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アポカリプス・ランページ⑨〜ロケット打ち上げ花火〜

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#プレイング〆切ました。
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●バギーレース
 超巨大都市【ヴォーテックス・シティ】の何処か……。
 そこでは今正に、オフロードレースが開催されようとしていた。
「さぁーー、始まりました! 第◾️■回バギーレース!!」
「なんと優勝者には、フルスロットル様の右腕のポジションが与えられます!」
 盛り上がる会場。
 出場するレイダーたちは、ゴッテゴテに武装したバギーやバイクに乗り、「ブルルン、ブルルン」とエンジンを鳴らす。
 彼らの目の前には、広大な砂漠。
 激しい高低差、砂地獄、突然襲いかかる砂嵐……。
 自然を存分に利用したこの過酷なレースに、レイダーたちは改良に改良を重ねたマシンで挑もうとしている。
 その背には、何故か小型ロケット……。
 ちなみに、かつてアメリカでは砂浜や砂漠で、ATVレースが行われていたという。
 やがて、スタート信号に赤灯が表示される。
 各マシンが整列したのを確認したレイダーの1人が、旗を振りながら横断していく。
 エンジン音が大きくなる中、スタート信号は緑灯に切り替わった。

『ヒャッホーーーーゥ!』

『ヒャッハーーーーッ!』

 砂埃を巻き上げながら、一斉にマシンが飛び出す。
 果たして彼らは、フルスロットルの右腕という謎の称号を得ることが出来るのだろうか?

●グリモアベース
「皆様、お疲れ様です」
 ナノ・ナノン(ケットシーの聖者・f18907)は、猟兵たちに丁寧にお辞儀した。
「先日爆破して頂きました武器工場ですが、その後調査しに行ったところ、地下格納庫を発見いたしました」
 そしてなんと、武装した四輪バギーやバイクが大量の発見されたという。
「フルスロットルの召集前に押収できて、本当に良かったです」
 その言葉に頷く一部の猟兵たち。
「話は変わりますが、現在レイダーたちはオフロードレースを開催して楽しんでいるようです」
 なんでも、なかなか召集されなかった事もあって、暇つぶしで始めたのだと言う。
 今ではすっかりレースにハマり、召集されなかったレイダーたちが遊んでいるようだ。
「せっかくなので、押収したバギーやバイクに乗って参加し、残党を討伐して頂きたいのです」
 そう言うと、ナノンはグリモアを宿した杖を取り出し、転送準備を始めた。
「あ、そうでした。レイダーたちは緊急脱出用に小型ロケットを背負っています。ロケットを攻撃すれば、彼らは大空へと打ち上げられ、花火のように爆発するようですよ」
 今回もまた、爆発か……。
 猟兵たちは喉まで出かかった言葉を飲み込むと、バギーやバイクに乗り込む。
「それでは皆様、いってらっしゃいませ」
 転送用の魔法陣が輝き、猟兵たちはオフロードレースへと転送された。


柚子胡椒
 初めまして、こんにちは。柚子胡椒です。
 こちらは、戦争シナリオとなります。
 今回は、ヴォーテックス・シティの残党レイダーたちを討伐する、お楽しみミッションです。
 武装バギーやバイクで殴り込み、コテンパンに潰してしまいましょう。
 なおレイダーたちは小型ロケットを背負っており、そこを攻撃すれば容易に倒すことができます。

 補足情報 支援⑬フルスロットル・ヴォーテックス。
 プレイングボーナス レイダー達とカーチェイスしながら戦う。
 よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『ロケット・レイダー』

POW   :    ガベッジボンバー
単純で重い【上空まで運んだ瓦礫やドラム缶 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    バラッジアタック
【上空】から【短機関銃の掃射攻撃】を放ち、【頭上から降り注ぐ激しい弾幕】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    永遠ヒコウ宣言
【永遠にヒコウ(飛行/非行)を続ける宣言】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夜刀神・鏡介
相変わらずというべきか悩むが、ここのレイダー達も楽しんでるなぁ
なんとなく、フルスロットルは右腕とかそういうのを区別しなさそうな印象もあるんだが
ま、ここで倒しきってしまえばその辺りを気にする必要もなくなるだろう

神刀を引き抜いて、自身のバイク『八咫烏』に騎乗し、レイダー達を追いかける
このバイクなら悪路でも問題なく踏破できる

走りながら金色の神気を神刀に纏わせて、弐の秘剣【金翼閃】を発動。斬撃波として解き放つ。
何やら宣言をしているようだが、それを聞いてやる必要もない

ロケット部分を攻撃できれば上等、無理でもレイダーや車体にダメージを与えれば行動を制限できるし、追い打ちで斬撃波を放ってロケットを破壊する




「相変わらずというべきか悩むが、ここのレイダー達も楽しんでるなぁ」
 多くの戦場に参加してきた夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は、苦笑いする。
 オフロードレースを楽しむレイダーたちの姿は、とても今が戦争中とは思えない。
『さぁーー、始まりました! 第◾️■回バギーレース!!』
『なんと優勝者には、フルスロットル様の右腕のポジションが与えられます!』
 熱い実況をするレイダーたちの言葉を聞きながら、夜刀神は自身のバイク【八咫烏】に騎乗した。
 目の前ではスタートを切った先頭集団が砂埃を上げて、走り抜けていく。
 夜刀神は八咫烏のエンジンをかけた。
「なんとなく、フルスロットルは右腕とかそういうのを区別しなさそうな印象もあるんだが」
 そして、エンジンをふかす音を何度も響かせる。
「ま、ここで倒しきってしまえば、その辺りを気にする必要もなくなるだろう」
 そう言うと、夜刀神は砂を巻き上げながら、猛スピードでレイダーたちを追いかけた。

 流石はオフロードレース。
 高低差の激しい砂の山だけでなく、大小様々な岩石が邪魔をし、挙げ句の果てには大きな恐竜の骨のような物まである。
 それらを右に左にと器用に避けながら、夜刀を引き抜いた。
 レイダーたちは奇声を上げながら砂の山を次々と飛び越え、大ジャンプを繰り広げる。
「ヒャッハー! 右腕の称号はこの俺がいただきだぁ!」
「あぁん? なぁに言ってやがる。右腕つったら、俺のことだろがぁ!」
 熱くなり過ぎてケンカを始めるレイダーたち。
 夜刀神もバイクで大ジャンプすると、バギーの屋根を踏み台にして進む。
 そして、全て抜き去った所でバイクの向きを変え、レイダーたちを迎え撃つ。

『神刀解放。我が剣戟は空を翔ける――弐の秘剣【金翼閃】』

 金色の神気を神刀に纏わせて、弍の秘剣【金翼閃】を発動すると、斬撃波を放った。
「なんだアイツ!」
「ヤベェ、緊急脱出だ!」
 レイダーたちはバギーを捨て、背中のロケットを点火し脱出をはかる。
 夜刀神の目の前で、次々と打ち上がるレイダーたち。そこに追い打ちで斬撃派を放つ。
「俺たちは永遠だぁーーーー!」
「永遠ダァーーーーーーーー!」
 斬撃波を喰らったレイダーたちは【永遠のヒコウ宣言】を遺し、ロケットもろとも大爆発すると大輪の華となって散っていく。

「ドォーーン、ドォーーン……、パラパラパラ……」

 その光景に思わず、「た〜まや〜」と口にする夜刀神であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネロ・アンドラス
「いいバギーだなぁ❗」押収したバギーをファントムに運転させながら空を見る「モヒカン共❗まずは蜂の巣を味わいな❗」レイダー目掛けてガトリング乱射❗「それと一つ忠告だぜ❗飛ぶのが得意なのはお前らだけと思うなよ❗総鮫撃だ❗」空に向けメガホンで叫ぶ❗「後は地面のありがたみを知れ❗」




「いいバギーだなぁ!」
 ネロ・アンドラス(バイオモンスターの殺人鬼・f33761)は、押収したバギーを物色する。
 そして、漆黒のボディに青い炎の模様が施された一台のバギーに目を留めた。
「これ、俺にピッタリじゃないか?」
 そう言うと、【ファントム】を運転席に座らせ、自分は助手席におさまった。
「よっしゃ、行くか!」
 漆黒のバギーと共に、ネロはレース会場へと向かった。

『さぁーー、始まりました! 第◾️■回バギーレース!!』
『なんと優勝者には、フルスロットル様の右腕のポジションが与えられます!』
 盛り上がる会場。
 やがて、バギーやバイクが一斉の飛び出した。
 その後方から、ネロが転送用魔法陣から勢い良く飛び出した。
 大きな砂の山を登り、大きくジャンプしながら超え、岩石を乗り越える。
 やがて前方に、先にスタートを切ったレイダーたちが見えて来ると、あちこちにバギーやバイクの部品が散りばり、煙を上げる本体が転がっていた。
 その中をファントムは、素晴らしいハンドルさばきで掻い潜る。
 どうやらレイダーたちは熱くなり過ぎて、互いを攻撃しあっているようだ。
 上下左右に激しく車体が揺れる中、ネロは空を見上げた。
「俺たちは永遠だぁーーーー!」
「永遠ダァーーーーーーーー!」
【永遠のヒコウ宣言】をしながら、背中のロケットで緊急脱出したレイダーたちが、済んだ空を飛び回っていた。
 ネロはバギーから体を乗り出すと、レイダーたち目掛けてガトリングを乱射した。
「モヒカン共! まずは蜂の巣を味わいな! それと一つ忠告だぜ」
 バギーからそう叫ぶと目標を補足し、【総鮫撃(ソウコウゲキ)】を発動した。
「飛ぶのが得意なのは、お前らだけと思うなよ!」
 飛翔能力を得た透明の鮫が何体も姿を現した。大きな口に、麻痺属性の牙をズラリと生やした鮫は、空を泳ぐように飛び、獲物を追い始めた。
「後は、地面のありがたみを知れ!」
 ネロは地面に堕ちて来たレイダーたちを足蹴にし、ショットガンアームでトドメを刺した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルァハイム・ラアル
うーん、本末転倒してるなー。
このまんま遊び続けてくれてりゃいいけど、うっかり本来の目的思い出してフルスロットルんトコに来られても困るし……汚ねぇ花火になってもらおっか♪


モンスターバイク「コシュタバワー」に乗ってレースに参加。操縦の一切は「コシュタバワー」に任せて俺は攻撃に専念。

体当たりを仕掛けてくるヤツには体当たりし返すのと「翼爪」のある一対目の翼でロケットを狙ってお空へバイバイ。
後はUCで矢をバラ撒けば、ロケットに当たる矢もあるでしょ。バイバーイ。




「うーん、本末転倒してるなー」
 オフロードレースに夢中になっているレイダーたちに、ルァハイム・ラアル(殯の末子・f34505)は呆れた様子で笑う。
 このまま遊び続けてくれれば、こちらとしては有難い話ではある。
「しかしなぁ、うっかり本来の目的を思い出されても困るし……」
 ここは、潔く打ち上げ花火となって散ってもらおう。
 ルァハイムは大きく頷くと、モンスターバイク「コシュタバワー」に跨った。
 やがて、アナウンスが流れる。

「さぁーー、始まりました! 第◾️■回バギーレース!!」
「なんと優勝者には、フルスロットル様の右腕のポジションが与えられます!」

 盛り上がる会場。
 そして、合図と共に大量の砂埃を巻き上げながら、バギーやバイクが一斉に走り出した。
 ルァハイムのバイクも、爆音を響かせながら疾走する。
 熱せられた砂からはユラユラと陽炎がのぼり、その中をバギーやバイクが走り抜けて行く。
 ルァハイムはスピードを落とさず砂の山を登り、そのまま大ジャンプを決めると、前を走るバイクに横付けした。
「あぁん? なんだテメェ。どっから来やがった」
 レイダーはそう言うと、反動を付けてボディをぶつけて来る。 
 ルァハイムも大きく離れてから、思いっきり体当たりを仕返してやる。
 バランスを崩したレイダーは、早々に諦め背中のロケットを点火。
 乗り捨てられたバイクは後方を走っていたバギーに激突し、そのまま周囲を巻き込んだ。
「ちょ、マジかよぉーーーー!」
「テメェー! 待ちやがれぇーー!」
 巻き込まれたレイダーたちは、次々と【永遠のヒコウ宣言】を遺し、大空へと飛び立って行く。 
 そこに追い打ちをかけるルァハイム。

『悪い子にはお仕置き、てね』

【罪ありき(ギルティネ)】を発動し、闇色の梟たちを召喚すると、さっさと追撃させた。
 上空でロケットが連鎖的に爆発する中、ルァハイムは「バイバーイ」という言葉を残し、「コシュタバワー」と共に走り去って行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
はっはっは、バカバカしい経緯であるが、それが良い!
安心せい、モブい雑魚だとディスりはせんよ
妾と相対する者はすべてが好敵手だ! ヒャッハー!

妾はバギーを邪神カスタムで参戦しよう
要は、手を入れんと体型的に運転ができんという真面目な裏事情だが、表に出す気はない!
優勝するのは妾だ! 残りの参加者全員をボコって、だがな!

派手に車体をぶつけつつ、長さを活かして左腕でブッ飛ばす!
瓦礫やドラム缶も打ち返してくれよう!
別に小型ロケットは狙わんし、車体を攻撃もせんよ
せっかくド派手なカーチェイスをしておるのだぞ? 早々と勝負を決めてしまっては撮れ高的に寂しいからのう!




 バギーレースは、最早お祭り騒ぎとなっていた。
 その光景を見て、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は高らかに笑う。
「はっはっは、バカバカしい経緯であるが、それが良い!」
 そう言うと、御形はドローンの【天地通眼】を上空に放つ。
 そして、押収したバギーの中で一番大きい物を選び、自分好みにカスタムして乗り込んだ。

『さぁーー、始まりました! 第◾️■回バギーレース!!』
『なんと優勝者には、フルスロットル様の右腕のポジションが与えられます!』

 熱い実況が流れ、スタート信号が青灯に変わる。

『ヒャッホーーーーゥ!』
『ヒャッハーーーーッ!』

 砂埃を巻き上げながら、バギーやバイクと共に御形も一緒に飛び出した。
「安心せい、モブ雑魚だとディスりはせんよ。妾と相対する者はすべてが好敵手だ!」
 左手を窓枠に乗せ、右手で巧みにハンドルを捌きながら、アクセル全開で走り抜ける。
「ヒャッハー!」
 気持ちよく叫ぶ御形を、ドローンが追いかける。
 レイダーたちも負けじとスピードを上げ、御形に並ぶ。
 やがて前方に巨大な恐竜の肋骨で出来たトンネルが見えてくる。
「さぁせるかよぉ!」
 バギーとバイクがスピードを上げ追い抜かし、器用にも脊柱の上に登り走行する。
「これでも喰らえ!」
 レイダーの1人が【ガベッジボンバー】を発動し、脊柱に重い一撃を喰らわせた。
 爆発音と共に骨が崩れ、御形の行く手を阻む。
 バラバラと落ちてくる骨を御形は、楽しそうにハンドルを右へ左へと切り、アクセルを踏み込んだ。
「優勝するのは妾だ! 勿論、残りの参加者全員をボコって、だがな!」

『逆境とはすなわち、視聴者をドキドキワクワクさせる動画の山場! 自ら飛び込むべき素敵なシチュエーションよ!』

【逆境アサルト】を発動し、身体能力を向上させ、崩れゆくトンネルを走る抜ける。
 そして、目の前に着地したバギーやバイクに向けて、左手のアーダーライトを振るった。
 ボールの様にバウンドするバギーは火を噴き、何台ものバイクを巻き込んで派手に爆発する。
 御形は、派手なカーチェイスを撮り続けるドローンに視線を向けると、そのままゴール目指して砂漠の中を疾走したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
(改造装甲車【エンバール】に乗って参戦)
…うーん……如何にも世紀末なゴテゴテ感……あのロケット運転の邪魔じゃないのかな……
…ひとまず普通にレース…が出来れば良かったのだけど……当り前のように妨害してくるな…
…巧みにエンバールを運転して妨害を回避…逆に有利な位置で体当たりをかましてしまおう…
…緊急脱出したレイダーが撃ってくる短機関銃程度ではこの装甲を貫けやしないけど中々に鬱陶しい…
…【狩り立てる嵐の魔犬】を発動…誘導弾でレイダーを迎撃してしまおう…
……こう言うの…汚い花火とか言うのだったかな…
…良平が優勝しても貰えるのかな…右腕ポジション…特に要らないけど…




 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、改造装甲車【エンバール】から
眠たげな表情でレイダーたちのバギーやバイクを眺めていた。

 ……うーん、……何処にも世紀末なゴテゴテ感……。
 ……あのロケット、運転の邪魔じゃないのかな……。

 そんな事を考えていると、熱い実況が流れる。
『さぁーー、始まりました! 第◾️■回バギーレース!!』
『なんと優勝者には、フルスロットル様の右腕のポジションが与えられます!』
『ヒャッホーーーーゥ!』
『ヒャッハーーーーッ!』
 レイダーたちは砂埃を巻き上げながら、バギーやバイクを一斉に走らせる。
 メンカルもエンバールのアクセルを踏み込み、目の前に広がる広大な砂漠へと走り出した。
「……未知の地平が広がってる……楽しい」
 そこは砂と岩で作られた、過酷な世界。
 太陽に熱せられた砂からは、陽炎が立ち昇っている。
 バギーやバイクは、砂の模様をタイヤで掻き消しながら走り抜け、流砂に呑まれないよう進む。
 やがてメンカルの存在に気付いたレイダーたちは、両サイドにバギーを寄せると……。
「あぁん? この過酷なレース舐めとんのかぁ?」
「さっさと堕ちろぉ!」
 野次を飛ばし、車体をぶつけて流砂に落とそうとしてくる。
「……当たり前のように妨害してくるな……」
 メンカルはタイミングを合わせて、ブレーキを思い切り踏み込んだ。
「おぉお〜〜?」
「マッジかよ!」
 急にエンバールが消えたように見えたレイダーたちは、お互いのバギーをぶつけ、流砂に落下する。
「っかぁ〜〜! こうなったら【バラッジアタック】で妨害ダァ!」
 すかさず背中のロケットで上空へと飛び立ったレイダーたちは、上空から短機関銃の掃射攻撃を放ち、進路を妨害して来る。
「……この装甲を貫けやしないけど、中々鬱陶しい……」
 カツンカツンと弾を跳ね返す音が響く中、メンカルは【駆り立てる嵐の魔犬】を発動した。

『紡がれし魔弾よ、追え、喰らえ、汝は猛追、汝は捕捉。魔女が望むは追い立て喰らう魔の猟犬』

 エンバールの周囲に無数の魔法陣が現れると、追尾性の高い魔弾を連射される。
「俺の右腕の夢がぁーー!」
「でも、楽しかったぁーー!」
 魔弾にロケットを撃ち抜かれたレイダーたちは、それぞれの想いを叫びながら大輪の華を咲かせる。
「………こう言うの……なんて言うのだったかな……」
 しかし、「まぁ、良いか」とすぐに興味を失ったメンカルは、「猟兵が優勝しても貰えるのかな、右腕ポジション。特に要らないけど」と呟きながら、ゴール目指してエンバールを走らせた。

●ゴール!
『そろそろ、先頭集団がやって来る頃です!』
『あ、見えてきましたね! さて、今回は誰が右腕の称号を……、ん?』
 実況していたレイダーたちは異変を感じ、座席から身を乗り出した。
 その目の前を、猟兵たちが乗ったバイクやバギー、装甲車が次々と駆け抜けて行く。

『えぇーーーーーーーーーー!?』

 会場全体から悲鳴にも似た叫び声が響く。
 そこから何が起きたのかは、言うまでもない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月18日


挿絵イラスト