●
山の上にそびえ立つ城。
そこに一人の挑戦者が現れる。
城に侵入すべく駆けていくが、行く手を阻むのは大きな壁だ。
高い。跳び上がっても手がヘリに届きすらしない。
到底一人では登りきれないそれであったが、仲間の肩を借りて登頂に成功する。
見ろ、自分はやってやったぞ。
鼻の高い心持ちで城敷地内を見た挑戦者は絶句した。
それはまさに難攻不落の要塞。
数々のトラップが仕掛けられている。
これを超えなければ、オブリビオンの居る城まで辿り着くことは出来ないのだ。
天を突きそびえ立つこの城を、人はイマイチ名前も浮かばなかったので『なんとか城』と呼ぶ。今まさに、この城を巡って、壮絶なる戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
●
「さあ、なんとか城を攻略するよ。アスレチックがいっぱいでとっても楽しs……オブリビオンを倒さなくちゃね!!」
アイ・キャンディは集まった猟兵達を鼓舞している。
「オブリビオンのところまで辿り着くためには、少なくともふたつの障害を乗り越えなきゃいけないんだ」
アイの顔モニター映像が城の上空写真に切り替わる。
「まずは東西南北のどれかの方角から第一関門を突破しよう」
また映像が変わると、今度は東西という表示付きでひとつの難関が映し出される。
「東西はすっごい滑る坂を登りきらないといけない。地面がぐずぐずに濡れてるから、泥だらけになるのは覚悟してね」
パッとモニターが代わり、
「北は飛び石地帯。苔でぬるぬるしてるから、踏み外さないように気をつけて。落ちたら下が滑り台になってて、スタートに戻されるよ」
次々に切り替わる画面。
「南は迷路だ。手早く抜けないと床が落とし穴に変わる。下はネットが張ってあるから怪我はしないよ」
経路の説明を終えたためか、モニターが消灯する。
「何回でも挑戦できるけど、選べる経路は一箇所だから気をつけてね。あ、空飛んだらトマトが山程打ち込まれるからね。笑いに厳しいよね」
なんだか不穏なことを付け加え、アイは転送を開始した。
イシダキシモト
四日目ともなると、寝かせたカレーもそろそろチャレンジャー。
第1章 冒険
『山城を攻略しろ』
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POW : 北から攻める
SPD : 南から攻める
WIZ : 西や東から攻める
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
弥久・銀花
【SPD】
南から行きませう。
迷路なら壁もあるので愛刀による鋭刃線閃で壁を逆三角形に斬り裂いて斜面を足場にし、迷路の壁の上を進んじゃいましょう。
天井があるのなら、壁もろ共に天井も斬り裂くまで、そして屋根の上とかを進みます。
空を飛んだらトマトが飛んでくるとか警告されましたが……、はっ!(嘲弄) 所詮はトマトです、そんなのに臆してたら猟兵なんてやってられませんね!
(以下の銀花の処遇はお任せします、アドリブとか負傷などOKです)
迷路を前にして、誰もが一度は考えることだと思う。
これ、壁登ったら早くね?
実際に、弥久・銀花もこれを実践していた。
迷路の壁を、天井を刀で切断。断面を足掛かりに、屋根の上へと登ろうと言うのだ。後の挑戦者の為に修復しなければならないスタッフの涙が目に浮かぶ。
だが待ってほしい。そのようなルール無視は許されるのだろうか。
銀花とて理解している。空を飛べばトマト飛んでくるとわかっている。
その因果関係は不明だが、つまるところズルをすると制裁が加えられるということだ。
しかし、
「はっ、所詮はトマトです、そんなのに臆してたら猟兵なんてやってられませんね!」
そう言って、天井の縁に手をかけ、穴から頭を出す銀花。
その顔に直撃する赤いもの。赤いもの。赤いもの。
容赦なく降り注ぐガトリングトマト。顔中あっという間にトマトだらけ。その内トマトの汁で手が滑り、つるり。そして下にはぱっくり大口開けた落とし穴。
ひゅーん。そして入り口までごろごろごろごろごろ。
再び迷路の扉を開けると、そこには真新しい壁と天井が。
成功
🔵🔵🔴
雫石・凛香
ふざけた奴だね
でもちょっと前に似たような城があった気もする。たけうじ城とか言ったかな
……流行ってるのかな?
行動
南から攻め込む
妖剣解放による機動力で一気に迷宮を駆け抜ける
分かれ道の度に壁面へ剣で進む方向に傷をつけ目印にする。行き止まりで戻る場合は印をつけたところにバツ印をつけるなど後続のヒントになるように
落とし穴が迫ってきて逃げ切れないようなら衝撃波で壁面をぶち抜いて強引に道を作る
「もう! まだるっこしいのよ!」
それでも落下した時
イライラが募るあまり城の方をすごいかおで凝視する
姉とか今回は関係ない。ここのオブリビオンは絶対斬る
城とは本来、居住用の建築物だ。
軍勢が攻め辛い構造にはなっているが、それでも城内に罠が張り巡らされているなどということはない。
なんというか、質の悪い悪戯か何かのようだと雫石・凛香は思うが、どことなく既視感があった。
「ちょっと前に似たような城があった気もする。たけうじ城とか言ったかな……流行ってるのかな?」
ガッデム、ネタ被りかよ。
小さな部屋を抜ける度、凛香は壁に刃傷をつけていく。
目印だ。一度通ったルートはこれで潰していけるだろう。
しかし、何度目かの扉をくぐった先で、凛香は立ち止まり、頭を掻いた。
壁に傷。この部屋は既に通っている。
先には選ばなかった扉を開く。そうしてまたいくつかの扉を開いて進むと、また同じ部屋に戻っていた。
頭を抱える。時間はない。焦燥は苛立ちを読ぶ。
「もう! まだるっこしいのよ!」
壁に穴を開けた。直進すればよかろうなのだ。
その先に出口を見つけ――まっすぐ下に落ちた。
気づけば入り口。あれだけ駆け回ったのにやり直し。
肩が震える。ギロリと城を睨みつけた。
成功
🔵🔵🔴
風間・敬人
さてさて、城の攻略に来た虎さんですよ。
難攻不落って言っても、失敗しても死ぬどころか軽傷で済むようになってる辺り、
UDCアースのアトラクションみたいだな。
オブリビオン倒しても、ここ残らないかな?
大人も子供も楽しめる場になりそうなんだけど。
ま、それはさておき、攻め入るとするか。
うーん、これは北側からが面白そうか。
俺の逃げ足が試されるぜ。
この程度を攻略できないようじゃ、強敵から逃げきれないってな。
足場の状態や経路を素早く確認し、リズム良く飛び石を渡る。
こういうのはリズムが大事だからな。
ワイヤーフックを掛けられる場所がある場合は、
保険もかねてしっかり命綱に使うぜ。
他者との絡みやアドリブ大歓迎。
あちこちで悲鳴が上がるものの、そこに悲痛の色は見られない。
皆、足を滑らせたり落ちたり泥だらけになったりしているのだが、死ぬどころか大きな怪我もしていないのである。
「UDCアースのアトラクションみたいだな」
風間・敬人はなんとなく、大型のアスレチックを思い出す。体を動かすタイプのあれらは、大人が遊んでも楽しいものだ。
「オブリビオン倒してもここ残らないかな? 大人も子供も楽しめる場になりそうなんだけど」
感心したように頷いて、敬人は目前の飛び石地帯を見やる。
石ごとの間隔はまばらであるため、踏破すべきルートを構築しているのだ。
「この程度を攻略できないようじゃ、強敵から逃げきれないってな」
ひとつ、ふたつ、みっつ。
踏み出せば止まることはなく、敬人は飛び石を進んでいく。
だが最後のひとつ。見るからに苔がびっしりと生えたそれを踏んだ瞬間、ぐるりと視界が反転した。
足を滑らせたのだと理解する頃には、体が動いている。
手を足場に、そのまま飛び上がり、空中でくるくると回転し、ゴールにてYの字で着地を決めてみせた。
成功
🔵🔵🔴
敷島・初瀬
「せっかくだから竜〇池、いや北から攻めるであります!」
気合をいれて風雲!た(自主規制)城に挑むであります。
全力疾走で飛び石地帯を突破しながら、ふと脳裏に『一度は派手に失敗した方がおいしいのではなかろうか』と浮かび集中力が切れ、足を踏み外してバランスを崩し顔面から飛び石を強打して派手に吹き飛んでみるであります。
やらかした後は使命を果たしたかのような満足な顔も見せるであります(流血しながら)
(アドリブ、ひどい目大歓迎であります)
「せっかくだから(検閲音)池、いや北から攻めるであります!」
敷島・初瀬が飛び石地帯を前にして高らかに宣言する。危ない危ない、権利関係で文句言われたらひとたまりもないからな。
初瀬の道中は順調だ。ひとつ次、またひとつ次と、危うげなく飛び石を渡っていく。
そこには安定感があり、見ている方も、あの子は成功するに違いないと期待を込めた視線を向けている。
だが、ここで初瀬の耳に悪魔が囁いた。お前は本当に、それでいいのかと。
ちゃちゃっと飛んで終わらせてしまって本当にいいのか? 見ろ、何度も挑戦できるんだぞ。一回くらい派手にやらかしておいた方が、笑いもとれて美味しいんじゃないのか?
悩ましい囁き。それに集中力が途切れたのか、ずるりと盛大に足を滑らせた。
回転する体。打ち付ける顔面。弧を描く鼻血。勢いは死なず、ぎゅるんぎゅるんと初瀬の体が回る。ついでに鼻血も凄い軌跡を描いている。
時間にして数瞬。しかし動画に収めて何度も再生したくなる奇跡。高速回転する初瀬の顔は、なんだかやりきった表情をしていた。
成功
🔵🔵🔴
木目・一葉
不謹慎だが、迷路となると心は躍るもの
この山城、突破してみせよう
【SPD】南から攻める
まず挑戦した人を付近の村で【失せ物探し】で見つけて【情報収集】
また方位磁石と地図用のメモ、目印をつける為のチョークも用意だ
迷路に入れば、分岐点にはチョークで目印をつけ、更にメモに地図を描きながら進む
一度床が抜けた時は、どのようなタイミングで、どういう条件で落ちるか把握しよう
最低でもタイミングさえ分かれば、二回目以降は床が抜けそうな時にフック付ワイヤーを引っ掛けて【ロープワーク】で戻れるだろう
「でもこれでネットに落ちるだけなのは安い条件だ
――まさか電流が走ってたりしてな」
口にしたら本当になりそうな気がしてきた
複雑に入り組んだ巨大迷路。
挑戦者を待ち受けるそれを前に、木目・一葉の目はるんるんに輝いていた。
ロングコートの裾をばさりと風にたなびかせ、腕を組み宣言する。
「この山城、突破してみせよう!」
しかしすぐには挑戦しない。情報収集は大事である。
ごろんごろんと転がって入口に戻ってきた挑戦者に声をかけていく。
どんな道を通った。どれくらいで落とし穴が開いた。どのような作戦で挑戦した。
そういった情報を集めては白紙のメモに地図を作っていく。
また誰かが転がって戻ってきた。何度挑戦しても特にペナルティはない。
死に繋がるような大怪我も、何か致命的な呪いも無いというのだから、これを設計した誰かは本当に侵入者を阻むつもりがあったのだろうか。
「でもこれでネットに落ちるだけなのは安い条件だ――まさか電流が走ってたりしてな」
がちゃりと、どこかで機械が組み変わるような音がした。
同時に、迷路の奥で今までにはない悲鳴が聞こえた、気がした。
余計なことを口走ったかも知れないと、一葉の頬に冷や汗がたらり。
成功
🔵🔵🔴
弥久・銀花
うーん、トマトがぁ、トマトがぁ……。
はっ!? ふぅ、夢でしたかトマトにやられる私なんて居なかったんですね。
ごろごろ転がされた後、フラフラで入り口の扉を開けたら先程と変わらぬ通路。
ん?先程? まあ良いです、次の帝国戦に間に合わせるようにさっさと攻略してしまわなければ!
とは言え、迷路の上を通る手っ取り早いのは何だか嫌な予感がするので却下!
右手を壁に着いて全速力で走ります、こうすれば迷路の2倍近い距離を通りますが確実に攻略できます。 (迷路が立体的でなかったり、迷路の中心部分に階段などで出口が無い場合に限る)
さあ、今度こそ! ……だからトマトに負ける私は無かった事になってるんです!
寝ているときに曲げていた膝が伸びると体ががくんってなる現象受けて、弥久・銀花は目を覚まし、飛び起きた。
「はっ!? ふぅ、夢でしたか。トマトにやられる私なんて居なかったんですね」
悪い夢を見ていた、気がする。顔中がべとべとだ。これはきっと冷や汗だろう。なんか赤い気がするけど気のせいだ。
迷路の入り口、その扉を開くと、先程ぶった切った筈の壁も天井も再生している。
「ん? 先程? まあ良いです、次の帝国戦に間に合わせるようにさっさと攻略してしまわなければ!」
あの合間に来てんのかよ。
壁に手をつきながら走り抜ける。迷路である以上、時間はかかってもこれで最後には必ず出口まで辿り着ける筈だ。
壁と天井を切り取って上を行けば早い気もするが、なんだろう、悪いことをしては行けないと小宇宙かなんかが囁いている。
「さあ、今度こそ!」
勢い込んだ自分の言葉で、思いっきり首を振った。左右に、風切り音が鳴るくらいに。
「だからトマトに負ける私は無かった事になってるんです!」
覚えてんじゃん。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『向こう岸へ』
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POW : 泳いで渡る、簡易的な橋を作る
SPD : 船や代わりになりそうな物を探す、流れの緩やかな場所を探す
WIZ : 聞き込みで情報を得る、アイテムを活用する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
第一の関門を抜けた猟兵達。
次の障害は大きな川だ。
君達は物凄くぐらぐらする吊橋を渡ってもいいし、どこかで船を調達してもいい。
自分の肉体を信じるならば、泳いだって構わない。
だが気をつけろ。
流れはびっくりするほど早く、この季節の川はものすっごい冷たいぞ。
※流れが早くて冷たい川をなんとかして渡りましょう。
※流されるとスタート地点に戻してくれます。
風間・敬人
第一関門を何とか突破した虎さんですよ。
さて次は川か。
……って、城ん中に何で川があるんだよ?!
思わずツッコミ入れちまったが、アトラクションじゃしょうがねぇよな。
んじゃ俺は、吊り橋で攻略するぜ。
ぐらぐらとすげぇ揺れてっけど、
下手に慎重にならず一気に駆け抜けるぜ。
虎のバランス感覚とスピードを見せてやるぜ。
ところでまさか、渡り始めたら砲撃受けるとかないだろうな?
UDCアースのビデオプログラムで、似たようなの見たんだが。
ホントに狙われたら洒落んなんねぇし、猶更駆け抜けねぇと。
アドリブ歓迎。
よろしくお願いします。
流されると振り出しに戻されるくらい流れが早い。
そんな説明は必要なかったのではないかと風間・敬人は思う。
眼前に広がる川は見るだに激流であり、滝をもかくやと言わんばかりの水音が今も鼓膜に響いていた。
「……って、城ん中に何で川があるんだよ!?」
その声も激しい水の音にかき消されていく。
そう。試練を抜けて先に進んでいたはずが、気がつけば川の前にいたのである。
見たところ、吊橋が落ちる様子はない。ない、が。
「ぐらぐらとすげぇ揺れてっけど……」
だがこういうものは勢いが大事だ。下手に慎重になってもどこかでストップしてしまうものなのだ。それに、
「まさか、渡り始めたら砲撃受けるとかないだろうな?」
先程の悪意ある難関を思えば警戒もしたくなる。まさか、ただで渡らせてくれなやしないのだろうと。
「UDCアースのビデオプログラムで、似たようなの見たんだが」
だが口は禍の門。
ウイイイインというすごくメカっぽい音。嫌な予感がして振り返ると、砲台がこちらを向き、バレーボールを射出するところだった。
それ急げ。
成功
🔵🔵🔴
弥久・銀花
【SPD】
流れの緩やかな所をざぶざぶと渡ります、川に入った事なんてないシティガールですけど、腰の上くらいの深さなら普通に歩けますよね。 (ちなみに銀花は泳げません)
んっ、冷たい……。
緩やかに見えましたが結構押されますね……、足元も見えないし、割とヤバイのかも……。
イヤイヤ、態々橋のある所まで行くなんてナンセンス、これが最短距離ですよ。
ハ……、ハ……、へくちっ。 (くしゃみです)
ずるっ (くしゃみでバランスを崩し足を滑らせた音)
ひぁっ、んっく、まだです! 人狼咆哮で周辺の水を吹き飛ばします!
うぉおおおん!
ふぅ、ふぶっ!? (推し戻した川の水が濁流となって一気に銀花にぶつかった様です)
ぶくぶくぶく
ものごっつい勢いの川であるものの、流れは一定ではない。
緩やか、と言っても相対的な意味でしか無いが。それでも弥久・銀花は多少はマシな場所を見つけていた。
まさかの、歩いて渡ろうというのである。
「腰の上くらいの深さなら普通に歩けますよね」
ハハッ、チャレンジャー。
足先を恐る恐る、ちゃぷり。
「んっ、冷たい……」
何を持っていけると判断したのか、そのまま入水。
「緩やかに見えましたが結構押されますね。足元も見えないし、割とヤバイのかも……」
今更ながら早まったかもと脳裏によぎるが、もうやってしまったものは仕方がない。ところで、今ググったら人間、川だと15センチの深さでも溺れるらしいよ。
「ハ……、ハ……、へくちっ」
冷たさにぶるりと。そのまま生理現象でくしゃみを。流れるようにバランスを崩し、そのまま横転してざっぷーん。
「ひぁっ、んっく、まだです!」
咆哮で水を弾き飛ばす銀花。
「ふぅ、ふぶっ!?」
当然流れに沿って戻ってきた水にすぐさまかっさらわれる銀花。
…………。
よし、次。
成功
🔵🔵🔴
敷島・初瀬
「自分には解るであります!このつり橋途中で砲弾か何かで滅多撃ちにされるであります」
第一関門で受けた名誉の負傷(鼻血)を鼻栓で応急処置して(自主規制)海峡に挑むであります。
何か面白いものが飛んでくることを期待しながら、また悪魔の誘惑と戦いながらつり橋を渡って行くであります。
「これはきっと派手に自爆した方が敢闘賞もらえておいしいのであります」
何か飛んでくれば顔面ブロックで受け止めて鼻栓飛ばしながら落下して見せるであります。
(アドリブ大歓迎)
「自分には解るであります! このつり橋途中で砲弾か何かで滅多撃ちにされるであります」
敷島・初瀬の後では、バレーボールを射出するべく、砲台が今か今かと待ち構えている。
初瀬は名誉の負傷(飛び石に顔がーんってやった時の鼻血)に応急処置(鼻にティッシュペーパー)を行い、戦線に復帰していた。
ぐらぐらと不安定な吊橋を渡っていく。バランスを崩せば、そのままひっくり返って真っ逆さまに落ちてしまうだろう。
そんな初瀬を狙う砲台。雨あられと発射されるバレーボール。それを身で受けながら、初瀬は今回も誘惑と戦っていた。
「これはきっと派手に自爆した方が敢闘賞もらえておいしいのであります」
だが、何かが違う。バレーボールにやられるだけでは何か物足りない。それでは笑いが今ひとつあれそういや何しに来たんだっけと意識が逸れかけたその時。
初瀬は見た。飛んでくる無数のバレーボール。その中に、真っ白なパイがあったのを。
迷うこと無く受け止めに行く初瀬。顔にべチャリ。視界純白。パイの勢いに身を任せ、ぐるぐると縦回転を決めながら今水面にダーイブ。
成功
🔵🔵🔴
雫石・凛香
(あの後何回も落ちてぜぇぜぇと肩で息をしている)
……城にいる連中って自分で入る時どうやってるの…?
WIZ
渡る前に川の水温を手で計って……あ、これヤバい。冷たすぎる
まず火を起こしておこうかな。ご丁寧に火を焚いてる所もありそうだけど
あるみたいだから吊り橋使いたいけど、どうせ色々あるんだろうなあ
ちょっと吊り橋使う人を観察して吊り橋の動きとかこの部分が危ない、みたいなポイントをチェックしてから挑んでみようかな
あ、火を起こしてるから落ちた人は誘導しとこう。体温めないと死ぬよねこれ
落ちたら:
覚悟してたけど冷たいものは冷たいので思わず悲鳴が上がる
「冷たっ! 冷たいっていうか痛いんだけど!!!
この敵絶対殺す
腰を曲げて、膝に手をつき、ぜえぜえと肩で息をしている雫石・凛香。
あれだけ走り回っての迷路再挑戦。扉を開けると壁は修復され、ルートも変わっていたのだ。
おかげで走りに走り回り、既に体力が底を覗かせている。
「城にいる連中って自分で入る時どうやってるの……?」
しかし立ち止まっても居られない。川を越えずに大人しく転送を待てるわけもないのだ。
水面に、どんなもんかと指先を。ちゃぷ。
「……あ、これヤバい。冷たすぎる」
すぐさま手を引っ込め、手を擦って温めた。これは、長時間浸かってたら死ぬやつだ。
流されてきた挑戦者のために、スタート地点で火を起こしながら、凛香は攻略の糸口を掴むべく吊橋へと視線を向けている。
ぐっらぐら揺れる吊橋。ばんばん飛んでくるバレーボール。たまにパイが。あ、あたった。落ちた。一名様きゅうじょー。ほれ、火にあたりねい。
自分も行くかと立ち上がる。大丈夫。パターンは見えたと気持ちだけサムズ・アップして数分後。
「冷たっ! 冷たいっていうか痛いんだけど!!!」
スタートに帰ってきた凛香の姿があった。
成功
🔵🔵🔴
木目・一葉
一体この城はどうなっているんだ
これでは城内にいる人も外へ出ていけないぞ
「いやまて、隠し通路が普通はあるはずだ」
【WIZ】
ここは川の周囲をよく観察しよう
城内にいる者が容易く出られる仕掛けがある筈
それがないとしても、川幅の狭いところがあるなら射出型フック付ワイヤーを対岸の木に飛ばして引っ掛け、そのワイヤー上を【ロープワーク】で渡ろう
え、なに!?このタイミングで変なモノが大量に流れてきたんだけど!このままでは落とされる!
いや、いざとなれば【地形の利用】でこれらを土台代わりしよう!
今思うと、オブビリオンが隠し通路を知らない可能性もあるんだな……。
ひょっとして居座ったのではなく、居座らざるをえなかった?
「一体この城はどうなっているんだ」
木目・一葉も同じ疑問を抱いていた。
数々のトラップが仕掛けられた城。本来居住区であるはずのそれにそんなことをしてしまったら、到底中で暮らしていけるものではない。
「いやまて、隠し通路が普通はあるはずだ」
スタッフルームか何かが。
しかし川を注意深く眺めてみても、それらしいものは見当たらない。
というか、ここまで雑魚オブリビオンのひとりも見つかっていないのだ。
「ひょっとして居座ったのではなく、居座らざるをえなかった?」
占領したのは良いけど、罠が一杯で出られないオブリビオンを思い描く一葉。なにそれちょっとかわいい。
対岸までワイヤーを飛ばし、忍者よろしくその上を渡っていく。
時々水が跳ね、風が吹いて非常に寒い。その上、バレーボールが狙ってくる。ワイヤーにしがみつきながら進む彼女に、さらなる試練が襲い来た。
丸太である。大量の丸太が流されてきたのだ。段々難易度上がってくなこの川。
「このままでは……いいや!!」
丸太に飛び乗る一葉。そのまま義経宜しく丸太と丸太を飛び移っていった。
成功
🔵🔵🔴
弥久・銀花
ごぼぉっ!? ぐぼぇぇぇぇ……。 (起き抜けの第一声)
はぁ、はぁ、どうやらお城へ入るルートは川を泳いだり踏破して渡る以外の所に在るみたいですね。
昔の偉い人は急がば回れって言うジョークを作ったらしいですが、どうやら急いでるのなら直進しろって事ですよね。
川縁に降りた私が愚かでした、折角の吊り橋があるのですからこれを使います。
揺れるのなら手摺に掴まって通るだけですが、バレーボールが飛んでくるのが困りますね。
今回は身を低くして走り抜けます、これならきっと行けます!
(アドリブ歓迎)
上を見れば、青い空が広がっている。
あちらでは風が強いのか、流れていく雲の足は思いの外早いものだ。
鳥が飛んでいく。あのように自由であればどれほd
「ごぼぉっ!? ぐぼぇぇぇぇ……」
現実が返ってきた。弥久・銀花がごっそい飲んでた水を吐き出した音である。いいキャラしてんなぁ。
「はぁ、はぁ、どうやらお城へ入るルートは川を泳いだり踏破して渡る以外の所に在るみたいですね」
荒い呼吸を整えながら、次の作戦を考える銀花。一番原始的な手段を取りおって。
「昔の偉い人は急がば回れって言うジョークを作ったらしいですが、どうやら急いでるのなら直進しろって事のようですね」
昔の偉い人の教訓がまるで伝わらない瞬間を見た。こうして人は解釈の違いが生まれていくんだろうな。
「川縁に降りた私が愚かでした、折角の吊り橋があるのですからこれを使います」
…………うん。
「今回は身を低くして走り抜けます、これならきっと行けます!」
次の瞬間、その顔面にボールがぶち当たった。
ずるっ。どぼーん。ごぼがぼげぼ。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『蠱窋の怪』
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POW : 北風とおふとん〜みかんをそえて〜
【寒波に乗せたおみかん 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【あったかお布団】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 100ぴき乗ってもだいじょーぶ!
戦闘力のない【みかん色のふわもこひよズ 】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【呼び出したひよの数】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ : ともだちふえたよ
【なごみ 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【亜空間の穴】から、高命中力の【引きずり込む黒い腕】を飛ばす。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠フィン・クランケット」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
なんやかんや難関をクリアした君達の前に、ついにオブリビオンが現れた。
すべての元凶であるこいつは、猟兵を見るやいなや次のような言葉を発したのだ。
「や、やったあ! ついに救助の人が来てくれた! これでおうちに帰れるんだね!」
流石ボスオブリビオン。その恐ろしい外見から溢れる威厳も相まって、威圧的な台詞である。
「このお城を拠点にしたはいいけど、罠だらけで出られなくて困ってたんだよね」
ボスの言葉は常人には理解できない。いや、そもそもひとが理解できる言語を使用しているかも怪しい。
「え、救助の人じゃないの? 猟兵? なんでもいいよ、戦ってもここ出られるし!」
オブリビオンは恐ろしい外見をもそもそと動かし、君達に向けて敵意を放つ。
さあ、決戦だ!!
弥久・銀花
へくちっ! 風邪を引いてしまったでしょうか……、ずずっ!
(服を脱いで下着姿、服を雑巾絞りしながらオブリビオンの前に登場しました。)
ちょっとそこの貴方、外の罠は貴方の仕業で今はここで暮らしてるといいましたね。
では、罠に掛けられた被害者として、暖房器具と着替えと暖かい食べ物、そして貴方の衣服と有り金全部と貴方の持ってる不動産を要求します!
断れば貴方の首は肩の上からアイキャンフライ(直訳『私は飛べる』)、自分の血で人生で一番の水芸を披露する日になるでしょう。
さあ、貴方のおうちは何処ですか?
差し押さえる物はあるのでしょう?
へ、へぁ、へくちっ!
(アドリブ、敗北、大きな負傷、他の人との絡みOKです。)
「へくちっ!」
恐ろしいオブリビオンを前に、弥久・銀花にはくしゃみをした。
「風邪を引いてしまったでしょうか……ずずっ!」
銀花は自分の服を雑巾のように絞っている。あの後、冷たい川に何度も落ちた為、服がもう吸うところがないほどに水でどっぼどぼだったのだ。
下着姿がはしたないと理解はしているが、あのままでいても風邪をひく。
「ちょっとそこの貴方、外の罠は貴方の仕業で今はここで暮らしてるといいましたね」
「え、待って、ここで暮らしてるけど罠はもともとあったていうかその」
「では、罠に掛けられた被害者として、暖房器具と着替えと暖かい食べ物、そして貴方の衣服と有り金全部と貴方の持ってる不動産を要求します!」
こいつ、敵に賠償請求を。
「断れば貴方の首は肩の上からアイキャンフライ、自分の血で人生で一番の水芸を披露する日になるでしょう」
ただの強盗と化した銀花だが、体をぶるりと震えさせると、
「へ、へぁ、へくちっ!」
「……あ、入る?」
「え、あ、じゃあ遠慮なく……」
なんと、銀花はオブリビオンの亜空間に引きずり込まれていく!
ぬくぬくだぞ。
成功
🔵🔵🔴
木目・一葉
「ほんまに帰れへんようになってたんかい!?」
いかん、何をつっこんでる
相手はオブビリオン
落ち着け、落ち着くんだ僕
「って、なに一緒にぬくぬくしようとしてんねん!?友達か!」
いかん、亜空間に引きずられる味方へツッコミをしてどうする
とりあえず
「ってか戦闘中にくつろぐな!」
羨ましくなんかないからね!
亜空間へ引きこまれた味方にフック付ワイヤーを飛ばし、強引にでも引き戻そう
いない場合はワイヤーで敵に攻撃だ
またワイヤーを放つと同時に影の追跡者も飛ばして接触させ、『影人の罪過』を発動させる
「これでおしまいだ
観念しr――!?」
可愛いヒヨコに目を奪われ、思わず動きを封じられる一葉だった
※アドリブ、他者との絡みOK
身から出た錆と言うべきか、口は災いの元と言うべきか。
「ほんまに帰れへんようになってたんかい!?」
びしっと空中に向けて逆張り手をキメる木目・一葉。
罠だらけの『なんとか城』ではあったが、まさか本当にオブリビオンが出られなくなっているとは、完全に想定外の出来事である。
かぶりを振って、荒い息を整える。落ち着け。落ち着くんだ。ビークールだ。戦闘は冷静さを欠いた方が負ける。いいから落ち着くんだ一葉。
「って、なに一緒にぬくぬくしようとしてんねん!? 友達か!」
引きずられていく味方にワイヤーを投擲し、回収する。
なんという恐ろしい相手だろう。あの中に引きずり込まれたらどうなってしまうか見当もつかない。たぶんすごいあったかい。
影を操り、平面の鎖を呼び出した。それを恐ろしいオブリビオンに向け。
「これでおしまいだ、観念しr――!?」
目線はオブリビオンの上。なごんでいるひよこ。その愛らしさに、思わず目を奪われ――黒い腕に掴まれて引きずられていった。
がしっ。ずるずるずるずる。すぽーん。
ぬっくぬく。
成功
🔵🔵🔴
弥久・銀花
(ぬくぬくとして元気になったので真の姿開放!
銀花の真の姿は、髪の色が金色に染まって、何だか筋肉とかのリミッターがなくなります、精神状態も凄く冷静になります、後1~2歳くらい成長する)
むむ……、誰ですかここは私の場所ですよ……。
んぅ、あれ? 動けない?! (ワイヤーで何故か菱縄縛りにされた状態)
オブリビオンを信用した私が馬鹿でした! こんなワイヤーなんて……!
くく……! 取れない、こうなったらユーベルコード発動!
強化した身体能力で(縛られたまま)大暴れして周囲の敵を倒します!
仲間の手によって救い出された弥久・銀花は妙に肌艶が良くなっていた。
川で冷え込んだ肌は元の活気を取り戻し、若々しさに満ち溢れている。
それもこれも、こたつの中でぬくぬくと温まり、体の芯から回復したためだ。
なんという恐ろしいオブリビオンだろう。敵を回復させても余裕だということを暗に示しているのだ。
「むむ、誰ですかここは私の場所ですよ……」
あまりのぬくぬくに中でうたた寝をしていた銀花だが、その姿は真のそれを取り戻している。ばっちり眠ったのが良かったのだろう。
「んぅ、あれ? 動けない?!」
しかし、銀花はワイヤーで縛られており、満足に動くことは出来ない。しかもちょっとえっちな縛られ方だ。
「オブリビオンを信用した私が馬鹿でした! こんなワイヤーなんて……!」
亜空間に誘い込んでえっちに縛る。悪いオブリビオンもいたもんである。
しかし自己を解放した銀花はこの程度では拘束できない。
銀花は自身を気のようなアレで包むと、たぶんしゅいんしゅいんとか音を立て、攻撃を開始したのだ。
縛られたままで。ごろごろごろごろごろごろ。
成功
🔵🔵🔴
敷島・初瀬
「最後は皆でカート戦だと思ってたのにどうしてくれるでありますか!」
行き場のない怒りを目の前の炬燵にぶつけるであります。
取り敢えず冷えた体を温めようと目の前の敵から炬燵を奪おうと攻撃を開始するであります。
飛んでくるミカンの回避を試みつつアサルトライフルで攻撃していくであります、攻撃が当たったらミカンを口で受けてそのまま食べ、布団が命中したらそれに包まってゴロゴロしながらロケットランチャーで反撃を試みるであります。
「こんなあったかお布団で勝てると思わない事であります!」(ごろごろ転がりながら)
(アドリブ大歓迎です)
「最後は皆でカート戦だと思ってたのにどうしてくれるでありますか!」
敷島・初瀬の怒りは最もだが、ここは抑えてほしい。そういう宿敵がサムライエンパイアには居なかったのだ。居るとしてもたぶんキマイラの方だ。
初瀬は消耗している。あの冷たくて流れの速い川を、あの後もいい感じのやられポーズとアングルの研究も兼ねて落ちまくったからだ。
飛んでくるみかんを避けられない。顔に来たそれをかろうじて口で受ける。口だけで器用に皮を剥くとそれはそれは甘くて美味しいみかんをもうもっちゃもっちゃ食べている。
その甘さと瑞々しさがつかれた体にきゅうっと染み渡っている内に、次の攻撃が飛んで来た。そう、お布団だ。
あったかいお布団に包まれた初瀬は畳の上でごろんごろんしながら急速に体温を回復させていく。
「こんなあったかお布団で勝てると思わない事であります!」
初瀬はごろごろしながらもロケットランチャーを取り出し、狙いを定めた。
寒さによるふるえはもう無い。しっかりと狙いを定め、体に布団を巻きつけたまま引き金を引く。
……ちょっとかっぱ巻きに似ていた。
成功
🔵🔵🔴
源・ヨーコ
ううぅ……
おこたにミカンとは、なんたる悪魔のマリアージュ! 近づいたらヤバイとDNAが警告を発してるっす!
だけど自分に許されたのは拳1つ。いざ、尋常に勝負っす!
まずは、飛んできたミカンを華麗に避けて……
避けたつもりが、いつの間にかミカンが口に?! 美味しいっすー☺
さらに気づいたらお布団にくるまれてぬくぬくっすー☺
だ、だけど負けないっす! ブレイズフレイムでお布団を燃やしながら、自分の身体を温めて反撃するっす。甘美なるぬくぬくの誘惑を、熱い炎で焦がして天板を正拳突きでぶち抜くっす!
「ううぅ……」
自分の体を擦って温めながら、源・ヨーコ恨めしげにオブリビオンを見ている。
ここまで、彼女も難関をくぐり抜けて辿り着いたのだ。当然、あの流れの激しい川も越えてきた。
だから、寒い。だというのに、このオブリビオンはなんという姿で自分を誘惑してくるのだろう。
「おこたにミカンとは、なんたる悪魔のマリアージュ! 近づいたらヤバイとDNAが警告を発してるっす!」
アレに入ったら終わりだ。きっと身も心も溶かされてしまう。
「だけど自分に許されたのは拳ひとつ。いざ、尋常に勝負っす!」
「勝負はいいから、帰りたいんだけどなあ……」
そんなオブリビオンの戯言は放置し、飛んできたみかんに対処する。
「避けたつもりが、いつの間にかミカンが口に?! 美味しいっすー」
もきゅもきゅもきゅ、ごくん。
「さらに気づいたらお布団にくるまれてぬくぬくっすー」
もうダメだ。
猟兵達はこの後、見事にオブリビオンを撃退するまで、激戦を繰り広げることになる。
それは猫に和み、みかんを食べ、お布団にぐるぐる巻にされてぬくぬくしていたが、それはそれは壮絶なものだった。
大成功
🔵🔵🔵