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アポカリプス・ランページ⑩〜いっしょに(作者 東間
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●アポカリプス・ランページ
「オブリビオン・ストーム、ヤバイ人、ゾンビに機械の獣もいるっていうのに邪神までいるなんてやぁね。ちょっとは遠慮してほしいとこだわ」
 少しくらいこっち側を気にかけてくれたっていいと思うのよ。
 藤代・夏夜(Silver ray・f14088)は言い、その邪神なんだけどと添えながら抱えていたダンボールを下ろす。
「邪神ポーシュボスの支配下にされちゃってるNASAの跡地、そこの地下に保管されている『宇宙の幼生』っていう穏やかじゃない宝石なんだけど……困った事に、まだまだあるみたいなのよね」
 ただでさえ世紀末真っ盛りなアポカリプス・ヘルだというのに、NASA跡地をこのままにすると、オブリビオンを『超宇宙の恐怖』によってポーシュボス化させ超強化――などという事態が訪れてしまう。
「それは見逃せないでしょ? でも何の備えもなしに頑張って狂気に耐えて、なんて言わないわ。という事でこれが頼りになるアイテムよ!」
 ベリッ!
 念動力で一気に剥がされるガムテープ。封をしていた物が消え、隙間の出来た蓋下から飛び出した複数のシルエット。それは、多種多様なぬいぐるみだった。

●いっしょに
「ちょっと前に私の知り合いが依頼したものと同じ案件ね。あっちが狂気に染めようってんなら、それに耐えうるお助けアイテムと……ぬいぐるみと一緒に挑めばいいのよ!」
 そう言った夏夜の周りを、動物・食べ物・キャラクターといったぬいぐるみが衛星の如くクルクル回っている。
 夏夜はというと、キリッとした顔つきの二頭身ぬいぐるみを手にしていた。マイクを持っているそれは推しキャラのぬいぐるみらしく、カッコ良くて可愛いでしょとニコニコしている。
「この子は私の大切なアイドルだから貸せないけど、周りに飛んでる子の中に借りたい子があったら言ってちょうだい。なかったらNASA跡地にある仮眠室を覗くといいわ。こんな感じのぬいぐるみがわんさと残ってるから、きっと心に来る子と出逢える筈よ♪」
 好きなものと同じ形だった、何となくいいなと思った。
 おはようからおやすみまでを共にした遊び相手だった。
 苦しいこと、悲しいことから守ってくれた友人やヒーロー。
 生活に彩りを添えてくれた宝物。
 ぬいぐるみへ抱くものは、ぬいぐるみとの関係含め人によってバラバラだろう。けれどそこには、日々を過ごしてきた自分との繋がりが存在している。
「だからこそのぬいぐるみね。重火器みたいな重さもないし、持ち運びやすいでしょ? ああでも、ビッグサイズは人によって大変かしら。でも抱き枕タイプもいいわよねぇ」
 ぬいぐるみを見る。手触りや温もりを感じ取る。
 思い出の中のように、一緒に過ごす。
 そういった行動が、魂に芽吹こうとしていた狂気を押しのけ、正気を繋ぎ止めてくれる。――狂気が芽吹こうとする以前に、それ以上の情熱や衝動(狂気)で蹴り飛ばすことだって。
「『宇宙の幼生』全部を破壊出来れば、今後の戦いが有利になる筈だわ。だからみんな、お願いね!」


東間
 アポカリプスヘル戦争シナリオのお届けに来ました、東間(あずま)です。
 ぬいぐるみと一緒に頑張るシナリオ、第二弾です。
 今回は、前回の同戦場シナリオ(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=37175)で採用出来なかった方を優先採用&前回より受付期間長めでの運営となります。

●受付期間
 タグ・個人ページトップ・ツイッター(https://twitter.com/azu_ma_tw)にてお知らせ。送信前に一度確認をお願い致します。

●プレイングボーナス:『宇宙の幼生』を見たことによる狂気に耐える
 隙あらば正気を減らして狂気に染めようとする『宇宙の幼生』を破壊すべく、選んだぬいぐるみを駆使し、狂気に耐えつつ『宇宙の幼生』を破壊しましょう。
 どんなぬいぐるみで、どんな風に耐えつつ破壊するのかお書き下さい。
 自前のぬいぐるみもOK。
 使うぬいぐるみの数・どう駆使するかもご自由に!
 以下は使用例です。どうしようかな、と迷われましたらフリー素材にどうぞ。

 ※ぬいぐるみ選択場面の描写はありません。

 ①思い出に浸って遊ぶ&破壊。
 ②ぬいぐるみを即席の友達や恋人や奥さん旦那さんにしてごっこ遊び&破壊。
 ③ぬいぐるみカワイイカワイイ&破壊。

 ガチで遊んでor楽しんでやべー奴になりつつやべー宝石に対抗する(狂気には狂気をぶつけんだよ精神)も有りです。

●グループ参加:二人まで
 プレイング冒頭に【グループ名】、そして【送信日の統一】をお願いします。
 送信タイミングは別々で大丈夫です(【】は不要)
 日付を跨ぎそうな場合は翌8:31以降だと失効日が延びますので、出来ればそのタイミングでお願い致します。

 以上です。皆様のご参加、お待ちしております。
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第1章 冒険 『宇宙の幼生』

POW強靭な気合いで狂気に耐える。
SPDなるべく宝石を見ないようにしつつ破壊を試みる。
WIZ魔術や薬を使い、狂気を抑える。
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


乱獅子・梓
【不死蝶】
俺たちのようなナリのいい歳した大人がぬいぐるみと遊ぶのって
なんかその光景自体がある意味狂気な気がするんだが…

綾は早速ぬいぐるみを堪能しているが
俺はどうも気が乗らないな…しかし狂気にやられるのも困る
ハッッ、いいこと思いついた

仔竜の焔と零にぬいぐるみを渡してどんな行動を取るか観察
不思議そうにくんくんしてみたり
血気盛んにパンチや頭突きを喰らわせてたり
寄り添ってすやすや寝だしたり
…くぅ!可愛い!!
可愛い子たちが可愛いものと戯れていたら
そんなのスーパーハイパーウルトラ可愛いに決まっている
すかさずスマホ取り出しカメラ連射
もちろん動画もだ

その間にUCで召喚したドラゴンたちに宝石を攻撃してもらう


灰神楽・綾
【不死蝶】
こらこら梓、それは偏見ってやつだよ
可愛いぬいぐるみと戯れるのに見た目も年齢も性別も関係ないさ

そんな俺が選んだのは、自分の身長の半分以上はありそうな
巨大なふわふわもこもこテディベア
この大きさ、この絶品の触り心地
これはまともに購入したら絶対めちゃくちゃ高いやつ
こんなお高いぬいぐるみまであるとはさすがNASA

そのテディベアを両手で抱きしめてごろんと寝転ぶ
あーこれはよく眠れそう
職員たちが眠れない夜のお共にしてきただけあるね

梓は何だか別の意味で狂っているね…
ドラゴンたちの可愛さに狂う面白おかしい姿を
テディベア抱き枕でゴロゴロしながら微笑ましく眺めつつ
念動力でナイフを操り宝石を攻撃


 目にした者をもれなく狂わす宝石、宇宙の幼生。
 成る程、それは危険だ。何とかすべきだろう。
 ――しかし。
「俺たちのようなナリのいい歳した大人がぬいぐるみと遊ぶのって、なんかその光景自体がある意味狂気な気がするんだが……」
「こらこら梓、それは偏見ってやつだよ。可愛いぬいぐるみと戯れるのに、見た目も年齢も性別も関係ないさ」
 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)が口にしてしまったそれへ、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は大丈夫だってほら見てみなよと、両目と口を三日月のようにして笑う。そして――ごろり、ごろり。
「ね?」
「……」
 目の前にいるのは大きなぬいぐるみを抱えた、183.8cm24歳成人男性。周りには妖しい宝石――違う違う眼の前に集中するんだ、狂気なんて要らない。
 梓はサングラスの奥で目つきを鋭くさせ、じいっ、と今の綾を見る。
 ふわふわもこもことしたボディ。円な瞳。くにゅ、と可愛らしいラインを描く笑顔。長身の綾が抱えても減った気がしないビッグサイズ感を誇るそれは、巨大テディベアだ。
 撫でる掌。ぎゅっと少しだけ力を入れた指先。擦り寄せた頬。触れた場所全てに伝わる触り心地は絶品だと綾は笑い、この大きさもいいねとテディベアを抱き枕にして――ハッ。
(「これはまともに購入したら絶対めちゃくちゃ高いやつ」)
 世界が崩壊した今でもこの素晴らしさ。これは安い人件費と大量生産で価格を抑えたものではないだろう。もしや大手ぬいぐるみブランドの作? だとしたら米ドルで一体おいくらなのだろう。
 タグを探してテディベアの全身を撫で撫でする。ぺろっと感じたそこには――残念、読めない。だが、こんなぬいぐるみまである今はなきNASAに、綾は畏敬の念を抱かずにいられなかった。
 ところで。
 それはそれとして。
「あー、これはよく眠れそう」
「そうなのか?」
 この状況で? を含んだ梓の問いに、綾は笑って頷いた。
「職員たちが眠れない夜のお共にしてきただけあるね。やってみればわかるよ」
「いや、遠慮しておく」
 堪能している様を見ても、どうも気が乗らない。だが視界の殆どを“巨大テディベアを抱っこしてゴロゴロする長身成人男性”で占めても、宝石たちは不気味な輝きを垂れ流していて――。
「ハッッ、いいこと思いついた」
「え、何?」
 きょとんとした綾をよそに、梓はロングコートの下に抱えていた仔竜たちを外へと出す。翼をぱたぱた鳴らし、尾をゆらり。何々? と不思議そうだった仔竜たちは、梓がじっと見つめる中、綾が抱えるテディベアに目をぱちくりさせた。
『キュ? キュー?』
『……ガウ』
 テディベアのくたっとした足をぺたぺた触って、近寄ってくんくんして。パーツゆえに瞬きをしない目には、二匹揃ってギョッと飛び上がった。だがすぐにパンチと頭突きのコンビネーションを食らわせて――と、それを、まだまだ子供の竜二匹がやっているのである。梓はうっと胸を押さえた。
「……くぅ! 可愛い!!」
 カシャシャシャシャシャシャシャッ!
「ハッッ、スーパーハイパーウルトラ可愛いんだから動画に残して後で見られるようにした方がいいんじゃないか……!? いや、何を迷っている、これは残すべき光景だ!!」
(「何だか別の意味で狂っているね……」)
 胸を押さえたと思えば高速で取り出していたスマートフォン。
 即始まった連射撮影。
 続いて写真モードから動画モードに切り替え、流石だ可愛いぞと撮影に勤しむ梓の脳内は、テディベアのお腹をぴょんぴょんと登り始めた仔竜たちで更に占められていく。不気味な輝きが宝石内で蕩けるように揺らいでも、“あの仔達の背景がなんかキラキラしているな”と、丁度いい背景ぐらいにしか思えない。
 そんな梓を、綾はテディベアを抱き枕にしたままニコニコと眺めていた。寝転がっても、体を起こしてクッションにしても、全く辛くならない。このテディベアが持つポテンシャツの高さを改めて実感する綾の笑みはどこか穏やかで――しかし、その意識は流れるようにナイフを捉えていた。
 並ぶ宝石を一瞬で縫うように刃が翔る。きらりとした軌跡通りに深淵色の宝石郡に筋が走り――それに続くは竜の群れ。より鋭さを増した爪が、牙が、切り裂かれた宝石を石ころにように砕いていって。
「可愛い、可愛いぞ二匹とも!」
(「うーん。もう少しのんびりしようかな」)
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ルーファス・グレンヴィル
ぬいぐるみ、って、マジか

愉しそうに黒竜が笑ってる
うるせえ、似合わねえのなんて
自分が一番よく分かってるよ

小脇に抱えたウサギのぬいぐるみ
選んだのは、オレじゃない
ひらひらと舞う幽世蝶が
止まったのが、コレだった
妹の選んだ物なんて断れねえだろ
クソ、と、何度目かの溜め息が零れる

宝石の狂気に対抗する為
ポンポンとぬいぐるみを撫でて
愛でてるつもりでいたけれど

──ッだあ、もう!
付き合ってられねえ!

ウサギの耳を片手で縛るよう持って
そのまま宝石へと殴り掛かる
後ろで黒竜が文句言ってるけど
誰かと一緒なら兎も角
ひとりじゃ、こっ恥ずかしいんだよ!

──でも、
どこか寂しげに蝶が舞うから
このウサギ、貰い主でも見つけてやるかな


「マジか」
 見た者を狂わす恐ろしき宝石への対処のマストアイテムが、破邪の力が籠められた指輪や札、武器の類ではなく玩具――ぬいぐるみだなど、いくつもの戦場を越えたルーファス・グレンヴィル(常夜・f06629)でも想像は出来ず。故に、まずこぼれ落ちた言葉が先のあれである。
 ひょこっ。視界に顔を入れてきた黒竜のナイトが、ルーファスと目が合った途端に炎のような赤眼をにぃーっと細めた。スリムでシャープな尾がくるりと動く。
「うるせえ、似合わねえのなんて自分が一番よく分かってるよ」
 愉しそうに笑いやがってと睨んでもナイトの笑みは引っ込まない。時折ぱちぱちと瞬きを挟みながら、ルーファスの顔と、下――小脇に抱えたままの兎のぬいぐるみを見比べる赤眼は愉しげにキラキラしていた。
 長い耳。まあるいボタンの眼。眼とは違い、立体的かつぽわんと丸い尻尾。
 どこからどう見ても“かわゆいウサちゃん”な、ぬいぐるみ。そこへひらりひらりと舞い寄ってきたのは、目の醒めるような黒と赤、そして白星を宿した幽世蝶だった。兎の周りを行き来するように舞い、そして――選んだ時のように兎に止まったのを見たルーファスは僅かな間の後に息を吐く。
「妹の選んだ物なんて断れねえだろ」
 ナイトの眼がゆるりと、少しだけ普段のものに戻る。しかし眼差しはまだ笑っているようで、自分と兎と蝶を見ては揺れる竜尾が視界にちらついた。
 クソ。
 何度目かの溜息をこぼして兎の脇下を鷲掴み、もう片方の手を伸ばす。そっと離れた蝶がひらひら飛ぶ下でポンポンと数回。触れたその手は叩いてるように見えるかもしれないが、当人は撫で、愛でているつもりでいた。
 こうすればいい。
 こう、すれば――、
「ッだあ、もう! 付き合ってられねえ!」
 地下室をびりびり震わせながら兎耳を片手でむんずと縛るように持つ。そのまま宝石へと殴りかかれば、かわゆいウサちゃんがあーれーと翻るよう。翼広げたナイトが文句を言うも、
「ッせえな! 誰かと一緒なら兎も角、ひとりじゃ、こっ恥ずかしいんだよ!」

 バギャンッ!!

 さっさと終わらせるべく叩き込んだそれは他多数の宝石にも向いたけれど、砕いて回る視界の中で蝶がどこか寂しげに舞う蝶が見えたから。
(「貰い主でも見つけてやるか」)
 そうすれば、置いていかれることはない。
大成功 🔵🔵🔵

菊・菊
はあっ?きっしょ…

抱きしめて、顔を埋めてないとまじで無理
何が無理とかもうどうでもいーわけ
無理なもんは無理

視界に入るのもムリ

もう離せん
これ持って帰る

白い狼をぎゅうと抱きしめて、首を振った

ふわふわで、目がくりくりしてる
おひさまの匂い
どこまでもあいつに似てて、かぁいい

あいつなら……こゆとき、ぜってえ助けてくれる…し…

…。
は?
自分で考えて、頭を抱える

いつも俺ばっか後ろに隠して
守るとか言って、怪我ばっかしてんの、ムカつく

俺だって
あいつに傷付いてほしくねーのに
ぎゅうと抱きしめる
悪態が漏れんのも仕方ねえじゃん
あー、
んで、こんな時に思い出しちまうわけ

もっかい抱きしめて

石に八つ当たり

俺だって
守る
もっと強くなる


 どろどろ、きらり。ぬーらぬら。
「はあっ? きっしょ……」
 一瞬ちらっと見たそれの色、形、煌めき――孕むもの。それらが目を通して脳髄にまで届きそうな感覚をシャットダウンするように、菊・菊(Code:pot mum・f29554)は持っていたぬいぐるみを抱き締め顔を埋めた。
「まじで無理。何が無理とかもうどうでもいーわけ、無理なもんは無理。視界に入るのもムリ。金積まれても見ねーわ。まじできっしょ」
 誰だよんなもん作ったのと悪態をつきながら、自分の顔面を受け止めているぬいぐるみを、更にぎゅうと抱き締め首を振る。
「もう離せん。これ持って帰る。これ俺の」
 仮眠室で見付けたのは白狼のぬいぐるみだった。触ればふわふわで、顔を埋めればふわふわぬくぬく。見付けた時に合った目はくりくりとしていた。それから、おひさまの匂いが鼻をくすぐる。
 ああ。どこまでもあいつに似てて、かぁいい。ほ、と吐いた息が肌とぬいぐるみの隙間を流れてほのかな熱を灯すと、温もりが増したよう。
(「あいつなら……こゆとき、ぜってえ助けてくれる……し……」)
 ぴた。
「……。は?」
 菊は自分で考えたそれに頭を抱えた。目線は意地でも宝石郡に向けない。埃っぽい床だけを映す。あの宝石は全て視界から断固排除の姿勢だ。
(「助けてくれる? ああ、そーだよ、その通りだよ」)
 いつも自分ばかり後ろに隠して、守るだとか言うあいつは怪我ばかりして。
「ムカつく。俺だって、あいつに傷付いてほしくねーのに」
 “ぬいぐるみをぎゅうと抱きしめてる癖にその悪態は何だ?”って? 漏れんのも仕方ねえじゃんと菊は口を尖らせる。それでいて、こんな時に思い出してしまうのだ。いつだってそんな風に自分を守って戦う『あいつ』のことを。
「あー」
 くそ。
 その一言を湧き上がるものと一緒に吐き出して、ぷつり。指先から滲んだ赤が啜られて、菊しかいないそこに嘲笑が流れ出す。女が、笑って――ぱりんッ。ひとりでに吹っ飛んだ一つが割れ、濁流に呑まれるような勢いで他の宝石が落ちて砕けて散っていく。
 唐突に始まったそれは蹂躙であり、
「八つ当たりだよ、くそ石」
 いつも後ろに隠されて。守られて。怪我する所ばかり見ているけれど。
「俺だって、」

 守る。

 もっと、強くなる。
大成功 🔵🔵🔵