アポカリプス・ランページ⑩〜猟兵ブートキャンプ
●グリモアベース
「アポカリプスヘルにおいて、オブリビオン・フォーミュラであるフィールド・オブナインの6体が同時に活動を開始しました」
これまでにない緊急事態に、グリモア猟兵のフロワ・アンプローザ(元悪役令嬢・f34014)の顔にも緊張の色が濃くみえる。
「彼らに時間を与えれば与えるほど、世界が危機に見舞われます。どうかいち早くこの『アポカリプス・ランページ』の中核となっているフルスロットル・ヴォーテックスを撃破してください!」
フロワの言葉に猟兵たちも急ぎアポカリプスヘルへと向かうのであった。
●グリモアベース
「今回みなさまに向かってもらいたいのは、文明崩壊以前、アメリカ航空宇宙局 (NASA) によって有人宇宙飛行の研究と管制が行われていた宇宙センターの跡地です。現在は邪神『ポーシュボス』支配下にあり、オブリビオンを超宇宙の恐怖によって変異強化させるおぞましい施設へと変貌しています」
この施設内で働いている奴隷研究員たちはポーシュボスの狂気に精神を支配されて、邪神に捧げるおぞましき研究を不眠不休で続けている。
「研究員たちの狂気を取り除く事が出来れば、ポーシュボスの邪悪な研究がこれ以上進むことはないはずです」
ではどのようにして狂気を取り除こうか。
フロワはひとつの例として猟兵たちに説明する。
「健全な精神は健全な肉体に宿るといいます。研究員たちに適度な運動をさせる事で狂気から目覚めることもあるのではないでしょうか? みなさんでしたら、きっとなんとかして下さると信じておりますわ」
さわま
オープニングをご覧いただきありがとうございます。
一章仕立ての戦争シナリオとなります
① 日常『明日の勇者は君だ』
狂気に侵された研究員を無理矢理鍛えれば、きっと筋肉が狂気を打ち破ってくれる事でしょう。
今回はフラグメントに従わないプレイングでも狂気が払えると思えれば採用させて頂きます。
プレイングボーナス
研究員の狂気を取り除く
となります。よろしくお願いします。
第1章 日常
『明日の勇者は君だ』
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POW : 兵は力なり。肉体を鍛え上げ、格闘や白兵戦の稽古をつける。
SPD : 兵は詭道なり。飛び道具の扱いやトラップの仕掛け方、敵を欺く技術を教える。
WIZ : 兵は智慧なり。効果的な戦略を立てられるよう知識や兵法を伝授する。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シャーロット・キャロル
トレーニングならお任せですよ!なんせヒーローズアースではジムも作ってたりしてますし私。
早速ながら愛用してる【トレーニングアイテム】の数々を披露しますよ。使い方が分からないなら私が教えますからね。
そしていずれは私のように素晴らしいマッスルを手に入れるのです!と●アルティメットマッスルモード発動で肉体美を披露です!
やっぱり無理やりはよくありません、自主的にやってもらわないとなりませんよ。
なのでまずはこうなりたいという目標を見せているわけです。
皆さんトレーニングを始めたら応援しつつお手伝いです。
(アドリブ、絡み大歓迎です)
九十九・静香
まあ、シスターマッスルマリアから継いだ筋肉の教えを早速実行できるとは
筋肉こそが健全な精神を育みます
研究も宜しいですが
適度な運動も大事ですわ、と話しかけて、ちょん、と指でつついていき攻撃としUC発動
トレーニングしかできなくなるスーツを着せたら一緒にトレーニングしましょう
上半身、下半身あますことなくのトレーニングで筋肉を鍛えていきましょう
ふふ、スーツの効果でみるみる筋肉がついてきましたね
鍛える度に気持ちよくなるでしょう
その調子です
ご苦労様です
この筋肉が身に付くか一時的かは皆様の素質や素養次第
ですが少なくとも狂気は消え去った筈です
それでは皆様、健全な肉体と精神をお忘れなく
●
健全な肉体に健全な精神は宿る。
ならば完璧な肉体(パーフェクトマッスル)に宿るものは何か——。
「筋肉こそが健全な精神を育みますわ。研究もよろしいですが、『適度な』運動も大切でしてよ」
「静香さんのいう通りです。身体を鍛える事で心も鍛えられ、何者にも負けない強さが手に入ります」
九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)とシャーロット・キャロル(マイティガール・f16392)の前には虚な目をした研究員たちがいた。
彼女らがいる場所は施設の中庭。狂気に冒された研究員たちは割と無抵抗で中庭へと連れ出す事ができた。
ブツブツと呟くばかりで話を聞いているのかいないのか定かではない研究員たちを前に、静香とシャーロットは目を合わせて頷きあった。
「ふぅぅううう! この溢れる力! この逞しい筋肉! これぞパワー!!!」
「フゥウウン!! 今日も私の筋肉が滾っておりますわ♪」
シャーロットと静香の秘めたる筋肉が、そのたがを外して躍動する。
踊る大胸筋。
漲る上腕二頭筋。
輝く広背筋。
まさにムキムキ。筋肉の塊となった少女2人に流石の研究員たちも驚きの表情を浮かべる。
「さあ! 私たちと一緒に美しい筋肉(マッスル)を手に入れて精神も美しくなりましょう!」
「シャーロットさんのおっしゃる通りですわ! さあ、トレーニングを始めましょう!」
輝く笑顔と筋肉で、静香がユーベルコード『静香の筋肉教練(シズカズブートキャンプ)』を発動する。
静香の筋肉から放射された光線を浴びた研究員たちの身体に、静香のものとそっくりな黒い全身スーツが装着されていく。
「シスターマッスルマリアから継いだ筋肉の教えを早速実行できるとは。嬉しい限りですわ」
静香がウットリというと、研究員たちのスーツが勝手に動き出して筋トレを始めていく。
「静香さん。無理矢理はよくないのでは?」
「無理矢理ではありません。彼らの精神ではなく肉体(マッスル)の声を聞いたまでですわ」
「なるほど! 目から鱗です。確かに精神が狂気に侵されても、肉体(マッスル)の方はトレーニングを求めて当然ですね」
がぜんシャーロットも乗り気になって、持参したトレーニング機器に研究員を放り込んでいった。
「はいっ、もう一セットっ、まだやれますっ!」
メチャクチャな負荷のかかるシャーロットのトレーニング機器を、静香のスーツによって強制的に使わされる研究員たちの姿がそこにあった。
「どうですか? 鍛える度に気持ち良いと筋肉(マッスル)が語りかけてくるのが分かりますわね」
静香の一点の曇りもない笑顔。
彼女たちは善意100%で研究員たちにトレーニングを施しているのだ。
筋肉(マッスル)に救えない魂などない、と。
やがて限界を超えた負荷に、研究員の狂気の方が根を上げていく。
「あぁ……俺は一体何を、ウギャァアアアッ!?」
「あと少しっ、ここからがっ、鍛え所ですっ!」
研究員たちの異変にトレーニングに夢中な2人が気づくのは、もうしばらく後のようだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
準備:適度な濃度の食塩水
ほう?鍛えろ、ということであるな。では、わしの分野である。
ま、基本は無手による稽古になるか。
まずはかかってくるがよいよ、いっぺんにでもよい。それが適度な運動に繋がる。
で、まあ怪我させぬ程度に腕でなぎ払うがの。
これで一旦目は覚めるであろ。
研究員じゃし、その方面の持久力は悪くないんじゃがの。やはり…。
体力作れ!UDCアース日本における朝や夏の風物詩な体操がよいぞ!
腕立てなら、座りながら机に手をついてやれたりもする。
ちなみに食塩水はの、ちと休憩時に飲め。
無自覚に失われておったりするのだぞ。
●
「ほう? 鍛えろという事であるならば、確かにわしの領分であるな」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)が誰にいうでもなくひとりごつ。
そして、周囲の目を血走らせた研究員たちに、カカカとばかりに声をかけた。
「まずはかかってくるがよいよ。ほれ、いっぺんにでもよいぞ」
飛びかかってきた研究員を軽く投げ飛ばす。怪我はさせないように絶妙な加減をしてだ。
義透の人格の1つ『侵す者』は剛気にも襲いかかってくる研究員たち相手に稽古をつけてやるつもりだった。
「こんなものかの? 少しは頭の方も落ち着いたかのう」
『侵す者』の周りには体力が尽きて動けなくなった研究員たちがしゃがみ込んでいた。
「ほれ、これでも飲んで少し休め」
『侵す者』が手にした竹筒の水筒を研究員たちに
突きつける。
「中身はただの食塩水だが、いまのお主たちには沁み渡るじゃろうな」
脱水症状を起こしかけていた研究員たちの身体に冷たい水が心地よくしみ渡っていく。
限界まで身体を使って汗をかき、スッキリさせた事で、研究員たちの目に多少ではあるが正気の色が戻っていた。
「お主らの粘り強さは、流石は研究員といった所じゃな。先ほどの稽古でも中々であったぞ」
だか、と『侵す者』は続ける。
「体力が圧倒的に足りん。そんな事だから狂気なんぞに根負けしてしまう。UDCアース日本における朝や夏の風物詩な体操なぞ、お主らにあっていよう」
『侵す者』の頭の中で研究員が整列して体操する姿が浮かんでいた。
大成功
🔵🔵🔵
ラブリー・ラビットクロー
こんな所でずっと篭もってたら絶対変な病気になっちゃうぞ
よーし皆
らぶと一緒に運動するなん!
んでわ
マザーせんせ
よろしくのん
【それではトレーニングを開始します】
はーい!
【まずはボディウェイトスクワットから。30秒です】
こんなの全然らくしょーなん
あれ?もうヨロヨロしてるんだ?
そんなのらぶが許さねーのん!
もっと体下げるのん!
【次はフォアアーム プランクジャックス。40秒です。気合をいれて!】
こらー!膝が床についてるぞ!
そっちはお尻がさがってる!
【最後はフルシットアップ。頑張って】
全然上がってねーのん!お腹チョップするぞ!
まーでも皆よく頑張ったんな
体動かすってきもちーよね
また来週もらぶとワークアウトなん!
●
「ジメジメした所でずっとこもってたせいだぞ。そんなだから変な病気になっちゃうんな。絶対そのせいだぞ」
そういうラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)の足元には背中を丸めてうずくまった研究員がいた。
何か精神的にヤバくなってた研究員をラブリーがひっつかんで外に連れ出してきたのだ。
「らぶと一緒に運動するなん! そしたら元気になるなんな」
ラブリーは力ずくで研究員を立たせると、端末を取り出しユーベルコード『サポートアプリ【ふぁんとみぃ】(ファントムステップ)』を発動した。
「んでわ、マザーせんせ、よろしくのん」
『それではトレーニングを開始します』
「はーい!」
端末から電子音声とともに軽快な音楽が流れる。
ラブリーは研究員の手をつかみ無理矢理上に上げさせて元気に返事をする。
『まずはボディウェイトスクワットから。30秒です』
電車音声に従ってラブリーと研究員は膝を曲げた姿勢をとって静止する。
『……20、19、18』
「こんなの全然らくしょーなん……あれ?」
ラブが隣の研究員を見ると、膝がプルプルと震えていた。よく見れば腰が少しずつ浮き始めている。
『……12、11、10』
「こらー、もっと体下げるのん!」
研究員の両肩をつかみ、腰を下げさせる。
膝がガクガクと上下に激しく振動しているがおかまいなしだ。
『……1、0。お疲れ様でした』
「お疲れなん」
合図と同時に研究員が地面にへたり込む。
どことなくホッとした顔を見せるのも束の間。
その表情は電子音声のガイドで再び引きつる。
『次はフォアアームプランクジャックス。40秒です。気合をいれて!』
両肘を地面につけて背筋をまっすぐのばす。
研究員は音楽に合わせて足を開いたり閉じたりを強制的に繰り返させられる。
『……30、29』
「こらー! 膝が床についてるぞ!」
『……20、19、18』
「お尻がさがってる! 上げろ!」
『……10、9、8、7』
「へばってんじゃねーのん! もっと速く!」
『……1、0。お疲れ様でした』
研究員が地面に突っ伏しゼーハーと息を荒げる。
ラブリーがしゃがみ込んで研究員と目を合わせていった。
「このあとフルシットアップな。これを3セットやるなんな」
「……」
『最後はフルシットアップ。頑張って』
「全然上がってねーのん!お腹チョップするぞ!」
全てのメニューをラブリーによって無理矢理こなさせられて、研究員は息も絶え絶えになっていた。
そんな研究員にラブリーは良い笑顔で告げる。
よく頑張ったんな。
体動かすってきもちーよね。
また来週もらぶとワークアウトなん!
何かが限界を超えて研究員の狂気は砕け散った。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…ふむふむ、成る程?彼らを狂気から解放する為に適度な運動を……ん?
…本当にそんな事で良いの?……そう、分かったわ
右眼のみの吸血鬼化をして血の魔力を溜めUCを発動して視線をなぎ払い、
研究員達の肉体に支配の呪詛を流し込み強制的に組み手(吸血鬼狩りスタイル)を行わせる
…それじゃあ折角だし、貴方達に吸血鬼狩りの業の基礎(猟兵基準)を教えてあげる
…これを続ければ、どんな貧弱な者でも半年後にはレッサーヴァンパイアを狩れるはず
…呪詛が切れたら攻守を交代してやらせるから、体の動きをよく覚えておくように
……予想以上に酷い動き。貴方達、その貧弱さでよく生きてこれたわね?
私の故郷の人間だってもう少し動けるんだけど…
●
「ふむふむ、彼らを狂気から解放する為に適度な運動を……ん?」
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)が目をぱちくりとさせる。
「本当そんな事でいいの……そう、分かったわ」
ユーベルコードを発動したリーヴァルディの右眼に紅い紋様が浮かぶ。
そして集まってきた研究員たちに視線を投げかけて、支配の呪詛を流しこむ。
「それじゃあ折角だし、貴方達に吸血鬼狩りの業の基礎を教えてあげる」
リーヴァルディがいうや研究員たちが2人1組で互いに向かい合うように移動する。
「組手開始よ」
彼女が両手をパチンと叩いて合図を出した。
次の瞬間、向かい合ったもの同士が殺し合いを始めた。
……もとい、そうとしか見えないようなエゲツない攻撃を互いに繰り出して組手を行なっていた。
一方が急所目掛けて抜手を繰り出せばその腕をつかみ逆に捻って関節を壊そうとする。それに対して関節を極める腕に噛みつけば、今度は目潰しを仕掛ける……。
やはり、はたから見ればただの殺し合いだった。
「予想以上に酷い動き……貴方達、その貧弱さでよく生きてこれたわね」
リーヴァルディが呆れた様子で殺し合い……彼女のいうところの組手を行う研究員たちを見る。
「……しっかりと鍛えてあげるわ。これを続ければ……どんな貧弱な者でも半年後にはレッサーヴァンパイアを狩れるはずよ」
お互いに相手の身体の動きをよく見て、吸血鬼狩りの基本の動きを覚えていってね、と彼女は恐怖で正気に戻った研究員たちに淡々と告げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ルドラ・ヴォルテクス
●アドリブ連携OKです
なんだ?コイツらを運動させるだと?
『お待ち下さい、ルドラ、ここは私にお任せを』
おい、アタルヴァ・ヴェーダ、おまえマジか。
【レッスン】
『みなさんお耳を拝借いたします、みなさんカラテとはご存知ですか?あー、知らなくても構いません、みなさんにはこれよりクソッタレな仕事を押し付けたニクイアン畜生だと思って、この紙に描いたのを正拳突きで破っていってください、さぁ腰を落として、You can do it !』
嘘だろ……。(紙を持たせられて)
(しばらく、研究員の正拳突きに付き合わされて、オマケに正しい正拳突きをインストールさせられ、レクチャーする羽目になるルドラだった)
地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
(他の猟兵たちのブートキャンプっぷりを見て)
ええ……??????
い、いやまあ、確かにアポカリプスヘルの人はこんな環境でも逞しく生きてる人らだからそれで治る……治る、のか?治るな!!(思考放棄)
肉体的な力も大事だけど精神面も大事だろ!
お前らにも大事なものはあんだろ!!その大事なモンを邪神に洗脳された状態で守れると思ってんのか!!
違うだろ!!!こんなモンに負けんじゃねえ、もっと熱く心を保つんだ!!!!
って感じで【鼓舞】しながら【指定UC】で吉兆の刻印を付与!「ずっと洗脳され続けるという不運」を喰らうぜ。
元々【狂気耐性】があるし穢れとして取り込んじまえば俺に影響はねえしな。
●
「ええ……??????」
仲間の猟兵たちの、ある意味で通常運転すぎる鍛錬という名の大惨事に、地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)はドン引きだった。
何故こんなカオスになる事が分かりきった依頼に凌牙が紛れ込んでしまったのだ、と小一時間は問い詰めたい。
だが、同じような境遇の犠牲者がもう一人いた。
「なんだ? コイツらを運動させるだと?」
ルドラ・ヴォルテクス(終末の剣“嵐闘雷武“・f25181)である。
いつもは自らの限られた寿命を犠牲に闘争と破壊を戦場に振りまくようなシリアスキャラなだけに完全に困惑のご様子だった。
今回は「俺の命は俺が決める」なんていっても絶対に格好がつかないので命削るのはやめてね。
凌牙とルドラは顔を見合わせて、さてどうしたものかとため息をつく。
その時だった。
『お待ち下さい、ルドラ、ここは私にお任せを』
ルドラの戦闘用マシンスーツ『アタルヴァ・ヴェーダ』が勝手に起動して動きだす。
「おい、アタルヴァ・ヴェーダ、おまえマジか」
戸惑うルドラの身体を勝手に動かして、狂気に冒された研究員たちを広場へと集める。
あと、お人好しの凌牙も状況が飲み込めないながらも手伝ってましたよ、しっかりね。
『みなさんお耳を拝借いたします、みなさんカラテとはご存知ですか?』
どうやら『アタルヴァ・ヴェーダ』……長いからアタルさんでいいか、はジャパニーズカラテを研究員たちに叩き込むつもりらしい。
「い、いやまあ、確かにアポカリプスヘルの人はこんな環境でも逞しく生きてる人らだから」
マジかよこのスーツ……という顔をしているルドラに凌牙はいたたまれなくなり何とかフォローを口にする。
「それで治る……治る、のか? 治るな!!」
あっ、自分への自己暗示でもあるようだ。
2人は色々と考えるのをやめて、アタルさんに任せる事にした。
『あー、カラテについて別に知らなくても構いません。それよりこれを見てください』
アタルさんが取り出した紙には所々が光る黒い触手のようなものがデフォルメされて描かれていた。
『この紙をクソッタレな仕事を押し付けたニクイアン畜生だと思って正拳突きを叩き込みましょう』
「嘘だろ……」
「な、なるほどな。これは良い、考え? 良い考えだろう、きっと!!」
紙を持たせる2人。表情は困惑を通り越して呆然としているがアタルさんと研究員たちは粛々と準備を整えていく。
『さぁ腰を落として、You can do it !』
「イェース!」
狂気に冒されながらも、なんだかんだで溜まっていたらしい研究員たちは渾身の力で紙をぶち破っていった。
「毎日っ! 遅くまでっ! 働かせんなっ!」
バリっ、バリっと研究員たちは不満を吐き出し2人の持った紙を破る。
「コイツらからメチャクチャ穢れが出てる……」
凌牙がなんとも言えない表情で一心不乱に紙を破る研究員たちを見やる。
「……そうだ、こんな狂気なんかに負けんじゃねぇ! お前らの大事なモンを守るためにも、もっと熱く心を保つんだ!!」
そして吹っ切れたように研究員たちに熱い声援を送る。なんか良い話ぽくなって凌牙のユーベルコードが発動した。
「お前らの不幸も、狂気も! 何もかも全部俺が喰らってやる!」
正拳突きをする研究員たちから出る穢れや『狂気に苛まされる不運』がどんどんと凌牙に吸い込まれていく。まるで掃除機のように。
『どうやら全員正気に戻ったようです。任務完了ですよ、ルドラ』
「……あぁ」
「まあ、良かった……んだよな?」
ルドラと凌牙は疲れた顔で力なく笑い合った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
狂気を打ち破る為に無理矢理にでも鍛えさせろ……か
身体を鍛える方法には心当たりがあるけれど、ひたすら研究を続ける奴をどうやって研究から引き剥がすか、が課題になりそうだな
という訳で、研究資料などの研究に必要なものを奪ってみるとしよう
取り戻す為に追いかけてくるだろうから、それを利用して鬼ごっこだ
施設内をフルに活かして走る、跳ぶ、登るといった諸々の動きでより効果的な鍛錬を図る
※逃げ切るのが目的ではないので、研究員が俺を見失ったり、追跡を諦めそうであれば、スピードを落とすなり待機するなりで適宜調整
走るのが主とはいえ、それなりにキツかっただろう。ちょっとは正気に戻ってくれるといいんだが
●
「こうなってくるとひたすら研究を続ける奴をどうやって研究から引き剥がすか、が課題だよな」
夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は特に狂気の侵蝕が大きく、四六時中研究に没頭している者たちのいる部屋へと向かっていた。
身体を鍛える方法には心当たりがあるが、研究員たちにその場から動いてもらわない事にはどうにもならない。
反対にいえば動いてさえくれれば何とかできる自信が鏡介にはあった。
そして、たどり着いた部屋の中。幽鬼のような顔で一心不乱に作業を続ける集団を見て、鏡介は頭の中で考えを巡らせ、色々と試してみる。
やがて、良い考えが浮かんだ鏡介は小さな呟きをもらした。
「鬼ごっこなら、いけるか?」
研究員たちの動きを先回りして、必要そうな資料や研究成果らしきものをつかみ取る。
効果はてきめんで、それまで話しかけても無反応だった研究員たちが血走った目で鏡介に視線を集中させた。
「さあ、少し外に出て運動でもしよう」
鏡介が部屋から飛び出す。遅れて研究員たちがバタバタと足音を立てて鏡介を追いかけてくる。
ちょっとしたホラームービーのような展開だが、鏡介の様子は手のかかる後輩の面倒を見る学舎の先輩といった風だ。
まずは部屋のあるフロアを一周する。
必死に追いかけてくる研究員であるが鏡介との体力差は歴然なので追いつかれる事はない。
何度も後ろを振り返り脱落している者がいないか確認する余裕があるくらいだ。
次は階段で上がったり下がったりを繰り返す。かなりきついのか研究員たちは度々途中で立ち止まってしまうが、そういう時はその場で立ち止まって再び追いかけてくるまで待ってやる。
最後は中庭で至近距離での鍛錬だ。飛びかかってくる研究員を闘牛のように直前でひらりとかわし、次をうながす。
「どうだ? それなりにキツかっただろう」
鏡介の周りには死屍累々といった感じにのびてしまった研究員たちが地面に伏していた。
そしてふと、軍学校に通っていた頃の事を鏡介は思い出す。
こんな風に、跳ねっ返りな後輩たちに稽古をつけてやったこともあったような、と。
「さて、ちょっとは正気に戻ってくれるといいんだが」
息一つ乱さずに鏡介は研究員たちに優しい目を向けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
尾守・夜野
…なるほど!
やはり全ては筋肉!
ここは!やはり!アニキに来ていただくしかない!
UDCアースのどこかの自販機で売ってたドリンクのカバーに書かれたアニキを呼び出す!
呼び出すったら呼び出すんだよ!
アニキ狂の人格が主人格を蹴落とし表に
そして呼び出すはムキムキ筋肉に笑顔の眩しいイマジナリーアニキ
俺に記憶はないから血縁にアニキいたとかそういうのもわからんがね
そう!だが筋肉ならばすべてを解決してくれる!
アニキはやはり最強!
アニキが皆を鍛えてくれてる間に俺はマネージャーじみたことをして、ついでに体力限界まで落として余計なことを考えられないように見極めに動く
狂気を更なる狂気で上書きする所業
ま、健康的にはなるから…
●
尾守・夜野(墓守・f05352)は思った。
……なるほど!
やはり全ては筋肉!
つまり! ここは! やはり!
ア・ニ・キ! に、来ていただくしかない!
「アニキィッ! きてくだせぇ!!!」
あの運命的な出会いをしたア・ニ・キ!
ムキムキ筋肉! 眩しい笑顔!
あん? あれはドリンクのカバーだぁ?
それがどうした! 何の問題があるか!
呼び出すったら、呼び出すんだよっ!!
不可能なんてこの世にはねぇんだ!!!
ナセばナル成さネばナラヌ何事も!!!!
「ふはは! 依頼で! 見かけた! アニキは!」
キタキタキタァアア!
さすがはアニキィイイイ!!
「常に俺の側にいるんだァアアアアッ!!!」
たくましい僧帽筋で俺の膝をがっちりホールド!
成人男性の俺を軽々と持ち上げてみせる!!
痺れるぜアニキ!
さすがだぜアニキ!
赤の他人でも心の中のアニキ!
イマジナリーアニキィイイイ!!!
「……と、いうわけで。これからアニキがお前らを鍛え直してくださるので、しっかり励むように」
夜野は筋肉ムキムキの半裸の男性に肩車されながら、狂気に冒された研究員たちに告げる。
「頼んます! アニキ!!」
アニキは素敵なサムズアップをし、軽快な音楽とともに研究員たちにイカしたエクササイズを施していった。
「ゴラァッ!! そこ、サボってんじゃねーぞ!」
夜野はその助手といった感じで手を抜いている研究員を見つけてはドツキ回していく。
研究員たちの瞳から光の色が消え失せる。
「筋肉に不可能はねぇんだよぉオオオオッ!!」
筋肉ならばすべてを解決してくれる!!
そしてアニキはやはり最強!
素敵! そして無敵!!
アニキィイイイ!!
フォーエヴァアアアア!!
狂気に冒されたはずの研究員たち。
しかしよりおぞましい狂気がそれを塗り潰した。
大成功
🔵🔵🔵