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アポカリプス・ランページ⑥~風雲鋼鉄要塞

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●灰燼と帰すは火炎大王
「無敵! 最強! それがこのオレ!
 デスファイア!!」
 ロッキー山脈の奥深くに位置する、鋼鉄要塞デスファイア。
 その主、『火炎大王』デスファイア・ヴォーテックスは己の力をそう誇った。
 ……何故か、「!」ごとにポーズを決めているのは突っ込んではいけない。
「だが、だからこそ! オレは誰の挑戦でも受ける!
 勝てると思った最低の馬鹿野郎どもはテメエの愛車でかかってこい!」
 そう言うと、デスファイアは己の下半身を平手で叩く。
 響くのは肉の打ち合わさる音ではなく、鋼の冷たい響き。
 それもそのはず。本来あるはずの腰から下は、ハリネズミのように火器を積み込んだ異形の装甲車両に置き換わっていたのだ。
 ハリネズミの針のように生える機関銃、前面の単装砲、そしてミサイルランチャー。
 右手の火炎放射器も含め、全身兵器と言えるいでたちである。
 そして一度それが振るわれれば、敵も味方も、街も食料も、一切合財を焼き尽くすのだ。
 ヴォーテックス一族の狂気と暴力の具現。
 それこそが、デスファイア・ヴォーテックスである。

●で、その火炎大王と試合するんだって?
「要塞での最終戦と言えば戦車……なのかしら?」
 クリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)は首を傾げつつ向き直る。
「ともかく、次の相手は『火炎大王』デスファイア・ヴォーテックス。
 戦車に接続された下半身を持ち、無数の車載用火器に加えて名前の由来でもある火炎放射器をデタラメかつ縦横無尽に操り、敵対者を叩き潰してきた強敵よ。普通に戦えば、奴隷や手下を巻き込むことを一切ためらうことなくユーベルコードを振るってくるはず」
 真正面から挑むとなると、間違いなく鋼鉄要塞の中での決戦となる。その中で、周囲の状況を一切考慮することなく全力を振るうデスファイアと戦うのは、相応の覚悟と準備が必要となるだろう。
「でも、デスファイアにもひとつ大きなこだわりがあるわ。それがライディングバトル。
 戦車やバイクに乗って、相手を死ぬまで殴る闘技……闘技? らしいわ」
 一度ライディングバトルを挑まれれば、彼は男としてそれに応じる。
 そして、少人数である猟兵に合わせ、少数の精鋭のみを率いて真正面から戦うのだ。
 競技者としての最低限のスポーツマンシップなのかもしれないが、要塞を強行突破するより遥かにデスファイアの撃破が容易な機会を、彼ら自身が作ってくれるのだから、これを生かさない機会はない。
「というわけで、みんなにはライディングバトルでデスファイアを倒してきて欲しいの。
 ルールはふたつ。ひとつは、さっき言った『相手を死ぬまで殴る』こと。
 もうひとつは、『戦う時は乗り物に乗る』こと」
 この『乗り物』がポイントだ。
 この世界の常識で考えればバイクや戦車だが、そこは様々な世界から集う猟兵である。
 馬や虎、ドラゴンといった騎獣のたぐいや、海賊船や飛空艇といった艦船、宇宙バイクやキャバリアといったテクノロジーの結晶、その他諸々も持ち込めるはずだ。
「乗り物でさえあれば、デスファイアは何でも自分のプライドに賭けて通すはずよ。
 ただ、それは同時に『絶対に倒せる』って自信の表れでもあるわ。
 くれぐれも油断はしないようにね」


西野都
「よくぞ生き残った、我が精鋭たちよ!」
 いつもながらご無沙汰しております、西野都です。
 今回はアポカリプスヘルの戦争シナリオをお送りしたいと思います。

 以下、本シナリオの注意点となります。
 まず、戦争シナリオのため、1章のみでの完結となります。
 同様の理由で迅速な完結を目標とするため、お返しする可能性があることをご容赦ください。
 次に、プレイングボーナスについて。
 本シナリオでは『乗り物に乗って戦う』ことでプレイングボーナスがつきます。
 乗り物に搭乗してどう戦うかを、プレイングに盛り込んで頂ければと思います。
 これ以外のルールに関してはないも同然なので、気にせずバトルして頂いて大丈夫です。

 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『デスファイア・ヴォーテックス・ライド』

POW   :    デスファイア・ニトロクラッシュ
【ニトロの爆発力】によりレベル×100km/hで飛翔し、【自身の火力】×【速度】に比例した激突ダメージを与える。
SPD   :    デスファイア・スピードラン
【下半身の戦車】を操縦中、自身と[下半身の戦車]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。
WIZ   :    デスファイア・ノンブレーキ
自身が【速度を落とさず走り続けて】いる間、レベルm半径内の対象全てに【高熱の火炎】によるダメージか【心が燃えること】による治癒を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィーナ・ステラガーデン
無敵!最強!それはこの私!フィーナ・ステラガーデン!!(何故か、「!」ごとにポーズを決めているのは突っ込んではいけない。)

杖に乗って戦いに挑むとするわ!
横について戦車にヤクザキックしながら牽制しつつ
基本は避けることに専念するわ!なんか殴ってもちゃんと攻撃通らなそうだし勝負は一撃にかけるわよ!
相手がUCにて勝負に出たら、そこが私にとっても勝負時よ!
杖から飛び上がってぶつかってくる戦車部より若干上に上がって拳を振り上げて
相手顔面にカウンターの拳をお見舞いするわ!その時に私のUCを込めてぶっ飛ばすとするわ!その後お互いどうなろうがしったこっちゃないわ!
(アレンジアドリブ大歓迎!)



●魔女VS筋肉ダルマ、鋼鉄要塞空中決戦
「無敵! 最強! それがこのオレ!」
『火炎大王』デスファイアは、「!」ごとに気合を入れ、ポージングを決めた。装甲車両の上部、本来なら砲塔のあるであろう場所に鎮座した、岩のような肉体が言葉に応じて躍動する。
 腕が弓を引くように引き絞られ、指を閉じた剣指が天を指す。
 どこか滑稽な光景だが、それを指摘したが最後、ポーズが指向性のない暴力に変じて自らを完膚なきまでに滅ぼすことを知っている部下たちは、何も言わなかった。
 が。
「無敵! 最強! それがこの私!」
 デスファイアの前で、フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)がポージングを決めていた。筋肉が黒光りしているデスファイアに対し、フィーナの肢体は白く繊細だ。繊細だ。
 だが、ポーズだけは火炎大王のそれを完全にコピーしていた。
 無敵! 最強! それが!
「デスファイア!」
「フィーナ・ステラガーデン!」
 フィーナとデスファイアのポーズが奇跡的なシンクロを見せる。
 二人の引き絞った腕が天を貫き、背景で何かが爆発する幻視を二人は共有し、猟兵とオブリビオンという立場を越え、二人は分かりあった……気がした。
「いや、そうじゃねえ! 誰だお前!!」
 ようやく我に返ったデスファイアが、裏拳を振りかざして空を叩いた。
 対するフィーナは、腰に手を当てなだらかな胸を張る。
「言わなかった? フィーナ・ステラガーデンよ! ライディングバトルをしにきたわ!」
「いや、そうじゃねえだろ! ……ライディングバトル?」
「イエス、ライディングバトル。アイアム挑戦者!」
 程なくして、フィーナとデスファイアの試合が組まれたのだった。

「行くわよ火炎大王! 私がぶっ倒してあげるわ!」
「抜かせ! 叩き潰してせんべいにしてやる!」
 フィーナは空を裂いて繰り出される巨大な質量、デスファイアの拳をふわりとかわす。
 そのままバレルロールし、オブリビオンの上方へと舞い上がった。
 彼女の選んだ乗り物は、普段から携えている黒い杖だ。
 花のように広がった先端に据え付けられたルビーから、開放された魔力が噴出し、推進力に変換されることで、杖に乗ったフィーナを飛翔させている。
(と言いつつ、なんか殴ってもちゃんと攻撃通らなそうなのよね!)
 一瞬の判断で、魔力の奔流を下方へ偏向させる。
 先程までフィーナが飛行していた場所を、デスファイアの裏拳が空を裂いて通り過ぎた。
「あっぶなっ! 何すんのよ! 当たったら死ぬじゃない!」
「死ぬまで殴る闘技、ライディングバトルに参加しておいて何だその言い草は!
 いいだろう、ならば確実に潰してやる!」
 デスファイアの下半身、その後方から突き出る無数の排気筒が一斉に火を吹いたかと思うと、筋肉と鋼鉄に鎧われた巨体が重力を振り切り、空へと舞い上がった。
「オレのユーベルコードで潰れろおおおおっ!!」
 死の弾丸と化し、信じられないほどの加速力でフィーナに迫る。
「なら、私も一撃にかけるわよ!」
 フィーナも魔力の出力を上げ、流星のように加速した。互いの距離が急激に縮まる。
 そして激突する、そう思われた瞬間。
「何っ!?」
 フィーナは杖の上に立ち、拳を握りしめると、そのまま飛び上がった。
 杖に輝いていた魔力の奔流と同じ輝きが拳に宿り、それを眼前のデスファイアの顔面へと叩きつける……!
「馬鹿な、オレごと地面に落ちるつもりかっ……!」
「お互いっ、どうなろうがっ……しったこっちゃないわ!」
 叫びと同時に、フィーナは腕を振り抜いた。
 細腕を叩きつけられた巌のような顔面が拉げ、爆発する……!
「クソッ、クソォォォォッ……!」
 ユーベルコードの加速を断ち切られたデスファイアの巨体が、地面へと叩きつけられた。
「ざまあ、みろってのよ!」
 その光景を見届け、腕を振り抜いたフィーナは落下しながら満足そうに微笑んだ。
 その後を追って降下したフィーナの杖によって、彼女は事なきを得るのだが、それはまた別の話である。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミハイル・グレヴィッチ
ふん、余程手前の戦車で戦うコトに自信があるみてぇだな。面白ぇ。
そのプライドを粉々に打ち砕いてやるぜ。

XPT-11B<ストラーウス>に搭乗して挑む。こちとらあんまり足は速くねぇが、火力と装甲は折り紙付きだ。敵の後方から搭載火器の機関砲や対戦車ミサイルで攻撃してプレッシャーかけつつ追撃。いわば勢子役だな。
更に、UCで召喚したMi-24戦闘ヘリ部隊で上空から攻撃を加える。
地上車両のみで、馬鹿正直に攻撃仕掛けるとでも思ったか?いわゆる、コンバインド・アームズってヤツだ。戦術ってぇのは、如何にして相手の弱みを突くかが重要だ。手前の特異なフィールドに付き合うつもりはないぜ。

※アドリブ・他者との絡み歓迎




「ふん、余程手前の戦車で戦うコトに自信があるみてぇだな。面白ぇ」
 乗機のキューポラから身を乗り出し、ミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)は愉快そうに口角を上げた。砂漠の砂塵が渦を巻き、彼と乗機とすれ違っては後ろへ吹き抜けていく。
 乗機はXPT-11B<ストラーウス>。
 アポカリプスヘルに由来するマシンウォーカーの一機であり、通常は装甲対象が相手であっても遊撃もしくは随伴歩兵として振る舞うミハイルが、初めて運用する機甲戦力である。
 装輪装甲車を思わせる箱型の車体、その両横部には装甲化された二連装対戦車ミサイルランチャー、天板には砲塔化された連装機関砲。車体底部には単装機銃まで装備している。
 その車体を支えるのは、装甲化された逆関節の脚部。
 装甲車両に脚部など、UDCアースならば冗談としか思えない組み合わせだ。
 そもそも機械による二足歩行が実現していないし、仮に実現したとしても、歩行時の縦揺れが車両としての居住性を壊滅的なものにするはずだ。
 だが、それは当たり前のように戦場を疾駆している。
 それどころか、脚部に内蔵されたダンパーを中核とする衝撃中和システムによって、装甲兵員輸送車と変わらないレベルの居住性を実現していた。
 そう、これは異なる発想と技術によって実現した、完成された兵器なのだ。
「さあ、ストラーウスの初陣だ。そのプライドを粉々に打ち砕いて、こいつのキルマークにさせてもらうぜ」
 ポンと乗機の天板を叩くと、ミハイルはキューポラの底へと潜り込んだ。

「畜生、あの鈍足ダチョウめ、どこに行きやがった!」
 同じ頃、デスファイアの率いるレイダー部隊が巨岩の林立する岩砂漠を疾駆していた。
 戦車や装甲車、バイクなど思い思いのヴィークルを駆り一列縦隊で疾駆する彼らは、その機動性をもって戦場を支配する存在であった。敵を追うにせよ、火力を振るうにせよ、主導権は常に機動性で優位に立つ彼らにあったのだ。
 だが、その自信は隊列後部に起きた爆発と同時に揺らぐ。
 デスファイアは、思わず背後を振り返ると、爆発とともにバイクが宙に舞い、部下の車両の装甲が次々と穿たれていく光景が広がっていた。
「大変ですお頭! 後ろから攻撃を受けてます!」
「くそっ、あの鈍足でどうやって回り込んだ……反撃だ、反撃しろ!」
「ようやくこっちに気づきやがったか。だがこいつを相手にするには遅いぜ」
 周囲の岩を砕き、溶かす敵の反撃を前に、ミハイルは余裕の笑みを浮かべつつストラーウスを跳躍させた。
 巨岩の間を縫うように移動しながら巧みに敵の射線を切り、攻撃の切れ間を狙って機関砲や対戦車ミサイルを叩き込む。
 ミハイルのトリガーごとに、レイダーたちが次々と物言わぬ残骸と化していった。
「動け! 足を止めたらただの的になるぞ!」
「谷が狭くて思うように動けません! 集まった連中が多すぎます!」
 巨岩によって構成された谷間には悪路が多く、車両では進める場所が限られている。
 このため、そこにレイダーたちが集中することで、機動力が奪われていたのだ。
 対して、ミハイルのストラーウスは速度こそ劣るものの、踏破性能は優秀だ。
 車両ではひっくり返るような岩も踏みしめて移動する事ができるし、更に跳躍による三次元機動なども織り交ぜることで、ここでは大火力を行使するためのイニシアチブを握り続けることが可能であった。
 己の見通しの甘さを悟ったデスファイアは、ついに決断した。
「前だ、前に進め! 谷の外で決着をつけるぞ!」
 その一声をもって、彼らは再び一斉に反転した。
 砂塵とエンジンの唸りを上げながら、我先にと谷の出口へと殺到していく。
 谷の外に部隊を出せば、自身の強みである機動力を発揮できる。そうすれば、単騎のマシンウォーカーに優位性など存在せず、一方的に撃滅できるはずだ。
 それでも、ミハイルの余裕の笑みは揺らがなかった。
「甘いぜ。地上車両のみで、馬鹿正直に攻撃仕掛けるとでも思ったか?」
 その時、谷の出口へ無数の火線が殺到し、先頭を切って谷を抜けようとしたバイクの一群が爆炎に包まれた。
 破片が降り注ぎ、装甲に当たって無数の金属音を立てる。
 レイダーたちは見た。谷の出口の上空に、無数のヘリが滞空しているのを。
 ミハイルのユーベルコードで召喚された、旧東側諸国で主に運用されている大型戦闘ヘリ、Mi-24である。
 2つの球形キャノピーが縦に並ぶ威圧的な影が、レイダー部隊を見下ろしている。
 地上での戦闘に特化した彼らには、航空戦力を相手取る武装は乏しい。
 レイダーたちにはヘリに対する戦意はあれど、ミハイルが組んだコンバインド・アームズ(諸兵科連合部隊)には如何ともし難いのが実情であった。
「戦術ってぇのは、如何にして相手の弱みを突くかが重要だ。
 手前の特異なフィールドに付き合うつもりはないぜ……撃て!」
「くっそおおおおおおっ!!」
 こうして勝敗は決した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルパート・ブラックスミス
(真上を指差し)
地べただけのレースコースじゃ物足いだろう。
来い。空で決着をつけてやる。

愛機こと専用トライクに【騎乗】しUC【神・黒風鎧装】と青く燃える鉛の翼を展開し【空中戦】。
敵を【挑発】する為にも黄金魔剣を構え真っ向から超音速【空中機動】【ダッシュ】で【捨て身の一撃】。

このUCの【呪詛】は無意識からの行動、言い換えれば咄嗟の反応を封じる。
予め【誘導弾】として放っていた爆槍フェニックスでの死角からの【だまし討ち】、敵戦車のエンジン目掛けて【串刺し】【部位破壊】する。地上と違い下が丸見えなのだ、狙撃は容易。
失速し【体勢を崩す】一瞬を【見切り】黄金魔剣で敵を【切断】する!

爆ぜて消えろ、火炎大王。




「さあ次だ! 最後まで生き残ってみやがれ猟兵ども!」
 デスファイアは、戦場全体に胴間声を響かせた。
 右腕に取り付けられた火炎放射器を、威嚇するように振りかざして。
「言いたいことはそれだけか? 火炎大王」
 そこに現れたのは、黒金の甲冑――黒騎士の鎧のヤドリガミ、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)である。
 青いマントを翻し、関節から青い炎を発する甲冑は、デスファイアとは別種の炎。
 面頬から漏れる眼光は、火炎大王を貫くように輝いている。
「その大声からは、虚勢が見え見えだ。自分の王国の権威にしがみつく、な」
「……鉄屑が何を言ってやがる!」
 デスファイアの心が揺れる。
 彼の力はオブリビオンの中でも群を抜くものだ。
 だが、火炎大王としての地位と権威は、それによってのみ維持されている。
 要するに「他の誰より強い」ことのみが彼を王者として君臨させているのだ。
 それを誰よりも理解しているが故に、その危うさもまた理解していたのである。
「どう御託を並べようと、オレがお前を潰すのは変わらねえ! 行くぜ!」
 揺れる心を振り払うように、デスファイアは突進を仕掛けた。
「ならば我が剣、受けきれるか!」
 愛機である専用トライクに乗り、ルパートが戦場へと駆け出す。
 その背から青い炎を上げる鉛の翼が大きく広がると、トライクの青い車体は砂塵を離れ、空へと舞い上がった。
 ルパートが手を振ると、蒼炎の軌跡を描いて黄金魔剣がその手に現れる。
 ほぼ同時に、機体と鎧全体が同じように空に蒼の軌跡を描いた。
 急速な加速に伴う残像現象である。
「けっ、たかが超音速の加速ごときで、オレを倒せると思うなよ!」
 デスファイアも内燃機関でニトロを炸裂させ、巨体を浮揚。
 蒼い軌跡に対抗するかのように、赤い炎と黒い煙の軌跡を描いて上昇する。
「お前が真っ向から挑むなら、オレは真っ向から叩き潰すだけだ!」
 下半身の車体に搭載された、機銃や単装砲が一斉に火を吹き弾幕を展開、正面から突撃するルパートを包み込もうと殺到する。
 だが、それを鎧の炎から放たれた青い光が迎撃する。
 もし、超音速で移動するこれらを視認できる視力の持ち主であれば、それが鳥……夜鷹の姿をしていることが分かっただろう。
 羽撃く翼の一振りが弾幕と激突し、爆発で無数の光の花を咲かす。
 一瞬、互いの姿が覆い隠される。
 だが、ルパートもデスファイアもそれを意に介さない。蒼と赤の炎を突き破り、互いにぶつかるまで速度を上げ続ける。
「轢き潰されろぉぉぉぉぉぉっ!」
 航空力学を全く無視しユーベルコードの力で音速を突破したデスファイアは、その速度と己の重量でルパートを叩き潰そうとさらに速度を上げた。強大なオブリビオンであっても潰せるであろう、必殺の一撃である。
 だが、デスファイアの戦いには大きな落とし穴があった。
 それを声高に知らせるように、突如下半身のエンジン部から爆発音が響いた。
 デスファイアの巨体を浮揚させていた推進力が、急激に弱まっていく。
「何だとっ、何があった!?」
「我が槍でエンジンを貫いたのだ。地上と違って、下が丸見えなのだから」
 その一撃は、ルパートの武器『爆槍フェニックス』の一撃であった。
 まず、槍は夜鷹の姿で誘導弾としてデスファイアの弾幕を迎撃。
 その翼を爆煙に紛れさせ、デスファイアの死角である下方へと降下すると、槍の姿へと戻り、突進するデスファイアのエンジンを貫いたのだ。
「だがっ、なぜオレが真っ直ぐ進むと分かったっ! オレが戦闘機動をすることも考えられたはずだっ!」
 槍で貫かれうる状況なのは分かる。しかし、それは「デスファイアの未来位置が分かっている」ことが前提だ。それをどう奴は知ったというのか。
 それに対するルパートの答えは、デスファイアにとって残酷なものだった。
「火炎大王、貴殿の虚栄心を考えれば、正面突撃以外の手は考えられない。自分を叩き潰さねば権威を取り戻せぬと信じるだろうから」
 更に、彼のユーベルコード【神・黒風鎧装】が放つ呪詛により、デスファイアは咄嗟の反応を封じられていた。
 前に突き進むしか考えられぬ状況を作られ、回避を封じられ。
 全ては、ルパートによって誘導された結果だったのだ。
 そして、最後までも。
「爆ぜて消えろ、火炎大王」
 振るわれる黄金魔剣の一閃によって、デスファイアは火球に包まれるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サリー・オーガスティン
■SPD
ここは真っ向勝負でいこう!
頼むよ、ボクの「脚」、ジェイク!
(燃料タンクをポンポン、と叩きながら)
火炎と装甲では負けても、ボクとジェイクは速さでは負ける気は一切しないよ!
(と、デスファイヤに宣戦布告)

[操縦、追跡、騎乗、地形の利用、ダッシュ、落ち着き]からのライディングを決めて、アームドフォートからの攻撃に[一斉発射、スナイパー、誘導弾、2回攻撃、零距離射撃]で一撃離脱を繰り返す!

本当なら足回りを狙って、足止めさせてから叩くのが正しいんだろうけども、それじゃ真っ正面から戦い挑んでくるデスファイヤに申し訳が立たないからね。

※アドリブ・連携共歓迎




「なるほど、次はバイクか! いいだろう、来やがれ!
 だが、誰でもオレの火炎と装甲で蹴散らすだけだがな!」
 敗北を経てなお意気軒昂に、デスファイアは次なる敵手へと叫んだ。
 その声を受けながら、サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)はUDCアース式の外装を施された宇宙バイク『ジェイク』にまたがっていた。
 騎兵が愛馬を労るように、彼は愛車へと声をかける。
「頼むよ、ボクの「脚」、ジェイク!」
 そう言うと、サリーは燃料タンクをぽんぽんと叩き、グリップを握る。
 応えるように単気筒のマフラーが唸りを上げ、熱を帯びた呼気を吐き出し……人機の呼吸が重なり、ひとつとなった。
 その高揚とともに、サリーはその戦意を言葉にした。
「火炎と装甲では負けても、ボクとジェイクは速さでは負ける気は一切しないよ!」
 鋼のエンジンが低く唸りを上げ、ヘッドライトが射抜くように光を放つ。
「このオレ相手にいい度胸だ! その度胸だけは買ってやる!」
 何本もの排気筒が炎を上げ、殺意のままに黒煙を撒き散らす。
 そして、サリーとデスファイアは同時にアクセルを踏み込んだ。

「ここは真っ向勝負でいこう!」
 サリーの義手に装備されたアームドフォートが発射炎と弾丸を吐き出した。狙いのまま、空を切ってデスファイアに襲いかかる。
「いい狙いしてやがる! だがオレをパワーだけのオブリビオンと思うなよ!」
 デスファイアが更にスピードを上げた。左右の履帯の回転速度を変えながらジグザグ走行し、アームドフォートの攻撃を回避していく。
 3発目を回避すると同時に、デスファイアは車体そのものを回転させ、全周に装備された機銃から一斉に銃弾を吐き出した。
 それは僅かに残った枯れ木を砕き、巨岩に弾痕を穿つ。
 その一切合財を破壊せんとする弾雨の中へ、サリーは躊躇なく飛び込んだ。
「だからこそさ!」
 冷静にグリップを回し、ブレーキペダルを細かく操作する。
 指示に応えた鉄馬は、スピードを上げて巨岩の影に入り、テールライトを振り回して旋回し、その影に銃弾を触れさせることさえしない。
 針の穴を通すような精密な操車。
 それは愛車ジェイクの癖や呼吸を知り尽くした者だけがなしうる戦闘機動である。
「馬鹿な、この弾幕を抜けてオレに突っ込んできただと!?」
 デスファイアは、命知らずとも思えるサリーの行動に驚いた。
 彼の攻撃は、その全てがバイクどころか戦車すらも一撃で破壊する。
 ユーベルコードの加護もあるが、与えられた火力を効果的に運用する技量も優れている。彼自身の言った通り、パワーのみを振るう戦士ではないのだ。
 だが、サリーはそれを全て理解した上で、デスファイアに肉薄しようとしている。
 そして。
「速さで負ける気は一切しないって言っただろう?」
 至近距離でアームドフォートの砲撃を叩き込んだ。装備された機銃のいくつかが爆散、その爆炎が上がるより先に、再びテールライトはデスファイアから離れていく。
 それを2度、3度、4度。
 繰り返すうちに、デスファイアの車体の傷は加速度的に増えていった。
「クソッ、このオレが攻撃を当てられない……!?」
 本来なら、足回りを狙って足止めしてから叩くのが常道のはずだ。そういう手合ならデスファイアも慣れている。対処の方法はいくつも思いつく。
 だが、恐れ知らずに突っ込んでくる相手に対しては、存外慣れていなかったのだ。
 その戸惑いのまま、デスファイアは叫ぶ。
「なぜだ、なぜこんな戦い方ができる……!」
 同時に車体から爆発が起き、デスファイアの身体が爆炎に包まれた。
 離脱したサリーはそれを見届けると、鋭いブレーキ音を立て停車。
「だって、それじゃ真っ正面から戦い挑んでくる君に申し訳が立たないからね」
 その答えを聞く者がないと知りながら、デスファイアの問いに答えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
※アドリブ絡み連携歓迎
※『ナインス・ライン』搭乗

目指せ風雲デスファイア城♪…あ、一つ確認
「相棒」なら何でもアリなんだね?
OK、じゃ遠慮なく♡

DA41号【ファルコン】展開、流線型宇宙往還機へ変形
更に『マトリクス・メモリ』で「慣性の発生源」形成
全身強化&電脳制御で耐えつつ移動力上限で飛翔
補機『アダマンタイト』も全力全開

んで高高度から耐熱バリアと共に超音速降下
大気圏突入用防壁は炎じゃ抜けないし
ドレもコレも【殲禍炎剣】に比べりゃ遅いよっ

『トリトン』の冷凍弾で足止めしてビーム&パルス弾幕共々特攻
モヒカン共を纏めて薙ぎ払ったら慣性制御で180度回頭
宙に跳ね上げたデスファイアを「二度轢き」さ
ヒャッハァーッ♪




「目指せ風雲デスファイア城♪ 目指せ風雲デスファイア城♪」
 突如、全帯域の通信回線を専有して響いた調子外れな鼻歌。
 幼いようにも年経たようにも聞こえる謎めいた声色と、どう聞いても場違いかつ脳天気なメロディに通信を開いていた全レイダーが困惑する中、空の彼方が刹那の間だけ煌いたと思うと、文字通り空を裂く甲高い唸り声とともに、戦場に巨大な金属の塊が突入した。
 人型のそれは、膝をついた態勢から立ち上がり、青い一体型カメラアイでレイダーたちを睥睨し威圧する。デスファイアも口を開かない。
 重々しい沈黙の中、それ……量産型キャバリア【MPC-RW9r-LEX ナインス・ライン】の装甲化ハッチを開いて現れたのは。
「はあい、呼ばれてないけど即登場、リリー先生だよ♪」
 リーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)はまるで遊園地の着ぐるみに対するかのように、レイダーたちに対して手を振るのだった。

「ああ、アンタがデスファイアだっけ。ライディングバトルの……」
「それで戦うってんだろ? 何でもいいから、さっさとかかってきやがれ!」
 どこか投げやりな口調で、あっさりキャバリアでの参戦を許可したデスファイア。
(まあ、話が早くていいけど、今までどんな相手と戦ってきたんだろうね?)
 一瞬、デスファイアの戦いの軌跡が気になるも……今まで出会い、あるいは話に聞いた猟兵のカオスすぎる顔ぶれが脳裏によぎり、それについては考えることをやめた。
 だが、ひとつだけと、リーゼロッテは振り向く。
「……あ、一つ確認」
「いいだろう、言ってみろ!」
 腕を組みながら頷くデスファイアと、その後ろでどんな確認か戦々恐々とするレイダー。 悪事の報いとは言え、リーゼロッテが考えることをやめた事柄と正面から向き合ってきたレイダーの顔色は、一様に悪かった。
 だが、彼女の言葉は呆気ないものであった。
「『相棒』なら何でもアリなんだね?」

「OK、じゃ遠慮なく」
 戦闘開始と同時に、キャバリアの装甲が一斉に変形を開始。
 手足を挟み込んで収納し、側面のスリットからは大型の主翼が展開。開くと同時に翼端が立ち上がりウィングレットを形成、更に後方へ主機直結のバーニアや補機が移動。
 僅かな変形時間の後。
 完成したのは、大気圏再突入をも想定された流線型の宇宙往還機であった。
 読者の方には、「スペースシャトル」と書けば頷かれる方もいるかもしれない。
 一斉にバーニアが炎を吹き、補機【アダマンタイト】が天使核に由来する特殊粒子を噴出。その推進力がキャバリアを一気に空へと加速させた。
 愛機のコクピットの中で、リーゼロッテは白衣のポケットから取り出した金色の端子のメモリをコンソールへと差し込む。
『マトリクス・メモリ! Inertia!』
 カクリヨファンタズムの新し親分から授かった『メモリ』が声を発した。
 秘められた『発生源』の能力による慣性を上乗せし、更に機体は加速。
『耐G機能レッドゾーン』
 加速度に悲鳴を上げる機体の警告を無視し、ついに第一宇宙速度を突破、悠々と殲禍炎剣なき世界の高高度空域へ到達する。
 無論、地上のレイダーやデスファイアには、それを止める手段はない。
「んじゃ、イッちゃえ。音の彼方までさっ!」
 天頂方向へ向けていた機首を、機体各所の姿勢制御用スラスターの推進力で反転。
 全推進力を地表へと向け、降下を開始した。
 機体が大気との摩擦で赤熱して光を放ち、文字通りの流星となる。
 機首から耐熱バリアを展開し、実際以上に大きく見えるそれが地表の一点……自分たちの頭上へ墜ちようとしていることに、デスファイアはすぐに気づいた。
「相棒は何でもありと言ったがよ、本当に何でもありかっ!
 仕方ねえ、撃て撃て、撃ち落とせ! オレもやる!」
 上空のナインス・ラインへ、無数の火線が殺到した。
 対空戦車の機銃に散弾を放つ対空砲をはじめ、果ては無駄だと分かりつつも戦車砲や対人火器に至るまで。
 デスファイアの火炎放射も放たれた。
 こちらはユーベルコードの加護で、物理的にありえない直線をもって空を裂く。
 だが。
「ドレもコレも【殲禍炎剣】に比べりゃ遅いよっ」
 リーゼロッテは止まらない。耐熱バリアが放射された火炎を吹き散らし、機銃弾を虚空に跳ね返して地表への直線コースを取る。
 背部に懸架されたランチャーから再突入用の外殻が爆砕ボルトによって後方に吹き飛び、極低温励起弾『トリトン』が放たれた。
 AIによって制御された弾頭は複雑な航跡を描きながら弾幕を縫い、地上へ到達。
「クルマの中に、氷が入ってっ……!?」
 着弾点周囲のレイダーたちを片端から氷漬けにしていく。
「ビームライフル、パルスキャノン全門斉射!なぎ払うよっ」
 更に、身動きの取れなくなったレイダーたちを荷電粒子と速射レーザーの雨で掃射、秒単位で鉄屑と沈黙を量産した。敵の数が一気に減少する。
 残ったデスファイアと側近は、持てるだけの火器を一斉に近距離で放った。
 至近距離なら威力減衰なく装甲が抜けると考えてのことだ。
 だが、リーゼロッテの行動は、彼らの予想の大きく斜め上を行っていた。
「な、なんだあのでたらめな動きは!?」
 地表に最接近したキャバリアが『機首を上げて浮上した』のだ。
 緻密な慣性制御の賜物は巨大な質量の槍に変じ、そのままデスファイアの鳩尾へと突き刺さった。そのまま宙へと持ち上げていく。
「ば、バカなぁぁぁぁぁっ!?」
「これが『二度轢き』さ、ヒャッハァーッ♪」
 再上昇するキャバリアの機首でオブリビオンが大爆発。
 勝利の光が鋼鉄要塞を照らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月16日


挿絵イラスト