アポカリプス・ランページ⑰〜マスコット・オブ・アメリカ(作者 鳴声海矢
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 星条旗の翻る巨大な部屋。アポカリプスヘルのワシントンD.C.に今は亡きはずのホワイトハウス。その大統領執務室の机につく大柄な男の前に三人の男女が整列していた。
「諸君、諸君はなんだね? 答えたまえカーネル」
 男はまず白髪に白服の壮年の男に尋ねる。
「はっ、貴方の忠実な配下です。プレジデント」
「ノー! そんな単純な話ではない。どうだい、ロナルド」
「そうだねぇ、世界を制した最強の軍団とかかな?」
 赤毛のピエロがおどけて答えるが、プレジデントは首を横に振る。
「そんな長い呼称は必要ない。ウェンディ、一際若い君ならわかるだろう?」
「さあ? 具体的に質問も言えない人に何答えてもしょうがないもの」
 臆することなく嫌味たらしく笑う三つ編みの少女。
 一通り聞いた後、男は立ち上がり堂々と言った。
「良いかね諸君。諸君は、私と共にある諸君とは何か。諸君は、『アメリカ』だ!」


「あなたのメルでございます。本日もアポカリプス・ランページの依頼にございます」
 メル・メドレイサ(蕩けるウサメイド・f25476)が集まった猟兵たちにハンバーガーを配る。
「今回の相手は『プレジデント』。フィールド・オブ・ナインの第一席にしてかつてアメリカ大統領であった男です」
 その全てがオブリビオン・フォーミュラだというフィールド・オブ・ナイン。その首席に座るのだからその力の程は底知れない。
「彼は『国立公文書記録管理局(アーカイブス・ワン)』に記載されたアメリカ公文書の全てをそのユーベルコードにて創造できます。今回彼はその中から、かつてアメリカで極秘に育成、組織されていた3人の軍人とその軍勢を己のユーベルコードとして使役してくるそうです」
 彼らは歴史の陰でアメリカを支えた表に出ぬ精鋭だという。
「一人は白服白髪の眼鏡の老人。彼は大佐(カーネル)と呼ばれ、死を持って完成となる過酷な訓練のはて幽霊と化した軍勢(パーティ)を使役してきます。率いる戦車団の砲はまるで樽(バーレル)の如く巨大だとか」
 己も厳格な軍人であり、プレジデントへの忠誠は極めて高いらしい。
「一人は三つ編みの少女。一見可愛らしいローティーンの女の子ですが、ホットチリのようにスパイシーな性格です。彼女は分裂能力を持っており、自身の力を下げる代わりに大勢に分かれプレジデントを護衛しています。合体して力を上げることも可能で、全員集合した時の力はボス級オブリビオンにも匹敵するとか」
 主であるプレジデントにすら臆しない毒舌家だが、愛国心は本物だという。
「そして一人は赤いアフロで白塗りのピエロ。彼はその身に『アメリカ』属性を宿し、ハイカロリーなエネルギーの攻撃やバリユーなコンボ攻撃を多用します。町を軽く作れるほどの多数の配下を従えその種類はハワイアン、テキサス、。さらに多くの国の文化を取り入れなんとサムライさえも従えているとか」
 それ以上いけない。というかアメリカって属性ってそういう方向性かよ。猟兵は改めて先にメルが配ったハンバーガーの意味を悟る。
「いずれも強者ですが、同時に所詮はユーベルコードで使役されている存在。本当に倒すべきはプレジデント本人です。彼は配下に守られてこそいますが、本人の戦闘力も相当な者。ただ殴るだけでも甚大なダメージを与えられる剛腕の持ち主です」
 アメリカ大統領こそ最強の称号。それを地で行く性格だという。
「フィールド・オブ・ナインが強化される第一のターニングポイントまでもう間もなく。ですがいくら強化されようと離脱前に倒してしまえば関係ありません。今後の憂いを発つためにも、どうか皆様よろしくお願いします」
 そう言ってメルは猟兵たちを0円のスマイルで送り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。ナゲットが好きです。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス……大統領の軍勢による先制攻撃に対処する』

 今回のボスであるプレジデントは三人の精鋭配下とその軍勢を先制で差し向けてきます。彼らをどうにか倒すか躱すかし、プレジデントの交戦に持ち込んでください。
 以下敵配下詳細。

 POW技・赤いアフロのピエロ『ロナルド』。アメリカ全土、さらには世界中から集めた配下と共にアメリカナイズされた攻撃をしてきます。スタンダードな王道戦法の他海戦にも通用するフィッシュの様な動きにテキサスやハワイアンスタイル、醤油顔のサムライなども配下にいます。三人の中でも最強ですが戦闘狂の気があり楽しくなってくるとつい殺っちゃいます。

 SPD技・三つ編みのローティーン少女『ウェンディ』。分裂能力を持ち、弱い分身に分かれたり合体して強くなったりします。戦闘スタイルはスパイシーな毒入りナイフでキドニー(腎臓)を抉る暗殺スタイル。一つでも大きな効果の攻撃を余裕があれば2つ、3つと重ねたがるオーバーキル趣味です。性格はかなりの毒舌家で嫌味な発言が多いです。かつて日本で任務に失敗したことがあり、日本人相手だとリベンジに燃えます。

 WIZ技・白髪白髭の眼鏡老人『カーネル』。自ら時にハーブ(意味深)を与えることまでして徹底的に鍛え上げ、死を持って完成された幽霊陸軍を使役しています。彼らは飛ぶことこそできませんが、その鍛え上げられた脚力での進軍、さらには樽の如き砲を持つ戦車がピースの如くかみ合って進軍してきます。雄々しきアメリカ軍人なためこの舞台に骨なしチキン野郎などいません。大佐自身は忠実かつ誇り高い軍人ですが、己を屈辱に沈めた相手には20年にも及ぶ呪詛をかけるなど執念深い性格でもあります。

 いずれにせよ倒すべきはプレジデントなため、軍団突破後のプレイングもお忘れなく。また彼らは全員ユーベルコード製の存在であることは変わらないので、その辺りが付け目になるかもしれません。なお多分全員自分に合わせた戦場食とか隠し持ってると思うので、暇があったら略奪してこちらのお腹を満たしましょう。

 まあ察せると思いますがネタ依頼です。とはいえ難易度そのものは『やや難』なので、戦闘部分はしっかりと。

 それでは、手軽(ファスト)に食事を済ませつつプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『プレジデント・ザ・マスディレクション』

POW ●プレジデント・アーミー
レベル×1体の【大統領の軍勢】を召喚する。[大統領の軍勢]は【アメリカ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD ●プレジデント・セキュリティ
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【アメリカ合衆国シークレットサービス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ ●アーマード・ディヴィジョン
【かつてのアメリカ軍の最新兵器】で武装した【精鋭アメリカ陸軍兵】の幽霊をレベル×5体乗せた【戦車部隊】を召喚する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


陸郷・める
☆める:戦車乗りの少女。操縦専念中は無口
★7号:搭載偽神兵器の生体コアにされた元ヒャッハー

★ヒャッハー!言っとくがツッコミはしねえからなぁー!!
☆いくよ……!Vエンジン連動、《リミッター解除・限界突破》……!

★まずは『研究所製グレネード』特製濃縮胡椒弾(毒・目潰し)と納豆爆弾(捕縛)更にオマケで機銃から麻酔弾とトリモチ弾もプレゼントだァ!
動きを止めた配下共を作業用アームでつまみ上げ偽神兵器砲塔の「口」を開いて《捕食》し、UCの効果で戦闘力を強化、残ってるピエロ野郎他にガトリング弾幕で牽制しつつ一気に突入、砲撃しながら大統領まで肉薄して戦車での「蹴り」を叩き込んでやらァ!!

※アドリブ他歓迎です


シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK。

さすが大統領。
まぁ、銀河皇帝とも戦ったこともありますし、規模では驚きませんが。

接敵したら閃光の魔盾を構えつつわざと隙を見せ、分裂攻撃を誘います。
攻撃の瞬間に盾の形状を身体全体を覆うように変形、攻撃を受け流しカウンターで【光り輝く閃光の魔盾】を発動。
プレジデントを含めた敵軍勢に向けてビームの雨を降らせ、雑魚を蹴散らしましょう。

打ち漏らした敵はS.H.I.K.Iにビットを制御させて撃破させつつ、プレジデントを真紅銃で狙撃します。
「Return to hell(骸の海へ還れ)!」

撃破後は食料等を回収。
ポケットに入りきらない戦利品は地元の皆さんに寄付しつつ、次の戦場を目指しましょう。


 全てが破壊された荒野であるはずのアポカリプスヘル。だがこのワシントンD.C.はその街並みだけは完全に復興されていた。
 それだけに、誰一人として人間のいない静けさが不気味さを際立たせる。その様相は、アポカリプスヘルの荒野とはまた違った形で『死の世界』を連想させた。
 そしてその世界の主の如くそこに立つ男が一人。
「ようこそ我がワシントン、我がアメリカへ!」
 何一つ怖じることなく、本気で歓迎しているかのように堂々と言う男。彼こそがかつてのアメリカ大統領にしてフィールド・オブ・ナイン第一席『プレジデント』だ。
「せっかくここに来てくれたのだ。存分に『アメリカ』を味わっていくと言い。ロナルド! 歓迎してやりたまえ!」
 プレジデントの号令に合わせ、その前に多数の軍勢が現れた。人種、国籍、衣装、全てが違うその者たちの先頭に立つのは、白塗りの顔に赤いアフロヘア―の道化師。
「やあ、僕はロナルド。お友達になろうよ!」
 ピエロの挨拶と共に、軍勢たちは一斉に前へと進軍を始めた。その標的として前に立つのは戦車に乗った一人の猟兵。
「ヒャッハー! 言っとくがツッコミはしねえからなぁー!!」
「いくよ……! Vエンジン連動、《リミッター解除・限界突破》……!」
 その軍勢を迎え撃つのは、陸郷・める(死念動力実験成功体6号・f26600)とその相棒である戦車『7号』。纏めて襲ってくるロナルドの軍勢に、お出迎えとばかりに『研究所製グレネード』から特製濃縮胡椒弾と納豆爆弾をぶちまける。
「Shit! ペッパーは既に計算された分量入れてあるぜ!」
「おいサムライ! このロトンビーンズはお前のだろ!」
「流石にこれをバーガーには挟まぬでござる! バーガーには!」
 いきなりの目潰しとアメリカ特効とも言える精神攻撃に、ロナルドのアメリカ属性軍団たちは一気に足並みが乱れる。
「オマケで麻酔弾とトリモチ弾もプレゼントだァ!」
 さらに7号が機銃から放つこちらは本物の戦闘用兵器。動きが鈍った所に完全な行動不能に陥れられ、ロナルド周囲の精鋭たちは見事にその場に釘づけにされた。
「ははっ、いけない子だねぇ。つい殺っちゃいたくなるよ!」
 部下たちの無様な姿に、笑顔で怒りを募らせるロナルド。だが、その一瞬の隙を突き彼の横をすり抜けていくものがいた。
「さすが大統領。まぁ、銀河皇帝とも戦ったこともありますし、規模では驚きませんが」
 素早くプレジデント近くまで詰め寄ったのはシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)。その素早い動きは瞬く間に標的を射程圏内にまで捉えるが、その進撃は突如現れた一人の少女に阻まれた。
「面倒を仲間に押し付けておいしいとこ取り? セコいおじさんね」
 下腹部を狙って繰り出される少女のナイフを、シンは『閃光の魔盾<アトラント>』を構え受け止めた。
「失礼したね。私に触れるにはまず彼女の許可を取ってからにしてくれたまえ。なあウェンディ」
「許可する権限をくれるのかしら?」
 主であるプレジデントにさえ軽口を言いつつ、ウェンディはその姿を揺らがせ自身の体をいくつもに分裂させていく。
「前ばっかり気にしてるのね。見栄っ張りおじさん。でもね、大事なところは後ろにあるのよ!」
 一気に分身を展開し、盾で守られぬ横や後ろからの抉り込みをかけようとするウェンディ。一斉にナイフが迫るその瞬間こそ、シンが待っていた時であった。
「閃光と共に! 降り注げ、光の雨!」
 閃光の魔盾から無数のビームが放たれ、周囲に集まったウェンディを一気に押し返す。
「ぎゃっ!?」
 シンがとったのは最初の一撃を一人での重い攻撃に誘導して次手での分裂を誘い、周囲に溢れたビームで一気に分裂で弱体化したウェンディたちを気絶、あるいは幻惑させていく作戦。
 そのビームはプレジデントにさえ届くが、流石はフィールド・オブ・ナイン首席、そのビームを太い腕で打ち払い直撃は避けた。
「おぉ、これはこれは……ロナルド! 君は何をしている!」
 護衛を抜かれたプレジデントは前線のロナルドを呼び戻そうとする。だがそれに応えたのは、明るくも焦りを含んだ声。
「こまったよプレジデント! どうも彼はカロリーオーバーを気にしないようだ!」
 そう叫ぶロナルド。その前では、7号が彼の部下を次々と作業用アームでつまみ上げ、偽神兵器砲塔の「口」を開いて《捕食》していた。
「嵐だろうが何だろうがなァ……喰わせてもらうぜェ!!」
 もちろんそれはただの食事ではない。【天上に座す暴食の魔王】の糧とする、エネルギーチャージのための捕食。そうして高まった戦力で、7号はめるを乗せたままガトリングガンを乱射、そのまま的中を突破しプレジデントまで肉薄した。
「無駄に足生やして、弱点丸わかり……」
「おっと、行かせないよ」
 そちらに向かおうとするウェンディもシンがビット制御ユニット『S.H.I.K.I』に命じて抑え込ませる。
「こいつはプレゼントだ、ヒャッハー!」
 そのまま無限軌道代わりの足で7号はプレジデントを思い切り一蹴り。その強烈な重量に屈強なプレジデントも流石に揺らぐ。
「Return to hell(骸の海へ還れ)!」
 その揺らいだ瞬間を、シキの『真紅銃』が撃ち抜いた。
「おおっと……これは……!」
 そのまま一度倒れ込むプレジデント。ユーベルコード製である配下が再度召喚されないうちにと、そのまま両者は一時撤退する。
「ポケットに入りきらない戦利品は地元の皆さんに寄付しつつ、次の戦場を目指しましょう」
「ヒャッハー! 新鮮なハンバーガーだぁ!」
「……」
 戦利品に様々な種類のハンバーガーを回収し、その利用の算段をつけるシン。
 それに騒ぐ7号が本当にハンバーガーを食べられるのかは、無言を貫くめるの様子からは分からないのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

マキナ・エクス
アドリブ・他猟兵との連携歓迎

(頭を抱えつつ)うん…いや…まあ…確かにアメリカだし近代アメリカの歴史と文化を語る上で必須な存在ではあるけれども…
まさか本当にそういうのまで召喚してくるとはねえ、いやまあ考えなかったわけじゃないよ?確かに呼び出しそうだなとは思ったよでもまさかほんとに出てくるとは思わないじゃないか…

仕方ない気を取り直して全力で行かせてもらうとしよう。
魔術糸を使って【早業】【グラップル】して【滑空】しながら、なんだか道頓堀に投げ捨てられそうなおじさんの上を立体起動して攻撃を避けてUC撃ち込みつつ、プレジデントに近づいて対物拳銃で【貫通攻撃】【零距離射撃】を打ち込もう。


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第四『不動なる者』盾&まとめ役
一人称:わし 質実剛健古風
武器:黒曜山(刀形態)

UDCアースで見たことがあるような?
まあ、気にしても意味はないか。

さて、先制軍団なぁ。指定UC発動までは限界突破な結界術で攻撃を弾く。
UC発動したら、わざと被弾する。

…数は力というが。それを吸収するが我らなり。被弾が多ければ多いほど、我らは強くなる。
というわけで、強化された戦闘力&生命力吸収で、斬って捨ていこう。
ああ、呪いは効かんからな?

無論、プレジデントも変わらぬ。
攻撃されなくとも、それまでの強化が無効化されるわけでもなし。つまり、斬られるという選択肢しかないのだ。


 己をアメリカの象徴、それどころかアメリカそのものだと誇り、その国に存在した公文書全てを己の力として扱うプレジデント。
 そしてそれは彼の好みか、分かりやすすぎるほどにアメリカである情報を今回彼は具現化させていた。
「うん……いや……まあ……確かにアメリカだし近代アメリカの歴史と文化を語る上で必須な存在ではあるけれども……」
 そのプレジデントから少し離れたところで、マキナ・エクス(物語の観客にしてハッピーエンド主義者・f33726)が頭を抱える。
 確かにそういうのが好きそうな男だとは思った。だがアメリカを誇るが故に、対外的なパフォーマンスとして『典型的アメリカ人』らしく振舞っているのだと思っていた。だが、どうやら彼は多分に本気だったようだ。
「まさか本当にそういうのまで召喚してくるとはねえ、いやまあ考えなかったわけじゃないよ? 確かに呼び出しそうだなとは思ったよでもまさかほんとに出てくるとは思わないじゃないか……」
 ある意味予想通り、ある意味予想外な彼の行動にマキナの頭痛は止まない。
 だが、そんなプレジデントのスタイルを全く動じず受け入れる者もいた。
「UDCアースで見たことがあるような? まあ、気にしても意味はないか」
 あっさりと流す馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。この姿勢は今の彼が彼を構成する四悪霊の中でももっとも泰然とし惑いや驚きと縁なき者、『不動なる者』であるが故だ。
 その名と印象通り彼はアメリカとは縁遠い出自。もちろん猟兵として活動し今はUDCアースに居を構えているだけあって、一般常識レベルのその国の知識は既に身についてはいる。
 なれど、今考えるべきは敵のその姿勢そのものではなく、そこから先制で繰り出されたユーベルコードへの対処だ。
「さて、先制軍団なぁ」
 二人の前には、今プレジデントがそのユーベルコードを持って展開した精鋭アメリカ陸軍兵の戦車部隊がずらりと並んでいた。
 その先頭に立つのは、白い服に白髪に白髭という白一色の姿に黒ぶち眼鏡をかけた、一見すれば温厚そうな老紳士だ。
「おっと、彼の外見に騙されない方がいいぞ。大佐(カーネル)はアメリカのため、愛する部下たちを最強の軍隊とするべく死を命じた恐ろしい軍人なのだからな」
「光栄ですプレジデント」
 プレジデントから賜る言葉は全て誉め言葉とでもいうのか、一切冗談を言った様子もなくカーネルは手にしていた杖を振り上げ、全軍全身の指示を出した。
 その全身に、義透はその場を動かず結界を張ることで待ち構えた。
「命令する。クリスピーのように砕け!」
 カーネルの命令の下、その樽(バーレル)の如き大砲を滅多打ちにする戦車たち。その砲身に違わぬ巨大な砲団が次々と結界に当たり、そこに罅を入れていく。
 それでも結界は砕けないが、それもいつまで持つだろうか。そして相手が沈黙するまで攻撃を止めないのがアメリカ陸軍の誇りと言わんばかりに、一切手を緩めることなく繰り返される砲撃。
「仕方ない気を取り直して全力で行かせてもらうとしよう」
 その無慈悲なる砲撃の上を、マキナが一足飛びに乗り越えんとした。自慢の魔術糸を手早く束ね作ったグライダーで陸軍の上を一気に滑空、全てを飛び越えてプレジデントへ迫ろうとする。
「我々が空を知らぬチキンだとでも? 対空砲撃始め!」
 陸軍だからと言って、いや陸軍だからこそ空への備えは忘れていない。一部の戦車が対空砲を用意し、空駆けるマキナを撃ち落とさんと斉射していく。
「うおっ、とっ、わたっ!?」
 巨大さに見合わぬ正確さでマキナの横を掠めていく砲弾。だが何とかそれを躱し、マキナはカーネルの頭上を立体軌道で飛び回る。
 そして同じころ、ついに耐え切れなくなったか義透の結界が砕け、その身に巨大な砲団が直撃した。
「緩めるな。部位指定もできぬほどに破壊せよ!」
 それに安心せず徹底攻撃を命じるカーネル。その執拗な攻撃が終わった時、義透は形こそ保っているものの、まさに死に体といった様子でそこに転がっていた。
「……数は力というが。それを吸収するが我らなり。被弾が多ければ多いほど、我らは強くなる」
 だが、義透は死んでいなかった。【四悪霊・『回』】を持って体を再構築し、いざ攻勢とばかりに立ちあがったのだ。
「我ら軍団(パーティ)の攻撃が……!?」
 もちろん発動前に倒されてしまっては何にもならない。守りに秀でた『不動なる者』。彼なればこそこの苛烈なる攻撃を耐え抜いて発動まで持ち込めたのだ。そうして義透は泰然と進みながら、歩兵を、戦車を、次々と斬って捨てていく。
「偽典閲覧、伝承認識、神具構築。汝月の女神の威光を見よ」
 地上で攻勢に出られて足並みが乱れた瞬間、そこを突いてマキナも【偽典神話・月の女神の矢】を発動した。
 荒れ果てた荒野に散らばる瓦礫や鉄屑が全て銀の矢と化し、カーネルたちを貫いていく。
「じゃあね、道頓堀に投げ捨てられそうなおじさん!」
 去り際のその言葉、それがカーネルの逆鱗に触れた。
「……! 娘、言ってはならんことを……! ウェンディ程ではないが、私もジャパニーズには耐えがたい屈辱を受けたことがあってね……!」
 鬼気迫る形相のカーネルに、部下を切り進んできた義透が迫る。
「ああ、呪いは効かんからな?」
「結構。君はどうやら彼の地の出身ではないようだ。もしそうであれば、私は自分を抑えられない所だったよ……!」
 ステッキを剣の如く振るい義透に応戦するカーネル。その一撃を義透は甘んじて受け、死なぬならばと自らの力に変えていく。
「己が屋形様への忠誠は認めるが、残念ながら斬られるしか道はないのだよ」
 守りによって高めた力で、義透がそのステッキ諸共カーネルを切り裂いた。そしてその時前線では。
「そのガチガチボディ、貫かせてもらう!」
 プレジデントに極限まで肉薄したマキナが、対物拳銃を零距離で放った。その弾丸はプレジデントの胸に当たり、大きな金属音を立てながらその体にめり込んでいく。
「防弾チョッキは政治家の嗜みさ……ここまでとは思わなかったがね!」
 大きく揺らいで踏みとどまるプレジデント。そこにカーネルを突破した義透がゆっくりと迫って来た。
「彼の軍、まさに兵であった。その力、届けるぞ」
 その弾痕の上から放たれる、カーネルの陸軍から受けたダメージを乗せた斬撃。
「君らはキールが好みかい……? 私はドラムだよ……!」
 あくまで笑顔を絶やさぬまま、プレジデントはまたも地に膝をつくのであった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

待鳥・鎬
揚げ鶏1個くらいなら良いおかずになるけど、塩分や香辛料がね

他の二人は日本でも有名な何かを彷彿とさせるけど、君は……ちょっと知らないなぁ
赤毛の少女を軽く【挑発】
光学【迷彩】効果のある「山吹」を纏ったらUC発動
索敵のために分身状態でいてもらう算段

【空中浮遊】どころか【空中戦】も可能な機動力を応用して飛び回り、爆薬詰めた「薬物撒布型擲弾」を敵軍の中に手当たり投げ込んでいくよ!
倒し切れなかったとしても、【陽動】が効いているうちにプレジデントへ

超音速飛行の勢いそのままに【切断】
足りなければ即座に離脱するヒット&アウェイ
防御も【貫通する攻撃】で、野望ごと貫いてやる

ジャンクフードは……多量摂取しちゃいけない


 前線に展開していた陸軍が指揮官諸共倒され、一瞬できた布陣の空白。その隙を突き、プレジデントまで接近をかける者がいた。
「揚げ鶏1個くらいなら良いおかずになるけど、塩分や香辛料がね」
 プレジデントを前に、彼が愛してやまないだろう食事スタイルに苦言を呈するのは待鳥・鎬(草径の探究者・f25865)だ。だがこれ以上の接近を許さぬとばかりに、プレジデントの前に小さな赤毛の少女、ウェンディが現れる。
「ならビーンズやサラダでも食べていればいいじゃない。コーヒーだってブラックならゼロカロリーよ。塩分の強いメニューばかり見て何言ってるのかしら」
 馬鹿にしたように言う彼女の前で、鎬はわざとらしく首を傾げた。
「他の二人は日本でも有名な何かを彷彿とさせるけど、君は……ちょっと知らないなぁ」
 その言葉を聞いた途端、ウェンディの額に青筋が走り、後ろのプレジデントは『オーノー』とでも言わんばかりに大げさに額に手を当て首を振った。
「ステイツじゃカーネルよりシェアは上なんだけどね? ああ、でもどうでもいいクソ田舎には全然出張してないから知らなくても無理はないわね、この山猿!」
 怒りに任せ、高速で踏み込んで急所に向かってナイフを突き出すウェンディ。一人だけならばボス級と言われたその突きは鋭く、どうにかして躱すのが精一杯だ。
 重要な臓器を狙った的確な攻撃を何とかかわしながら、鎬は『被衣「山吹」』を着用する。その羽織は着用した瞬間周囲の光を歪め、光学迷彩としてその姿を視認できなくさせる。
「ゆっくり回るつもりかしら? 来た方にアセンブリーラインで流せばいいだけよ!」
 一気に分裂し、索敵のためプレジデントを囲み全方位に展開するウェンディ。素振りのようにナイフを突き出したり、複数で背中を合わせて死角をなくすように動くなど元が同一人物なだけあってその連携は完璧であり無駄がない。
 そのウェンディの布陣の中、どうにか捕らわれないように隙を伺い続ける鎬。やがて彼女たちの注意が前後にくまなく向いたのを確認したところで、鎬は一気に勝負をかけた。
「杞柳の牙からは逃れられないよ」
 使い魔をその身に宿し【穿牙】の翼を生やして超音速で宙に飛び上がる鎬。その瞬間強い風圧を察し一気にウェンディたちがそちらに群がるが、分体のスピードでは超音速には追い付けず彼女たちのナイフは宙を切る。
 そのままウェンディたちの塊に向け、『薬物撒布型擲弾』を手当たり次第に投げ込んでいく鎬。
「何よこれ、こっちは冷凍もしてないのに!」
「言ってる場合じゃないわ、元に戻るわよ!」
 力が下がっていることで薬剤の威力も相対的に高くなり、ウェンディたちの動きは鈍る。合体して力を上げそれを克服しようとするウェンディだが、元より鎬の目的は彼女たちではない。
 足止めが効いているうちにと鎬は超音速で一気にプレジデントへと詰め寄り、そしてその際も周囲のウェンディを止めるため薬剤爆弾をばらまくことは忘れない。
「ははは、残念だがこう見えて体力には自信があってね。現役時代はノードラッグを標榜していたものさ。多分ね!」
 薬など己には聞かぬと、その体躯で堂々と飛来する鎬を迎え撃つプレジデント。
 その頑健さは本物。故に勝負は一瞬。超音速で構えた霊刀が、繰り出されたプレジデントの拳とかち合う。そして響き渡る激しい金属音
「ジャンクフードは……多量摂取しちゃいけない」
 そうとだけ言い残し、そのまま鎬はプレジデントを通り越して離脱していく。
 その場に残されたプレジデントはというと。
「難しいね……バーガーはアメリカ人の心の栄養なのだよ」
「プレジデント!」
 腕の装甲に大きな穴を穿たれ、そのまま体まで切り裂かれた右腕を力なく下げていたのであった。
成功 🔵🔵🔴

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

私は食い気より色気!
可愛い女の子を所望するわ♥

私も【化術】でウェンディに化け
【第六感・学習力】で攻撃と戦術を【見切り】
【ダッシュ・ジャンプ】から
【呪詛】を纏った悲愴の剣で【切り込み】

次に貴女は『これも真似できるかしら?』と言う

分裂に合わせて『百鬼夜行』で560人の霊を召喚。
全員合体してやっとボス級なら
分裂中の彼女は憑依【ハッキング】で支配できる

分裂・群体化は私の十八番。
戦いの年季が違うのよ、お嬢ちゃん♥

ウェンディから【生命力吸収】しつつ
霊達を自身に【ドーピング】

プレジデントの剛腕を避け
子豚・ブレンダの如く
ボインボインラッシュ【怪力・功夫・早業・乱れ撃ち】
これが私のアメリカ魂♥


 プレジデント防衛線再構築まではまだ少し時間がある。その間隙を縫って彼に迫る者がまたいたが、その目的はプレジデントだけではなかった。
「私は食い気より色気! 可愛い女の子を所望するわ♥」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の目的はオブリビオン・フォーミュラであるプレジデントだけではなく、彼を守るため常にその傍にいるウェンディでもあった。
「どうやら君をご指名の様だぞ? ウェンディ」
「食べなきゃ死ぬわよ? 性欲なんて満たせなくても死なないのはスクール最底辺のナード共が証明してるじゃない」
 敵を前にした時点で既に彼女は臨戦態勢。一息に葬り去らんと相手の腎臓を狙ってナイフを突き出した。
 それに合わせドゥルールは自身の体に化術をかけ、別の姿へと変わる。
「何のつもりかしら? くだらないネガティブキャンペーンでもするつもり?」
 その姿を見たウェンディがいらついたようにいう。ドゥルールが変じたのは、他でもない彼女の姿だった。
 だが、その程度で攻撃を止めるウェンディ、そしてプレジデントのユーベルコードではない。高速で繰り出される攻撃を、ドゥルールは同じ姿のまま見切り、その癖や狙いを覚えて的確に避けて回っていた。さらには自ら『悲愴の剣』を抜き、踏み込み、飛び込みをかけ反撃で抑えるのも忘れない。
「こりゃ参った! どっちがどっちだか分からないぞ!」
「あなたがそんなんだからアメリカ人はバカ舌だって言われるのよプレジデント」
 連撃の応酬が続くが、一対一では埒が明かない。ならばとウェンディは奥の手を出そうとする。
「次に貴女は『これも真似できるかしら?』と言う」
「これも真似できるかしら? ……は?」
 先読みするように言われた言いたいことの後に続けた声は、驚愕か呆れか。ともあれ出来るものならしてみろと、ウェンディは多勢に分かれ一気にドゥルールを取り囲みにかかる。
 だが台詞だけではない。彼女の分裂を誘うことこそまさにドゥルールの作戦であった。
「年中無休でトリック&トリート♪」
 分裂に合わせ【百鬼夜行】を発動。560人もの守護霊を召喚し、ウェンディに当たらせた。
「は? 一カ月以上早いんだけど、他にネタがないのかしら?」
 もちろん最大分裂数はプレジデントのレベルに依存するため、ウェンディの数も相当なもの。だが一方で単独でボス級の力をその数に分けてしまっているのだ。そこに行き渡る力はその分少ない。その力の下がったウェンディに、守護霊たちがそれぞれに浸食をかけ支配しにかかった。
「分裂・群体化は私の十八番。戦いの年季が違うのよ、お嬢ちゃん♥」
 その守護霊たちがウェンディから吸い上げる生命力を受け取りながら、ドゥルールが彼女に宣言する。
「ジャパニメーションのイギリス系アメリカ人の真似でしょ……これも貴様の計算のうちか、とか言ってほしい……?」
 日本を目の敵にする彼女だが、それは嫌悪というよりは復讐心に近い。故に敵を知る、という意味でいろいろと調べているのだろう。だがそれでも、やはり彼女が愛するのは祖国のヒーロー。
「ごめんなさい……勝って、スーパーマン……!」
 生命力を吸い尽くされ消滅したウェンディ。その力をドーピングし、ドゥルールはプレジデントの前に立つ。
「レディの涙は裏切れないな」
 アメリカを背負い振るう剛腕。それを避けたドゥルールは一気に彼に詰め寄る。そして繰り出されるのは拳と胸。
「ワン、ツー、スリー、フォー!」
 右手。左手、右乳、左乳。アメリカンジョークを愛したボクサーガールの技を模し、驚異の四連撃を放つドゥルール。その奇抜な連撃は、流石のプレジデントも避け方が分からずその身に受けてダウンを取られてしまう。
「これが私のアメリカ魂♥」
「参ったね……私が知る以上にアメリカは広かったということかな……」
 ドゥルールは己の愛した一人のスタイルで、プレジデントの誰もが知るパブリックなアメリカスタイルに答えたのであった。
大成功 🔵🔵🔵

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
難しい状況ですが、やってみましょうかぁ。

浅めの『地下街』に転移させて頂き、『FMS』のバリアで守りを固め『FAS』で飛行して待ち構えますねぇ。
ピエロさん達が或る程度入り込んだ時点で『FGS』により重力操作、接近や銃弾等を押え込むと共に『FDS』により天井一帯を爆破、彼らの動きを瓦礫で押さえ牽制、飛行して向かいますぅ。

後詰や追手もいる可能性が高いですので、【UC】が使用可能になった時点で【万華】を発動、全身を『雷』に変換し大統領に接近、『雷速移動』から『F●S』各種と『雷撃』で削りますねぇ。
追手が着いたら[範囲攻撃]を追加、纏めて叩きますぅ。

出来れば食料も奪いたいですが。


ウィーリィ・チゥシャン
いや、ジャンクフードを否定するつもりはないけどさ。
関係ないけど。

とりあえずまずはピエロ率いる軍団を突破するところからだな。
大包丁の【衝撃波】の【範囲攻撃】の斬撃で部下を薙ぎ払いながら【フェイント】と【軽業】で敵の攻撃を躱して同士討ちを誘い、その混乱に乗じ【料理の鉄刃】でロナルドを切り伏せる。

プレジデント・アーミーに対しては【アメリカ】属性の多様性を利用し、【料理】で食文化の違い(ヴィーガン、ポークorチキン、キノコorタケノコ、等)で内部分裂を起こさせてその隙に【ダッシュ】でガードの薄くなったプレジデントの元に向かい【料理の鉄刃】を【二回攻撃】で食らわせる!


 命なき精鋭陸軍、優秀なシークレットサービスを失ったプレジデント。だが彼にはまだ最強の軍団が残っていた。まさに『アメリカ』を体現するその無敵の軍勢は、未だ指揮官を失わず再編成されこの戦場に再び立った。
「やはり最後に頼れるのは君だよ。さあ、『アメリカ』を見せてくれロナルド!」
「お任せをプレジデント。僕の足はハンバーガー4個分だけど、僕のシェアはカーネルとウェンディを足してもまだ届かないさ」
 自らの力を得意げに誇るロナルド。だが、その力が決して手放しに褒められるものではないと、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は渋い顔をする。
「いや、ジャンクフードを否定するつもりはないけどさ。関係ないけど」
 そうは言うもののやはりどこか否定的な空気を纏ってしまうのは、彼が医食同源を旨とする中華を初めとした様々なバランスの取れた健康的な料理に通じているからであろう。
「とりあえずまずはピエロ率いる軍団を突破するところからだな」
 軍団の展開と進軍自体を阻むことは出来ない。故に進んできた軍団を迎え撃つと、ウィーリィは大包丁を振るい衝撃波を巻き起こして相手を巻き込んだ。
「むんっ!」
 その衝撃波を、軍団の中の侍が刀を抜いて受け止める。さらに後ろからいかにもな荒野のガンマンがリボルバー拳銃を抜き打ちに放つが、フェイントを交え素早く動くウィーリィを狙ったせいか味方を掠める射撃になってしまう。
「何をするでござるか!」
「前に出てる奴は撃たれるんだよ!」
 思わず言い争いを始めてしまう両者。さらにウィーリィは彼らに向けて様々な料理を広める。
「最近はヴィーガン用のバーガーもあるだろ? 肉の入ってないバーガーってどう思う? それにポークとチキンは永遠のライバルだ。あんたは日本出身か。キノコとタケノコどっち派だい?」
 アメリカは世界一苗字の多い国と言われている。それはつまりあらゆる国を源流とする人と文化がアメリカに合流しているということ。そして文化の中には、どうしても埋められない溝、ぬぐえない対立があるものだ。
 自由の国アメリカ。その多様性は否定することも含めた多様性なのだ。その負の自由をつき、内部分裂を起こさせるウィーリィ。
 一気に浮足立つ配下たち。だがリーダーのロナルドは彼らを無視しその足元に目を向けていた。
「なるほど、そっちにいるねぇ……君らも一緒に殺ってみようよ!」
 ロナルドはそう言うとまだ無事な手下の一部を引き連れ、荒野に再建された通ってもいない地下鉄駅へ通じる地下街と飛び込んでいった。
「難しい状況ですが、やってみましょうかぁ」
 その地下街には、そこを選んで転送された夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が待ち構えていた。進入したロナルドはるこるの姿を見つけると残りの軍団を差し向け、彼女を撃墜にかかる。
「おおっと、地下街でそんなに飛んだら危ないよ! ロナルドとの約束だ!」
 『FMS』によるバリアと『FAS』による飛行で敵の接近を拒絶するるこるだが、配下の一人が進み出てそれを撃墜にかかる。サングラスをかけたその巨漢はるこるに向かって散弾銃を一発。単なる実銃とは思えない勢いでその弾丸はバリアを揺らし、さらに一度銃を回転させてから放たれたもう一射がさらにバリアを貫こうとする。
「さすがはカリフォルニア! 抹殺とスピンコックはお手の物だね!」
 それはカリフォルニアの一番上だけの話ではないかという話だが、大統領がアメリカの顔であるように州知事は州の顔という理屈だろう。
 ともあれ他もこのような戦闘力を有しているとすれば悠長に待つのは危険だ。
 るこるは早々に軍勢を圧しようと、『FGS』の重力操作で進軍を足止めし『FDS』での天井の爆破を図った。
「なんだぁ!?」
 その爆破は天井……つまりは地上での地面を大きく陥没させ、上側にいた軍団をも巻き込みその場を崩壊させた。
 ウィーリィこそとっさに飛び上がることで巻き込まれることを免れたが、元より統制の乱れていた配下たちはそれに巻き込まれ潰されていく。
 下にいたるこる自身も当然崩落に巻き込まれたが、その瞬間【豊乳女神の加護・万華】で雷に変身、横に落雷となって移動することで辛くも潰されることを防いだ。
 そのままプレジデントへかかっていくるこる。
「おっと、サンダーバードかい。私はこう見えて融和派でね。それ故侮ったりはしないのだよ!」
 その雷を巨大な拳で殴りつけるプレジデント。あまりにも無茶な打撃だが、その無茶を可能にするのが大統領だと言わんばかりに雷撃を拳で受け止める。
 それに負けじと残る兵装をプレジデントに叩き込むるこる。だが、時間はあまりなさそうだと懸念がある。
 その懸念を実現するかのように、崩れた瓦礫が吹き飛んだ。
「はは……まさか僕の頭に地下道を落とすなんてねぇ。ずーっと僕の上に覆いかぶさって邪魔だったんだよ……もしかして知っててやったのかい?」
 地下道、あるいは地下鉄に相当な恨みがあるのか、明らかに怒りと狂気を孕んだ声で言うロナルド。それを用いた敵を許さぬとばかりに全身に力を込める。
「Run!」
 地面を吹き飛ばすほどの勢いで走り。
「乱!」
 差し向けられた一部の兵装、その範囲攻撃を乱れうちに叩き落とし。
「龍ぅぅぅぅぅ……!?」
 龍の如く襲い掛からんとしたその瞬間。黄色い服を纏ったからだが二つに分断された。
「研ぎ澄まされた刃と技に、料理出来ないものはない!」
 怒りに我を忘れたロナルド。その後ろから、ウィーリィが【料理の鉄刃】の一撃で彼を両断した。
 ついに精鋭をすべて失ったプレジデント。だが彼は怯まない。己が立っている限りアメリカは無敵であり、その為に戦った者たちもまた不滅なのだ。
「来たまえ。我がアメリカと君たちの世界。どちらが強いか勝負だ」
 受けて立つ、と言わんばかりにるこるの雷撃と全ての兵装、そしてウィーリィの大包丁がプレジデントへと襲い掛かった。
 赤き右腕が襲い来る砲撃を受け止め、青き左腕が包丁の一閃をつかみ取る。
「私は、我が手は……全てをオブリビオンに、全てをアメリカに!」
 フィールド・オブ・ナインとして、オブリビオンの大統領としての誇りの下に振るわれる腕。だがその両腕は、るこるの体全てを変換した雷の炸裂で止まる。
「それは認めるわけにはぁ」
 自由を貫こうとするなら折られることも覚悟の上で。その衝撃に緩んだ手からウィーリィが包丁を抜き取り、渾身の力を込めて二度目の一閃を放った。
「今度は食生活を整えてから出直してきな!」
 確かな手ごたえ。深く切り裂かれたプレジデントはその体を仰向けに倒れさせていく。
「ああ、私の任期はここで終わりか……だがアメリカは、滅びの世界は滅びぬ! 星条旗よ、永遠なれ!!」
 最後まで堂々とした宣言と共に、プレジデントの体は50の光の粒となって砕け消えた。

 ここにフィールド・オブ・ナイン第一席『プレジデント』は斃れた。だがそれはアポカリプス・ランページの終わりを意味するのではない。真に終わりを迎えるために倒すべきは、まだ先にいるのだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月16日
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