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アポカリプス・ランページ⑰〜プレジデントの挑戦状

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●コロンビア特別区「ワシントンD.C.」
「猟兵の諸君!忙しい所、失礼するよ。私はこの世界のオブリビオン全てとソーシャル・ネットワークを構築していてね。諸君の『予兆』に混線させてもらったよ」
 街並みだけが完璧に復興された無人のワシントンD.C.。
 その景色を一望できる超高層ビルの一室で、巨漢の紳士が語りかえた。
「ご挨拶が遅れたな。私は『プレジデント・ザ・マスディレクション』、『フィールド・オブ・ナイン』の一人と言った方が理解して頂けるかな。昔は人の名もあったが、色々無くしてね。いまや『昔大統領だった事がある』という肩書だけが自慢の、しがないナイスガイさ」
 無人の室内であるにもかかわらず、まるで誰かが聞いているかのような素振りで、『プレジデント』は話を続けた。
「普段はグリモア猟兵に説明してもらうのだったかな。毎回『彼女』に説明してもらうのも大変だろうし、今回は私から説明させてもらおう」
「私の目的は「全人類のオブリビオン化」。もちろん、黙示録の黄昏アポカリプスヘルを生き残った僅かな人達だけじゃない。全てだ。全ての世界の人類を、私のユーベルコードでオブリビオン化する事を宣言する」
 その場いない猟兵達の反応を待つかのようにしばらく間を取った後、『プレジデント』は話を再開する。
「といっても、諸君らは対象外であるがな。諸君らはひとりひとりが別種の存在。時間質量論だけじゃ、こんな異端は説明できないさ」
 そこで『プレジデント』は何かに気付いたように問いかける。
「ほう…諸君らは未だ『オーバーロード』に到達していないのようだな…それならばこうしよう私は、国立公文書記録管理局(アーカイブス・ワン)で君達を待ち受けている。当然、私の軍隊達も一緒にだ。私は諸君らに対して私の軍隊で先制攻撃を仕掛ける。それを凌いで私の元に辿り着いてみせるがいい」
 これは諸君らへの私からの挑戦状なのだと告げてから、『プレジデント』は超高層ビルの窓を叩き割り、迎えのへりに飛び乗った。
「もしかしたら私達との戦いの中で諸君らは『オーバーロード』に目覚めるかもしれないな。私もそれを見る事に興味があるのだよ」
 『プレジデント』を乗せたヘリは戦場となる国立公文書記録管理局にへと向かうのであった。
「最後に言い忘れていたことがあった。私に挑むのも尻尾を巻いて逃げるのも君達の自由だよ。HAHAHA!」


吾妻 銀
 吾妻 銀です。

 アポカリプス・ランページの3本目のシナリオを出させて頂きます。
 戦争シナリオですので1章構成となります。

 軍人宰相『プレジデント・ザ・マスディレクション』とのボス戦となりますが、実際は彼が呼び出す軍隊との集団戦がメインとなります。
 プレイングボーナスは『大統領の軍勢による先制攻撃に対処する』です。
 難易度はやや難ですので判定も厳しめとなります。
 プレイングの受付はOP公開直後から、断章はありません。
 尚、オーバーロードについての問いかけてもプレジデントは明確な答えを返す事はありませんので、ご了承ください。

 それでは皆様の参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『プレジデント・ザ・マスディレクション』

POW   :    プレジデント・アーミー
レベル×1体の【大統領の軍勢】を召喚する。[大統領の軍勢]は【アメリカ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    プレジデント・セキュリティ
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【アメリカ合衆国シークレットサービス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    アーマード・ディヴィジョン
【かつてのアメリカ軍の最新兵器】で武装した【精鋭アメリカ陸軍兵】の幽霊をレベル×5体乗せた【戦車部隊】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アドナ・セファルワイド
貴様と余は、似て異なるUCの使い手のようだ
我がグリモアは『セファルワイド帝国の歴史』そのもの
余はその歴史に勅命を下し、様々な現象を引き起こす!

皇帝の名の元に宣言する!ブラックアンセム、ホワイトレクイエム!
『余が先制攻撃を受けた因果を抹消せよ!』
黒白のD.Dが起動し、因果に干渉し先制攻撃を抹消

これが『セファルワイド帝国皇帝』だ、『アメリカ合衆国大統領』
UCを起動
時の氷によって強化されたセファルワイドに属する様々な存在が招来され、妾の元へと集う
さぁセファルワイドとアメリカとの戦争だ!
皇帝の名を持って宣戦布告する!

時間凍結氷決勝を巨大な篭手の如く腕に付与し、プレジデントとアメリカに挑んでいくぞ



「成程…貴様と余は、似て異なるUCの使い手のようだ」
 アドナ・セファルワイド(セファルワイド初代にして最後の皇帝・f33942)が国立公文書記録管理局の前に辿り着いた途端、最新兵器で武装された軍隊に包囲されるのであった。
 フィールド・オブ・ナイン『プレジデント・ザ・マスディレクション』が呼び出した、大統領の軍勢による待ち伏せである。
「ようこそお嬢さん、君が最初に私に挑む者だ、誇るがいい。そして最初に私に敗北する者でもある」
 プレジデントは自ら呼び出した軍勢の奥で悠然と構え、単身で挑んできたアドナに対して挑発じみた笑みを浮かべる。
 上空には武装ヘリが飛び交い、地上では戦車が所狭しと並び、重装備の歩兵部隊がプレジデントを守るように展開している。
 戦力差は歴然であったが、アドナは物怖じせずに持ち前の負けん気を発揮した。
「セファルワイド帝国の皇帝である余に向かって無礼な。我がグリモアは『セファルワイド帝国の歴史』そのものである。決して貴様には劣らぬぞ。皇帝の名の元に宣言する!ブラックアンセム、ホワイトレクイエム!」
 プレジデントの挑発に闘志を燃やしたアドナは全身を時間凍結氷結晶で覆い、戦闘態勢を整える。
「どうやら見た目通りの年齢ではないようだな。だが皇帝などこのアポカリプスヘルでは旧時代の遺物なのだよ。私のプレジデント・アーミーの力ではなす術もあるまい」
 これ以上は、問答無用とばかりにプレジデントは軍隊に攻撃を命じた。
 四方八方から銃弾に砲弾の嵐が、アドナに襲い掛かる。
「女性に年齢の話をするとは、この世界の大統領は礼儀を知らないとみえる!」
 少女の外見相応に拗ねた表情を見せてから、アドナは皇帝としての力を発現させた。
「これが『セファルワイド帝国皇帝』だ、『アメリカ合衆国大統領』!」
 アドナはプレジデント・アーミーに対抗すべく、セファルワイド帝国の歴史そのものに勅命を下した。
「ほう…これは…」
 次の瞬間、銃弾がアドナに命中する前にピタリと停止する現象が起きた。 、 
 因果に干渉し時の氷によって、プレジデント・アーミーの攻撃を阻止したのである。
 プレジデントの先制攻撃を一時的に止めた隙に、アドナはセファルワイドに属する様々な存在を招来し、自分の元にへと集めるのであった。
「大統領はチャンスは逃さないのだよ。次は本気で行かせてもらおう」
 だがプレジデント・アーミーがそれを待つ筈もなく、総攻撃を命じるのであった。
 上空から現れたヘリによる爆撃に、特殊部隊による突撃にアドナとその軍勢は窮地に立たされるのであった。
 アドナの因果に干渉の能力をもってしても防ぎきれる物量ではない。
「く…まだ宣戦布告はしておらぬというのに」
 体制が整っていない状態から襲撃を受けたアドナとその軍勢は、懸命に応戦するも少なからず被害を被るのだった。
「常に先に備えておかなければ、人の上に立つ資格はないのだよ」
 プレジデントは優勢であっても攻撃の手を緩めず、アドナを攻め立てた。
 だがアドナも一方的に押されているという訳ではなく、プレジデント・アーミーの一角を切り崩しにかかった。
 航空戦力は時間凍結氷結晶の力で凍結させて無力化し、地上部隊は集めたセファルワイド帝国の軍勢により制圧していく。
 戦況は徐々に五分にへと押し返しつつあった。
「さぁセファルワイドとアメリカとの戦争だ!皇帝の名を持って宣戦布告する!」
 アドナは時間凍結氷決勝を巨大な篭手の如く腕に付与させて、プレジデントとアメリカ軍に挑むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜刀神・鏡介
猟兵とはいえこの少人数に対して軍隊で挑みかかってくるとは……
評価されていることを喜ぶべきか、面倒な事を悲しむべきか

神刀を抜いた状態でバイク『八咫烏』に乗って軍隊の層が薄い場所に向かって突撃して突破
敵は追いかけてくるだろうからバイクによる高機動で移動
周辺ビルなど建物を盾にしつつ、かつ神刀による斬撃や斬撃波で建物を破壊して崩落に巻き込む形で撃破しつつの足止めを試みる

軍勢を適宜足止めしながら迂回してプレジデントの元へ
流石に全ての軍勢をプレジデントから引き剥がす事はできなかっただろうが、最初の数よりはマシだろう
敵の攻撃をなんとか捌きつつ、バイクで強行突破。すれ違いざまに壱の型【飛燕】で斬りつける


マリア・ルート
上等よプレジデント!
挑んでやろうじゃない、その戦いに!(実は煽りに割と弱い)

軍勢は『威圧』で怯ませつつ、『オーラ防御』『激痛耐性』による防御と『野生の勘』『残像』による回避をしてUC発動可能までの『時間稼ぎ』をするわ。(『継戦能力』)

発動可能になったら軍団とミッドレンジの距離に陣取り【指定UC】発動。
あんたのその軍勢の創造も大したものね。正直、学びたい……けど。
私もまた、創造をする者として、負けられないのよっ!
武器を『早業』で操り、『蹂躙』していくわ!
頃合いを見て2割ほどの武器を回してプレジデントに攻撃!

どう?
今度はあんたが尻尾巻いて逃げ出したくなったんじゃない?
ま、逃がす気はないけどね!



「ようこそ。逃げずに来てくれた諸君らを歓迎するよ。さあ、その力を私に見せてくれたまえ」
 プレジデントは二人の猟兵が姿を見せた直後に、戦闘準備を万全に整えていたプレジデント・アーミーに攻撃を命じるのであった。
「猟兵とはいえこの少人数に対して軍隊で挑みかかってくるとは……評価されていることを喜ぶべきか、面倒な事を悲しむべきか」
 猟兵の内の一人である夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は神刀を抜いた状態でバイク『八咫烏』を操って、軍隊による先制攻撃を避けながら突破出来そうな箇所を探る。
「上等よプレジデント!挑んでやろうじゃない、その戦いに!」
 もう一人の猟兵であるマリア・ルート(紅の姫・f15057)は、プレジデントの挑発に闘志を燃え上がらせ、向かって来る軍隊を威圧していた。
「私の挨拶が気に入ってくれたようだね。存分に楽しんでいくといい」
 プレジデントの言葉を引き金に、プレジデント・アーミーによる容赦のない攻撃が二人を攻め立てる。
「別に気に入ってなどいないけれどな」
 今は攻勢に出る時ではないと判断した鏡介は、バイクの高機動を活かして、周辺ビルに逃げ込んで、上空からの爆撃を凌いだ。
 そして地上からの追跡部隊に対しては、神刀による斬撃や斬撃波で建物を破壊して崩落に巻き込む形で迎撃に成功するのだった。
「なんとか上手くいったようだな」
 それから鏡介は軍隊が集まっている地点を迂回して、プレジデントの元にへと向かう。
「あんたのその軍勢の創造も大したものね!」
 一方、マリアもまたプレジデントの軍勢の猛攻を必死に凌いでいた。
 降りかかる爆撃と銃弾を自身のオーラで防ぎ、鋭い勘で比較的安全な場所にへと移動して回避する。
 それでも爆発の衝撃と銃弾の全ては防ぎきれずに、マリアは決して軽くないダメージを受けてしまう。
「正直、学びたい……けど。私もまた、創造をする者として、負けられないのよっ!」
 全身から襲い掛かる激痛に耐えながら、UC発動の準備が完了したマリアは無敵の武器の大群を呼び出した。
 魔剣に槍、巨大な斧といった近接用の武器から、ライフルに大砲といった射撃武器まで、マリアが知る限りのありとあらゆる武器が目の前を埋め尽くす勢いで出現する。
 そしてそれらの武器をマリアは個別に操作して、プレジデント・アーミーに対して反撃を開始するのであった。
 変幻自在に攻めにかかる武器の大群に、対処しきれずにプレジデント・アーミーはその数を減らしていく。
「ほう…これは中々、見事なものだ」 
 マリアの反撃にプレジデントは素直に称賛した。
 それに対してマリアは不敵な笑みを浮かべて、プレジデントを睨み返す。
「どう?今度はあんたが尻尾巻いて逃げ出したくなったんじゃない?ま、逃がす気はないけどね!」
 軍隊を切り崩し、突破口が開けて所でマリアは、呼び出した武器の二割程をプレジデントに向けて投射した。
「おっと、感心している場合ではなかったな」
 プレジデントは護衛の兵隊達に迎撃を命じた。
 護衛の兵士達は飛来してきた武器にその身を貫かれ、肉盾としての役目を果たしたのである。
「お勤めご苦労だったな」
 それでも防ぎきれずに飛来してきたマリアの武器を、自らの巨椀で叩き落として、プレジデントはその場を凌ぐのだった。
「俺の事も忘れてもらっては困るな。跳ね斬る――壱の型【飛燕】」
 そこへ迂回していた鏡介がプレジデントの接近を果たし、マリアに気を取られていた隙を突いて斬りかかる。
 残っていた兵士をバイクで強行突破し、鏡介はすれ違いざまに神刀による斬撃をプレジデントに叩きこむのであった。 
「く…私に一太刀を浴びせるとはな。流石と言っておこうか」
 鏡介の渾身の一撃は、プレジデントの巨椀に受けられるも、その腕部を大きく斬り裂き深手を負わせたのである。
 プレジデントの負傷は軍隊の統率にも影響し、二人の猟兵への攻撃の手が緩んだ。
「もう片方の腕も頂くとしようか!」
「今が攻め時よね!」
 それから勢いづいた鏡介とマリアは、その圧倒的な物量差を覆して、プレジデントとその軍勢を追い込んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
相手は軍隊か…対してこっちは1人…まあまともにやり合いたくは無いね……
何も無い無人の街並みという事もあってサバイバルゲームでもやってる気分になるな…

…ま、そんな甘い相手じゃないのだろうけど…と
まずは現影投射術式【ファンタズマゴリア】を用いて濃霧を出して市の全域を覆うとしよう…
…まあ当然このぐらいは最新兵器で見破ってくるのだろうけどダミーの幻影を出して攪乱…
…自分は建物を利用しながら心理隠密術式【シュレディンガー】で身を隠すとしよう…
…こうして相手を混乱させて【縋り弾ける幽か影】で出した自爆ガジェットが脅威であるプレジンデントへ到達するまでの時間稼ぎをしようか…



「相手は軍隊か…対してこっちは1人…まあまともにやり合いたくは無いね……」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は国立公文書記録管理局付近の無人の建物に身を隠し、眠たげな表情で様子を伺っていた。
 何も無い無人の街並みで身を隠して隙を伺う行為に、メンカルはサバイバルゲームでもやってる気分になっていたが、そんな甘い相手ではないのだとすぐに思い知る事となる。
「さて準備は出来たかね?それでは始めるとしよう」
 プレジデントの号令の元、戦車に乗った精鋭アメリカ陸軍兵の幽霊がメンカルが隠れているビルに突入してきたのである。
「…気付かれてたみたいだね」
 じっとしている場合ではないと判断したメンカルは手際よく、現影投射術式『ファンタスマゴリア』を起動した。
 周辺を幻の濃霧で覆い、陸軍兵達への目くらましとしたのである。
「私の兵達の眼は誤魔化せんよ」
 だが最新鋭の装備を惜しげもなく使用した陸軍兵達は、視界に頼ることなくメンカルの位置を特定し、その地点を中心に制圧射撃が開始されるのであった。
「まあ当然このぐらいは最新兵器で見破ってくるよね…」
 陸軍兵達の探知能力を予想していたメンカルは、ダミーの幻影を作り出して攪乱しにかかる。
 ダミーの幻影が陸軍兵達の制圧射撃により蜂の巣にされている間に、メンカルは心理隠密術式『シュレディンガー』を使用し、自身の存在を認識されにくくなるようにして、別の建物にへと身を隠すのであった。
「ふむ…わざわざやってきて、隠れ回っているだけかね?これではつまらない相手だと言わざるを得ないな」
 徹底して隠密行動を続けるメンカルに対しプレジデントは、心底がっかりした表情で戦況を見守っていた。
 メンカルが隠れられる場所は限られている、プレジデントは陸軍兵達に新たな指示を出そうと通信機に手を伸ばした。
 だがその直後に凄まじい爆発音が巻き起こり、プレジデントの声はかき消された。
「一体、どうしたというのだね?」
 陸軍兵達が突入していたビル内で突如、大爆発が起こったのである。
 中に居た陸軍兵達は爆発とビルの倒壊に巻き込まれ、戦車ごと押し潰されてしまうのであった。
「……これで少しは面白くなった?」
 プレジデントが困惑している様子を、メンカルは爆発に巻き込まれていないビルの陰から伺っていた。
 爆発させたビルにはダミーの幻影だけでなく、極めて発見しづらい自爆機能付きガジェットも潜ませていたのである。
「成程…さしずめ窮鼠猫を噛むといったところかね」
 差し向けた陸軍兵達が壊滅した事に、驚きつつもプレジデントはおどけてみせた。
 そんな態度とは裏腹に、その後のプレジデントは慎重になり、残った陸軍兵達を自身の防衛に専念させるのであった。
 メンカルが操るガジェットの自爆攻撃を警戒しての事である。
「これで時間稼ぎが出来る…」
 それからもメンカルは自身の手で作り出した術式を駆使して、陸軍兵達を撹乱しながらプレジンデントへと迫るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

伊高・鷹介
・ケ、過去の名大統領もいまや暴走大統領か。つくづくオブリビオン化ってのは晩節どころか死後すらも汚す現象だぜ。まあいい、ご自慢の軍勢とやらを文字通りひっくり返してやろうか。

・ここまで荒れてる地形だと色々やりやすいな。「念動力」の力場を全開。向かってくる戦車隊の真下を思いっきり崩してやるよ! 俺の「念動力」でどんな大穴がこの大地に空くか楽しみだぜ。ま、完全に地盤崩落とはいかないまでも、それなりの足止めはできるはずだぜ。ああ、遠距離攻撃は念動力で逸らすから問題ないな。

・初手を凌いだらこっちの番だ。俺がUCを使えば、さっきの力場が子供だましみなたいな力場を作れるんだ。あの大統領ごと軍勢を潰してやるよ!


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第四『不動なる者』盾&まとめ役武士
一人称:わし 質実剛健古風
武器:黒曜山(刀形態)

さて、貴殿を放っておくわけにはいかず。わしは馬県義透という。いざ、参ろうか。

先制攻撃対するは、限界突破の結界術。これで防御しよう。
だが、指定UC(攻撃力重視)使えるようになったら、わざと切る。

そちらの手数の多さ、それが仇になったな。
わし、いや『我ら』はその分強くなる者。
我らが名乗りを聞いていようがいまいが、陰海月と霹靂が認識してくれておるのでの。最初に名乗ったのは、保険じゃて。

黒曜山を抜刀。切り刻みいこう。
見切ろうと思うても、この黒曜山は未来を写すでの。避けた先を斬るのみである。



 プレジデントの手で修復されたコロンビア特別区『ワシントンD.C.』であったが、猟兵達との激しい戦いにより、国立公文書記録管理局の周辺の建物の大半が破壊され、整備されていた広場も荒れ果てていた。
 それでもプレジデントは兵隊達に攻撃命令を下し、隠れているかもしれない猟兵を炙り出そうとしている。
「ケ、過去の名大統領もいまや暴走大統領か。つくづくオブリビオン化ってのは晩節どころか死後すらも汚す現象だぜ。まあいい、ご自慢の軍勢とやらを文字通りひっくり返してやろうか」
 サイボーグの青年、伊高・鷹介(ディフェクティブ・f23926)はうんざりした様子でプレジデント達の前に姿を現した。
「さて、貴殿を放っておくわけにはいかず。わしは馬県義透という。いざ、参ろうか」
 四人で一人の複合型悪霊である、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)も第四『不動なる者』の人格を表に出して、プレジデント達と相対する。
「ふむ…この気迫、これは期待できそうかね」
 これまでの戦いで軍団も甚大な損害を受け追い込まれながらも、プレジデントは悠然とした態度で、精鋭アメリカ陸軍兵の幽霊達と 重装備の歩兵達に攻撃の命令を下す。
 戦車による砲撃と兵士による重火器の一斉射撃が、二人に襲い掛かった。
「随分と荒らしてくれたよな。おかげで色々とやりやすいな」
「ええ、向こうの手数が多いのも、わし、いや『我ら』にとっては都合がいい」 
 激しい砲撃に対して鷹介は念動力による力場を展開し、砲弾の軌道を反らして直撃を避ける。
 それだけに留まらず、鷹介は戦車隊の真下にも力場を展開させ、その動きを鈍らせる。
 一方で義透もまた限界まで強化した結界術で、重火器による一斉射撃を防御するのであった。
「大したものだ…だが、私の軍団はその程度では止まらんよ」
「そうかよ、だが足元が崩れたらどうだ?」
 鷹介の本当の狙いは、プレジデントの軍隊が立っている足場を崩落させることにあった。
 地響きが聞こえたのはそれから間もなくのことである。
 これまでの戦いによる損傷と念動力による力場の負荷に耐えられなくなった地盤が、鷹介の目論見通り崩壊を始めたのである。
「う、うわあああああ!」
 いかに頑強な戦車だろうと重装備で身を固めていようと、足場が崩れてしまえば、空でも飛べない限りはまともに動けるはずもなく、軍団は地盤の崩落に巻き込まれてしまう。
「どうやら見事な街並みも見掛け倒しだったようじゃの」
 義透の指摘通り、いとも容易く地盤が崩落したのは完璧に修復されていたはずの街も、地下にまでは及んでいなかった事が大きな原因であったのだ。
「手抜き工事だったって事かよ。ま、どの道早いか遅いかの違いだっただろうけれどな」
 鷹介は念動力をさらに強め、地盤と軍隊に止めを刺しにかかった。
 結果としてプレジデントが集めた軍団はほぼ壊滅状態となり、プレジデントを守る兵隊も残すところ僅かとなった。
「これなら足止めの必要もなさそうだ。このまま大統領ごと潰してやるよ。言っておくがさっきの力場は子供だましみたいなものだ、ここからが本番だ」
 鷹介がUCを起動させ、これまでとは比べ物にならないほどの強力な念動力による力場がプレジデントを中心に展開する。
「数は減ってしまったが保険みたいなものじゃて、我らには陰海月と霹靂がいるのでな」
 そして相棒であるミズクラゲとヒポグリフの応援を受けた、義透の能力は極限にまで高まりつつあった。
「ぐううう…これは!」
 もはや地番を崩落させる事すらも生易しいと言わんばかりの念動力により、空間ごとプレジデントと残っていた軍隊を押し潰しそうとしていた。
 そこへ黒曜石で出来た剣『黒曜山』を手に取った義透が、念動力による力場をものともせずに斬り込んできたのである。
「これなら未来を写す必要もなさそうじゃの!」
 身動きの取れないプレジデントは、一方的に切り刻まれていく。
 軍団という自らを守る盾を無くした、プレジデントに状況を覆す術は無かった。
「これほどの力…諸君らは遂にオーバーロードに至ったというのか…ふふ、素晴らしい物を見せてもらったよ…残念だがここでお別れのようだ…」
 致命傷を受け、もはや助かるまいと観念したプレジデントは猟兵達の奮闘を称えるかのように、立ったままで自らの最期を受け入れるのだった。
「そんなのは知った事か!このまま潰してやるよ」
 鷹介はプレジデントのいる場所の地盤を崩壊させ、軍団ごとプレジデントを地表深くに沈めた。
「こいつは墓標代わりだ」
 そして国立公文書記録管理局の建物をも念動力で破壊し、プレジデント達が沈んだ場所を瓦礫で埋め尽くすのであった。
「何と言われようが、我らは我らという事じゃの」
 フィールド・オブ・ナインの一人、『プレジデント・ザ・マスディレクション』の最期を見届けた後、義透は鷹介と共に完全に無人となった『ワシントンD.C.』から立ち去るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月16日


挿絵イラスト