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アポカリプス・ランページ⑮〜幼き兵士たち〜

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●黒い蜃気楼
 様々な焼けるニオイが黒い炎が燃え上がる度に、空気に含まれたのが風で運ばれてくる。
「(やらなっきゃ……もっと、戦果を上げなきゃ)」
 表情が消えた幼い顔を空へ向けた。
 光が失った瞳には空は映らず、ただ身に刻まれた過酷な経験だけが小さな体を動かす。
「(今は、殺さなきゃ)」
 大都市は黒い炎で焼き尽くされてしまっているが、きっとこの大都市を襲った自分たちを殺しに軍が来るかもしれない。
 そう、施設で叩きこまれた少年たちは、黒い炎に身を隠しながら駆け出した。

 数で来るか、精鋭で来るか?

 どちらでも敵は敵、弱い兵士は死ぬだけだ。

●グリモアベース
「皆様、お集まりいただきありがとうございます。アポカリプスヘルにて大規模な戦いが起こり、ミシシッピ川に面した大都市も跡形もなく燃えてしまう程です」
 と、ロイド・テスタメント(全てを無に帰す暗殺者・f01586)が説明する。
「この黒い炎は未だに大地を燃やし、地下通路までも覆っています。そして、この大都市を襲ったと思われるオブリビオンの軍隊が未だにいます。同じ様な都市を増やさない為にも討伐をお願いしたいのです」
 黒い炎に覆われた大地を映しながらロイドは、猟兵に向かって静かに言った。
「敵は黒い炎に身を隠して奇襲してくるでしょう。一気に倒そうとすると不意打ちに遭うので、確実に各個撃破する事をオススメします。それでは、皆様……気を付けて向かって下さい。ご武運を」


龍真 神
 オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
 龍真 神(タツマ シン)と申します。
 よろしくお願いします。


 =============================
 プレイングボーナス……黒い炎に紛れた敵を素早く発見する。
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 ★連携する場合は、相手のIDやチーム名の記載を忘れずにほぼ同時にプレイング送信して下さい。
 ※連携人数は最大でも2~3人が限度となりますのでご留意ください。
 ★プレイング受付は多くとも6件までとなります。
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第1章 集団戦 『『拳帝軍』幼年兵団』

POW   :    見敵必殺の訓え
【敵を三方から囲んでの死角を突いた連携攻撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    適者生存の訓え
【相打ち狙いの捨て身】による素早い一撃を放つ。また、【弱った味方を囮にする】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    弱肉強食の訓え
【敵を倒して強くなりたい】という願いを【同じ戦場の仲間たち】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

唐草・魅華音
任務、オブリビオン軍隊の討伐。任務了解だよ。
……わたしも戦い方を無理やり叩き込まれ、戦場に身を置くしかなかった身。だから、あなたたちの心境は理解できる。
過酷な叩き込まれ方で身に着けた技術を、忠実に守って敵を討つ。それが出来なければ、順守しなければ敵よりもまず教官に殺される。そういった環境で身についた技術は……応用という余裕がない。

火の燃える位置をドローンを併用して【情報収集】、【戦闘知識】で死角を突いて襲撃予測ポイントを割り出し潜んでいる敵の個所の予測を立てます。
その後、急ダッシュかけて敵の襲撃タイミングをずらして合わせづらくし動揺を誘い、拙い連携になった所で確実に銃弾と斬撃で排除していきます



●二重の視界

 画面に映し出された黒い炎で覆われた大都市を見て、何故か古い記憶がノートをパラパラと捲るように思い出す。
「任務、オブリビオン軍隊の討伐。任務了解だよ」
 グリモアベースから転移された先は、僅かながら大都市の面影があった。
 しかし、画面越しに見ていた世界と同じ、黒い炎が消える様子もなくゴウゴウと燃えながら大地を覆う。
 ふわ、と風に乗って焦げ臭さが鼻腔に広がった。
「我はこの戦場を識り、御する。流法(モード)、深識長慮」
 幼さ残る少女の横顔は、穏やかな淑女の笑みは消えて傭兵としての冷たくて無機質であった。
 風に揺れるピンクの髪を結び直すと唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)は、小さなカプセルから“戦闘補助ドローン”を取り出して戦場に放った。
「……(感じる)」
 魅華音は息を殺して周囲に意識を向けた。
 両手に抱えるくらいの大きさであるドローンは、静かに彼女の周囲をサーチ。
「……っ!」
 三方向の黒い炎の影から襲い掛かる何者かの攻撃を素早く抜刀した“野戦刀・唐獅子牡丹”で受け止めた。
「(子供……それに、この動きは――)」
 火花を散らしながら素早く受け流した魅華音は、静かに息を吐くとドローンで既に位置を補足している少年たちの身なりへ視線を向けた。
 良いとは言い難い服装、誰かが作ったのか分からないけど屠るだけに持たされた武器を見て、魅華音は口を開いた。
「……わたしも戦い方を無理やり叩き込まれ、戦場に身を置くしかなかった身。だから、あなたたちの心境は理解できる」
 少年たちの生気のない瞳はどこか、昔の自分自身を客観的に見ている様な感覚だ。
「過酷な叩き込まれ方で身に着けた技術を、忠実に守って敵を討つ。それが出来なければ――……」
 言葉を続けるより先に少年たちは動く、野生の猛獣の様に荒々しくそして素早い。
「(やはり……応用という余裕がない)」
 生きるために殺す、それだけしか教えられてない技術は、未熟でそして見破りやすい。
 キィン、ナイフを野戦刀・唐獅子牡丹の刀身で弾く音が響いたと思えば、“『ヱリスの貴族の嗜み』”を袖から取り出すと弾丸が胸を貫いた。
「(ああ、もうダメなのね)」
 動きに合わせつつ、徐々にズレを感じさせていくと少年たちが唇を噛み、徐々に動きが単純で出鱈目になっていくのを感じる。
 執着なまでの生、だけども過酷なこの世界で生活は出来ても生き抜くのは難しい。
「排除完了。帰還するよ」
 足元に転がる少年たちの体を一瞥すると魅華音は、野戦刀・唐獅子牡丹の刀身を拭い、鞘に納めるとその場を後にした。

 静かに崩壊する少年たちの体は、過去の海へと消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
子供相手、ねぇ…
後味悪いったら、ありゃしねぇなぁ

って事で、ちょっと開けた所で、オーラ防御を薄く広く展開しつつ、迎え撃つ
少しでもオーラ防御に何かがふれた感触があったら、そこに向かって猟犬狩、発動!
複数同時にあった時は、距離が近い者から攻撃しつつ、他の奴は結界術で閉じ込め、誘導弾、衝撃波、呪殺弾、斬撃波を叩き込んで無力化しつつ、順番に、確実に、止めを刺していってやろう
不意を突いてくる奴もいるだろうが、そういうのは、頭の上の一足りないのダイス攻撃の餌食ってな


オブリビオンとはいえ、幼子を手にかけるってのは、どうにも、こうにも、なぁ
情けは禁物とはいえ、ちょっと、かわいそうに思えるぜ
…ま、思うだけだが、な



●手の大きさ

「(子供相手、ねぇ……)」
 少年だけの兵、と聞いて備傘・剱(絶路・f01759)は、眉間にシワを寄せながら黒い炎に覆われている大都市へと転移した。
「(後味悪いったら、ありゃしねぇなぁ)」
 黒焦げた瓦礫を蜃気楼越しに見ながら剱は、小さく首を振ると黒い炎が未だに燃える中を歩き出した。
 ミシシッピ川に面した大都市の憩いの場だったのだろうか、瓦礫も無くて広い場所に着くと剱は薄く、広く、オーラ防御を展開する。
 だらり、と腕を下げて、警戒していない様子の相手を簡単に飛びつく程に安直な敵ではない、と感じる。
「まるで……」
 野良猫の様だな、と思いながら剱へと向けられた視線を肌で感じる。
「追いて、仕留めよ、異界の猟犬!」
 剱が腰に携えている短刀“Orthrus”が震え、黒い文字の様な魔力が込められた帯がシュルルと解けると真の姿へと変わる。
「この常世次元に、汝を縛る鎖、一切、有らざり!」
 素早く視線を動かす、炎の揺らぎに少しでも違和感を感じた方へと異界の猟犬が犬歯を剥き出しにした。
 影から素早く移動し、剱の後ろから大ぶりの剣が振り上げられた。
「我が括れぬ、汝が野生、その身に満たせ!」
 剱の言葉と共に冥界の猟犬が駆け出し、鋭く大きなマズルで喉に噛み付いた。
 しかし、間髪入れずに仲間だと思われる少年の死体を盾にしながら新たな少年の兵が突撃してきた。
「オブリビオンとはいえ、幼子を手にかけるってのは、どうにも、こうにも、なぁ」
 頭を掻きながら呟く剱。
 だが、頭にもぞもぞと動く存在――“妖怪一足りない”が手にしているダイスで少年を殴り飛ばす。
 同じ少年兵を使い捨てにしても、倒せないと察した少年たちは下の兵たちに突撃する様に指示を出す。
「情けは禁物とはいえ、ちょっと、かわいそうに思えるぜ」
 剱が指を弾くと、指示を出していた少年兵の頭が吹き飛んだ。
「……ま、思うだけだが、な」
 先程までに感じられなかった恐怖、という感情が周囲から噴水の水の様に湧く。
 周囲を見渡せば複数の少年兵たち、チラッと視線で合図すると冥界の猟犬が駆け出す。
 もう、あとは蹂躙されていく少年たちの屍が積み上げられてゆく。
「悪いのは……同じ人間て、な」
 サラサラ、と崩壊していく体を横目に剱は空を見上げた。

 もう、耳には先程までの少年たちの悲鳴は消え、ゴウゴウと燃え盛る黒い炎の音が響いていた――

大成功 🔵​🔵​🔵​

七瀬・夏希
オブリビオン・ストームに巻き込まれたときは子供だったってわけね。
だけど、オブリビオンとして蘇った以上、その心にあるのは世界に対する絶対的な悪意。
あんな武器で都市を襲ったことを合わせて考えると、下手に同情したりなんかしない方が身のためね。

UCにより《秘装眼》の能力を解放(技能指定:索敵)し、炎や煙の先を見通して敵の位置や動きを把握。
《秘装回路》で強化した知覚・運動能力をもって戦場を駆け、《秘装銃》を撃ち込んでいく。

せめて苦しまないように一撃で……なんて考えるのも心の贅肉。
ここで逃したら、また何処かの街や村を襲う可能性が高い。
手段は選ばす、一人残さずここで骸の海に還す。



●燃えゆく

 少し目を伏せながら思う、あの年齢でオブリビオンとなれば――
「(オブリビオン・ストームに巻き込まれたときは子供だったってわけね)」
 転移された瞬間、七瀬・夏希(UDC-SWAT・f29827)の視界は黒い炎が薄暗い中で燃え盛っていた。
 視線を上げ、ユーベルコード『能力解放(リリース)』を発動すると、視界が反転して少年兵たちを緑の線で囲われた人型として可視化された。
 サーモグラフィではなく、自身を中心として半径約87mの範囲に動く人のみを索敵する。
「(もう、あの子たちはこの世界の敵でしかないわ)」
 一歩、夏希が歩み出した瞬間――
 人の死角であろう方向から飛び出る少年兵たちの影。
「せめて苦しまないように一撃で……」
 だが、少年兵たちが手にしている武器で振り下ろした時には、夏希の姿は無かった。
 獲物は空を斬り、一人吹き飛んだと思えばミシシッピ川へと吸い込まれる様に落ちる。
 素早く抜いた“秘装銃”の銃口から弾丸が射出され、的確に頭部や胸部を貫く。
 なんて考えるのも心の贅肉、ねと、呟きながら粗悪品ではあるが、少年兵が持っていたナイフが夏希の足元に転がった。
「あんな武器で都市を襲ったことを合わせて考えると、下手に同情したりなんかしない方が身のためね」
 それに、ここが戦場でなくなると、他の土地へ移って何処かでまたこの世界の住民たちを殺しかねない。
 夏希は顔を上げると少年兵たちを探す為に周囲を見渡した。

 黒い炎の勢いはまだ、弱る様子を見せない―

大成功 🔵​🔵​🔵​

隣・人(サポート)
『隣人ちゃんは隣人ちゃんですよ隣人ちゃんと呼んでくd』
バーチャルキャラクターの殺人鬼 × 四天王
年齢 22歳 女
外見 158.4cm 赤い瞳 茶色の髪 色白の肌
特徴 囚われていた 実は奴隷だった ハイテンション! いつも笑顔 刺激に敏感
口調 ビハインド(自分の名前+ちゃん、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)
恋人には 収容違反(私、アンタ、ね、よ、なの、かしら?)
人型のオブリビオンが相手だと三半規管を狙います
それはもう執拗に狙います
相手が『見せられなく』なるまで

真の姿の際は『殺人』特化
普段とは違い、シリアスな感じでお願い致します



●渦巻くモノ

「軍隊、無骨な機械で隣人ちゃんを落胆させないで欲しいよ」
 口元を吊り上げてクスクス笑う隣・人(🌈・f13161)は、メイド服のスカートが黒い炎が燃え上がる度にふわりとうねる。
 一切警戒してない否、する必要がないのかもしれない。
「てめぇに私を殺せるワケがないね」
 目の前に落ちる肉塊、口を薄く開いて隣人は不気味な笑みを見たものさえ狂いそうな笑い声を響かせた。
 少年兵は足が増える、失くしたと思っていた恐怖が冷たい汗と共に溢れ、体を支配する。
「あぁ、アナタ人間だったのね! 良いわ、さいっこうの獲物よ!」
 恐怖で動けない少年兵へ隣人は、息が掛かる程に顔を近付けた。
 両手で頬を包み、持ち上げると――
 ドン、と“回転椅子”に座らせた。
「え、あ?」
 恐怖に震える体は声を発するのも難しく、何故? と問うよりも先に答えは自身の身で知る。
「回れ、回れ!!!」
 荒々しく隣人が回転椅子を回すと、少年兵は言葉にならぬ声を上げた。
「さぁ、隣人ちゃんの拷問術はここからなのです!!」
 ユーベルコード『六六六番外・隣人値案流拷問術・三倍ゲロイン量産法(ロクロクロク・バンガイ)』が発動し、回転椅子は更に加速してぐるんぐるんと風が起きる程に回る。
 くるくる……軽い音を立てながら椅子が回るのを止める頃には、赤黒い何かと変わった形のした棒が頭を出す。
「ほら、アナタも隣人ちゃんの――」
 少年兵が隣人の元へ飛び出すと、彼女は待ってましたと言わんばかりに両手を広げて待っている。

 ぐる、ぐる、世界も椅子も

 隣人も、回る。

 犬歯を見せる程に口元を吊り上げ、愉快に隣人は狂いながら楽しむ。

 恋人(人型オブリビオン)と(偽りの)幸せなひと時を――

成功 🔵​🔵​🔴​

兎乃・零時(サポート)
アドリブ歓迎

夢は、何れ全世界に置いて最強最高の魔術師になる事

例え夢が奪われかけたとしても、消されかけたとしても
彼は血反吐を吐いて立ち上がり、何が何でも事を為す

兎乃零時とは常に諦めず夢へ向けて突き進む存在である


得意魔術は光、水系統の魔術
それ以外の魔術に関しても鋭意特訓中
敵が多い時は範囲系の魔術を多用する

たとえどれだけの無茶に成ったとしても!
俺様が諦める事は、絶対にないっ!



●全世界への一歩

「軍隊の討伐……困難だろうが、なんだろうが、全世界の最強最高の魔術師を目指す俺様なら出来なくは――ないじゃん!」
 ゴウゴウと燃え盛る黒い炎が兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)のアクアマリンである部分を照らす。
 天気は流石に良くはないが、ミシシッピ川は何も無かったかの様に海へ向かって流れている。
「よっしゃ行くぜ!」
 零時の体が徐々に変化してゆく――
「宝人(クリスタニアン)!!」
 それはメモリの力、零時がこの戦いで有利だと思える姿を思い浮かべた。
「動物(ビースト)!!」
 パキリ、とアクアマリンが弾けると零時はスラッした体躯のワーウウルへと変わっていた。
 嗅覚、聴覚が鋭敏な代わりに視界はモノクロカラーだ。
 少年兵たちが死角から飛び出る、が零時は軽い身のこなしで回避した。
 ダン、と“魔靴”で地面を蹴る。
「(川が近い、水の魔術がほぼ無限に使えるぜ。更に黒い炎にぶつければ……)」
 ブゥン、と一気に魔法陣が展開され、ミシシッピ川の中に渦が出来たかと思えば中心から巨大なポセイドンの形となって大都市を見下ろした。
 水で出来たトライデントが投げられ、地面に刺さると青い稲妻が落ちてパンッと発破音と共に地面を揺らす。
「俺様、凄いじゃん!」
 少年兵たちを一網打尽にした零時は、歓喜の声と共に爆風に巻き込まれた。
 忘れていたのである、爆発する事を。
 そこは魔術師なので、素早く水の防壁を作って防いだのだ。

 だが、黒い炎はそれでも燃え続ける――

成功 🔵​🔵​🔴​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

グリモア猟兵は各個撃破を推奨していたな
確かにこの視界の悪い中では背後取られたり不意は突かれやすそうだ
なら、今こそ解禁された力を使う時!いくぞ、オーバーロード!
真の姿となり、不測の事態にも全力で対応出来るよう準備を整える

【聞き耳】及び【索敵】で周囲を警戒するだけでは不安が残る
救急箱から包帯を取り出しボール状にし【火炎耐性】を付与、そのボール状包帯を【式神使い】の力で式神とし、周囲を索敵させよう
複数作れば敵を分散させることも可能か

見つけた単体へ攻撃を仕掛ける
?!子供?オブリビオン、なのか?!
驚きつつも【瞬間思考力】で冷静になり【落ち着き】を持って対処する
手に持った護符を介しUC『破邪顕正』発動
相手に行動不能又は戦意喪失を付与する

付与した相手へ【マヒ攻撃】を纏わせた護符を【投擲】し無力化試みる

もしかして、この子と同じような子がこの草原には多数潜んでいるというのか…
表情が消えてしまっている子供達に心が苦しくなるのを必死に抑え、その後も敵意を持つ者の鎮圧へ全力を注ぐ



●黒き炎を焼いて

 鉛色の空は少し青みが増えた、と思いながら白と黒の一対の翼をたたみながら思う。
 黒い炎は全て焼き尽くしてもまだ、この大地から全ての生命を奪いつくすまで消えないのだろうか?
「(さて、準備を始めよう)」
 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は、焦げ臭い風に髪を揺らしながら“救急箱”を取り出す。
 フタを開け、包帯を手にするとソレに火炎耐性や式神として扱う為に呪文を刻む。
 手の中でくるん、と野球ボール位の大きさの球体へと変わった。
「この大きさならもう少し作れそうだね」
 球体の式神を燃え盛る黒い炎の中へ投げ入れると、ひりょは更に球体の式神を増産する。
 落ちても、弾んでもほぼ音は無い。
 8体もあれば八方も警戒出来る、それに今のひりょは真の姿なので通常より力はある。
「(俺一人で複数の敵を警戒するなんて少々不安だからね)」
 指先から感じる、式神を操るひりょへ式神たちから敵の接近を知らせを。
「(全方向から!? 囮となって気を逸らして、俺はコレで――!!)」
 素早く標的へ近付き、ひりょの手にしている“精霊の護符”を思わず握りしめた。
「?! 子供? オブリビオン、なのか?!」
 ひりょの胃辺りまでしかない少年を見て、黒曜石の様な黒い瞳を見開いた。
 瞬間思考で『やらなければ、やられる』と自身に言い聞かせ、冷静になると精霊の護符から退魔の力を帯びた拡散波動を放つ。
 少年兵の動きがピタッと止まる。
「……ごめんね!」
 帯電した精霊の護符を放ち、少年兵の体を痺れさせるが――
 少年の頭部が地面に転がった。
「な、何故……」
 ひりょが問うても生首は答える事は出来ない。
「どう、すれば!」
 黒い炎の燃える音にひりょの声はかき消され、式神たちが主であるひりょの代わりに止めを入れる。
 冷静になれても、幼くして殺す為に訓練された少年兵を倒す事に手は動かない。
「あれは過去、オブリビオン・ストームに巻き込まれてオブリビオン化しただけ……そう、あれは世界の敵よ」
 ひりょが顔を上げると、そこには血濡れた夏希の姿であった。
「そう、だよね。元の場所に返すのが俺たちの仕事だね」
 杖を柄を掴み“携帯型破魔刀”を抜く、目の前で座り込む少年兵へ向かって振り上げた。

 冷静になるんじゃない、冷徹になれ――

 視界がぼやける、少年兵の姿は醜悪で牙を剥き出しの小型の悪魔に見えた。
 どんなに無力化しようとも、何度も戦意を奪っても、彼らは普通の人ではない。
 サクラミュラージュの影朧ではなく、ここはアポカリプスヘル――無法地帯の世界だ。
「この大都市の住民を殺したのは許せない、燃やしたのももっと……だけど、それでも俺は――」
 それでも助けたかった。
 戦いに終焉が訪れる、先程まで燃え盛っていた黒い炎は勢いを弱める。
 雷がそらで鳴り、灰色の雫が大地に落ちる。
「帰ろう……また、誰かが住める様になるかな?」
 ざぁ……と一気に降り始めた、雨。
 濡れゆく大都市の跡を踏みしめながらひりょは、ミシシッピ川を背にして歩き出す。

 帰った頃には、アポカリプス・ランページの戦いが終わった知らせが響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月26日


挿絵イラスト