衛指令発動(ディフェンスオーダーレディ)!」
「よーし、じゃあ僕も! みんな、集まって整列ー!
 ……ってまたまた人数増えてない???」
 お友達の皆さんとは、望が召喚した『不退の超重甲兵(モーロン・ラベ)』114機に澪が呼び集めた『澪ちゃん親衛隊』570人が合わさった大運搬団だからである。
 数には数を。実に正しくも恐るべき、圧倒的人海戦術。
「流石にごちゃっといっぺんに地下室入りするのは、だいぶ無理があるよねー」
 けれど特に混乱は見られない。
 澪や望から飛ぶ指示の下、彼らはきっちり整然と班分けされていったからである。
 それぞれに役割分担する事で人海戦術はより効率化されたものとなってゆく。
 風魔法で対流をコントロールして親衛隊員たちの負担軽減を引き受ける澪。
 望の機械兵は数こそ親衛隊に劣るが疲れ知らずで学習能力も高い。的確に指示を出し、互いに補い合わせる事で金庫室のデータ機材はみるみるとその数を減らし、空きスペースが広がり出してゆく……。

「今日はありがとうなのです。お茶会、とっても楽しかったのです。色々落ち着いたら、またお菓子持って遊びに来ますね」
 一通りの作業を終えた帰り際。
 ペコリと丁寧にお辞儀をして、望は老婦人と別れを惜しみあっていた。
「ええ、楽しみに待っているわ。今度はお友達も、ね?」
 そこは曖昧に返しつつ……一方その頃、澪は廃教会の奥で祈りを捧げていた。
 聖母のステンドグラスが残されていると聞いて思わず追加でお願いしたのである。
 天上より射しこむ光に包まれて、翼広げた天使の歌声はどこまでも澄み渡る――。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

重松・八雲
【守】
(和洋様々な菓子をたーんと包み、いざ!)
うむうむ、それに腹が減っては何とやらじゃしのう!
きちっとご挨拶しつつ英気も養おうぞ!

(存外礼儀正しく茶会に参じ)
御機嫌麗しゅう、ご婦人!
廃の文字が付くとは思えぬ程、良う手入れされた場じゃな
(澪に頷きつつ、うきうきと包み差入れ)
ああ、儂らも茶飲み友達の輪に加えて頂けると大変嬉しい!
良ければ此処での思い出話等、聞かせとくれ!
(顔に似合わず無邪気な菓子好き――茶も話も心から楽しみ)

充実した時間のお陰で力も心も漲るようじゃな!
後は勇んで運搬に励むとしよう!
ああご婦人、他にも男手が要ることがあらば言うとくれ!礼を尽くそう!
(重い物や大きな物を率先して運び!)


鳳来・澪
【守】
(ほっと優しい味わいのお菓子を中心に持ち込み)
穏やかな場をいきなりお騒がせする訳にはいかへんし、ご挨拶は大事よね
――勿論、適度な息抜きも、ね!
お互いにええ一時になると良いねぇ

(おばあちゃんっこ故にか、何処か懐かしさを感じてほんわかと)
こんにちは、ご婦人
ほんに、日頃のお仕事振りが窺えるね
今日はそんな日々の休息に、良かったら一緒にお茶させてもらえると嬉しいなあって
ふふ、うちも昔話とか聞いてみたいな
あ、好きなお菓子もあれば是非教えてね!

(楽しい時間はあっという間で)
良いお茶会に感謝を!

後はお仕事やね
運搬序でに、模様替えやお掃除のお手伝いも必要なら言うてね、ご婦人!
(丁寧に媒体包み運び出しつつ)


「穏やかな場をいきなりお騒がせする訳にはいかへんし、ご挨拶は大事よね。
 ――勿論、適度な息抜きも、ね!」
 明るく張り切る鳳来・澪(鳳蝶・f10175)に重松・八雲(児爺・f14006)も顎鬚を撫ぜながら頷き応じる。
「うむうむ、それに腹が減っては何とやらじゃしのう!
 きちっとご挨拶しつつ英気も養おうぞ! いざ!」

 見るからに豪快な印象が先に立つようでいて存外と如才なく礼儀正しき紳士ぶりを発揮する八雲とおばあちゃんっこ故にずっとほんわかと柔らかな笑顔絶えない澪。
「御機嫌麗しゅう、ご婦人! 良う手入れされた場じゃな」
「こんにちは、ご婦人。 ……ほんに、日頃のお仕事振りが窺えるね」
 そんな2人組を迎えた老婦人は、最初、新顔の配給係かと思わず勘違いしそうになったらしい。何せ彼らが持ち込んだ量は手土産というレベルを遙かに越えていた。
 豆大福にチーズケーキに煎餅に……和洋問わず、八雲がこれは旨そうだと思った菓子という菓子を片っ端からたんと包んで持って来たようだ。
「良かったら一緒にお茶させてもらえると嬉しいなあって」
「ああ、儂らも茶飲み友達の輪に加えて頂けると大変嬉しい!」
 健啖家の70歳児とうら若き乙女でなおかつ本体が別に存在するヤドリガミの腹ペコが基準ではさもあらん。
 結果、ご高齢女性にとっては文字通りかなり荷が重い量となったが問題は無い。
「少しずつ摘んでは選び放題なんて……ふふ、まるでお姫様みたいな贅沢ねぇ」
 すっかり目を丸くしていた老婦人もすぐにこのお茶会を楽しみだしてくれた様子。
「あ、好きなお菓子があれば是非教えてね!」
 菓子の山の中でもほっと優しい味わいの物の多くは澪が選んだ物であった。
 往々にして。
 少食だが食べる行為自体は好きな者は、気持ち良くもりもりと食べる他人の姿を眺めているだけでも幸せになれるものだ。
 まるで子供のように菓子を頬張り紅茶を味わう同年代の八雲のカップに、老婦人が注ぐポットからは煌めく琥珀色と豊かな香りが踊る。
「手ずからの給仕、真に有難い。そうだ。良ければ此処での思い出話等、聞かせとくれ」
「ふふ、うちも昔話とか聞いてみたいな」
 猟兵たちの求めに、老婦人はこの平和な巨大拠点に辿り着いてからは穏やかな日々の繰り返しで――この世界でいかにそれが幸福で貴重なのか噛み締めていると静かに語った。
 この『セントメアリー・ベース』へと辿り着く以前には彼女にも様々な苦難があったのだろうと言外に滲ませたが……大切なのは現在。陽気な2人連れとのお茶会を楽しむべきなのだ。

「ああ……楽しい時間はあっという間やねぇ。良いお茶会に感謝を」
 優しい余韻に包まれた澪がひとつ、伸びをして。
 八雲も後ろ髪引かれる思いながらも席から立ち上がる。
 地下からの運搬作業に取り掛かるにあたって、澪も八雲も口を揃えて、部屋の模様替え等なにか手が必要な仕事があれば引き受けると申し出た。
 とはいえ老婦人の住居自体は近所に別にあり、周囲の住民も力仕事まで彼女一人に任せて切っている訳ではなく定期的に男手が集まってあれこれと手伝ってくれているらしい。
 お気になさらないでと微笑んで送り出された猟兵2人。
「後はお仕事やね」
「うむ、充実した時間のお陰で力も心も漲るようじゃな!
 後は勇んで運搬に励むとしよう!」
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

御園・桜花
「亜墨利加の方は、がっつり甘いかしょっぱい固すぎないお菓子を好まれるそうです」

粉末緑茶
小型ドーナツ
板チョコ
マシュマロ持参
ドーナツを半分に切って温めチョコとマシュマロを炙って挟みスモア風に
「粉末緑茶は紅茶と同じように飲んでもお料理に使っても。ドーナツもご一緒に」
何時から此処の管理をしているか等茶飲み話後運搬

UC「ノームの召喚」
ノーム達には片手で持てる記録媒体を1人2つずつ選んで運んで貰う
メアリー・時間・○○論等の標題があるもの優先して運んで貰う
自分は大型コンピューター周辺を探索し其れに付随する記録媒体を引っこ抜く

「此の世界が何時かヘルではなくヘヴンと呼ばれるように。其の可能性を集めに来たのです」


「亜墨利加の方はがっつり甘いかしょっぱい、固すぎないお菓子を好まれるそうですが……御婦人は前者をお好きだそうですね」
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)もまたこれまでの他の猟兵と同様にお菓子持参で廃教会を訪れていた。
 しかし彼女の手土産には他の猟兵と大きく異なる点があった。
 小ぶりのドーナツに板チョコ、マシュマロと、そのまま食べても紅茶のお茶請けとしてはまあ特に無難なものばかり。
 けれどキッチンを借りた桜花はこれらを材料に、そこから更にもう一手間かけて新たな1つのスイーツに変身させて老婦人を大いに喜ばせるのだった。
「あら、まあ! スモアドーナツね……!」
 北米地域で親しまれるスモアは焼いて蕩かせたマシュマロとチョコレートを2枚の全粒粉クラッカーで挟んで食べるというものでキャンプファイアーの定番である。
 クラッカー以外にも、代わりにクッキーで挟んだり、マシュマロとチョコをスキレットに敷き詰めてフォンデュみたいに皆で囲んでディップにして食べたり。
 様々なアレンジが存在するお菓子だが、桜花がこの日用意したスモアは横半分にカットしたミニドーナツのサンドである。
 マシュマロをぎゅっと挟んでトーストし、焼きあがる寸前に板チョコも加えて炙って、とろりと溶かせば出来上がり。
 桜花が手早く作りあげたスモアは一つ一つのサイズが手頃で食べ易く、マシュマロ表面の焼き目やチョコとの絡み具合も絶妙で。
「今度は少々焦がしてみましょうか」
「うふふ、それは素敵ね」
 甘党にとっては堪えられない、まさに「Give me s'more(スモア)!」なスイーツ。
 続けて桜花は持参した茶筒から茶器を使わず直接緑茶を淹れて、ぜひドーナツとご一緒にと老婦人へ勧めた。
「これはお煎茶を挽いた粉末茶です。茶葉の栄養や旨味を逃さず全て味わえるので、私はよくこうして飲んでいます。茶殻も残りませんからお料理に使っても良いですね」
 桜花の説明に老婦人はすっかりと感心しきりの様子で聞き入っていた。
 材料を無駄にしない、廃棄分を出さないという点は、平和な巨大拠点の住民とはいってもアポカリプスヘルの人間である彼女にとって重要な事なのだろう。

「とても楽しかったし、勉強もさせて貰ったわ」
 終始和やかにお茶会を終えた後は「マザー」の置き土産との戦いである。
『――おいでおいで、土小人。私の手助けをしておくれ。代わりに石をあげましょう。
 ――ざらざら渡す石ビーズ、その分手助けをしておくれ……』
 地下金庫室にひとり降り立った桜花の歌声に誘われて、小さなノーム達が次から次にと姿を現す。
 より重要と思われるデータのみを厳選する為に、幾つかの特定ワードを含む標題のものを特に優先して運び出すよう桜花は彼らへのお願いにつけ加えた。
 ノーム達は、それぞれ、陽気な歌を口ずさみながらお手伝いに励んでくれる。
「ありがとうございます。それでは私は……」
 ひときわ大きな巨大コンピュータを見上げる桜花。
 金庫室そのものをいったん破壊でもしない限りこれを外部に持ち出す事は困難だろう。
 だが地下でそれを実行に移せばその上の建物まで巻き添えにしてしまう。
 少し考え込んだ後。巨大コンピュータの周りをぐるりと歩き回った桜花は完全に稼動停止している事を確認した上で、お目当ての記憶媒体を発見し抜き取った。

「此の世界が、何時か、ヘルではなくヘヴンと呼ばれますように……」

 その願いの先がどれほど長く険しくとも可能性の小さな種を一つ一つ拾い集め、そして花咲かせようと桜の精は改めて固く心に誓うのであった。
大成功 🔵🔵🔵

レイ・オブライト
時間質量論……
いいや。後のことはその手の先生方に任すとして

今のオレにとっちゃ食事は趣味の域を出ない
どうせなら糧になる方が良いだろう。データ運搬に専念
重量ある精密機械は『怪力』で手ずから運搬。前方が見えずとも手足のような『覇気』で障害物程度把握出来る
日々の『悪路走破』で足腰は鍛えてる、転ぶことはなかろう
ファイル類なら纏めて念動制御の『枷』でくくり浮遊させ、手放しで同時に運び出す
届く笑い声と甘い香り
刺激されるのは食欲ではなく、淡い郷愁
故にこそ足は止めず

持参の茶菓子(アップルパイ)は明日の茶会用にでも、去り際に置いて
誰かの口に合えばと選んだのはいつぶりか
…つくづく、冗談みてえに平和な場所だ

※諸々歓迎


 暗く冷たい、まるで墳墓のような地下室で、男が独り。
 デッドマンである彼は、ただ黙黙と、猟兵としての作業に励んでいる。

「時間質量論とは、な……」

 呟きは誰に聞かせるともない独り言。部屋を囲む硬い壁に消えるばかり。
 かぶりを振って、男はまた運搬作業にと集中する。
 解析も考察もそのテを専門とする先生方に任せればそれでよく己の出る幕では無いと、冷静に思い直したからである。
 自慢の膂力以上に、疲れを知らぬ……というより疲耗というリミッターが完全に失われた彼の肉体は、埃に塗れながらの力仕事という適所でこそ適材となり得ると彼は熟知しているのだ。

 レイ・オブライト(steel・f25854)が、歌姫「マザー」が残した膨大な研究データを求めて金庫室へ足を踏み入れたのは猟兵と老婦人が最初のお茶会を終えて程無く。
 其の猟兵もまたデッドマンであったが己とは異なり随分と生物らしさを発揮してみせるのが得意そうな死人の少女であった。
 レイは唯一、この日、地上で催され続けたお茶会に一度も参加しなかった猟兵だ。
 彼はその日一日、只管、地下金庫室からのデータ運搬のみに専念し続けた。
 膂力を恃みに重量級の機材を次々に持ち上げ、電流発生を極力抑え込みながら持ち前の覇気をレーダーの代わりにして。汗ひとつ流さず、淡淡と、薄い表情を保ちながら。
(今のオレにとっちゃ食事は趣味の域を出ない。
 ……どうせなら糧になる方が良いだろう)
 それでも。
 時折、漏れ聞こえる温かな笑い声。
 紅茶や菓子の香が、ふわり、鼻腔くすぐれば彼の心中にはさざ波が揺れて。
 其れを心地好いと感じさせる起点は、食欲では無い。そのような本能はとうに死人たる彼の肉体からは切り離されている。
 其の刺激の起点とはきっと、はかなく、淡い――郷愁。

 疵だらけの両腕のみならず『枷』たる銀鎖を第三の腕として巧みに操作し、記憶媒体の運搬はますます捗っている。
 じゃらりじゃらり……擦れる金属音に惹かれるように。
 一体の小さな土くれの小人が、レイの前にとぴょこぴょこと迷い込んで来た。
 その土小人は鎖絡まる紙資料の束をじっと見上げ続けている。
 無機質な磁気媒体が多くを占める中にあって、頗る分かり易く、表紙に『質量を持つ時間の認知とその計測に関する実験的検討』と標題打たれていた研究データ群である。
「なんだ、お前。こいつが欲しいのか?」
 レイの問い掛けに、小さな頭がコクリと大きく頷いて。
 猟兵のユーベルコードで使役されている存在であろう点は間違いなくと判断し、持てる限りの分があっさりと譲り渡される。
 とにかく広大な金庫室の別ブロックには先ほどから度々大量戦力が投入されているらしき事は、漏れ伝わる気配や振動からレイも察知していたのだ。
「転ぶんじゃあねえぞ」
 両手に荷物を抱え込んだまま、とてとてとまた引き返してゆくノームの後ろ姿に思わず一言、声が掛けられて。

 お茶会の残り香を漂わせる様々な猟兵達が、入れかわり立ちかわりに行き交う間。
 男は独り、黙黙と、猟兵としての作業に没頭し続けていた。
 かくして任務は無事に完了。
 来たるフィールド・オブ・ナイン「マザー・コンピュータ」との戦いにおける切り札は猟兵達の手にと握られた。
 もはや長居は無用だが……その前に一つ『野暮用』を済ませる為、レイは廃教会のダイニングへと足を運ぶ。
 すると……すぅすぅと微かな寝息。
 どうやら幸せいっぱい、お腹もいっぱいの老婦人は猟兵達を見送り終えた後にテーブルに伏せたまま眠り込んでしまったらしい。

「……つくづく、冗談みてえに平和な場所だ」

 運良く見つけた手編みのブランケットをそっとその細い肩にかけ、『野暮用』もしっかり済ませたレイは今度こそ廃教会を後にした。
 老婦人眠る傍ら、ダイニングテーブルの上へ新たに置かれていたのはザクザクのクランブルがたっぷり山盛りのカントリー調アップルパイ。
(誰かの口に合えばとあれこれ手土産の菓子なんざを見繕って選んだのは、
 ……いつぶりだったか……)

 今日限りでなく明日もその先も――『セントメアリー・ベース』の老婦人のお茶会は、ずっと続いてゆくのだから。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月17日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵