7
心を閉ざす少女

#ダークセイヴァー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー


0




●そして、少女は心を閉ざした。
 マイアは、どこにでもいる普通の少女だった。ダークセイヴァーと呼ばれる暗黒の世界で、それだけが彼女の幸せだった。裕福では貧しくもない両親の元に生まれ、幸運にも、ヴァンパイアの支配が緩やかな村で、贅沢こそ出来ないもののその日の食事に困ることなく、真面目に仕事をして齢13にまで成長出来た。幼少のうちに命を落としてしまう者が、決して珍しくないこの世界において、普通の少女としてこれまで生活してこれたのは、幸運といっていいだろう。だが、そんな彼女の幸運も尽きる時が来た。
『マイアという少女を差し出せ。さもなくば村人全員の命はない』
 ある日、ヴァンパイアの遣いがやってきてそうふれて回った。そして、見せしめに村人の何人かを虐殺した。
 そこからマイアの不幸が始まった。村人達から浴びせられる非難の声。信じていた両親に見放され生贄として差し出されたという事実。誰も守ってくれない。普通に暮らしていただけの少女の心が砕けるまでそうかからなかった。
 ――私は普通に暮らしていけたらそれでよかったのに…。
 マイアの涙は最早枯れ果て、自らの境遇を呪うことしか考えられなかった。ヴァンパイアの従者に連れられ、館までやってきた。
 ――もうどうにでもなれ。
 そんな思いでヴァンパイアの前に出る。
「よくきたわね。待っていたわ」
 女性のヴァンパイアは慈愛に満ちた笑みで、暖かくマイアを迎え入れる。
「えっ…あっ…」
「もう大丈夫よ。貴女は私のものだもの。辛い思いなんてさせないわ」
 混乱するマイアを優しく抱きしめるヴァンパイア。
 ーーあぁ…もう、この人の為に私は…。
 ボロボロだった心が少しずつ満たされていく。枯れたと思っていた涙が頬をつたう。そんな様子を見て、ヴァンパイア『リリアーナ・ヒル』は邪悪な笑みを浮かべるのだった。

●少女達の鎖を解け。
「アンタ達、よく集まってくれたわね」
 グリモアベースに集った猟兵達に感謝を述べるカナタ・アマガ。
「今回の任務先は、ダークセイヴァー。ヴァンパイア達が支配する世界よ」
 彼の世界では、人々が、ヴァンパイアの脅威に怯えながらも懸命に生きているという。
「今回の敵は、ヴァンパイアの一人、『リリアーナ・ヒル』よ」
 カナタが展開したホログラムには、豊満で魅惑的な身体をもつヴァンパイアが映されている。
「彼女はダークセイヴァーのある館に居るわ。配下は、『首なし天馬』が十数体。こいつらを突破すれば、一気にリリアーナを倒すチャンスよ。ただ、彼女が、厄介なのは、『集めた少女達を洗脳して下僕にしている』ことよ。彼女は、これと見込んだ少女を強引な手段で自分の手元に置いてるの。その時、裏で手を回して、少女に心の傷を負わせるの。傷ついた子を優しくして自分のことしか考えられなくするってわけ」
 「なんて卑劣な!」と猟兵の一人がいう。
「ヴァンパイアとしての実力も厄介だけど、『普通の人間の少女達』が、彼女を守ろうとウチらの邪魔をしに来るわ」
 少女達を上手くヴァンパイアから引き離しつつ、攻撃しなければいけないということだ。
「ヴァンパイアを倒した後も、大変よ。心の支えを失った少女達は、そのまま放って置いたら自殺しかねないの。彼女達の心のケアもお願いすることになるわ」
 絶望から救われた者達が、さらに絶望に落とされた後、どういう選択をするかは想像に難くない。
「大変なのは分かってるけど、彼女達には、まだ未来があるの。よろしくお願いね!」
 願いを込めてカナタは猟兵達を送り出すのだった。


夢月
 こんにちは、マスターの夢月です。
 初のダークセイヴァーのシナリオは、特殊な性癖をもつヴァンパイアに囲われた少女達を解放するシナリオです。オープニングで登場したマリア以外にも多数のNPCがヴァンパイアに洗脳され、彼女を守ろうと、猟兵達を阻みます。NPCとの絡みが多くなることが予想されます。プレイングにも、NPCにどういう対処をするか書いてあると助かります。アドリブも多くなるのが予想されます。

 第一章は、『首なし天馬』との集団戦です。
 首なし天馬の世話をしている『リズ』という少女が、登場します。大切な馬達を殺された彼女は、「リリアーナ様に嫌われる…!」と取り乱すでしょう。

 第2章は、『リリアーナ・ヒル』とのボス戦です。
 『マイア』の他多数の少女がリリアーナを守ろうと登場します。NPC対策が必要となるでしょう。

 第3章は、ヴァンパイアを倒した後、少女達の心を救う日常パートです。
 ちょうど季節は冬。降りしきる雪の光に希望を見い出す、というようなイメージを持っています。勿論、プレイングでのアイデアも大歓迎です。

 ちょっと色々と初の試みもありますが、いいシナリオにしていきたいと思いますので、気負わずにプレイングを送ってください。
 それでは、よろしくお願いします。
54




第1章 集団戦 『首無しの天馬』

POW   :    突進
【高速移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【突進】で攻撃する。
SPD   :    幽鬼の馬車
自身の身長の2倍の【馬車】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
WIZ   :    飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ブイバル・ブランドー
少女達にとっては幸せなのかもしれないが…こんな偽りの幸福など、人間大好きなオレとしては看過できん。だからこそ少々荒療治になるが、まあ良薬は口に苦いと思ってくれ。

天馬の突進に対しては、力を溜め、さらに動きを見切って居合斬りの要領で真刃脚で切断する…

天馬への対応はこれで十分だろうが、リズという少女がどうするかだな…悪いが、何かしでかす前にマグネティックビットを遠隔操縦して、電気ショックで気絶してもらおう。



『リリアーナ・ヒル』の屋敷は、広大な敷地を有する。各地から集められた少女達には、一人一人部屋があてがわれているし、不自由な思いをしないよう様々な設備も整えられていた。また、少女達にはそれぞれ仕事が任されている。リズの場合は、『リリアーナの馬達の世話』だ。
「はい、ご飯ですよー」
 屋敷の外れにある厩に、リズが藁や野菜を運び込むと、首の無い天馬達は、喜びを表すように嘶いて。その首を食事に近づける。最初は気味悪く感じていたが、だんだんとなれて、今ではすっかり天馬たちの主人だ。勿論、そうなるようにリリアーナが仕込んだのだが…。
「ふふっ、ゆっくりお食べよ…ん?どうしたの?」
 天馬達が突然、首をあげ、外の方を警戒する。
「…外に誰かいるの…?」
「ふむ…そいつらは番犬でもある、というわけか」
 厩の入り口から機械の身体を持つ者が、姿を現す。ブイバル・ブランドー(紅い神風・f05082)の姿を見つけた天馬達は、一斉に翼を広げ、威嚇する。
「おっと、飛ばせはせんぞ!」
 ブイバルが、先に動く。一気に近づき、加速した回し蹴りを翼に放つ。マッハレッグ“真刃脚”。風の刃と化したそれは、翼を切断する。
「やめて!」
 天馬傷つけられたリズは、半狂乱になってブイバルに縋り付く。
「やめて!!お馬さん達を虐めないで!リリアーナ様の大事な馬なの!!」
 懇願する少女に憐れみの目を向けて、ブイバルは、彼女にマグネティックビットから電気ショックを浴びせる。小さな悲鳴を上げて彼女は気を失う。
「なるほど、かなり手なづけているようだな…。この子達にとっては幸せなのかもしれないが…こんな偽りの幸福など、人間大好きなオレとしては看過できん。だからこそ少々荒療治になるが、まあ良薬は口に苦いと思ってくれ」
 そう言葉をかけ、ブイバルは天馬達に向き直る。
「さぁ、存分にやろうか。今日の俺は少々、手荒いぞ」
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴェル・ラルフ
★他の猟兵との連携歓迎

本当の優しさがなにか知らないけど、これは、違うと断言できるよ。

とりあえず、気絶した少女は安全な場所に移動させとこうか。
厩ごと壊れてしまうかもしれないし。

SPD
翼をやられてない馬たちは、足を挫かないとね。
脚力強そうだもの…

[挑発]して興奮させてみようか
後ろ足で立ち上がると、意外と後ががら空きになるよね

[早業][暗殺][串刺し]で背後をとって、【シーブズ・ギャンビット】で後ろ足を攻撃


彼女が馬に向けた優しさは、本物だったろうけど…
だからこそ、心を弄ぶなんて赦せないね。


キャロライン・ブラック
愛しいものを己の色に染める
それを望むことを否定はいたしませんが……
幼い少女を弄び、その幸せを歪めることは看過出来ませんわ

さて、天馬に関してはまず、機動力を削ぎましょう
ユーベルコードにて足や翼を固め、飛び回る力を奪いますの

また、わたくしや他の猟兵への突進や馬車も同様に固め
その動きを止めることで対処いたします

攻防ともに他の方と連携をすることで最大の効果を発揮する技ですもの
後方に下がり、状況をよく観察いたしながら合わせて参りますわ

世話役のリズ様に関しては既に対処が為されているご様子
わたくしは隙を見て、手当てをする程度にいたしましょう

自らが世話をした馬が散る様はお辛いでしょう
ごゆっくりお休みなさい


夜奏・光花
本当の幸せを奪うだけでなく、心まで傷付けて自分の思うように操るなんて…それこそ「操り人形」じゃないですか。
何でわたしの故郷にいる敵になる相手はこうもたちが悪い人ばかりなのでしょうか。

気絶したリズさんはひとまず安全な場所に運んでおきましょう。
わたし達の戦いに巻き込まれたら大変ですから。

少し後方で【目立たない】ように傷ついた味方の方を思って強く【祈り】【生まれながらの光】で治療しながらサポートします。

もちろん、天馬が襲ってきたらすぐに対応できるようにデスサイズは構えてますよ。
攻撃は【オーラ防御】で守りながら回避です。
数が多かったら【衝撃波】を放ちつつ【なぎ払い】で【2回攻撃】で反撃します。



「もぅ、派手に始めちゃうんですから!女の子は丁寧に扱わないとダメですよ!」
 夜奏・光花(闇に咲く光・f13758)は、先に戦いを始めたブイバルに対し、「全くもう!」と怒っている。
「まぁ、これから自らが世話をした馬が散る様を見るのはお辛いでしょう。彼なりの心遣いですよ」
 そんな光花を、キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)が優しく言葉をかける。
「分かってます!でも、なんか、こう、優しさが足りないと思います!」
「まぁ、言いたいことは、わかるけどね」
 光花の力説に苦笑するヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)。
「とりあえず、彼女を運ぼう。ブイバルが天馬達を惹き付けている今のうちだ」
 ヴェルの提案に、二人も頷く。ここが戦場になる以上、このままにはしておけない。
「掩護はお任せですわ!」
 キャロラインが、先端に虹色の宝石の付いたワンドを構える。
「私だって!」
 光花はどこから取り出したのか巨大な白銀の大鎌を持っている。二人が警戒しつつ、ヴェルがリズを抱えて厩を出る。天馬達は他の猟兵の相手をしていたと、思いきやリズを連れ出そうとする三人を見つけ、嘶きと共に、一匹が突進してくる。
「好きにはさせませんわ!!」
 キャロラインのワンドの先端から、氷河を思い起こす白い塗料が放たれる。それに触れた天馬は忽ち身を凍らされ固まる。レインボーパレット・グレイシャー“わたくしの好きな色、氷河の青”。
「今ですわ!」
「はい!」
 光花がすかさずデスサイズで氷漬けの天馬を斬り裂く。二人が天馬を相手にしている間に、リズはヴェルによって屋外に避難させられる。
「これでいいだろう。治療頼めるかい?」
「任せてください!」
 光花が、『生まれながらの光』でリズを回復させる。幸い、大きな外傷などはなく気を失っているだけのようだ。時期に目を覚ますだろう。そして、現実を見て絶望してしまうかもしれない…。リリアーナの仕組んだ心の罠はそれだけ根が深いのだ。
「許せません…本当の幸せを奪うだけでなく、心まで傷付けて自分の思うように操るなんて…それこそ『操り人形』じゃないですか」
 光花がポツリと呟く。
「愛しいものを己の色に染める。それを望むことを否定はいたしませんが……幼い少女を弄び、その幸せを歪めることは看過出来ませんわ」
「彼女が馬に向けた優しさは、本物だったろうけど…だからこそ、心を弄ぶなんて赦せないね。本当の優しさがなにか知らないけど、リリアーナのは、違うと断言できるよ」
 ヴァンパイアの中にも色んな手を使う者がいる。その中でもリリアーナは、傷ついた心に偽りの優しさで満たすという狡猾な手段を用いている。猟兵達はそれに怒らずにはいられない。
「さて、二人はこの子を頼むよ。僕も少し暴れたい気分なのさ」
 ヴェルはそう言うと厩に向かう。ちょうど、一頭の天馬が壁を突き破って飛び出してきた。
「やぁ、首無し君、ちょっと相手をしてくれよ」
 ヴェルはその目の前に立ち塞がる。驚いて前脚をあげる天馬。が、その目の前にはヴェルはもういない。
「後ろがガラ空きだよ」
 背後に回った彼は、手にした二本のダガーを素早く後脚に突き入れる。自らを支えられなくなった天馬が、地面に倒れる。そこにトドメの一撃を突き入れる。
「君も所詮、彼女を利用していただけ。同情の余地はないね」
 彼は次の標的を探す。
「行ってしまいましたわね…」
「男の人ってホントしょうがないですねー!」
 二人は、スヤスヤと寝息を立てるリズを見守る。
「ごゆっくりお休みなさい…」
 キャロラインは優しく少女の髪を撫でた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

スター・レイガン
マッチポンプだな。古臭いが効果的な手だ
状況を考えれば少女たちの気持ちも分からんではないし、そのまま幸せに暮らしていけるのならばまだましだが…こういう手合いは少女が少女でなくなった時にそのまま大事にするとは思えんのだ

だからリリアーナとやらは滅ぼそう
この馬も蹴散らそう
リズ君は私達がしていることが今は理解できないだろう
そして今の優先は元凶を滅ぼすことだ。だから話は後だ。行くぞ!

【SPD】
空を飛ぶ相手には空を飛んで対抗だ
ジェットパック点火!【空中戦】を仕掛けるぞ

空を不規則に飛び回りながら【クイックドロウ(UC)】【2回攻撃】で加速した【クイックドロウ】で光線銃を撃ち翼を中心に攻撃して撃ち落としていくぞ


歩・備忘録
人ならざる身なれども、独りぼっちになる苦しみはよく知っている。それに加え拒絶される痛みに見捨てられる悲しみまでも加え、好き好んで与えていたと言うのか。・・・この外道が。

飼われているだけの馬には申し訳ないが、少々期限が悪い。手荒く手早く済まさせていただくよ。

天馬の飛翔対策として、凍結の呪符を持たせたゴーストを上空に待機させる。空に飛びあがった相手は羽と足を凍らせて地に落とそう。
僕は地上に天馬の処理と、とどめに専念しよう。

リズという少女は既に気を失っているのだね?ブイバル君にありがとうを。これで心置きなく戦える。
・・・正直に告白すると、少女の悲鳴を聞いてしまっては、きっと僕はくじけたと思う



「…マッチポンプ、というやつだな」
 カナタから事前に聞いた話と天馬達の世話をしていた少女の様子からスター・レイガン(キャプテンレイガン・f02054)は分析する。
「おや、それはなんなのだい?」
 傍らにいる歩・備忘録(歩く備忘録・f02523)が尋ねる。
「自分で事件の種を撒いといて自らその解決をしてみせる、自作自演というやつさ。古臭いが効果的な手だよ、全く」
「おや、そんな言葉があったとは。それはまさに今の現状だねー、納得」
「おや?いつもの記録は取らんのか?」
 スターが備忘録の様子に疑問を持つ。彼は如何なる時も、記録を取る習慣があるのだ。
「いやー、困った事に記録をとろうにも全くペンが進まんのだよ。まいったねー」
 備忘録は「ははは」と軽く笑うが、その表情にいつもの飄々とした余裕はない。
「どうした?」
「いや、何、敵の外道っぷりに流石の僕でも頭にきてねー。人ならざる身なれども、独りぼっちになる苦しみはよく知っている。それに加え拒絶される痛みに見捨てられる悲しみまでも加え、好き好んで与えていたと思うと…ね」
「そうだな。状況を考えれば少女たちの気持ちも分からんではないし、そのまま幸せに暮らしていけるのならばまだましだが…こういう手合いは少女が少女でなくなった時にそのまま大事にするとは思えんのだ」
 スターがそこまで言い終えた時、首無し天馬達が厩を破壊しながら宙へと舞い上がる。
「つまり、だからリリアーナとやらは滅ぼそう。この馬も蹴散らそう」
「いやぁ、スター君は話が分かるねぇ!」
 備忘録は、歓びながら、自らの相棒である『偵察霊ポップン☆ゴースト』を呼び出す。
「うむ、いくぞ!」
 スターは背部のジェットパックを点火し、空へと舞い上がる。
「空での戦いならこちらも慣れているのだよ!」
 スターは宙を自在に飛び回り、ブラスターの早撃ち。狙いは翼だ。熱線をいくつも命中させられた天馬は地に落下する。ポップン☆ゴーストも凍結の呪符で翼を凍りつかせ、スター同様、相手を墜落させる。天馬達を待っていたのは、備忘録だった。
「飼われているだけの君たちには申し訳ないが、今の僕は少々機嫌が悪い。手荒く手早く済まさせていただくよ」
 そう言い放つと、地面でもがいている天馬達にトドメの魔術を放つ。
「リズという少女が気を失ってくれていて助かった。こんなところを見せるわけにはいかないからね。ブイバル君には感謝しないとな…少女の悲鳴を聞いてしまっては、きっと僕はくじけたと思う」
「リズ君は私達がしていることが今は理解できないだろう。何れ話さなければならんが、今の優先は元凶を滅ぼすことだ。だから話は後だ。行くぞ!」
「おうとも!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒城・魅夜
天馬たちは、時を操って加速した我が鎖を縦横に振るい、早業・範囲攻撃・なぎ払い・二回攻撃でまとめて始末させてもらいましょう。自由に飛びまわられると厄介なので、スナイパーを使い、その翼を重点的に狙います。
相手の攻撃は第六感・見切り・残像で回避。

でも、少女たちは。

そう、あなたたちは私の鏡。
「あの方」に「悪夢」より救い出され、「あの方」をお慕い続けている私自身の姿を映し出した鏡……。

――だから私には、あなたたちを責めることも咎めることもできません。
何を言う権利も資格もありはしない。
ただ、あなたたちを見つめながら涙を流すしか。
私を刺そうとも斬ろうともお好きに。
この涙で応えるしか私にはできないのです……。


ディ・サイドマン
心に傷を負わせ、自らその隙をついて洗脳ですか。
このような卑劣が野放しでは、神の不始末が疑われると言うもの。代行者として裁くのも、神に仕えるものとして当然の行いでしょうね。

序盤は馬、オブリビオンと言えども獣の攻撃であれば落ち着いて対処すれば恐るるに足りません。
絶望の福音で動作を読み、うまく横に潜り込んで肘鉄砲を食らわせ、ダメージを与えましょう。

獣の対応は問題ないでしょう。しかし、この後の少女達への対応を考えると・・・気が重くなりますね



リリアーナ配下の天馬達と猟兵達の戦いは、猟兵達が優勢に進んでいた。先制攻撃で天馬達の動きを制限したことと、世話係のリズを早々に引き離すことに成功したからだ。
「心に傷を負わせ、自らその隙をついて洗脳ですか。このような卑劣が野放しでは、神の不始末が疑われると言うもの。代行者として裁くのも、神に仕えるものとして当然の行いでしょうね」
 ディ・サイドマン(人間のクレリック・f14932)は、ユーベルコード『絶望の福音』を使用し、首なし天馬と馬車の同時攻撃をかわす。そのまま、首の付け根と思われるところに、肘鉄を叩きこむ。
「獣の対応は問題ないですね。しかし…この後の少女達への対応を考えると・・・気が重くなりますね」
「後のことは、ここを片付けてからにしましょう」
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は、己が役目を定め、戦場を駆け抜ける。
「時よ脈打つ血を流せ、汝は無敵無傷にあらぬもの」
 魅夜は、時を操る。ザイン・ウント・ツアイト”我が白き牙に喘ぎ悶えよ時の花嫁”。彼女の操る鎖は宙で、いきなり加速する。急な軌道の変化に対応できず、天馬は、鎖に囚われ、引きずり降ろされる。堕ちてきたところを、ディがトドメをさしていった。
 ほどなくして、天馬達は猟兵達によって殲滅されたのだった。

「うっ…、一体、どうなって…」
 リズは、ようやく目を覚ます。そして、周りの状況を見て、愕然とする。
「あぁ…お馬さん達が……」
 骸となり、消滅しつつある首なし天馬達の姿に、茫然となる・
「ど、どうして…リリアーナ様の、大切な…馬が…わ、私は…もう…」
 思考がぐちゃぐちゃになりまとまらない。そんなリズに、魅夜はつげる。
「あなたたちは私の鏡。「あの方」に「悪夢」より救い出され、「あの方」をお慕い続けている私自身の姿を映し出した鏡……。――だから私には、あなたたちを責めることも咎めることもできません。何を言う権利も資格もありはしない。ただ、あなたたちを見つめながら涙を流すしか。私を刺そうとも斬ろうともお好きに」
 それだけ言って、リリアーナの館へと向かう。後に残されたリズは、ただその場で動かない。
「そう…この涙で応えるしか私にはできないのです……」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『少女愛好家『リリアーナ・ヒル』』

POW   :    トドメを刺した子には私からの寵愛を授けるわ
【大勢の短剣を持つ主人に心酔する娘達の突撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【殺到する娘たちの追撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    私を守護する忠実で有能なペット達よ
全身を【大盾を持った少女達に指示し護る為の陣形 】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    ギャラリーは多い方が良いでしょう?
戦闘力のない【身動きのできない、拘束されている少女達】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【少女達の悲観や絶望の感情】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はキア・レイスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ーーリリアーナ様を倒そうとする者達が現れた。
 その知らせに、少女達は武器をとる。敬愛する主人の為に。
「リリアーナ様を…お守りしなくちゃ…!」
 ここにきて日が浅いマイアもまた他の少女と同じように武装する。数は二十ほど。勿論、訓練など受けた事などない素人だが、主人の為に喜んで命を捨てるだろう。リリアーナにとっては、彼女達は、自らを守る盾であり、自分の力を発揮するためのコマでしかない。
「さぁ、いきましょう」
 リリアーナは緊張した面持ちの少女達に優しく微笑みかけると、猟兵達を迎え撃つのだった。
黒城・魅夜
私にはわかりません。私利私欲による偽り、仮初め、企み、嘲弄。そうであっても、あなたは彼女たちに希望を与えた。他の人々が今抱いている希望が偽りではないと誰が言えるのでしょう……。

ですが私はあなたを殺します。私が正しくあなたが間違っているから、ではない、猟兵とオブリビオンという相いれない存在だから。ただそれだけの理由で。

鎖を飛ばしてロープワーク、投擲、範囲攻撃、先制攻撃、早業、スナイパーで少女たちをまず狙い、傷つけないように捕縛を試みましょう。

少女たちという先兵を無力化できたら、53枚の死神札を舞わせます。そのうちわずか3枚でもあなたの影に突き刺されば、あなたはすべての力を失うでしょう。



「私にはわかりません」
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)がリリアーナに語りかける。
「私利私欲による偽り、仮初め、企み、嘲弄。そうであっても、あなたは彼女たちに希望を与えた。他の人々が今抱いている希望が偽りではないと誰が言えるのでしょう……」
「あら、話が分かるじゃない?」
 リリアーナの言葉に首を横に振る。
「ですが、私はあなたを殺します。私が正しくあなたが間違っているから、ではない、猟兵とオブリビオンという相いれない存在だから。ただそれだけの理由で」
「うふふ、単純なのね。そういうのも嫌いじゃないわ」
 挑発するように腕を伸ばす。魅夜は一気に鎖を展開する。幾重にも張り巡らされた鉄の拘束具が、四方から一気にリリアーナに迫る。
「リリアーナ様!」
「お下がりください!」
 重い鉄の盾を持った少女達が、リリアーナの前へ出る。鎖が盾の表面にぶつかり甲高い音を立てて弾かれる。
「残念だったわね」
「それはどうかしら?」
 魅夜が再び鎖を操る。弾かれて行き場を失ったかに見えたそれらは、盾を持つ少女に絡まる。
「ぐっ!?」
「しまった!?」
 鎖はリリアーナを守る少女の動きを封じる為のもの。次が彼女の本命だ。
「罪深きものよ嘆け、汝の影は汝を見放し我が寵愛に歓喜する」
 詠唱と共に、53枚の死神が描かれた札を投げる。リリアーナは、魔術で弾き、あるいはかわす。
「何をしてくるかと思いきやこの程度?…ん?」
 急に自分の身体が思うように動かなくなったのを訝しむ。
「貴女を狙うつもりはないの。私の狙いはあくまで影」
 放った札の内の三枚が、リリアーナの影の頭、腕、脚に突き刺さっていた。スイート・ビトレイヤル“背徳の媚態を示せ裏切りの影”。それは、相手の影を貫き、相手の自由を奪う…。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディ・サイドマン
少女たちよ、リリアーナこそが裏で手を回し、貴女たちを孤立させました!
与えられた偽りの幸せに惑わされないでください!
自分の人生を取り戻すのです!

...と言っても今は聞く耳持たれないのでしょうが、それで結構。
この声量のみを以て私のユーベルコード[喝音]は発動します。

[喝音]で少女たちが怯んだ隙にリリアーナとの距離を詰めます。
至近距離であれば少女たちも割り込んで盾にはなれないでしょう。
距離を放される前に手刀、投げ、膝蹴りを主体畳み掛けましょう



「リリアーナ様に手を出させはしない!」
「お前たちは私達が!」
 少女達は、猟兵達に怒りの視線を向けて襲い掛かる。彼女達の動きは素人そのものだ。だが、何らかの魔術の影響で、その速度と威力は上がっている。油断すれば、猟兵でもやられかねない。
「少女たちよ、リリアーナこそが裏で手を回し、貴女たちを孤立させました!与えられた偽りの幸せに惑わされないでください!自分の人生を取り戻すのです!」
「うるさい!リリアーナ様の敵め!」
 ディ・サイドマン(人間のクレリック・f14932)は、少女達に呼びかけるが、彼女達は全く耳を貸さず、彼に攻撃をしかける。
「いたし方ありませんね…」
 ディは一呼吸をおき…、
「この・・・罰当たりが!!」
 彼の声が空気を、少女達の身体を震わせる。余りの振動に、少女たちの動きが止まる。喝音。相手の動きを封じるディのユーベルコードだ。その隙に、リリアーナに迫る。動きの取れない彼女に、彼は、正義の肉弾戦を叩きこんだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜奏・光花
父様以外の吸血鬼好きではないですしあんなたちの悪いボスはさっさと倒したいですが…やっぱり操られてる周りの人をどうにかするのが先でしょう。
あなたがリズさん達を操るなら、私も操り彼女達を返してもらいます!

わたしは「短剣を持つ人」と「身動きのできないや拘束されている人」の相手をします。

攻撃は【オーラ防御】を使用しながら回避。
彼女達に【フェイント2】を掛けつつ【属性攻撃2】で強化した【Black Cat Wild dance】で【2回攻撃】です。

パンチも引っ掻く事も強くやる必要はないので、彼女達には峰内やもし傷になっても残らないように気を付けて戦いますよ。


スター・レイガン
やれやれ、本当に戦闘力のないこの娘達を気遣っているなら「下がって居ろ」位は声をかけてやってもいいだろうに

優先順位はオブリビオンの撃破
君達、武器を持って私に向かってくるのだな
命までは取らないように善処はするが「必ず助ける」とは言ってあげられないよ

なるべく少女たちを殺してしまわんように近距離戦を仕掛けよう
幸いにも練度は低いようだしな
【ダッシュ】で加速し不規則に動いてこちらをとらえられないように動いて接近、エンゲージ直前に【ジェットパック】点火、少女たちを飛び越えながらリリアーナに【スターパンチ】だ

一発で終わってくれると思うな
【2回攻撃】で更に追撃して少女たちと違う方向へ吹き飛ばすよう試みよう



「やれやれ、本当に戦闘力のないこの娘達を気遣っているなら「下がって居ろ」位は声をかけてやってもいいだろうに…」
 リリアーナの戦い方を見て、スター・レイガン(キャプテンレイガン・f02054)が呟く。彼女の戦法は、少女達を駒のように扱うものだった。実に気にくわない。
「リリアーナ様の悪口は許さない!」
 少女の一人が、スターに斬りかかる。動きは素人だが、なんらかの手段で強化されてるのが厄介だ。
「君達、武器を持って私に向かってくるのだな。命までは取らないように善処はするが「必ず助ける」とは言ってあげられないよ」
「お前に救ってもらう必要などない!私にはリリアーナ様がいる!」
 スターを睨みつける少女の剣に、青白い炎がまとわりつく。ダークセイヴァー出身の猟兵が使っているのを見たことがある地獄の炎と呼ばれるものだ。
「ユーベルコードまで…それほどまでに思いが強いということか…」
「死ねぇ!」
 少女が剣をスターに突き立てようとする。
「させませんよ!」
 その少女に、夜奏・光花(闇に咲く光・f13758)の黒猫の人形、ジェイドが飛びつく。
「くっ!?この!」
「にゃーーーー!!」
 ジェイドはしがみつきつつ執拗に少女を引っ掻く。
「この子は私が引き受けます!」
「頼んだぞ!」
 スターは、リリアーナの元へと向かう。
「させない!」
「ジェイド!」
 スターの行く手を塞ごうとした別の少女にジェイドが光り輝く肉球のパンチをお見舞いする。進路を確保したスターは、一気に駆け抜け、さらにジェットパックで加速、跳躍。逃げようとしたリリアーナにあっという間に接近する。
「何…!?」
「私の拳をとくと味わうがいい!」
 スターの光り輝く右腕が、リリアーナの腹部吸い込まれていく。
「ガハッ!?」
 余りの衝撃に目を見開き、空気が押し出される。
「一発で終わると思うな」
 先ほどの一撃で宙に浮き上がって落下する地点に、もう一撃。横ストレート。まともに受けたリリアーナは吹き飛び、屋敷に激突。瓦礫が吹き飛び、土煙が舞い上がる。
「今のは貴様の卑劣な策の犠牲になった者達の怒りだ。貴様は、楽に死ねると思うな…!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キャロライン・ブラック
ためらいもなく少女たちを戦いに巻き込みますのね
あくまで己の欲を満たす存在である、と

であるならば、わたくしは少女たちの敵となりましょう
この世界は残酷なだけではないのですから

わたくしはオブリビオンより離れ、塗料で魔法陣を描きます
最も、少女たちにオブリビオンに害為すものだと思わせるプラフですわ

ほら、わたくしを放っておくと、大事なリリアーナさまが傷ついてしまうわ?
などと、挑発的に少女たちを煽り、おびき寄せいたしますの
そうしてユーベルコードで足や武器を固め、無力化を図ります

止めることが本質の技とはいえ、凍傷程度は負うかと存じますが……
傷つける覚悟なく少女たちの想いをお止めすることは、できないものね


ヴェル・ラルフ
★他の猟兵との連携歓迎

少女たちは、操られてるわけでもなく、心から守ろうとしているんだね。

…ほんと、このオブリビオンきらいだな、僕。

SPD
[ダッシュ]で近接攻撃、[挑発]して、こいつの残虐さを少女たちに見せつけることを試みよう。
…操られてるわけではない彼女たちに、知ってもらいたいんだ。じゃないと、愛するものを失う苦しみになってしまうかもしれないから。
[覚悟]して臨むよ。

[オーラ防御]するつもりだけど、多少は[激痛耐性]で我慢するつもり。

少女たちがリリアーナに少しでも疑念を感じてくれればいいな。

攻撃は【陽炎空転脚】
最大限の侮蔑を込めて、地に伏せさせてやろう。



 戦況に変化が表れる。素人である少女達の動きが徐々に良くなっているのだ。
「お願い!リリアーナ様を救って!!」
「私達のリリアーナ様を奪わせないで!!」
 魅夜の鎖に囚われている少女達が、切なる願いの叫びを聞いた少女達が強化されているのだ。 
「少女たちは、操られてるわけでもなく、心から守ろうとしているんだね…」
 リリアーナの為にと必死になる少女達の様子を見て、いつも和かで人当たりの良さそうなヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)の表情が険しくなっている。
「…ほんと、このオブリビオンきらいだな、僕」
 吐き捨てるように紡がれた言葉は彼の思いの表れだった。
「全くですわ。ためらいもなく少女たちを戦いに巻き込む…あくまで己の欲を満たす存在である、と。気に入りませんわ…」
 キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)もリリアーナへの嫌悪感を表す。
「彼女には、少し制裁を下すしかないね」
「道はわたくしが切り拓きますわ」
 キャロラインは、ワンドを突き出し、魔法陣を展開させる。
「魔術!?」
「止めなきゃ!」
 それを見た少女達が、キャロラインの方へと集まってくる。
「あなたたちが、ヴァンパイアを庇うというのであるならば、わたくしはあなたたちの敵となりましょう。この世界は残酷なだけではないのですから」
 そういうと、青い塗料を放つ。それに触れた少女の武装や足などが瞬時に凍結し、動きを止める。
「あなたたちの覚悟はその程度ですか?ほら、わたくしを放っておくと、大事なリリアーナさまが傷ついてしまうわ?」
 キャロラインが不敵な笑みを浮かべ、少女達を挑発する。近寄ってきた彼女達はすぐさま、キャロラインの『レインボーパレット・グレイシャー“わたくしの好きな色、氷河の青”』によって動きを封じられる。
「止めることが本質の技とはいえ、凍傷程度は負うかと存じますが……傷つける覚悟なくあなたたちの想いをお止めすることは、できないものね」
 彼女によって確保された道を駆け抜けてヴェルは、リリアーナに肉薄する。
「くっ!おのれ!」
 未だスターに受けたダメージから立ち直りきれていないリリアーナ。ヴェルはそんな彼女に容赦なく大技を放つ。
「煽る紅、一気に地に堕ちろ」
 ヴェルの右脚は紅き閃光となってリリアーナに着弾。衝撃と共に、地に叩きつけられる。
「う、ぐっ、貴方達!何してるの!!私を守りなさいよ!!」
 ダメージが蓄積し、余裕を失いつつある。
「ようやく本性を現したね…」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

歩・備忘録
少女達が抱いた希望は偽物ではないのだろうね。
僕がこれからすることは、居場所を失った彼女達から、更に希望を奪いとる行為かも知れない・・・

だが、奴は始めに居場所を奪い取った。
ただその一つがどうしても気に食わない。この嫌悪を理由に戦おう。

少女達の足が止まっているのはありがたい。呪符を括りつけた苦無を周囲にばら蒔き、オーラ防御、投擲を使用して周囲に障壁を張る。
本来は防御の術式だけど、物理的な足止めになるし・・・リリアーナが死ぬ瞬間を隠す壁になる

誤射のあり得ない距離まで詰められたら、全力魔法からのウィザード・ミサイルを叩き込む

地獄に落ちるまで待てるものか。今僕の業火で焼き滅ぼす。毛の一本も残すと思うな


ブイバル・ブランドー
「知れば知るほど度し難い女だ。貴様に情けなど一切不要だと理解した」

少女達が突撃しても、当たらねば良いだけのこと。屋敷の地形を利用して回避行動を取り、三次元機動術を取り確実に吸血鬼との間合いを詰める

そしてここの過程で決して少女が盾にされる前に吸血鬼の元まで辿り着かねばならん。その為にこの加速術を使う

マグネティックビットの電磁加速で己自身を射出することだ。これだけでもダメージになる捨て身だが、少女と吸血鬼の想像を超えるにはこうするべきだ

そして吸血鬼には恐らく熱が有効だろう。荷電粒子砲をチェーンソー形態にし串刺しして、その上でUCを使用する

「苦しみの内に悶え死ね。楽にしてやるなどと温い言葉もやらん」



 リリアーナは、蓄積されたダメージから、余裕を完全になくしている。
「は、早くこいつらを始末しなさい!誰があなたたちを救ってやったと思っているの!?少しは使えるところを見せなさい!」
「ふん、本性を表したか、知れば知るほど度し難い女だ。奴には情けなど一切不要だと理解した」
 ブイバル・ブランドー(紅い神風・f05082)は、リリアーナをそのように断定する。
「いやぁ、同感だねぇ。彼女には、それなりの報いを受けてもらわないと」
 歩・備忘録(歩く備忘録・f02523)は、同意を示す。少女達は、他の猟兵達の足止めに合い、手一杯だ。その隙を狙う。
「あの女に引導を渡してくれよう」
 ブイバルが変形し、頭部に特徴的な角のある形態、ガンマモードへと移行する。そして、既にまともに立てなくなっているリリアーナへと突撃する。
「く、来るな…!」
 マグネティックビットの電磁加速を利用し、自分を射出するように速度をあげる。
「苦しみの内に悶え死ね!楽にしてやるなどと温い言葉もやらん!」
 ブイバルは、加速の勢いも乗せて、右腕に装備された甲型多目的兵装・VALZA³をチェーンソー形態にして、リリアーナに突き刺す。
「あぁあああああああああああ!?」
 肉を裂く音と、荷電粒子による過熱で肉を焼く音と、リリアーナの絶叫が響く。少女達は、リリアーナの元へ行こうとするが、それは備忘録が張った結界によって叶わない。
「彼女達が君に抱いた希望は偽物ではないのだろうね。僕がこれからすることは、居場所を失った彼女達から、更に希望を奪いとる行為かも知れない・・・だが、君は始めに居場所を奪い取った。ただその一つがどうしても気に食わない。この嫌悪を理由に君を殺すよ」
 備忘録は静かに歩みよりながら、詠唱を開始する。周りの少女達から「やめてー!」「その人を殺さないでー!」と悲鳴が聞こえる。
「君には地獄に落ちるのが相応しいと思うが、そこまで待てるものか。今僕の業火で焼き滅ぼす。毛の一本も残すと思うな」
 全力のウィザードミサイル。全ての炎の矢がリリアーナに突き刺さる。ブイバルの攻撃と合わさり、あたかも火刑に処されるように、リリアーナは焼き尽くされたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『きっと君のためのワルツ』

POW   :    豪快に光と戯れる

SPD   :    軽快に光と戯れる

WIZ   :    風流に光と戯れる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 リリアーナは滅した。しかし、戦いは終わったとは言えない。少女達は希望を失い、その場に茫然と立ち尽くすか、泣き崩れる。彼女達をこのままにはしておけない…。

マスターより
三章は少女達に生きる希望を持たせるシーンです。プレイングと判定の結果により、彼女達はジョブを得たり、オラトリオに覚醒する可能性があります。
 自らを憎しみの対象とするもよし、生きることの意味を伝えて励ますもよし皆さんのアイデアをお待ちしてます。また名前付きのNPCを対象に指定してくださることも可能です。その他大勢の少女によびかけることも出来ます。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしています。
黒城・魅夜
私は泣いていました。この戦いの最初から。そして今も。
いいえ、この頬を濡らすものは、涙ではなく今はもう赤い血となっているかもしれません。

私はあなたたちと同じです。
あるお方に救われ、世界の中に存在を許され、その方を慕ってここにいます。
あなたたちの悲しく哀れな姿は……私の姿……。私自身の……。

だから。
生きて、ください。

――「リリアーナのため」でも。

彼女があなたたちを救ったのは、その命に、存在に意味があったからです。
どんな欺瞞でも偽善でも、彼女があなたたちに生きて欲しいと願ったこと、ただそれだけは確かな真実。
……あなたたちの生こそ、彼女の望んだもの。
彼女を慕うなら……彼女の望みをかなえてあげて……。



「よくも…よくもよくもよくも!!!」
 少女の一人が怒りのままに武器を振るう。
「死ねぇえええええ!!!」
 その怨みの一撃は、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)が張り巡らせた鎖によって阻まれる。
「このぉ!!」
「おやめなさい…」
「!?」
 憎しみに突き動かされていた少女は、魅夜の悲痛な表情を見て驚く。まるで今にも泣き出しそうだ。
「私は泣いていました。この戦いの最初から。そして今も。いいえ、この頬を濡らすものは、涙ではなく今はもう赤い血となっているかもしれません」
「何を…言って…」
「私はあなたたちと同じです。あるお方に救われ、世界の中に存在を許され、その方を慕ってここにいます。あなたたちの悲しく哀れな姿は……私の姿……。私自身の……」
 魅夜は少女達に自分を重ねていたのだ。
「だから…生きて、ください。
――「リリアーナのため」でも」
「お前がその名を…!」
「彼女があなたたちを救ったのは、その命に、存在に意味があったからです。どんな欺瞞でも偽善でも、彼女があなたたちに生きて欲しいと願ったこと、ただそれだけは確かな真実。……あなたたちの生こそ、彼女の望んだもの。彼女を慕うなら……彼女の望みをかなえてあげて……」
 そこまで言って、魅夜は鎖を解く。少女達にはもう必要ないと思ったから…。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜奏・光花
正直…どんな言葉を掛ければいいか、励ませばいいか分かりません。
わたしにも大好きな家族がいて、仲間の人達もいます。
でももし、いきなり一人ぼっちになったらわたしだって怖くて寂しいです。

せめて皆さんの怪我の治療や話を聞かせて下さい。
思ってる事をため込むより誰かに話して吐き出してしまった方が少しはすっきりするかもしれないです。
どれだけの事ができるか分かりませんが、精一杯わたしなりにみなさんを励ましたいから。

何度立ち止まってもいいんです。こんな世界だけど未来を諦めないで、一歩ずつでも進んで欲しいです。

【使用技能:勇気、祈り2、優しさ】



 夜奏・光花(闇に咲く光・f13758)は、鎖から解放され、地面にぐったりと横たわる盾役だった少女の傍に歩み寄る。
「だ、大丈夫ですか…?」
 光花が話しかけても、少女は何の反応も示さない。正直、今の少女にどんな言葉を掛ければいいか、励ませばいいか…。光花には分からない。だが、彼女達を放っておくことは出来ないのだ。光花は優しく少女の上半身を抱き起すと、『生まれながらの光』を発動する。
「何を…しているの…?」
 少女が口を開く。
「怪我を治療しているんです…」
「治療したって…意味なんかない…私には…もう…」
「諦めないでください!」
 光花が叱りつける。
「わたしにも大好きな家族がいて、仲間の人達もいます。でももし、いきなり一人ぼっちになったらわたしだって怖くて寂しいです。そんな時、もうお仕舞いだと、諦めたら本当に終わってしまいます!何度立ち止まってもいいんです。でも、ゆっくりでもいいから進んでください!こんな、こんな酷い世界だけど!未来を諦めないで、一歩ずつでも進んで欲しいです!」
 光花の懸命な姿に、少女は聖人のそれを見る。
「あぁ、私も…あなたのように…誰かの…希望に…なれたら…」
「なれます!なれますよ!」
 少女は頷き、光花の手をとる。その手に光が宿っているのを、光花は確かに見た。

成功 🔵​🔵​🔴​

キャロライン・ブラック
わたくしは新たな希望にはなれませんけれど
この世界の美しさを思い出して頂けるよう努めましょう

まずは、少女達の傷の御手当てをいたしますの
どう反応されるにせよ、これで語り合えましょう
それに、傷が残ったら大変ですものね

ただ、謝りはいたしません
少女達にとってわたくしは悪ですが
それでも善をなしたと、胸を張りますの

何事も見方によって色を変えるものです
この世界は悲しみも多いでしょう
ですが見渡せば、希望も沢山ございますわ

貴女達の周りは本当に全てが敵でしたか
悲しむ人がいたかもしれない
悔やむ人がいるかもしれない

一度、立ち返ってみてはいかが?
怖いとおっしゃるなら護衛をいたしましょう
貴女達が、新しい希望を探すためならば



 キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)は、少女の一人にそっと寄り添う。少女はプイと顔を背けるが、そんな彼女にキャロラインは優しく微笑みかける。
 ーーわたくしは新たな希望にはなれませんけれど、この世界の美しさを思い出して頂けるなら…。
「傷を見せてください。手当てをしますわ…」
「いらない…そんなことしたって…」
 言いかけて、言葉を詰まらせる。その後に続く言葉を想像しただけで胸が痛む。だが、彼女には、まだ可能性が残されているはずなのだ。こんな所で絶望の色に染まるなんて見過ごせない。
「女の子に傷が残ったら大変ですわ。いいからじっとしていいてくださいな」
 キャロラインはやや強引に治療を施す。少女は、黙ってそれを受け入れる。
「…礼なんて…言わないから」
「えぇ、これは、わたくしが勝手にやったことですから。あなた達の主人を倒したのもわたくしたちの勝手です。だから、謝りません」
 その言葉に、キャロラインを少女が睨みつける。それを彼女は真正面から受け止める。
「あなたにとってはわたくしは悪かもしれません。ですが、わたくしは、自分がやったことは正しいと胸を張って言えますわ」
 彼女の言葉に曇りは無い。
「あなた、雪が白いのは何故か知っています?」
 チラチラと降り始めた雪を見てキャロラインが少女に尋ねる。
「何もかも…無くなったから…」
「わたくしは、何にでもなれるから白いのだと思いますわ」
「要は考え方次第ってことですわ」と付け加える。
「何事も見方によって色を変えるものです。この世界は悲しみも多いでしょう。ですが見渡せば、希望も沢山ございますわ」
 かつて、黒しか知らなかった彼女が豊かな色彩に出会えたように。
「貴女の周りは本当に全てが敵でしたか。悲しむ人がいたかもしれない。悔やむ人がいるかもしれない。…一度、立ち返ってみてはいかが?助けが必要ならば…喜んで手を貸しますわ」
 キャロラインは手を差し伸べる。少女にも、この世界にも素敵な色があると知ってもらいたいから。少女は一瞬躊躇いながらも、その手を掴む。彼女の…マイアの背に白い翼が生えてくる。その髪には、雪見草が咲いているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

歩・備忘録
僕は天馬の弔いから始めようか。
わりと八つ当たり気味に襲った負い目もあるし、・・・今まで世話をしていたリズ君にも、この弔いは必要なのだと思う。


ところで、リズ君は「リリアーナ様の大事な馬」と呼んだけれども、君にとっての大切な友達ではなかったのかな?
失って悲しかったかな?

他の女の子たちは大切な友達ではなかった?
もしこれから失うとしたら、悲しむかな?

この世界は過酷だ。次は友達を守れなくて、悲しい思いをするかもしれない
なので僕は守る力を得る手段を残そう。この魔道書を…


力を得て、友達を守るも良し。僕への意趣返しを目指すも良し。理由なんてどれでも良い。

生きて欲しい。こんな過酷な世界だけど生き延びて欲しい



 リリアーナの天馬の世話をしていたリズという少女は未だに厩から動けずにいた。
「…わたしは…これからどうすれば…」
 何もかも失った彼女の悲痛な問いかけに応えてくれるものなどいなかった。いや、先ほどまではいなかったのだ。
「やぁ、お邪魔するよ」
 打ちひしがれていたリズの元に、飄々とした魔術師の格好をした男、歩・備忘録(歩く備忘録・f02523)。リズの天馬達を葬った連中の一人だ。
「何しに…きたの…」
「何、彼らの弔いをしにきたのさ」
 よく分からない所作で、聖職者の真似事を始める備忘録。リズはそれを黙って眺めていた。
「ところで、君は「リリアーナ様の大事な馬」と呼んだけれども、君にとっての大切な友達ではなかったのかな?失って悲しかったかな?」
「えっ…?」
 自分は悲しいのだろうか。
「他の女の子たちは大切な友達ではなかった?もしこれから失うとしたら、悲しむかな?」
 備忘録は重ねて問いかける。リズの頭は混乱するばかりだ。リリアーナの事しか考えていなかった彼女の中にモヤモヤしたものが出来始める。
「この世界は過酷だ。次は友達を守れなくて、悲しい思いをするかもしれない。なので僕は守る力を得る手段を残そう。この魔道書を…」
 備忘録は一冊の本を彼女に手渡す。
「力を得て、友達を守るも良し。僕への意趣返しを目指すも良し。君の好きにしたまえ。ただ…生きて欲しい。こんな過酷な世界だけど生き延びて欲しい」
 備忘録はそう一方的に告げると、きた時と同じように飄々とした足取りで去っていった。
「わ、わたしは…」
 リズは、備忘録から渡された書を抱き締めた…。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブイバル・ブランドー
【憎しみの対象になります、できれば、少女らにジョブを手に入れれる様にします】

ああそうだ、俺達が奴を殺した。好きに恨め。君らにはこの不条理に怒る権利がある

(攻撃されても一切防御も回避もとらず、無抵抗のまま受けます)

…良い攻撃だな。それだけの素養があれば、奴が居なくても十分自分を守れるだろう

だが、一つ言わせて欲しい。俺の様な殺すことしか能の無い塵屑にはなってはならない。ろくでなしからの忠告だ

そしてマイア。君には帰れる場所があるのではないか?

両親が君を奴に渡したのは、致し方の無い事だったんだろう。

だから、今でも彼らは君の帰りを待っているはずだ。

だからせめて、村の人々を許してやってはくれないだろうか。



「何よ…リリアーナ様のこと…みんなもう忘れてしまうって言うの…!」
 リリアーナに仕えていた少女の一人、クイナは猟兵達に諭され心を開いていく仲間たちをみて怒りを覚える。
「そいつらは…!そいつらはリリアーナ様を殺したのよ!!」
「そうだ」
 彼女の怒りを真正面から受け止めるべくブイバル・ブランドー(紅い神風・f05082)が立ちふさがる。
「俺達が奴を殺した。好きに恨め。君らにはこの不条理に怒る権利がある。俺を許さないというのならかかってくるがいい」
 ブイバルが手を開き、無防備であること示す。
「このっ…どこまでも舐めやがってぇえええ!!」
 クイナの剣から地獄の業火が噴き出す。怒りのままにブイバルに剣を振り下ろす。
「ぐっ…!?」
 ブイバルの装甲を破り、左肩から食い込む。だが剣はそれから先には進めない。
「どうした…?そんなものか…?」
「っ!」
 クイナは剣を引き抜き、踵を返す。
「…わたしはお前たちを許さない…。強くなって…必ずリリアーナ様の仇を討つ…!」
 そう言い残して彼女は屋敷を去っていく。後に何人かの少女が続く。彼女らには復讐者としての道が待っているだろう。
「…良い攻撃だった。それだけの素養があれば、奴が居なくても十分自分を守れるだろう。だが、俺の様な殺すことしか能の無い塵屑にはなってはならない。ろくでなしからの忠告だ…」
 去って行くクイナにブイバルは言葉をかける。彼女はそれに答えず行ってしまった。
「あ、あの…」
 オラトリオへと覚醒を果たしたマイアがブイバルに声をかける。それに答えようと、振り返ったブイバルはそのまま地面に倒れる。
「だ、大丈夫ですか!?」
「あぁ、何…自分でしたことの結果だ…問題ない」
 ブイバルは、そう応じる。
「私のことより自分のことを考えたまえ君には帰れる場所があるのではないか?今でも本当は彼らは君の帰りを待っているはずだ。だからせめて、許してやってはくれないだろうか」
 ブイバルの言葉にハッとなるマイア。
「…怖いですが、私も確かめたいです。…故郷に行ってみます」
 マイアの言葉にブイバルは満足そうに頷いた。

 こうして少女達はそれぞれの道を歩き始めた。彼女達が選んだ先に何が待っているのか、猟兵達がした事は彼女達にとってどんな意味があったのか、今はまだ誰も分からない。
 だがしかし…、猟兵達は願う。彼女達の道の先に、幸せがあることを…。

彼女らの旅路を祝うように静かに雪が降り積もりつつあった…。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月09日


挿絵イラスト