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信じる者は〇〇〇る

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●血風吹きすさぶ
 村はごく平凡な、どこにでもある山裾の村だった。
 そんな平凡な、何の変哲もない平和な村は今や死の村と化していた。
 男も、女も、赤子や老人までも、体中に穴を開けあるいはどこかを吹き飛ばされて死んでいた。
 村中臓物と血の臭いでむせ返るほどだった。
 男は誰一人として生きている者のいない光景を見て穏やかに笑う。
「さあ、次はあの城を目指しましょう。あなた達の信仰を否定した者達に裁きの鉄槌を下すのです」
 がしゃりと甲冑と火縄銃が擦れる音がした。
 まだ若い乙女の顔を無念と恨みに染めた女武者達が進む姿を白衣を着た男が穏やかに、狂った瞳で見守っていた。

●やられる前に止めろ!
「みんなー! こっちこっちー!」
 ヘイカモン! と看板を持ったガジェッティアと一緒に手を振っているキャロ・エレフセレリア(たーのしー!・f12156)が見たのは村人たちの無残な遺体と、血の海の中に佇む男女の姿だった。
「サムライエンパイアで切支丹の弾圧に対抗するために戦った女武者がオブリビオンとして蘇ったの」
 信仰を守り同じ教えを信じる人々を守るために戦ったはずの『切支丹女武者』。
 オブリビオンになった今となっては無念と恨みに支配されて当時戦った藩がある所に現れて手当たり次第に人々を殺して歩く恐ろしい存在に成り果ててしまった。
「しかも彼女たちの気持ちに付け込んでやたらと煽ってる奴がいるみたい」
 切支丹と同じ「異教のもの」とされる『渡来医フランツ・ツェルン』は『切支丹女武者』を扇動し、それだけでなく殺された人々の体で様々な実験をしていたと言う。
「ギリギリの到着になると思う。村の人たちを避難させる時間はほとんどないの。もっと早くに行きたいけど、フランツに気付かれて逃げられるかもしれないから……」
 どうやら戦う力がなく周囲にすぐに助けを求められず、何があってもしばらくは気付かれない村を狙っているらしい。
「切支丹女武者が村を襲撃しに来た所を迎え撃ってほしいの。建物とかはちょっと被害が出るかもしれないし、畑とかも荒らされてこの時期大変かもしれないけど……でも、皆殺しにされるよりはまだマシ!」
 無事に終わったらみんなで建物の修理や炊き出しなんかしたらいいかもね。
 キャロはその時は自分も手伝うとやる気を見せる。
「まずは切支丹女武者、次はフランツ・ツェルンを倒さないとね。上手くいけば村の人たちを死なせずに済むかも。みんなお願いね!」


水見
 猟兵のみなさん初めましてこんにちは。新人マスターの水見です。
 今回はサムライファンタジーなサムライエンパイアの事件をお送りします。
 第一章は村を襲撃しに来る敵集団を迎え撃ってボコボコにするお話。
 第二章は姿を現したボスをボコボコにするお話。
 第三章は襲撃でボロボロになった建物の片付けや修繕を手伝ったり、もうそろそろ越冬も終わりで食料に余裕のない村人たちに炊き出しを行ったりするお話です。
 第一章、第二章の結果次第では第三章の雰囲気が重くなってしまいますので猟兵のみなさん頑張ってください!
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第1章 集団戦 『切支丹女武者』

POW   :    鉄砲三段
【鉄砲の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    部位狙撃
【鉄砲】から【トリモチ弾】を放ち、【手や足を狙う事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    聖母の慈悲
【聖母に捧げる祈り】を聞いて共感した対象全てを治療する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月凪・ハルマ
まぁ、そっちにもいろいろと言い分はあるんだろうけど……
だからといって、それで村の人達が犠牲になっていいなんて
理由にはならないからな

此処で、止めさせてもらう

◆SPD判定
まずユーベルコードでゴーレム達を召喚

もし逃げ遅れた村人がいるなら巻き込まれない様に庇わせ
避難を促し、残った機体を戦闘に投入

自身はスピードを活かし、相手を攪乱しつつ戦う

敵からの攻撃を【武器受け】【見切り】【残像】で回避しつつ
手裏剣と【暗殺】【投擲】で急所狙い

隙を見せれば接近して、魔導蒸気式旋棍での格闘
可能なら武器落とし(or破壊)も狙う

敵の攻撃の中で、特に足への部位狙撃には特に注意を払う
俺の場合、足を止められるとひとたまりもないんで


モルツクルス・ゼーレヴェックス
「戦っすね、キナ臭い匂いがしてきたっす」

僅かな時間があれば十分

【光翼】で飛び回り【鷹の眼】も併せて【情報収集】

【学習力】活かして近況を把握

【拠点防衛】と【戦闘知識】から、敵の侵攻方向や防備の脆弱な場所を見切る

「変形せよ変身せよ変転せよ変換せよ我が示す真実を現したまえ……」

手早く魔術で脆弱部に土塁を築いて補強、この【地形を利用】して侵攻方向を更に限定して迎え撃つ

「いいっすか!敵は仏さんを弄んで私欲を満たす、あらゆる意味でのゲス野郎っす!絶対この合戦を制してぶっ潰すっよ!」

大きい声と動作で【パフォーマンス】を実施して味方を【鼓舞】

「地の利、人の和、天の時……猟兵が戦場でも強いって教育してやるっす」



 のどかな山裾の村はやっと冬を越えた所。暖かくなる前に畑の準備をしようと精を出す村人たちは何人分になるか分からないたくさんの足音とガチャガチャと何がか擦れる音を聞いて辺りを見渡した。
 遠くに見えるのは鎧を着て銃を手にした『切支丹女武者』の集団で、また戦でも起こるのかと驚いた村人たちは急いで村中に知らせに走る。
「神のご加護を!」
「今こそわたしたちの信仰を示す時!」
「主よ! 主よ!」
 村人たちの姿と粗末と言ってもいい藁葺きの家も女武者達の目には鎧兜に身を固めた武将や櫓に見えるのか、口々に叫んで銃を村人達の背中に向ける。
 自分達が狙われているのだと分かった村人達だったが、逃げる以外にできる事はない。
 銃声が鳴り村人達が倒れて行く―――と思われた。
「皆、出番だ!」
 月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)の召喚に応え胴体に「1」と刻印された魔導機械式ゴーレムが現れる。
 魔導機兵連隊を盾にして女武者の凶弾から村人達を守ったハルマは腰を抜かしている村人を何体かの魔導機兵に任せて避難させる。
「まぁ、そっちにもいろいろと言い分はあるんだろうけど……」
 かつてここにあった藩と信仰の自由と、それを信じる人々を守るために戦って散っていった切支丹女武者。
 熱く一途な信仰と、それが叶わなかった無念を理解できなくもないけど。
 その銃が何の関係もない村人達を犠牲にすると言うのなら。
 魔導蒸気式旋棍とこの場に残った魔導機兵を武器にハルマは女武者達の前に立ち塞がった。
「此処で、止めさせてもらう」
 女武者達の攻撃を見切って残像を残してかわす。
 安心する間もなく放たれた攻撃を旋棍で受け止めるとそれはべちゃりと広がってハルマの手と旋棍に絡みつく。
「足を狙うんだったな!」
 トリモチ弾で片腕の自由が奪われてもハルマは足を止めずに走り、女武者の急所を狙って手裏剣を投げる。
 よろけて蹲った女武者を別の女武者が抱えて下がり聖母に祈りを捧げて傷を塞ごうとしていた。
「あそこまでは……無理だな」
 機兵は数の上で有利な女武者の攻撃に抵抗するので精一杯でハルマも何人もの女武者が槍衾のような銃の壁になっている中に突っ込む事はできない。
「戦っすね、キナ臭い匂いがしてきたっす」
 ハルマが攻めあぐねている時、 モルツクルス・ゼーレヴェックス(自由を飛ぶ天使・f10673)は光翼を背に、鷹の眼で状況と村の情報を頭に叩き込んでいた。
 モルツクルスの戦闘知識の中には拠点防衛に関するものもある。それを活かして防衛拠点にするには脆弱極まりない村で女武者達を迎え撃つための方法を考えているのだ。
「……よし、まずは防壁っすね!」
 村は土が剥き出しで、土塁を作るにはいいだろうが、問題は土塁を積むにしても家と家の感覚が広く死角は家の影くらいしかない立地条件だ。
 しかしこれもモルツクルスはある程度解決できた。
「変形せよ変身せよ変転せよ変換せよ我が示す真実を現したまえ……」
 地面に向けた材質と地形形状を自由に変化させる物質変換の力は地面の形を変えて土を盛り上げ、土塁として補強して行く。
 モルツクルスは完成した即席の防壁にハルマを誘導する。
 召喚した機兵も数を減らしていたハルマは「助かる!」と土塁の裏に駆け込んで来た。
「いいっすか! 敵は仏さんを弄んで私欲を満たす、あらゆる意味でのゲス野郎っす!」
 両手を広げ、翼をばさりと羽ばたかせるとモルツクルスの動作と体が大きく見える。
 あえて大きな声と動作で叫ぶのは味方の鼓舞のためだ。
「絶対この合戦を制してぶっ潰すっすよ!」
 戦場にいる猟兵は自分達だけではない。
 すべての猟兵に届くようにモルツクルスは叫んだ。
「地の利、人の和、天の時……猟兵が戦場でも強いって教育してやるっす」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

石動・彼方
ふぅん、宗教とか信仰とか大変なのねぇ…私はハルくんさえいれば何にも要らないけど…

兎に角あの女達をブチ壊せば良いのよね、お姉ちゃん頑張るわ
「飛び道具ね…じゃあ組み敷いて××してあげる」
銃弾にやられないよう、ジグザグに動きながら接近して【グラップル】ーー飛びついて押し倒すの。
そうしたら【灰燼拳】ーー顔面を思い切り何度も何度も殴りつけて殺すわ。
「その綺麗な顔でハルくんを誘惑するつもりでしょ、絶対そんなの許さないから。
ハルくんを×××して良いのは私だけだから」

※アドリブ大歓迎
※拳や蹴りで戦う、やたら強いけど一般人な猟兵です
※オフショルダーの白セーターミニワンピ着用、よくパンチラしてます
※病んでます


メルヴァ・ローズリオ
甲冑に日本刀、初めて見た……じゃなくて、この子達をサクッと倒しちゃえば良いのね?久々の戦闘、肩慣らしといこうか。

大量の従属の蝙蝠達に【生命力吸収】と【呪詛】を乗せて飛ばし、あらかた戦意を削いだら、【空中戦】を使って空から奇襲。ダーインスレイヴで刺突を放ち、無理矢理体にねじ込んで【傷口をえぐる】。毀れた刃って絶対痛いと思う………。一斉射撃は蝙蝠達をデコイにして、ある程度は【激痛耐性】で耐えて、妨害は【ダッシュ】で回避。

見たところ、あの子達は良いもの持ってるみたいね。ユーベルコード【泡影ノ覚】で相手の【聖母の慈悲】をちょっと拝借。傷ついた人を癒す。

アドリブ・他の猟兵との協力大歓迎。


リアヘル・タクティシェ
銃兵を相手に開けた場所で戦いを挑むのは下策だ
他の猟兵はともかく俺の実力では難しい
準備なしの遭遇戦というのも得意ではない
村の家屋を遮蔽として潜ませてもらう
被害は出るが村の中に敵が入るまで待機する
畑に打って出て迎撃する猟兵がいれば
その間に村の中で【戦闘知識】を使って
フランツとの戦いに備えて罠に使えそうな物を集める
敵が村の中に入って来たら家屋の陰に隠れ
通り掛かったところで横合いから矢を射かける
一射して気付かれたら刀を抜いて敢えて集団に突っ込み
一人斬って死体を盾にしながら乱戦に持ち込む
攻撃を受けそうになったら『絶望の福音』頼りで回避する
隙を見て建物の陰に逃げ込めそうなら逃げて再び潜み待ち伏せする



「ふぅん、宗教とか信仰とか大変なのねぇ……私はハルくんさえいえれば何にも要らないけど……」
 こんな時でも石動・彼方(狂愛・f13764)の頭と心を占めるのは溺愛する異母弟の事ばかり。
「兎に角、あの女たちをブチ壊せば良いのよね、お姉ちゃん頑張るわ」
 弟に向けた言葉は優しかったが、女武者達を見る目は嗜虐心に満ちていた。
 女武者達の前に飛び出してジグザグに移動する。
「飛び道具ね……じゃあ組み敷いて××してあげる」
 銃弾への対策としてのジグザグ移動は猟兵の能力を上乗せして一定の効果は見られたが、数の多さがそれを上回った。
 彼方が尤も得意とする間合いに入る前に女武者達の鉄砲の一斉発射が襲い掛かる。
 オフショルダーの白いセーターがみるみる血に染まり、足が止まった。
 次の一斉発射が来たら今度は避けられない―――女武者達は確実に仕留めようと手を緩めず彼方を狙ったが、引き金に掛けた指から力が抜ける。膝立ちになった姿勢が崩れそうになる。
 何事かと自分達の体を確かめた女武者達は周りを飛び回る蝙蝠を見付けた。
「甲冑に日本刀、初めて見た……じゃなくて、この子達をサクッと倒しちゃえば良いのね?」
 蝙蝠に生命を吸収する呪詛を乗せて飛ばしたメルヴァ・ローズリオ(強き意志を喰らう弱き捕食者・f12398)は空に向かって跳躍する。
 所々錆びて刃毀れした片手剣、罪穢ダーインスレイヴを手に女武者に空から刺突を放った。
 重力と自重も加わって深く突き刺さった片手剣の刃毀れした刀身は傷口をズタズタに引き裂きより激しい痛みと出血を強いる。
 たまらず倒れ伏す女武者。その犠牲を無駄にはしないと自分達の真っただ中に落ちて来たメルヴァに向けられた銃撃を蝙蝠達が囮になって邪魔をするが、メルヴァもそれで防げるとは思っていない。
 いくつも突き刺さる銃弾の傷みを耐えて囲みを抜けようと走る。
 ちらっと見えたのは傷付いた女武者を癒そうとする別の女武者の姿だった。
「見たところ、あの子達は良いもの持ってるみたいね」
 それを見たメルヴァはそれを泡影ノ覚で自分に吸収、発動方法を一時的に記憶した。
 傷付いた彼方の所まで駆け付けると、女武者達が使っていた聖母への祈りを捧げる。
「さあ、これで出血は止まりましたよ」
「……さない」
 メルヴァの言葉に帰って来たのは怒りと嗜虐心に燃える彼方の低い声だった。
 がばっと顔を上げた彼方は女武者達を睨みつける。
「その綺麗な顔でハルくんを誘惑するつもりでしょ、絶対そんなの許さないから」
 メルヴァの癒しで傷が塞がった足が女武者に向かって一直線に飛び掛かり、超高速かつ大威力を持った彼方の灰燼拳がめしゃりと肉と骨が砕ける音と一緒に女武者の顔面に決まった。
 勿論、砕けたのは女武者の顔面の方だ。
「ハルくんを×××して良いのは私だけだから」
 女武者の顔面から飛び散った血と自分の血がまざった頬を歪めて彼方は笑う。
 血みどろの肉弾戦を繰り広げる彼方の姿にリアヘル・タクティシェ(復讐騎・f13977)は冷静に自分の能力と戦況を見極めていた。
 銃兵を相手に開けた場所で戦いを挑むのは他の猟兵はともかく自分の実力では難しいと。
「準備なしの遭遇戦というのも得意ではないからな……」
 リアヘルは戦闘の騒ぎに乗じて女武者に見付からないよう家屋の影に潜んでいる。
 ただ隠れている訳ではない。リアヘルは女武者との戦いだけでなく彼女達を先導していると言う敵との戦いに備えて準備をしようとしていた。
 誤算はやっと冬を越えた村では物資が不足していた事だろう。女武者の銃撃に巻き込まれて壊れた家の壁や道具をしまっていた小屋の木材や縄を使う事はできたが、充分な数は用意できない。
「むっ」
 警戒しながら罠を準備していたリアヘルは十秒先の未来を見て来たかのような予測をもたらす絶望の福音によって、自分の方に向かってくる女武者達を見付けた。
 家屋の影で身を潜めながら矢を番え、通り掛かった瞬間を射抜く。
 命中したのは一人。他の女武者は潜んでいたリアヘルに気付いたが、あえてリアヘルは刀を抜いて突っ込んで行く。
 何とか一人を倒す事に成功したもののその間に負った傷の傷みに思わず文句が出て来た。
「―――これだから遭遇戦というのは苦手だ」

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

トリガー・シックス
「皮肉なものだ。信仰していたものは人を救おうとしていたのにな」
己の生み出した負の闇に呑まれて堕ちた切支丹女武者たちに同情する気は微塵もない。彼女たちを捉える目は氷のように冷たく、ただ敵としか映っていない。
狙撃銃『偉大なる狩人』による【スナイパー】での長距離狙撃を行う。
撃ったらすぐ【忍び足】と【目立たない】ように移動して、【地形の利用】と【迷彩】で隠れなが狙撃を繰り返す。
【援護射撃】で味方及び村人の安全も確保しつつ『幽幻なる狩人』に別角度から弓で攻撃させる。
こちらを狙うものがいれば【野生の勘】で感知して隠れる。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


種子島・友国
【SPD行動を選択】
【心情】
老若男女を問わず?皆殺しにするだって?
何をしているんだ?
一体何をさせているんだ?
こんなことは僕が許さない

【行動】
選択したUCでもって頭数を増やし、敵との射撃戦に臨もう
自身の攻撃時には【2回攻撃】を併用してより手数を増やす

また、自身は前には出ずにUCで増えた人数を使い、接近戦を行うメンバーを【援護射撃】するのも忘れずに行う
交戦中に得た敵の行動傾向や脆弱な部分を【情報収集】し【戦闘知識】で分析
活かせそうなアドバイスがあれば仲間と共有して連携しよう

守るべきものの為にその銃で狙う相手、戦う相手を間違えてはならない
意思の有無は分らないがこんな事は止めさせなければ



「皮肉なものだ。信仰していたものは人を救おうとしていたのにな」
 トリガー・シックス(傭兵・f13153)は女武者達が信仰していたと言う宗教の事を知っていたらしい。
 ああなる前は確かにその教えに従っていただろうに、今や見る影もないオブリビオンと成り果てた女武者達を見る目は氷のように冷たい。
「老若男女を問わず? 皆殺しにするだって?」
 種子島・友国(ヤドリガミのアーチャー・f08418)は火縄銃のヤドリガミと言う身の上だからか女武者達の末路だけでなく、彼女達に使われている銃にも目を向けていた。
「何をしているんだ? 一体何をさせているんだ? こんなことは僕が許さない」
 自分自身で火縄銃を使う事もあってか、火薬をこめて引き金を引く指は黒く人差し指にタコができ、銃身に寄せる右目側には火の粉による火傷跡。
 同じ銃使いと見たトリガーは友国と一緒に味方の援護に向かった。
「逃げ遅れた村人はいないか」
 ほとんどの村人は家の中で蹲っているか村の外から山の方に逃げ出したらしい。
 トリガーは村人の安全確保に回す必要がないなら味方の援護を任せられるなと思いながら精神を集中する。
「ハアッ!」
 現れたのは二本の短刀や弓を持ったアサシンだった。
 トリガーはすでに女武者達と戦っている猟兵達の所にアサシンを向かわせ、自分は土と木の色ばかりで彩が少ない村でも目立たないよう、迷彩を工夫して忍び足で家の影を移動する。
「僕も味方の数を増やそう」
 トリガーのアサシンを見た友国も戦士に休みなんてないさと呟き、続いて親し気に呼び掛ける。
「お休みのところ悪いけど、ちょっと手伝ってくれないかな?」
 現れたのは友国が宿る火縄銃のかつての持ち主達の亡霊だった。
 誰も彼も貌を持っていないが、友国には分かる。
「守るべきものの為にその銃で狙う相手、戦う相手を間違えてはならない」
 友国が呼んだ持主達の亡霊はみんな手に火縄銃を―――友国を持っている。
 女武者達が使っていた銃に意思はあるのだろうか? もし元はあったとしてもオブリビオンに成り果てた女武者達の銃にはもう存在しないだろう。
「こんな事は止めさせなければ」
 トリガーのアサシン、友国の火縄銃を持った持主達は数を減らして来た女武者と傷付いた猟兵達との乱戦の様相になってきた戦場に到着した新たな援軍になった。
「接近戦を行う仲間を援護して」
 友国は持主達にそう頼みながら、女武者達の行動傾向や槍衾のごとく銃で揃えた大切の弱点を分析する。
 そうやって状況分析をしている間にもトリガーが呼び出したアサシンが傷を負った仲間を守る。
「よし、そのまま引き付けていろ」
 トリガーは上手く味方の猟兵と敵の戦いも隠れ蓑にして絶好のポジションを確保して女武者達を狙撃して行く。
 狙撃に気付かれても居場所を発見される前に野生の勘で逃げ出して、分析を終えた友国から知らされた情報を忍び足を活かして他の仲間に伝えに行く。
 幾度か危険な状況になったものの、徐々に猟兵達の行動が互いに噛み合って行く。
「僕も負けずに働かないとだめだよね」
 友国の本当に火縄銃を使っているのかと思うほどの二回攻撃が女武者達を討ち抜き、トリガーと共に最後の女武者を倒すと、女武者達はいつの間にか姿を消していた。
「消滅したのか……」
 トリガーは銃を下ろす。
 村に弾痕も生々しく残しながら、女武者達は跡形もなく消滅していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『渡来医フランツ・ツェルン』

POW   :    診察
【医学的見地により筋肉動作を観察することで】対象の攻撃を予想し、回避する。
SPD   :    執刀
自身が装備する【嘗ての『実験台』から入手した妖刀の数々】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    移植
対象のユーベルコードを防御すると、それを【医学的見地から分析・解析・模倣し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は一駒・丈一です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「これはどうした事でしょう」
 『渡来医フランツ・ツェルン』は村の有様を見て嘆かわしいと頭を振る。
 生々しく残る弾痕、銃撃で壊れた家屋の壁や小屋、地面に残る血痕。
「肝心の遺体がない! それに彼女達はどこに行ったのです!」
 フランツは血と脂の臭いが染みついた刀を背中から抜き放って嘆く。
「何のためにあなた達がいると思っているのです! 私の大事な実験台をどうしてくれるのですか!」
 この白衣の男こそ『切支丹女武者』を先導して村を襲わせた張本人だった。
 人体を自分の技量を向上させ、それを確認するための手段としか見ていない医者と呼ぶのもおこがましいオブリビオン。
 こいつにあるのは人を切り刻み解剖し分解して己の技量を確かめ向上させたいと言う狂った意欲だけだ。
石動・彼方
何、コイツ…ギャーギャー煩いわわね…
まさかコイツ…ハルくんに何かする気なの…?
許せない…許せない!

一直線に懐に飛び込んで膝蹴り【灰燼拳】を一撃、入るようならそのまま首を掴んで【グラップル】膝蹴りを連発、ハラワタがぐちゃぐちゃになるまで。
「ハルくんに痛い事していいのは私だけなの…ハルくんに触っていいのは私だけなの!」
回避してくるようなら押し倒して【グラップル】馬乗りになり、躱せないように固定した上で死ぬまで滅多打ち【灰燼拳】にするから。
「許せない!許せない!許せない!許せない!」

※アドリブ大歓迎
※拳や蹴りで戦う、やたら強いけど一般人な猟兵です
※オフショルダーの白セーターミニワンピ着用
※病んでます


モルツクルス・ゼーレヴェックス
一つ、決めてる事があるっす
この手の狂ったクズとは……口を利かない
【高速詠唱】【属性攻撃】【範囲攻撃】
「全てを統べる力よ此処に。重力と電磁力、大きな力と小さな力。我が意に応えてその威を示せ」
【単純難解針】はサイズ可変の125本の針
その内の30本をこれ見よがしに、柱のように大きく、また30本を裁縫針の大きさに、残りは全て敵の毛穴に潜り込む大きさに変え
林檎が地面に落ちるように、敵を追尾する大針を目眩ましに中針で不意を突こうとする
これを見破ったら、だからこそ目視不能の小針を見逃すはず
悟られず全身くまなく小針まみれにしてやって
【戦闘知識】を元に地面にくっつけたり、不意に吹き飛ばしたり動きを制限してやる


トリガー・シックス
「この時代の医者は妖刀を持つのか?」
『レイダー』を手に姿を現し、相対する。
何者かと尋ねられたら「お前の敵とだけ」と返す。
【早業】で『ジョーカー5s』を抜き、【クイックドロウ】で発砲するがわざと数センチ横の地面に撃ち込む。
妖刀を飛ばしてくるなら破壊力の高い『レイダー』で可能な限り落とし、【残像】を残して回避。

姿を出す前に『幽幻なる狩人』を発動させ、コードによる攻撃合図を教えて霊に『走行式ドローン』を追走させる。
霊に背を向ける形になったらドローンを介してコードを言い、霊に弓による不意打ちを行わせる。コードは「扇の的」
隙ができたら一気に銃撃を叩き込む。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


リアヘル・タクティシェ
●戦闘知識を用いた作戦
弾痕によって壁の破損が激しく村人が避難した家屋を選び
入口から外に向けて仕掛け弓を複数設置する
そして他世界から持ち込んだガソリンを屋内に撒き
仕掛けをした家屋の入口とフランツを見張れる物陰に潜む
仕掛け弓の射線にフランツが近付いたら遠隔で作動させ
屋内から矢を射かけたように見せかけ誘い込む

●殺傷性の高い罠
フランツが屋内に入ったら躊躇なく火種を投げ込む
入口付近にいるようなら思い切り背後から蹴って炎の中に突っ込ませる

●真の姿
鎧に覆われているので外見的変化はわからない
兜の奥で眼が蒼く炎のように光り
鎧の隙間から漆黒のオーラがこぼれる
膂力や反応速度など身体能力は解放度合によって強化される


種子島・友国
【SPD行動を選択】
【心情】
まさかこんな形で屈辱を味わう羽目になるとはねぇ
少しこの借りを返してやらないと気が済まないなぁ

【行動】
会敵前からユーベルコードを使用
敵を別々の方向から射撃出来るように移動しよう
接近戦を挑む仲間には援護射撃で補助を行いつつ2回攻撃で追撃
交戦しながら敵の情報収集、戦闘知識で分析
敵の癖や行動のタイミング等を仲間に助言、情報共有する

「僕はね、実際誰に使われてたのか、誰を撃ったかなんて覚えちゃいないけどね」
「戦えない人間を撃つなんて事は許せないんだよね」

アドリブ、共闘は歓迎致します


月凪・ハルマ
……うわ、こいつ腹立つわー

人を助けるどころか、実験台扱いするような奴が
医者を名乗るなよ

◆SPD

真の姿を開放
髪が白い長髪に、瞳の色が金に変化

【忍び足】で相手に気取られない様に動き
【暗殺】技能で相手の急所を狙い手裏剣を【投擲】

大きな隙を見せれば接近して魔導蒸気式旋棍を撃ち込み
再び距離を取って手裏剣での攻撃、というヒット&アウェイ戦法

更に【錬成カミヤドリ】で本体である宝珠を複製
半分はわざとフランツに見える位置から攻撃させて
残り半分は相手の死角から手や足を狙って連続で撃ち込む
これはダメージより、相手の動きを阻害するのが目的

向こうの攻撃は自身の足と【見切り】【武器受け】【残像】で対処

※連携・アドリブ歓迎



「何、コイツ……ギャーギャー煩いわね……」
 石動・彼方(狂愛・f13764)は刀を振り回して叫ぶ『渡来医フランツ・ツェルン』を忌々しく睨んだかと思うと何かを察したように一瞬動きを止めた。
「まさかコイツ……ハルくんに何かする気なの……?」
 見当違いも甚だしい。彼方の異母弟など知りもしないフランツに対してとんでもない冤罪だったが、彼方にとってはそれが真実だった。
「許せない……許せない!」
 振り回される刀など見えない。相手がオブリビオンだろうと関係ない。
 一直線に彼方がフランツの懐に飛び込む。超高速かつ大威力で繰り出された膝蹴りによる灰燼拳はフランツの腹部に突き刺さった。
「ぐふっ!」
 くの字に降り曲がったフランツに更に刀が膝蹴りを繰り出す。
「ハルくんに痛い事をしていいのは私だけなの……ハルくんに触っていいのは私だけなの!」
「わけのわからない人ですね!」
 病み全開、危ない感情を暴露しながら膝蹴りしてくる彼方に面食らったフランツだったが、彼方の筋肉動作を観察して怒涛の膝蹴りから逃れようとする。
「許せない! 許せない! 許せない!」
 逃れようとしたフランツに余計に怒りが刺激されたのか、彼方は追い縋って掴みかかる。
 掴まれたらマウントポジションを取られてどんな目に遭わされるか。医学的見地や医学知識に能力が振り切っているフランツにも想像は容易い。
「ええい。離れなさい!」
 フランツの刀はただの刀ではなく曰く付きの妖刀だった。
 血と脂で濡れていても切れ味が劣らないそれで彼方を斬りつける。
「この時代の医者は妖刀を持つのか?
 トリガー・シックス(実験部隊の生き残り・f13153)が黒と紅のフレームが特徴的なアサルトウェポン「レイダー」を手に姿を現す。
「あなたもそこの女性と同じですか」
 フランツの言葉には自分を襲うのかと言う意味とお前も猟兵かと言う両方の意味があるのだろう。
 それに対してトリガーは返す。
「お前の敵とだけ」
 クイックドロウの早業でNAタイプHC『ジョーカー5s』を撃つ。
 しかしそれは数センチ横の地面に当たり、フランツは外しましたねと言ってこれまで『実験台』から入手した妖刀の数々を複製する。
 飛んでくる妖刀をレイダーで撃ち落としながら残像を生むスピードで回避する。
「逃げるばかりではいけませんよ!」
 避けるトリガーを追って妖刀を操るフランツだったが、そこにどこかから飛んで来た矢が突き刺さった。
 他の猟兵が援護に来たのかと思ってトリガーから離れようとしたフランツを追って出てきたのは、トリガーが姿を現す前に召喚していた幽幻なる狩人だった。
 二本の短刀と弓を手にした幽幻の狩人の後からトリガーの攻撃合図を受けて追走してきた「歩行式ドローン」が続く。
 数で上回る妖刀も、幽幻なる狩人と歩行用ドローンを加えたトリガーの銃撃に撃ち落とされ、フランツを追い詰める。
「不意打ちには弱いようだな」
 それはトリガーの独り言だったが、リアヘル・タクティシェ(復讐騎・f13977)には聞こえた。
(不意打ちだけでなく、待ち伏せにも弱いようだ)
 声にはせずリアヘルは仕掛けを確認する。
 リアヘルがいるのは切支丹女武者との戦いでボロボロになった家屋だった。
 家屋の中には復讐騎の執念で仕掛けられた弓が複数設置されている。
 更に屋内はてらてらと光っていたが、仕掛け弓と同じようにうまく物陰の暗がりに隠されてよく注意して見なければ何が撒かれているか分からないだろう。
(さあ、こっちに逃げて来い)
 フランツは他の猟兵の攻撃から一旦身を隠そうとリアヘルが潜む家屋の近くまで走って来た。
「まったく何と言う事でしょう。実験台が手に入らないばかりか面倒な輩まで!」
 イライラと文句を言いながらフランツが家屋の影に入ろうとした瞬間を狙い、リアヘルが仕掛けを作動させる。
「ぐうっ! また矢ですか!」
 さっきも矢で不意打ちを受けたフランツは矢が飛んで来たと思われる家屋を見てにまりと笑う。
「まったく、あまり手間を掛けさせないでください」
 突き刺さった矢を傷口を切開して抜き取ったフランツが妖刀と血の染みがついた本を手に近寄って来るのを、リアヘルは静かに待っていた。
 そしてフランツが家屋に入った瞬間を狙って火種を投げ込んだ。
「この臭いはっ」
 家屋に何が撒かれていたか察して逃げようとしたフランツを、蒼い炎と漆黒のオーラを噴き出した鎧―――真の姿を現したリアヘルが襲う。
 例え鎧を着ていても尋常ならざるフランツの医学的見地の高さはリアヘルの動きを読んでいたが、回避は叶わなかった。
「―――援護感謝する」
 フランツを炎の中に蹴り飛ばしたリアヘルの感謝に、援護射撃によって回避を邪魔した種子島・友国(ヤドリガミのアーチャー・f08418)は気にしなくていいと言った。
「まさかこんな形で屈辱を味わう羽目になるとはねぇ。だから、少しこの借りを返してやらないと気が済まなかったんだよね」
 リアヘルが仕掛けをした家屋の影、崩れた木材の後ろ側、周囲には友国が死後の仕事日で呼んだ貌を持たないかつてえの持ち主達の亡霊がいた。
「僕はね、実際誰に使われていたのか、誰を撃ったかなんて覚えちゃいないけどね」
 友国は貌のない持主達の亡霊を見る。
 だから彼等、あるいは彼女らには個人の区別がつくような顔がないのかもしれない。
「戦えない人間を撃つなんて事は許せないんだよね」
 さあ、あの医者と言う名を冒涜している輩を倒そう。
「お休みのところ悪いけど、もうちょっと手伝ってくれるかな?」
 燃えて倒壊した家屋から妖刀が飛んで来た。
 そして起き上がって来たのは火で焼かれ煤と血で汚れた白衣のフランツ。
「いい加減にしなさい! 私の技術はもはや神に匹敵、いや神の異形すら凌ぐものとなるでしょう。医学と技術の発展に協力できるのですよ! 何故逆らうのです!」
「そのために戦えない人間を撃って、誰彼構わず切り刻んでいいとは思わないね」
 友国は服や体から煙を上げながら妖刀を飛ばしてくるフランツの癖を読む。
「……うわ、こいつ腹立つわー」
 月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)の姿は普段の黒髪黒目ではなく白い長髪と金色の瞳の真の姿になっていた。
「一つ、決めてる事があるっす」
 ハルマも怒っていたが、モルツクルス・ゼーレヴェックス(自由を飛ぶ天使・f10673)もフランツに強い怒りを感じていた。
「この手の狂ったクズとは……口を利かない」
 効いているだけでも胸が悪くなりそうなフランツの台詞から意識を逸らして単純難解針を作り上げる。
「全てを統べる力よ此処に。重力と電磁力、大きな力と小さな力。我が意に応えてその威を示せ」
 現れたのは125本もの針。
 人間大から細胞大まで可変可能な針の内、30本は非常に大きい。人間大としいても柱のように大きな針だ。
 友国はモルツクルスの狙いに気付いて、ハルマに言った。
「僕達で隙を作るよ」
「針まみれにしてやるっす」
 友国とモルツクルスにハルマは頷く。
 忍び足でフランツに気取られないよう他の猟兵の攻撃を隠れ蓑に動く。
 そして隙が出来れば暗殺者のように急所を狙って手裏剣を投げ、特に大きな隙があれば魔導蒸気式旋棍で打ち込む。
 足を止めず手裏剣と旋棍のヒット&アウェイの戦法に対処しようとするフランツに、モルクスルスが放った針は風を切りながら襲い掛かる。
「これはこれは。工夫次第で色々使えそうですね」
 フランツはそれを医学的見地から分析・解析・模倣した。
「例えばこのようにね」
 モルツクルスのユーベルコードそのままの巨大な針が現れて放たれた。
 30本の巨大な針は地面に突き刺さりの先程までの戦闘で既にボロボロになっていた家屋を崩す。
「かかったっす」
 モツルクルスの言葉の意味をフランツは痛みと共に理解した。
 30本の裁縫針はまだ見えたし、刀である程度は防いだはず。しかしもっと小さな毛穴に潜り込む程の小さな針がフランツの体内に入り込んでいた。 
「全身小針まみれにしてやるっす」
「あなたこそ、私のメス(妖刀)で全身くまなく切開してあげましょう!」
 いきり立つフランツが複製した妖刀を放つ。
「その妖刀もお前みたいなやつに使われたくないだろうな」
 それをハルマの錬成カミヤドリで作り出した自分の本体で迎え撃った。
「似たような技なら私の技術の方が上です!」
「残念。本命は別なんだよ」
 ハルマの錬成カミヤドリで放った半分はわざとフランツに見えるように撃った。
 あと半分が今フランツの死角から手足に向かって撃ち込まれた。
「人を助けるどころか、実験台扱いするような奴が医者を名乗るなよ」
 真の姿による能力をこめて撃ち込まれた旋棍はフランツの体をまだ燃え盛っている家屋の中に叩き込み、起き上がる余力がなかったフランツは、家屋の残骸と共に灰となって滅んだ。
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『戦の跡と続く道』

POW   :    損壊した建屋や残骸の片付け、資材の運搬などの力仕事を引き受けます

SPD   :    炊き出しや役立つ道具の作成、仮住居の設置など住人に今必要とされているものを手配します

WIZ   :    怪我人の治療、復興を効率的にする手段の提供などを行います

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 戦いは終わった。村人達に死傷者はなく上々の結果と言えるだろう。
 しかし戻って来た村人達の幾人は途方に暮れてしまった。
 けして頑丈ではない茅葺屋根のほったて小屋は銃弾でボロボロになり焼けて崩れた物もある。
 畑は戦闘の激しさを考えればあまり被害を受けてしなかったが、ゼロではない。
 冬の間に蓄えは殆どなくなってしまったし、実りの季節もまだ先だ。
 村人達はとりあえず体を動かしてから考えようと片付けに取り掛かった。
 さて、猟兵達にも何か手伝える事があるだろうか?
石動・彼方
ふぅ、終わった終わった、早く帰ってハルくんを…え?後片付け?
そっかここの人達も大変な目に遭ったんだもんね、少しは手伝ってあげないと……本当はどうでもいいけど、ハルくんに後で褒めてもらうためだもんね。

「力仕事があればやってあげる、他の猟兵に比べて力持ちな方じゃないけど便利な力が使えるから」
サイコキネシスで残骸の片付けとか資材運びを手伝うわ。
手で持ったりはしないよ、面倒だし。
「ハルくんのお土産になるようなもの、ないかなぁ…」
村人が困ってたら話を聞いてあげて、それが出来そうな事なら手伝ってあげる。
「やってあげるから、代わりに今度ハルくんを連れてこれたらハルくんに美味しい物食べさせてね」

※アドリブ歓迎


リアヘル・タクティシェ
【SPD】仮住居を設置する
野戦築城も【戦闘知識】を使える技術だろう
オブリビオンを倒す為とはいえ
家一軒を燃やしてしまったまま次の戦場に向かうのは気が咎める
簡易な木製の仮住居であれば建てることを手伝える
流れ弾で弾痕が刻まれた壁の修理も手伝えるだろう
次のオブリビオンと戦う為に長居はできない
長くても丸一日の間に俺ができることで復旧に手を貸そう
俺の様な復讐者の手助けが必要になることなど
もうこの村にない方がいいに決まっている
さて、ヴァンパイアを根絶やしにする為に次のオブリビオンを狩りに行くか


種子島・友国
【SPD行動を選択】
【心情】
さて、バカの馬鹿騒ぎが終わったならお片付けの時間ですよっと
生きていたら腹も減るし寝床も要るってわけだよね

【行動】
仮の住居設営に当たるとしよう
ユーベルコードの皆にも手伝って貰ってね
元気な住民や本職の大工さんが居たら一緒になってやってもらってさ
重いものもせーのどっこいしょって感じで
戦う事だけが人生って訳ではないよねぇ

「ちゃんとした家はまだだけど、とりあえず目の前の問題から片付けないとね」



「ふぅ、終わった終わった、早く帰ってハルくんを……」
「ちょっと待ったー!」
 石動・彼方(狂愛・f13764)は溺愛する異母弟の元に一秒でも早く駆け戻ろうとしていたが、猟兵達の出迎えと事後処理のためにやってきたグリモア猟兵のキャロ・エレフセレリア(たーのしー!・f12156)に引き留められた。
 キャロが説明した村の状況とおそるおそる戻って来た村人が家の残骸や荒れた畑に向かって行くのを見て、彼方は帰るのを一旦取りやめる。
「そっかここの人達も大変な目に遭ったんだもんね、少しは手伝ってあげないと……」
 口ではそう言っているが本当はどうでもいい事だった。なぜ手伝うかと言うと異母弟に褒めてもらいたいからと言うどこまでもブラコンな彼方だった。
「力仕事があればやってあげる他の猟兵に比べて力持ちな方じゃないけど便利な力が使えるから」
 あんたみたいな若くてきれいな娘さんに……と遠慮する村人達に彼方はサイコキネシスを使って残骸を持ち上げて見せる。
「ありゃー! ひとりでに動いたぞ!」
「たまげたなあ!」
 純朴な村人は不可思議な力を見て目を丸くする。
 手で持つのが面倒だし。そんな本音は言わぬが花。
「ハルくんのお土産になるようなもの、ないかなぁ……」
 村人達は彼方の不可思議な力を見たいこともあって残骸の片付けや、崩れた家の代わりを作るための古い小屋の解体を頼んで来る。
 仕事をしながら辺りを見回すが春の盛りもまだ先で花の一輪も咲いていない。
 村人が食べていけるだけの畑と生活用品しかない村にお土産にできる物もない。
「仕方ないわね……」
 彼方はお土産を持ち帰る事はあきらめて、村人達に条件を出した。
「やってあげるから、代わりに今度ハルくんを連れてこれたらハルくんに美味しい物を食べさせてね」
 この言葉を聞いた村人達は彼方の事を『はたらきもんで家族思いの娘さん』と捉えたらしい。こんなしみったれた村の飯でよかったらと喜んで受け入れてくれた。
「さて、バカの馬鹿騒ぎが終わったならお片付けの時間ですよっと」
 種子島・友国(ヤドリガミのアーチャー・f08418)は戦いが終わって帰って行こうとした貌を持たないかつての持主達の亡霊を引き留めてもうちょっと手伝ってくれないかと頼んだ。
 残骸の片付けにも仮設住宅の建設にも人手は必要だ。
「生きてたら腹も減るし寝床も要るってわけだよね」
 元々は生きて生活していた亡霊達も友国の頼みを聞き入れた。
「なんじゃあ?!」
「ひえっ!」
 とは言え見た目が亡霊なので村人達はおっかなびっくり。
「仮設住宅の建設なら俺も手伝おう」
 そこにリアヘル・タクティシェ(復讐騎・f13977)が加わった。
「オブリビオンを倒す為とはいえ、家一軒を燃やしてしまったからな……」
 リアヘルは家屋に罠をしかけ敵ごと燃やすと言う作戦を取った。その家は銃弾で穴だらけでどうせ解体するはめになっただろうがそれはそれ、これはこれ。
 復讐者として生きるリアヘルではあるが、放置して次の戦場に向かうのは気が咎めた。
 村人にとっても協力は願ってもない。早速あちこち連れ回される。
「せーの、どっこいしょっ」
 友国の掛け声に村人達の「よっこいしょー」「どっこいせ」と言う掛け声も混じる。
「おいあんた無理すんなよ。ギックリ腰になるぞ」
 見た目四十路の友国はこの村の中では年嵩の方だ。手伝いにやってきた若い衆が心配してくる。
 猟兵でありヤドリガミである自分がギックリ腰になるかどうかは分からなかったが、気を付けるよと返しておいた。
「ふむ、こんな所か」
 リアヘルは野戦築城の要領で仮説住宅を建てていた。
 村の生活に合わせなければならないし木材も豊富とは言えないのでいろいろと妥協しなければならなかったが、周りの掘立小屋と比べたらむしろいい出来になったかも知れない。
 友国と亡霊も村人達と一緒に作った仮設住宅の出来に納得していた。
「ちゃんとした家はまだだけど、とりあえず目の前の問題から片付けないとね」
「あとは建て直すまでもない家屋だな」
 続いてリアヘルが向かったのは弾痕が残っている家屋の修理。
 仮設住宅には使えないくらいに壊れていた木材の切れ端で穴をふさいだりつぎ足したりと作業をする。
「あんたらも働きもんだねえ」
 村人たちが笑顔で猟兵達を労っている。オブリビオンから助けるためとは言え、結果的に自分達の畑と家を荒らしてしまった事はまったく気にしていない。
 まる一日の復興作業を終えたリアヘルにもお礼を言って送り出してくれる。
 そんな純朴な村人達を見て、二度と自分のような復讐者の手助けが必要になる事などないようにとこの村の平穏を願った。
「さて、ヴァンパイアを根絶やしにする為に次のオブリビオンを狩りに行くか」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト