アポカリプス・ランページ⑥〜ライダーズ・デッドヒート
「みんな、ロッキー山脈への道が繋がっているぞ!」
グリモアベースにて。パンダ型ロボの猟兵ルンバが拡声器を手に持って叫んでいた。つ昨日、戦乱の地アポカリプスヘルを支配するヴォーテックス一族の一人、火炎大王「デスファイア・ヴォーテックス」が本拠地を構える、ロッキー山脈へと道が繋がったというのだ。
「奴の名はデスファイア・ヴォーテックス。オブリビオン・フォーミュラであるデスファイアは並外れて強力なオブリビオンだが、己の強さに絶対の自信を持つがゆえに、付け入る隙がある。こちらが『ライディング・バトル』を挑めば、必ずそれに応じ、要塞からノコノコ出てくるはずだ」
ライディング・バトルとは、ざっくりに言うと乗り物に乗って死ぬまで殴り合う、アポカリプスヘルでは比較的有名な決闘スタイルだ。
それはいわゆる『レース』のようなお上品な競争ではない。互いにビーグルを激突させて相手を突き落とそうとしたり、轢き殺そうとしたり、機体はそのままパイロットには死んでもらったり、といった、どちらかといえば戦車やキャバリアでの戦闘に近い野蛮な殺し合いである。
火炎大王デスファイア・ヴォーテックスは自身の本拠地である鋼鉄要塞の奥深くで猟兵を待ち構えているのだが、こちらがライディング・バトルを挑めば、地の理を捨てて決闘に応じるのだという。
「車はもちろん、飛行機でもペガサスでも何でもいい。最悪猟兵のおんぶでも。とにかく乗り物にさえ乗っていれば、ライディング・バトルは成立する。何か乗り物を持っている者は積極的にライディング・バトルを狙うといいだろう。奴自身も下半身が戦車と一体化して高い機動力と攻撃力を備えている。生身で対抗するには少々きつい相手だ」
戦車はキャタピラのせいか何となく遅いイメージがあるが、実際には70キロ近い最高速が出る。オブリビオン・フォーミュラの戦車であれば、それを遥かに凌駕する速度も出せるだろう。さらに、ユーベルコードを利用すれば飛翔することすら可能のようだ。
「戦場はロッキー山脈だ。人里ではないので思いっきりやってもらって構わない。準備が出来た者から転移を始める。ヴォーテックス一族を駆逐しなければ、アポカリプスヘルの荒野に平和はこない。どうかよろしく頼んだぞ」
大熊猫
こんにちは。大熊猫です。同じシナリオフレームで一本出してたんですが、夜に出て次の日の朝にはもう締め切っちゃってたので、おかわりを出してみました。内容は殆ど前と同じです。
決闘なので基本的には一対一で戦う描写になります。合わせプレイングの場合はデスファイアは自らの腹心の部下を僚機として加え、チーム戦の描写となります。
戦場は山岳地帯に建造されたトゲトゲだらけの要塞、鋼鉄要塞デスファイアとなりますが、猟兵達はライディング・バトルを挑むことで、デスファイアを山岳地帯まで引きずり出すことができます。ライディング・バトルを挑まない場合はデスファイア・ヴォーテックスは部下と罠が大量にいる要塞の中に引っ込んでしまう為、判定はめちゃ厳しくなります。
プレイングボーナス……乗り物に乗って戦う。
※猟兵が「これは乗り物だ」と主張すれば何でも乗り物扱いです。プレイングの方向性は真剣勝負でもトンチキでも構いません。
●文字数省略用記号
アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆★と同じ)、ソロ描写希望→▲。
●合わせプレイングについて
グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。
受付:オープニング公開開始から受付を開始します。
ちょうどいいぐらいの数のプレイングを頂けた場合、金曜日の朝ぐらいに完結予定です。締め切りは最速でも木曜日の朝8時です。よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『デスファイア・ヴォーテックス・ライド』
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POW : デスファイア・ニトロクラッシュ
【ニトロの爆発力】によりレベル×100km/hで飛翔し、【自身の火力】×【速度】に比例した激突ダメージを与える。
SPD : デスファイア・スピードラン
【下半身の戦車】を操縦中、自身と[下半身の戦車]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。
WIZ : デスファイア・ノンブレーキ
自身が【速度を落とさず走り続けて】いる間、レベルm半径内の対象全てに【高熱の火炎】によるダメージか【心が燃えること】による治癒を与え続ける。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レナータ・バルダーヌ
乗り物があれば正々堂々戦ってくださるらしいですよ。
一緒に頑張りましょう、モーさん!
というわけで、相棒のモーさんと牛車で参戦します。
モーさんはごく普通の……いえ、共に依頼を潜り抜けてきたちょっと強い牛さんです。
まずはモーさんと牛車をサイキック【オーラで護り】、わたしは荷台に隠れて敵から逃げ回ります。
と見せかけて地面をまだらに耕せば、敵の戦車は足を取られないまでも、一定の速度を維持するのは難しくなると思います。
敵の火炎を止めることができたら接近戦です。
わたしは殴られても【痛みに耐える】のには自信があるので、ディフェンスを務めましょう。
隙を見せたら最後、モーさん渾身の角の【カウンター】は痛いですよ!
●戦車(チャリオット)VS戦車(タンク)
ゴトゴト……ゴトゴト。ロッキー山脈に力強い車輪の音が鳴り響く。鋼鉄要塞デスファイアに姿を現した猟兵の名は、レナータ・バルダーヌ。彼女が乗っている乗り物はなんと、開墾用の牛車であった。
「デスファイア・ヴォーテックス! この『アルタイル・チャリオッツ』であなたに正々堂々、ライディング・バトルを申し込みます!」
「モ~……!」
鋼鉄要塞の正面に立ち、堂々と宣戦布告をするレナータ。相棒のモーさんもトレードマークのドレッドヘアをゆっさゆっさと揺らしながら、後ろ脚を蹴って今か今かと主の声がかかるのを待っている。
「なめられたもんだな! そんな、ハリボテみてえなチャチなビーグルでオレとライディング・バトルをしようってのか!? 一瞬で捻りつぶしてやらァ!」
要塞の城壁から飛び降り、ズシン、と音を立ててレナータからすぐ近くに着地したデスファイアは、己の怒りを現すかのように、両腕から空に向かって火炎を噴き上げた。
「決闘合意と判断します! いざ、勝負です! デスファイア!」
今ここに、チャリオットVSタンクという、新旧戦車のライディング・バトルが始まった!
「オラァ! これで仕舞だ!」
ドンドンドン!
先制攻撃を仕掛けたのは、デスファイアの方だ。車体を横に向け、最高速度でスライド移動しながら主砲を三連射。マッハで飛来する砲弾が、レナータとモーさんを襲う。
「モーさん、回避です!」
「モ~!」
レナータは姿勢を低くし、荷台に伏せると、サイキック・オーラでモーさんを包み込んだ。
モーさんは力強く一声嘶くと、猛ダッシュで砲弾の直撃を回避。爆風と砲弾の破片にはオーラの鎧でなんとか耐えた。
「小癪な! ならこいつを食らえ!」
デスファイアは下半身の戦車のエンジンを全開にすると、ユーベルコード『デスファイア・ノンブレーキ』を発動した。一瞬にして、周囲が半径100メートル以上に渡って高熱に包まれる。哀れモーさんは、美味しい牛の丸焼きになってしまうかと思われたが……。
「モーさん、あなたは強い牛さんです! がんばって!」
「モ~!」
サウナのような熱量に耐え、レナータとモーさんは右に左に、戦場を爆走する。すると、牛車後部の車馬鍬がどんどん辺りをまだらに耕し、辺りの土は俄かに凸凹し始めた。そしてついに、柔らかくなった土を思い切り踏み込んだデスファイアの足元は陥没し、彼の動きが止まった。その瞬間、ユーベルコードも効果を失い、辺りを包んでいた超高熱も消えた。
「今ですっ!」
勝負に出たレナータは、モーさんと共に突進した!
「しゃらくせえ! 叩きつぶしてやる!」
モーさんの突進を返り討ちにせんと、デスファイアは拳を振り上げた。爆炎と共に、デスファイアの剛腕がモーさんの額へと放たれる!
「させませんっ!」
「何ッ!?」
デスファイアの拳がモーさんに命中する瞬間、両腕を十字にクロスさせたレナータが荷台から飛び出し、デスファイアの攻撃をモーさんの代わりに受け止めた。両腕の骨にヒビが入ったレナータは、ゴロゴロと地面に転がっていく。だが、モーさんはノーダメージだ。
「しまった……!」
飼い主が作ってくれた最大の好機に、モーさんの目に闘志が灯る。
「モ~!」
「ぐあああああっ!!」
モーさんの渾身のカウンターが炸裂! 牛角に顎をカチ上げられたデスファイアは、要塞の壁まで吹き飛ばされたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
◎
乗り物勝負ですか。
何でも良いとのことだったので、この空飛ぶマジカルボード『アキレウス』いかせてもらいます。
強力な相手だけにぶつかり合いだけはごめんです。近づいてきたら、【空中機動】で逃げる、【第六感】で避けるようにします。
逃げ回っていては勝負になりませんから反撃を。
ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
ヨーヨーをデスファイアに絡めたところでUC【獅子剛力】を発動。
デスファイアを大車輪に引き釣り回したところで、地面に頭からダイブしてもらいます。
地面に大きなクレーターができそうですね。
●マジカル・パイルドライバー!
「クソ、あの女……! 今度会ったらただじゃおかねえ!」
緒戦から思わぬダメージを受けたデスファイアは怒っていた。脳震盪からは回復したが、顎の骨にはまだヒビが入っているだろう。桁外れの力を持つオブリビオン・フォーミュラとはいえ、ユーベルコードで受けたダメージはすぐには回復しない。
「乗り物勝負ですか。何でも良いとのことだったので、この空飛ぶマジカルボード『アキレウス』でいかせてもらいます」
デスファイアへの第二の挑戦者に名乗りを上げたのは、黒木・摩那だった。彼女が選んだスノーボードの様な形のビーグル『マジカルボード』は、その名が示す通り、不思議な力で空に浮かぶボードである。
「ハッ! 今度の相手はペラペラの板か! いいぜ、オレに挑んだことをその体にたっぷりと後悔させてやる!」
デスファイアは摩那の挑戦を快諾。かくして、ライディング・バトル第二戦の戦いの火蓋が切って落とされた!
「行くぞ、オラァ! 先手必勝だ!」
デスファイアはいきなり内燃機関のニトロを爆発させ、超音速で摩那へと突進した。短期決戦で勝負を決めるつもりらしい。
「強力な相手だけにぶつかり合いだけはごめんです」
デスファイアの突進を予期していた摩那は、すんでのところで空中へとエスケイプした。かなりの巨漢である上、下半身が戦車になっているデスファイアとは、パワー勝負では明らかに分が悪い。しばらくは回避に徹し、隙を見て反撃するつもりだ。
「オラオラァ! 逃げてばかりじゃオレの首は獲れねえぞ!」
摩耶を追って空へと飛びあがったデスファイアは、ドカンドカンと主砲をぶっ放し、火炎を噴き出して摩那を追い立てる。だが、カンの鋭い摩那はなんとかデスファイアの攻撃を躱しつづけ、チャンスを伺い続けた。
カチカチ。
「チッ! 弾切れか!」
逃げ回ること数十分。ついにデスファイアの火炎放射の燃料が切れた。とはいえ、デスファイアはオブリビオンだ。一秒もあれば燃料の補充は完了する。だが、その一秒は、摩那が戦局をひっくり返すには十分な間であった。
「今です! 喰らいなさい、エクリプス!」
「なんだ!? ヨーヨーだとぉ!?」
懐からヨーヨーを取り出した摩那は、ぶうんと水平に両腕を振り、二個のヨーヨーをデスファイアへとぶつけた。ぎゅるんぎゅるんと一瞬でデスファイアの全身に巻き付いたエクリプスは、デスファイアの体を雁字搦めに拘束した。
「こんなもの、すぐに引きちぎって……!」
「偃月招雷(エペ・ド・エクラ)!」
「ガアア!?」
突然、強い電流に襲われたデスファイアの全身が一瞬硬直する。謎金属ヨーヨー、エクリプスのストリング部分は金属ワイヤーで出来ている。その為、ワイヤー伝いに電流を流すことも可能なのだ。畳みかけるように、摩那はジョーカーを切った。
「接地、反転。アンカー作動……力場解放! 『獅子剛力』(ラ・フォルス)!」
ギュルギュルギュルギュル!
遠心力をたっぷりと付け、デスファイアを大車輪状にぐるぐる振り回しながら雲の上まで上昇した摩那は、地上に向かって勢いよく、デスファイアを投げ飛ばした。
「ぐああああ――!」
頭から真っ逆さまにダイブしたデスファイアは、スクリュー回転しながら大地へと急降下していった。美しいロッキー山脈の風景を見下ろしながら、摩那は呟く。
「地面に大きなクレーターができそうですね」
成功
🔵🔵🔴
四王天・燦
◎
背中に『亜歩狩伏経流総長 アタシの前を走る奴はいねえ!』と挑発的に書いておくぜ
炎が大好きだ
漆式で紅狐様を召喚して騎乗する
さあ来い!
カーブや崖を飛び越える等の足回りで四足走行のアドバンテージを活かすよ
接近時に神鳴で斬ったり時限爆弾カウントダウンを投げては爆撃で攻撃だ
密かにデスファイアの炎を神鳴で武器受けて刀身を熱する
更にアタシの妖力・紅狐様の炎も付与して武器改造
山火事になりゃあスカウトレンズで目を護り、炎に紛れてヒット&アウェイで強襲する
苛立たせて勝負を賭けるぜ
妖力全開で限界突破の火炎属性攻撃を刀身に込め、カウンターで戦車ごと一刀鎔断!
あの世で会ったらまたやろーぜ♪
やべ、天候操作で火事を消すぞ
●仏血義理最強伝説
ボボボボボボ……。突如として、鋼鉄要塞の正面に、紅蓮に彩られた巨大な鳥居が現れた。
「な、なんだ!?」
「落ち着け、野郎共。イェーガーに決まってるだろ」
包帯を巻いたデスファイアは、慌てふためく手下達を一喝すると、注意深く鳥居を見つけた。何かがここに出現しようとしている……。自分にライディング・バトルを挑めるほどの強さを持った何かが。デスファイアは何故かそう直感した。
ゴオオオオオッ!
逆巻く炎の渦と共に、白い特攻服を羽織った人影が姿を現した。車程の大きさがあるかという巨大な狐に跨って鳥居から出現したのは、四王天・燦だ。御丁寧にも、背中には『亜歩狩伏経流総長 アタシの前を走る奴はいねえ!』と刺繍されている。
「あぽかりぷすへるそうちょう……だと……!? このヴォーテックス一族最強(自称)のこのオレやオヤジを差し置いて総長たあ、ずいぶん生意気な女だな! 名乗りな!」
「四王天・燦だ! 炎が大好きだ。さあ来い! デスファイア・ヴォーテックス!」
「受けて立つ! てめえら、手ェ出すなよ!」
部下にそう釘を刺すと、デスファイアは要塞の正門を飛び降り、燦の隣に着地した。
「さすが紅狐様、いい走りだぜ!」
「コーン!」
燦と紅狐はロッキー山脈を凄まじい速度で駆け回っていた。四足歩行である獣の利点を生かし、悪路を走破し、カーブを鋭く曲がり、崖を飛び越えて走るその姿は、まるで意志ある火の玉だ。
「ガッハッハ! オレに挑むだけのことはあるようだな! だが、そんな上品な走りでこのオレに勝てると思うな!」
対するデスファイアは木々や岩との激突など意にも介さない強引で力強い走りを見せていた。カーブでも減速しようとせず、そのまま強引にコーナーに突っ込む。しかし、何かの力で守られているのか、岩肌に激突しても全くスピードを落とさないまま、燦達についてきていた。
「うりゃ!」
接近時に燦は刀で上半身を斬りつけるが、手応えはなかった。さらに離れ際に時限爆弾も投げつけて爆風を浴びせてみたが、それも効果がなかった。
「そらぁ! お返しだ!」
ドンッ! ドンッ!
燦の真後ろから、デスファイアは、下半身の戦車で砲撃を仕掛けてきた。炸裂した砲弾から火炎が撒き散らされ、紅狐様の体が揺れる。周辺の環境などお構いなしに仕掛けてくるので、いつの間にかロッキー山脈は山火事になり、辺りは凄まじい熱気を帯び始めた。
「そろそろいいかな」
いつの間にか、燦の手にした刀の刃が赤熱化していた。この刀こそは雷神に鍛えられし一刀『神鳴』。神鳴は、デスファイアが撒き散らす爆炎を密かに刀身に吸収し続けていたのだ。
「更にアタシの妖力・紅狐様の炎も追加だ! 行くぜッ!」
燦はデスファイアが起こした山火事を利用し、炎と煙に紛れて奇襲を仕掛けた!
「何ッ!?」
「はあああッ!」
燦は全力の妖力を籠めた紅の一刀が、音速を超える速さでデスファイアの胸を通過した。
「が……はぁ!」
胸を一文字に切り裂かれたデスファイアは上半身と下半身を溶断され、真っ二つになったまま、谷底へと真っ逆さまに落ちていった。
「あの世で会ったらまたやろーぜ♪ やべ、天候操作で火事を消すぞ! ロッキー山脈がハゲ山になっちまう!」
小さくなっていくデスファイアを見送った燦は、慌てて雨雲を呼び、山火事の鎮火に努めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
●幕間
「ハア……ハア……オレがサイボーグじゃなきゃ、アウトだったぜ」
命からがら要塞に帰還したデスファイアは荒い息を吐いた。胴斬りにされたデスファイアだったが、強靭な生命力をもの言わせ、なんとか上半身と下半身をくっつけることに成功したのだ。
「クソ、クソクソ! なんでオレがあんな連中に! 認めねえ! 認めねえぞ!」
敗戦の屈辱が頭の中をリフレインしたデスファイアは炎を撒き散らし、次の挑戦者が現れるのを待っていた。
鍋島・小百合子
SPD重視
◎
彼奴の乗り物が早いか、わらわの駆る駿馬が勝るか
いざ勝負!
「肥前が女武者・鍋島小百合子!馬上よりお相手いたす!」
UC「鎧装馬騎乗」発動にて鎧軍馬を召喚し騎乗
敵将に乗り物の早駆けによる一騎討ちを申し込む
騎乗戦闘では馬の小回りを活かしつつ執拗に繰り出される妨害を避けては長弓に矢を番いての流鏑馬で敵戦車を射抜いていく(視力、スナイパー、部位破壊、鎧無視攻撃、遊撃併用)
彼奴の走行速度を落とすぐらいには矢を何本でも弾幕にして射てくれる
卑怯には卑怯で返すのが貴様達の流儀なればわらわも従うまでぞ
それにこれは競争でもないのであろう?
ならば早いもの勝ちは譲ってしんぜよう
戦車は廃車にするおまけをつけての
●女武者の挑戦
「肥前が女武者・鍋島小百合子! 馬上よりお相手いたす! わらわと早駆けにて勝負せよ!」
鎧軍馬に跨り、デスファイアに挑戦状を叩きつけたのは、鍋島・小百合子である。その姿、正に威風堂々。敵将を討ち取りにきた女将軍そのものであった。
(彼奴の乗り物が早いか、わらわの駆る駿馬が勝るか、いざ勝負!)
相手はこのアポカリプスヘルの大地を荒野へと変えた悪の元凶、ヴォーテックス一族の一人。小百合子の内では、義憤の炎がめらめらと燃えていた。
「またジャパニーズか……気の強い女は嫌いじゃねえぜ。その馬で戦車相手にどこまでやれるか、見せてもらおうじゃねえか」
デスファイアは小百合子の挑戦を快諾し、二人は要塞に背を向けて並んだ。
「行くぜッ!」
「参る!」
キャリキャリというキャタピラの駆動音と、パカラ、パカラという馬の蹄の音がロッキー山脈に鳴り響く。
「オラオラオラァ!」
「破ッ! とう! 甘いわ!」
小百合子はデスファイアが放った砲弾や火炎放射を、馬の機動力を活かして躱し切った。戦車は強力な兵器だが、小回りが利かない。小百合子はそこを突き、デスファイアの死角へ死角へと回り込むように立ち回った。さらに小百合子はお返しとばかりに矢をデスファイアの上半身目掛けて射かける。砲門や火炎放射器など、敵の武器を狙って矢を射かけ、少しずつ敵の戦力を削ぎ落していったのだが――。
(こやつ、どれだけ武器を全身に仕込んでいるのやら)
小百合子が幾ら武装を壊しても、すぐに新しい武器が生えてきて反撃してくる。それぞれのユーベルコードで己の戦闘力を強化した二人は、山岳地帯を併走しながら、激しく撃ち合った。しかし決着はなかなか着かず、ついに二人の目前に鋼鉄要塞が見えた。コースを一周し、スタート地点へと戻ってきたのだ。
「そろそろおしまいにしてやるぜ! オレの全弾発射攻撃でなぁ!」
デスファイアは小百合子と決着を付けんと、キャタピラを前に向けたまま体を横にねじり、全身に装備された全ての火器を小百合子へと向けた。
「今じゃ! 我が弓技の冴え、篤と見よ!」
その瞬間、デスファイアの側面に回り込んだ小百合子はデスファイア目掛け、渾身の力で百を超える数の矢を一呼吸の内に放った。
「うおおおッ!」
デスファイアは両腕から火炎放射を放ち、小百合子の矢の弾幕ガードをガードする。
ドスドスドスドス!
だがその瞬間、数十本の矢がデスファイアのキャタピラへと突き刺さった。上半身に向けて放った矢は囮。こちらのキャタピラを狙った矢こそが、小百合子の本命だったのだ。キャタピラを車体に固定していたボルトを全て撃ち抜かれたデスファイアの右脚は、一瞬でバラバラに分解した。
「うっおおおお!?」
その瞬間、最高速度で疾走していたデスファイアは猛烈な勢いで転倒し、その走行も止まる。
「てめえ! 謀りやがったな!」
「卑怯には卑怯で返すのが貴様達の流儀なればわらわも従うまでぞ。それにこれは競争でもないのであろう?」
怒りを露わにするデスファイアに対し、小百合子は澄ました顔で言い放った。
「ならば早いもの勝ちは譲ってしんぜよう。戦車は廃車にするおまけをつけての。我は燃やす己が胸の内にある勇炎の心……貫け! 『心火焔硝矢』(ココロニトモシビユラメクホムラノヤ)!」
「ち、ちくしょおおおおおお!」
蒼い炎の矢でエンジンタンクを射抜かれたデスファイアは大爆発を起こし、要塞まで吹き飛んでいった。
成功
🔵🔵🔴
菫宮・理緒
相手は戦車で、乗り物バトル……『乗り物』なら、なんでもいいんだよね。
それならわたしは【ネルトリンゲン】でいっちゃうよー♪
え? 乗り物ならいいっていったよね? これ空母。乗り物(こく)
あ、ひょっとして空母相手だと自信がないとか? それならまぁ、しかたないけど。
おー、さすがは脳筋のなかの脳筋。それじゃバトル成立だね。
いちおうバトルだし、開始の合図とかあるんだよね?
じゃ、そっちも出てきてスタート態勢整えて、ねー。
わたしもいまそっちにいくから、正々堂々勝負、だよ!
って、あ、あれ? 『希』ちゃん? この揺れなに!? 突風?
わわわっ、バ、バランスがー!
あー……ご、ごめんね。山といっしょに潰しちゃった……。
●勝てば官軍
「相手は戦車で、乗り物バトル……『乗り物』なら、なんでもいいんだよね。それならわたしは『ネルトリンゲン』でいっちゃうよー♪」
スピーカーでデスファイアを呼び出した菫宮・理緒は小さなボトルシップをカバンから取り出すと、宙へと放った。圧縮された空間が解放されていく凄まじい風圧と共に、ボトルに封じられていたネルトリンゲンが本来の姿を取り戻していく。
「ななななななな……なんだそりゃあ!? デカ過ぎるだろ!」
「え? 乗り物ならいいっていったよね? これ空母。乗り物。あ、ひょっとして空母相手だと自信がないとか? それならまぁ、しかたないけど」
空に浮かぶネルトリンゲンの甲板に仁王立ちし、理緒は渾身のドヤ顔を披露した。
ミネルヴァ級戦闘空母『ネルトリンゲン』。普段はボトルシップサイズまで縮小されているが、ひとたびボトルから解き放てば、航空母艦としての本来の大きさに戻る。ちなみに通常の空母は海上用の軍艦だが、ネルトリンゲンは宇宙戦艦の技術も利用されているスーパー空母なので、陸地でも空飛ぶ航空基地として活動可能である。あとは、対戦相手であるデスファイアがこれを認めるかどうかだが――。
「ハッ! 男に二言はねえぜ! そんなデカブツなんざ、オレの戦車で粉砕してやる!」
「おー、さすがは脳筋のなかの脳筋。それじゃバトル成立だね」
さらに煽りを入れつつ、理緒はブリッジへと引っ込んでいった。
「いちおうバトルだし、開始の合図とかあるんだよね? じゃ、そっちも出てきてスタート態勢整えて、ねー」
理緒はデスファイアに準備を促しながら、空母のコンピューターで周囲の環境を探る。戦いはもう始まっているのだ。デスファイアは要塞から飛び降り、しばらく走行した後、山道の入口に停車した。
「オレは準備万端だ! さあ、こっちにきやがれ!」
デスファイアはちょちょい、と理緒(の空母)へと手招きした。理緒のいる位置からだと豆粒のような小ささだが、空母のカメラが捉えたデスファイアの姿が、モニターに映し出されているので、理緒にも姿がはっきり見える。
「わたしもいまそっちにいくから、正々堂々勝負、だよ! って、あ、あれ?」
理緒がデスファイアの方に空母を寄せようとすると、突然、地震のように強い揺れが空母を襲った。
「『希』ちゃん? この揺れなに!? 突風? わわわっ、バ、バランスがー!」
ビービービー! ブリッジに突然警報が鳴り響く。そして空母は垂直になり、どんどんと高度を落としていく。どうやら、エンジントラブルか何からしい。よりによってこんな時に……。
「あわあわ! なんとか胴体着陸がんばってみます!」
理緒は急遽空母の操縦を手動に切り替え、キーボードを必死に叩く。結果、なんとかネルトリンゲンは態勢を立て直し、山中に不時着することに成功した。
ずずーん。
「あれ? そういえばデスファイアは?……あっ」
理緒がサーモグラフィーで外の様子を確認すると、デスファイアらしき熱源が確認できた。ネルトリンゲンの真下に。
「あー……ご、ごめんね。山といっしょに潰しちゃった……」
成功
🔵🔵🔴
柊・はとり
◎
この手は使いたくなかったが仕方ない
UC【第六の殺人】使用
デスファイアに殺された者の亡霊を召喚し
奴にとっておきの殺人トリックを仕掛ける
ああライディングバトルだったな
勿論乗るよ
殺人事件の花形
『走る密室』こと列車にな…!
折角だし新幹線にしてやろう
運転手はお前が殺した元車掌だぞ
覚えてないか?ないよなあ
あったら俺もこんな事しないぜ
さて出発進行だ
運転は車掌に任せ俺は車両防御に専念
集中力を高め激突の前兆を第六感で察知
氷属性攻撃で着弾予測地点に巨大な氷柱を生成
突っ込んできたら串刺しになるようにする
その速度じゃ途中で止められないだろ?
打撃を受けたデスファイアを
容赦なく新幹線で轢く
トレインミステリーも新時代だな
●ロッキー山脈号殺人事件
「この手だけは使いたくなかったが、仕方ない」
死ぬ前も死んだ後も名探偵の宿業を背負う者、柊・はとりは溜息をついた。聞けば、デスファイアはライディング・バトルを挑むことで防衛戦の有利を捨てて決闘に応じてくれるという。ならば、そこを突かない手はない。
「もう一度聞くぜ。オレにライディング・バトルを挑もうってんだな? この無敵・最強! なオレによォ!」
「ああライディングバトルだったな。勿論乗るよ」
はとりは『骸の海』への門を開くべく、禁断のユーベルコードを行使する。
「殺人事件の花形。『走る密室』こと列車にな……!」
「あ?」
鬼火と共に山道に朧げに浮かんできたのは、鉄道の線路と踏切遮断器だ。遮断機はカンカンとけたたましいサイレンと共に、ゆっくりと降りていく。
「な、なんだ!? 列車だとぉ!? この山ん中でか!?」
「第六の殺人『墓場村』。折角だし新幹線にしてやろう」
狼狽するデスファイアに対し、はとりは冷徹に告げた。余談だが、新幹線は外国人観光客にも人気がある日本固有のコンテンツの一つである。
ガタンガタンガタンガタン。ガタンガタンガタン。
闇夜に浮かぶ灯篭のようにぼんやりと、列車が戦場に到着した。無人の列車ではない。車輛には車掌や乗客がぎっしりと詰まっている。はとりが呼んだのは車掌だけだったが、他の連中も便乗してきたようだ。
「デスファイア……! オマエを許サナイ……!」
「死ンデシマエ、死ンデシマエ……!」
乗客達の大合唱が始まった。彼らはみな、かつてデスファイアによって命を奪われた者達だ。その無念を晴らす為、はとりの召喚に応じたのだ。
「運転手はお前が殺した元車掌だぞ。乗客もみんなそうだろう。覚えてないか? ないよなあ。あったら俺もこんな事しないぜ」
できることならば使いたくはないユーベルコードだった。いたずらに眠っている者達の魂を呼び起こすことは、はとりの名探偵としての矜持に反するからだ
「ハッ! 負け犬共が寄ってたかって今更何の用だ! もう一度あの世に送り返してやるぜ!」
「さて、出発進行だ」
パァーン!
はとりが列車の上に飛び乗ると、恩讐の魔列車は時速数百キロでデスファイアへと突進した。
「ハッ! 列車程度でオレを殺せると思ったか!」
デスファイアははとりを迎え撃つべく、ニトロを大爆発させた。真っ向勝負。デスファイアは正面からはとりを叩き潰すつもりらしい。
「デスファイア・ニトロクラッシュ!」
はとりの新幹線を遥かに凌駕する速度で突進したデスファイアは、全身に仕込まれた火器を発射し、運転席を狙った。自らの突進の勢いを砲弾に上乗せに破壊力を増大させようというのだ。それは常人ではとうてい視認できない刹那の出来事だったが――。
驚異的なカンの良さで激突の瞬間を察知したはとりは、大剣『コキュートスの水槽』を一振りした。たちまち巨大な氷柱が剣山の如く前方に発生し、デスファイアの砲撃を弾き返した。さらに、氷の槍はデスファイアを串刺しにし、大地へと縫い留める。
「その速度じゃ途中で止められないだろ?」
「うごおおおっ!」
まんまとはとりの策略にハマり、串刺しとなったデスファイアはジタバタともがくが、列車は待ってはくれない。日本の鉄道のダイヤは正確なのだ。
パァーン!
新幹線は容赦なく彼を轢き潰した。怨敵に報いを与え、ロッキー山脈へと消えていく巨大な凶器を見送りながら、はとりは呟く。
「トレインミステリーも新時代だな」
大成功
🔵🔵🔵
佐藤・和鏡子
◎今回も愛車の救急車で参加します。
すれ違い様に牽引フックを引っかけて牽引のユーベルコードを起動させ、救急車で引きずり回します。
向こうも馬力に自信があるようですが、こちらも法執行仕様の強化型V8エンジンですから。
生身の部分がなかったり、普通に車に乗ってる相手だったら無駄でしょうが、生身の部分のある相手ならうってつけの技ですから。
ちなみに、先日お仲間のブラッドルビーさんもこの技で仕留めたのですが、引きずり回すととても良い声で啼いて下さいました。
あなたはどんな声で啼いてくれますか?
●死神のレスキュー
「はあ、はあ……」
ズタボロになりながら、デスファイアは山中を彷徨っていた。傷は深い。一刻も早くホームに戻らなければ。
ピーポ―ピーポー。
突然、救急車のサイレンが山中に鳴り響いた。デスファイアの部下が傷付いたボスを救うため、911にコールしたのだろうか?
もちろん、そんなわけはなかった。救急車に乗っているのはデスファイアを殺しに来た猟兵である。救急車に乗って颯爽と登場した佐藤・和鏡子は後ろからデスファイアを追い抜き、すれ違い様に牽引フックを引っかけた。すぽん、と良い音と共に、デスファイアの胴にロープが巻きつく。
「な、なんだ!?」
「デスファイア! ライディングバトルです!」
ギャリギャリギャリ!
デスファイアの返事も聞かぬままに勝手に決闘を開始した和鏡子は、アクセルを思いっきり踏み込むと、ロッキー山脈の凸凹オフロードコースを縦横無尽に駆け回り始めた。ロッキー山脈は世界自然遺産にも数えられる美しい土地ではあるが、こうなってはデスファイアにその美しさを楽しむ余裕はない。美しい大地は虜囚を苛む拷問器具へと早変わりし、デスファイアの全身を打ちのめした。
「くごごごご! ク、ソ、がァ!」
(生身の部分がなかったり、普通に車に乗ってる相手だったら無駄でしょうが、生身の部分のある相手ならうってつけの技ですから)
激痛に悶えるデスファイア。たちまち上半身の衣服が千切れ、裸に剥かれていく。デスファイアは下半身の戦車で必死に牽引に抗うが、和鏡子の救急車は法執行仕様の強化型V8エンジンを搭載している。転倒している今の状態では、馬力勝負ではデスファイアの方が分が悪かった。
「ちなみに、先日お仲間のブラッドルビーさんもこの技で仕留めたのですが、引きずり回すととても良い声で啼いて下さいました。あなたはどんな声で啼いてくれますか?」
和鏡子のナースとはとても思えぬ残忍な発言に、デスファイアは戦慄した。
「なに、ブラッドルビーを!?」
あのぜい肉だらけの体ならさぞかしよく効いただろうな。一瞬そんなことを思ったが、デスファイアも今はそれどころではない。なんとか巻き付いている牽引ロープを引き剥がそうと、デスファイアはもがいた。
「喰らえ、火炎放射!」
なんとかロープを焼き切ろうと、デスファイアは自身の体に向けて火炎放射を放った。しかし、自分の体が熱で炙られただけで、焦げたロープは決してデスファイアを離そうとしなかった。
「あぢぢぢぢ!」
「無駄ですよ。ユーベルコードの頑丈なロープなので。それと、名残惜しいですが、そろそろトドメです」
和鏡子は坂道でバン、と踏み切り、車体を大きくジャンプさせた。デスファイアはその衝撃でようやくロープからは解放されたが、そのまま底の見えない谷底へと落下していった。
「うわあああああああああ!!」
「無個性でありきたりな悲鳴ですね……ガッカリです」
小さくなっていくデスファイアを見送りながら、和鏡子は嘆息した。
大成功
🔵🔵🔵
杜鬼・クロウ
◎▲
らいでぃんぐ・バトル、面白そうだ
俺とも勝負してくれや
当然、敵前逃亡たァつまらねェ真似はしねェだろ(煽る
(啖呵は切ったが車両の類は運転した試しがねェ
閃墨(八咫烏)に乗っちまってるからなァ
でも今回は)
この世界に倣って茨の道を往くわ(無免許上等
取扱説明書は…読ませてくれねェか
連射出来る小銃や砲台が詰まれた改造装甲車に乗る
第六感で操作
砲台で後ろから威嚇射撃
要塞の棘は回避か棘を破壊して突き進む
途中、自動運転に切り替え妨害に徹する
ちィ、飛ぶとか厄介だぜ…なァんてな
もう俺の前は走らせねェ
UC使用
敵のニトロ爆発の熱を追尾し爆破
糸で繋ぎ引き寄せた所を炎を出力させた玄夜叉で戦車を真っ二つに
真に狙うは敵の心臓
●デッドヒート
「らいでぃんぐ・バトル、面白そうだ。俺とも勝負してくれや。当然、敵前逃亡たァつまらねェ真似はしねェだろ」
要塞になんとか帰還していたデスファイアに挑戦状を叩きつけたのは、巨大な烏に乗った杜鬼・クロウだった。
「ああ、オレに不戦敗はねェ。そっちが飛べる乗り物でも構わねェ。タイマンで勝負してやるぜ」
クロウの煽りに素直に乗り、デスファイアはあっさり決闘を了承した。
(啖呵は切ったが車両の類は運転した試しがねェ。閃墨に乗っちまってるからなァ。でも今回は)
デスファイアは八咫烏をクロウのビーグルだと認識したようだが、今回、クロウは違う乗り物でデスファイアに挑むつもりだった。その乗り物とは――。
「この世界に倣って茨の道を往くわ。無免許上等! あの車貸してくれ。取扱説明書は……読ませてくれねェか」
「くくくくく。いいぜ。オレの車だから手加減してもらえるなんて馬鹿な期待はするなよ」
「準備OKだ。始めようぜ」
約五分後。取扱説明書を熟読したクロウは、デスファイアへと声をかけた。
「待ちわびたぜ。遺言状の準備もちゃんとできてるか?」
「遺言状はいらねェ。死ぬのはお前だ」
「上等だ。行くぜ!」
ドルゥウウン!
デスファイアはあっさりクロウを追い抜いた。
「こっちがアクセルだよな? よし!」
第六感で車をコントロールするクロウは、なんとかデスファイアの真後ろに食らいつくことに成功した。
「喰らいやがれ!」
バルルルルル!
機銃を発射し、デスファイアの背中に銃弾を浴びせる。だがデスファイアは銃弾をものともせず、果敢にクロウへとタックルを繰り返してきた。
「オラオラァ! 前方不注意だぜ!」
「チッ」
いつの間にか、前方にコース内に設置された棘が迫っていた。クロウは車載砲で棘を破壊すると、大砲の反動を利用して一気に方向転換した。第六感で。
(やっぱこれ、難しいな)
車の運転に専念していては勝てないと悟ったクロウは、車の運転をオートパイロットに切り替えた。フリーになったクロウは荷台に仁王立ちすると、デスファイアに向け、光線を乱射した。目的はダメージを与えることではなく、操縦の妨害である。さらに、コーナーで不意の神罰ハイビーム。眩い閃光に目を焼かれたデスファイアの操縦が一瞬止まり、デスファイアは棘に突っ込んだ。
「クソがッ! うっとおしい!」
執拗な妨害に耐えかねたのか、デスファイアは体内のニトロを爆発させ、一瞬で大空へと離脱した。
「ちィ、飛ぶとか厄介だぜ……なァんてな。もう俺の前は走らせねェ」
クロウは遥か上空にエスケープしたデスファイアを見上げると、無数の鬼火を召喚した。
「遊んでおいで」
デスファイアの体内で爆発しているニトロに反応した鬼火たちは物凄い勢いでデスファイアへと突っ込んでいく。デスファイアは鬼火を回避せんと高速飛行するが、鬼火はデスファイアの熱源を感知し、どこまでも追尾してきた。
「な、なんだとォオオオ!」
ついにデスファイアを捉えた鬼火の連続爆破がデスファイアを襲う。すかさずクロウは鬼火が変形した糸を手繰り寄せると、漆黒の大魔剣『玄夜叉・伍輝』(アスラデウス・エレメンツ)を抜いた。
一閃。
「ク、ソォオオオオオオオ!」
炎に包まれた魔剣の切り上げは戦車ごとデスファイアを一刀両断し、真っ二つになったデスファイアは爆発四散した。
かくして、猟兵達とライディング・バトルを繰り返したデスファイアは、とうとう無惨な最期を遂げたのだった。
大成功
🔵🔵🔵