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アポカリプス・ランページ③〜強盗団から強盗せよ

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●落ちぶれた少女達
「フィールド・オブ・ナイン攻略の糸口は様々な場所にあるようですね。今回は皆さんに、カリフォルニア州エルドラド郡に行って頂きたいと思います」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は改めてこの大戦に関する情報を整理しながら猟兵達へ作戦の案内を出す。
「そこにはフィールド・オブ・ナインの一角『プレジデント』の大規模通信サーバが隠されているようです。もしそのサーバを破壊などすることができれば、プレジデントに大打撃を与えることができるかもしれません」
 フィールド・オブ・ナインについてわかっているのは、その名前と、それらが紛う事無き強者であるということだけ。何の準備も無しに挑むには危険極まりない相手だけに、その先手を取ることができる手段は何としても手に入れておきたい。
 とは言え何事も一筋縄では行かぬのが戦いだ。
「エルドラド郡についてはご存知の方も多いかと思いますが、その地表は燃え盛る炎に包まれています。そして当然、サーバを守るオブリビオンもいる……今回皆さんにお願いするのは、そのオブリビオンの殲滅です。オブリビオン達の数を減らして道を切り拓けば、きっともう一方の作戦でデータセンター攻略を果たしてくれるでしょう」
 猟兵達が各々の役割を遂行することで、戦争を勝利に導いていく。これは今までの戦争と何ら変わりはないことだ。
「オブリビオンの情報については『少女強盗団』という集団であることがわかっています。彼女達は戦場の環境に適応するため耐火装甲で武装していますから、こちらも炎への対策を万全にして戦いを挑むのがいいでしょう。戦いは始まったばかりとはいえ、一時たりとも気は抜けません。皆さんで力を合わせて、この戦争を勝利に導きましょう!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 そろそろ次の戦場が開くのでは? という噂もあるようですが、ひとまず今あるものをぼちぼちとやっていきます。

●フラグメント詳細
 第1章:集団戦『少女強盗団』
 耐火装甲で武装していますので、環境に適応しているだけでなく、火系統の攻撃も効きにくいかと思います。
 燃え盛る炎は当然猟兵にも襲い掛かりますので、何らかの対策を考えておくと戦いやすくなるでしょう。
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第1章 集団戦 『少女強盗団』

POW   :    「一斉に掛かれ!」「囲め囲めー!」
【手作りや拾い物の雑多な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    「1班、2班で抑えろ!3班は回り込め!」
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【メンバーの誰かのナイフ】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
WIZ   :    「おい、アレ出せ!」「は、はいっ!」
自身の身長の2倍の【車高の、履帯と砲塔を備えた戦車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。

イラスト:黒江モノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

日紫樹・蒼
性格:弱気
性質:ヘタレ
※どんな酷い目に遭っても構いません

うぅ……こんな女の子達相手に、酷いことなんてできないよ!(やられフラグ

耐火装甲といえど、表面が熱くなるのは避けられないはず
水属性の【全力魔法】で自分を冷やしつつ、相手にも冷水を浴びせ、急激な温度変化を与えることで装甲を脆くして破壊
相手を周囲の熱で参らせます

まあ、戦車出されたら何もできないので、悪魔に頼るしかないのですが
『あら、対戦車砲弾なら、ここにあるじゃない♪
「えぇっ!? って、ちょっと待って……うわぁぁん! 死んじゃうよぉ!

蒼のことを戦車の砲塔目掛けてブン投げる水の悪魔ウェパル
砲塔に蒼の頭が詰まって暴発させ、少女達諸共に爆破します



●水難体質も逆手に取れば
「よーし、みんな! なんとしてもここを守るよ!」
「おー!」
 耐火装甲に身を包み、灼熱の大地に一致団結するのは少女強盗団である。

「うぅ……こんな女の子達相手に、酷いことなんてできないよ!」
 日紫樹・蒼(呪われた受難体質・f22709)が何やら喚いている。相手はオブリビオン……なのだが、可憐な少女風の外見でスタイルも良いと来ている。普通の人間だったらもてはやされただろうなあ、とは頷く者も出て来よう。
 そうは言っても戦場だ。少女達はやる気満々で火の海を駆け抜けてくる。ならばやむを得まい。蒼は心を鬼にした……かどうかは定かではないが、火の海と少女達、双方への対策を実行した。
「火にはやっぱり……水だよね」
 水の悪魔ウェパルを連れている身としては当然の帰結。蒼は全力の水魔法で魔力を冷水へと変換し一身に浴びた。濡れると服が透けるだとか懸念はあるも、燃え尽きて全裸になるよりは百倍マシだ。
 そして自身の体が十分に冷えたところで、向かってくる少女達へも冷水を浴びせかける。
「きゃあっ!」
「怯まないで! こんなの、ただの水だから!」
「でも前が……!」
 耐火装甲の上から冷水をかぶった少女達は一瞬狼狽えた様子を見せるも、声を掛け合い士気を保とうとする。
 ただの水、確かにその通り。しかし耐火装甲の表面は長時間の待機で熱を持っていた。そこへ冷水を受けたことで多量の水蒸気が発生し、少女達の視界を真っ白に覆い尽くしてしまっていた。
 蒼を見失ってしまった少女達は足を止めていた。何か攪乱の意味でもあるのか――実はただの副産物なのだが、そんなことは知る由もない。
 蒼もまた水蒸気の中を伺えず、じっとその場に留まっていた。少女達へ冷水をぶつけるところまでは予定通り。あとは急激な温度変化を受けた装甲がどうなるか、だが。
 冷水を生成し続けつつ待っていると、突如鉄板を激しく殴りつけたような衝撃音が轟いた。
「きゃああ!! 耐火装甲が……!」
 装甲に何かが起きたらしい、ということだけは蒼にもわかった。音と声を合わせれば、耐火装甲を破壊できたのでは? と推測するところまでは辿り着ける。
 水蒸気の中では確かに少女達の耐火装甲が壊れていた。破壊、というよりは自壊に近い。汎用性のある耐火装甲は標準的な体型ならばぴったりと収まるが、少女達は少々ボリュームがありすぎた。
 冷却による収縮でぎちっと締め付けられ、装甲の継ぎ目部分が耐えきれなくなって破裂したのだ。それで耐火装甲はぼろりと落ちて、少女達は生身で火の海に晒されることになる。
「熱い! 熱いよぉ!!」
 こうなれば最早少女達に火の海を攻略する術はない。その場で燃え尽きてしまうのがオチだ。
 一斉に殺到されていればまずかったが、蒼は水と運に助けられて襲撃を乗り切ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

栗花落・澪
オーラ防御に水と氷魔法の【属性攻撃】を組み合わせて
冷水の膜で自分を覆い炎の影響を緩和

【空中戦】でできるだけ距離を取りながら全体位置を把握し
氷…は溶けちゃいそうだから
【高速詠唱】で雷魔法の【属性攻撃、範囲攻撃】を落として
感電による足止めを狙いたい

隠れてる敵にもなるべく気づけるように
【聞き耳】で僅かな衣擦れの音も逃さないように探りながら
更に動きを鈍らせるため
【催眠術】を乗せた【歌唱】を響かせて微睡ませる

範囲内に入った敵は、一人たりとも逃がさないように

なるべく痛みは抑えてあげるよ
女性には優しいからね
ナイフ攻撃も【ダンス】の要領でひらり回避しながら
【破魔】の【指定UC】でお返しに【浄化】
おやすみ



●炎の舞台に舞い踊る
「くっ……素早いね。3班は裏に回り込んで! 1班と2班で抑え込むよ!」
 空中の機動力を生かしながら栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は少女達を翻弄する。距離を取り、致命的な一撃を受けぬよう気をつけながら、燃え盛る炎の中に蠢く少女達の全体像を把握しようとしていた。
 澪は冷水の膜で自身を覆うことで炎の影響から逃れていたが、少女達は耐火装甲を身に付けガシャガシャと音を鳴らす。僅かな衣擦れの音も逃さない、と聴覚を鋭敏にしていた澪にとっては少々喧しかった。
 3班なる一派が澪の背後を取るべく瓦礫の山の陰に入る。姿は澪から見えなくなってしまったが、衣擦れより何十倍も存在感を発揮する金属音が響いてくるのだ。気付くなというほうが無理がある。
 澪は前方に集中する。1班と2班なる集団は当然、裏に回る者達の倍の戦力を持っていた。足場の整ってない戦場で少女達はナイフ片手に果敢に突撃を繰り出してくる。
「やぁっ!!」
「――ん、見えていれば何でもないね」
 水平方向に振り抜かれたナイフ相手に澪は空中でステップを踏んだ。それでナイフの射程をひらりと逃れると、続けざまに左右挟撃の形を取った少女達には歌を口ずさんで催眠をかける。動きの鈍らせ方に微差をつけ、右へ左へと反復する動きで追撃を躱していた。
「……少し止まっててもらおうかな」
 群れる少女達へ向けて、澪は空より雷を呼び起こす。
 周囲一帯の範囲攻撃。気の向くままに駆け巡る雷が少女達へと襲い掛かった。
「きゃあああ!!」
 閃く空に思わず腕を庇にして顔を覆ったが、その腕に落雷を受けた。通電性の高い耐火装甲から全身へ電撃が走り、少女達は麻痺で膝から崩れ落ちる。
 眼前の敵は一時制圧。残るは――。
「――取ったっ!」
「……それも、気づいてるよ」
 一度澪が見失った少女達は、瓦礫の山から半壊したビルの裏手へ回って澪の真裏に出てきた。だが着慣れぬ耐火装甲は忍ぶには向いていなさそうだ。背中へと殺到していたナイフの群れに、澪はくるんと後方宙返りしてさらに上空を取った。
 範囲は十分。今なら澪を襲う全ての少女を狙える位置だ。
「全ての者に――光あれ」
 体を覆う冷水の膜を突き抜けて放たれた光。それは魔を浄化する力を秘めていた。少女達は可憐なれど、その本質は骸――魔に属する。
 火は防げても光は防げない。耐火装甲の露出部や隙間から入り込んだ光はじゅぅぅと少女達の体を焼いていく。
「体が……ああぁっ……」
 焼けて残るのは灰に非ず。影のように黒変した体はボロボロと崩れ、身に付けていた耐火装甲だけがその場に転がり落ちていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
これはまた暑いところだね
とはいえここを落とす必要があるから
頑張って倒すとしますか

火炎にはある程度耐性あるから耐えて進もうか
神気で体を覆っていれば何とかなると思うよ
オーラ防御みたいなものだね

そのまま敵と戦おうか
半端な銃や刃物じゃ神気を抜けないと思うよ
逆に神気に触れた相手を石像に変えて動きを封じていこう

何か戦車を持ち出してきてるけど
基本的には変わらないんじゃないかな
普通の砲弾っぽいしね

UCを使用してまとめて
石にしてしまおう
戦車の中に居たとしても
神気の影響を逃れるのは難しいと思うよ
装甲で防げるものじゃないしね

隠れて不意打ちしようとしても
近くにいるだけで影響を受けるから
この場所じゃ難しいんじゃないかな



●神の気に触れた罰
 今、エルドラドが熱い。
 それはもう燃え盛っているのだから当然だった。佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)がこの場へ到着した時もそれはもう焼ける熱さで、火炎耐性に神気を重ね着して耐えなければならなかった。
「少し落ち着いた……かな。さぁて……ここは『プレジデント』の通信サーバがあるんだったね。落とすためにも、頑張って倒すとしますか」
 遠くに群れるは少女強盗団と称される少女達だ。この地を守護するにあたり、耐火装甲を備えて猟兵達の前に立ちはだかっている。
「こっちにも敵発見! 仕方ないわ……アレを出しましょう!」
「は、はいっ!」
 すでに何人かの猟兵が送られ暴れ回っているようで。少女達のリーダー的役割を果たす一人が声を掛けると、他の少女達は一斉に戦車を召喚し騎乗する。履帯――いわゆるキャタピラに長い砲塔を備えた、人が戦車と問われれば真っ先に思い浮かべそうなオーソドックスな戦車だった。
「何か戦車を持ち出してきてるけど……多分神気があれば大丈夫かな」
 ごとごとと悪路を征くキャタピラに、砲塔がずどんずどんと鳴り響いてきた。白熱した弾頭が飛翔して晶の眼前に飛び込んでくる。だが神気に触れた瞬間、弾頭は石化し砕け散っていった。
「砲弾――効きません!」
「こうなったら……このまま轢き潰すのよ!」
 少女の号令で戦車は加速、縦列を成して晶を目指す。迫るに従い視界を圧迫するように巨大化していく戦車だが、晶は動じず宵闇の衣に手を触れた。
 空気中に陽炎の如き揺らめきが走る。神気の拡散――浴びた戦車は砲塔の先から石化が始まり、キャタピラがごこんと動きを止める。
「いや……なに、くるじ……!!」
 少女達が召喚した戦車は、その召喚主たる少女と生命力を共有する存在だ。石化という一種の死が始まっていくと同時に少女達の顔は青白く変わり、呼吸不全に陥ったかのように喉元を掻き毟り出す。
 特効薬、解除魔法――そんなものはありゃしない。石化はやがて戦車に騎乗する少女達にも伝播して、苦悶の表情のまま瞬き一つしない石像になった。
 縦列戦車の石像群。晶はゆっくり近づいて、その出来をまじまじと眺める。
「素材が良いね、うん、なかなかだ……けれど」
 晶は物寂しそうに呟く。唯一残念な点は、見物客が晶の他には来そうにないということだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリン・フィニス
あ……あついです……(素)

あ、コホン。一面炎とは……この前のげーむの世界よりひどいものだな。
だが、やりようはある、か

メガリス『蒼海の鎧』の力で《天候操作》を行い、大雨と嵐を生じさせる。
世界そのものに細工がされているならともかく、単に激しく炎が燃えているだけなら降らせるのに問題はないだろう。加えて凍結バブルも浮かせておく。気休めだろうが……。
いやあついのむりです(小声)。

相手が戦車を呼び出すなら、【フラッドオブオーシャン】を。
周囲の空間内、地面含めた無機物を「海」に変え足場を奪って、戦車にはそのまま沈む棺桶になってもらう
後は剣を手にサメットと共に、嵐の海へと投げ出された相手を仕留めていくぞ



●母なる海に眠れ
 マリン・フィニス(蒼海の騎士・f26997)が身に付ける蒼海の鎧とは、メガリスであっても鎧だった。熱気が入り込めば内部はサウナのように熱くなる。
「あ……あついです……」
 普段は頑なに封じ続けている素が飛び出すほどにとにかく熱い。いつぞやゲームの世界で体験した熱気とは比べ物にならなかった。何せ炎が間近で燃えているのだから。
「あ……」
 失態に気付き、コホン、と一つ咳払いして気持ちをリセットするマリン。周りに人が居なくて良かったと心底感じていた。
「しかし、一面炎とは……だが、やりようはある、か」
 先の冒険ではメガリスの力が十分に発揮できなかった。それは「世界にそういう細工がされていた」故。
 アポカリプスヘルはゲーム世界とは違う。ならばメガリスも効果を発揮するはず、とマリンは力を解放する。
「世界を……大雨と嵐の地に!」
 マリンの叫びに呼応して蒼海の輝きを放つメガリス。炎に焼けた空が俄かに翳り、やがて局地的な雨嵐が巻き起こった。
 熱は消沈し、空には轟雷。ついでに凍結させたバブルも浮かべて涼を取る。
 やっと過ごせる環境になったと安堵したところで、
「いやあついのむりです……」
 漏れた本音は小さかった。

 天候を変えてからようやく頭が回り出した。エルドラド郡には何をしにきたのか。
 人が住みやすい環境を、などという慈善事業をしに来たわけではない。
「……あれが件の強盗団か」
 雨嵐の中を、水を得た魚のように駆けていくマリンの前方に見えてきた集団は何やら騒がしい。
「急に雨が……!」
「どうして……!?」
 どうやらマリンが天候を操作したことに慌てふためいているようだ。考えていない影響だったが好都合。マリンはバスタードソードを手にするとずんずん少女達へ迫っていく。
「――!? 敵襲! アレを出せ!」
 マリンに気付いた少女の声が聞こえてきた。出せ、との指示で他の少女達が召喚したのは自身の2倍の車高を持つ戦車群。人だかりは一瞬にして戦車の密集地帯に変わり、キャタピラが動き出してマリン目掛けて進軍を始めた。
(砲塔は役立たないと見てこちらを轢き殺しにきたか……ならば)
 戦車への騎乗、それが命取りとなるように。
『来たれ、母なる海よ』
 大いなる力で場を変える。荒廃した街は無機物で満たされていた。それを海へ――少女達の足元を奪う大海へ。
「今度は、海って――」
 炎の世界が一転、水の世界へと変わり果ててしまい、戦車がまるで役立たず……それどころか、生命力を奪って沈む棺桶となって少女達を道連れにしようとする。
 沈められては堪らない。少女達は軒並み騎乗を解除し戦車を消滅させるが、彼女達自身もまた耐火装甲という重しを持っていた。今や装甲を脱ぎ捨てることに躊躇いなく、少女達は重しを外して荒波に揉まれるだけとなる。
 マリンは自身の足元が掬われる前にサメットを放ち、その背に乗って嵐の海を渡っていく。海にはモズクみたいな黒髪を浮かべた少女達が訳も分からず息だけしていた。
 今からやることを思えば、海はまさに断頭台。マリンは白波立てて突き進むサメットの上から斬撃を放ち、一つ一つ確実に少女達の首を飛ばす。ぼちゃり、ぼちゃりと等間隔で立つ音は如何にも作業という雰囲気だ。
 目に入るものは全て斬り捨てて、それからマリンは海を見渡す。
 嵐の中にオブリビオンの気配はもう存在しない。それを己の目で確実に確かめると、マリンは役目を果たしたと言わんばかりに剣を担ぎ上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月05日


挿絵イラスト