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絶対合格、成績保障ッ! 危険な学習塾ッ!

#UDCアース

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#UDCアース


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●SG学習塾
 完全個別指導、成績保障を謳い文句にした学習塾がある。
 この学習塾では、儲け度外視で授業料を設定しており、どんなに頭が悪くても、まるで人が変わったように頭が良くなってしまうようだ。
 そのため、まわりにあった学習塾が廃業に追い込まれる程、人気が殺到しているらしい。

●面談室
 入塾を希望する生徒達が親に連れられ、苦手な科目やら、目指すべき学校やらの話をしている。
 ここにいるのは、洗脳された職員のひとりで、とにかく前向きな事しか言わない。
 基本的に入塾させる事が目的なので、契約書にサインをさせる事しか頭にないようである。

●映像学習室
 ここで生徒達が最初にやる事は、ヘッドマウントディスプレイを装着する事であった。
 そこに映し出されるのは、様々な映像。
 その中にたびたびシャーマンズゴーストが登場しており、かなり印象に残るようである。
 そして、流される音楽を聴く事によって、シャーマンズゴーストラブな心が植え付けられ、一ヶ月後にはシャーマンズゴーストの命令であれば何でも聞く人間が出来上がってしまうらしい。

●個別指導室
 個別指導室ではグルグルとした目の生徒達が、一心不乱に勉強をしている。
 そこに講師の姿はなく、ただひたすら勉強するだけ。
 しかもシャーマンズゴーストの指示が無ければ、食事もしなければ、トイレにもいかない。

●職員室
 職員室には各学科の講師がいるものの、そこにいるのは本物になりすましたシャーマンズゴースト達であった。
 彼らが欲しいのは、経歴と戸籍であるため、それ以外は不要なモノ。
 講師だったモノ達は洗脳を施し、記憶を抹消した上で、路上にポイッ!
 そのためか、学習塾のまわりでは、記憶を失ったホームレスがウロウロとしているようである。

●ガジルからの依頼
「エースジィー、エースジィー、SG、SG学習塾♪」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)がSG学習塾のテーマソングを歌いながら、猟兵達を前にして今回の依頼を説明した。
 何やら怪しげな学習塾があるらしく、みんなに調査をしてほしいという事である。
 基本的に面談室にいる職員は、契約書にサインさせる事しか頭に無いため、学生っぽい格好であれば、怪しまれる事はないようだ。
 後は洗脳されたフリをしながら、室内を歩き回っていれば、誰かに怪しまれる事はない。
 場合によっては怪しまれる事もあるが、シャーマンズゴーストラブな態度を示せば何とかなるようである。
 とにかく、事件の裏で暗躍する何かを突き止め、黒幕の野望を阻止してほしいという事だった。


ゆうきつかさ
 この依頼はネタ依頼です。
 基本的に面白ければ、失敗はしませんので、お気軽に参加してください。
 第一章は潜入編です。
 とにかく学生っぽい格好をしてください。
 親が同行しなくても、契約書にサインをすれば、問題なく潜入する事が出来ます。
 第二章は『シャーマンズゴースト・ボーン・リボーン』との戦闘です。
 彼らは職員室にいます。
 第三章は『大神霊』との戦闘です。
 何やら儀式を行うつもりなので、それを阻止するのが目的です。
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第1章 冒険 『怪しい学習塾』

POW   :    生徒やアルバイトとして潜入する

SPD   :    忍び込んで証拠を探す

WIZ   :    生徒や塾講師と接触して情報を得る

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ローズ・ベルシュタイン
他猟兵との絡みやアドリブ歓迎

■心情
怪しい塾ですわね。
洗脳は流石に良くないでしょう。

■行動
WIZ判定の行動

生徒や塾講師と接触して情報を得てみますわね。
まずは、学生服を着て、契約書にサインして
潜入してみますわ。
「ローズ・ベルシュタイン……と、名前を書けば宜しいのですかね?」

後は、塾の中の人々に色々と聞いて回りますわ。
礼儀作法を使って、人々に不信感を与えない様注意しつつ、
コミュ力で情報を得る様にしますわね。
「どなたか、この塾が出来た経緯とかご存知でしょうか?」

怪しまれそうなら、シャーマンズゴーストラブな態度で対応。
「シャーマンズゴースト様、最高ですわ!全ての者を幸せに導く、最高の存在ですわね!」


星群・ヒカル
学生と言えば番長!番長と言えばおれ!
この潜入任務はおれに適任!ふふふ、この超宇宙番長に任せておけッ!

【POW】
普段の学ラン姿で入会契約書にサインはできるはずだ
『コミュ力』を駆使してスタッフから話を聞いていこう
シャーマンズゴースト?勿論好きだぜ、かわいいよな〜ッ、と話を合わせることは忘れずに

実力テストだと?
数学、理科は普通にわかるが……
し、社会はわかんねーぞおれ!
UDCアースの歴史とか知らねーし!
とりあえず全部にショウトクタイコと書いておこう。有名な人なんだろ?

だがこれで呼び出しを食らうはずだ(予定通りといった表情)
『視力・第六感』で、連れていかれる場所の情報を丸々ゲットだッ!

※アドリブ歓迎


ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと
アドリブ共闘歓迎!

髪を黒く染め目はカラコンで黒に
学生服を着こみ眼鏡着用
優等生のような装いで乗り込む

Sゴーストラブ…つまり
奴等がなりすました講師を口説けば良いのか?
『誘惑』『催眠術』で奴等に密着し迫り時には壁ドンし
隙を見て資料やら情報やらを漁る

フ…完璧だ。と気取って見せるが
チコルがSゴーストを追っかけている姿を目にする
わっ私というものがありながら!そんな奴等に目移りするとは!
でも付き合っているわけでもないから咎められはしない
悔しい!うおおおお!
と目をグルグルさせながらノートに思いを書きなぐる
そしてその手紙をロッカーに入れる…完璧だ
しまったSゴーストのロッカーに入れてしまった!


チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡みも歓迎!

怪しい塾に潜入?面白そう!
もちろん、依頼だから真面目に取り組ませてもらうよっ。
でも、シャーマンズゴーストって実は関わったことないんだよね。どんな人なんだろ?

膝丈スカートのセーラー服、紺ソックス、眼鏡を着用して、真面目そうな学生になりきるよ!
最近私達、成績が落ちてきてしまって……。助けてください!
そんなこんなで契約書にサイン!

潜入できたら【野生の勘】でユーリと共に怪しい部屋に突撃してみよう。
シャーマンズゴーストがいたらアイドルの追っかけの如くはしゃぐ!
あっ!シャーマンズゴーストだ、可愛い〜♪
このフォルム、艶、表情、唯一無二の可愛さ(以下略


戦上・かろく
「怪しげな学習塾ですかぁ。
学校もそうですけど、塾なんかもわたくしは通わせてもらったことがないので、一度ガクセイをやってみたかったんですよね♪」


制服風の服装で潜入
かろくとしては完全に学生に溶け込んでいるつもりだったが、他の女子生徒と比べると多少派手で悪目立ちしてしまい、講師に怪しまれ職員室に連行される
そこで隠し持っていたシャーマンズゴーストグッズを取り出すと、ここぞとばかりにマンゴー愛を熱弁
それとなく探りを入れながら情報を引き出したいところ


「予想外のこともありましたが、結果オーライ!ですよね?」
満足気に一部始終を録音していたスマホに向かってにっこり


カー・ウォーターメロン
黄色い帽子をかぶって、ランドセルを背負って……と。
これで見学に来たごく普通の小学生なんだよ。完璧だね!
微妙にたてがみで帽子浮いてるし、ギリースーツの上からランドセル背負うのだいぶキツいけど、ごくごく普通の小学生なんだよ。
シャーマンズゴーストに似てるってよく言われるけどただの小学生だよ本当だよ。

とりあえず情報収集は生徒に話を聞いてみようかな。
HMD着けてる子には話し掛け辛いから、個別指導室行ってみよう。
「今なんの勉強してるの?」「先生どんな人?」「ここの塾長に会った事ある?」

「……えーすじぃー♪」
なんか怪しまれたら歌ってごまかせばいいや。


高柳・源三郎
「こんなおっさんが学生に成りすますのさすがに無理があるのう」今日はたまたま酒を飲んでない源三郎は人気の無い裏口から学習塾へ潜入した。その途中映像学習室(洗脳部屋)を見た源三郎「この手の機械はわしにはよく分からんので迂闊に手が出せんのう。すまんが事件の黒幕を倒すまで待っていてくれ」そう言うと源三郎は悪事の証拠を探し出した。もしオブリビオンに見つかりそうになったらユーベルコード「有名な置物」でたぬきの置物に化けてやり過ごそう。



●SG学習塾
「何だかワクワクしますね。学校もそうですけど、塾なんかもわたくしは通わせてもらったことがないので、一度ガクセイをやってみたかったんですよ♪」
 戦上・かろく(夕霧・f13733)は制服っぽい服装に身を包み、他の猟兵達と一緒にSG学習塾の前に立っていた。
 一見すると、普通の学習塾に見えるのだが、所々シャーマンズゴースト的な要素があり、マーク等に至ってはモロにシャーマンズゴーストであった。
「……とは言え、いかにも怪しい塾ですわね」
 ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)が警戒心をあらわにしながら、SG学習塾に入っていく。
 SG学習塾には沢山の入塾希望者がおり、流れ作業の如く契約書にサインさせられていた。
「でも、何だか面白そう! もちろん、依頼だから真面目に取り組ませてもらうよっ」
 それとは対照的にチコル・フワッフル(もふもふウサキツネ・f09826)がセーラー服姿で眼鏡を掛け、上機嫌な様子で鼻歌を歌う。
 実はシャーマンズゴーストに関わる事自体、初めての体験だったりするのだが、室内にもそれに関係したモノが置物や絵画と言った形で飾られていた。
「学生と言えば番長! 番長と言えば、おれ! この潜入任務はおれに適任! ふふふ、この超宇宙番長に任せておけッ!
 そんな中、星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)が学ラン姿で、ドカンと椅子に座り込んだ。
 テーブルの上に置かれた契約書には、小さい文字で何やら色々と書かれているが、ジックリと読んでいる時間が無いほど沢山の人が後ろに並んでいた。
 そのため、みんな契約書を読まず、サインをしているようだった。
「ローズ・ベルシュタイン……と、ここに名前を書けば宜しいのですかね?」
 ローズも軽く契約書に目を通した後、担当の職員に言われるがまま、自分の名前を書いていく。
 契約書には、赤い文字で『成績がアップしなかった場合は、全額が返金』と書かれていたものの、他に何が書かれているのか、文字が小さ過ぎて読む事が出来なかった。
「最近……私達、成績が落ちてきてしまって……助けてください!」
 チコルも真面目そうな生徒を装いつつ、祈るような表情を浮かべて契約書にサインをした。
「大丈夫、大丈夫。私達に任せなさい」
 担当の職員が棒読み口調で答えを返す。
(「……本当に大丈夫なのか?」)
 そんな不安を胸に秘めつつ、ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)が優等生のように装いつつ、契約書に名前を記すのであった。

●個別学習室
「じ、実力テスト……だと!?」
 ……それから数分後。
 ヒカルは絶体絶命のピンチに陥っていた。
 張りついたような笑顔を浮かべる講師に連れられ、やってきたのは個別学習室。
 そこでテストを受ける事になったのだが、何ひとつ……分からない。
 そもそも、UDCアースの歴史なんて分かる訳がない。
 その上、講師が張りついたような笑顔を浮かべたまま、こちらをガン見しているせいで、頭の中が真っ白になった。
(「と、とりあえず、数学と理科だけでも……」)
 そう自分自身に言い聞かせ、何とか問題を解いていく。
 だが、どれも難問ばかりで、頭がパンと弾けそうになった。
「やれやれ、これは困りましたね」
 そんな空気を察した講師が、困った様子で頭を抱えた。
「……そんなに酷いのか?」
 ヒカルが気まずい様子で汗を流す。
 とりあえず、数学と理科だけは、何とか埋める事が出来たものの、社会だけは絶望的。
 一言で言えば、御通夜状態。
 ほとんど、空白である。
「……仕方がありませんね。これから映像学習室に行ってもらいます。……大丈夫。そこに行けば、すべて解決しますから……」
 そう言って講師が張りついた笑顔を浮かべ、ヒカルにネットリとした視線を送るのであった。

●面談室前の廊下
「どなたか、この塾が出来た経緯とか、ご存知でしょうか?」
 一方、ローズは詳しい話を聞くため、廊下をフラついていた講師に声を掛けた。
 講師は瞳孔が開いており、明らかに不審人物。
 まるで別の何かが人の皮を被っているような違和感があった。
「ボク……知っているよ」
 講師は半笑いを浮かべたまま、塾が出来た経緯を語り始めた。
 どうやら、この辺りの塾が無駄に金ばかりとっており、大して成績も上がらない事を嘆いた塾長が、『何とかはなければ……!』という使命感から、ここを始めたようである。
「ところでキミ……ジャーマンズゴーストは……好き?」
 講師が両目をギョロギョロさせ、ローズの顔色を窺った。
「……え? ええ、シャーマンズゴースト様、最高ですわ! 全ての者を幸せに導く、最高の存在ですわね!」
 そんな空気を察したローズが、目を真ん丸にして叫ぶ。
 何やら嫌な予感がするものの、ここは話を合わせるしかなさそうだ。
「そうだね! 絶対にソウだよね! よし! 君には特等席を用意してアゲよう。映像学習室に行ったら、一番前の席に座ってネ!」
 そう言って職員が鼻歌混じりに、その場を後にするのであった。

●職員室
「一体、キミは何を考えているのかね……!」
 ギョロ目の講師がイラついた様子で叫ぶ。
 それはかろくにとって、予想外の出来事であった。
 かろくとしては、完全にまわりに溶け込んでいるつもりでいたのだが、あちこちを調べ回っていたせいで悪目立ちしていたようである。
 そのため、講師に怪しまれてしまい、職員室に呼ばれ、説教を受ける事になった。
 だが、ギョロ目の講師は、まるで被り物をしているかのように、表情がまったく変わらない。
 それが返って不気味で、違和感を覚えた。
「いや、別に悪気があった訳ではないんです。ただ、シャーマンズゴーストに興味があるだけで……と言うか、シャーマンズゴーストが好きなんですッ!」
 かろくが隠し持っていたシャーマンズゴーストグッズを取り出し、ここぞとばかりにマンゴー愛を熱弁した。
「それは……事実か!?」
 講師が表情を変えず、ボロボロと涙を流す。
 よほど、かろくの言葉が魂に響いたのか、魂すらも震えるほど、感動しているようだった。
「ソウカ、ソウカ。そんなに好きカ。ならば、映像学習室に行きなさい。キミは一番前に座るとイイ!」
 そう言って講師が何度も力強く頷きながら、かろくの肩をぽふっと叩くのであった。

●職員室前の廊下
(「やれやれ、収穫なしか」)
 そんな中、ユーリは誘惑や催眠術などを駆使して、洗脳された職員から情報を得ようとしていた。
 しかし、洗脳された職員はゲームに出てくるモブキャラの如く、決まった台詞しか言わず、何も答えようとしなかった。
 そのため、壁ドンをしても、顎クイしても、真ん丸の目で、同じ台詞を繰り返すばかり。
(「あ、あれは……!?」)
 ユーリがハッとした表情を浮かべ、シャーマンズゴーストを追うチコルに気づく。
 チコルはシャーマンズゴーストの後を追いかけているらしく、とても幸せそうな表情を浮かべていた。
「わっ、私というものがありながら! そんな奴に目移りするとは!」
 途端に嫉妬の炎が燃え上がり、我を忘れて、追跡を開始ッ!
 別にチコルと付き合っている訳ではないのだが、何処に行くのか気になって仕方がない。
 しかも、その相手がシャーマンズゴーストとなれば、後を追う以外の選択肢が浮かばない。
 故に『ちょっと待て! そんな奴の何処がイイんだ』と思うのが、当然の反応であった。
 場合によってはチコルが洗脳され、シャーマンズゴーストラヴになっている可能性もあるのだから、余計に放っておく事など出来なかった。
「く、悔しい! うおおおお!」
 そして、ユーリは悔しさと切なさと何かが同居しているような感情を抱きつつ、チコルの後を追うのであった。

●自習室前の廊下
「……あっ! シャーマンズゴーストだ、可愛い~♪」
 チコルがシャーマンズゴーストを見つけたのは、偶然であった。
 一応、スーツを着ているものの、その姿は明らかに人間ではない。
 むしろ、鳥……何となく鳥っぽい感じのする何かであった。
 だが、塾生達は普通に接しており、何の違和感も抱いていない様子。
 もしかすると、何か特殊な力を使って、人間っぽく見せているのかも知れない。
(「ひょっとして、正体が分かったのは……カラコンをしているおかげ?」)
 正直、そこまで意識はしていなかったが、そう考えると合点が行く。
 どちらにしても、こんな機会……滅多にない。
 チコルはアイドルの追っかけの如く、ハイテンションで後を追った。
 そして、辿り着いた場所は、とある空き教室であった。
 その場所は映像学習室のスクリーンがある後ろ側に位置しており、何やら怪しげな装置が沢山置かれていた。
 おそらく、この装置を使って塾生達を洗脳しているのだろう。
 いまのところ、室内にはシャーマンズゴーストだけのようだが、ここで騒ぎを起こせば他のシャーマンズゴーストが集まってくる可能性が高かった。

●学習塾:裏口
「こんなおっさんが学生に成りすますのは、さすがに無理があるのう」
 それと時を同じくして、高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)は、何かを悟った様子で裏口に立っていた。
 いくら面談を担当する職員が洗脳されているからと言って、未成年とオッサンの区別がつかない訳が無い。
 そんな気持ちでいたためか、気がつくと学習塾の裏口に立っていた。
 幸い今日は酒も飲んでいない。
 そういった意味でも、例え室内で職員に遭遇するような事があったとしても、清掃員か何かと勘違いするはずである。
 実際に室内をウロついていても、誰も怪しむ者はいなかった。
 少なくとも職員は……。
 だが、講師達は違っていた。
「おやおや、アナタ……制服を着ていませんね? 職員さんでもないようですし……となると、清掃員さんですかぁ?」
 まるで仮面のような表情を浮かべた講師が、源三郎の顔色を窺いながらニンマリと笑う。
 講師自身は自然に振舞っているようだが、何か……違和感があった。
 例えるなら、素顔の上から別の顔を貼りつけたようなアイコラ感。
「あ、ああ……。まあ、そんなところだ」
 何となくキツネに化かされているような感覚に陥りながら、源三郎が愛想笑いを浮かべた。
 この状況は、マズイ。
 絶対に……マズイ。
 そう確信してしまう程の緊迫感ッ!
「……でしたら、まずは映像学習室に行ってください。何も心配する事はありません。ヘッドマウントディスプレイを装着すれば、何をやるべきなのか自然と分かりますから……」
 講師がニンマリと笑ったまま、映像学習室を指差した。
「あ、ああ……」
 源三郎が適当に返事をした後、講師に見守られながら、映像学習室に向かう。
 そこには塾生達がおり、みんなヘッドマウントディスプレイを装着して、何かの映像を見ているようだった。
 また目の前のスクリーンには抽象的な画像が映し出されており、気を抜くと引き込まれるような感覚に襲われた。
 それが何を意味しているのか分からなかったが、とにかく危険な装置である事は間違いない。
 そのため、源三郎は【有名な置物(シガラキヤキ・フィギュリン)】を使い、たぬきの置物に化けてしばらく様子を窺うのであった。

●SG学習塾:裏ルート
「黄色い帽子をかぶって、ランドセルを背負って……と。これで見学に来た、ごく普通の小学生なんだよ、完璧だね!」
 一方、カー・ウォーターメロン(マンゴーフレイム・f01967)は何処からどう見ても小学生だと見紛う程の恰好で、自信満々に胸を張っていた。
 これならば、絶対に怪しまれる事はない。
 微妙にたてがみで帽子が浮いているような気もするが、これは……個性ッ!
 例え、面談を担当した職員が怪しんだとしても、『ちょっと今日は寝癖が酷くって……』と言えば納得してくれるはず。
 故に、ギリースーツの上から、ランドセルを背負っていても、全然怪しくないッ!
 これも、個性で何とかなる……!
「……と言うか、個性って、何?」
 カーが不思議そうに首を傾げる。
 何やら、色々な意味で地雷を踏み、フラグを立てまくっているような気もするが、洗脳された職員達の目的が、契約書にサインさせる事である以上、問題ない……はず。
 実際に面談はスムーズに進み、契約書にも無事サイン。
 その間、面談を担当した職員は、鳩が豆ガトリングを喰らったような表情を浮かべていたものの、まったく怪しいんでいる様子はなかった。
 そして、案内されたのは、特別室。
 しかも、そこには沢山のシャーマンズゴーストがおり、カーのまわりを囲むように立っていた。
「……あれ?」
 どうやら、バレていたらしい。
「何も驚く事はありません。私達はアナタの仲間です」
 シャーマンズゴーストのひとりが、何も武器を持っていない事を示し、自分達が味方である事を強調した。
 まわりにいたシャーマンズゴースト達も、ハイテンションで『仲間♪』のポーズ。
 みんな仲間に飢えているのか、妙に歓迎ムードであった。
「……仲間?」
 カーが再び首を傾げた。
「アナタも実感していると思いますが、この世界は住みづらい。そのため、私達の手で住みよい世界に変えていこうとしているのです。それを実現させるために使っているのが、このヘッドマウントディスプレイという訳です。これを相手に被せ、映像を見る事によって、シャーマンズゴーストが大好きになります」
 シャーマンズゴーストの話では、塾生を洗脳する事によって、自分達が住みやすい世界を作る足掛かりにしようとしているようである。
「それを考えたのは、ここの塾長……?」
 カーの問いかけに、シャーマンズゴーストが力強く頷いた。
「ええ、その通りです。会いたいのであれば、会わせてあげます。だから私達に協力してください。もちろん、タダとは言いません。ここでの生活を保障します。別に悩む必要はありません。ここに来た塾生達にヘッドマウントディスプレイを被らせるだけの簡単な仕事をすればイイだけなので……。それに、ウチはとてもアットホームな職場ですから、家族のように接してもらって構いません」
 そう言ってシャーマンズゴーストが、ブラック企業さながらの勧誘でカーを誘う。
 そんな中、塾生に向けて、館内放送が入った。
『これから特別映像を流しますので、映像学習室に来てください』
 その途端、シャーマンズゴースト達がイソイソとした様子でカーを連れ、特別室を出ていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『シャーマンズゴースト・ボーン・リボーン』

POW   :    クロウボーン・ライダー
自身の身長の2倍の【白骨化した馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD   :    サイキックボーン・パレード
【念力で操った自分自身の骨】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    ストーンエイジ
【杖の先端に嵌った宝玉】から【物体を石化させる光線】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ共闘大歓迎!

よくもチコルを洗脳したな!
許すまじ!
あの世で俺に詫び続けろ!シャーマンゴーストォ!

これはー青春の雄叫び!
甘酸っぱい恋の断末魔!
思いをユベコに乗せて『先制攻撃』でいざ発射!メギドフレイム!

(シアターを思いっきり破壊した後)…はっ!すみません、私は無害な学生です
つい取り乱してしまいました…
(攻撃タイミングを間違えていなかったか心配になり取り繕う)

チコルは制服姿で戦うのか?それも愛らしい…私も学生として、チコルと青春してみたかった
今から塾を抜け出して、ゲーセンとやらに行ってみないか?
そして街を一望できる丘で、君に伝えたい事がある(両手を取り見つめる)


チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡みも歓迎!

シャーマンズゴーストの追っかけをしてたら、変な場所に来ちゃった!?
も、もしかして戦わないといけない雰囲気?
そういうことなら、やるっきゃないね!

何処からともなくダガーを取り出すと、敵に向けて【投擲】で攻撃を仕掛けながら接近!
【シーブズ・ギャンビット】でとどめの一撃だ!
相手からの攻撃には【見切り】や【野生の勘】を使って避ける!
激しい動きにスカートが捲れるけど気にしない!
だって中にスパッツ履いてるしねっ(どや)

えっ、今からゲーセン?
とっても楽しそうだけど、い、依頼が……ひょあぁっ!?(手を握られて赤面)
わ、私に伝えたいこと……!?(見つめ返し)


高柳・源三郎
連携希望
講師の気配が無くなると源三郎は映像学習室を出た。何とか職員室にたどり着くと「勝手に忍び込んですまんかったんじゃが実はわしは近所の酒屋でのう。店の一番の人気商品【銘酒・狸舞】を紹介したかったんじゃ。」敵が不意を突かれたのか一瞬ポカンとしている時にユーベルコード【わしの酒が飲めんのか!!】を使って敵の口に大量の酒を流し込み酔い潰して動きを封じたのでした。


ローズ・ベルシュタイン
■心情
怪しい塾の講師、なのでしょうか?
それにしても、シャーマンズゴーストそっくりの出で立ちですわね。

■行動
WIZ判定の行動を取る

夕暮れ時に薔薇は踊り咲くをメインに使って戦いますわ。
範囲攻撃で纏めて敵を攻撃し、
フェイントを織り交ぜながら戦い、
スナイパーで確実に攻撃を当てる様にしますわ。

敵のストーンエイジは
出来るだけ見切りや第六感で避ける様にし、
避けられない時は、呪詛耐性で石化に抗う様にしますわ。

後は、敵に囲まれない様に、周囲に注意を払いながら戦い
敵に背後を捕られない様に気を付けますわ。
あと、一緒に戦う猟兵が攻撃されたら
かばうの技能で守って、盾受けで防御しますわね。


星群・ヒカル
映像学習室でヘッドマウントディスプレイをつけられてしまったが、心配ご無用ッ!『超宇宙望遠鏡・析光形態』を両目で使えば洗脳映像を看破し、視覚では洗脳されずに済むはずだ。
だが問題はこの変な音楽だ。このUCでで精神干渉を看破できるのはあくまで視覚だけ。聞いてたら頭がおかしくなりそうだッ……!

こうなったら実力突破!そのまま映像学習室のスクリーンの向こう側に隠し部屋があることを看破し、周囲にいる猟兵にその存在を伝えて壁を壊してもらおう。
おれは子供達を外へ避難させたのち部屋に戻って、外に置いてた宇宙バイク『銀翼号』に『騎乗』し、次々に敵を跳ね飛ばしていくぞ!銀翼号の音で、洗脳音楽を打ち消してしまおう。


カー・ウォーターメロン
えーすじぃーえーすじ……いやいやいや『仲間♪』じゃないよ!
危うく乗せられて仲間の猟兵にヘッドマウントディスプレイ被せるところだったよ!
ボクたちは人類に味方する事で共存してるUDCなんだよ。
だから人間を洗脳するなんて、シャーマンズゴーストの風上にもおけないね。

それにしてもマンゴーがこんないっぱいいるの初めて見たんだよ。
じーっとよく観察して……UC神々しい視線発動!
あとは【地形の利用】で室内の遮蔽物を駆使して光線を避けたりマシンガン撃ったり、
敵が召喚した骨のお馬さんを狭い部屋に追いやったりするよ。
ていうか、屋内でこんなおっきなお馬さん召喚したら、自分が動きにくくなるだけじゃないの? 大丈夫?



●特別室
「えーすじぃーえーすじ……いやいやいや『仲間♪』じゃないよ!」
 カー・ウォーターメロン(マンゴーフレイム・f01967)は、SG学習塾のテーマソングを歌っている途中でハッと我に返った。
 気がつくと、SG学習塾のパンフレットで使用する写真まで撮られており、シャーマンズゴースト達が表紙用の写真を選んで、あーでもない、こーでもないと話し合っていた。
 しかも、いつの間にか、入塾体験の台詞まで捏造されており、そこに『カー・ウォーターメロンさんも、太鼓判ッ!』と言うメッセージまで添えられていた。
 此処まで来ると、何処からどうツッコんで良いのか分からなくなっているのだが、決して悪い扱いは受けていないようである。
 ただ、SG学習塾の広告塔に使われているため、悪気はなくとも、悪意があるような気もするのだが……。
「ちょっと待って! ボク達は、人類に味方する事で共存してるUDCなんだよ? だから人間を洗脳するなんて、シャーマンズゴーストの風上にもおけない事だって分かっているの? そんな事ばかりやっていたら、いずれ猟兵達が……って、もう来ているんだけど、倒されるのがオチだよ」
 カーがSG学習塾のやり方に危機感を覚え、シャーマンズゴースト達に訴えかけた。
「そうは言っても、塾長には逆らえないからなぁ……。ボクらだって、人間とは仲良くしたいけど、人間は戦う事を好み、ボクらに酷い事をしようとしているんでしょ? そんな奴と仲良くする事なんて出来ないと思うよ?」
 シャーマンズゴーストが、ションボリと肩を落とす。
 どうやら、塾長によって偏った考えを植え付けられているらしく、人間達が怖い存在であると思い込んでいるようだ。
 実際に、この世界にいたシャーマンズゴーストが酷い目に遭っているようだが、それは彼らが問題を起こしたためであり、まったく非が無いとは言えなかった。
 しかし、塾長は自分達にとって都合の悪い事は伝えず、一方的に人間側が悪いと訴えていたようである。
「まあ、ボクらも出来る事なら戦いたくないし、平和的に解決する方法があるなら、協力するよ? ただ、塾長は人間に対して恨みがあるから、何とかしないとダメだと思うけど……」
 そう言って目の前にいたシャーマンズゴーストが、困った様子で深い溜息を漏らすのだった。

●職員室
 一方、その頃……。
「勝手に忍び込んで、すまんかった。じゃが、わしは近所の酒屋でのう。店の一番の人気商品【銘酒・狸舞】を紹介したかったんじゃ」
 高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)は一瞬の隙をついて映像学習室を飛び出し、職員室にやってきた。
 職員室に残っていたのは、能面のような講師ひとり。
 他の講師達は何やら作業があるらしく、みんな別の場所に行っていた。
「酒……ですか?」
 能面のような顔をした講師が、気まずい様子で汗を流す。
 この場に彼が残っていたのは、役に立たないから。
 トラブルメーカーとして、数々の失敗をしてきた彼にとって、ここでの決断は死亡フラグ以外のナニモノでもない。
 何気なく言った一言で、失言として問題視される政治家の如く、最悪の選択をしてしまうのが、彼であった。
 それ故に、何も答えたくない。
 出来る事なら、ノーコメントを貫きたい。
 そんな気持ちで、頭の中がいっぱいになっていた。
 だからと言って、ここで適当な対応をすれば、後で同僚達から何を言われるのか分からなかった。
(「だ、誰か来てくれ、頼むから……」)
 心の中でそう願いつつ、返答を先延ばしにするものの、こういう時に限って……誰も来ない。
「あ、あの……ちょっと待っていてくださいね。担当を呼んできますから……」
 とりあえず、ここは適当に返事をして、トイレに逃げ込もうと思った矢先……それは起こった!
「さあ、イッキ! イッキ!!」
 源三郎が【わしの酒が飲めんのか!!(アルコール・ハラスメント)】を使い、愛用の徳利から講師の口めがけて、滝のように【銘酒・狸舞】を流し込んだ。
「い、いや、一気は駄目です。だめですって~」
 だが、講師の抵抗虚しく、目はグルグル。
 気がつくと、源三郎と肩を組みながら、酒を飲んでいた。

●秘密の部屋
(「ど、どうしよう。何だか、みんな集まってきたし、出るに出れない……」)
 その頃、チコル・フワッフル(もふもふウサキツネ・f09826)は物陰に隠れ、シャーマンズゴーストが出ていくタイミングを窺っていた。
 しかし、シャーマンズゴースト達は何やら装置を操作しており、まったく出ていく様子が無い。
 しかも、映像学習室で何かが始まっているらしく、講師の声がチコル達の部屋まで届いていた。
(「も、もしかして、戦わないといけない雰囲気……?」)
 チコルがゴクリと唾を飲み込んだ。
 シャーマンズゴーストの数は5人(?)。
 一見すると、円らな瞳がきゅるるんしており、無害なカンジ。
 そういった意味でも、話し合えば分かり合えそうな気もするのだが、一歩間違えば逃げ道を塞がれ、フルボッコ!
 それが分かっているためか、なかなか最初の一歩が踏み出せないッ!
「よくもチコルを洗脳したな! 許すまじ! あの世で俺に詫び続けろ! シャーマンゴーストォ!」
 そんな中、部屋に入ってきたのは、ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)であった。
 ユーリはシャーマンズゴースト達を前にして、躊躇う事なく【メキドフレイム】を放つと、その場にあった装置を一瞬にして炎に包んだ。
「こうなったら……やるっきゃないね!」
 それに合わせて、チコルが何処からともなくダガーを取り出し、シャーマンズゴーストめがけて投擲した。
「ひゃあ!?」
 これにはシャーマンズゴースト達も驚き、互いに頭をぶつけて、グルグルと目を回した。
 その間も、部屋の中にあった機械が燃え、あちこちでボンボンと激しい爆発音を響かせた。
「ちょ、ちょっと待って! ボクらは負け! 降参、降参ッ! だから酷い事をしないで!」
 その途端、シャーマンズゴースト達が両手を上げ、怯えた様子で瞳をウルませた。
「……ん? 何か悪い事をしている訳じゃないのか?」
 ユーリがハッと我に返って、シャーマンズゴースト達に視線を送る。
 チコルも予想外の反応に、キョトン。
「それは……」
 その問いにシャーマンズゴースト達が、一斉に視線を逸らす。
 何となく悪い事をしている自覚があるのか、さすがに嘘をつく事が出来ないようである。
「やっぱり、殺っちゃう?」
 チコルが真っ直ぐな瞳で、シャーマンズゴーストの首元にダガーを当てた。
「わっわっ! やっぱり、人間、怖い! ……ん? 人間?」
 シャーマンズゴーストが半ばパニックに陥りつつ、チコルをマジマジと見た。
 チコルは人間ではなく、キマイラ。
 そのせいか、線引きが難しくなっているようだ。
「まー、とにかく、悪い事をしないんだったら、見逃してやるが……」
 ユーリが横目でチコルの制服姿に眺めつつ、小さくコホンと咳をした。
 どちらにしても、洗脳に使っていた装置を破壊したのだから、シャーマンズゴースト達は放っておいても良いのかも知れない。

●映像学習室
 一方、その頃。
 映像学習室では、講師達が慌てふためいていた。
「一体、何が起こっているんだ!」
 張りついていた笑顔を浮かべた講師が、半ばパニックに陥りながら、消火器を手に取った。
 どうやら、隣の教室で火事が起こっているらしく、事態は深刻ッ!
 他の講師も同じように別の部屋から消火器を持ち出し、消火に当たっているようだ。
 その影響で塾生達も我に返っており、みんな不安げな表情を浮かべて、オロオロとしていた。
「はあはあ……、危ないところだった」
 そんな中、星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)が、ヘッドマウントディスプレイを外し、ホッとした様子で溜息を洩らした。
 映像自体は【超宇宙望遠鏡・析光形態(ガントバス・スペクトルモード)】で視た事象を超観測し真実を導く『星の目』に変異させていたため、何とかなっていたのだが、一緒に流れていたSG学習塾のテーマソングだけは脳裏に焼き付き、未だにリピート再生しているようだ。
「だ、大丈夫! お、落ち着いてください!」
 仏のような顔をした講師が、必死になって大声を上げた。
 それとは対照的に、塾生は落ち着かない様子であった。
 講師の指示があれば、教室から飛び出しているところだが、何も言われていないため、まったく身動きが取れないようである。
「それにしても、シャーマンズゴーストそっくりの出で立ちですわね」
 その途端、ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)が、仏のような顔をした講師に冷たい視線を送る。
「ま、まさか、俺達の正体がバレているのか!?」
 その言葉に驚いた講師が、自分の顔を撫で始めた。
 次の瞬間、顔に張り付いていた『何か』が剥がれ、シャーマンズゴースト・ボーン・リボーンが正体を現した。
「うわああああああああああ!」
 それを目の当たりにした塾生達が、驚いた様子で悲鳴を上げた。
「と、とにかく、子供達を安全な場所まで避難させねば……!」
 それに危機感を覚えたヒカルが塾生達を連れ、映像学習室から飛び出した。
「うぐぐ……、もう少しで我らの野望が成就するはずだったのに……! 貴様らのせいで! 貴様らが邪魔をしたからッ!」
 これにはシャーマンズゴースト・ボーン・リボーンもブチ切れ、杖の先端に嵌った宝玉から物体を石化させる光線を放ってきた。
「そんな攻撃……当たりませんわ」
 すぐさま、ローズが第六感を使い、ギリギリのところで光線を避けた。
「……待たせたなッ!」
 次の瞬間、ヒカルが宇宙バイク『銀翼号』に騎乗し、シャーマンズゴースト・ボーン・リボーンを容赦なく轢いた。
「ぐはあああああああああああああ!」
 シャーマンズゴースト・ボーン・リボーンは一瞬何が起こったのか、理解する事が出来なかった。
 だが、状況的にヤバイ事を理解したのか、脱兎の如く逃げ出し、壁の仕掛けを動かすと、地下室に続く階段を出現させた。
「……逃がしませんわよ!」
 それと同時に、ローズが【夕暮れ時に薔薇は踊り咲く(ローズ・ワルツ)】を使い、自らの武器を無数のオレンジ色の薔薇の花びらに変え、シャーマンズゴースト・ボーン・リボーンを攻撃した。
「わ、私が死んでも、大神霊様が必ずや、お前達を……!」
 そう捨て台詞を残して、シャーマンズゴースト・ボーン・リボーンが息絶えた。
 そして、猟兵達は塾長こと大神霊がいる地下室の扉を開けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大神霊』

POW   :    大神霊分裂増殖撃
自身の身体部位ひとつを【シャーマンズゴースト】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    大神霊巨鳥進化撃
【大神霊としての尊厳】に覚醒して【頭部と鬣はそのままに、燃え盛る巨鳥】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    大神霊超常災害撃
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は火奈本・火花です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●SG学習塾:地下室
「もう少しで、すべてが上手く行っていたはずなのに……」
 大神霊にとって、誤算だったのは、猟兵達が現れた事だった。
 猟兵達さえ現れなければ、この地を足掛かりにして、シャーマンズゴーストの王国を築き上げる事が出来た……はずだった。
 だが、このままでは、それがすべて水の泡。
 しかも、ここで働くシャーマンズゴースト達は、基本的には平和主義。
 上に言われるがまま、作業をこなす事があっても、戦う事は好まない。
 そういった意味で、戦う事が出来るのは、自分自身のみであった。
「……これだから人間は嫌いなんだ」
 そう毒づきながら、大神霊が入口の扉をジロリと睨む。
 それでも、やるしかない。
 此処に攻め込んできた猟兵達を一掃し、すべてをやり直さなければ、今までやってきた事がすべて無駄になってしまうのだから……。
高柳・源三郎
すっかり仲良くなり酒を飲む源三郎と塾講師。(あっ!!こんなことしとる場合じゃなかった!!)「のぉ、塾長殿にもこの酒を勧めたいんじゃがどちらにおるんかのう?」失言メーカーの塾講師はいつもなら警戒心が強いが、今は酒を飲んでいて心を許してしまいつい塾長の居場所を言ってしまった。「ちと厠へ。」部屋を出て塾長の元へ急ぐ源三郎。現場はもう他の猟兵が着いていて戦闘の真っ最中だった。酒を飲んだ上に急いで来たのでもう千鳥足でフラフラ。止まる事ができずに塾長と猟兵の間に入ってしまう。猟兵の攻撃はかわし、塾長の攻撃は当たってしまう。怒りを露わにした塾長のUCが源三郎に直撃するその時【源三郎式酔い覚まし】が発動する。


ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと
アドリブ共闘大歓迎!

平和主義のシャーマンズゴーストを使役するとは可哀想ではないか。私も脅かしてしまい可哀想なことをしてしまった。貴様は良心が痛まないのか?

チコルと連携だ!
炎の竜巻は生命力吸収でチコルを庇う。氷の津波はキツイな…チコルを抱え飛行、で追いつかねばオーラ防御で緩和させる

噛みつきは、槍術で弾きながら吹き飛ばしで隙を作り、ドラゴニックエンド!ファフニールに属性攻撃炎を乗せるぞ!

制服姿で戦うのは新鮮だ。できればチコルと学生生活を送ってみたかったな…いや、チコルの制服姿を見ることが出来ただけでも良しとするか。か、可愛いぞ!(眼鏡を指でクイッと持ち上げイケメンポーズ)


チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡みも歓迎!

可愛らしいシャーマンズゴースト達に、酷いことしちゃったぁ……!
てっきり、みんな悪者かと思っちゃって(しょんぼり)
でも、悪いことを考えてるのはあなただけなんだね?
周りは猟兵だらけ。それでも戦うの?

退かないのなら、全力でいかせてもらうよ!
ユーリと連携して戦うね。
ユーリに抱えてもらう時はぎゅっとしがみつく!
ひえぇ、凄い技使ってくるんだね……!

今度はこっちが攻める番!
ダガーを花弁に変え【橙の花嵐】を発動、一点集中で攻撃をぶつけるよ!
これだけの花弁、防ぎきれるかな!?

私とユーリが学生なら、先輩と後輩になるのかな……?
え、えと、ありがと!(照れ照れ)


星群・ヒカル
『星の目』が疼くってことは、てめーがこの塾をシマにしやがったやつか
子供の頭をイジるのは、かなり許されない行為だぞ
やられた側はとっても辛いんだ(番長経験談)
というわけでこの超宇宙番長が直々に成敗するぞ、邪神野郎!

変身しても、地下室ではまともに飛べないんじゃないだろうか
『ロープワーク』で敵の足にワイヤーをくくりつけ
宇宙バイク『銀翼号』に騎乗したら引きずって地面に叩きつけるぞ
落ちたところを『超宇宙・真正面墜星拳』で大ダメージを狙う!

講師たちも心を入れ替えてもらわないといけないから
後で講師たちに見せる用にボコってる所をこっそりカメラで撮るぞ
また同じことしたら今度はタダじゃ済まさないって伝えなきゃな!


ローズ・ベルシュタイン
WIZ判定の行動

■心情
大神霊の好き勝手にはさせませんわ。
ここでしっかりと決着を付けてしまいましょう。

■行動
「こんな怪しい学習塾も、今日でお終いにしますわ」

スチームエンジンを使用して、武器の破壊力を増強しますわ。
戦闘では、ダッシュで一気に距離を詰め
マヒ攻撃や気絶攻撃、2回攻撃などで、攻撃しますわね。
フェイントも織り交ぜて、確実に攻撃を当てる様にしますわ。

大神霊超常災害撃に対しては
見切りで出来るだけ避ける様に努め、
避けられない時は、氷結耐性や、火炎耐性で
耐える様にしますわね。
その他の攻撃に対しては、盾受けで防御しつつ
カウンターで反撃を試みますわね。


カー・ウォーターメロン
なんか睨まれた。ぷるぷる。ボクわるいマンゴーじゃないよ。

屋内で巨鳥化とか災害撃とか勘弁して欲しいよね。
UCと【地形の利用】で屋内の遮蔽物活かして攻撃を避けるよ。
あとはマシンガン撃ったり火を噴いたりするよ。
塾で働いてたシャーマンズゴーストが怪我しないように気を付けなきゃね。

それにしても、なんでそんなに人間嫌いなのかなぁ。
ボクの知ってる人たちはみーんないい人ばっかりだからよくわかんないや。
王国作るなら人間の迷惑にならない所で勝手に作ってて欲しいんだよ。
ところでそのローブの出っ張ってるところ、肩パット?
ちょっとそれは流行ってないからやめた方がいいと思う。バブリー世代なのかな。



●職員室
「いや~、まさかこんなイイ人に巡り合えるなんて……。ボクはとっても幸せモノです」
 講師に扮したシャーマンズゴーストにとって、それは意外な出会いであった。
 人間は悪い奴。憎むべき存在。
 そう教え込まれていたため、高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)との出会いは、何から何まで予想外ッ!
 『あ、あれ? 聞いていたのと違うし……。このお酒……美味しいッ!』という気持ちでいっぱいになった。
(「……あっ!! こんなことしとる場合じゃなかった!!」)
 そこで源三郎が、我に返った。
 ついつい盛り上がってしまったが、こんな事をしている場合ではない。
「……のぉ、塾長殿にもこの酒を勧めたいんじゃが、どちらにおるんかのう?」
 源三郎が愛想良く微笑みながら、シャーマンズゴーストの肩を抱く。
「それなら、地下っす。えーっと、仕掛けはあーして、こーすれば、バッチリっす」
 ここで失言メーカーであるシャーマンズゴーストの口が、暴走ッ!
 頭の中まで酒が回っているせいか、聞いてもいない事まで、ベラベラと喋り始めた。
「……そうか。悪いが、ちと厠に行かせてくれ! 少し酒を飲み過ぎてしまったようだ」
 そう言って源三郎がシャーマンズゴーストに別れを告げ、大神霊がいる地下室を目指すのであった。

●地下室
「……『星の目』が疼くってことは、てめーがこの塾をシマにしやがったやつか。子供の頭をイジるのは、かなり許されない行為だぞ。やられた側は、とっても辛いんだ」
 一方、星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)は仲間達と共に、大神霊の前に陣取っていた。
 ヒカルも頭をイジられた経験があるためか、大神霊のやり方は許せない。
「……辛い? ならば、我々も辛かったぞ。お前達に迫害され、ゴミのように扱われてきたのだから……!」
 だが、大神霊は決して退こうとしないッ!
 自分達が被害者である事を強調しつつ、猟兵達に対して敵意を剥き出しにした。
「だからと言って、あなたの好き勝手にはさせませんわ。ここでしっかりと決着を付けてしまいましょう」
 それでも、ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は怯まない。
 まっすぐ大神霊を見つめたまま、自らの想い吐き出した。
「しかも、平和主義のシャーマンズゴーストを使役するとは可哀想だと思わないのか? 私も脅かしてしまい可哀想なことをしてしまったが、貴様は良心が痛まないのか?」
 ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)が複雑な気持ちになりながら、大神霊をジロリと睨む。
 シャーマンズゴーストの円らな瞳を思い出すたび心が痛むのは、大神霊も同じの……はず!
「それも彼らのためだ! 結果的にシャーマンズゴーストが世の中に迎え入れられるのだから、何の問題もあるまい!」
 しかし、大神霊は開き直った様子で、ユーリを見下し、鼻を鳴らす。
 おそらく、目的を果たすためであれば、多少の犠牲も仕方がないと考えているだろう。
 そのため、全く罪悪感が無いような感じであった。
「……と言うか、悪いことを考えてるのは、あなただけなんだね? 周りは猟兵だらけ。それでも戦うの?」
 チコル・フワッフル(もふもふウサキツネ・f09826)が大神霊の前に立ち、最後の問いかけをした。
「ああ、その通りだ。……と言うか、なんでお前達がそっちにいる!」
 その途端、大神霊が殺気立った様子で、カー・ウォーターメロン(マンゴーフレイム・f01967)をジロリと睨む。
「うう、なんか睨まれた。ボクわるいマンゴーじゃないよ」
 その視線に気づいたカーがビクッと身体を震わせ、怯えた様子で瞳をウルませた。
「ボクらも、わるいマンゴーじゃないよ」
 それに合わせて、一緒についてきたシャーマンズゴースト達も、瞳をウルウル。
 瞳と瞳で通じ合ったのか、何故か息がピッタリ。
 今にも『ケンカをやめて、仲よくしよう♪』と歌い出す勢いで、妙な連携が取れていた。
「もう少しで、わしらの王国を築き上げる事が出来たのに……。そんなヤツに騙されおって!」
 大神霊がイラついた様子で、杖を床にドンと叩きつけた。
「ひぃっ!」
 それだけで、シャーマンズゴースト達は、ガタブル状態。
 みんなカーの後ろに隠れて、ビートを刻む勢いで、身体をリズミカルに震わせた。
「……そこまでだ!」
 そんな中、大神霊の前に現れたのは、源三郎であった。
 だが、酒を飲んだ上に急いできたせいで、足はフラフラ、千鳥足。
「なんだ……お前は……! 怪しい奴めッ! これでも喰らえええええええええええ!」
 大神霊が警戒心をあらわにしながら、炎の竜巻を発生させた。
 炎の竜巻はケモノのような唸り声をあげ、源三郎を飲み込む勢いで距離を縮めていった。
「こういう場合、名乗るほどの者ではない……と答えるべきかのう」
 それに気づいた源三郎がキリリとした表情を浮かべ、【源三郎式酔覚まし(リバース)】を使い、炎の竜巻を無効化して体内に吸収すると、アルコールと共に体内から排出した。
 それは一言で言えば、リバース。
 紛う事なき、リバースであった。
「こ、こらっ! 神聖な場所で何を……!」
 それを目の当たりにした大神霊が、ドン引きした様子で悲鳴を上げた。
「何が神聖ですか。こんな怪しい学習塾も、今日でお終いにしますわ」
 すぐさま、ローズがスチームエンジンを使用し、ダッシュで一気に距離を縮めていく。
「ならば、返り討ちにしてやるわい!」
 大神霊が殺気立った様子で左手をシャーマンズゴーストの頭部に変形させ、ローズに噛みつこうとした。
「そんなモノで、私達を倒す事は出来ませんわ」
 それよりも速くローズが、大神霊の攻撃を見切り、華麗に舞うようにしながら、軽やかに回避した。
「その通りだ! そんなモノ、俺達の敵じゃない!」
 ユーリも怯む事なく、シャーマンズゴーストの頭を槍で弾き、近距離から【ドラゴニック・エンド】を放つ。
「ええい! 黙れ、黙れ! 黙れぇぇぇ!」
 大神霊が怒り狂った様子で、今度は氷の津波を発生させた。
「さすがに、これはキツイな」
 それに気づいたユーリがチコルを抱え、勢いよく飛び立った。
 その拍子にチコルの胸を触ってしまい、恥ずかしい気持ちに飲み込まれそうになったが、それでも理性を引きずり出して、顔には出さないようにした。
「凄い技を使ってくるんだね……!」
 そんな事とは露知らず、チコルがギュッとユーリにしがみつく。
 そのせいで、ユーリがかなり動揺しているものの、それを口に出す事が出来なかった。
「確かに、災害撃とか勘弁して欲しいよね」
 カーも【神々しい視線(マゴマゴシイオメメ)】を使い、大神霊の攻撃を回避。
 傍にいたシャーマンズゴースト達も、怖がってビクビクとしながら、何となく攻撃を避けていた。
「じゃあ、今度はこっちが攻める番!」
 次の瞬間、チコルが自らのダガーを無数のキツネノカミソリの花びらに変え、大神霊の身体をザクザクと斬り裂いた。
「グッ……ググッ! やるな! だが、わしの実力はこんなモノではないぞ!」
 大神霊が傷ついた左手を庇いながら、必要以上に強がった。
 しかし、弾除けになるはずだったシャーマンズゴーストは、カーと一緒。
 今にもリズムに合わせてクルクル回りそうな勢いで、ベッタリであった。
「これは使いたくなかったが……」
 それが分かってしまったため、大神霊が覚悟を決めた様子で、頭部と鬣はそのままに、燃え盛る巨鳥に変身した。
 それは大神霊にとって、自らの命を削る最終手段。
 それでも使わなければならないのは、絶体絶命のピンチに陥ったため。
「ところで、なんでそんなに人間嫌いなの? ボクの知ってる人達は、みーんないい人ばっかりだから、よくわかんないんだけど……。王国作るなら人間の迷惑にならない所で勝手に作ってて欲しいんだよ」
 カーがシャーマンズゴースト達を守りつつ、大神霊のやり方を非難した。
「お前は何も分かっていない。この世界にやってきたシャーマンズゴースト達が、どんなに酷い目に遭っていたのかを……!」
 大神霊が殺気立った様子で吠える。
 自分にとって都合の悪い事は、あえて伝えず、一方的に……。
「だったら、何をやっても、問題ねぇな? ……というわけで、この超宇宙番長が直々に成敗するぞ、邪神野郎!」
 すぐさま、ヒカルがロープワークで、大神霊の足にワイヤーをくくりつけ、宇宙バイク『銀翼号』に騎乗して、猛スピードで走り出した。
「あば、あばばばばばっ! やめっ! やめろおおおおおおおおおおお!」
 その途端、大神霊が悲鳴を響かせ、銀翼号に引きずられたまま、何度も顔を床に打ちつけた。
「超宇宙望遠鏡ガントバス、融ッ合! ……『視えた』ぜ、てめぇの姿! 今更隠れようとしたってもう遅い、蜂の巣にしてやるよ!」
 それと同時に、ヒカルが望遠鏡ガントバスと神経融合すると、宇宙バイク銀翼号に搭載したガトリングガンで大神霊を攻撃した。
「ぎゃあああああああ!」
 そのため、大神霊は自らの身を守る事さえ出来ず、断末魔を上げて息絶えた。
「おめぇらも二度と悪さをするんじゃねえぞ? また同じことしたら、今度はタダじゃ済まさないからな!」
 それを確認した後、ヒカルがシャーマンズゴースト達をジロリト睨む。
「も、もちろんだよ。洗脳した塾生達も元に戻すし、貰ったお金も返すつもりだし……」
 シャーマンズゴースト達も、かなり反省しているのか、何度も力強くコクコクと頷いた。
「……とは言え、少し残念だったのは、チコルと学生生活を送れなかった事か。……いや、チコルの制服姿を見ることが出来ただけでも良しとするか。か、可愛いぞ!」
 そう言ってユーリが眼鏡を指でクイッと持ち上げ、イケメンポーズ。
「え、え……と、ありがと!」
 チコルも照れた様子で、恥ずかしそうに頬を染めた。
 そして、SG学習塾の閉鎖が決まった。
 それを知った親達は酷く落ち込んだものの、猟兵達から事情を聴き、なんとか納得してくれたようである。
 そんな事もありシャーマンズゴースト達は二度と悪さをしないと猟兵達に誓い、新天地を求めて旅立つ事になった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月23日


挿絵イラスト