1
【サポート優先】サポート猟兵、仙界へ往く(作者 remo
4


#封神武侠界  #サポート猟兵の皆さん、ありがとうございます。 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#封神武侠界
#サポート猟兵の皆さん、ありがとうございます。


0



●ご注意
 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●依頼
 アルトワイン・ディネリンド(真昼の月・f00189)がサポート猟兵を前に、ぺこりと頭を下げた。
「こんにちは、今日は良いお天気ですね」
 サポート猟兵は、登録制である。
 困っているグリモア猟兵がいたら助っ人にいくぜ! と、そんな感じの有志の猟兵たちである。
 嫌いなグリモア猟兵(!)を登録して指名回避することはできるが、基本的にいつ、どの世界のどんな依頼に駆り出されるかわからない。ちょっぴりギャンブルチック! と、そんな勇気と熱意溢れる義勇の士であった。
「予知をしました」
 アルトワインはそう言って依頼内容を説明し始めた。

「封神武侠界、仙界が事件現場です。滝行中の仙人さんがオブリビオンに襲われてしまうんです」
 アルトワインは心配そうにそう語る。
「まず現れるのが金色のドラゴンの群れなんです。血気盛んなドラゴンたちが大暴れ。仙人さんはとっても困ってしまいます。
 しかも、ドラゴンを相手にしていると大きなお魚さんも出てくるんです。お魚さんは、えーっと」
 アルトワインはカンペを読んだ。途中、難しい文字があればサポート猟兵にも手伝ってもらった。
「長い年月を生きた巨大な鯉の瑞獣。滝を登り切ることが出来れば龍に変じると言われる。無胃魚なので常に腹を空かせ、何でも食いつく。身を丸ごと揚げて甘酢餡で仕上げた『糖醋昇龍鯉魚』は縁起物の料理として名高い」
 カンペを読み終えたアルトワインは感謝のまなざしでサポート猟兵を見つめ、改めてお願いをするのであった。

「以上です。ご親切な猟兵さま、どうか、おたすけください」
 こうして、義侠心篤く、親切なサポート猟兵が依頼を引き受けて現地へと向かうのであった!





第3章 集団戦 『昇龍鯉』

POW ●昇龍の突撃
【滝をも登る勢いを乗せた】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【群れ】の協力があれば威力が倍増する。
SPD ●昇龍の はねる
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ ●昇龍の食慾
【吸い込むような食い付き攻撃】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【消化管】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※3章の前に2章のリプレイについて訂正・お詫び。
氷咲・雪菜さんの描写で「13歳」とありますが「15歳」の間違いです。大変失礼しました。
ウィル・グラマン(サポート)
 レプリカントのバトルゲーマー×電脳魔術士です。
 普段の口調は「小生意気な少年のAI」(オレ、呼び捨て、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )
機嫌が良いと 「調子に乗って」(俺様、呼び捨て、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )、です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


●ユー&アイ
 少年が呟いた。
「本物はやっぱ違うな、まず……でかい!」
 紫の瞳がきらっきらに輝いている。サポート猟兵としていきなり転移されたウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)だ。

 場所は、緑豊かな自然のただなか。川が流れている。人は見当たらない。しかし、討伐対象と思われる鯉は。
「うっはー、めっちゃいるじゃん」
 下流から上流へと、川を埋め尽くさんばかりに鯉が川を登っている。
 すんげー、と目を丸くして見つめていると、上流から何かが飛び立った。
「ドラゴンじゃねーか! 進化してやがる!」
 そう、なんと鯉は川を登り切るとドラゴンに進化するのだ!
(ははーん、わかったぞ)

(ドラゴンの発生を止めるために鯉を倒すんだな?)
 そーっと近づいてみる。
 ぎょろっ。鯉の眼がぎょろつく。
(あっ、目があった)
 確実に。
 そう思った瞬間、鯉に明らかな敵意が膨れ上がった。

 ばしゃっっ! ばちゃばちゃっ!
 先ほどよりも強い勢いで川から飛び出し襲い掛かる鯉。
 素早く避けるウィル。
「ひゃっ、冷てっ」
 水を頭から浴びせられて一瞬くびを竦め、ウィルは幼さをのこす柔らかな頬をむぅっと膨らませ――、
「って、ぅおおおっ?」
 素っ頓狂な声が出た。
 無理もない、なんと殺意で目をぎらっぎらにした鯉の群れが口をぱかーんと開け、空中をはねて突撃してきたのだ!
「食う気かよ!」
 自分めがけてパックリと開く鯉の口、多数。
 大きな魚の口が隙間なくびっしり開いて自分を狙っている。うぞぞぞっと背筋を駆け上る衝動があった。恐怖、嫌悪感。
 ウィルはレプリカントだ。外見は愛らしい少年だが、ボディは戦乱初期に製造され、インプットされた情報量は大したもの。
 けど、こんな映像データはないし、長くSSWを漂流したのち回収されて目覚めたAIの稼働日数は浅い――こころは、まだ少年なのだ。


 やらないとやられる!
 好戦的で危険な敵だ!

 悟ったウィルは叫んだ。
「ベア!」


 瞬間。
 地面が盛り上がる。
 ざざーっと土や砂を押しのけ、黒い鋼鉄の塊が地中から現れた。これには鯉達も驚いたのか、ずざざざっと川まで退いている。
 黒い鋼鉄の塊――膝を付き、蹲るような姿勢で出現したベアキャットは、少年を乗せてゆっくりと立ち上がる。体高は5m。艶めくメタリックボディ、逆三角形の上半身オーバーリアクター・フレーム。中心では居住可能惑星をモチーフにしたような玉が存在感を放つ。腕と脚があり、手足がある。猫に似た頭の人型ロボット兵器――スーパーロボットだ!

「ベア、前進!」
 ウィルが強気に命令する。頭を使うのはウィル、力仕事はベアキャット。頼れる相棒と一緒なら怖いものなしだ。ベアキャットは前進した。近くの木から鳥が一斉に飛び立つのを背に、ざぶり。波のような水飛沫を起こし川地へ入り、上流側に布陣。


 ここから先へは行かせない!
 そんなオーラが溢れる仁王立ち!

 鯉達は一瞬の沈黙の後、一斉にベアキャットに突撃した。
 滝をも登る勢い――猛突進!

 だが、先ほどと違ってウィルが気圧されることは、ない!

「オレのベアキャットが負けるかよ!」
 お前の力を見せてやれ!
 少年の声に応え、ベアキャットがふんばり突進に耐える。鯉達はぽーんぽーんと跳ね返され、少しずつ動きが鈍っていく。
「ベア、いいぞ!」
 反撃の時だ!
 ウィルは意気揚々と指示を出した。

 肩部の球体関節が駆動し、両アームが内側に曲がって胸元で力を溜めるようにクロス。
 そして、グワッと外に向かってアームが開き捌かれる。
 バッ、バシバシッ、ザバアッ!
 痛快かつ爽涼な打音水音、
 鯉達が跳ねのけられて四方八方、飛んでいく!
「ヒャッホー!!」
 次いで残りをハエを払うようにベシベシと打ち払い。
「くぅ~! ベア、もっと派手に暴れろ!」

 ベアキャットが鯉を薙ぎ払い一掃するさまは爽快そのもの。すっかり気持ちよくなったウィルは「にひひ」と笑む。
「これが俺様達のチカラだぜ!」
 仕上げはこれだ、さらに俺様のすげぇ技を見せてやる!
 ウィルはコードを綴る。『サイバー・インストレーション』。コンピュータゲーム内のアイテムを召喚する技だ。
「変形可能! オブリビオンにしか効かねえ分、効果絶大だ!」


 掴め! できる!
 少年はひたむきに信じた。


 ベアキャットの弱点は、動作が単調という点だと言われている。だがこの時ベアキャットは少年の期待に応えて腕を伸ばし、掴む動作を見せた。
 現れたのは、巨大なフォースソード。
「いけるぞ! いっけえええええ!!」
 ベアキャットが剣をふり、近中距離の鯉が叩き斬られ、
 剣が弓に変形し、弓矢の雨が中遠距離に降り注ぎ、
「上流に行った奴やドラゴンになりたての敵も倒す! あっちに逃げた奴も! こっちの奴もだ!」
 弓が二丁のビームライフルに変形し、くるくる回りながら両手から光線が乱れ飛ぶ。

 やがて、戦場は静かになった。




「ふぃー、片付いたぜ……おっと」
 ベアキャットから降りようとしたウィルはつるっと足を滑らせ、転がり落ちそうになり。
 ぽふっ。
 ロボットアームで抱き留められた。


「ベア、サンキュ」
 少年は相棒の大きな指に頬を寄せて満面の笑みを浮かべた。ベアキャットは膝を畳みしゃがむ姿勢になり、手をしずしずと地上におろし頭を垂れるようにした。
「お前やっぱ、最高の相棒だぜ!」
 水飛沫がたくさんかかって、ベアキャットの頭からもぽたぽたと滴っている。ウィルはくすっと面白がるように囁いた。
「まるで汗搔いてるみてえ!」
 ――頑張ったもんな!


 木々に飛び戻ってきた鳥たちが楽し気な囀りを交わし始める。
 どんなお喋りしてんだろな。
 思いながら、ウィルは精一杯腕を伸ばしてきらきら煌めくベアの水滴を優しく拭ってあげたのだった。
成功 🔵🔵🔴

真城・美衣子(サポート)
☆サポート&おまかせ専門
何を考えているかよくわからない猫っぽい少女

喋るペンダント『マキさん』

・UDCアース人や猟兵としての一般常識はある
・鋭い感覚、高い運動能力、強靭な肉体で頑張る
・ぼんやりしているけど動きは早い
・無表情で説明もないまま行動するので、奇行に見える事も多いが、本人は一生懸命

・マキさんは主に解説・交渉などの会話を担当
・PLが直接操作しない方針なので挙動はご自由に!

☆セリフ例
「にゃ」
『みーこさんは「こんにちは」と言っています』

「……すんすん」
『みーこさんはニオイを確認しているようです』

『お時間よろしいでしょうか、事件についてお話を……』
「にゃ」
『みーこさん、今は喋らないでください』


●仙郷ネコ歩き
 太陽を背に鯉がぴちぴち跳ねている。

「にゃ」
 鳴き声――に似た、少女の声がした。
『みーこさんは鯉に見惚れています』
 滑らかな機械音声が解説する。

 みーこさんと呼ばれたのは、真城・美衣子(まっしろみーこ・f12199)。
 解説の機械音声はマジカル電子頭脳『マキさん』。美衣子がつけているペンダントだ。
 煌めくペンダントの緑宝石がきらきらしながら、声を発する。
『説明しましょう』
 マキさんは淀みなくすらすらと事情を説明してくれた。
 説明によると、美衣子は狂気の天才UDC科学者・真城博士が生み出したサイボーグ。
 元々は重体の娘を治療するための研究だったのだが、色々あって飼い猫が混入したサイボーグになってしまったのだ。博士の心境やいかに。

 美衣子の宝石みたいなぱっちりとした大きな目がじーっと鯉を見つめている。その中身は半分ネコチャンだ。無垢そのものでとても可愛い。少女猫は、呟いた。
「にゃ」
『みーこさんは「大きい」と言っています』
 そう、鯉は、とても大きかった。

 ぱしゃっ、
 鯉がはねる。
 目が追い、首が動く。
 すいすい、
 鯉が水に潜る。
 目が追い、首が動く。

 美衣子が鯉の動きを注視する様子は、まさに猫。ゆらゆらヒップで揺れるのは、長い猫しっぽ。頭には、ねこみみリボンが揺れている。
「にゃ!」
『みーこさんはやる気が起きたようです』
 優しい解説を背景に美衣子がしゅばっとねこぱんちを繰り出した。
『みーこさんの手はねこねこハンド。博士いわく「娘が痴漢に襲われても撃退できるように」と』
 博士の親心である。
 ひらり、スカートの裾が翻る。ちらり、露わになる陽光と水飛沫を浴びる絶対領域。ばしゃあっ、鯉が1体ぱんちにやられて目を回す。
『みーこさん、さっそく1体捕まえたようですね』
 鯉は溢れるほどいる。にゃっ、にゃっ。美衣子は夢中でねこぱんちを繰り出した。
『左ぱんち。右ぱんち。今度は逃げられてしまいました』
 マキさんの優しくおっとりとした解説が流れる中、穏やかに時間が流れ――、
 さらさらと川の水が流れ、
 青空に白い雲が流れていく。
 川辺で緑の草が揺れ、
 蝶々がひらひら、ふわり。


「に゛ゃっ!?」
 悲鳴と激しい水音が響く。


『みーこさん、危険です』
 鯉達が「やられてばかりじゃないぞ」と怒りの突撃を始めたのだ!
 美衣子がただの可愛い女の子ではないのと同じく、大きな鯉達もまたただのお魚さんではない。
『そうだったのですか』
 そう、鯉はオブリビオンだった。群れでの突撃は普通の人間であればなすすべく蹂躙され、ひとたまりもない――、

「にゃーーっ」
 尻尾の毛を逆立てて美衣子が後ろにぴゃっと跳んだ。
 子猫のような大ジャンプ!
 同時に発動したユーベルコードが何かを召喚した。

『にゃ』
『にゃにゃ?』
『にゃおにゃお』
『ふな~』
『にゃん!』
『ごろごろ』
『にゃーご』
『みゅう~』
『みぃ』
『みゅう~』
『……にゃ』
 現れる大量の猫、猫、猫!
 マキさんが冷静に解説してくれる。
『みーこさんのユーベルコード「ねこねこネコまねき」は、猫を召喚できるんです』
 しかもこの猫さんたち、ただの猫ではない。鯉に対抗できる超大猫だ。
 それが、なんと104匹! 104匹ネコチャン大行進である。
「にゃ」
 後ろに飛んで鯉の突撃を避けた美衣子本人は、草むらにぺたんと座り込んでいる。そして、その周りには数匹の超大猫が集まってにゃあにゃあ言っている。美衣子は動物の言葉が理解できる。そのため、何を言っているのかがわかった。
『にゃ!』「ぼくがまもるにゃあ」
『みゅう~』「よしよし、怖かったにゃ?」
『みゅう~』「もうだいじょうぶにゃあ」
 まるで大猫一家の末の妹猫を守る兄姉猫たちのようである。

『にゃ』
 一方、川辺では鯉を狙う大猫が何か訴えている。
 曰く。
「地の利があっち(鯉)にあるにゃ」
 ……と、言うのである。
 見ればなるほど。
『フーッ』「まてコルァ~」
 すいすいと水に潜り。
『カカカカカッ』「狙う、狙う、狙うッ」
 ぱじゃっと跳ね。
『あにゃぁ~~!』「逃げられたぁ~!」
 猫達のぱんちを搔い潜る鯉達の姿。

 マキさんがアドバイスをした。
『みーこさん、猫精霊の助けを借りましょう』
「にゃ」
 こくり、美衣子が頷いた。
「にゃーっ」
 ねこみみリボンをゆらゆら、ふりふり、発動するは猫遁の術。
 にゃー、にゃーと愛らしい鳴き声がまた空間を賑やかにする。
『みゃ』「呼ばれたにゃ」
『にゃー』「来たにゃよー」
 ぽこぽこと現れる大量の猫精霊。
『猫精霊は、とても珍しい精霊です。自然現象をアレしてコレできるんですよ』
 マキさんの解説がざっくりしている。召喚された猫精霊達は仮装大会みたいに水を纏った子たちや風のドレスを着た子たちがおててつないでお遊戯はじめ。
 ひゅう、ざぶーん。
 風と水が渦巻いて、川の水が中心を空洞にした大きな球体のようになり、鯉たちを閉じ込める檻の形になり、最終的にカチーンと凍った。檻に閉じ込められた鯉達。味方の猫のために、檻の入り口が開かれる……!

『『にゃっ♪』』「「いまだー!」」
 囚われの鯉達に猫の群れが突進! 逃げ場なく追い詰められた鯉達がやられていく!
 そんな中、美衣子は両の腕をまっすぐ伸ばして猫に蹂躙されている最中の鯉の群れに向けた。

『みーこさん、あれを使おうというのですか』

 マキさんの問いかけに美衣子が頷く。
 無表情なその瞳がちょっぴり楽しそうな感情をたたえているのが、付き合いの長いマキさんにはわかった。
 ふおんっ。
 美衣子の掌に内蔵ブラスターねこねこキャノンの発射口が現れる。
『みーこさんは身体のどこからでもキャノンを発射できます。博士の趣味です』
 博士はいい趣味をしているようだった。
 マキさんが解説する中、美衣子の両の手のひらから光線がビーーッと放たれた。


       ビーッ!
     「にゃーーーっ!?」
      びびびびび。


 おや? 鯉達の様子が……?
『世界猫化光線(シェイプ・プスシフター)。「世界を猫まみれにする」と同時に「世界を猫にする」禁断の技です』
 にゃあ、
 にゃあにゃあ?
 みゃーっ、
 みゅう、みゅう、
 なんと、鯉達が猫になってしまった!
 鯉達が次々に猫になり、104匹超大猫さんたちと猫精霊さんたちと鯉猫さんたちが増えて殖えてじゃれあって、もふもふにゃあにゃあごろごろ。


 ――そうして……、


 ……すべてが猫になる。


『猫まみれです。もはや、猫しかいませんね』
 マキさんの穏やかなアナウンスとともに、冒険の記録が終わるのであった。
成功 🔵🔵🔴

ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!


●学生時代
 精霊時計が任務の刻を告げる。
 転移先はあたたかな土地だった。
 濃緑の草色や木の色が日差しに照らし出され、絵画めく佳景。
 抜けるような青空。
 こんもりとした緑の天蓋冠する木々が寄りそい立ち並び、花々が香り豊かに咲いている。鳥の囀りと川のせせらぎがこころ和ませ、ふと耳を欹てれば遠くから猫の鳴き声が聞こえる。

 猫髭がそよそよとする。
 忍び足をしながら少女は心に思う――アガっちゃいますね、と。
「ここが戦場ですね」
 少女の名はニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)。片方の手を顎にあて、ちょこんと覗く小さな爪先で自らの白い毛を擦っている。向かい風が水を含んだ自然の芳香と魚の臭いを届ければ、ニノンは頷いた。
(敵ですね)
 円かなグリーン・アイが見つめる先に、大きな鯉の群れがいる。ニノンは肉球をぽふんと打ち鳴らし、虚空に向かってちいさく囁いた。
「先手を取り、まとめてぶっ飛ばせばなんとかなるのでは」
 至極真面目な声である。ニノンちゃんは、若干脳筋であった。
 直後、ニノンの手に白花植物の蔦巻く金色十字の杖が現れた。精霊術士の声に精霊――エレメンタルロッドが応えたのだ。
「では早速」
 杖を掲げようとしたニノン。そこに声がかけられた。


「坊や、危ないぞい」


「はいっ?」
 ニノンは振り返った。
 少し離れた茂みから一人の老人が姿を現している。いかにも激戦の後を思わせる佇まい。小柄なニノンと目線はそれほど変わらず、くたびれた目をしている。
(そういえば、英傑を守る任務でした)
「わたしは他の猟兵さんと同じく、仙人さんを助けにきました。一緒に頑張れたらなって思います」
 作法は心得たもの。ニノンは丁寧に拱手をした。拱手を返しつつ、老人は気づいて謝った。
「お嬢ちゃんじゃったな、それも腕の立つ術士のようじゃ。すまんの。わしは老いて耄碌し、目が曇っておるようじゃ」
「いえ。よく間違われるんです」
 たぶん年齢も本来より年下に思われている、そんな予想を胸にしまいニノンは老人にあたたかな声を送った。
「ドラゴンと戦ったんですね。あなたが英傑だと、評判をきいています。評判に違わない方だとわたしは思います」

 ――あなたはまだまだ現役で、がんばれます。
 ――あなたの心が折れない限り。

 微笑み、ニノンはふにふにした肉球できゅっと杖を握って精霊術を行使する。幸い敵には未だ悟られていない。

 先手取る術士の眼には精霊が舞う世界が視える。
 ニノンは集中を高めて大自然を指揮するように杖を動かした。
 行使する術は『エレメンタル・ファンタジア』。
 制御が難しい術だ。


   杖をくるりと回す。
        風精霊が心弾ませ、頷いた。
   杖を平らかに静止した。
        水精霊がやさしき心にほほ笑んだ。
   杖を垂直にして高く掲げる。
        光精霊が勇気を讃えて杖先に燈る。
   杖先に光が集まる。
        風が渦巻き、水が流れを変え。


 異常に気付いた鯉がざわめき、数体が術士の存在に気づいて突進し始めた。
 けれど、ニノンの胸に恐れはない。
「お嬢ちゃん!」
 老人が心配そうに叫び、ニノンの前に立って鯉を足止めしようと剣を構える。術士の詠唱の隙をわしが守る、と。
 だが、接敵よりも術の完成のほうが、速い!
 ニノンは詠唱を一瞬のうちに終えていた。いざという局面でモノを言うのは、日頃からの鍛錬だ。ニノンのショルダーバッグには教本の重みが感じられる。基礎をしっかり学んだ証拠の重みである。

 努力は、嘘をつきません――そんな毅然とした眼差しが前を見つめる。
「大丈夫です……!」
 応え――直後、川を中心に青白い光が膨れ上がる。

「こ、これはッ!?」
 邪気を祓う鮮烈な光――破魔属性!
 驚愕の声を背景に膨れ上がる光。
 周囲では水が渦巻き周囲の敵を光の内に引き込んでいく。
 宙を蹴り空へ逃れる敵は、豪風の渦がひっつかまえて同様に光の中に押し込んだ。

「エレメンタル・ファンタジアです」
 仕上げとばかりにニノンがえいっと杖を振り下ろす。
 光が内側から弾けて、悲鳴もないまま鯉が骸の海へと還されていく。
「なんという神秘の術よ……!!」
 感嘆する老人。微笑みかけ、ニノンはハッと声をあげた。野生の勘が警鐘を鳴らしている。
「おじいさん、退いてくださいっ!」
 言いながら地を蹴り、体当たりめいて老人を押し倒す。痩せた老人は押されるがままにニノンもろともに倒れこんだ。
 ――ビュンッ!
 倒れこんだ2人の頭上をボロボロの鯉が一体、弾丸のように通過する。痛撃を喰らってなお、生き延びた敵がいたのだ。
 回避が間に合ってよかった――安堵しながらニノンは上体を起こし、ふわふわの指の先を鯉の生き残りに向けた。

 カッ、
 天から一条、光が下る。

 光の筋は稲光めいて苛烈に辺りを照らし染め、ひと息のうちに鯉を貫いた。
 裁きの光、ジャッジメント・クルセイド。
 その一撃がトドメとなり、鯉は地に伏して動かなくなった。

「これで、安全ですね」
「助かったぞい、お嬢ちゃん。勇気があるのじゃな」
 老人を助け起こし、ニノンはしっぽの先をゆらゆらと揺らした。鈴振りのソプラノボイスには優しさが溢れている。
「おじいさんも、さきほどわたしを守ろうとしてくれました。お互い様です」
 飾らない素直な声に老人は嬉しそうに破顔した。
 老人に怪我がないことを確認したニノンはほっと安堵の息を吐く。
「無事で、よかったです」



 明るい声音が瑞々しい水気を含む風に乗る。
 精霊術士の眼には、精霊たちがいつものように風となり川の流れとなる様子が映っていた。

 精霊時計が帰還の刻を告げる。
 ニノンは呟いた。帰ったら明日の予習をしないと、と。

 ――明日には、アルダワ魔法学園学生としての一日が待っているのだ。
成功 🔵🔵🔴