アポカリプス・ランページ⑫〜母求むる、子の願いは(作者 四季臣
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●グリモアベース
「来やがったな、猟兵ども……」
 その重く荒々しい声色と言葉選びは、普段の彼を知るものからすれば驚くべき変貌ぶりだろう。
 アトラ・アレーナ(黒猫船長・f27333)は手近な柱に寄りかかり、腕を組んでシルクハットで目元を隠したまま、グリモアを雑に起動させる。
「ご察しの通りかは知らねェが、今の俺様は非常に機嫌が悪ィ。 海老で鯛を釣るみてェなお喋りは休暇中だ」
 概要説明、との声と同時にグリモアが映し出すのは……ついに手が届いたフィールド・オブ・ナイン『スーパー戦車』の姿だった。

●ダラス・フォートワース国際空港跡『スーパー戦車』
「今回の討伐目標はスーパー戦車だ。 デス・バレー要塞での戦果によって『禁断のコンピュータウィルス』の奪取に成功、ウィルスを籠めた侵食プログラム弾によって弱体化はしたが……それでも強敵だってことに変わりねェ」
 弱体化の影響を受けてもなお、ほぼ更地となったダラスの中央にてスーパー戦車は変わらぬ脅威として立ち塞がるという。
 猟兵の接近を確認すると同時に、自ら高機動かつ複雑化な軌跡でキャタピラ移動しつつ、超遠距離から正確無比の『スーパー戦車砲』を連発してくるとのことだ。
「バカみてェに愉快な武装をしてやがってよォ。 単純にふざけた高ステータスでの圧殺を仕掛けてくるヤベェ奴だ……コンピュータってだけあってその動きにも一切ムダがねェが、その一方でコイツは戦いそのものを楽しんでやがる」
 オブリビオンとして蘇ったことを喜んでいるのか、それとも猟兵という新しい玩具を見つけて興奮してるのか……。
 唸るように独りごちたグリモア猟兵は、気を取り直すようにシルクハットを被り直す。
「付け入る隙は楽しんでるってトコにある。 【敵の先制攻撃を、あっと驚かすような手段で対処】出来りゃあ、子供染みたリアクションに隙が生まれる」
 それを的確に突けと、電子頭脳に劣らぬ的確さと破壊力で反撃しろと言う。
 荒々しく杖を地に突き立てる、甲高い音と共に転移の扉が大きく開け放たれる。
 破壊し尽くされた空港跡地の寂しげな風が吹き抜けるのと同時に、グリモア猟兵が深いため息を吐いた。


「あいつが予知で言ってた言語の解析結果、聞いたか。 『お母さんと遊びたい』ってよォ、まんま遊び盛りのガキじゃねェか」
 ここからは俺様の戯れ言だ……余計なら聞き飛ばせとして、アトラは一層低い声色で呟く。
 甘い言葉で人を釣るペテン師とはまるで違う声色には、深い怒りと寂しさが滲み出ていた。
「仮に『お母さん』の思惑通りに事が運んだとしてだ、コイツは人類もオブリビオンも何もかもが滅んだその後も永遠に生き続けるってこった。
 全ての人類に等しく永遠を与えるという母の思惑を、たた忠実に、純粋に遂行し続ける。
 それを続ける限り、肝心のコイツには永遠が来ることはないってこった……なぁ。
 望まれたから望んだことをしてその結果、その相手に、一番遊んでほしい相手に一生会えねぇってのは……あまりにも惨い話じゃねぇか……。

 だから、コイツは確実に終わらせてきな。
 俺様たちが望む未来ならば、少なくともコイツは独りぼっちにゃならねェハズだ。
 その上で『お母さん』に後を追わせりゃいい……お前たちならそれが出来るんだろう?」


四季臣
 このシナリオは「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、『アポカリプス・ランページ』の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオになります。

 五十七度目まして、四季臣です。
 この度はここまでOPをご覧いただき、ありがとうございます。

 当グリモア猟兵に思うことがあって、今回は強敵依頼です。

 第1章はボス戦『スーパー戦車』です。
 超長距離かつ高機動力を備えたシンプルな強敵となっています。
 数少なく残っている遮蔽物に身を隠す程度の防御手段では、遮蔽物ごと粉砕されてしまうでしょう。
 プレイングボーナスは【敵の先制攻撃ユーベルコードに、敵が驚嘆するような方法で対処する】ことで発生します。

 それでは、四季臣より戦争シナリオ四本目です。
 よろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『スーパー戦車・バトルオウガモード』

POW ●スーパー戦車砲・ブルズアイ
【正確無比のスーパー戦車砲】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD ●スーパー戦車砲・ラピッドファイア
レベル分の1秒で【正確無比のスーパー戦車砲】を発射できる。
WIZ ●スーパー戦車砲・アポカリプス
【大量の戦車砲の砲弾】を降らせる事で、戦場全体が【最終戦争】と同じ環境に変化する。[最終戦争]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


カイリ・タチバナ
ヤンキーヤドリガミ、アトラさん依頼で来たのだが。

おうふ、アトラの見たこともない面…。ま、誰しもあるか。
つか、母と子の戦場もかなり離れてるもんな…。
スーパー戦車ってカッコいいんだけどなぁ。

さて、まずは回避なんだが。守神勾玉に、守神霊符で守りの結界術施して。ここから通じる異空間へ本体(銛)ごと退避。
外の状況は、守神鏡で確認できる。

止んだら、本体だけ異空間に残して、外に出て走る。
その最中に【守神宿り】で鏡、霊符、勾玉増やして。鏡でジャミング空間作り出す!
で、勾玉と霊符は念動力で弾丸のように発射し、神罰つけとくわ。わりと鬱陶しいぜ?

俺様、忘れられがちだけど陰陽師でもあるんだぜ?


リーヴァルディ・カーライル
…子供だと言うならば余計に今、この場で奴を止めないといけない

…あの戦車が誰かを傷付け、これ以上の罪を背負う、その前に…

第六感が捉えた殺気を頼りに敵がUCを発動する瞬間を見切り、
"嵐"や"陽炎"、"重力"や"闇"の「精霊結晶」を乱れ撃ち敵の索敵を撹乱して砲撃を受け流し、
突然の自然現象の乱舞に驚愕している隙に闇に紛れてUCを発動

…遠距離からの砲撃は僅かなズレが致命的な誤差になる

…この荒廃した世界で精霊の力は珍しいでしょう?
さあ、とくと見なさい。その隙に、全て終わらせてあげるわ

闇から闇へと転移して死角を暗視して自身の間合いに切り込み、
"告死の呪詛"を宿した大鎌から死属性の魔力を溜めた四連斬撃波を放つ


●異能の嵐
「アトラのやつ、見たことねぇ面になってたなぁ……」
 転移の扉を潜った先で、カイリ・タチバナ(銛に宿りし守神・f27462)はグリモア猟兵の変貌ぶりに改めて驚いていた。
 彼とは互いの所作を小突き合ってからかう仲だが、機嫌が悪くなった姿を見たのは初めてだ。
 まぁ誰しも側面というものはあるだろうとして、次に戦局図を思い返してみる。
 母であるマザーと、子であるスーパー戦車は、その戦場もかなり離れていることも気になった。
「……子供だと言うならば余計に、この場で奴を止めないといけない。 誰かを傷付け、これ以上の罪を背負う、その前に……」
 カイリの隣に降り立っていたリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、大鎌を構え遥か前方の敵影を警戒している。
 グリモア猟兵の説明に誤りがなければ、ここが既に超射程と高機動を併せ持つ敵……スーパー戦車の攻撃圏内であってもおかしくはない。
 殺気……というよりも、好奇心に近い気配を感じて、リーヴァルディは空いた手に精霊結晶を取る。
 カイリもまた守神の道具を用意し始めた頃……遠くから鉄が擦れ合う動作音が響き、砂埃が立ち上った。
「スーパー戦車ってカッコいいんだけどなぁ」
 ぽつりと呟いたカイリへの返事として、前方から正確無比のスーパー戦車砲が飛んできた。

 例えるなら、それは優れた狙撃手が対戦車用ライフルを機関銃の如く連射しながらバギーで走ってくるようなものだ。
 超火力な砲弾が流星群の如く放たれ、その全てがカイリとリーヴァルディに命中するほどの精密さで粉砕にかかってくる。
 着弾地点が荒々しく爆発する、飛び散ったのは二人の猟兵が粉砕された肉片……などではなく。
 数多の勾玉と護符、そして色とりどりの精霊結晶だ。
 結晶は割れる度に、その場に嵐が巻き起こり陽炎が視界を歪めていく……でたらめな重力波が場を支配し闇が広がる。
 超常現象なんて言葉では現せない異常の連発に、スーパー戦車の砲撃と機動はピタリと止まった。
 そうして奇妙な機械音をガタガタと発生させる……その間にも広がる闇がスーパー戦車の巨体をも呑み込んでいく、視界ゼロの黒の世界。
 荒廃した世界では観測の出来ない精霊の力に、スーパー戦車は機械音を高鳴らせて騒ぎだした。
「……その隙に、全て終わらせてあげるわ」
 全方位が死角となったとき、この超現象を引き起こしたリーヴァルディは告死の呪詛を宿す四連斬撃波……吸血鬼狩りの業・告死の型を繰り出す。
 対しスーパー戦車はそれが見えずとも回避プロセスに従いキャタピラ移動を開始、けれど闇から闇へと転移できるリーヴァルディからは簡単には逃れられない。
 一発目は回避出来ても、追い縋るように放たれた二、三発目によりスーパー戦車の寿命は半分削られる。
 四発目は回避され、闇に転移しようとしたリーヴァルディに……戦車の砲口が一斉に向けられる。
 終わらせられなかった代償が降りかかる……その寸前に突如としてジャミング空間が現れた。
「うおーっと何も見えねえ! けど何とか間に合ったか?」
 活発な声が闇に響く……カイリもまた闇に紛れて守神宿りを発動させていた。
 カイリの本体である銛は異空間に隠して砲撃を回避、代わりに辺りに散りばめた勾玉に護符、鏡を増やして反撃に移る。
 複製された勾玉と護符が四方八方から放つ神罰の弾丸と、鏡が発生させるジャミングで行動を阻害。
 その様を異空間の鏡越しに見ていたカイリは、ニヤリと笑った。
「俺様、忘れられがちだけど陰陽師でもあるんだぜ?」
「……絶妙なタイミングね、礼を言うわ」
「おうよ、こっちももうちょい早く動けたら良かったんだが、なんせ速すぎてな……」
 それから二人は守神道具の包囲射撃と闇に紛れて戦線より離脱する。
 深手を与えたのは確かだ、役割は十二分に果たしたと言えるだろう。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

御剣・刀也
でっけぇ戦車だなぁ
しかも正確無比な遠距離射撃かよ。ふふ。面白いな。こんな面白い負け戦は久しぶりだ
そうさ、勝ちが分かってる勝ち戦なんかより、負け戦の方が燃えるってもんだ!
さぁ、行くぞ!戦さ人としての晴れ舞台、存分に楽しませてもらおうか!

スーパー戦車砲・ブルズアイで超遠距離から射撃されたら、ダッシュで着弾点から移動し、勇気で恐れず、覇気で心を奮い立たせ、砲弾を斬り捨てながら一気に距離を詰め、捨て身の一撃で車体ごと斬り捨てる
「でかい砲弾だったが、俺のいる場所に来るなら軌道は読みやすい。なかなか楽しい戦いだったよ」


バロン・ゴウト
全てが滅んだ後も、一人ぼっちでずっと生き続ける……それはきっと、とっても寂しい事なのにゃ。
けどスーパー戦車の蛮行を許すわけにもいかないのにゃ。
ボク達猟兵に出来ることは、せめてこのまま終わらせる事なのにゃ。

【トリニティ・エンハンス】の水の魔力を【高速詠唱】かつ【全力魔法】で使用して、透明な巨大着ぐるみのように水を纏うのにゃ。
さらに纏った水を【オーラ防御】で強化し、敵の先制攻撃を受け止めるのにゃ!
攻撃を受け止めた後は、纏っていた大量の水をそのまま敵に叩きつけるのにゃ!

絡み、アドリブ大歓迎にゃ。


●真っ向より受けて立つ
「でっけぇ戦車だなぁ」
 先駆けて二人の猟兵が戦闘を仕掛けているのを、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は遠方から見ていた。
 敵に観測されないギリギリの距離にいるはずなのに、それでもスーパー戦車の巨大さは実感できる。
 加えてその射程は正確無比で超遠距離と来たもんで、ここまで来ると笑みさえ溢れてくる。
「面白いな。 こんな面白い負け戦は久しぶりだ」
「負け戦……にゃ?」
 敗北と口にして笑う刀也の隣にいたバロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)はびくっと震えた後、思わず尋ねる。
 金色の目を不安げに揺らした子猫騎士の視線を受けて、刀也は言葉の綾だとして言い換える。
「勝ちが分かってる勝ち戦なんかより、負け戦の方が燃えるってもんだ!」
 勝てる雑兵を相手取るよりも、負けるかもしれないほどの強敵相手のほうが面白い、と。
 目の前に広がっている闇が消えたら、スーパー戦車はすぐさまこちらを観測するだろう。
 それが開戦の合図だ、刀也はその瞬間を今か今かと待ち構えていた。
「そういう考え方もあるのにゃね……」
 バロンはと言えば、グリモア猟兵の寂しげな言葉を思い返していた。
 全てが滅んだ後も、一人ぼっちでずっと生き続ける……それはきっと、とても寂しい事だ。
 けれどスーパー戦車の蛮行を許すわけにもいかない、世界を核兵器の炎に包ませるわけにはいかない。
 猟兵に出来ることは、せめてこのまま終わらせる事のみ……そのためにも、負けられない。
 鞘が荒野に落ちる音、刀也が日本刀『獅子吼』を抜刀し、身構える。
 バロンも金色のレイピアを掲げる……闇が晴れて、スーパー戦車の敵視が二人を捕らえた。
「さぁ、行くぞ! 戦さ人としての晴れ舞台、存分に楽しませてもらおうか!」
「僕も受けて立つのにゃ! 猟兵として……そして騎士として!」

 複雑なキャタピラ移動で迫りつつも、スーパー戦車はブルズアイの砲撃を開始する。
 圧倒的なステータスの暴力は人であれケットシーであれ、等しく無慈悲に降り注いでくる。
 機動力も凄まじく……それはバロンの魔術が砲撃に間に合わない程に速かった。
「!!」
 あわや直撃か……けれどバロンは怯まず詠唱を止めることもない。
 バロンの脳天を狙った砲撃を、刀也が真っ向から斬り捨てたからだ。
「ははっ、一発で腕が持ってかれるかと思った……早速燃えてきたな!」
「トリニティ・エンハンスの水の型よ、我に力を示せ! ……なのにゃ!」
 バロンは自らの身を全力投球魔法で溢れさせた膨大な水を纏う。
 庇ってくれた刀也にお礼を言う暇もない、速やかに防御姿勢を整えねば次でやられてしまう。
 急いだ甲斐あって、バロンはその身を巨大な着ぐるみのような水ですっぽりと覆う。
 さらに水にオーラ防御を施して……やっと敵の砲撃速度と火力に、バロンの魔術耐久が追い付いた。
 スーパー戦車は戦車砲を小刻みに震わせ、奇妙な機械音を発生させる……突如現れた水の巨大着ぐるみに興奮しているのだろうか。
 だがスーパー戦車とバロンの間にはまだ距離がある……スーパー戦車は一通り機械音を発した後、再び砲撃を開始した。
 どことなく無邪気で、それ故に情け容赦がない砲撃を着ぐるみが受ける度、その形を大きく変形させていく。
 水の面積が薄くなった箇所へ向けての連続射撃で、巨大着ぐるみの体勢を崩そうと躍起になっているようだ。
 それでも体勢を崩さぬようにとバロンは防御を展開しつつ前進する……今は耐えて、なおかつ距離を詰めなければならない。

「おい、俺のことは無視か?」

 バロンの巨大水着ぐるみがかなりの注目を浴びていたからだろう。
 刀也の初撃を切り捨ててからの急接近に、スーパー戦車は気が付いていなかった。
 スーパー戦車の機動と砲撃が止まる……いつの間にか接近を許していた刀也の存在と覇気に機械音を垂れ流している。
 それでも苦し紛れに一発を刀也に放ったが……その砲弾は再び斬り捨てられた。
 勇気で恐れず、覇気で心を奮い立たせて、真っ向から戦車に迫る戦さ人の存在を、スーパー戦車はこの時初めて思い知る。
 砲弾を斬った勢いそのままに、天高く跳躍した刀也は――。
「この切っ先は一擲をなして乾坤を賭せん!!」
 雲耀の太刀、持てる力を振り絞っての上段斬りによってスーパー戦車の車体を大きく斬り崩す。
 切断された箇所から激しく湯気が立ち上り、がしゃがしゃと戦車全体を揺らすスーパー戦車に……今度はバロンが辿り着く。
「今度は僕の番だにゃー!!」
 崩れかけた大量の水を巨大な剣のような形状に変えると、刀也が作った切断面に重ねるように叩きつける。
 車体の内部に大量の水が流し込まれ、慌てふためくようの前後移動を繰り返すスーパー戦車……それを背にバロンは着地すると、すぐさまその先で膝をつき肩で息をする刀也と合流した。
「でかい砲弾だったが、俺のいる場所に来るなら軌道は読みやすい。 なかなか楽しい戦いだったよ」
「刀也さん腕がもうボロボロなのにゃ、これ以上はもう……」
 スーパー戦車の正確無比な射撃は、“正確過ぎた”のだ。
 故に飛んでくる軌道はその実読みやすく、見切りの技能を持つ刀也にとって幾分戦いやすい相手と言えるだろう。
 けれど砲弾の火力が高過ぎることに変わりなく、砲弾の衝撃を全て受け流すことは出来なかった。
 これ以上の継続戦闘は困難と判断し、バロンは刀也との帰還を要請する。
 目の前に現れた扉の先に映るグリモアベースへと、バロンと刀也は揃って飛び込んだ。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

杜鬼・クロウ
【繋環】
・ヴァン
呼称→犬っころ、駄犬
主従関係
実力は認めてるが喧嘩腰

…(駄犬の首輪を人差し指で引っ張り顔近付け
俺の狗として恥ずかしくねェ働きをしてみせろ
ハ、命令されねェと動けねェのかお前は(言わずとも解るだろ
ン、てめ…!
ちィ、端っから隠れる気なんざねェよ

独りぼっち、ねェ
途さえ違えてなければな(目を伏せ
俺は幕を下ろすのみ
アソんでヤんよ俺達が

先制対策は駄犬の影馬へ仁王立ちで乗り、敵の目前まで走行
少し意表突ければ良し
剣から黒炎を出力させジャンプ
砲弾の雨や敵の攻撃を薙ぐ
敵から一旦離れ回避
自分の一直線上に敵がきたらUC使用

犬っころ
ちゃんと主人(おれ)の背を見ておけ
どちらが上なのかを

光の刃は真っ直ぐ
標を導く


ヴァン・ロワ
【繋環】アドリブ◎
ご主人サマorderは?
返答に笑み浮かべ
それって結局お任せじゃん~
まあ、ちゃんとわからせてあげるけど
近い顔の鼻先にじゃれるように噛みついて
ほらほら、攻撃がきちゃいますよ

影から月蝕を出し
先制攻撃を捕らえて闇へと送る
ご主人サマは俺様が攻撃が当たるとこまで連れてってあげる
月蝕で2頭だての馬のようなものを作れたら
乗ってもらってハイ出発
これだけじゃ仕事になんないでしょ
【征約】はちゃぁんとまもりますよってね

目立たせたご主人サマの影にまぎれ
あの人に飛んでくる砲撃に牙を投擲

ハイハイちゃぁんとみてますよ
言いつつご主人サマの攻撃直前に砲身にも放り込んで咲かせよう
内側から脆くしとけばより通るでしょ


●最期の遊戯
「独りぼっち、ねェ」
 大量の水に呑まれて溺れるかのように震えるスーパー戦車から目を伏せつつ呟いたのは、杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)だ。
 途さえ違えていなければ、何かしら違った未来があったのかもしれないが……少なくとも今に至ってはその可能性も無に等しい。
 俺は幕を下ろすのみ……漆黒の大魔剣を担いだクロウの視界の端より、黒い獣耳が揺れ動く。
「それで、ご主人サマorderは?」
 ヴァン・ロワ(わんわん・f18317)は“飼い主”にそう尋ねて命令を待つ……台詞自体は忠誠そのものだが、どことなく不敵で油断ならぬ雰囲気があった。
 クロウはヴァンの首輪に人差し指を掛け、自らの方へと引っ張り上げる。
「俺の狗として恥ずかしくねェ動きをしてみせろ」
 下されたのは具体性のないorderだ、ヴァンはくしゃりと笑みを浮かべた。
「それって結局お任せじゃん~」
「ハ、命令されねェと動けねェのかお前は」
 おどけた調子で返すヴァンの首輪をクロウがさらに引いて顔を寄せる。
 そこでクロウの鼻先は、なにか固く鋭いものに挟まれた。
「ン、テメ……!」
 首輪から指を放し顔を手で庇ったクロウへ、ヴァンは舌をちろりと覗かせる……今のは甘噛みだ。
 何はともあれorderを承ったことに変わりはなく、ヴァンは自らの周囲に無色の闇を漂わせる……征約は確かに交わされた。
「ほらほら、攻撃がきちゃいますよ」
「あ?」
 戯れの時間は唐突に終わりを迎える。
 水の支配からやっと解放されたらしいスーパー戦車の砲撃が、二人目掛けて飛んできたのだ。
 が、その砲弾はヴァンが影より伸ばした月蝕の魔の手によって捕らわれ影に引きずり込まれる。
 代わりにと影から二頭の馬のようなかたちのものが作られて、片方にヴァンが軽やかに飛び乗る。
 その意を汲んだクロウも、空いたもう片方の影に手を掛けた。
「端っから隠れる気なんざねぇ……アソんでヤんよ、俺達が」

 ヴァンの闇が躍る先で、スーパー戦車は不規則な機械音を高鳴らせていた。
 何せ不意打ちの先制攻撃で仕留めているはずだった二人は、不定形の黒いモノに守られて今もそこに立っているのだから。
 その上で怯むことなく闇色の馬のようなモノを駆り、二人はスーパー戦車へ真っ正面から接敵に掛かってきている。
 高速で迫る馬の上で、剣を手にした猟兵……クロウの騎乗スタイルはなんと仁王立ちときている。
 重力無視もいいところだ、非現実的な強襲にスーパー戦車はただ機械音を大音量で垂れ流してばかり。
 重力の精霊結晶の効力がまだ残っているのだろうか……まぁそれはクロウとヴァンの知るところではない。
 もはや目前といった距離まで迫ったところで、スーパー戦車は思い出したかのように砲撃を再開させる。
 そのタイミングに合わせて、クロウは剣から黒炎を出力させて……勢いのままに飛び上がった。
 上空に位置するクロウを撃ち落とすべく、スーパー戦車も砲口を上げて連射を継続させる。
 鴉を狩るための対空射撃……その半数以上は地上で闇に紛れたヴァンの“牙”に阻まれた。
「乗ってもらってハイ到着、だけじゃ仕事になんないでしょ……【征約】はちゃぁんとまもりますよってね」
 それでも残った対空射撃はクロウへと向かうが、黒炎の出力によって変則的に軌道を変える鴉を捉えるに至らない。
 それどころか砲弾の嵐を薙ぎ払いながら、クロウは迫る……その位置はやがてスーパー戦車の一直線上に辿り着いた。

「滅びの鬼が杜に在りし神宿りの鏡が抱く心は克己、」
 黒炎が止み、巨大な刀身に光が宿る。
「我が剣から放たれるは涯無き金碧輝煌――」
 クロウが言葉を連ねる程、光は勢いを増していく。
「刮目せよ、滅鬼伝阿修羅流……」
 やがては地平線の山々を軽く削り取る程の光を放つ……最中、クロウは背後に控えたヴァンへ声をかけた。
「犬っころ、ちゃんと主人の背を見ておけ……どちらが上なのかを」
「ハイハイちゃぁんとみてますよ」
 相変わらずの嘲り笑うようなヴァンの声に苛立ちつつも……クロウは自らの力を解き放つ。
「五ノ形・刀光」
 上空より縦一線に繰り出されるは、意志の力を収束させた光の刃。
 剣と呼ぶにはあまりにも巨大過ぎた光の帯は、スーパー戦車の巨体に激しく打ち付けられて……そして爆散させた。

「いやーお見事お見事、さっすがご主人サマ」
 轟音を高鳴らせる戦車を背に着地したクロウへ、ヴァンはぱちぱちと手を叩いて賞賛を贈る。
 対してクロウは振り返ることなく、「チッ」と舌を鳴らした。
「駄犬が余計なことしやがって」
「さァて、なんのことかさっぱり」
 とぼけるヴァンだったが、クロウはその“余計なこと”を見逃すはずがなかった。
 光の刃を振り落とす直前、スーパー戦車の砲身に咲いた狼の牙、モール・フルールの花の存在に。
 接触と同時に膨張し、敵の内部より花開いて炸裂させる業は、紛れもなくヴァンの仕業だ。
 抜け目なく立ち回るヴァンの実力をクロウは認めている……本人にそれを伝えることはないだろうが。
「恥ずかしくねェ動きをしてみせろ、って言ってたのご主人サマじゃん?」
「ハ、減らず口叩いてんじゃねェよ駄犬が」
 飼い犬の名も知らぬ主は、命令を完遂した狗へそう吐き捨てる。
 帰還処置によってアポカリプスヘルの世界から退去するまで、振り返ることはなかった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月17日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴