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大鹿の女神・混沌の花嫁

#UDCアース

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#UDCアース


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●女神礼讚
「おお……女神!我らの女王!混沌の花嫁よ!」
 森の中。
 薄暗い中に篝火が燃える。

 花と枯木で荘厳された、祭壇とも築山ともつかぬ所に佇むのは異形の女性。
 冠のような巨大な角と、むき出しの骨が、彼女が人ではないことを雄弁に物語る。
 橄欖石色の目に感情は見られず、土色の長い髪は風に吹かれるばかり。
 信徒が被せたと思しき、硬質的な花冠だけがいやに鮮やかだ。

「いあ!いあ!――――――ッ!!」

 秘されし女神の聖名を唱え、大仰に彼女へ礼を取る信徒たち。
 狂った人々に女神と定められし、異界異形の娘がゆるりと身動きをするが。

「……ぁ。」

 次の瞬間、異形の娘の内から溢れ出した黒い何かが辺りに広がった。
 信徒たちも、花も枯木も、篝火も、全てが飲み込まれて『いなくなる』。
 その、黒い何かが再び娘の骨の中に納まった後。
 彼女の周囲に、命あるものは一つも無くなっていた。

「……?」
 気だるげに、信徒たちが頭に乗せた貴石と金属の花冠を外す娘。
 数秒、しげしげと観察していたようだが、興味がないのかポリポリと齧る。
 飴細工のように容易に腹に納めれば、信徒たちの名残りも無く。
 あたかも最初からここは禿山で、この娘一人だけがいたかのよう。

 娘は立ち上がる。
 白い骨と化した腹から、黒い何かを溢しながら。
 足取りはしなやかに、更なる食べ物を求めて麓へ。

●カルト教団を止めろ
「UDCアース、で、事件……場所、は、北海道……。」
 北海道の大学で、学内にはびこったカルト教団によって邪神と呼ばれるオブリビオンが召喚されるらしい。
 グウェンドリン・グレンジャー(NEVERMORE・f00712)が、口下手を補うかのようにホワイトボードも活用して説明する。

「その人たち、は、その、UDC生物……邪神が、自分達、の、女神様だと、信じてる、みたい。」
 大鹿の女神、極北の女帝、混沌の花嫁。
 そう呼ばれた存在と、これから召喚されるUDC生物が同一のモノだと、信徒である学生たちは信じ切っているようだ。
 真実は定かではないが。
 グウェンの予知によれば、このままだと儀式を執り行い出現した彼女に、信徒たちは全員『呑まれる』。

「召喚の、触媒、に、なるのは……冠。ペリドットや、ムーンストーンの、葉っぱ……に、金属の、枝、とか、イバラ、の。」
 古い、曰くつきの冠が出現のためのアンカー。
 既に教団の手に渡ってしまっているようだが、これを奪取すればオブリビオンの力を多少なりとも削ぐことができるだろう。

「学生たち……の、教団、は、表向きは、森、フィールド、ワーク……あと、野鳥とか、観察、する、サークル……を、装って、る。」
【SNS】【貼り紙】【勧誘される】と、グウェンは文字で説明を補う。
 入部希望として正々堂々と乗り込むのもいいかもしれない。

「この、オブリビオン……このまま、放っておく、と、市街地……降りてきて、犠牲者、もっと増える、と、思う。」
 今のうちに止めてきて、と。
 グウェンは、猟兵にぺこりとお辞儀して見送るのだった。


烏丸くろえ
 皆様お世話になっております。烏丸くろえです。
 今回はUDCアースでの任務となります。

 目標は、女神として崇められているUDC生物の撃破です。

 第一章で学生達による教団を捜索、潜入。
 第二章で触媒となる呪物の奪取。場所は札幌近郊の山の中です。
 第三章でUDC生物との戦闘になります。

 皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『学生たちは暴走する』

POW   :    怪しそうなサークルに全部参加してしまえ、学生のたまり場に溶け込んで情報収集だ

SPD   :    大学の裏サイトやSNSなどから怪しい噂を集めて絞り込む。学生の所持品やPCなどを盗み見る。

WIZ   :    大学の学生名簿や職員名簿から経歴を洗う。卒論や研究などから異常なものを見つけ出す

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携歓迎】

北海道ねぇ…こんな形じゃなくて観光で来たかったよ。
愚痴はさておいて、厄介な女神さんとやらの出現を
食い止めないとねぇ。

アタシはスマホを駆使して、SNSや掲示板から
【情報収集】を行うよ。
バイク・ツーリング好きのコミュニティから辿り始めて、
アウトドア系の妙な噂がないかを調べる。
行動のフィールドが同じで、本当にヤバい奴らがいたら
真っ当な奴なら近寄ろうとしないだろ?
シロと判断できる集団から意図的に避けられているような場所や
スケジュールの空白を探して、
教団のアジトやら集会の日取りを絞り込むよ。


四軒屋・綴
《アドリブ絡み改変歓迎》

学生までも……いや、曇りなき眼はそれだけ純粋に世界を見ることが出来る……『出来てしまう』、というべきか。

卒論から怪しい物を探してみよう、思うに地域の伝承や文化……民俗学?の類いとして研究された物が代々受け継がれていった結果として今回の事件に繋がったのだろう、怪しい、つまり今回の『大鹿』『冠』『祭り』辺りから引っ掛かった論文、その学生が所属していた集団が今回の事件に関わっている筈だなッ!

【ハッキング】は……使わなくても大丈夫か、強いて言えば体がないと難儀するから【防具改造】で腕だけは生やさせて貰うッ!

「『地域に根差した信仰』というのは嫌いではないが……」


キリカ・リクサール
一介の学生が邪神を召喚するか・・・
我が故郷ながら、この世界は今だ累卵の危うさにあるな

私ぐらいの年齢であれば大学にいても不自然ではないだろう
昼間の校内に入り手近なPCを【マッキナ・シトロン】でハッキング
学内のネットワーク経由でPCやタブレットに侵入し大学内の情報収集を行う
検索する文字は件のサークルの他に「女神」「大鹿」「冠」「花嫁」と言った所か
過去の卒論や研究内容も同じように調査だな
鹿の女神にムーンストーン・・・ギリシャ神話か、または青森辺りの伝承か
そう言った線でも調べてみよう
いずれにせよ人の口に戸は立てられない、有益な情報は必ずある
他の猟兵とも情報を共有し、一刻も早く目標の祭具を見つけなくては



●学び舎に蔓延る影
 北海道の名門大学。その学食の一角。
 学生と思しき、三人の若者がたむろしているが……実はこの三人、猟兵なのだ。

「さて、返信は来てるかなっと……お、来てる来てる。」
 北海道にはもっと平和な形で来たかったなぁ、とボソッと呟きながら。数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)は期間限定のモカショコラを一口。
 見事解決したら、費用はUDC組織持ちで少しは観光や買い物は出来るかもしれない、多分。しかし一番は、この怪事件の解決だ。

 その向かいには、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)が。
 一見してノートパソコンに向かっているように見えるが、実際にはベルト型デバイス【マッキナ・シトロン】で学生用PCをハッキング。
「一介の学生が邪神を召喚する、か……」
 溜め息を吐くキリカ。UDCアース出身者だけに、思うところは有り余る。
 普通の男子学生っぽい服装を、蒸気構築した身体の上に纏った四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)。
 彼は図書館から借りてきた、学生たちの論文に目を通している。

「【大鹿】【冠】【祭り】辺りがキーワードだなッ!?」
「あとは【女神】【花嫁】と言った所か……」
 綴とキリカが、論文や情報を精査し、アタリを付けたものに付箋やフラグを付けてゆく。
「その女神とやら、日本が発祥なら青森、西洋ならばギリシャがルーツか?」
 キリカはハッキングを進めつつ、自分の培ってきた知識を元に推論する。
 確かに、ギリシャでは神の加護受けし牝鹿ケリュネイアの伝承が存在する。
 ムーンストーンやペリドットの冠が祭具ならば、やはり西洋だろうか?
「『地域に根差した信仰』というのは嫌いではないが……、うむ。」
 表情こそ伺えないが、どことなく困ったような声音で、綴が言う。
 まだ社会に汚れていない、澄みきった瞳。だからこそ、それだけ純粋に世界を見ることが出来るのかと、彼は思った。

 多喜の方はSNSやBBSを使って、目撃情報や噂を調べていた。
 スマートフォンをスワイプすれば、地方・地域の掲示板のスレッドが表示される。
『そちらの地域で、ヤバそうなオカルト集団とか、新興宗教みたいな人たちっていますか?山の中のとかで見たことありませんか?』
 というのが多喜の立てた質問のスレッドだが……
『見たことないなぁ』
『キリスト教系の変な人なら』
 といったレスばかり。キリスト教系の変な人、というのは既によく知られた普通の新興宗教だろう。

 なかなか首尾よくはいかない三人。 
「厄介な女神さんの手がかり、どこにあるのかねぇ……。」
 すっかりぬるくなったモカショコラを一気に流し込む多喜。チョコレートの甘味と、カフェインが疲れた身体と脳に染み渡る。
 あれこれ頭のなかで思い返して、ふと、一つ気になった。
「【大鹿】って、単に大きな鹿なのかね?それとも……それ自体が鹿の種類の事を言ってるのか?」

 一つ、掴んだ気がした。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

才堂・紅葉
さて、久しぶりにUDC相手の依頼だ。勘を取り戻さないといけない。
定石通りに大学の裏サイトやSNSで情報収集。
そこで目星をつけた学生の部屋に、鍵開けと忍び足で潜入。所持品やPCなどをチェックさせていただきましょう。

気になったのは【大鹿】。
鹿の種類で考えれば、日本には存在しないヘラジカの事だ。
ヘラジカの特徴的な角があるいは【冠】か?

ヘラジカに関する【女神】や【花嫁】の逸話を検索しつつ、学生達が大きな動物について噂してないかチェック。
後は【祭り】に関与しそうな、呪術的な持ち物がないかチェックしておこう。
もし手がかりを見つけた上で家主が帰ってきたら、CQCで寝かせてゆっくり話を聞かせてもらいます。


ブライトネス・フライハイト
【POW使用】
ふむ、せっかくにゃし我輩は学生にまぎれて、怪しいサークルを回ってみるかなにゃ。
サークルめぐりをしながら他に怪しい集まりや集団がにゃいかの聞き込みも【情報収集】してみるにゃ。
最悪、【変装】で誤魔化す事もあるかもしれにゃいのにゃ。
個人的には料理系サークルを巡りたいにゃし、もっと言えば北海道のグルメと食材を調べたいにゃけど、今は我慢にゃぁ。

しかし、こにょ世界では数少ない食材の宝庫こと北海道で……いにゃ、場所は関係ないかにゃ。
にゃぜ学生は神を召還するのかにゃぁ?
不満でもあるにょか、それともただの興味にゃのか。



●紳士淑女の調査行
(久しぶりにUDC相手の任務か……勘を取り戻さないといけませんね。)
 才堂・紅葉(お嬢・f08859)は心の中でそう呟く。
 紅葉の視界に入ったブライトネス・フライハイト(ケットシーのフードファイター・f04096)は、まごうことなく二足歩行する猫(身長43cm)にしか見えないのだが……一般人には、ノーブルな雰囲気を纏った猫目のイケメンに見えている。

「はぁ~、市場や漁港巡りがしたいにゃあ……せめて、スーパーとか、料理サークル……」
「任務ですよ、任務。」
 根っからの料理人であるブライトネスは、本当なら北海道の食材が集まるところに行きたかった。
 学内なら、料理のサークルで意見交換や新しい知見を仕入れたかったが、断腸の思いで諦める。

 学生を装って学内を歩き回り、飛び交う立ち話に耳を澄ませる。普通の、品の良い女の子や瀟洒な男子学生に見えるように油断なく。

(しかし、こにょ世界では数少ない食材の宝庫こと北海道で……いにゃ、場所は関係……もしかして?)
 ブライトネスは、世界に関する知識を足掛かりにいくつかの可能性を頭に巡らせる。
 例えば、シベリア経由でのロシアからの伝来、もしくはアラスカから経由でアメリカ側。
 古代の人々は、今を生きる我々の予想を裏切る程の行動範囲を誇っていた。可能性は排除できない。
 もしくは、明治の開拓の多い時代、日本にやって来たお雇い外国人が何か残していったか。

「にゃぜ、学生は神を召還するのかにゃぁ……不満でもあるにょか、それともただの興味にゃのか。まあ、どちらにしても見つけて倒すだけにゃが………。」 
 何か目的があってサークルが成立したのか、はたまた単なる興味なのか。
 それはこれから調べて明かせれば良い。

 紅葉はスマートフォンから、学生達の裏話が集まる掲示板や、SNSのコミュニティを探る。
 一人、女子学生のアカウントにアタリをつけ、更に呟きや日記の言動で裏付けを取るが……おそらくはビンゴだろう。
 やたらと「自然派」「祝福」「女神様」の単語が呟きに頻出する……近年よくいる、エンガチョ案件の人のようにも見える。
 日記の写真は、七割が野山や森の写真。

 すぐにでも単身潜入したいところだが……一人だけ、というのは危険が伴う。
 さっき出会った、別の猟兵ならこういった探索に向いていそうだ。急いで学内を探す。
「フライハイトさん。その体格を活かして調査を手伝ってほしいのだけど……いい?」
「もちろんにゃ。お供するにょにゃ!」
 こうして、一般人の目にはどことなくセレブな雰囲気の美男美女に見えるチーム(実は工作員と猫)が即席結成。

 二人の器用さと、紅葉の解錠の巧みさで件の女子学生のアパートに難なく侵入。
「ふーむ、一般的な女子学生にょお部屋って感じだにゃ……?」
「表向きは、きっとね。でも、隠れたところはどうかしら?」
 紅葉は遠慮なく、部屋のデスクやタンス等を開けてゆく。育ちとしては貴族の御曹司であるブライトネスは少し戸惑ったが、任務のためにゃ!とすぐに加わった。

「む、これ……は、関係あるのかにゃ?」
 ブライトネスが手に取ったのは、本棚の一冊。【失われた女神達】というタイトル。随分と古びているが。
 パラリと捲ると、カラーマーカーで引かれた線が時折見える。
【今は信仰が失われ、名前すら忘れられかけている地母神。】
【グリーンランドが信仰の中心地だった。】
【彼女の夫はーー(かすれていて読めない)】
 といった文字列に色がついている。

「さて、祭りや呪術そのものや、集会の手がかりがあればよいのですけど……。」
 無造作に置かれている封筒や、ノートを調べていくが……なかなか見つからない。
 だが、PCの中のメールに、意味深な怪しいものが一通。
【次回 2月19日夜】
 受信した文字列はこれだけだが、わざわざフラグを付けている。
 2月19日と言えば満月。それも、スーパームーンという大きな満月だ。
 オカルト的には月は女神に縁深く、それが大きいとなればかなり怪しい。

 ヒントさえ掴めれば長居は却って危ない。部屋を何事もなかったかのように整えて、素早くアパートを後にしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
【キリカさん(f03333)と共に行動】
【POW】

【大鹿】がひとつのキーワードになりそうだね。
なら、今度は足で情報を集めるかね?
そのまま普通の大学生として、
学生の溜まり場へ堂々と顔を出し、
キリカさんと違和感ない程度の大声で雑談する。
そして会話の中に頻繁に【大鹿】を話題に出して、
ターゲットの接触を待つ。
コミュ力にはアタシも自信があるからね!
キリカさんの演技に合わせるよ。
もしも怪しい奴が来たら興味がある体で食いついて、
サークルの場所…推定アジトまで案内してもらおうか。
もちろん他の猟兵にリアルタイムで情報は流すよ。
祭具もそこにあればいいんだけどねぇ……。


明石・真多子
【ボアネル・ゼブダイ(f07146)と連携】
校舎内の調査に向かうよ。アタシは教団の集まりで消えた学生達の繋がりを探すために職員室へ行こうかな。
流石にここは学生のふりしても漁りにくいね。【タコフラージュ】で「迷彩」したら【タコウォーク】しながら「忍び足」で這い進むよ。
PCには目ぼしい情報はなかったみたいだからね、出席簿や職員の会話を聞いて生徒達の行方や繋がりを気にしてみるよ。
特にアウトドア系の部活やサークルの担任は名簿で探してデスクから資料を漁ってみよう。「張り紙」ないかな?
何か分かれば学内にいる錬ちゃん(f00762)に伝えて他の猟兵と情報を共有するよ。


ボアネル・ゼブダイ
魔導師でもない学生が邪神を復活させるとは
ここもまた、オブリビオンの狂気に晒されている世界だと言うことか

明石(f00079)と出撃

校内に目立たず忍び込み図書室や資料室に向けて零れ落ちる深淵を使い内部に侵入
卒論や研究資料を漁り女神に関する繋がりを見つけ出す
不定形の粘液ならば、机やファイルロッカーの中に忍び込むのも問題ない
異常な内容や常軌を逸した研究など怪しい資料があれば私の第六感を使い、探しだそう
明石と連携を取り、情報を持ち寄ってから精査しても良いな
もちろん他に協力できる猟兵がいれば彼らとも情報を共有する
いずれにしろ、長い時間を掛けて儀式の完成を目指してきたのであれば
そこに至る痕跡は必ずあるはずだ


キリカ・リクサール
謎の解明には近づいたが未だ答えには至らずか…
やはり現場に直接赴くか
数宮(f03004)と共に行動
留学生を装い、数宮と共に学生の溜まり場に顔を出す
「大鹿が見てみたい」と興味があるように数宮と共に振る舞い相手をあぶり出す
多少なりとも情報を引き出すためのコミュ力には自信はあるが
あまり用心されないように、演技時の口調に変えて話しかけるか
「最近噂になってる大鹿の女神様って言うのに興味があるの…スピリチュアルで素敵じゃない!」
「私って最近ついてなくて…この間も彼氏に逃げられたばかりだけど、女神様に会えればきっと運勢が良くなると思うのよね!」
こんな感じか
怪しい奴らが食いついたならば、数宮と共に乗り込もう


レン・ランフォード
【エドゥアルト・ルーデル(f10354)と連携】
【SPD】
どうして邪神信仰にはまってしまうんでしょうね…兎に角、はやく止めないと

私はグウェンさんが言ってた「張り紙」を探してみましょう。
コードで分身して、錬はエドゥアルトさんと歩いて学園中を総当たり。
私はSNSで変な場所に張り紙があったとか、
信仰の…掲げている対象なら鹿を描くかもしれないのでそれが描かれた張り紙がないか調べます。
そういえば北海道といえばエゾジカですかね。

れんは勧誘の条件をSNSで調べてもらいます。
張り紙を見た?鹿が好き?等興味を惹かれて入ったのか、問題を抱えているからなのか
宗教に誘われた人の共通点を探ります。

【アドリブ・連携歓迎】


エドゥアルト・ルーデル
レン・ランフォード氏(f00762)とタッグで行動しますぞ

UCで【知らない人】を召喚し、視覚と聴覚を共有しておきますぞ
拙者は錬氏と組んで学校中の捜索、UCの知らない人はレン氏と共に張り紙や鹿に纏わる物を索探でござる

特に道中、生徒や教授のPC端末等情報媒体がアレばこっそり【ハッキング】を使って検索履歴、大学論文等を抜き出し、
関係のあるサイトが見つかればダイレクトに調査をしたい所でござるね
知らない人は使えるなら【第六感】等で場所の探索、見つかりづらくなって各所に侵入、他レン氏のサポートを任せるでござる

アドリブ・連携は歓迎でござる



●IMTから来ました
(え、何あのイケメン……モデル?)
(女の子の方もグラドルかなんか?)
 ここは学食。
 一般人の学生がヒソヒソと噂する。その視線の先には明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)とボアネル・ゼブダイ(Livin' on a prayer・f07146)、エキゾチックな美青年と、グラマラスな美少女の取り合わせはなかなかの眼福。
(魔導師でもない学生が邪神を復活させるとは……ここもまた、オブリビオンの狂気に晒されている世界だと言うことか。)
 丁度日溜まりになっている席で溜め息をつき、コーヒーを飲むだけで女子生徒がざわつく。おそるべしダンピール。
 スマホで先発の猟兵からの情報を確認する真多子も、ただスマホをいじっているのに男子学生からの視線が集中している。

「どうして邪神信仰にはまってしまうんでしょうね……兎に角、はやく止めないと。」
「レン氏、学食で買った唐揚げ一個、分けてあげるでござるよ!」
「いえ、大丈夫です。あと、北海道の唐揚げはザンギって言うんですよ。」
 少し離れた席に座り、学内の様子を伺うレン・ランフォード(近接忍術師・f00762)とエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)も彼らの知己である。
 レンはまだ高校生位の年だが、大学生だと言い張れば何とか通るだろう。エドゥアルトは一般的な学生というには大分年嵩だが、社会人入試や留学生なら十分ありうる。
 数日前から現地入りして調査を継続している多喜とキリカも、旅団の仲間に合流している。

●分身&探索
 最初に動き出したのはレンとエドゥアルト。
 物陰に移動し、それぞれが行使するユーベルコードで足りない頭数を補う。
「刃は氷雪・術は月光・我が身は徒花……。」
 レンのユーベルコード、【分身・雪月花】で、レンのもう一人の自分、錬が実体を得て顕現する。
「えっ、誰?ねえ!誰なの!?ちょっと!!」
 エドゥアルトは、突然現れた影の薄いオッサンに驚く。すっとんきょうな声を上げかけ、錬に口を塞がれる。
 このオッサン……もとい、知らない人が突然呼び出されるのは、エドゥアルトのユーベルコード【誰だお前!!】の効果であるのだが……。
 なお、このユーベルコードのルビは(ダレコイツ)であることも明記しておく。
 エドゥアルト、黙っていれば渋いイケオジと言って差し支えないのだが、どうにも口調で台無しである。

 二手に分かれたレンとエドゥアルト。
 レンはエドゥアルトの呼び出した【知らない人】が一緒だ。逆にエドゥアルトには錬がつく。

 レンは、予知したグリモア猟兵が言っていた、貼り紙に注目して学内を回る。
 信仰する女神は、鹿の女神だそうだ。となれば、鹿のイラストなど入っていないだろうか?
 北海道といえばエゾシカだが、先発の猟兵の調査で、どうやらオオジカ……エルク、と呼ばれる種類なのが判明している。角が特徴的なのでそこが手がかりになるだろう。
「ジビエ同好会、猟友会やJAと協力……これは違いますね。ううん……。」

 エドゥアルトは学内を隅々まで総当たり的に動き回り、横を歩く錬はスマホからSNSを通じて勧誘条件を調べる。
「ん?これ、怪しくないか?」
 錬が、SNSの呟きを一つ見つける。
【アロマテラピーとかハーブティーとか好きなんだけどぉ~、なんか自然派~な怪しい人に絡まれてやばたん!女神様?とか?おかるてぃ~!】
 ハッシュタグは……この大学だ。学生による投稿なのだろう。その他の呟きにはスポーツ系のサークル活動の様子が投稿されている。
「かなり怪しいでござるね。スクショを皆に送っとくでござるよ。」

●不可視のもの
 真多子とボアネルは、目立たないように技能やユーベルコードを駆使して調査に向かう。
 先程の食堂の様子では、他のグループと違い普通に学内を歩くだけでも不必要に視線を集めかねない。この組にとってはベターな選択だろう。

「深淵を渡りし異相の精霊よ、盟約により我が名の元にその力を示せ」
 人が来なさそうな空き教室を見つけたボアネルは、そこで【零れ落ちる深淵】を行使し、己の手足となりうる精霊を呼び出す。
 粘液ならばどこへでも行ける上に、彼はとても見つかりにくい。そして追跡に長けている。
 彼の写し出す視界を精査するため、無人の教室の隅に腰掛けて集中を始めた。
 目指すは図書館。これまでの学生達の卒論の写しが保管されているだろう。
 そう検討を付けて、図書館内を探し回ったり、研究の記録を探るものの……目ぼしいものが見つからない。
 誰もいない教室で、一瞬肩を落としそうになる。
 しかし、逆にこれは女神を信仰する集団が、ここ数年で結成されたものだと彼は気付く。
 つまり、当事者は確実に学内にいるはずなのだ。

 真多子は、迷彩効果のあるものと、触腕による縦横無尽な移動を可能にするもの、二つのユーベルコードを駆使して隠密行動に挑んでいる。
 大学の職員室、もとい研究室というのは、学科ごとに分かれている。講師や助教授ならともかく、教授となれば一人につき一部屋なのだが……。
 これまでの情報を考えれば、史学系が怪しいだろう。史学科の研究室があるエリアへ迷いなく向かう。

 不可視のくノ一が居るなどとは露知らず。
 研究室の講師たちは、自分の仕事を進めながら気軽におしゃべりをしている。
 最初こそ、期末テストの採点のことだとか、学生の評定に関することだったが、話題はあるサークルへと移り変わる。

「そういえば、聞きましたか?例のサークル。」
「あー、昔の神様の信仰を現代に!ってとこですよね。一昔前に流行ったみたいですよねぇ、ネオペイガニズム。」
「でも、ああいうのってヘカテーとか、フレイヤとかのメジャーどころが王道じゃないですか。イ……なんでしたっけ、聞いたことのない名前でしたよ。」
「まあいいんじゃないですかね。山に登るというならいい運動になるし、学生のうちはなんでも試してみるものですよ。」

(え……これって、例のサークルのこと!?)
 その後は講師達の学生時代へ話が移り変わってしまう。
 真多子は急いで部屋を抜けると、耳にした話を急いで旅団の仲間に送信するのだった……

●勧誘されるは……
 錬とエドゥアルトから【アロマテラピーやハーブティーが好きな人に勧誘があった】
 ボアネルからのメッセージ【教団結成はおそらくここ数年。当事者は在学中の可能性大】
 真多子からのメッセージ【例の教団は、マイナーな女神を崇めているみたい】

 多喜とキリカの、女子大生らしく無理なく溶け込めるコンビへ次々と知らせが届く。
 となれば、後はヒントを手懸かりに入団希望を装って接触するのが得策だろう。

 人が多いと言えば、学食。学業そのものは春休みに入っているが、それでも昼飯時となればサークル活動や、用事のある学生達がたくさんやって来る。
 烏龍茶とザンギを胃に流し込みつつ、二人はやや大きく明朗な声で会話をする。
 変に思われない程度の声量、しかしハッキリ聞こえるという、ギリギリのラインを狙う。

「ほらぁ!占いの結果が散々だったじゃなぁ~い。タロットも当たらないけど、ホロスコープもあんまりよねぇ~。」
「パワースポット!パワースポットがいいってば!」
 ちょっと不思議ちゃんめいた話題(あらかじめ頑張って覚えた。リアルタイムでもスマホでカンペ)を続ける二人に、一人の男子学生が近寄ってくる。
 身なりは整えていて、地味だがスッキリとした感じの青年だ。

「すいません、立ち聞きしちゃって……。もしかしたら、お二人のお力になれるかと思ってお声かけさせていただいたんですが……。」
「最近噂になってる大鹿の女神様って言うのに興味があるの…スピリチュアルで素敵じゃない!会ってみたいわ!」
 彫りの深い顔をしたキリカが日本語に不馴れな留学生だと思って、多喜に向かって話しかけた青年だった。が、興味ありげに早口で食いついてくるキリカに一瞬面食らう。

「なるほど、我々の女神をご存知なのですね。ええ、女神様は素敵な存在ですよ。」
 話しかけた時のにこやかさを取り戻す青年。この笑顔を見るに、本当に女神は素晴らしいと信じているのかもしれない。

「私って最近ついてなくて…この間も彼氏に逃げられたばかりだけど、女神様に会えればきっと運勢が良くなると思うのよね!」
 普段のキリカを知る人が聞いたらビックリしそうな口調と内容である。
「ええ……。女神を一心に信仰する者には、相応の報いと祝福がありますが……。」
 演技する彼女のテンションに圧される青年。
「そうだ、私達の集会が今度あるんです。部室も何もない集まりなので、そういった時にしか皆集まれないのですが……。ご興味がおありなら、試しに来てみませんか?」
「ええ、是非!」
 キリカは即答し、多喜も頷く。
 教団そのものと接触できるのだ。逃す手はない。
 それに、その集会であの女神がこの世に呼び出されてしまうだろう。これを見逃したりしたら……

 ウキウキと二人の新入団者に、自分のメールアドレスを教える青年。
 彼は、自分達が探られていることなど、全く知る由も無かったのだった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『呪物回収【並】』

POW   :    正面突破で儀式場へ突入し、呪物の回収を行う。

SPD   :    秘密裏に儀式場へ潜入し、呪物の回収を行う。

WIZ   :    呪物の所在を明確にする。或いは儀式の遅延を行う。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ーー札幌近郊の山中。

 ただでさえ寒い土地なのに、市街地よりも少し標高の高いここはさらに冷え込む。
 今は2月19日。もう少しで日付が変わる。

 古来より、女と、魔術と、死と、誕生を司ってきた月が、なんとも大きく辺りを照らしていた。
キリカ・リクサール
さて、ようやく女神の後ろ髪が見えた所だな
人々の命を糧に降りる邪神でもあるが

数宮(f03004)と共に行動
まずは召喚のための呪物の場所
あるいはどこに保管されているかの情報が必要だな
そのためには儀式が行われる前に集会場で色々な人間に話しかけて情報を集めてみるか
「本当に女神様を呼ぶんだ…ねぇねぇ!どうやって召喚するの!?」
「やっぱりアニメとかコミックみたいに宝石とか魔法とか使うの!?」
こんな感じか
しつこくつきまとえば儀式を遅らせることも出来るかもしれないな
だがあまりしつこすぎて追い出されないように注意はしなければ
得た情報は影の追跡者を通じて数宮に知らせよう

【アドリブ・マスタリング歓迎】


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【基本はキリカさん(f03333)と連携】

さーて、潜入もできたし前髪ふん捕まえて女神とご対面しますかね?
とはいえ、祭具…この場合は冠かね?を捕捉しておきたいね。
キリカさんが陽動と遅延工作をしてくれるはずだから、
アタシはその裏で「ごめんねー、キリカって割とはしゃぎたがりで」
と謝りながら儀式の準備を手伝う…振りをして祭具の情報を集める。
ずばり「冠」を探してみたいが、他にも宝石とか骨とか
ダミーも混ぜて質問してみるよ。
アタシの影の追跡者はキリカさんの近辺に潜ませて、
情報の共有も欠かさない。

祭具の場所への接近と可能なら奪取するのは
アタシが行う。
もし奪取狙いが他にいたら譲るよ。



●女神の髪は
(ようやく女神の後ろ髪が見えた所だな……人々の命を糧に降りる邪神だが)
(潜入もできたし、前髪ふん捕まえて女神さんとご対面しますかね?)
 黙々と歩きながら目線を交わして示し合う、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)と数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)の二人。
 札幌近郊の山の中、鬱蒼とした森の中をやけに大きな満月が無言で照らす。

 少し開けた広場に出た。目下に札幌の夜景が輝いく。
「皆さん~、ここです!ここで女神をお呼びしましょう!!」
 教団……学生たちのサークルを仕切る青年が、明るく呼びかける。
 先日、キリカと多喜に学食で話しかけた、あの青年だ。
 彼の先導で、サークルのメンバーは黙々と枯木や持ち込んだ花などで荘厳した祭壇を作ろうとしている。
 青年は楽しげだし、サークルの人々も表情は明るいが、何故か皆口数が少ない。

 どこか浮き足立つサークルメンバーを尻目に、多喜とキリカは、今夜何度目かの目配せをする。
 祭具、冠はどこだ。それに、儀式が始まってしまえば、その後の惨劇は避けられない。
 冠を探しながら、祭壇完成や儀式開始の遅延を狙う。

 先に動いたのはキリカ。
「本当に女神様を呼ぶんだ…ねぇねぇ!どうやって召喚するの!?」
 いつもよりワントーン高くキャピキャピした声で、手近な教団員を捕まえて話しかける。
「やっぱりアニメとかコミックみたいに宝石とか魔法とか使うの!?」
「え、ええと……我々の召喚や儀式は呪文こそ唱えますが……」
 面食らってキョドキョドする教団員。
 しかもキリカ、テンション高い演技をしつつ数名を視線や手招きで巻き込んでしまう。

「ごめんねー、キリカって割とはしゃぎたがりで」
 一緒に付き添ってきた、気のおけない友達といった風に多喜がフォローする。
 ハイテンションなまま、教団員に話し続けたり、それとなく足止めするキリカ。
 キリカと多喜は、キョロキョロと物珍しそうに見渡すフリをして祭具を探す。
 冠は、どこに。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

才堂・紅葉
前回組んだブライトネスさんがいれば、一緒に動きたいですね。

さて。儀式場せの場所は分りましたし、秘密裏の潜入をはかりたいですが、問題は呪物の知識ですね。
付け焼刃ではありますが、司書さんに礼儀作法とコミュ力で情報収集し、【女神】【大鹿】【月】【死や誕生】等にまつわる儀式の本を選んでもらって予習します。洋の東西を問わず広く浅く、概要を掴める程度で。本式にやるには時間がありません。

潜入は山中の地形を利用して忍び足。戦闘知識も活かして、罠等に注意します。
予習を活かし、儀式の軸となりそうな呪物を回収。一見して重要度低い物も、見落とさないように注意します。

【連携・アドリブ歓迎】


レン・ランフォード
潜入した数宮さん達から儀式場の場所を聞いたら先んじて向かいます。
服装は夜の山中で「目立たない」「迷彩」のものを
落葉などを踏んで足音や跡を残さないよう【駆爪】で空中を飛び、
木の陰に隠れながら向かいます。
「聞き耳」を立て、見張り等がいないか警戒も。

到着したらまず木の上等から隠れて儀式場を観察(情報収集)し
地形や役割等を把握して行動開始。
呪具が置いて盗れるようなら直接取りに行かず、
釣り針と糸の付いた手裏剣を「投擲」し、ひっかけて奪います。
更に設置物を微妙に位置をずらしたり、模様があれば書き加えたり
祭壇があれば爆弾を仕掛けると「破壊工作」もしましょう。

アドリブ・共闘歓迎



●冠はいずこ
 その、教団の人々と2人の猟兵が居る広場の近く。2つの人影が、彼ら彼女らを見つめている。
 才堂・紅葉(お嬢・f08859)とレン・ランフォード(近接忍術師・f00762)の二人だ。
 レンは迷彩の服を着ていることもあり、周囲の木々の闇に特に溶け込んでいる。

 先んじて、教団へ潜入している猟兵が掴んでいた情報を元に、ここへ先回りしていたのだ。

 紅葉はここに来る直前まで、図書館で女神や神話に関する書物に目を通していた。
 その中で目にした、一つの女神の名が彼女の中で引っかかっている。
【大鹿の女神】【極北の女帝】【混沌の花嫁】そして、大鹿……一般的に、オオジカ、もしくはヘラジカ、エルクと呼ばれる類。
 これから降臨する女神とやらは、単なるUDC生物かもしれない。

 しかし、教団の者たちが、彼女がその【女神】であると、定義づけてしまったならば。
 名は言霊となり、時に力を齎す……ことも、あるのかもしれない。
(まさか、あの女神じゃないですよね……?)
 少し、嫌な冷たさを背筋に感じる紅葉。

(これくらい、妨げにもなりませんね。)
 レンはユーベルコード【駆爪】で、宙を舞うように木から木へ移動しながら様子を窺う。
 太い大樹の枝に身を隠し、視線は広場へ。
 鋭い聴覚で、見張りが居ないか会話に耳を澄ます。
 悲しいかな学生のサークル。そういったものは居ないようだが。

 祭具らしきものは見当たらない……が、持っているとすればやはり神官長的な立場のあの青年だろうか。
 一か八か。
 もし違っても、儀式を取り仕切る者が突然怪我をしたなら、開始の遅延や中止も見込める。
 レンが、糸を括りつけた手裏剣を、青年が背中を向けた瞬間を狙い鋭く投擲する!
 
「あいたっ!?」
 背中に鋭い痛みを感じて、リーダー格の青年がのけぞって後ずさりをする。
 振り返っても何もない。レンの手裏剣は命中と同時に即座に引き戻されている。
 相当痛いのか、そのままよろめいたかと思うと、カツンと、硬質な澄んだ音が聞こえる。彼の足元には、何か白く光る物。

 まごうことなく、猟兵の皆が探していた祭具。
 銀と貴石の冠……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四軒屋・綴
《アドリブ改変絡み歓迎》
ふーむ……即刻止めさせたいが…流石に命をどうこうというのは可哀想だな。

という事でありがちな方法ッ!

物陰でユーベルコード発動ッ!……と、その辺で申し訳ないが枯れ枝とかを【防具改造】でくっつけて…ついでに声も変えて身長も盛って…大きめの枝を角にしたら完成ッ!そこはかとなく鹿っぽく見えなくもない枯れ木のお化けだッ!

そんなわけで適当に学生の集団に唸り声をあげながら突っ込むッ!怪我しない程度に【吹き飛ばし】ながら冠的なサムシングを確保ッ!そのあとは適当に退場ッ!


「GOUUUUNッッ!!」
「オマエタチ、ナニシテル。」
「オマエタチ!モリ!アラス!」

「メガミ、イナイ、カエレ!」


ブライトネス・フライハイト
【SPD使用】【アドリブ・共闘等歓迎】
我輩はこっそり呪物の回収を試みてみるにゃ。
コソ泥みたいで……いにゃ、れっきとしたコソ泥であるにゃ。
けれども仕方ないのにゃ。

マントで全身を包んで【迷彩】で姿を消すのにゃ。
メインの呪物を掠め盗れれば良いが、無理ならほかの呪物や祭壇の妨害を試みるにゃ。



●混乱
 低い木立ちに隠れる影が二つ。微かに聞こえる声音だけで判断するなら、青年であるようだが。

(流石に荒事で命をどうこうというのは可哀想だな。ふーむ、どうやって止めるか。)
(仕方ないとはいえ、流石にコソ泥みたいで……いにゃ、れっきとしたコソ泥であるにゃ。)
 四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)とブライトネス・フライハイト(ケットシーのフードファイター・f04096)は、ヒソヒソと意見を交わす。
(ここは連携プレイにゃ。四軒屋さんが攪乱して、吾輩がその隙に祭具を掠め取るのにゃ!)
(グッドなアイデアだッ!それで行こうッ!)
 輝く満月は中天に浮かび、間もなく時刻は0時50分。54分に月が最大になる。嫌な予感がする。急いだ方が良いだろう。

 綴は、彼なりの【ありがちな方法】……彼のユーベルコード【蒸騎構築】で身体を編み上げる。その姿は、何となく鹿っぽい。くっ付けられた枯れ枝に努力と創意工夫の後が伺える。
 物陰から、まずは唸り声。

「GOUUUUNッッ!!」
「オマエタチ、ナニシテル。」
 何?誰?と、きょろきょろとふり返る学生たち。

 ガタガタとしながらも、進み出る綴……じゃない、鹿っぽい何か。
「オマエタチ!モリ!アラス!」
 あからさまに不審な男の声が、祭儀場に低く響く。ハリボテとハッキリと分かるが、こんな不審者が乱入したら誰だって驚く。
「メガミ、イナイ、カエレ!」
 あからさまな作り物の鹿に、学生達は呆気にとられる。

 その隙に、スッと駆ける小さな影が一つ。
(うまく拾えればいいにゃ……!)
 ブライトネスは、姿を隠すマントに身を包み、祭具……冠を拾うために全力疾走。

「取ったにゃ!!」
 不審なハリボテ鹿男に呆然としている学生達の足元を掻い潜り、リーダー格の青年の落とした冠をすかさず拾うブライトネス。

「これで、儀式は阻止できたにゃ……!」
 安堵する猟兵たち。

 しかし、祭壇からは……ほろりほろりと、緑色の光が零れ始めていた……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『緑の王』

POW   :    暴食
【決して満たされぬ飢餓 】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【辺り一帯を黒く煮え滾る消化液の泥沼】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    巡り
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【消化液 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    慈悲深く
【激しい咆哮 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は多々羅・赤銅です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ほわほわとした緑の光が、祭壇から零れる。
 その光が辺りを包んだかと思うと、光の奥から進み出てきたのは異形の鹿の女。

「女神!!おお、我らの呼び掛けに、応えて下さったのですね!」
 喜びを隠せぬ声音で進み出る、リーダーの青年。
 誰か、猟兵がそれを止めようとしたが青年は気にするそぶりもない。

 女神と呼ばれたその存在は、声を認識したようだが……そこから動かない。
 もしかして、と、何人かの猟兵は思い当たる。

 冠が奪われ、規定の刻限までに儀式を始められなかったため、この鹿の女神の力は、本来よりも落ちているのではないだろうか……?
ブライトネス・フライハイト
【アドリブ・共闘等歓迎】
2章でご指名を頂いてたにゃので、よろしければMs.才堂と行動を希望にゃ。

にゃ、にゃんと!召還が成功してしまったのにゃ!?
(まだ手にしてたら例の冠を自分の頭に乗せて)
しかも予想より弱ってるとは……これは、喜ばしくもあるにゃが……。
いや、これは困ったにゃぁ……あのオブリビオンが何もしてこない以上、サークルの学生たちに逃げろと言っても聞く耳持たないのにゃぁ。
ここは、あのリーダーが襲われるという尊い犠牲の後、ほかの学生を逃がすしか……。
いや、それは後味が悪いのにゃ。
こうなったらリーダーが襲われるタイミングでUCを発動にゃ!
そして逃げるように勧告するにゃ!


才堂・紅葉
「ああっ、もうやっぱり。壮絶にやばい神格じゃないの!?」
予習の成果と野生の勘に頭を抱える。
あの女神はやばい奴だ。幸いに儀式が完璧じゃないから、今ならまだ手に負える。

とにもかくもあのボンクラ共だ。戦闘はまず他の猟兵に任せ、ぼやぼやして連中を最速で救助活動する。
アイテムの蒸気王を召還し待機。ダッシュで踏み込み、参加者に気絶攻撃を叩き込んで、二回攻撃でグラップルの吹き飛ばしで放り投げ、ゴーレムに回収させる。
多少荒っぽいが仕方ない。奴の暴食の範囲内にいれば彼等は全滅する。

「注意して! 沼の地形ごと吹き飛ばすわ!!」
出来る限りの救助を終え、皆に声かけ。
封印を解いてUCを開放する。

【アドリブ、連携歓迎】




「ああっ、もうやっぱり。壮絶にやばい神格じゃないの!?」
 才堂・紅葉(お嬢・f08859)が頭を抱えて叫ぶ。
 彼女がアタリを付けた女神……ヒューペルボリアの女帝そのものではないにせよ。緑色の瞳と、木の幹色をした長髪。そして大地を駆ける生き物の身体は、地母神に連なる何かであることを雄弁に物語る。
 食べることと生み出すこと。再生や誕生を象徴すると同時に、その前段階としての大破壊すら司る権能……と、紅葉が目を通した書物には記述されていた。
「か、冠はこちらにあるけどにゃ……」
 先程奪取した、貴石と銀の花冠を被ってみるブライトネス・フライハイト(ケットシーのフードファイター・f04096)は、顕現した【彼女】の様子を観察するように窺う。

 ひときわ明るい月光を受けて輝く冠と、それを被る小柄すぎる男が視界に入る女神。
 冠を見ても、特に反応らしい反応が無い……これは後に分かることなのだが、冠そのものは女神を顕現させるアンカーであるのだが、大鹿の女神そのもの所縁の品ではない。
 地母神にまつわるUDCを、こちらの世界に引き寄せやすくなる、いわば誘引具。

「ミズ・才堂、どうしましょうかにゃ?あのオブリビオン、何もしてこないのにゃが……。」
 害意が見られない以上、狂信的な学生達は、乱入した部外者に逃げろと言っても聞く耳を持たない可能性は高い。
 一際妄信的なリーダーの尊い犠牲の後、目が覚めた他の学生を逃がす手もあるが……正直、他の学生も喜んで喰われるんじゃないだろうか。二人はかなり訝しんだ。
 何より、自分たちと同年代の一般人の犠牲なんて後味が悪い。
「仕方ない。先に片付けましょう。」

 フラフラと、心ここにあらずといった風情で女神に近寄るリーダーの青年……が、後ろからガシリと首根っこを掴まれる。
「死にたいのかしら?ボンクラ!」
 紅葉が一喝。そして、自分を持ち上げる、人型のゴーレムを見上げて、リーダーは口をあんぐり開ける。
「え、めめめめがみさまだけじゃなくて、伝説のごーれmぐっは!?」
 気絶攻撃……鳩尾に良いのを一発。さっきまで猟兵達が隠れていた低い木立をクッション代わりに放り投げる。多少、小枝が刺さるだろうが死にはしないだろう。
「は!?これどうなってんの!?」
 女神の出現だけでなく、オカルト文献でしか目にしたことの無いゴーレムに驚いて、混乱に陥った学生達。

「こっちにもあるのにゃ!」
 ブライトネスの【御菓子騎士調理法】による、輝くチョコレートの騎士と、光るキャンディーの騎士。見ようによっては、錬金術のゴーレムのようにも見える。
「ぐふっ!」
 モタモタしていて逃げようとしない学生へ、ゴーレムや騎士の失神攻撃がお見舞いされる。
 怖気づいた学生は走って逃げ出し、気絶した者は次々に木立へ放り込まれる。
 ついに、この空間は女神と、猟兵だけになった。

「注意して!ここの地形ごと吹き飛ばすわ!!」
 最後の学生を蒸気王で放り投げてすぐ、間伐入れず響く紅葉の叫びと同時。
 彼女の銃から放たれるのは高重力場を展開させるマグナム弾。着弾位置の地形すら変えてしまうその一発が、異形の女に吸い込まれる。
 ギュン、という、耳に障る音と共に、女神の周囲の空間が歪む。

「……ぁ。」
 空間の歪みが、元に戻った。
 女神と呼ばれた存在は、白い骨から黒い消化液を小川のように垂れ流したまま、静かに、息を吸い込んだ……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携歓迎】

バッ、危ないっての!
すぐさまカブに乗り、首謀者の青年を引き剥がしにかかる!
強引に掻っ攫う形になっても構わないよ!
その後は牽制にサイキックブラストをばら撒きながら、
近くで腰を抜かしてる奴に首謀者を押し付けるよ。
その後は戦列復帰さ!

とはいえやる事はほとんど同じ。
ま、スーパームーンのおかげで明かりは大丈夫だろうさ。
カブに乗りながら周囲を走り回り、撹乱させる。
ついでにサイキックブラストでちょっかいを出して脱力させない。
他の人を乗せて走り回ってもいいね。
戦況が膠着したかこっちに傾いたら、
即座に聖句を唱えて【黄泉送る檻】を発動させる!

皆、とどめは任せたよ!


レン・ランフォード
【SPD】
元がどれ程の物かはわかりませんが、力が落ちているならチャンスです。
確実にここで仕留めましょう!

まずは【分身・雪月花】で三人に分かれます。
私…蓮は信徒の人達、特にリーダーが邪魔をしないよう彼を抑え引き離します。
それと敵の観察(「情報収集」「見切り」)を。
何かおかしな点があれば二人に注意をかけます。

俺…錬とれんは【降魔化身法】を使用して、手裏剣の「投擲」、移動時に「残像」で攪乱、
正面から「フェイント」をかけ逆方向から「だまし討ち」に攻撃とヒット&アウェイで連携だ。
敵の攻撃は「第六感」で初動を「見切り」、【駆爪】も使って回避しよう。

アドリブ・連携歓迎


キリカ・リクサール
さて、ようやくここまで漕ぎ着けたか
後はこの女神を在るべき場所に戻すだけだな
一応大丈夫だとは思うが、空に向けて威嚇射撃を行って儀式参加者には邪魔をしないように釘を刺しておく
【オーヴァル・ミストラル】を発動するが【巡り】で無効化されても厄介だな
まずは攻撃をせずに相手を撹乱するように動き回らせようか
相手が脱力状態の時は私の【シガールQ1210】で【2回攻撃】を織り交ぜつつ射撃をして
こちらへ攻撃を仕掛けてきたら即座に【オーヴァル・ミストラル】で相手を取り囲むようにビーム砲で攻撃をする
他の猟兵達の攻撃チャンスために【援護射撃】も行おう
不完全とはいえ神の名を冠するものが相手だ
最後まで気は抜けんな




「危ないっ!伏せろっ!」
 数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)が咄嗟に叫ぶ。

「――――♪」
 歌とも叫びともつかないアルトの声が一帯に響く。耐えられるのは猟兵だからこそ。学生達を引き剥がさなかったら、どうなっていたか。
 多喜と共に耳を塞いでやり過ごそうとする、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)とレン・ランフォード(近接忍術師・f00762)だが、この咆哮は魔を孕む歌。
 歌による空気の震えが刃となったか。耳を塞いだ手に傷が走る。
 空気には、音が無い。見切るのは至難の業。

「……っ!刃は氷雪、術は月光、我が身は徒花……お願いします、私達。」
 叫びのような歌に一瞬圧されたレン。しかし、すぐに自分のペースを取り戻す。
 ふわりと雪のような白光に包まれたと思えば、彼女の身が三つに分かれる。分かたれた二人の目付きには、少年らしい凛々しさが。
 三人となったレンは、一人がフェイントをかけたかと思えば、別のレンが手裏剣を投げる。それぞれが残像を残して動けば、女神は動きについてこれないのか、手だけをヒュッと虚空に伸ばす。
「お腹空いてるなら……これでも食ってな!」
 少年めいた目付きと声音のレンが、別の自身に気を取られている女神へ、大振りな一撃を繰り出す。

 大きな月が照らす下、多喜は宇宙バイクに乗り込む。重力など無いかのように縦横無尽に駆け巡り、女神のすぐ近くまで近づいたかと思えば、すぐに真上へ。
 隙を与えないかのように、多喜の手からは雷の念動力が矢のように放たれる。
 哀以外の感情が無いかのような翡翠の眼が、機械の鳥をじっと見ていた。

 白い稲光がくるくると女神の周囲を巡る。灰は灰に、塵は塵へ。
「ashes to ashes,dust to dust,past to past...収束せよッ!」
「……!」
 痛みか、それとも人の身で雷……天の光を呼ぶことへの驚きか。
 多喜のユーベルコード【黄泉送る檻】が発動し、雷光が女神を苛む。

「…………。」
 肉持つ人の姿をしている部分の傷からも、黒い血を流す大鹿の女神。
 彼女の脚を包む緑の光へ、少しばかり身体が沈んだのは気のせいだろうか?

「女神よ、在るべき場所へ還るといい。と、いっても、簡単には帰って頂けなさそうだな。」
 キリカは、このUDC生物の撃破でなく、送還を考えていた。
 女神の足元、緑の光。今、微かに沈まなかっただろうか。あの光から出てきたのなら、もしかすると。
「行け!」
 イースターエッグを思わせる固定砲台、オーヴァル・レイが列をなす。
 女神を囲むように、光の矢を放ち彼女を穿つ。
 不完全とはいえ、女神と定義される生き物が相手。彼女が帰るまで、一瞬たりとも気は抜けない。

「……っ。…………!」
 翡翠色の目の、哀の感情がわずかに深くなる。
 彼女の白い骨から、ポタポタと黒い体液が流れ出す!

「あれはっ!皆さん、避けて下さいっ!」
 女神の行動を観察していたレン。彼女の叫びが、山に木霊した……

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ボアネル・ゼブダイ
不完全なままこの世界に顕現したか
とは言え神の一柱が相手だ、油断せずに行かなくてはな

闇夜の眷属で相手を攻撃
消化液の泥沼が発動したらその泥沼ごと切り裂き相手を攻撃する
あるいはジャンプをして私のコ・イ・ヌールで泥沼の範囲外から攻撃をしたり、刀身を叩き付けた衝撃波で吹き飛ばすのもいいかもしれんな
もしも付近に儀式の参加者達がいたら救助活動を行う
具体的には私の怪力で安全範囲まで運ぶことだが
なるべく怪我をしないように地形利用で草や木がクッションになるような場所へ投げ飛ばし、ご退場を願おうか
多少の怪我であれば後で治せる
倒すべきはオブリビオンだけでこの世界の住人ではないからな
【アドリブ・他参加者との絡み歓迎】




 大鹿の女神の身体からは黒い消化液が溢れ出し、猟兵達を呑み込み喰らおうとする。
 ボアネル・ゼブダイ(Livin' on a prayer・f07146)は、猛禽のように大きく跳び上がった……しかし、濁流が如き黒い流れの飛沫が、彼の腕を穿つ。

「っく!」
 ビリッとした痛みを感じ、消化液がかかった腕を押さえる。
 だが、人々の安寧に比べればこんな痛み、どうということはない。多少の怪我なら後で直せばいい。
「不完全とはいえ、やはり神たる所以があるのか。」
 この痛みをもたらした消化液。力なき人々が触れればどうなるかは、言うまでもなく。
 教団の若者たちはおろか無辜の人々まで食べてしまう女神だ。そのまま、野放しには出来ない。
 生まれながらに人の上に立つ者として、故郷と異なる世界と言えど、護るのは己の義務とも言える。

「古き血で繋がれた眷属達よ、混沌の扉を抜け、我の前に立つあの神を喰らい尽くせ!」
 目には目を、獣には獣を。彼の眷属、鋭き大牙の蝙蝠たち。彼らが、沼を成した消化液ごと地面を切り裂き、女神の身体を啄む。
 ギュンという音を立て、ボアネルの光剣『コ・イ・ヌール』が刀身を顕す。
「在るべき場所へ、ご退場願おう!」
 長く伸びた金剛の刃が、衝撃波となって女神の身体へ吸い込まれる。

 金属同士が打ち合うような硬質な音が響き、白い肋骨が黒い沼へ、ぽとりと落ちて溶ける。
 それと時を同じくして、女神の足元の仄かな緑の光が急に強くなった。

「…………ぁ。」
 女神と呼ばれた異形の女が、ズブズブと緑の光に沈んでゆく。
『ここは、食べて良い場所ではないのか。私は、ここに居てはいけないのか。』
 感情や思考の窺えなかった瞳に、突如としてそんな言葉が浮かんだようにも見える。
 全てを喰らおうとした女神が、逆に呑み込まれるかのように、光の中に消えてゆく。

 ある猟兵は、ふと空を見上げる。
 月は真ん丸に見えるが、既に満月の刻も過ぎて、仄かに欠けゆく時間。
 もしや、女神は元々、スーパームーンの時にしかこの世に出現できない神性だったのだろうか?
 彼女は言葉を持たないので、語る者も知る者もいない。
 教団の学生達も、怖気づいて皆逃げてしまった。

 何分もしないうちに女神も光も消え、儀式の場となった山の広場はすっかり只の荒れ地に。
 荘厳に使われた枯木も花も、生えていた雑草すら何も無い。いっそ、春になったら種でも撒けば良い花畑にでもなろうか。
 光が完全に消え、月も西の空へ傾いたのを確認し、猟兵達は帰路につく。

 後日、また同じことをしないようにと、幾人かの有志が教団の学生達に念押しに行った。
 しかし、彼ら彼女らは、その夜のことも、自分たちが女神を崇拝したカルト教団を主宰していたことも、全く覚えていないのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月01日
宿敵 『緑の王』 を撃破!


挿絵イラスト