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行きはよいよい帰りはぬくい

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●何時の世にも
 とある城下町の外れに存在する侍屋敷。
 空き家となってから早幾年、そこにはいつしか妖怪変化の類が棲み着いているとの噂が流れるようになった。
 肝試しするにはちょうどいいと、忍びこむ者が跡を絶たず――その夜も子供たちが連れ立って中へと入って行くのだが。

●誘惑は絶えない
「このままだと、みんな二度と帰って来れなくなるんだ」
 グリモア猟兵の影守・吾聞(f00374)は狼耳をぱたりと一度動かし、予知した事件の細かな説明に入る。
 サムライエンパイアの侍屋敷に、オブリビオンが出現する。そこが絶好の肝試しの場所として使われていたことが災いし、たまたま侵入した子供が犠牲になってしまうのだという。
「今から向かえば、子供たちがオブリビオンに遭遇する前には現場に到着できるよ。ただ、戦闘に巻き込んじゃうわけにはいかないから……」
 敵の討伐に入る前に、子供を屋敷から追い帰す必要がある。
 方法は猟兵それぞれに一任される。妖怪のふりをして驚かせるか、肝試しにもっと適した場所があると唆すか、真摯に叱ってみるか。各自の得意とする能力を駆使するとよいだろう。

「子供たちを追い帰したら、オブリビオンを討伐すればミッションコンプリートだよ。敷地内は十分な広さだから、動きまわっても大丈夫。夜だから、灯りがあると戦いやすいかもしれないね」
 出現するのは“ススワタリ”とも呼ばれる煤の妖の群れと、それらを率いるボス格の強力な妖が1体。このボスこそが、子供たちを捕らえようとしている元凶であるという。
「予知では姿までははっきり分からなかったけど、黒い腕で子供を中へ引きずり込む光景が見えたんだ。きっと恐ろしい敵だよ、油断しないで」
 仲間たちに警戒を促して、吾聞はどうぞよろしくと頭を下げた。


藤影有
 お世話になっております。藤影有です。
 子供たちの身の安全を守るべく、猟兵の皆様の力をお貸しいただけますと幸いです。

 第1章は【冒険パート】、第2章は【集団戦】、第3章は【ボス戦】となります。

●第1章補足
 各自の得意とすることを生かして、子供たちを屋敷から追い帰してください。
 フラグメントに記載された方法は一例ですので、思い思いの手段を行使していただいて問題ありません。

●余談
 ボス、自分から引きずり込まれたくなるほど恐ろしいですね。

 それでは、皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
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第1章 冒険 『怪異の館』

POW   :    怪奇は俺だ!お化けのフリをし、子供たちを驚かせ帰らせる

SPD   :    もっと良い場所があるぞ!子供たちを説得し帰らせる

WIZ   :    そこで何をしてる!子供たちを叱って帰らせる

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●妖怪屋敷にいらっしゃい
 日が沈んでから程なくして、件の屋敷に忍び込んできた子供たちは。
「あっちいこうぜ!」
「何言ってんだよ、まずはこっち!」
 見事に大喧嘩していた。お化けや大人に見つからぬよう、声を潜める努力は怠らずに。
 仲裁を試みた者の努力も虚しく、子供らは二手に分かれて内部へ乗り込んでいく。

 ――向かう先の双方に、猟兵扮した妖怪変化が潜んでいるとも知らず。
ポク・ョゥョゥ
ぽくはねー黒いんだー
でもぱんだなのー

だからねー
まっくろおばけするんだー
かくれんぼしてー、ぽくたまに光っちゃうからー
ぼんやり光る所不思議だなーって子供が寄ってこないかなー
それで子供が来たらー
ばぁ〜って出て驚かすよー

ぽくねー結構伸びたりできるからー
うすーくひろーい形になってーべろ〜んと舌だしておどかすのー
でもぱんだだよー

あーそうだー
ぽくのお友達も呼ぶよー
ぱくも一緒に驚かそー
きっと大きなドラゴンが急に出てきたらびっくりぽんだよー
よーし準備おっけー
ぱくいくよー、せーの
あがめよー

あ、お帰りはあっちだよー
気をつけてねー
ばいばーいとおてて振ってお見送りー
やったー最初のみっしょんこんぷりーとー
じゃあ、次いこー


ジンガ・ジンガ
★POW
どーせなら、ガクブルな恐怖体験プレゼントとかどうよ?

口の周りやダガーに血糊つけて
返り血演出もして人食い鬼のフリ
フード被って雰囲気も爆アゲ

夜目(【暗視】)活かし
【目立たない】よう物陰とかに隠れ
子供の姿を確認したら【聞き耳】で【情報収集】
お名前聞けたら僥倖!

頃合見て【忍び足】
音もなく子供の背後へ

……あァ、あァ――新鮮な肉だァ
それも活きのいいガキじゃねェか
最高のご馳走だァ……
ガキの肉ァ、やァわらかくて、甘くて、美味ェんだ

にぃぃ、と不気味に嗤い
聞けてたら名指しサービスもしちゃうわよん
最後は地の底から響くような声を意識し【恫喝】
腰抜かさない程度に追い立てまショ

さァ、どんな風に食われてェんだァ!!


タビタビ・マタタビ
【POW】で行動!

子どもを危ない目から守るのも騎士の役目、騎士道だよね!
ボクはちっこいけど、いつも身に着けてる大きなマントを頭から被れば、少しは大きく見えるかなあ?

まずは、屋敷の物陰に姿を隠して。あちこちで、ガタガタ物音を立てて、コワイ雰囲気の準備。
子ども達がそれに気づいてくれたら、精一杯、声を低くして。
「ウマソウナコドモガ、イルナア……!」
うまく子ども達が怯えてくれたら、タイミングを見計らって、姿を現わすよ。
みんなの注目が集まったところで、一気にマントを脱いで正体を現す!
「ニャアアアアア!!!」
これで逃げてくれる……といいなあ?




 土蔵の中より。
「あ、こっちきたよー」
 闇に乗じて外を覗き込んでいたポク・ョゥョゥ(f12425)が、仲間たちへと合図した。ぱたりと戸を閉めて後、ブラックタール固有の伸縮自在の身体を駆使してするりと荷の隙間へ収まる。
「りょーかい! ガクブルな恐怖体験、プレゼントしてやろうぜ?」
 ジンガ・ジンガ(f06126)はにやりと悪戯っぽい笑みを浮かべる。フードを深く被り直して、入り口に程近い物陰へスタンバイ。
「準備万端だよ! 子どもを危ない目から守るのも騎士の役目、騎士道だよね!」
 愛用のマントを頭から被り、タビタビ・マタタビ(f10770)も積まれた荷の陰へと身を隠す。
 程なくして。
「太郎兄ちゃん。ほんとにみんなと一緒じゃなくていいの?」
「何言ってんだ、次郎! あいつが聞かないのがいけねえんだ!」
「太郎は頑固ねー」
「花まで! だって、ここ。気になるじゃねえか……」
 子供たちがやってきた。少年2人に少女1人。聞き耳を立て、しっかり名前まで把握したジンガが喉の奥でくつくつと笑う。僥倖だ。

 そろそろと蔵の戸が開き――一人、二人、三人。順々に中を覗き込む子供ら。
 抜き足差し足忍び足。そおっと物音を立てぬよう入ってくるが。
 がたり。
「ひぃ!」
 様子見にとごく軽くタビタビが立てた物音に、一番小さな少年が声を上げ身を竦ませる。
 がたり、がたり。
 続けて立つ物音に、他の二人もひぃっと身を寄せて辺りを見回す。
「き、きっと猫か何かよね?」
「ああ、化物なんているわけが……お、そこ。何か光ってるぜ」
 年長の少年が、ぼんやりと光る一画に気づく。もしかしてお宝か、などと無防備に覗き込んだのがいけなかった。
 ばぁ〜、っと踊り出る、薄く幅広く真っ黒な舌をべろりと出した“何か”――ポクである。
「きゃああああ!!」
「うわああああ!?」
 突然出てきた異形に悲鳴を堪えられない子供たち。小さな少年に至っては、既にぱくぱくと口を動かすことしかできない。
「……あァ、あァ――新鮮な肉だァ」
 びくり。そおっと後ろを振り返る子供たち。声の主は。
「それも活きのいいガキじゃねェか。最高のご馳走だァ……太郎に次郎に、花って言ったなぁ?」
 にいっと笑う人喰い鬼、に扮したジンガだ。べっとりと塗られた血糊によって凄みを増した鬼が、名前を呼びながら一人ずつ子供らを指し示して。
「どんな風に食われてェんだァ!!」
 恫喝の声を上げる。ぷるぷると身を震わせ、逃げ場を探してあちこちへ惑わせていた視線が。
「ウマソウナコドモガ、イルナア……!」
 ふらふらと近づいてくる大きな布の塊――タビタビを捉え、小さな少年と少女は遂に限界を悟った。
「に、兄ちゃん……!」
「早く逃げましょ!」
「ま、待てよ。ここまで来て……」
 二人にぐいぐい手を引かれるも、未だ名残惜しそうな年長の少年。その頬を、何かがぺろりと舐めた。

 あ が め よ ー

 それは、突如現れた白き竜。
「「「あああああああ!!!???」」」
 あまりの事態に子供たちは、後ろも振り返らず一目散に逃げ去っていった。

 涙と鼻水でずるずるの子供らの顔を思い返し、声を殺して笑い転げるジンガを横に。
 ポクとタビタビは、ばいばーいと手を振って少年少女の背中を見送るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

逢坂・理彦
【翠苑】で参加。依頼といえどみんなでお出かけできるのは嬉しいね。
空き家だからって人のお家に勝手にはいっちゃいけないんだけど。子供は好奇心旺盛だからね〜それには勝てないかったんだろうけど。空き家の中って結構危なかったりするし。子供たちには早々に帰ってもらおう。ってことで俺たちで脅かして帰ってもらおう作戦実行だよ。俺は【フォクスファイア】で狐火を浮かべて脅かすよ〜近づいてきたら追いかけて脅かし準備のできた屋敷のなかへ。あとは煙ちゃん達に任せるよ〜。もう二度としないって思ってくれるといいんだけどね。


柊・雄鷹
【翠庵】で参加!
わー、皆でお出かけ楽しいなぁ!
ん?分かっとる分かっとる!ちゃんと真面目にするっ!
しかしボス、気になるなぁ……。
煙ちゃんがソワソワしてるのも!すごく!気になります!

4人でおばけ役やるでー!
【メカニック】で作った、踏んだら音が鳴る装置を部屋の隅に設置。
音は水の音とか、床が軋む音とかどうやろ?
あとは【怪力】で、進行方向にある部屋の家具全部ひっくり返しておくな!
しかし煙ちゃんの怖いな…。
ワイもネタを知らんかったら怯えて泣いとるやも知れん。
理彦ちゃんの狐火は初めて見たなぁ。暖かそう!

…えっ!何なにザッフィーちゃん怖いんはやめよ!やめよっ!!
気の所為に決まっとるやーん!……気の所為、よな?


吉瀬・煙之助
【翠庵】の皆で参加するよ~
おじさん絶対此処のボスには会わなきゃ行けない気がビンビンしてるよ…!
子どもたちの好奇心は大事にしたいけどね、怪我する前に帰ってもらおうね
皆での依頼にややはしゃいではいるんだけどね♪

4人でおばけのフリをして追い返すよ~
【目立たない】よう動きながら、時々雄鷹くんがひっくり返した家具を倒してみたりして驚かせるよ
理彦くんの狐火で、子どもたちの恐怖が最高潮になったら【忍び足】で背後に忍び寄って一番怖がっている子の耳元で
「捕 ま え た」
と囁きながら予め冷たく冷やした手でそっと【手をつなぐ】よ

え、ザッフィーロくんもう1人って誰…???


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【翠庵】の皆で参加
皆と常に連携しつつ行動しよう

お化け屋敷か。今回は皆と脅かす側だが…もし倒せん物…幽霊が本当に居ったら恐ろしいな…と
いや、冗談だぞ?

4人でお化けとして子供を脅かそうと思う
『追跡』『忍び足』を使いつつ『聞き耳』で子供達に気付かれぬ様後を追おう
皆の仕掛けが凝って居る故、俺も驚かん様気を付けんとな
皆の連携の間に時折【穢れの影】を床に這わせ何かが居るかの様に驚かせよう
…その際子供たちの足首を掴む様に軽く触れても良いかもしれん

子供たちが帰ったら皆と成功を称え合う
団長に柊、逢坂…と
ん?先ほどもう一人いた気がしたのだが…、…気のせい…そう、気のせいだな、うん




 人里離れた自然の中の小さな庵・翠庵に集う4人組の猟兵は、子供たちを追い帰す準備に勤しむ。
 ほんの少しだけお祭り気分にわくわく、しかし猟兵の仕事であることは心に留めて。
「空き家だからって人のお家に勝手にはいっちゃいけないんだけど」
 好奇心には勝てなかったのだろう、と逢坂・理彦(f01492)は子供たちの心境を思い量って穏やかに微笑む。
「怪我する前に帰ってもらおうね。ボスは恐ろしい敵らしいからね」
 けれども絶対会わなければならない気がするのは何故だろう、と吉瀬・煙之助(f10765)は首を傾げる。
「ボス、気になるなぁ……。煙ちゃんがソワソワしてるのも! すごく! 気になります!」
 部屋に仕掛けた何やらの具合を確かめながら、柊・雄鷹(f00985)が煙之助に頷いた時。
「そろそろ来るぞ」
 斥候に適した技能を駆使して外の様子を伺いに行っていたザッフィーロ・アドラツィオーネ(f06826)が戻ってきた。
「しかし……幽霊が本当に居ったら恐ろしいな……と」
 またまたご冗談を、などと皆で笑い合いながら。さて、いよいよ作戦開始だ。

「ほんと、あいつは。聞かないんだからなぁ」
「だからって、姐さん……」
「別れちゃってよかったんでやんすか?」
 男勝りな口調の少女1人にやや年少の少年2人が屋敷の入り口へとぶつぶつ話しながらやってきた。
「いいんだよ! 何かいるとしたら絶対に」
 ふわり。
「こっち……え?」
 ふわりふわり。少女を取り巻くかのように狐火が舞っている。
「「で、でたあああ!?」」
 早くも飛び上がるほど驚いて、屋敷内へと逃げ込んでいく少年2人。
「ちょっと、あたしを追いてくな!」
 慌てて後を追う少女を見送って。
「あとは任せるよ〜」
 ひらひらと手を振る狐火の主――理彦に頷き、ザッフィーロもまた気配を殺して屋敷の中へ。

「姐さん、もう帰ろうでやんす……」
「何言ってんだ。まだ来たばかりだろ!」
 ひそひそ声で話しながら、部屋の一つに足を踏み入れた子供たち。
「でも、さっきみたいのがまた出たら」
 ぴちょん。
 何処からともなく雫の音がする。
「ひぃ……!」
「え、今の音は」
 ぎしり。
「わぁ!!」
 続いて、床が今にも抜けそうな音を立てる――雄鷹が仕掛けていた、踏んだら作動する装置だ。夜の屋敷に、如何にも何かが出そうな雰囲気が漂い始める。
「い、いよいよまずいんじゃ」
「でも、まだ奥を見てな」
 がたり。
 まだ踏み込んでいない、奥。派手にひっくり返された家具が動いた気がして、子供たちは思わず身を寄せる。
 ばたり、ばたり。
 まだ自分たちは入っていないはずなのに。つまりは誰もいないはずなのに――目の前で次々と家具が倒れていくのは何故だろう。
 がたがたと震える3人組の耳元で。

 捕 ま え た

 低い囁き声、がしりと冷たい大きな手に捕らわれて。
「「「うわああああああああ!!??」」」
 くるりと踵を返して入り口へ駆けていく子供たち。しかし少女が何かに足を取られてずてんとこける。
「ま、待って。ちょっと、離せ……」
 足首に絡む影を蹴り飛ばそうとし――少女は思考停止した。影が形を取って、自分を掴んでいるという事実に気付いて。
「わああああああああああ!!!」
 1人で3人分を越える程の派手な絶叫を残して、少女もまた屋敷の外へと全速力で逃げていったのであった。

「もう二度としないって思ってくれるといいんだけどね」
 理彦が飄々と笑う。ひどく怯えた様子の子供らの様子からするに、ここまで戻ってくることはまずないだろう。
「理彦ちゃんの狐火は初めて見たなぁ。しかし煙ちゃんの怖かったな……ワイもネタを知らんかったら怯えて泣いとるやも知れん」
 仲間の手口を思い返し、雄鷹は自身の身を抱いて震えるふりをしてみせる。
「作戦成功、何よりだ。お疲れ様。団長、柊、逢坂、“ ”」
 おや?
 ここにいるのは翠庵に集う4人組。煙之助、雄鷹、理彦。そして。
「ん? 先ほどもう一人いた気がしたのだが……」
「……えっ! 何なにザッフィーちゃん怖いんはやめよ!やめよっ!!」
「え、ザッフィーロくんもう1人って誰…???」
 ザッフィーロを加えて、4人。そのはずである。
「……気のせい……そう、気のせいだな、うん」
 そう、きっと気のせいだ。

 ――くすくすと誰かの笑い声が聴こえたなんて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ススワタリ』

POW   :    まっくろくろすけの通り道
【対象が煤だらけになる集団無差別体当たり 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    かつての住処
【ススワタリがかつて住んでいた巨大な屋敷 】の霊を召喚する。これは【扉から射出した大量のミニススワタリ達】や【窓から射出した巨大ススワタリ】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    煤だらけ
【対象に煤が付くフンワリあたっく 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を煤で黒く塗りつぶし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●出ておいで
 かくして。
 子供たちを追い帰すことに成功した。これで存分にオブリビオンとやりあえる。
 合流した猟兵たちは、屋敷を順に調べていく。
 程なく調査は、最奥の一部屋を残すのみとなった。つまりはここが、敵の居する所に違いない。

「出ておいで」

 誰かが音頭取って襖を開けると、そこには――ぎょろりとこちらを見つめる目、目、目。
吉瀬・煙之助
【翠庵】の皆と参加だよ
うわ~、なんかこの敵みてると童心に還る感じするね
ちょっと手の平でパチンとしてみたくなるよね、ならない?

今日は心強い子達が一緒だから、おじさん後ろから【援護射撃】いっぱいするね~
UCを使用して、小判を操作して出てきた敵全部に攻撃を仕掛けて
敵がそれに気を取られた所を皆に攻撃してもらうよ
ふふふ、みんなやっぱ強くて頼りがいあるね~♪

自分自身は極力【目立たない】ように援護しつつ、うちの子たちに攻撃しようとしてる敵には
【忍び足】で近づいて後ろから『朱音太夫』で殴って【暗殺】にいくよ
「流石にそれはおじさん見過ごせないな~」


柊・雄鷹
【翠庵】で参加やで
襖スパーンって!やりたかった!!
この敵あれやで、アニメで見たことあるでっ。
敵なんが残念やなぁ……。
ほな、さよならしよかっ!
【先制攻撃】! 手作りのダガーを【投擲】で使用。
どれも自慢の一級品や、好きに喰ってどうぞ。
敵の攻撃は【第六感】で避ける、仲間への攻撃は【かばう】。
手持ちのダガーが減ったら鷹狩を使っての攻撃。
しかし煙ちゃん、マジ忍者やな。ナイスフォローやでー!
ザッフィーちゃんと理彦ちゃんもカッコ良すぎん?
惚れなおした惚れなおしたっ!


逢坂・理彦
【翠苑】で参加。
よし、子供達も帰ったし中に入ろうか。
しかしあれだよねぇ室内となると薙刀ふるったら絶対引っかかるよね。ってことで取り出したるは【狐の扇】これで扇いで【範囲攻撃】だよーそんなに強くない敵みたいだからこれだけでも行けそうだけどダメ押しで【墨染桜・桜吹雪】で一掃だ。うん、なんていうかやっぱり仲間がいるって心強いね…ていうか部屋がすごく綺麗になったよ!


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【翠苑】の皆と
ちょっと待て、柊
そんな勢いよく開けたら危な…、…っ
…い、いや、何でもない。大量の目に一瞬驚いただけだ。
…本当にその、一瞬だからな?

基本は【罪告げの黒霧】にてなるべく大量のススワタリを巻き込めるように動きつつ行動を
攻撃の際は『暗視』でしっかり敵の居る場所を把握しつつ『2回攻撃』『全力魔法』『高速詠唱』を駆使しながら退治していきたいと思う
…別に驚かされたからといって八つ当たり等しておらんぞ?
後、敵からの攻撃から庇われたり、先に暗殺してくれたりと皆に助けられた場合は助かった、と視線を向け感謝を
…やはり背を気にせず戦えるというのは良いな




 すぱーん!

「ちょっと待て、柊。そんな勢いよく開けたら危な……」
 とても良い音を立てて襖を開いた雄鷹。お部屋の中からこちらを見つめるたくさんの目と、いの一番にご対面。
「……この敵あれやで、アニメで見たことあるでっ! ん? あれー? ザッフィーちゃーん?」
 やや興奮気味に分かる人には分かるであろう感想を述べつつ、くるりと振り返ると――何故か固まっているザッフィーロ。ひとまず眼前で手をふりふりしてみる雄鷹。
「……は! い、いや、何でもない。大量の目に一瞬驚いただけだ。本当にその」
 一瞬だからな、と小さく呟き、呼吸を整えるザッフィーロ。突然ぎょろりと大量の目玉と遭遇したとなると、彼の反応は至極当然とも思える。しかし、仲間たちの間に漂うは、何故か和やかな雰囲気で。
「うわ~、なんかこの敵みてると童心に還る感じするね」
 煙之助に至っては掌でパチンとしてみたい、などとうずうず気味だったりする。
「しかし、あれだよねぇ。室内となると、薙刀ふるったら絶対引っかかるよね」
 そんな翠庵の皆に本来の目的を思い出させたのは、理彦の一言だった。
 そう。子供たちを無事に帰した今、猟兵の成すべきことはオブリビオンの討伐である。たとえその相手が。
「敵なんが残念やなぁ……。ほな」
 どれだけほっこりする外観をしていようとも。
「さよならしよかっ!」
 雄鷹のダガーの投擲に続き、ザッフィーロが室内に飛び込む。
「罪なき者には効かぬと聞くが…、…試してみるか?」
 吐き出すは、穢れを含ませた吐息。煤よりも黒い毒の霧が、妖怪どもを蹴散らしていく。暗い室内にザッフィーロが視線を巡らすと、辺り一面に夥しい数のススワタリがいるのがわかる。
「でも、そんなに強くない敵みたいだね」
 毒霧で消滅した大まかな数から、敵の戦闘力を推し量った理彦が呟く。しかし油断は禁物と狐の扇を構え直し、放つ術は墨染桜・桜吹雪。扇が無数の墨染桜の花びらへと変化して、煤の塊を大きく薙いで一掃していく。
「桜だって喪に服すんだよ。あぁ、綺麗だねぇ」
 ついでに部屋まで綺麗になったと笑う理彦。猟兵の息の合った攻撃に、オブリビオンも黙ってはいない。

 すぱーん!
 
 再び襖の開く音。猟兵たちの踏み込んだ場所ではなく。開いたのはそこよりちょうど垂直に位置する、部屋の横に設置された襖――はて、そんな位置に襖などあっただろうか?
 ぶわり、と謎の襖の中から飛び込んできたのは、大量のミニススワタリ。新手から雄鷹が仲間を庇えたのは、耳や目よりも早い第六感の働きのたまものか――五感の外の感覚が、捉えたものはもうひとつ。
 「狙った獲物は、逃がさへんで」
 二十本あまりに複製した愛用のダガーを放つは、部屋横の襖に向けて。ミニススワタリごと刃に貫かれた襖は、ぱりんと硝子のような音を立てて消えていった――どうやら、オブリビオンの創り出した幻の一種であったらしい。
 幻影を破られて焦ったか、ススワタリたちが塊となって、猟兵たちへ飛びかかってくる。
 敵味方の区別すらしておらぬような高速の体当たりをしてくるもの、少しは気を使ってかふんわりと飛んでくるもの。数に任せた攻撃に、部屋はあっという間にまっくろくろ。
 せっかく綺麗にした部屋が黒に染まり、理彦はちょっと残念そうにぺたりと耳を伏せている。
 このままでは猟兵みんなまっくろくろすけになってしまいそうだが。
「流石にそれはおじさん見過ごせないな~」
 飄々とした声が響いた――煙之助である。
「だから……大盤振る舞い、いっちゃうよっ!」
 仲間も自分も煤まみれにされては堪らぬと、放つはユーベルコード・一攫千金。
 複製された小判が手裏剣の如く宙を飛び交い、暴れまわるススワタリの群れを次々と切り裂いていく。
「煙ちゃん、マジ忍者やな。ナイスフォローやでー!」
 きらきら輝く小判を操る煙之助の様に、同じくらい瞳を輝かせて歓声を送る雄鷹。
 その子供のような無邪気な笑顔に、理彦とザッフィーロも瞳を和らげる――背を預けて戦える仲間がいるというのは、心強いものだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ポク・ョゥョゥ
まっくろ黒たんー
でてきたー

ぽくも黒いよーあがめよー
お目目いっぱいだーにらめっこするー?
ほっぺぷっくりのーん〜〜〜…ぷぷー
笑っちゃったー最初は黒たんの勝ちー

よーし次だーばっちこーぃ
体当たりする?する?
今度は負けないぞーバウンドボディで跳ねる跳ねーる
はっけよーぃ、のこったー
ぽく黒いからー煤だらけになっても気にしないよー
もっとあそぼー

わー、お家がでてきたー?
黒たんもいっぱいだー
それじゃー、ぱくを呼んでー尻尾攻撃だー
ぽくはお背中乗って応援するのー
翼ぱたぱたで吹き飛ばしもしちゃうぞー
おっきい黒たんはのびーるぽくぱーんちで援護だー

お掃除終わりー
あれー、ぱくの尻尾が黒くなったねー
ぱんだみたーぃ
次はなにかなー


タビタビ・マタタビ
わわ、今度はホントの妖怪……じゃなくオブリビオン!

敵なら手加減の必要ないよね!
【全力魔法】で【エレメンタルファンタジア】を発動! おいで、水の嵐!
その勢いで、敵を一気に飲み込むよ。

エレメントの力を使いこなすのは難しいけど、ススワタリの煤で黒く汚れちゃった人がいれば、威力を落とした水の力で綺麗にしてみるよ。
ケアも騎士道のうちだよね。
あ、僕は黒猫だし、マントが少しくらい汚れても、騎士的には勲章みたいなものだから大丈夫。
……み、水が苦手とかじゃないから気にしないで!(わたわた)

もし、巨大屋敷が召喚されちゃったら……ミニススワタリの相手。
巨大な奴は、ボクには大きすぎる……!!

絡み・アドリブ歓迎です!


ジンガ・ジンガ
さーて、ススワタリちゃんだっけ?
どんな姿のが出てくるかなァ――はいはーい、出ておいでェー!

あら、予想以上にファンシーじゃんよ

★SPD
えー、コレ斬れる? 斬れるよね?
ふわっふわの煤のカタマリに見えンだけど
とりあえず先手ヒッショーってコトで【先制攻撃】
コート脱ぎ捨て、身軽さ増したシーブズ・ギャンビットで【2回攻撃】
【フェイント】かけて撹乱しつつ
他の猟兵ちゃんの攻撃も利用して【だまし討ち】

扉や窓からススワタリちゃんが出てきそうな気配や
前兆があれば【見切り】で回避するじゃんよ
俺様ちゃんもムダには汚れたくないしィ
お洗濯たいへーん!

出ておいでとは言ったけど
こーんなにいっぱい、一度に来られても困るってのよ




 だいぶ数を減らしたススワタリの群れ。残るは遭遇時点の三分の一といったところだろうか。

「しっかし、予想以上にファンシーだなァ?」
 それでも油断は禁物と、ジンガはぎろりと銀の瞳で敵を睨む。うっかりお洗濯の手間が増えてしまっては大変だ。何しろ、この敵。
「ぽくも黒いよーあがめよー」
 ブラックタールのポクに負けず劣らず、真っ黒な煤の塊なのだから。それに。
「ホントの妖怪……じゃなくてオブリビオンなんだよね」
 ポクとにらめっこして遊んでいる呑気な個体もいたりするが、オブリビオンには違いないのだから。
「敵なら手加減の必要ないよね!」
 放置しておけば、人に仇なす存在なのは疑いようがない。ならば倒すのが騎士の務めと、タビタビは誓いを胸に言霊を紡ぎ。
「おいで、水の嵐!」
 全力を込めて発動するエレメンタルファンタジアは、水の属性を元にしたもの。ざぶりと敵群を飲み込んで、ついでに部屋の中も綺麗にお掃除。
「汚れちゃった人がいたら、ケアするから声掛けてね!」
「おー、便利ィ! ……あン?」
 タビタビの術の効果でぴかぴかになった部屋に視線を巡らせたジンガが、いち早く異変に気付く、部屋の両横の壁。片側には再び謎の襖が。そして――もう片側には、大きな窓。
「……出ておいでとは言ったけど」
 羅刹の青年が肩を竦めると同時に。

 ぶわり、がたり。

 襖からはミニススワタリの群れ、大きな窓からはビッグなススワタリ。あらまぁ、びっくり。
「こーんなにいっぱい、一度に来られても困るってのよォォォ!!!」
「巨大な奴は、ボクには大きすぎる……!!」
 背中合わせになって、ミニススワタリをどうにかするタビタビとジンガ。
「それじゃー、おっきい黒たんとはぽくとぱくが遊ぶねー」
 巨大ススワタリと対峙するは、ポクと。
「ぱく、おいでー」
 彼の友達、白竜のぱくである。
「はっけよーぃ、のこったー」
 黒と白、二つの巨体がぶつかり合う。その様子は、さながら怪獣大乱闘。白竜の背中からはぽこぽこと援護――のびーる身体を駆使したぽくぱんちが飛ぶ。
 しばし続いた膠着状態を制したのは、白竜だった。
「どすこーい」
 巨大ススワタリを持ち上げて、思い切り床に叩きつける。勢いで大きく振られた尻尾が、残っていたミニススワタリを薙ぎ払っていく。
「さァーて、トドメ……こいつも斬れる? 斬れるよね?」
 未だ形を残している巨大ススワタリが暴れだすその前に、コートを脱ぎ捨て素早く駆け寄ったジンガがダガーをざくりと突き立てた。
 
「お掃除終わりー。あれー、ぱくの尻尾が黒くなったねー。ぱんだみたーぃ」
 おそろいだ、と自身をパンダと認識しているポクがはしゃぐ。
 巨大ススワタリの身体が在った位置に、他のススワタリの残した煤の跡。あちこちがまっくろくろだが、タビタビの魔術であれば十分に綺麗にできそうである。
「タビタビちゃんは綺麗にしねェの?」
「あ、僕は黒猫だし、マントが少しくらい汚れても、騎士的には勲章みたいなものだから大丈夫……み、水が苦手とかじゃないから気にしな」
 ジンガの問いかけにわたわたと答えていたタビタビの動きがぴたりと止まる。
 猫妖精の金色の瞳に、ありえないものが映っている。ススワタリを片付けて、部屋の中には汚れ以外に何も無くなったはずなのに。
 いったいどうしてジンガの後ろ――部屋の中心に“それ”はあるのだろうか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『蠱窋の怪』

POW   :    北風とおふとん〜みかんをそえて〜
【寒波に乗せたおみかん 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【あったかお布団】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    100ぴき乗ってもだいじょーぶ!
戦闘力のない【みかん色のふわもこひよズ 】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【呼び出したひよの数】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    ともだちふえたよ
【なごみ 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【亜空間の穴】から、高命中力の【引きずり込む黒い腕】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フィン・クランケットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●入ってけ
 それは、冬に人を暖めるもの。
 それは、上に蜜柑が置いてあったりするもの。
 “それ”は――。

 は い っ て け ー

 人を引きずり込むモノ。
 布団らしき部分がめくれ上がり、中で瞳がきらりと光った。
ポク・ョゥョゥ
わー
お こ た だ ー

あったかそーどこにお顔あるのー?
ぺろっとめくったらお目目が合ったのー
あがめよー

風冷たいー
おぷるっ
おみかん飛んでき
おぷるっ
ふ、ふかふかも飛んで来たよー
あったかお布団だすやぁ
…はっ、おはよーなのー

ひよこたんだー
ぽくの頭に乗っても大丈夫だよー
ひよこたんとトーテムポールしたいなー
ぱくも呼ぶのー一緒にするー?

なごなごー
わー黒い手だーぽくと一緒だねー
あれーどこ連れてくのー
わー
ぱくが足掴んでくれたのー
何だかぽく凄くのびてるー
でろーんと黒い腕から逃げるのー
ぽくはぱんだだよー
ちょっとゆるいけどー

そのままぱくが戦ってくれたよー
ごめんねー、お友達になりたかったなー
おてて合わせて祈るのー


タビタビ・マタタビ
コタ……ツ?
コイツが一番の強敵?
ひよことかみかんとか乗っかってるけど……倒しちゃって大丈夫……?

って、みかんが飛んで来たよ!?しかも冷凍されてる!?
剣を抜いて【武器受け】で防ぐよ。酸っぱいのは苦手な方だけど、食べ物は大事にー!

猫騎士道奥義が壱、【駆猫鋭爪】発動!
マントを脱ぎながらダッシュで近づいて、布団部分を引き裂く!ひよは傷つけたくないし!

? これはぬくぬくの気配……なんだか中に入りたく……
ふらふら~
……はっ!うん、これは確かに強敵で間違いないよ。みんな気を付けて!
(【なごみ】を喰らっちゃったら、にゃーんと丸くなって中に連れ込まれる)

良い感じに退治できたら他の猟兵さんとハイタッチしたいなあ~


ジンガ・ジンガ
こっわ

えー、そう来るー?
そう来ちゃうー?
ヤダー、冬には最強の……オブリビオン?
オブリビオンでイイのよねコレ?
でもまァ、親玉なワケだから強いってコトじゃんよ?

★SPD
とりあえず【ダッシュ】で駆け寄って
【フェイント】からの【だまし討ち】のシーブズ・ギャンビット
【先制攻撃】【2回攻撃】狙いまショ
なんかヤバそうだったら【見切り】と【逃げ足】で回避
引きずり込まれたら、出てこれるかどうか正直自信ビミョーだわ
おミカン食ってほのぼのしちゃいそう

ワーオ……なんかコレさァ
上のピヨちゃん増えてない?
絶対増えてるよね?
俺様ちゃんの目のサッカクじゃねーよね?
ちょっとコレ、何匹まで増えるか若干気にな――るけど倒します!




 お こ た だ ー

 お布団部分をぺろっと捲ってお目目を合わせて。
「あがめよー」
 と無邪気にご挨拶するポクが、その場にいる猟兵の中でもっとも冷静だったかもしれない。
「コタ……ツ? コイツが一番の強敵?」
 タビタビは立ちすくんだままである。それは困惑によるものか、それとも温かそうな気配に魅了されたゆえか。
「……こっわ」
 猫妖精の視線を追ったジンガが呟く。ススワタリを率い、子供を中に引きずり込もうと目論む恐ろしい妖がいることは転移前に伝えられてはいたが。
「ヤダー、冬には最強の……オブリビオン? オブリビオンでイイのよねコレ?」
 “恐ろしい”の方向性が斜め上であった。
「ひよことかみかんとか乗っかってるけど……倒しちゃって大丈夫……?」
 オブリビオンと聴いて気を引き締め直し、警戒の色で怪しいコタツを観察するタビタビの言葉に。
『ぴよ!』
 上に乗っているオレンジひよこから元気なお返事が。
「ひよこたんだー」
 おいでー、とポクが読んでみると、頭の上にぽよんぽよんとおみかん色のふわもこひよズが積み上がる。
「ぱくも、おいでー」
 友達の白竜・パクも加えて。下から順に白竜、ポク、ひよこひよこひよこ……白黒オレンジトーテムポールの出来上がり。
「ワーオ……なんかコレさァ。上のピヨちゃん増えてない? 絶対増えてるよね?」
 自身の目の錯角をも疑ったジンガだが、すぐにそうではないことに気付く。
『ぴよ!』
『ぴー!』
『ぴよぴよ!』
 ポクの頭からころりと転がり落ちた一羽が、また上に登っていく――その後を追って一羽、また一羽と順調にひよこの数が増えて。
「ちょっとコレ、何匹まで増えるか若干気にな――るけど倒します!」
 素早く距離を詰め、ジンガが構えたダガーをコタツへ向けて振り下ろす。すると、コタツの下部よりみょーんと4本の腕が生え、カサカサと信じられない速度で刃を躱す。
 驚き目を見開く羅刹の青年だが、問題ない。この一撃はあくまでフェイント。本命は。
「ごめんねェ、ピヨちゃん!」
 今やうじゃうじゃ増えたオレンジ色の群れへ、放つはシーブズ・ギャンビット。戦闘力を持たぬひよズは、ぽふんぽふんと軽い音を立てて消えていく。
「あの動き、強敵で間違いないね。ひよは傷つけたくないから……!」
 ころころ転がるひよこの合間を縫って、タビタビも動く。愛用のマントを脱ぎ、身軽に敵へと接近して。
「にゃああああああん!!」
 猫騎士道奥義が壱、駆猫鋭爪が炸裂。鋭い爪をこたつ布団へと突き立てたタビタビは。
「あ、ぬくぬくだー……にゃーん」
 本能をくすぐられ、そのまま上で丸くなった。だが、それが功を奏した。ちょうど黒い腕の1本の上に乗っかられ、猟兵たちから距離を取ろうとしていたコタツがよろりとよろける。
 未だ自由な黒い腕3本に誰かが捕われる前に。
「ぱく、足掴んでてー」
 白竜の力を借りたぽくが、伸縮自在の身体をでろーんと身体を伸ばし――元の黒ぱんだの姿形に戻った時には、その腕の中に丸くなったタビタビがいた。敵の内部に引きずり込まれることなく、仲間の救出完了だ。

 どすどすどす。
 未だ誰も捉えられないコタツの黒い腕が、悔しげに床を殴っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

逢坂・理彦
【翠苑】で参加。
いよいよやつのお出ましだね。
あれがぬくぬくなことはサムライエンパイア出身の俺はよく知っている…から余計に誘惑されそうだよ。
引き続き室内戦だからねー…ちょっと思い切って妖刀使うかな…みんなの危機には変わりないし。うん、よし今宵の俺は一味違うってやつだよ〜。【生命力吸収】で敵から吸収して補おう。そんなみんなのこと誘惑するようなピヨをだすなら【殺気】で押しとどめるよ。
最後は【剣撃一刀・叢雲断ち】
…疲れたぁ…庵に帰ったらまったりしたい。


柊・雄鷹
【翠庵】で参加やでっ!
あっ、これ知ってるで!旅団にあったオコタやっ!
人を引きずり込んで離さない、魔窟……!
これは強敵やなっ、気ぃ入れて頑張ろか!!
……なぁ煙ちゃん、あの上に乗ってるピヨピヨ、旅団で飼っても良ぇかな。
なぁあかん?あかんの???
ザッフィーちゃんが敵を拘束してる間に、 ワイも【投擲】で【2回攻撃】をしかけるで。
引きずり込まれそうになったら【怪力】で踏ん張る!
魅惑的すぎる誘惑やけど、負けるわけには、いかん……!
なんか今日は、一段と理彦ちゃんが男前見えるで!頼もしい!!
ワイもUCで援護するでー。
戦闘のあとは、ピヨピヨを連れて帰っ……。
あれっ!?ピヨピヨが居らん!!?


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【翠庵】
…あの温いアレが…いつの間にあるだと…!
耐え難い誘惑だが…だが、しかし
中で眠ると風邪をひくという怖さを、俺は聞いた
故に、誘惑になど負けん…負けんぞ…?

戦闘は【穢れの影】で炬燵を拘束、メイスで攻撃を仕掛けようと試みる
…これならば和み引きずりこまれても炬燵の足を掴み抵抗出来よう
手には手だ…、…引きずり込まれる前提ではないぞ?

仲間が引きずり込まれたら救出を
…俺も引きずり込まれたら救出を頼む
くっ…団長、手を放せ…団長迄引きずり込まれるぞ…っ
俺に柊程の怪力があれば耐えられるかもしれんのだが…と
逢坂に助けられたらほっとしつつ礼を
倒せたら強敵だった…としみじみ呟こう
…やはり炬燵は普通の炬燵が一番だな


吉瀬・煙之助
【翠庵】で参加だよ~
これは…!!やばいね、想像以上の難敵だよ
誘惑に負けてついお言葉に甘えたくなっちゃうよね
あ~、連れて帰れればうちで飼いたいね雄鷹くん(多分消えちゃうだろうな~)

銭投げして皆の【援護射撃】をしながら誘惑に耐えるよ
ザッフィーロくんが引き釣りこまれそうなら、【手をつなぐ】で手を掴んで引き止めるよ
いやあわよくば一緒に引き釣りこまれないかな~、なんておじさん思ってないよ?
というわけで理彦くん助けて~

ふわもこひよズが召喚されたら攻撃しにくいけど
いると敵が強くなっちゃうから申し訳ないけどUCで一掃しにいくよ
雄鷹くんが凄い残念がりそうでおじさんちょっと心痛いけど…




 ――ほんの少しだけ時を遡って。

 突然のこたつ出現直後。翠庵の面々も各々のリアクションを見せていた。
「あっ、これ知ってるで! 翠庵にあったオコタやっ!」
 人を引きずり込んで離さない魔窟と知りながらも、瞳をめっちゃ輝かせる雄鷹。
「これは……!! やばいね、想像以上の難敵だよ。誘惑に負けてついお言葉に甘えたくなっちゃうよね」
「あれがぬくぬくなことはサムライエンパイア出身の俺はよく知っている……から余計に誘惑されそうだよ」
 恐ろしい敵を目前に戦慄(?)する煙之助と理彦。そして。
「耐え難い誘惑だが……だが、しかし」
 記憶を手繰るザッフィーロ。あの温い例のアレは、中で眠ると風邪をひくという怖いものだと聴いたことがあったような。
「故に、誘惑になど負けん……負けんぞ……?」

 わいのわいの、和やかな雰囲気全開の四人の意識を戦場へと引き戻したのは。
『ぴよー』
『ぴー』
 先陣を切った仲間の刃を逃れ、ころころ転がってきたふわもこひよこズであった。
「はっ、気ぃ入れて頑張らな!! お前らー!出番やでーっ!!」
 目には目を、歯には歯を。そして、鳥には鳥を。雄鷹が召喚するは、御鳥番衆。燕、雀、鳩、鶏、鴉。鳥の姿を取った精霊たちだ。
 ぴーぴーもふもふ。戦闘というよりは、じゃれているようにしか見えない。
「……なぁ煙ちゃん。あのピヨピヨ、旅団で飼っても良ぇかな」
「あ~、連れて帰れればうちで飼いたいね雄鷹くん」
 数を増やし続けるふわもこひよこズ一羽一羽に、複製した小判を正確に当てて対処しつつ。煙之助はもの欲しそうな様子の雄鷹に応じる。
(多分、戦闘後は全部消えちゃうだろうな~)
 ぽふんぽふんと消えていくひよズ。残念がる雄鷹の様子が目に浮かび、煙之助の心が少しちくりとした瞬間――ふわもこの向こうから、二本の黒い腕が静かに迫り来る。
「……! 団長、柊!」
 咄嗟にザッフィーロが割って入らなかったら、なごみのやり取りをしていた二人とも引きずり込まれていたことだろう。
 腕の片方は理彦が妖刀をすらりと抜いて切り落としたものの。
「ザッフィーちゃん!?」
「ザッフィーロくん!」
 もう片方の腕に足を掴まれたザッフィーロ。その手を取って、繋ぎ止めようとする煙之助だが。
「くっ……団長、手を放せ……団長迄引きずり込まれ……」
 この世のものではない腕の力には適わず。ザッフィーロがずるずると引っ張られる先には、コタツ布団が捲れ上がって――その先には、何もない亜空間。引きずり込まれてしまったら、果たしてどうなってしまうのだろう?

 入 っ て け ー

「……! 赦しを求めぬ者には何も出来ぬ。…生きる限り纏わり積もる人の子の穢れを今返そう」
 穢れの影を呼び出し、妖をコタツ布団ごとぐるりと拘束して抵抗を試みるザッフィーロ。後は己の足を掴んだ黒い腕を外さねばとメイスで殴り付けてみるが、それはびくともせず。こうなれば。
「うん、よし。今宵の俺は一味違うってやつだよ〜」
 妖を倒しきるしか術はない。いち早く結論に行き着いた理彦は、刀を構え直し。
「みんなの危機だからね」
 だんっ、と強く地を蹴った。
 迫る狐の剣士を目掛け、妖は凍てついた蜜柑を次々と放つ。攻撃を当てて理彦の動きを止めた隙に、自身を拘束する影を振り払って追撃する算段だったのだが――それを知るのは、妖のみとなった。
「やらせるわけには、いかん……!」
「大盤振る舞い、いっちゃうよっ!」
 雄鷹の投げたダガーと煙之助の操る小判が蜜柑を叩き落とし、目論見を潰したからである。態勢を整えることのままならなかった妖に、もう成す術はなく。
「――月を隠す叢雲を見事払って見せましょう」
 理彦の金の瞳と妖刀・朱月丸の刀身がきらりと光ると同時に、真っ二つに切断されたのだった。
「強敵だった……ありがとう、逢坂」
「……」
 窮地を救われたザッフィーロの礼を受け、黙って刀を納めた理彦は。
「……疲れたぁ……庵に帰ったらまったりしたい」
 いつもの調子で飄々と返してみせたのだった。

「……やはり炬燵は普通の炬燵が一番だな」
 ある意味でとても恐ろしい妖は、猟兵たちの手で無事に討伐された。
 今宵拐われる運命にあった子供らの未来は、これからも紡がれていくことだろう。
「あとは、ピヨピヨを連れて帰っ……あれっ!? ピヨピヨが居らん!!?」
 一見落着、めでたしめでたし。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月21日


挿絵イラスト