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アポカリプス・ランページ⑥〜無法の荒野は乗ったもん勝ち

#アポカリプスヘル #アポカリプス・ランページ #ヴォーテックス一族 #デスファイア・ヴォーテックス #アポカリプス・ランページ⑥



「ロンメルもブラッドルビーもくたばっただと? そりゃ当り前だろうよ!」
 厳つい男がふんぞり返って言う。その頭には禿げ頭に堂々と聳え立つモヒカンヘアー……の如き本物の炎。
「強い者が全てを手に入れ弱い者が死ぬ、それがこの世界の掟だろうがよ! 弱っちい奴隷だの雑魚を集めた軍隊だのが何の力になるってんだ! クライストに至っちゃオヤジが起きる前におっ死んでやがらぁ。宗教なんぞに群がるゴミ虫なんか集めるからそうなるんだよ!」
 男はそう言って笑うと、目の前に広がる荒野を見渡した。
「見ろよこの荒れ果てた大地を。強い者、強いクルマだけが走ることを許される厳しい大地だ。猟兵っつったか? この大地を踏み潰しながらこっちに向かってきてるって話じゃねぇか。くぅ~、シビれるねぇ!」
 男はそう言って自分の乗る……下半身と一体化する戦車にうなりを上げさせた。
「その暴力に敬意を表して! 最強無敵のこのデスファイア・ヴォーテックス様が! 直々に『ライディングバトル』で叩き潰してやろうじゃねぇか! 行くぞ野郎共、ついてこれる奴だけついてこい! 遅れた雑魚は要塞で便所掃除でもしてろ!」
 その男デスファイア・ヴォーテックスは、土煙を上げて自らが作り出した無法の荒野へと乗り出していった。


 グリモアベースに集められた猟兵の前には伏せの体勢の犬型キャバリアが寝そべっていた。その背中の上にはどうやって運んだのかピンク色のファミリーワゴンが搭載されている。しかもその車体の上に小型の恐竜が一匹堂々と立っていた。さらにその背は超乳幼女花園・ぺしぇがライドオン。そしてその頭にはゴーグル型ヒーローマスクのグリモア猟兵ミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)がプットオンだ。
「みんなー! お疲れ様だよー! 今日もアポカリプス・ランページの依頼だよー!」
 大きな声でぺしぇが高い所からそう告げる。そんなに声を張り上げるくらいなら降りて来ればいいのにと思うが、どうやら彼女なりに意味のある位置取りらしく動く様子はない。
「今日の相手はヴォーテックス一族のデスファイア・ヴォーテックス! アポカリプスヘルに世紀末ルールを広めたって言うおじちゃんだよ!」
 ルールを広めたというよりは単に彼が暴れまくったからそういう世界になっただけという気もするが、世界を席巻する暴力性と考えればその規格外ぶりも想像がつくという者だ。
「このおじちゃんはトゲトゲだらけの『鋼鉄要塞デスファイア』ってところに住んでるんだけど、『ライディングバトル』っていうのを挑まれると男として絶対にそれを断らないんだって!」
 ライディングバトル、それは乗り物に乗って死ぬまで殴り合う男の格闘技。挑まれたこれを拒絶することは死よりも忌むべき末代までの恥となるという。
「だから皆でこれを挑んで、おじちゃんを要塞の外でやっつけちゃおう! 挑まないとちょー大量の兵器とレイダーとトゲトゲだらけの要塞に帰っちゃうよ!」
 要塞そのものの攻略は別の部隊が行っている。彼をそこから引きずりだして屋外で仕留めるのがここに集められた猟兵の任務ということだ。
「要塞の外はごつごつの岩山と荒れ放題の荒野と深い谷だらけの危険な場所だけど、ここをなんとか乗り物に乗って走りながらデスファイアおじちゃんと戦ってね。おじちゃんの周りにもちょっとだけバイクや戦車に乗ったレイダーがいるけど、皆よりは全然弱いからついでにやっつけちゃえ! 別にゴールとかはないから、急にターンして突っ込んだりいきなりとんでもないところに走ってって姿を消してから奇襲とかも全然OKだよ! それから乗り物は戦車じゃなくてもキャバリアでも動物でも、なんなら自転車とか肩車だっていいよ! とにかく何かに乗ってればOK!」
 とにかく乗り物に乗ることと走り続けること、ルールはそれだけらしい。
「このおじちゃんをやっつければヴォーテックス一族はフルスロットル以外は全滅! いよいよフィールド・オブ・ナインとの戦いに本腰が入れられるようになるから、みんな頑張ってきてね!」
 ぺしぇの号令と共に、犬キャバリアが遠吠えしワゴンがエンジンを吹かし恐竜が高い鳴き声を上げる。よく見ればワゴンにミルケンが触手を伸ばしているので、車はこっちが動かしたのだろう。
 そんな乗り物軍団に見送られ、猟兵たちはアポカリプスヘルへと乗り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。彼こそヒャッハーオブヒャッハー。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス……乗り物に乗って戦う』

 今回の敵であるデスファイア・ヴォーテックスとは『ライディングバトル』というバトル形式で戦うことになります。難しいルールは特になく、とにかく乗り物に乗って死ぬまで殴り合うというシンプルかつヒャッハーな戦いとなります。なおライディングバトルは男の格闘技ですが、乗り物に乗ってて強けりゃ男の要件は満たします。
 戦場はまさに山あり谷あり廃墟ありの超悪路ですが、彼の下半身は戦車と一体化しており、大概の道は乗り越えてきます。
 ライディングバトルをしないと敵は興ざめし要塞に帰ってしまいますので、何でもいいから乗り物に乗ってください。キャバリア? ガレオン? ライオンライド? 乗れて走れれば構いません。そういうものも一切持ってない? なら現地調達です。そこにデスファイアが連れてきた手下(バイク搭乗)がいるでしょう?

 基本的にはノリノリアクションを想定していますが、デスファイア自身は中々の強敵です。油断ないように戦ってください。

 それでは乗りに乗ったプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『デスファイア・ヴォーテックス・ライド』

POW   :    デスファイア・ニトロクラッシュ
【ニトロの爆発力】によりレベル×100km/hで飛翔し、【自身の火力】×【速度】に比例した激突ダメージを与える。
SPD   :    デスファイア・スピードラン
【下半身の戦車】を操縦中、自身と[下半身の戦車]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。
WIZ   :    デスファイア・ノンブレーキ
自身が【速度を落とさず走り続けて】いる間、レベルm半径内の対象全てに【高熱の火炎】によるダメージか【心が燃えること】による治癒を与え続ける。
👑11
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、解り易い方ですねぇ。

乗物は現地調達で。
『FRS』で手下の一人を[砲撃]、『FAS』の飛行でそのバイクを乗っ取り、勝負を仕掛けますねぇ。

始まりましたら『F●S』各種を展開、『FMS』のバリアと『FGS』の重力結界で守りを固め、『FRS』『FSS』による[砲撃]と『FDS』による[爆撃]を仕掛けましょう。
そして【酷郭】を発動し『裁域』を形成、戦場全体に『律』を流し込みますねぇ。
これで『地面』を操作し此方の走る場所を均すと共に、相手の走行ルートを妨害、更に[カウンター]での『大気』の爆破と操作によりデスファイアさんの『突撃』を防ぎましょう。
後は確実に叩いて参りますねぇ。


マキナ・エクス
アドリブ・他猟兵との連携歓迎

ふむ、ライディングバトルかまあ色々とツッコミどころはあるけれども、、ああ相手がわざわざ戦い方を指定して律儀にそれを守ってくれるんだこっちものっかるとしようか。

さてとはいえ私は乗り物を持っていないし…
ああそこの君なかなかいいものを持っているじゃないか。世紀末デザインも私嫌いじゃないぜ?
手下を魔術糸で【捕縛して】バイクを奪いつつUC発動。人形遣いの本領発揮だ。UCを使用してバイクを操り相手に挑む。

敵からの攻撃は【オーラ防御】で防ぎつつ。こちらは対物拳銃で【貫通攻撃】【2回攻撃】【零距離射撃】。完全に接近戦になったらパイルバンカーで【串刺し】に。


柊・はとり
テメェが世紀末ルールを広めたって?
じゃあカルロスが変なコスプレしてたのも
元はといえばテメェのせいだって事だな?
異世界にまで変な文化を持ち込んだ罪は重いぞ
そのイかれたファッションごと滅ぼしてやる

手下を偽神兵器でぶん殴り気絶攻撃
バイクを奪い取りUC【桜雪列車】を発動
コキュートスを刺し偽神兵器に作り変える
どんな悪路でも振り落とされぬよう
手足を凍結させバイクに固定
走行中は学習力でAIに地形を記憶させ
スムーズに走れるように
相手の追走を許さぬ速度で疾駆

どうした
お前の戦車トロいな
挑発して断崖絶壁まで誘い込んだら
素早く背後に回り込んで
氷属性攻撃の魔力を纏い追突
凍結で戦車を操縦不能にし崖から落とす
おらッ落ちろ!



 無法の荒野に轟く爆音。戦車と化したデスファイア・ヴォーテックスの下半身と、それに追従する精鋭配下たちが上げるエンジンの唸りだ。
 弱い者ならその音圧だけで吹き飛ばしてしまいそうな圧倒的な暴力性。それをいかんなく彼が振りまいたことで、荒廃したアポカリプスヘルに暴力がルールとして根付いたのだ。
 その暴力をルールとした男の格闘技『ライディングバトル』。これで猟兵を蹂躙せんと、彼は今この荒野に今自ら乗り出しているところだ。
「成程、解り易い方ですねぇ」
「ふむ、ライディングバトルか。まあ色々とツッコミどころはあるけれども……ああ相手がわざわざ戦い方を指定して律儀にそれを守ってくれるんだこっちものっかるとしようか」
 離れたところからそんな彼の姿を見て、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とマキナ・エクス(物語の観客にしてハッピーエンド主義者・f33726)がやや呆れたように言う。
 いざライディングバトルを始めんとデスファイア一味に近づこうとする二人。だがその二人より早く、爆走するデスファイアの前に立ちふさがった者がいた。
「テメェが世紀末ルールを広めたって? じゃあカルロスが変なコスプレしてたのも元はといえばテメェのせいだって事だな? 異世界にまで変な文化を持ち込んだ罪は重いぞ。そのイかれたファッションごと滅ぼしてやる」
 柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)が普段以上に不機嫌を露にした声でデスファイアに凄んだ。その怒りぶりは、かつて羅針盤戦争にてアポカリプスヘルを揶揄した衣装に身を包んでいたカルロス・グリードに相対した時以上。
「なんだ坊主? オレは別に誰かに真似しろと強要した覚えはねぇぞ? ただオレが最強で無敵だから、弱っちいやつが憧れて真似しちまうだけさ。そのカルロスだかカルパスだかもこの暴力の世界に憧れたんだろ。人気者はつれーぜ全くよぉ!」
 がははと笑うデスファイア。そしてそれに追従するように周囲のレイダーたちも下品な笑いを上げる。
 その笑いは、はとりの怒りを爆発させるに十分すぎた。
 レイダーの一人が突然吹っ飛び、バイクから転がり落ちる。偽神兵器を振り切ったはとりがそのまま倒れたレイダーを無視し、その乗っていたバイクにまたがった。
 そしてそれを合図にしたかの如くもう二人、レイダーがバイクから叩き落とされた。一人は大砲に直撃されたかのように爆炎の中に吹き飛び、そしてもう一人は意図に縛られたような格好をして、そのまま宙に吊り上げられた。
「いただきますねぇ」
「さてとはいえ私は乗り物を持っていないし……ああそこの君なかなかいいものを持っているじゃないか。世紀末デザインも私嫌いじゃないぜ?」
 浮遊砲台で手下を吹き飛ばしたるこると、魔術糸で手下を捕縛し引きずり下ろしたマキナ。二人もバイクに乗り込みデスファイアへと向き合った。
「わざわざそいつに乗ったってことはお前ら『男』になる覚悟があるってことだな? 上等だ! ライディングバトル、受けて立つぜ!」
 手下が倒されたことなど一切気にすることなく、むしろバイクの強奪という暴力的な手段を持って立ち向かわれたことを喜ぶデスファイア。ここに、ライディングバトルの第一戦が始まった。
 まず動いたのはるこるだ。大型とはいえデスファイアの戦車には明らかに見劣りするバイクをバリアと重力弾で囲み、その周囲に砲撃のできる兵装、さらには卵型の爆弾までを配置して周囲に爆破の嵐を巻き起こすことで乗機の不利を補っていく。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その刑場の理をここに」
 さらには【豊乳女神の加護・酷郭】を発動、周囲を自らの『裁域』とすることで支配下に置き、そこを爆破して一気にデスファイアを仕留めんとした。
「ヒャア! こいつはたまんねぇぜ! 吹っ飛んじまいそうだ!」
 その爆破に吹き飛ばされる……かのように見える動きで、デスファイアの巨体が浮き上がった。それは自身の後方にニトロの大爆発を起こし、そのまま音速をはるかに超える速度でるこるへと突っ込んでくる。
「物語は進む、たとえどんな困難があろうと、君たちはそれを乗り越える。なればこそ、私はその旅路の一助とならん」
 その凄まじい速度のデスファイアに、マキナが【開幕・進め、主演たる登場人物達よ】で操縦したバイクで追いすがった。機体性能に雲泥の差があるはずのバイクでデスファイアの動きについていけるのは、正にマキナの持つ人形遣いとしての能力の本領発揮によるもの。バイクをただの機械ではなく絡繰りを持つ馬型人形とでも見て動かせば、それは舞台の上で主役を乗せて戦場をかける名馬ともなる。
「そんなガラクタでやってくれるじゃねぇか! だがここから先はノンブレーキだぜ!」
 るこるを一先ず捨て置き、マキナのバイクに並走しながらの勝負を挑むデスファイア。スピードが高熱の火炎を生み、ただそれだけで隣を走るマキナを焼いていく。
「その体、最早人と見る方が誤りだろう!」
 オーラを張ってその熱に耐えながら、対物拳銃をがんがん撃ちかけていくマキナ。人を想定していないその弾丸が戦車の装甲をへこませ、貫いていくがそれでもなおデスファイアの炎は収まる気がない。
「心中ごっこは絶対やらないからな」
 その炎すら凍らせんばかりのはとりの冷たい声。『コキュートス』をイグニッションキーの如くバイクに差し込み、【新たなる殺人『桜雪列車』】の自動操縦モードではとりはデスファイアを追走した。
「随分気合いの入ったしがみつき方じゃねぇか!」
 その姿を見たデスファイアがそう賞賛する。はとりは自身の手足を凍り付かせバイクに固定し、どんな猛スピードでも振り落とされないようにしているのだ。
 そうして本来耐えられないような無茶なスピードを出し、はとりはデスファイアに追いつき、そして追い越した。
「どうした。お前の戦車トロいな」
 後ろを振り返り、馬鹿にしたように一言。その言葉は、否応なしにデスファイアの心に火をつけた。
「上等だ、オレの戦車に走れない道はねぇ!」
 デスファイアは一気にスピードをあげ、何があろうと踏み潰し進んでいく。さらにマキナはそれに並び、るこるも兵装を持ったバイクで追撃する。このチェイスに、手下たちはとうの昔に置き去りにされ戦線離脱だ。
「いかせませんよぉ」
 兵装で、『律』で、るこるはデスファイアをひたすら爆破する。それは自分の行く道を均すためであり、同時に彼の突撃を阻むため。いかに強靭な戦車でも足元がガタついていればフルスピードの突進は難しかろうと、ひたすらに彼の足元を狩り続けていく。
「こいつもプレゼントだ!」
 若干揺らいでスピードが落ちたところにマキナが一気に接近をかけた。最早射撃などというまどろっこしいことはしない。密着の零距離から、強烈なパイルバンカーをその車体にねじ込んだ。
「うおぉっ!?」
 その勢いにキャタピラを大きく跳ねさせ、ついにバランスを崩すデスファイア・その彼の眼前に、はとりが一瞬にして迫った。
 今まで先を走っていたはとりは今度は一気にスピードを落とし、デスファイアの後方に回る。その軌跡には、白く輝く冷たい道が。
「ぬおぉぉ!? なんだこりゃあ!?」
 それはコキュートスの属性操作で作り上げた氷の道。その先は、そこの見えない弾劾へと続いていた。
「馬鹿野郎が! キャタピラの制動なめんじゃねぇ!」
 一気に急停止しようとするデスファイア。だが、そこにはすでにマキナとるこるが迫る。
「じゃあそれを壊せばいいだろ!」
「お別れですぅ」
 パイルバンカーがキャタピラを穿ち、爆破が車体をバウンドさせ。
「おらッ落ちろ!」
 はとり渾身の体当たりが、デスファイアを崖下へと叩き落とした。それはまるで、最早彼の記憶の中にしかない平和なアポカリプスヘルを踏みにじった元凶へ敵討ちをするかの如く。
「ぐおぉぉぉぉぉぉ……」
 一時的に飛翔能力も壊れたか、崖下へ消えていくデスファイア。最初のライディングバトルは、道なき道からさえものコースアウトという形で彼の敗北に終わった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灯璃・ファルシュピーゲル
戦車軍団の次は放火魔ですか…
燃やすのは御自分の家だけにして頂きたいものですね

自身の装甲車で出動
側面に隠す様に軍用バイクと対戦車吸着地雷を入れた鞄を
UC:ウロボロスアーセナルで作成し搭載

接敵したら(戦闘知識・運転・見切り)で配下に
機銃掃射を浴びせつつ火炎放射の予兆を読んで回避し
ボスの正面前方に進出、機銃で砲塔と火炎放射器に
(制圧射撃)を掛けつつ、指定UCで狼と黒霧を後部扉から
一斉に放ち相手の視界を奪い、同時に敵の注意を前方に引き付けます

その間に自身は霧の煙幕に紛れつつバイクでボス戦車の後部に回り込み
機関部に直結する排気口、起動輪の支点部に吸着地雷を設置、爆破し
確実なダメージを狙います

アドリブ歓迎


アイビィ・エヌディーイレブン
「熱苦しい、ヒジョーに熱苦しいデス」
『ライディングバトル』、乗り物に乗って戦う、得意デスよ!

自慢のマシンウォーカー〈DMW-031「アンシュリオン」〉に乗って戦いマス!荒野なんて『悪路走破』でなんのそのデス
そこら辺のザコはアンシュリオンの左腕、〈オルトリンデの腕〉の『怪力』で殴り飛ばしマスよ!

走りながら『スナイパー』で狙いを定めて【純白のノーザンライツ】を打ち込みマス!
トドメに8発目を北斗七星の脇に撃ち込んだりしマス



 崖下へと落とされたデスファイアだが、その程度でくたばるほどヤワな装甲はしていない。キャタピラをうならせ強引に上に戻ると、その目の前にはすでに新たなマシンが彼を待ち受けていた。
「戦車軍団の次は放火魔ですか……燃やすのは御自分の家だけにして頂きたいものですね」
 灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)が頭から炎を立てるデスファイアの姿を見てそう漏らす。
「熱苦しい、ヒジョーに熱苦しいデス」
 アイビィ・エヌディーイレブン(フラスコチャイルドの戦車乗り・f24518)もそれに同意のようだ。だがデスファイアにとって敵からの罵声は傷ついた体を再び滾らせる燃料にしかならない。
「何言ってんだいお嬢ちゃんどもよ。火炎は公平でなきゃならねぇだろうが! オレの目の前にあるものは皆燃やす! 燃えたくなかったら強くなきゃなあ! それによぉ……オレにとっちゃ熱苦しいってのは誉め言葉だぜ!」
 そう言って体についた火炎放射器と頭頂部から一気に炎を立ち上らせるデスファイア。イキの良い敵が切ってくる啖呵をこの炎と己の戦車で黙らせてやることこそ彼の喜び。そして目の前の女たちは、自分もよく知るタイプのマシンにそれぞれ搭乗していたのだ。
「乗り物に乗って戦う、得意デスよ!」
 アイビィが搭乗するのは背部に剥き出しの操縦席のついた、小さな頭部に巨大な手足のついたロボット。一見すればキャバリアのようだが実は違う。アポカリプスヘル特産の二脚戦車に強引に腕を取り付けた魔改造マシンウォーカー、『DMW-031「アンシュリオン』だ。
「いいイジりかたしてるじゃねぇか、男らしいぜ? ……おっと、そっちはズルはいけねぇなぁ。男らしく正々堂々やろうぜ?」
 アンシュリオンの姿に笑った後、彼に最も似合わない言葉を吐きながらデスファイアはファルシュピーゲルの方を見る。その視線に、ファルシュピーゲルは表情は変えないものの内心舌打ちした。
(馬鹿に見えて目ざといですね……)
 装甲車『M1248/JSXF(M-ATV)』の側面にユーベルコードで作ったバイクと吸着地雷を仕込んでおくつもりだったが、どうやらその動作を見破られてしまったらしい。仕込みには万全を期したつもりだが、複数のユーベルコードを用いようとした故に動作に粗が出てしまったか。
 だが、本命はこちらではない。見破られたならといっそ開き直って堂々と追加武装を携え、ファルシュピーゲルは装甲車を動かす。
「いいじゃねぇかその態度。気に入ったぜ。さあ、ライディングバトルだ!」
 自らの号令と共にデスファイアは猛然と走りだした。岩だらけの荒野を全てを踏み潰しながら爆走し当たりに火炎を撒き散らすが、アンシュリオンは同じスピードで荒野を駆け一方的に炙ることを許さない。
「荒野なんてなんのそのデス」
 その悪路を、彼らよりはだいぶ遅いスピードで向こう側から走ってくる一団が現れた。先の戦いで振り切られた配下たちがようやく追いついてきたらしい。
「デスファイア様、お待たせしまぁぁぁぁ!?」
 ボスの機嫌を損ねないよう加勢しようとしたバイクが、纏めて派手に転倒した。ファルシュピーゲルが放った機銃掃射が無慈悲にタイヤを払い、纏めて敵の足をを刈ったのだ。さらに運よく躱せたものも、アンシュリオンの左腕、『オルトリンデの腕』のラリアットでなぎ払われる。
「ヒャア、気持ちいいことするじゃねぇか!」
 倒される雑魚など必要ないとばかりに、彼らを倒した猟兵の方を賞賛するデスファイア。その彼の前方に、スピードを上げたファルシュピーゲルの装甲車がぐっと躍り出た。
「そのやかましいものを黙らさせてもらいます」
 装甲車に大量についている機銃がデスファイアの火炎放射器と砲塔を抑え込むように撃つ。だがその掃射にもひるむことなく、デスファイアはさらなる進撃を続けた。
「そんなんでオレの炎を消せると思うか!」
「思いません。Sammeln!Praesentiert das Gewehr!・・・・仕事の時間だ、狼達≪Kamerad≫!」
 本命はこちら。【Schwarzwald Wolfsschanze】の漆黒の森の如き霧が、デスファイアの視界を閉ざした。さらには陰の狼までもが彼に飛び掛かり、その目を闇に閉ざそうとする。
「見えねぇくらいでこのオレが止まるかよ!」
 見えなくとも関係ない。前方から聞こえるエンジン音を頼りに火炎を撒き散らすデスファイア。だが、その乱雑な射撃の合間に強烈な衝撃がデスファイアを襲う。
「後ろがお留守デス!」
 追いついていたアンシュリオンが、その極太の腕でデスファイアの後方をどついていた。後ろにいる敵をぶっ飛ばそうとニトロ爆発をかけいきなり体当たりをかけるデスファイアだが、それに合わせるようにアンシュリオンは霧の中へ消えていく。
「ちっ……まあいい、ここを全部燃やしちまえば問題ねぇよなぁ!」
 全方位に炎をばらまくデスファイア。目標も何もない全方位を焼却するまさに暴虐の炎。
「ならご自分も燃やせばよろしいのに」
 その理性なき炎を撒き散らす、その真下で聞こえた声。ファルシュピーゲルは霧に紛れ自身が用意していたバイクで近寄り、彼の機関部に直結する排気口、起動輪の支点部に吸着地雷を仕掛けていた。
「なるほど、そいつがさっきのズルか。お仕置きが必要だなぁ!」
 そこに向けて火炎放射を放つデスファイア。見破られていたバイクは離脱し切ることができずファルシュピーゲル自身が炎に巻かれるが、それと同時に地雷は爆発、デスファイアの体が宙にうく。
「これで黙らせるデス!」
 その瞬間前から聞こえたのは、いつの間にか場所を入れ替え前に回っていたアイビィの声。その声に思わず前を向いてしまった体にライフルの弾丸が直撃した。
「ヒャ……」
 一発の後何かを言う前に、一瞬で穿たれる七つの傷。それは死を司る北斗七星。ある意味アポカリプスヘルの象徴であり根源の傷。
「もう一つは?」
「モチロン!」
 そしてその横に穿たれた8つ目の星。その一射はまさにFATALITY、勝負を決める一射。
「ヒャッハー!」
 同時に残りの吸着地雷がまとめて爆発。第二戦の決着を告げるゴングとなるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イザベラ・ラブレス
(UCで呼び出した武装ヘリ部隊に乗機マイティ・バリーを吊らせて登場)
要はケンカでしょ!上等じゃない!
こちとらアポヘルの傭兵!
モヒカンと傭兵のどっちの喧嘩が最強か勝負よ!
マリーンズ、手出しは無用!別命あるまで空中待機!

向こうは戦車、機動力は向こうの方が上ね。
だけどこっちはキャバリア、小回りとド付き合いなら負ける気がしないわ!

炎は火炎耐性で耐えるとして
バレないようにヘリ部隊に情報収集をさせて攻撃軌道を予測、見切りで直接攻撃を回避!
170mmの弾幕と30mmの零距離射撃を使い分けて絶え間なくダメージを与え続けるわ!

敵の動きが鈍くなったらヘリ部隊に攻撃指示、全武装による一斉射撃でとどめよ!

アドリブ歓迎


死絡・送
共闘OKアドリブOK
愛機であるジガンソーレに乗ってライディングバトルに挑む。
仲間達と協力して悪路走破とダッシュで移動しつつ手下には、ルーチェ・デル・ソーレで範囲攻撃と貫通攻撃でビームの雨を降らせて攻撃。
敵の攻撃はオーラ防御とジャストガードで防ぎつつ
限界突破と継戦能力で耐えて戦い
デスファイアには、カウンターと重量攻撃でラッゾ・プーニョのロケットパンチ。
最後は「汚物は光になりやがれ!」
と叫び、必殺の光子魚雷一万発発射!! を使用する。



 爆炎と銃声の後再び動き出すデスファイア。最強無敵を名乗るだけあり、これだけのダメージを受けてもなおその命の炎は消えないらしい。
 そのデスファイアを、彼の撒き散らす騒音もかくやという程の爆音が出迎えた。
「要はケンカでしょ! 上等じゃない! こちとらアポヘルの傭兵! モヒカンと傭兵のどっちの喧嘩が最強か勝負よ!」
 その音の出所はイザベラ・ラブレス(デカい銃を持つ女・f30419)の頭上に待機する武装ヘリ部隊。そして彼らの下には、ワニの様な頭部を持った巨大なマシンが吊るされていた。
 そのマシンを見たデスファイアは心底楽しそうな笑みを浮かべる。
「マシンウォーカー……いや違うな。もっとどでかい潰し合いのための機械だ。そいつでこのオレを食おうってか!」
 堂々と自信に啖呵を切る相手の真上に馴染みのない巨大メカ。これが何を意味するか分からぬ彼では断じてない。
「マリーンズ、手出しは無用! 別命あるまで空中待機!」
 武装ヘリたちにマシンを下ろさせてから待機命令を出し、自らは颯爽とそのメカ『マイティ・バリー』に乗り込むイザベラ。
 両機が見合いいざライディングバトル、というところでさらにもう一機巨大なメカが飛来した。
「ノーブルバット参上!」
 死絡・送(ノーブルバット・f00528)が乗る太陽をモチーフにしたスーパーロボット『ジガンソーレ』。追加で現れた巨大メカに、デスファイアのボルテージはさらに上がっていく。
「こいつはまたマブいのが来たじゃねぇか! ほーう、お前ら似てるがちとちがうな。ワニ女は作りに無駄がねぇ。お日様野郎は採算ガン無視のゴテ盛りだ。だが、どっちも『男』にゃ変わりねぇな!」
 やはり暴力的な部分には勘が働くのか、量産型キャバリアとスーパーロボットの違いを己の感覚で見定めるデスファイア。そして双方を『男』として戦うに相応しいと認め、高速走行を開始した。
「向こうは戦車、機動力は向こうの方が上ね。だけどこっちはキャバリア、小回りとド付き合いなら負ける気がしないわ!」
 猛スピードで走行していくデスファイアに、マイティ・バリーでは引き離されないのが精一杯。ならば勝負すべきは直線ではなく部分部分での殴り合いと、距離が近いうちに細かく攻撃を当てては反撃の火炎放射を耐えるイザベラ。
「どうしたワニ女、そのどでかい口は飾りか!?」
 攻撃は当たるが致命傷にはまだ遠い。その程度の傷は心を燃やして放置だとばかりにデスファイアは勢いを上げる。
「飾りかどうか見てみるがいい」
 その高速移動に、悪路を踏み潰しながらジガンソーレが追いすがった。そしてデスファイアを正面に捕らえた瞬間、真夏の日差しが如き灼熱のビーム『ルーチェ・デル・ソーレ』がデスファイアを包み込む。
「見た目通りだ、こいつはとんでもねぇエネルギーじゃねぇか! おサイフに優しくねぇなあおい!」
 その広範囲に降り注ぐビームの雨は如何程のエネルギーを必要とするのか。やっと補充されたと思ったらすぐに蒸発していく配下たちの姿を見るに、それは生半な量ではないだろう。
「まぁ、金なんぞここじゃケツを拭く紙にもなりゃしねぇんだがよ!」
 まさにそのケツのあたりでニトロを爆発させ、その威力で一気に高速飛翔からの突進をかけるデスファイア。攻撃に使った光を今度は防御用のオーラに変換、それを受け止めるジガンソーレだが、巨大戦車が丸ごとぶつかってくる衝撃はやはり重くその機体が一気に押し込まれる。
 いかに頑丈を誇る機体でも、この突進をかけられ続ければそう長くは持つまい。
 だが、そうして押し合いをするということは自慢のスピードが幾許か鈍るということ。
「ほらほらこっちも見てくれないかな!」
 その背中に、マイティ・バリーが追いつき二連装30mm重機関砲を零距離で放った。思わず揺らぐデスファイアだがすぐに耐性を直し、マイティ・バリーに向けて高熱の火炎を放つ。
 それをまるで予測していたかのように避け、今度は170mm三連装ガトリングキャノンで弾幕を張って抑え込みにかかる。
「よそ見は厳禁だ!」
 鈍った所に今度はジガンソーレの『ラッゾプーニョ』が鉄拳を見舞った。前から後ろから撃たれ殴られを繰り返されるデスファイアは、その顔に凄絶な笑みを浮かべる。
「ぐはは……このオレをフクロとはやってくれるじゃないか……上等だコラァァァァァ!!」
 怒りの声とともに再びニトロが爆発、高熱の塊と化して二人をなぎ払いにかかった。
 あまりに圧倒的な熱量は例え機体越しであろうと資金にいることを二人に許さず、前後へと距離を取らせる。
 そうしてその距離を活かし突撃してくれよう。デスファイアがその構えを取った時、イザベラが声を出した。
「着いた! この位置だ!」
 高速移動しながら走り続けるライディングバトル。悪路であろうと進み続けるその到達点と定めた場所に、待機を命じていたヘリ部隊が移動していた。
「汚物は光になりやがれ!」
 そしてその位置から先に活かせぬとばかりに、ジガンソーレも残るエネルギーを善放出して壁となる。
「ナパームの匂いを嗅ぎながらサーフィン……とはいかないけど、ワルキューレの如く進撃開始よ」
「全てを光に変えて消す!!光子魚雷、射て~~~~~~~っ!!」
 【不滅の海兵隊】の全部総攻撃と【光子魚雷一万発発射!!】の無数の魚雷。圧倒的破壊の嵐がデスファイアに降り注いだ。
「ギャヒャアアアアアア!!」
 悲鳴、あるいは歓喜の声のようにすら聞こえる叫び声。彼の布いた暴力という法を執行するかの如く、圧倒的な戦いの力がデスファイアを包み込むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

空桐・清導
POWで挑む
協力やアドリブも大歓迎だ

デスファイア…
とんでもない悪党だが、ノリは嫌いじゃねえ
オレも[気合]入れていくぜ!

ソルブレイザーに跨り、デスファイアに並走するように加速
ヴォーテックス一族、デスファイア!
このブレイザイン、アンタにライディングバトルを申し込む!
ウィリーによる[騎乗攻撃]や、握りしめた拳で殴り合う

デスファイアが飛翔した瞬間、UC発動
バイクから燃え上がる翼が生え、同様に天に舞う
真正面からデスファイアの戦車に体当たり
軋むフレームに、飛び散る火花
まだだ、ソルブレイザー!オレと一緒に[限界を突破しろ!]
壊れかけるボディが瞬時に回復して戦車を貫く
ただの暴力にヒーローは負けられねえんだよ!


トリテレイア・ゼロナイン
ライディングバトル…それが貴方の誇りであるというならば、騎士としてその作法に乗っ取りお相手いたします

(宇宙バイク並みの速度を四脚で誇る)機械馬ロシナンテⅡに●騎乗

時代遅れかどうかは、その目で確かめて頂ければ

マルチセンサーでの●情報収集と●瞬間思考力で悪路の障害物を把握しつつコースを疾走

並走するデスファイアと大盾で殴り合うなどの小競り合いを交わしつつ開けた場所へ

敵のニトロ突撃に対し此方もUCを振り回し迎撃

あわや正面衝突かというタイミングを●見切り馬の●踏みつけとスラスターの●推力移動で頭上を跳躍

すれ違い様に脳天に鉄球を叩き込み爆破
鉤爪で拘束し●怪力で振り回し大地に這わせ勝負を決めます


櫟・陽里
へっ、クソ野郎の言ってる事わかっちまうわ最悪だね(笑)
ああ強いクルマこそ最強さ!
マシン性能と操縦者の技量が揃えば敵なんかねぇ
勝負しようぜノロマのキャタピラ
俺の相棒は一輪宇宙バイク
まさか軽量級に負けるつもりないだろ?

まずはバイクの強みの機動力でちょこまか
突込むフリして直前で避けたり急旋回で相手の重心のブレを観察しとく
レースで鍛えた動体視力と操縦テクがあれば
戦車なんぞの攻撃、正直全く当たる気がしない

戦車は安定してる分転倒に不慣れと見た
特に足場が悪い場所に誘い込み急旋回させる
重心傾いた瞬間を狙いゴッドスピードライド体当たり!
ひっくり返しちまえば後はどうとでも
拳銃しか持ってないんだよねーと言って構える



 デスファイア・ヴォーテックスは悪党である。燃やし、壊し、殺すことを得意とし、確たる理念や理想など一切持たない低俗で野蛮な極悪人である。
 だが、彼は卑劣ではなかった。なぜなら下らない策を弄する必要もないほどに、最強で無敵だから。そして彼はその最強を誇るにふさわしい戦いを知り、そこに己の全てをかけていた。
「ライディングバトル……それが貴方の誇りであるというならば、騎士としてその作法に乗っ取りお相手いたします」
 無法を誇り暴虐を是とするその思想を決して許容することは出来ないが、そこに悪の誇りがあるならば、トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)は騎士として彼の望む決闘を受けて立つことに迷いはなかった。
 そして彼を悪と断じながらもそのいっそ清々しい姿勢に好感を抱いてしまう者は他にもいた。
「へっ、クソ野郎の言ってる事わかっちまうわ最悪だね」
「デスファイア……とんでもない悪党だが、ノリは嫌いじゃねえ。オレも気合入れていくぜ!」
 櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)と空桐・清導(ブレイザイン・f28542)もまた、デスファイアを許せぬ悪と断じながらも彼のある種筋の通った生き方、単純明快な言動に一抹の理解を示す。
「分かるか? このライディングバトルの素晴らしさが。流石は兄妹どもを皆殺しにしたクソ野郎どもだぜ!」
 まるで同志を見つけた、とでも言わんばかりにデスファイアは炎を噴き上げ壮絶な笑みを浮かべる。
「ああ強いクルマこそ最強さ! マシン性能と操縦者の技量が揃えば敵なんかねぇ。勝負しようぜノロマのキャタピラ」
 挑発、暴言の交換こそがこの場に相応しい交流。まさに追いついてみろと言わんばかりに、まずは陽里が一輪宇宙バイク『ライ』に跨りその場から走り出した。
「いい度胸だ! 野郎のケツ追いかける趣味はねぇが、特別に付き合ってやるぜ!」
 間髪入れずに彼を追うデスファイア。逃げる陽里はバイクの強みをいかしてちょこまか動いて彼を翻弄せんとするが、デスファイアはそんなもの関係ないと言わんばかりに全てを踏み潰し最短距離で追い詰めにかかる。
 そのデスファイアに、陽里は急展開して真正面から突っ込む……と見せかけて即座に旋回。あまりに急かつ鋭角な動きにデスファイアの上半身も思わず揺らいだ。レースで鍛えた動体視力と操縦テクがあれば戦車なんぞの攻撃、正直全く当たる気がしない。その自信に満ち満ちた運転は無法の荒野でなければ許されぬほどに危険で、それでいて精密であった。
「まったく、運転マナーの悪い野郎だぜ!」
「アンタもな」
 軽くついた悪態に真横からの声が答えた。猛スピードで走り続けるデスファイアに平然と並走していた者。それは"超鋼真紅" ブレイザインを纏い『ソルブレイザー』に跨った清導であった。
「ヴォーテックス一族、デスファイア! このブレイザイン、アンタにライディングバトルを申し込む!」
 改めての宣戦布告、そして挨拶代わりだと言わんばかりに、清導はデスファイアの横面を一発殴りつけた。
 そこからさらにウィリー走行となり、前輪でデスファイアの顔面を踏みつけにかかる清導。デスファイアは自身のニトロを爆発させ、自らその燃える禿げ頭で前輪を跳ね飛ばすことでそれを防ぎにかかった。
「とんでもない石頭……いや炎頭だ!」
 猛スピードでの転倒という事態を何とか避け、一旦少し間を離すソルブレイザー。一方首を回してごきりとならしたデスファイアの目に、信じがたいものが映った。
「おいおいこいつぁ……ちょっと時代遅れがすぎるんじゃねぇか!?」
 彼の後ろを追走していたのはトリテレイアの駆る『機械馬ロシナンテⅡ』。トリテレイアと同じ白と青の装甲を持つ機械製ではあるものの、その移動機関は紛れもなく地を蹴るその四足であった。
「時代遅れかどうかは、その目で確かめて頂ければ」
 現に四足であろうとそのスピードは宇宙バイクと同等。そして速さだけではないとばかりにマルチセンサーで周囲の情報を収集、それを瞬時にまとめ上げることでスピードを落とさず悪路を走り抜ける最適な位置取りを瞬時にとりデスファイアを追い詰めようとする。
「ほうほう、なるほどいい馬だ。ところでその馬、味もいいのかぁ!?」
 そのどう見ても食えなさそうな外見のロシナンテⅡに向かい、腕の火炎放射器から炎をぶちまけるデスファイア。その火炎放射を、大盾で防ぎながらそのまま腕を殴りつけることで強引に下へと向けさせる。
「そちらの保証は致しかねます」
「つれねぇなぁ!」
 この程度は小競り合いのうちということか、やはり互いに軽く言い合うトリテレイアとデスファイア。
 そこにまたも陽里がデスファイアを煽るようにその進路を掠めていき、そこで僅かに揺らいだ上半身に再度ソルブレイザーの前輪が襲い掛かる。
 ともすれば仲間を巻き込みかねない超高速の世界でのクロスプレイ。だがその交差の瞬間、三人の猟兵は確かに視線を躱し互いの意思を確かめた。
 やがてレースは終着点へと到着する。未だ平らにされていない、大きな瓦礫が散乱するかつては大都市であっただろう場所。その広く荒れた場所で、陽里が今までにない急接近をかけた。
「戦車は安定してる分転倒に不慣れと見た……ここだ!」
 キャタピラの片側だけが大きな岩に乗り上げ、デスファイア全体が45度傾いたその瞬間。陽里は【ゴッドスピードライド】の強烈な体当たりでそれをひっくり返しにかかった。
「ぬぐおぉぉぉぉっ!」
 読み通りその巨体を回転させるデスファイア。だが、荒野に倒れるなど己に在ってはならぬと、その逆さになりかけた車体を自ら爆発させた。
「この世界、この道全てはオレのものよ!」
 キャタピラが吹き飛ぶほどの大爆発。それは一気にデスファイアの巨体を宙に跳ね飛ばし、地に転がることを回避させた。
「ならば奪わせてもらうぞ、アンタの流儀で!」
 その飛翔の先。その真正面にソルブレイザーが舞っていた。
「大切な日常、守りたいものが在る限り! ヒーローは何度だって、不死鳥のように蘇る!!」
 ソルブレイザーと清導から炎が噴きあがる。それはデスファイアとまるで異なる、守るための正義の炎。【フェニックス・メテオ】の力で不死鳥と化したバイクが、真正面からデスファイアと押し合った。
「ぬぅぅぅぅぅ!」
「うおぉぉぉぉ!」
 軋むフレームに、飛び散る火花。空中で車両のつばぜり合いというありえなさすぎる戦いに、まるで花を添えるが如く純白の機械馬が舞い込んだ。
「些か蛮族染みてはいますが、重火器よりは騎士として格好がつくでしょうか」
 否、そんな綺麗なものではない。ロシナンテⅡが衝突寸前のタイミングで大きく飛び、デスファイアの頭を踏みつけたのだ。そしてそれだけにとどまらず、すれ違い様に脳天に鉄球を叩き込み爆破、さらにその巨体を鉤爪で拘束し怪力で振り回して地面に叩きつけた。
「うぐおぉぉぉぉぉ!?」
 真っ逆さまに瓦礫だらけの地面に叩きつけられるデスファイア。逆さまになったその視界には、拳銃を構えた陽里の姿が。
「拳銃しか持ってないんだよねー」
 ひっくり返してしまえばこれでもどうとでもなる。その意志と共に、ありったけの銃弾がデスファイアに撃ち込まれた。
「奇遇だな……俺も炎と、機銃と……男気しか持ってねぇんだよなぁぁぁぁぁ!」
 絶叫。もはや体すら吹き飛ばさんばかりに最後のニトロを大爆発させ跳ね起きるデスファイア。その不屈の飛翔に、不死の赤きヒーローが答えた。
「まだだ、ソルブレイザー! オレと一緒に限界を突破しろ!」
 先のつばぜり合いで壊れかけた機体を回復させ、ソルブレイザーが最後の突撃をかける。
「ただの暴力にヒーローは負けられねえんだよ!」
 赤熱する火の玉と化したその機体が、暴力に支えられる鋼鉄の戦車を貫いた。
 爆音が途絶え、一瞬の静寂。そしてすぐに轟音を上げてデスファイアの全身が炎に包まれる。火炎放射器と戦車の燃料に引火したか、その勢いはとどまるところを知らない。
「楽しかったぜ、野郎ども……ここからは負け犬の泣き言だ。最強で無敵のオレの代わりに、そのイカれた暴力でオヤジを、フィールド・オブ・ナインを、世界の全てを、焼き尽くせ……! 最強最悪で絶対無敵の猟兵サマよぉ!」
 凄絶に笑いながらの『泣き言』。そして。
「ヒャッハー!!」
 絶叫と共に、デスファイア・ヴォーテックスは大爆発を起こした。その爆発はすさまじく、後には死体どころか鉄屑一つ残っていない。
「聞いといてやるよ。半分くらいは」
 アポカリプス・ランページを制するにはフルスロットル・ヴォーテックスの撃破が絶対条件。彼の遺言の一部は否応なしに達せねばならないと陽里はライの上でごちる。
「制してやるさ。焼き尽くすためじゃなく、立て直すためにな」
「あなたが作り上げた無法を破壊しましょう。破壊の権化よ」
 目指すべきは無法なる制圧ではなくその先の未来のための勝利。清導もトリテレイアも、そこを決してはき違えるような男ではない。
 デスファイアの死によってヴォーテックス一族との戦いはここで一つの区切りを迎えた。そしてこの先はさらなる巨悪、強敵が待っている。アポカリプス・ランページは、いよいよ混戦を極めていくのだ。
 それでも猟兵は戦いを止めない。その先にあるはずの、生に満ちた世界を求めて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月11日


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#アポカリプス・ランページ⑥


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト