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星持ちねずみと秘密の物語

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●眠りへの誘い
 ぱたり。
 ゆっくりとした動作で揺れたのは、ふわふわの尻尾。
 大事そうに硝子のティーポットを抱きしめ。彼等は眠そうに大きな瞳をぱちぱち。
『ちゅぅー』
 まるで寝ぼけて寝言を言っているかのように、あちこちから零れる鳴き声。
 ゆらゆら、彼等の寝息に合わせてティーポットの『夜糖蜜』が揺れる。
 まるで夜空を閉じ込めたかのような、きらきらと輝く液体――。
 その揺れもまた、眠りへと誰かを誘っているかのようだった。

●秘密の夜
 アルダワ魔法学園に広がる迷宮は数多あるが、今回もそのお話。
「今回皆さんに対峙して貰いたいのは、眠りネズミさんです。名前の通り、いつも眠そうにしている可愛い子ですよ」
 可愛い、の部分を気持ち強調しながら。ラナ・スピラエア(苺色の魔法・f06644)は詳細を猟兵へと語り出した。
 鼠と云うが、とてもふわふわでぎゅっと抱きしめることが出来るくらいのサイズ。
 いつでも眠いので、彼等自体に基本的に脅威は無い。だが今回は大量に発生しており、迷宮から外に出て生徒達を眠りへと誘ってしまうようだ。
 もふもふの毛はよく眠れるほどに心地が良いし、彼等が眠りながら零す吐息や鳴き声も眠気を誘う不思議な特性を持つ。――それは、彼等のかわいさのせいかもしれないが。
「鼠さん達、気持ちよく眠っているところ悪いですけど……」
 悲しそうに苺色の瞳を曇らすラナ。けれど、可愛くても相手はオブリビオンだ。危険があるのならば、退治をしなくてはいけない。
 彼等はかなりの数がいるが、ぽこっと一発で倒れてしまうくらいに弱い。
 ティーポットを抱きながら寝ているだけの彼等を抱いてみたり、一緒に少しだけお昼寝してみたり――そんな、ちょっとしたお楽しみを味わっても良いだろう。
 最後に、しっかりと倒す事さえ忘れなければ。

 倒す――その現実に小さな溜息を少女は零すが、気を取り直すように首を振るとこの後の事を語り出す。
「全部終わったら、秘密のお茶会に足を運んでみるのはどうですか?」
 トランプの形を模したショートケーキ。ぐるり芋虫のロールケーキ。赤と黒のマカロンには、可愛らしい兎のマークが入っている。
 他にも色々と、可愛らしいお菓子が並んでいるらしい。
 まさに『秘密』に相応しい、特別な時間を過ごす事が出来るだろう。
 一部の学生で行われている会らしいが、今回招待して貰える話になっているようだ。
 可愛らしい装いに、ハートの描かれた可愛らしいティーセット。まるで絵本の中のような世界で何を語り合おうか――。

「ご褒美があったほうが、やる気も出ますよね」
 よろしくお願いします、と一礼をするラナ。揺れる淡桜の髪を抑えながら、そうだ、と。何かを思い出したような言葉を零すと、ラナは猟兵へと向き直る。
「眠りネズミさん、『夜糖蜜』っていう不思議なお茶を持っているらしいですよ」
 きらきら、それは星空のような色をした不思議な液体。なんでも、その液体を飲むと望む夢が見れるとの噂があるとか――。
「本当なんでしょうか? ちょこっと拝借して、お茶会で試してみるのも良いですね」
 勿論、入れすぎないように気をつけて――。
 口元に人差し指を当て、楽しそうに少女はそう零した。

 ゆらりゆらり、揺れる星空の液体のように。
 夢の中を散歩するような。
 不思議な不思議な、物語。


公塚杏
 こんにちは、公塚杏(きみづか・あんず)です。
 『アルダワ魔法学園』でのお話をお届け致します。

●シナリオの流れ
 ・1章 集団戦(眠りネズミ)
 ・2章 ボス戦(叡智の守護者)
 ・3章 日常(秘密のお茶会)

●3章について
 舞台は学園内にある薔薇園。
 限られた生徒で行われる、秘密のお茶会へ参加する事が出来ます。
 参加資格は『ドレスアップすること』です。
 秘密のお茶会に相応しいと思う服装を、ご自身で身に纏って下さい。(学園内で貸し出してもくれるようです)
 『POW/SPD/WIZ』は一例です。魔女とかお洒落な装いとかでも大丈夫です。
 また、版権物は描写致しません。

 食べ物はお菓子と軽食。飲み物は紅茶。どれも少し変わった見た目をしているようです。お好きに想像して頂ければ、出来る範囲で反映させて頂きます。

 こちらのみ、お誘いがあればラナがご一緒させて頂きます。花柄のエプロンドレスで参加します。

●その他
 ・眠りネズミと戯れて、お茶会に参加するシナリオです。
 ・同伴者がいる場合、プレイング内に【お相手の名前とID】を。グループの場合は【グループ名】をそれぞれお書きください。記載無い場合ご一緒出来ない可能性があります。
 ・途中からの参加も大丈夫です。
 ・許容量を超えた場合は早めに締め切る、又は不採用の場合があります事をご了承下さい。
 ・締め切り等の連絡は、マスターページにて随時行います。

 以上。
 皆様のご参加、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『眠りネズミ』

POW   :    おやすみなさい、よいゆめを
全身を【ねむねむふわふわおやすみモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    みんないっしょに、ねむりましょ
【ふわふわのしっぽ】から【ふんわりとつつみこむもふもふのいちげき】を放ち、【今すぐこの場で眠りたい気持ち】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    きらきらひかる、こうもりさん
対象のユーベルコードに対し【吐息からキラキラ光る小さなコウモリたち】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●夜空を抱く
 ゆらり、揺れればティーポットの夜空がちゃぽんと音を立てた。
 小さな背の羽をぱたぱたと可愛らしく動かしながら。
 ゆらりゆらり、小さく揺れるのは愛らしい眠りネズミ達。
『ちゅぅ』
『ちゅー……』
 零れる寝言はとても心地が良さそうで。まるで夢の世界に迷い込んだような光景。
 ふわふわの尻尾が、誘惑するかのようにぱたりと動く。
 彼等――夢の世界への招き手は、今日も誰かを夢へと誘う。

 甘い夜空をくださいな?
クラリス・ポー
アドリブや絡みも嬉しいです
宜しくおねがいします。

……眠りネズミさん。
可愛い…かわいいっ(もふもふぎゅっ)
はっ!私としたことが、…一体にゃにを!?
あぁ、でももふもふふんわりですね。
そしてかわいい…いい気持ち(すやぁ)
(起床)
はっ!!私はいったいにゃにを!??(以下ループ)

うぅ…かわいいのに、可愛いのに…。
でもここを何とかしないと、学生の皆さんが困ってしまうんです。
だから、かわいいけど、でも、だから…ごめんなさいっ!!(両耳下げ)

ジャッジメント・クルセイドで、
涙を飲んで、一生懸命戦います。

さようなら、眠りネズミさん達。
素敵なひとときをありがとう。
またいつか、会いたいです…いつか。




 目の前で、ふわふわの尻尾がぱたりと揺れるのを見てクラリス・ポー(ケットシーのクレリック・f10090)は、そわりと自身の尻尾も揺らした。
「……眠りネズミさん。可愛い……かわいいっ」
 ふらり、ふらり――それはほぼ無意識に、そのもふもふの毛並みを抱きしめていた。
「はっ! 私としたことが、……一体にゃにを!?」
 腕の中で聞こえる寝息と温もり、そしてふわふわの柔らかい毛並み。その夢心地の感触を身体で感じたところで、我に返り瞳をくりくりと見開く。
 ――けれど、この抱き心地を手放してしまうのは勿体無い。だって本当にふわふわで、とても可愛いから。『ちゅぅー』と小さく聞こえる寝言もまた可愛らしくて。
「かわいい……いい気持ち」
 気付けばクラリスもうつらうつら。そのもふもふに顔を埋めるようにして、夢の世界へと。温もりに包まれて、それは幸せな夢への旅路。
 けれど彼女は抗ってみせる。目を覚まし、首を振り――けれど眠りネズミの吐息に眠りへと誘われ。それを何度か繰り返せば、次に目覚めた時には頭も随分すっきりしていた。
 六角の宵空石が煌めくメイスを握り直し、未だ眠りの世界に居る眠りネズミへと向き直るクラリス。可愛いのに……そう呟きながら、自身の尻尾を悩んだように揺らしている。
「でもここを何とかしないと、学生の皆さんが困ってしまうんです。だから、かわいいけど、でも、だから……ごめんなさいっ!!」
 覚悟に口を結び、両耳を下げ。ほんのりとその金の瞳に涙を滲ませながら、彼女はメイスの柄先で地面を叩く。ベルが祈りの音色を響かせたかと思えば、クラリスが指差した眠りネズミを天からの光が襲う。
 眩い光が世界を包んだかと思えば、愛らしいネズミの姿は消えていた。
「さようなら、眠りネズミさん達。素敵なひとときをありがとう」
 祈りを捧げるように、クラリスは悲しそうな眼差しで言葉を零す。
 ――またいつか、会いたいです。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キサラギ・カプチーノ
えぇーっ、こんなかわいいネズミちゃん達を倒すのかぁ…でも、学園の平和とお茶会のためだもんね、うんうんっ。お茶会、どんなお菓子が出てくるのかなぁ…(学園の平和よりお茶会に興味津々のようだ)
倒すのは簡単そうだし、その前にUCを使って、ネズミちゃんともお茶会?をしちゃおう!と言っても、カツ丼、牛乳、あんパンしか出せないけどね、てへへ…
おまわりさんのソウルフード、気に入ってもらえると嬉しいな!他の猟兵さんもいたら、食べてもらっちゃおっと。
みんなでのんびり過ごして、食べおわったら、いよいよ倒すのかぁ…やだなぁ…できれば他の猟兵さんに任せたいけど、自分でやるなら狐火で一気に吹き飛ばすよ!
アドリブ大歓迎!




 ティーポットを抱き、すやすやと心地良さそうに寝ている眠りネズミ達。そんな彼等の様子を見て、キサラギ・カプチーノ(狐のおまわりさん・f04129)は思わず後ずさる。
「えぇーっ、こんなかわいいネズミちゃん達を倒すのかぁ……」
 黒いスカートと共に、眠りネズミの尾に負けない尻尾を揺らし。悩ましげに零す。
 けれどこれも、学園の平和とこの後待っているお茶会の為。うんうん、言い聞かせるように両手を握り、キサラギは頷く。どんなお菓子が出てくるのか――そんなお楽しみに、つい思考が泳いでしまう。
 けれど、今は此処で。眠りネズミ達とお茶会をしたいとキサラギは想っている。
 彼女が用意したのは、カツ丼、牛乳、あんパン――そんな、お世話になっている警察をイメージした食べ物たち。
「おまわりさんのソウルフード、気に入ってもらえると嬉しいな!」
 ひょこひょこ楽しげに尻尾を揺らし、眠りネズミの群れに食べ物を置いてみれば。
『ちゅ?』
 ひくひく、匂いにつられて1匹の眠りネズミが目を覚ます。
 気に入ってもらえるかどうか、そわそわしたようにキサラギが緑の瞳を向ければ――眠りネズミはミルクに興味を持ってのそりと起き上がると、鼻を寄せた。
『ちゅぅ~……!』
 とても気に入っているらしい。けれど小さなお手々と口では、瓶に入っている牛乳に届かない。切なげに鳴く眠りネズミに思わず笑みを零し、キサラギは小さなお皿に移して口元へと置いてあげる。ちびちび、小さな舌を出して舐める彼はとても嬉しそう。
 そんな様子を見て、キサラギの心にも嬉しさが満ちる。
 けれど――楽しい時間も、永遠に続くわけではない。
 彼等を倒すことは、猟兵達の大切なお仕事なのだから。
「いよいよ倒すのかぁ……やだなぁ……」
 できれば他の猟兵に任せたい、と思ってしまうが。数が多いのでキサラギの手も必要だろう。涙を呑んで彼女は、16の狐火を作り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヨハン・バルクレイン
なかなか粋なお茶があると聞いて。それに可愛らしい動物がいるようじゃないか。どうして行かないというのだろう。いや、行く。

(事前にオルタナティブ・ダブルで分離済み)

ネズミとまずは触れ合ってみよう。仲良くなれば夜糖蜜とかいうのを沢山くれるかもしれない。あともふもふしたい。
寝てしまっても構わない。存分にもふもふしよう。なんたってエレン(双子の弟、別人格)がいるからな。
『寝ない努力をして』
とりあえず一通りもふもふを堪能したらエレンと協力して倒してしまおう。
『全部倒したら俺帰るから』

一匹連れて帰っていいかい?駄目?そうか、残念だな。
……次は良いもふもふに生まれ変わって、俺と友達になろうな。




 なかなか粋なお茶があると聞いた。そうヨハン・バルクレイン(ふたりぼっち・f13945)が語りかけるのは、自身の片割れである弟のエレン。
 それに可愛らしい動物にも興味がある。
「どうして行かないというのだろう。いや、行く」
 強い意志で語る兄の様子を眺める弟。――その姿は、力を用いて具現化した『もうひとりの自分』だった。
 ヨハンは気にした様子も無く、彼と共に歩み眠りネズミへと近付いていく。すやすやと気持ちよさそうに眠る彼等。手を伸ばし、触れてみようとする。
(「仲良くなれば夜糖蜜とかいうのを沢山くれるかもしれない」)
 存分にもふもふして、一緒に寝て、仲良くなれば――そんな事を考えて触れてみれば、柔らかな手触りに思わず頬が緩んでしまう。
 撫でれば、眠りネズミも心地良さそうに瞼を緩め、ふわふわ尻尾をぱたり。
「おお……!」
 そのふわふわ具合に、感動するヨハン。撫で撫で、繰り返していくと彼等の生態のせいだろうか。ヨハンの動きが鈍くなり、段々とその青い瞳を瞼が隠していく。
『寝ない努力をして』
 そんな兄に活を入れるように、語る片割れ。彼の言葉に、ヨハンは少し残念そうにするけれど、言われたからには頑張らなければいけない。
 ある程度堪能するまでは、弟も黙っていてくれるから。区切りがついたところで、青年は立ち上がると片割れに視線を送った。
「一匹連れて帰っていいかい?」
 尋ねれば、駄目と残念な言葉が返ってくる。残念だ、そう零しながらも笑みを零せば――彼等は力を合わせ、眠りの世界を彷徨う眠りネズミ達を倒していく。
『全部倒したら俺帰るから』
 次々と倒れ行く眠りネズミを眺めながら、語るエレン。その言葉にこくりと頷きを返し、ヨハンはネズミ達へ最後の言葉を掛ける。
「……次は良いもふもふに生まれ変わって、俺と友達になろうな」
 俺と、兄弟と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリス・ホワイト
【WIZ】
かわいらしく、また悪意も見えない。
……けれど、危険があるならば、退けなければ。
そういうお仕事だからね。こればかりは、自分の中で区切りをつけなくてはいけないよ。

さて、眠りネズミを見つけたなら。
僕も優しくひと撫でさせてもらおう。
君のもふもふと、僕と、どっちのほうがもふもふしてるだろうね。ふふ。
……慈しみ終えたなら。
残念ながら、ここでお別れだ。
眠るのが好きなようだから、【過ぎ去りし花燭】を使って【花属性】の魔法で眠るように。最後まで、優しくお別れをしよう。
花の香りに包まれたなら、きっと素敵な夢が見れるはずさ。

(連携、アドリブ歓迎)




 ぱたり、ぱたり。
 まるで夢の世界へ誘うかのように、揺れる眠りネズミの尻尾にクリス・ホワイト(妖精の運び手・f01880)はそわりと反応する。
 可愛らしいその見た目。悪意は無く、ただ心地よく寝ているだけ。――けれど、悪意の無いその存在が人々を夢へと迷い込ませ、危険があるのならば退けなければいけない。
「そういうお仕事だからね。こればかりは、自分の中で区切りをつけなくてはいけないよ」
 自身の尻尾もゆらり揺らしながら、カツリとステッキを高らかに鳴らし。
 猫の紳士は、覚悟を決めて眠りの世界を旅する眠りネズミへと近付く。
 ――すぐに倒すのではない。一撫で、優しく、その柔らかな毛を撫でる。自身の半分ほどのネズミの身体を撫でてみれば、温かくもこもこの感覚が肉球に。
「君のもふもふと、僕と、どっちのほうがもふもふしてるだろうね。ふふ」
 優しく語り掛ければ、心地良さそうに一鳴きする眠りネズミ。もっともっと、とねだるように顔をすり寄せてくる様子が愛らしくて、ついついクリスも嬉しくなってしまう。
 シルクハットの下から覗く表情は、幸せそうな笑顔。――微睡む心地がふわりと包み込み、なんだか眠くなってくる。
 ふわり、ふわり。彷徨うかのような不思議な心地も、眠りネズミ達が手招きする世界なのだろうか。何時までだって、漂いたいと思う夢の時間。
 けれど――。
「残念ながら、ここでお別れだ」
 そういう仕事と彼は分かっている。いつまでも夢の中で、幸福を感じてはいられない。
 優雅な所作でクリスが杖を掲げれば――バイカウツギをモチーフとしたその杖は、本物の花びらへと姿を変え眠りネズミを包み込んでいく。
 花と香りに包まれる中、素敵な夢を――そんな優しいお別れを願う、クリスの優しさを具現化したような美しい花々が舞えば。眠りネズミは鼻をひくひくと動かし、心地良さそうにまた眠りの世界へと沈み込んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリア・アクア
あれが眠りネズミさん……はわ、かわいすぎます!
警戒されないよう近付き、しゃがみ込んでネズミさんの様子を観察

ああ、寝息立てながら動くお腹が……とても、とてもおかわいらしいです!
はあ……だめです、これは……この毛並みは魅惑的……
手触りと寝息のリズムに、いつの間にかうとうと

……はっ、だめですだめです!
一瞬眠りネズミさん達に埋もれる夢を見ていました!
かわいそうですし、名残惜しいですし、
叶うことなら我が家へお連れしたいですが……
災魔ですから……そう、災魔なので!

想いを振り切り、戦闘準備
共闘できる方がいれば一緒に
ツバメさんを召喚し、ネズミさんをつついてもらいます
うう、ごめんなさい眠りネズミさんっ……




「あれが眠りネズミさん……はわ、かわいすぎます!」
 蒸気を纏わせながら、眠りネズミを前にしてアリア・アクア(ミレナリィドールのビーストマスター・f05129)は思わず口元に手を当てた。
 ティーポットを抱き、幸せそうに眠る眠りネズミが沢山。その光景があまりにも可愛らしくて、微笑ましくて、ついついアリアの頬も緩んでしまう。
 警戒されないように――十分に注意しながら、彼女は花をあしらったワンピースの裾をひらりと揺らしながら近付いた。
 しゃがみ込み、じっと眠りネズミを見つめれば――。
「ああ、寝息立てながら動くお腹が……とても、とてもおかわいらしいです!」
 目の前には、仄かに膨らんだお腹が上下していた。ふわふわ毛並みも相まって、まるでアリアに触ってくれと誘っているかのようにさえ見える。
 だからアリアは、恐る恐る――眠りネズミを起こさないように注意しながら、その細い指を伸ばしそっと触れてみる。ふかり、温かく柔らかで、けれど滑らかな心地良さ。
「はあ……だめです、これは……この毛並みは魅惑的……」
 頬を染め、緩ませ。アリアは幸せそうに眠りネズミのお腹を撫でる。彼も気持ちが良いのか、瞑った瞼を幸せそうに緩めながら、アリアの手にぴとっと自分の小さな手を乗せた。その仕草がまた愛らしくて、アリアの胸を打つ。
 撫で撫で。撫で撫で。
 繰り返していれば、その毛触りの良さと眠りネズミ達の寝息に誘われるように。アリアの瞼も重くなる。こくり、首を揺らせば。
「……はっ、だめですだめです! 一瞬眠りネズミさん達に埋もれる夢を見ていました!」
 長い髪を揺らしながら首を振れば。彼女の髪に止まる小鳥達が落ちないようにとバランスと取るのが見えた。――彼等のように、眠りネズミを我が家へ連れて帰りたい。そう強く強く思うけれど、アリアは心を鬼にする。
「災魔ですから……そう、災魔なので!」
 それはまるで自分に言い聞かせるように。強く、強く言葉を零した後。彼女は友人であるツバメさんを召喚する。
 出来ればあまり痛くしないように――そう祈りながら、様子を眺めるアリアの瞳にはうっすらと涙が滲んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

曙・聖
『花蜜』の次は『夜糖蜜』でしょうか?
お話を伺う限りですと、とても美味しそうな…。
それに、眠りねずみたちですか。
彼らに囲まれてふわふわと和むのも、良い一時が過ごせそうです。

本を片手に眠りネズミたちに囲まれながら、のんびりとした一時を過ごしましょう。
膝に乗せて軽く抱きしめたり、ふわふわした毛をそっと撫でたりしましょうか。
読書のお供のクッション代わりとして、最高である気がします。
本当に可愛らしく……とても癒されますね。
本を捲る手も思わず止まって、眠たくなってしまいます。

最後は「山息吹」で、眠りねずみたちをぽかっとして終えましょうか。
ティーポットの『夜糖蜜』を拝借するのも、忘れないようにしますね。




 ちゃぽんっ――揺れる夜糖蜜の音に、曙・聖(面影草・f02659)の視線がティーポットに注がれる。きらきらと、瞬く星を閉じ込めたような液体が詰め込まれた硝子瓶。
 花蜜を味わった後だからこそ、興味が湧いてしまう。話を聞いている限り、とても美味しそうで興味深いその液体。そして、その瓶を抱える眠りネズミもまた気になる。
『ちゅぅ~……』
 何か美味しいものを食べている夢でも見ているのだろうか? もぐもぐと、口を動かし幸せそうにしている眠りネズミ。そんな様子に笑むと、聖は「失礼します」と一言眠りネズミに声を掛け1匹抱き上げてみる。
 身体自体は軽いようだが、それでも離さないティーポットの重みがそこそこあり、聖の細い腕にずしりとくる。
 必死にティーポットを抱く姿が愛らしくて、自然と笑みも零れてしまう。
 そんな眠りネズミを膝に乗せ、辺りに密集する眠りネズミ達に囲まれ。聖がしたいのは大好きな読書の時間。
 ぱらりと頁を捲りつつ、膝の上の眠りネズミを撫でれば。ふかふかだけれど滑らかな手触りを感じ、幸福感が胸に満ちる。
「本当に可愛らしく……とても癒されますね」
 その幸せな時間は、時が過ぎるほどに眠気を誘う不思議なもの――それは眠りネズミ達の癒し効果なのか、それとも眠気を誘う彼等の生態のせいなのかは分からない。
 けれど、その眠気さえも幸せな心地で……聖は眼鏡がずれる事も気にせずに、こくりこくりと首を揺れ動かす。ふかふかに囲まれて、微睡むその時間が幸福。
 そんな揺れ動く彼に合わせて、前に垂らした一筋の茶色髪が気になったのだろうか。寝ぼけた眠りネズミがはむりと咥え、引っ張られる感覚に彼の意識が現実へと戻った。
「……いけません」
 首をふるりと振ると、彼は傍に居た白花を纏う和装の精霊を杖へと変える。
 膝に乗せていた眠りネズミから夜糖蜜を少し拝借すると、立ち上がり聖は杖を掲げ。
「山吹の花よ、私の想いに応えてください」
 言葉を紡ぐと同時に、その手に持つ白華が数多の山吹の花へと変化し迷宮内を舞う。
 ひらり、ひらり――穏やかで控えめな香りに包まれて、幸せそうな眠りネズミ。そんな香りに包まれて、きっと眠りネズミの最期は幸せだった事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビビ・カラット
スズ(f02317)と

別に誘った理由はたいしたことないのだけれど
この前お茶して楽しかったから、それだけよ
ところでスズ…今回大量発生したっていう敵ネズミね
噂では花蜜よりも綺麗な蜜入りのティーポット?を持ってるんですって
ねえその袖って何個ぐらい入りそう?

目的は乱獲とお茶会よ
ドレスアップして合わせたいアクセサリーがあるのよね
割り切ってネズミ退治くらいこなしてみせるわ!
精霊銃を構え、おびき寄せでピカピカ光りながら進む
つもりが
…かわいいわね…
思わず足をとめて
ぎゅっと抱きしめたらそれだけで倒しちゃうかしら

ってああぁスズ全力出しすぎ!一匹!一匹でいいから残してっ
強力な魔法からせめてティーポットは守ろっと…


コイスル・スズリズム
ビビちゃん(f00174)
アドリブ大歓迎

絵にかいたようなツンとデレすぎてコメントに困るよ
オブリビオン関連のお茶会は
いつも考えさせられる
そう、例えば
ってっ!?

シリアスになってるところ
にへら顔のビビちゃんをみて

お仕事お仕事~とつっこむ

そんな入んないよ!151匹くらいかな?
全くビビちゃんが可愛いんだから

アクセサリー?オシャレさんだよね
情報収集をしながら
いつものコンビ芸ビビちゃんを中心に相手を引き寄せる

情がうつると後で困っちゃうから
真顔で
範囲攻撃の全力魔法
「リーディング・ブックス」
上述の動きを繰り返す

そんなつもりじゃないのに
ハート型の紙幣のせいでより一層ファンシー
ほら、お茶会に間に合うようにしなきゃね




 ビビ・カラット(煌なるもの・f00174)は、色づく宝石の髪を揺らしながら口を開く。
「別に誘った理由はたいしたことないのだけれど。この前お茶して楽しかったから、それだけよ」
 ツンと語る友の様子に、コイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)は思わず溜息をひとつ零してしまう。
「絵にかいたようなツンとデレすぎてコメントに困るよ」
 まあ、そんなところがビビらしいと言えばらしいのだけれど。――そんな友人との他愛の無い会話の裏で、コイスルの心に過ぎるのはざわめき。オブリビオン関連のお茶会では、考えさせられる事が数多ある。だからつい、今回も思考が巡ってしまう。
「ところでスズ」
 そんな彼女の様子に気付かずに、ビビはいつもの通りに声を掛ける。
 現実へと引き戻されるコイスル。何? と尋ねれば、ビビはとても真剣な顔をしていた。だから思わず構えてしまったけれど――。
「今回大量発生したっていう敵ネズミね。噂では花蜜よりも綺麗な蜜入りのティーポット? を持ってるんですって」
 そんな事を語っていた。いつもの友の様子に少し安堵したように笑みを零すコイスル。その揺れる袖に、ビビの視線は注がれる。――その袖には一体何個入るのだろう。
「そんな入んないよ! 151匹くらいかな?」
 その答えに、ビビはどこか満足げに頷いているのが見えた。
 今回の目的は、眠りネズミを倒し噂の夜糖蜜を乱獲、そしてお茶会を楽しむ事。ドレスアップして合わせたいアクセサリーがある、と楽しそうに語るビビに。相変わらずお洒落だとコイスルが零す。――そんな年相応の、女の子らしい会話を繰り広げているけれど。
 沢山の眠りネズミを前にして、ビビの動きがぴたりと止まった。
「……かわいいわね」
 そして零れる声に、コイスルはどこか予想していた気がする。
『ちゅ、ちゅぅ』
 ティーポットの上で器用にころん、と寝返りをうつ眠りネズミ。小さな羽をぱたぱたと羽ばたかせ、空を飛ぶ夢でも見ているのだろうか? 彼の動きに合わせて、夜空の液体も水音を立てながらゆらゆらと揺れ動く。
 そのきらきらと輝く液体は、ビビの煌めきにも匹敵するかもしれない。けれどビビも煌めきなら負けられないから、ピカピカと光で誘き寄せようと思っていたのだ。
 けれど――。
「……ぎゅっと抱きしめたらそれだけで倒しちゃうかしら」
 あまりの可愛らしさに、精霊銃であるリングを向ける事すら躊躇してしまう。ぽかりとしただけで消えてしまう彼等は、どれほどまでなら受け止めてくれるのだろう――そんな思考を巡らせていると。
「誰かに恋する時のよに誰かを待つよに深く甘く続いてく」
 一歩前に出たコイスルが、呪文を詠唱していた。――彼女の揺れる左袖から零れるのは、紙片。数多の紙片がくるりと舞ったかと思えば、眠りネズミ達へ零れ落ちる。
 それは広範囲に渡るコイスルの全力の魔法。弱い眠りネズミ達は、眠りの世界から目覚める事もなく紙片に触れると共に消えてしまう。
「ってああぁスズ全力出しすぎ! 一匹! 一匹でいいから残してっ」
 視界を埋め尽くすハート型の紙片の中、慌てふためくビビ。彼女の王冠に紙片がひらりと触れたのも気にせず、せめてティーポットだけはと。夜空の詰まったティーポットをひとつ抱きかかえる。そんなビビの様子に、コイスルはそんなつもりは無いと少し頬を膨らませる。
 ひらり、ひらり――世界に降り落ちるハート型の紙片が愛らしく世界を彩る中。
「ほら、お茶会に間に合うようにしなきゃね」
 ひらり袖を揺らし、尚もコイスルは紙片を零していく。
 ――これも全て、友との楽しい時間の為だから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キトリ・フローエ
夜糖蜜…本当、星空みたいにきらきらしてて、とっても綺麗
一体どんな夢を見ているのかしら?
最後にはちゃんと倒すから、少しだけ楽しませてね

あたしと比べたら同じくらいの大きさかしら
すやすやしている眠りネズミさんにそーっと近づいて
そーっとさわって…ぎゅっ
わ、聞いていた通りのもふもふでいい触り心地…!
あたしのお友達にも素敵な毛並みの子がたくさんいるけど
いい勝負が出来そうね…、(ふわあ)(欠伸)…(ふわふわに埋もれてすやあ)

しばらくしてからスッキリお目覚め
夜の安眠のために一匹くらいお持ち帰り…だめよね、わかってるの
迷宮は誘惑が多いわ
可愛そうだと思いつつ、討伐はしっかりと
夜糖蜜も少しだけ、貰っていくわね




 ゆらゆら、揺れる夜空をじっと見て。キトリ・フローエ(星導・f02354)は自身の星空のようなアイオライトの瞳を輝かせた。
 まるで星空を閉じ込めたような硝子ポット。それを大切そうに抱える眠りネズミ。
「一体どんな夢を見ているのかしら?」
 羽を羽ばたかせ近付けば、気持ち良さそうな鳴き声が耳に届く。呼吸に合わせて揺れる水面とふわふわの尻尾。その様子に、キトリはそわりとして背の羽を少し振るわせる。
 妖精であるキトリと、眠りネズミは大体同じくらいのサイズだろうか。その為、彼女が感じる眠りネズミの印象は、普通の人間達とは違うかもしれない。
 起こさないよう、羽音を出来る限り静かに。そーっと近付いて、そのもふもふの身体に手を伸ばしてみれば、キトリの小さな手が沈み込みそうな程のもふもふ感。
「わ、聞いていた通りのもふもふでいい触り心地……!」
 柔らかく温かで、けれど指通りの良い滑らかさ。思わずキトリは嬉しそうに頬を染め笑みが零れてしまう。――妖狐や人狼。知人にも素敵な毛並みの人は沢山いるけれど、良い勝負が出来そうだと。思いながらそのふわふわ加減を、身体全体で楽しむキトリ。
『ちゅぅー……』
 顔を近付ければ、眠りネズミが大きなあくびを零した。――ふわり、その吐息は不思議な眠気を誘う。温かなふわふわに包まれている今、どうやっても抗えない。
 こくり、こくり。キトリが船を漕ぎ出せば、まるで優しく布団を掛けるように。眠りネズミはそのふわふわの尻尾で、小さな妖精を包み込む。
 ――しばしの時間が経過し。
「んー!」
 大きく伸びをして、キトリは目を覚ます。少し乱れた二つに結った銀白色の髪を整えながら、一緒に寝ていた眠りネズミを見やれば。一緒に眠るお仲間が出来た事が嬉しかったのか、幸せそうな顔をしている。
 いつものお昼寝より、頭がすっきりしているのは気のせいだろうか。
「夜の安眠のために一匹くらいお持ち帰り……だめよね、わかってるの」
 アルダワ学園の地下迷宮には何度も足を運んだが、誘惑が多いと改めて実感する。けれど、経験しているからこそ。キトリは倒す為に花を抱く杖を掲げ呪文を唱える。
 ――小さな壺に、夜糖蜜を仕舞うのは忘れずに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウェリナ・フルリール
【ぴよぴよ組】

おほしさまをもってる、ねむりねずみさん…!
ドラゴンさん、みてみて!
すごくもふもふしてるのです!(真っ先に飛び込み、なでなでもふもふ
わぁい、メアちゃんもノノしゃんも、もふもふしましょうですよ!

って、はわわっ!
おされてもふもふダイブ、びっくり!
ふふ…ふわふわですね、メアちゃん!
ノノしゃんも、えいっ(手引っ張る

ドラゴンさんがつんつんしたら、ねずみさんがおやすみモードに
リナも、ねむくなったのです…(すやぁ
はっ、ドラゴンさん、おこしてくれてありがとう

もふもふおひるねのあとは、ちゃんと、きしさんのおしごと、リナはするのです!
でもあまりいたくないように…もふもふさせてくれて、ありがとうなのです


メーアルーナ・レトラント
【ぴよぴよ組】
リナちゃんとノノしゃんと

ねむり!ねずみ!しゃん!!(きゅん)
はっ!うそです!メアのこころはひよきんぐしゃんのもの!!

…リナちゃんノノしゃんもなでなでしてる…メアも!
ちょ、ちょっとだけ…!

あっ、あっ……しっぽをやさしくなでなで……ふ、ふわふわ……
ひよきんぐしゃんとはちがう、この…!
ふわぁぁ……とろとろ、ねむくなってしまいま……(すやぁ)

…きもちよく、ねてしまったのです…ひよこしゃんにつついてもらわなければえいえんのねむりに…
うう、でもねむりねずみしゃん、おそとにでてはいけないのですよ、いくらかわいくても
かなしいですがおわかれなのです
ひよきんぐしゃん、やさしめでおねがいするのです!


ノ・ノ
【ぴよぴよ組】
メアっ子、リナっ子と

にゃ~ぁんでノノがちびっこの引率せにゃならんのねー
…ま、ええか
しゃーなしやでーってツラで、二人と眠りネズミと戯れる
あ、でもこれはなかなか…俺ちゃんの滑らかスキンではマネしがたい感触(もふもこ)

んぁ?
折角ですし、ちびっこ(メア)も遠慮せずもふもふしなんせと手招き
その後、二人の後ろに回り込んで、眠りネズミのもふもふ目掛けて、ドーンと背中押してみたり
ベチャチャ!引っ掛かったぬぇ!
手を引っ張られても、おいちゃん軟体ですしおすし(腕だけみょーんと伸びる)

ふぁ、眠いのぅ…んーや、わっち睡眠少なめなんじゃが…
(寝る二人見て)
ま、いっか
おやしみぃ

起きたらネズミもぺちん
バイバイ




「おほしさまをもってる、ねむりねずみさん……!」
 星空を抱く眠りネズミを前に、ウェリナ・フルリール(ちいさな花騎士さん・f13938)は嬉しそうに硝子玉のような瞳を輝かせた。
 ぎゅっと抱くドラゴンに見て見て、と話し掛けつつ。彼女は真っ先に花を散らしたピンク色のスカートを翻しながら、眠りネズミへと駆け寄った。
 もふもふ、戯れる友と眠りネズミの姿に。メーアルーナ・レトラント(ゆうびんやさん・f12458)も思わずそわりとして、羽根をひょこひょこ。
「ぴよっ!?」
 そんな主の様子に、後ろに控えていたひよこキングは危機を感じてひとつ鳴き声を。自分は此処にいる! そうアピールするように、大きな身体の小さな羽を羽ばたかせれば。
「はっ! うそです! メアのこころはひよきんぐしゃんのもの!!」
 ぐるんと勢い良く振り返り、メーアルーナはひよこキングに抱きついた。いつも一緒のもふもふ感は心地よく、心落ち着き幸せそうに笑う少女。
 そんな、各々がもふもふと戯れる少女達を見て――ノ・ノ(ノーナンバー・f05650)は溜息を零すような仕草をする。ブラックタールたる彼のその動きは、とても人間らしい。
 なんでちびっこの引率をしなければいけない、と零しつつ。まだ幼い彼も眠りネズミが気にはなっているのだろうか。
「メアちゃんもノノしゃんも、もふもふしましょうですよ!」
「しゃーなしやでー」
 ウェリナが満面の笑みで声を掛ければ、渋々といった仕草で眠りネズミへと近付いた。
 まだまだ小さな彼等にとって、眠りネズミは胴体くらいの大きさがあり十分抱き甲斐がある。傷つけないよう、起こさないよう、小さいながらに優しく抱きしめれば。
「あ、でもこれはなかなか……俺ちゃんの滑らかスキンではマネしがたい感触」
 ふわふわの心地が気持ちよく、思わず嬉しそうな声が零れるノ。
 ――そんな2人の様子を。ひよこキングに抱き付きながらじっと眺めるメーアルーナ。
 ふわふわ、気持ち良さそう。けれどメアの心はひよこキングしゃん!
 そんな葛藤を感じるような眼差しに気付き、ノはタールの手で手招きをした。
「んぁ? 折角ですし、ちびっこも遠慮せずもふもふしなんせ」
 眠りネズミを抱きながら語る友の声に、メーアルーナはそわりとする。ふわふわ尻尾が揺れている様子は、まるで眠りネズミも手招きをしているようで。
「……リナちゃんノノしゃんもなでなでしてる……メアも! ちょ、ちょっとだけ……!」
 メーアルーナは誘惑に負けて、駆け出した。嬉しそうに迎えるウェリナの横から、寝ている眠りネズミを抱き上げれば――それはもう、温かくふんわりとした柔らかさで。
「ひよきんぐしゃんとはちがう、この……!」
 柔らかく滑らかな身体。そしてふわふわで沈み込みそうな尻尾。全身で温かく包み込んでくれるひよこキングとは違い、沈み込み癒しへと導く不思議な温もり。
 はわわわわ、と頬を染めながらその感触を堪能していると――少女達の背に回りこんだノが、2人の背を勢い良く押した。
「って、はわわっ! もふもふダイブ、びっくり!」
「ねむりねずみしゃん、もふもふ……!!」
 ふわふわの髪を揺らしながら、少女2人が倒れこめば。そこはお休み中の眠りネズミの群れだった。全身をもふもふに包まれて、幸せそうな声が零れる。
「ベチャチャ! 引っ掛かったぬぇ!」
 楽しそうな声を上げるノ。――そんな彼も仲間に。2人の少女が右と左、両方からその手を掴めば。ブラックタールの手がみょーんと伸びる。
 手を引っ張られても……そう零した時、手を掴む力が弱まった事にノは気付いた。
「ふわぁぁ……とろとろ、ねむくなってしまいま……」
 大きなあくびをひとつして。うつらうつら、眠りの世界へと導かれるメーアルーア。
 彼女と同じように、ドラゴンと共に眠りネズミと戯れていたウェリナもまた、夢の世界へと誘われていた。――ドラゴンさんが眠りネズミの頬をつん、と突いた時。眠りネズミが零した吐息によって。
「リナも、ねむくなったのです……」
 目をこしこし、ちょこっと眠気と戦ってみるけれど。やっぱり負けてしまい、ウェリナは眠りネズミに囲まれながら、その場でころんと横になる。
 2人の手を掴む手は弱まった。けれどけして離さない姿は、まるで一緒にお昼寝をしようと誘っているかのよう。少し困ったように、ノは首を傾げるが。
「ふぁ、眠いのぅ……んーや、わっち睡眠少なめなんじゃが……」
 釣られて欠伸をひとつ零し――幸せそうに眠る2人の様子に、まあいいかと想いふわふわの中一緒に横になる。
『ちゅぅ~……』
 眠りネズミの鳴き声が遠く、遠く聞こえる。深い眠りへと誘うその声が遠ざかっていく。ゆらりゆらりと、星空の海に浮かぶような。不思議な心地よさの眠りの時間。

「ひゃあ!」
 突然の鋭い物の衝撃に、声を上げて飛び起きたのはメーアルーアだった。何があったのかと、辺りをきょろきょろして状況を把握する。
 眠りネズミと一緒にお昼寝をしていたのだ、と思い出したところ。じゃあ今の衝撃は――振り返れば、ひよこキングがいつの間にかメーアルーアの事を包み込んでいた。眠りネズミに負けない、そのふわふわで。ひよきんぐしゃん! と抱きつく彼女の横で。
 同じくお昼寝中だったウェリナが、ドラゴンを撫でていた。
「ドラゴンさん、おこしてくれてありがとう」
 心配していたのだろうか? 撫でられて嬉しそうなドラゴンを抱き上げ、ひよこキングに一緒に起こされたノと一緒に、3人は未だ寝ている眠りネズミへと向き直る。
「ちゃんと、きしさんのおしごと、リナはするのです!」
「ねむりねずみしゃん、おそとにでてはいけないのですよ、いくらかわいくても」
 小さな両手を握り意志を語るウェリナと、悲しそうに表情を浮かべながらも愛用のひよこの形をしたホイッスルを手にするメーアルーア。
 覚悟を決めた2人の様子に、ノもしっかりと小さな敵へと向き直る。
 気持ち良い時間をありがとう――。
 そんな気持ちを込めて優し目に。小さいけれど立派な猟兵達は、きちんとお仕事を果たした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カチュア・バグースノウ
ふわぁ…はっいけない。姿をみたら眠くなって…ふぁあ〜

もふもふのふわふわだし、ちょっとくらい寝てもいいわよ…ね…すぅ…

ハッどんだけ寝た!?
気持ちよすぎて完全に任務を忘れてたわ…

…ちょっと、抱っこしてもいい?(狐に問いかけて)
ダメならしょんぼりして回れ右。
OKならーー優しく、ぎゅっ
お日様の匂いがする…
ああまた眠くなっちゃう

おいで!(膝を叩いて)撫で撫でしてあげる!

最後にもふっと攻撃して倒すのを忘れずに

アドリブ、共闘歓迎




「ふわぁ……はっいけない」
 すやすやと心地良さそうに眠る眠りネズミ達を見て。カチュア・バグースノウ(蒼天のドラグナー・f00628)は思わず欠伸を零していた。
 相手は特に敵意を持っていないと事前に聞いている。――だから、ちょっとくらい一緒にお昼寝しても大丈夫だろう。
 ふわふわの眠りネズミ達に囲まれてのお昼寝は、至福の時間。正に夢心地。
 身体を包むふわふわが、まるで沈み込むように眠りの世界へと誘っていく――意識が遠くなるのを感じたけれど、抗うことなく沈み込めば。
「ハッどんだけ寝た!?」
 カチュアが目覚めた時には、かなりの時間が経過していた。
 けれど、辺りの景色は変わらない。眠りネズミ達は、相変わらず心地良さそうに眠っているだけ。その姿を見てカチュアは問い掛けてみる。抱いてもいいかと。
『ちゅぅ』
 ぼんやり、寝ぼけて目をぱしぱしする眠りネズミは嫌とは言わない。だからカチュアは、ぎゅっと優しく抱き締めてみる。
「お日様の匂いがする……」
 心地良いその香りにとても癒されて――また眠りへと誘われてしまいそう。
 首を振り抗い、膝の上に眠りネズミを乗せて。あともうちょっと、この時間を。
 ――最後には、仕事をする事は忘れていないから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リティ・オールドヴァルト
ふおおお…
この子が、眠りねずみ……
ふわふわなのですっ
ティーポットの中…すっごく、きれいなのです
(きらきら好奇心旺盛な瞳で周りをぐるぐる)
ちょっと、分けてもらっても、いいでしょうか…
(どきどきしながら手を伸ばし)
わわっ
毛並みがふわふわっ……
(ふにゃーん笑うとティーポットから水筒に『夜糖蜜』分けてもらおうと)
……ちょ、ちょっと、だけっ
(そわそわ。もぎゅっと抱き締めようと)
ふわふわ…もふもふ…きもちいい……
(一緒にすやすや)

はっ…寝てしまいました…
なるほど、これは確かに危険なのです
(困ったように笑って)
ごめんね…ありがとう
…おやすみなさい
よい夢を
苦しめないように倒します




「ふおおお……この子が、眠りねずみ……」
 初めて目にする眠りネズミの姿に、リティ・オールドヴァルト(天上の蒼・f11245)は興味津々自身の尻尾をゆらりと揺らした。
 ふわふわとしたものが好きな彼女にとって、今回の出会いはとても興味深いもの。
 柔らかそうな毛並み。そして、大切そうに抱く星空を詰め込んだティーポット。
 ゆらり、揺れれば夜空が煌めいて。すごく綺麗だと思わず見惚れてしまう。――そんな夜空に負けないほど、リティの藍色の瞳は好奇心に輝きながら周りをぐるり。
「ちょっと、分けてもらっても、いいでしょうか……」
 恐る恐る、ティーポットに手を伸ばす。害は無い、との話なのできっと問題ないと思った。ティーポットに抱きついているから、拝借するにはまず眠りネズミをどかすか、眠りネズミごとポットを傾ける必要がある。
 眠りネズミをどかしてみようと考え、リティが触れてみれば。
「わわっ、毛並みがふわふわっ……」
 思わず声が零れてしまう程、見事な毛並みが待っていた。リティの青い毛並みも十分素敵なのだが、ケットシーのそれとは全く異なる毛並みがとても魅力的で。ふにゃーんと笑みが零れてしまう。
 けれど、目的も忘れずに。
 すやすや眠りの世界を誘う眠りネズミをポットから離して、持参した水筒に夜糖蜜を入れたところで――リティの眼差しは、眠りネズミに注がれる。
「……ちょ、ちょっと、だけっ」
 好奇心には勝てずに、横たわらせていた眠りネズミを抱き上げてみる。
 自身とさほど大きさの変わらない眠りネズミを身体全体で抱き締めれば――ふわふわの心地が包み込み、温もりと共に夢の世界へと誘われる。
「ふわふわ……もふもふ……きもちいい……」
 そんな事を無意識に呟きながら、リティは夢へと落ちていく――。
 けれど夢の時間は長くは無い。
「はっ……寝ていました……。なるほど、これは確かに危険なのです」
 あまりの心地よさに。困ったような笑みを浮かべ、彼女は心地良さそうに眠り続ける眠りネズミへと向き直る。このまま眺めていたら、きっとまた一緒に夢へと旅立てる。
 けれど――今回の最後は、ひとつだけ。
「……おやすみなさい、よい夢を」
 祈るように瞳を閉じる。彼等の最期が、苦しくありませんように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

岡森・椛
眠りネズミさん、こんにちは
想像していたよりずっと可愛い姿に胸がときめく
そっと抱き上げ、撫でて、頬擦りして…
大事に抱えたティーポットはきっと宝物ね
優しく温かい夢が詰まってる

アウラ、あなたも一緒にお昼寝しようよ
大好きな精霊も共に抱き締めて瞳を閉じれば、瞼の裏の物語が始まる
ほんの少しだけ揺蕩うの

青空の下、花咲く野原で心地よい風に吹かれてる
遠くに見えるのはツリーハウス?
私とネズミさんとアウラと一緒にそこに向けて駆け出して…

…ああでも、夢なんだ
ここは迷宮で
あなた達を倒さなければいけなくて…

瞳を開け身体を起こし、決意して【常初花】を使う
舞い散る花弁は私の大好きな花達
せめてもの手向けの花
蕩ける様な夢を有難う




 ひらり、花柄のワンピースを揺らしながら。岡森・椛(秋望・f08841)は眠りネズミを近付くと、しゃがみ込み覗き込んだ。
「眠りネズミさん、こんにちは」
 大きな瞳で見つめながら話し掛ければ、寝ぼけた眠りネズミは『ちゅぅ』と鳴きつつ尻尾をぱたりと緩やかに振って返事をした。そんな彼の姿が、想像よりもずっと可愛くて。椛は胸にときめきを感じながら、優しく抱き上げる。
 ふわふわの心地が腕に伝わる。撫でれば心地良さそうに瞳を緩める姿が更に愛らしくて、ついつい頬ずりを。包み込まれるような温もりに、幸福感が満ちる。
 その間。彼は抱いているティーポットをけして離さない。その様子に椛は。
「大事に抱えたティーポットはきっと宝物ね」
 笑いながら語り掛けた。――きっと硝子ポットには、優しく温かい夢が詰まっている。
「アウラ、あなたも一緒にお昼寝しようよ」
 近くを浮いている大好きな精霊に語り掛ければ、リボンを揺らしながら頷きが返る。ひゅるりと風を纏わせ椛に近付くアウラ。眠りネズミと共に抱き締め、瞳を閉じれば――そこは、幸せな夢の世界。瞼の裏の物語が始まる。
 ――視界に広がるのは青い空。
 空の下、柔らかく吹く風が野原の花々を揺らしている。甘い香りはきっと花々の香り。
 揺れるスカートと髪を押さえながら。椛は随分先に建物がある事に気付いた。――恐らくあれは、ツリーハウス。興味を持ち、彼女は後ろを振り返り。
「ネズミさん、アウラ」
 共に彷徨う仲間へと声を掛け、目標に向け駆け出した。
 ゆらり、ゆらり。それは眠りネズミに招かれながらの、ほんの少しの夢の旅。
 風を感じ、甘い香りを感じ、走る彼女は心に想う。
(「……ああでも、夢なんだ」)
 本当にいるのは迷宮の中。彼女は共に旅をしている仲間を、倒す為にやって来た。
 だから――。
 瞳を開け、勢い良く椛は起き上がった。
 視界に映るのは、先ほどの青空ではなく石造りの迷宮の景色。夢から覚め、現実に戻ってきたのだと実感するその景色を背に――彼女はアウラを杖へと変え、呪文を唱えた。
 ひらりと舞う花弁は撫子、桔梗、秋桜。秋の始まり頃に咲く花々が迷宮内へと舞えば、眠りネズミの身体を包み込んでいく。
 これはせめてもの手向けの花。
「蕩ける様な夢を有難う」
 消え行く眠りネズミに向け、椛が少し悲しそうな瞳でそう呟けば。
 『ちゅぅ』
 ――消える前、眠りネズミの声が確かに耳に届いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『叡智の守護者』

POW   :    叡智の封印
【翼から放たれた羽】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    叡智の斬撃
【鉈】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    叡智の風刃
レベル×5本の【風】属性の【羽】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マユラ・エリアルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●夢物語
 夢へ誘われ、夜空を手にし、無事に目的を果たした猟兵達。
 ――そんな彼等を次に迎えたのは、梟のような人だった。
『やあご機嫌よう諸君。本日はお日柄も良く』
 優雅な口調で、恭しく礼をする彼は叡智を司る者。柔らかな口調とは裏腹に、鋭い眼差しはぎらりと猟兵を見据えている。
『どのような物語をお楽しみかな? 私にも是非その物語を聞かせて頂きたい』
 眠りネズミと共に、どのような夢物語をみたか――そんな問いを彼は投げかける。けれど、彼の敵意はあからさまだった。
 その証拠のように。背に隠す鉈が、きらりと煌めいた。
クリス・ホワイト
【WIZ】
これはまた、随分と無粋なことを聞くんだね。
夢物語は誰もが心の内に。誰かに聞かせるようなものじゃないよ。
すまないが、他を当たってくれたまえ。

あの風属性の羽は少し厄介だね。
羽が届かないように【エレメンタル・ファンタジア】で【花属性の竜巻】を起こしてみるのはどうだろう。
羽ごと巻き上げて、彼の手数を減らすことが出来るかもしれないし、
彼に隙を作ることも出来るかもしれない。
仲間が近くにいるなら、そのうちに背中を押そう。
僕が注意を引きつけている間に、攻撃できれば僥倖というやつさ。
それに、何事も協力しあうことが大切だからね。
誰かを【鼓舞】することも重要なお仕事だろう。

(連携・アドリブ歓迎)




「これまた、随分と無粋なことを聞くんだね」
 問い掛ける守護者に向け、言葉を零すクリス・ホワイト。シルクハットを傾け、自慢の杖で床を一度鳴り響かせた。
 カツン――響き渡るその音色は、守護者にも聞こえたようでぴくりと眉間が動く。
「夢物語は誰もが心の内に。誰かに聞かせるようなものじゃないよ。すまないが、他を当たってくれたまえ」
 青色の片目を覗かせ、守護者を見つめながら紳士然と語る彼は、どこか台詞めいている敵とは違いとても自然。彼の語る事に、守護者はわざとらしく驚いてみせる。
『おや、これは失礼した。お気に召さなかったかな?』
 守護者の言葉ひとつひとつは、何が偽者で何が本物なのかは分からない。けれど、紳士たるクリスとの会話を、楽しんでいる事は確かだろう。
 それが、相容れるものなのかどうかはまた別の話だが。
『では新たな物語を共に紡ごうか。殺戮と云うバッドエンドを』
 ――それは戦いの合図のように。守護者は背の羽から鋭い羽根を数多放つ。戦場を舞うその羽根を見てクリスは厄介だと瞳を細めた。
 厄介な羽根は、落としてしまえばいい。
 彼は素早く杖を掲げると、花を纏う突風を作り出した。甘い花の香りを迷宮内に風と共に広げ、クリスの鼻もすんと音が鳴る。
 春の訪れを告げるような、そんな優しい香りがした。
 段々と大きくなるその竜巻を――制御の難しさを物ともせずに、彼は敵へ。敵の羽根目掛けて竜巻を放った。風に煽られ、軌道を変え迷宮内をくるくると舞う羽根たち。
 彼に、隙を作ることが出来るかもしれない。注意を引き付けている間に、他の猟兵が彼を討ってくれるかもしれない。
 何て言ったってクリスは『案内人』。誰かを奮い立たせる事も、重要な仕事だ。
 だからクリスは敵の攻撃を封じるかのように。更に強い竜巻を作り上げていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

岡森・椛
紳士的な言葉にスカートの裾を摘んでペコリとお辞儀
ネズミさんはとても素敵な物語に誘ってくれたの
青空の下での物語
もしかして、ネズミさんも迷宮から出たかったのかな

今から貴方が案内して下さる物語は…
ネズミさんとは全く違うみたいね
風の中で一緒に新しい物語を紡ぎましょ

温かな夢の余韻はまだ胸にある
最後のネズミさんの声も耳に残ってる
でも鉈から目を逸らさず、気は抜かない
アウラ、一緒に頑張ろう!
杖を強く握って【科戸の風】での攻撃
私達の強い意志を乗せ風は吹き抜ける

敵の挙動はしっかり確認
技を繰り出す前の動作も見逃さないで対応
敵との距離を保ち叡智の斬撃を受ける事は避ける
飛んでくる羽は科戸の風で押し返す

戦後
手を合わせ黙祷




 ――ご機嫌よう。
 紳士的な敵を相手に、岡森・椛は背筋を伸ばした。ワンピースを裾を摘むと、ぺこりと一礼を。そんな小さなレディの姿に、守護者は少し嬉しそうに瞳を細める。
『これはこれは可愛らしい』
 まるで拍手でもしそうなその様子に、椛は小さく笑みと問い掛けに答えを述べる。どのような、物語を楽しんだかと云う。
「ネズミさんはとても素敵な物語に誘ってくれたの。青空の下での物語」
 あの広大な野原で、風と花の香りを感じながら。眠りネズミとアウラと共に駆けた夢の記憶は、まだ椛の中に色濃く残っている。瞳を閉じれば、はっきりと思い出す。最期に聞こえた、眠りネズミのあの声だって――。
 そんな温かな夢の余韻は、まだ椛の胸にあって。
 彼女は胸元で掌を大切そうに握った。思い出が、逃げてしまわないように。
『夢のような物語を楽しんだらしいね。素晴らしい、素晴らしい』
 そんな感傷に浸る少女に向け、賞賛を述べる守護者。――その言葉が、心からのものなのかは分からない。けれど相手は確かに敵だと証明するかのように、自身の背にある羽を広げると風の力を纏わせ椛目掛けて放った。
 それは迷いの無い流れるような動き。油断していれば、数多の羽に傷付くことは明白。 けれど椛は、片時も油断などしていなかった。
「アウラ、一緒に頑張ろう!」
 彼女が精霊へと声を掛ければ、頷きが返る。風纏う精霊が椛の手元へと漂えば、一瞬でその身を杖へと変貌させた。
 赤く色付く葉のような大きな瞳で羽根を見据え、椛は敵の羽根を精霊の力を用いて羽根を吹き飛ばしていく。
 驚き、一歩後ずさる守護者。
 敵目掛け杖の先を向けつつ、ぎゅっと強く握り締める椛。――それはまるで、アウラへ向け自身の強い意志を伝えるかのように。するとアウラも気持ちに応えたのか、より強い風が吹き荒れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヨハン・バルクレイン
やあやあご機嫌ようフクロウさん。君もなかなか魅力的なもふもふだ。まあ、もふもふならさっき堪能したからしないけどさ。

【ライオンライド】と『竜槍』で中距離からのヒットアンドアウェイ戦法を。あの鉈は確かに凶悪だ。だがどんな一撃も当たらなければなんの問題もない。つまりは機動力こそ要!そんなわけでライオンには俺から頼んでおくから、他は頼んだぞエレン!……無茶振りじゃないさ。君を信じてるからだよ。

(人格交代ヨハン→エレン)

……まぁ、やるけど。
【串刺し】、【範囲攻撃】、槍が飛ばされたら【だまし討ち】で隙をついて取りに行く。手段は問わない。俺たちに触れると思うな。

……終わったら俺は帰る。ヨハン、後はよろしく。




 ご機嫌よう――その挨拶にヨハン・バルクレインは、社交的な笑みを浮かべる。
「やあやあご機嫌ようフクロウさん。君もなかなか魅力的なもふもふだ」
『お褒めに預かり光栄だよ』
 笑みを浮かべるヨハンの言葉に、どこか嘘臭い返答が。凛々しい佇まいの目の前の敵と違い、愛らしい存在と散々戯れたので、とりあえず今は満足。
 だからヨハンは――真剣な眼差しで敵へと向き合う。
 凶器を隠すかのように、背側に鉈を持つ守護者。その凶器は隠す事は到底出来ないほど巨大で。既に誰かを殺めたのか、血飛沫がこびり付いている様子。
 あの凶器は危険だと、見れば分かる。
 けれど――どんな一撃だって、当たらなければ問題が無いと。それがヨハンの意見。
「つまりは機動力こそ要! そんなわけでライオンには俺から頼んでおくから、他は頼んだぞエレン!」
 巨大なライオンの背に乗りながら彼は大切な弟へと声を掛ける。力を強めた彼による、竜槍による一撃ならばきっと守護者へも対抗出来るはずだ。
 ――。
 何かが、聞こえた気がした。
 ヨハンは嬉しそうに口元に笑みを浮かべると、言葉を紡ぐ。
「……無茶振りじゃないさ。君を信じてるからだよ」
 大切な人へと語り掛けるその言葉の後――彼の纏う空気が変わる。
 赤茶の髪を揺らし、ライオンの上で槍を構えるその所作はとても慣れている様子。
「……まぁ、やるけど」
 弟――別人格へと変化したヨハンは、そのまま敵との距離を詰めると彼は勢い良く竜槍の刃を敵へと向ける。
 ひらりとかわそうとする守護者。けれど既の所で間に合わず、その足を串刺しに。
『おや、一人二役ですな? 素晴らしい高等技術だ』
 まるでおちょくるかのように、楽しげに語るその姿は少しの強がりにも見える。そんな敵目掛け彼――ヨハンの中のエレンは、竜槍を構え容赦無く敵へと刃を向ける。
「……終わったら俺は帰る」
 最後の一撃までは、弟が頑張るけれど。

大成功 🔵​🔵​🔵​

曙・聖
ふわふわ--というよりは、鋭い羽ですね。
ふわふわではないのが、少し残念ですが……コホン。いえ、何でもありません。
眠りネズミの大量発生に貴方が関わっているかはさておき、被害を出す前に倒さなくてはなりませんね。

味方と上手く連携をしながら、立ち回りましょう。
「エレメンタル・ファンタジア」の「雷の雨」で攻撃します。暴走した時に味方を巻き込まないように、皆さんから少し離れたところで使用しますね。
「高速詠唱」による「先制攻撃」をしかけて、本体を狙いましょう。魔法も「属性攻撃」と「全力魔法」で威力を高めておきますよ。
「2回攻撃」で再度魔法を使用し、飛んできた羽を打ち落としましょうか。




 守護者の纏う羽は、どこか攻撃的で鋭い印象を受ける。
「ふわふわではないのが、少し残念ですが……コホン。いえ、何でもありません」
 ついつい零れた本音を、咳払いで誤魔化して。曙・聖は敵へと向き直る。眼鏡の奥の琥珀色の瞳に映るのは、礼儀正しい立ち姿ながらも、隙の無い敵の様子。
 きょろりと、辺りを見回す聖。
 共に戦う猟兵の距離と数を確認し、自身の立ち位置を確認すると。
「白華」
 彼は自身の近くを漂う、美しい精霊へと声を掛けた。その声に反応するように、優雅に頷くと木精霊は愛用する杖へと姿を変える。
 細い聖の指が、その細い柄を大切そうに握り素早く呪文を口にすれば――迷宮内には、雷の嵐が突然降り注いだ。
『これはこれは、驚きだ。神のお怒りだね』
 ひらり、ひらり――凛々しい羽を揺らしながら賢明に避ける守護者の姿。それは余裕のある口ぶりに見えるが、その実は焦りが見えると聖は感じた。
 だから彼は、少し杖を握る力を強めると――更なる雷の雨を放つ。
 轟く雷鳴。
 閃光が戦場を満たし、人々の視界を覆う。
 先の見えない梟は、もうその雷に身を委ねるしかなかった。
 確かに雷が敵の身を貫いたのを見、動きを止めた守護者に向け。
「眠りネズミの大量発生に貴方が関わっているかはさておき、被害を出す前に倒さなくてはなりません」
 変わらぬ穏やかな笑みと口調で、聖は語り掛けた。――そう、学園の平和の為にも。ここで見逃す事など出来ないのだから。
『神は随分お怒りのようだ。私は触れてはいけない物語に手を出してしまったかね?』
 その言葉に、先ほど読んでいた書物を確認するように触れる聖。――そのような、事は無い。今読んでいる書物の、頁を捲った結末はただひとつだけだ。
 ――オブリビオンである存在の、消滅。
 飛んでくる羽根を雷で打ち落としながら、彼は穏やかに語った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リティ・オールドヴァルト
おうちに帰るまでが冒険ですっ
さながら招かれざるおきゃくさまですね
ふくろうのにいさま、通らせてもらいますっ

みんなと協力
動きを見て連携注意
敵倒す

【全力魔法】で突風を敵にぶつけ目くらまし
懐に飛び込み【フェイント】も交え【串刺し】からの
ドラゴニック・エンド
リリィ、行くよっ

敵の攻撃はよく見て【見切り】
SPD攻撃はヒットアンドアウェイで長時間近づきすぎないように注意
WIZ攻撃は風の【属性攻撃】で吹き飛ばします
ぜったい、負けません、よっ!

そんなご様子じゃ
お茶会には参加させてあげられません
ぼくたちの物語は
とてもやさしい物語だから
ふくろうのにいさまはおよびじゃ、ありませんっ




 おうちに帰るまでが冒険。
 そう語る小さな猫紳士リティ・オールドヴァルトは、ゆらりと尻尾を揺らす。
「さながら招かれざるおきゃくさまですね。ふくろうのにいさま、通らせてもらいますっ」
 風を起こし敵の視界を覆うと、リティは一気に守護者の懐へと飛び込んでいく。
「リリィ、行くよっ」
 少年の身なりに包んだ少女は、握る白銀のランスのへと語り掛ける。白百合の印刻まれた刃が敵の腹部を突けば、具現化したドラゴン――リリィが、力強い攻撃を放った。
『おやおや、随分とお転婆だ』
 確かなダメージを受け、ふらりとよろける守護者。
 出会った時の優雅な立ち居振る舞いとは違う、その動きは確かに傷を与えている証。――その傷は、猟兵達による蓄積のダメージが大きいのだろう。
 それはリティも分かっている。
 傷を負い尚演技めいた口調や仕草を行う敵を、彼女は藍色の瞳でじっと見る。
 彼女が恐れるのは、やはり鈍く光っている鉈での攻撃。刃に注意をしながら、距離を測りつつ槍を向ければ、敵の鉈により弾かれる。
 危険を感じ、距離を置く。少しふらつきながらバランスを取り。彼女は、腹部の傷を抑えながら鉈を構える守護者を見据えた。
「ぜったい、負けません、よっ!」
 れはリティの強い意志。
 憧れた兄を追って猟兵として力を使う彼女にとって、今は正にその力を用いている瞬間。絶対に、無様な姿は見せられない。今は彼女の、冒険中だ。
 翼から放たれる羽根をひらりと、見事な身のこなしで避けてみせる。
 後もう少し、もう少しで終わる――。
「そんなご様子じゃ。お茶会には参加させてあげられません」
 敵との間合いを測りつつ、リティは守護者へと語り掛ける。――ぼくたちの物語は、とてもやさしい物語だから。
「ふくろうのにいさまはおよびじゃ、ありませんっ」
 強く放たれる言葉と共に彼女は相棒を呼び攻撃を放つ。
 深く深く突き刺さるその攻撃に、守護者はがくりとその場で膝をついた。
『それが、君の。君達の本日の……物語なのだね……』
 どこか寂しげな眼差しで、嬉しそうな声で呟いた後――守護者は姿を消す。
 物語の終わりを、告げるように。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『秘密のお茶会』

POW   :    クッキーを貪る眠りネズミを演じる

SPD   :    お茶を振る舞う三月兎を演じる

WIZ   :    たおやかな振る舞いでアリスを演じる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●シークレット・ガーデン
「秘密のお茶会へようこそ、転校生の皆さん」
 魔女のとんがり帽子を被った少女が、扉を開けた猟兵達を出迎えた。
 辺り一面の白薔薇の庭園。――いくつか赤い薔薇が混じっているのが、不思議な魅力を持つ此処が本日のお茶会の場。まだまだ寒さを感じるが、温室内なので心配はいらない。
「お茶とお菓子、軽食……気に入って頂けたら嬉しいです」
 にこやかな笑みを浮かべる生徒達は、既にお茶会を楽しんでいた。見事な細工のチョコレートをつまみ。トランプの形のショートケーキにフォークを突き刺し。蝶の飾られたカップの中身はゼリーだろうか?
 華やかで。愛らしくて。けれどどこか不気味な。不思議な不思議なお茶会。
「身体が小さくなるお茶なんて如何でしょう?」

 ――勿論、それは冗談だけれど。
 ――そんな物語の中のお茶会を楽しむように。
 ――夢のようなお話を楽しんでも良いだろう。
 不思議な色の紅茶に、先ほど拝借した『夜糖蜜』を垂らしてもいい。
 夜空の雫を落とせば。夢見る心地はきっと幸せだろうから。
カチュア・バグースノウ
三月兎を演じるわね
ふふん、男装っぽいスーツは似合うわよ(ドヤ顔

お招きいただきありがとう
今日は時間に余裕があるからゆっくりできる(胸元の懐中時計を気にして)

わぁ可愛い…
ふふふ細工のチョコレート飾っておきたいわね
おっと、演じてなきゃいけないのよね(ゴホン

なんて素敵なお茶会だろう
紅茶に夜糖蜜をたらせば、…うんいい香りだ
トランプ型のショートケーキもおいしい!

なんてしあわせなお茶会だろう!

本日はお招きいただきありがとう
今度は手土産でも持ってくるよ

アドリブ、絡み歓迎




 芳しい薔薇の香りが広がる中。
「お招きいただきありがとう」
 兎耳のスーツを身に纏うカチュア・バグースノウは、自信のある笑みを浮かべそう述べた。胸元の懐中時計の蓋を開け時間を見て、ゆっくり出来ると言葉を添えて。
「ふふ、大歓迎です。さあ、どうぞお好きな席へ」
 青いドレスに身を包んだ優雅な学生が、微笑みながら席を指し示してくれた。
 白いテーブルクロスが掛かった様々なテーブルが点在しているようだ。きょろりと辺りを見渡して、カチュアはひとつの席に腰を下ろす。
「わぁ可愛い……ふふふ細工のチョコレート飾っておきたいわね」
 テーブルの上に並んでいるのは、時計や花の形の細やかなチョコレート。文字盤や花弁まで表現された、とても華やかで美しい見た目に彼女の頬が仄かに染まる。
 ――けれど、すぐに素が出てしまった事に気付き咳をひとつ。
「なんて素敵なお茶会だろう。紅茶に夜糖蜜をたらせば、……うんいい香りだ」
 それは、スーツの装いに合う紳士らしい口調で。紅茶に先ほどの蜜を垂らして一口飲んだ後、ハートのスートが描かれたショートケーキを食べる。
 華やかな花々に囲まれて。
 可愛らしく美味しいお菓子に囲まれて。
 なんてしあわせなお茶会だろう――。
「本日はお招きいただきありがとう。今度は手土産でも持ってくるよ」
 紅茶のカップを手にカチュアが呟けば、生徒達は嬉しそうに微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヨハン・バルクレイン
ドレスコードあるって聞いたから燕尾服に着替えたぞ。エレンは今度こそ出てこない。人見知りだからね仕方ない。さっきのも半ば無理矢理連れ出したようなものだしなあ。

お茶会はいいね。賑やかで楽しくてお菓子があるからさ。珍しいものがあればどんどんいただこう。お菓子が美味しいぞエレン、って体が一緒だから分かるか。

夜蜜糖は俺がもふっている間にエレンが取ってくれてたらしい。せっかくだから試してみよう。どんな夢が見れるだろうね。
……二人いつでも一緒にいられるのはいいけど、夢の中でくらい向かい合って食べたいな、なんて。




 ドレスコードに沿って、今日の服装は燕尾服で。
 並ぶお菓子たちに嬉しそうに、物珍しそうにヨハン・バルクレインは眺める。
 ひとつハート型のチョコレートを口にしてみれば、ふわりと口に広がる濃厚な香りと中のガナッシュの程よいバランス。嬉しそうに彼が零すのは。
「お菓子が美味しいぞエレン、って体が一緒だから分かるか」
 ――そんな、いつも一緒の弟に向けてだった。
 戦闘中ではないし、人見知りの彼が出てくることは無い。けれど、美味しい物を共有する事は出来ていると信じたい。
 ふと、ヨハンの視界に映ったのは小瓶に入った夜空――夜蜜糖だった。自身は手に入れた覚えが無いが、此処にあるのは何故だろう? きっと、眠りネズミと遊んでいる間にエレンが取っておいてくれたのだと思い、笑みが零れる。
 小瓶を手に取り、傾けてみればキラリと煌めく。
 輝く星空を紅茶に落とせば――どんな夢が見れるのだろう。
「……二人いつでも一緒にいられるのはいいけど、夢の中でくらい向かい合って食べたいな、なんて」
 少し悲しげに青い瞳を伏せ、香る紅茶を口にするヨハン。
 望む夢が見れる――そんな事が噂される蜜を飲めば、きっと彼の望む光景が見られることだろう。それは過去の過去の、記憶の物語なのかもしれない。
 けれど今だけは、その夢物語に身を預け。幸せに浸っても良いだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

岡森・椛
チェシャ猫風の縞模様のふわふわワンピースドレス&猫耳付きフードケープ着用
揺れる付け尻尾には赤いリボンと鈴も結ぶ
礼儀正しくご招待の感謝を伝え、素敵なお茶会に加わるの

ラナさんも一緒に行きましょ
花柄エプロンドレスがとても可愛くてお似合いなの
まるで一足早い春がラナさんの周りに訪れたみたい
よかったらチェシャ猫にエスコートさせて下さいな

見てラナさん、この小瓶のゼリー、シロップを注ぐと色が変わるみたい
このデコカップケーキはウサ耳も付いてる
華やかなお菓子や食器達
見るもの全てに心が躍るの

夜糖蜜もお借りしますね
煌めく夢の名残をひと匙、ゆっくりと紅茶に溶かす
…うふふ、噂は本当だったみたい
だってこんなにも夢心地だもの




 縞模様のワンピースドレスに、猫耳ケープを添えた椛は嬉しそうに笑んだ後生徒達へと一礼を。――ちりん、飾り尻尾に添えられた鈴の音を響かせながら。
 その愛らしい姿に生徒達も笑み、迎え入れてくれる。嬉しそうに笑った彼女は、淡桜色の髪の少女の手を引いた。
「ラナさんも一緒に行きましょ。よかったらチェシャ猫にエスコートさせて下さいな」
「ふふ、可愛らしいお誘いは大歓迎です。ご一緒させて貰います」
 ひらひら、縞模様のワンピースと花柄のワンピースの裾を揺らしながら歩く2人の少女。一足早い春が訪れたみたいで、とても可愛くてお似合い、と椛に褒めて貰えば。ラナは恥ずかしそうに笑いながら感謝を述べる。――そんな椛も、猫の装いが可愛らしくてまるで物語の導き手のようだと語った。
 お互いの装いを見て、改めて嬉しそうに笑い、2人でひとつの席へと腰を下ろす。――テーブルには、紅葉含め秋の花々が飾られていた。
 テーブルに並ぶのは、チョコレートの他花咲くスフレやプリン等。
 けれど椛が目を奪われたのは――。
「見てラナさん、この小瓶のゼリー、シロップを注ぐと色が変わるみたい」
 見た目は青い、まるで透き通る空を映したかのようなゼリー。花々のチョコレートが飾られたゼリーに、添えられた不思議なシロップを注いでみれば――その色は華やかなピンクへと変化した。
 大きな瞳を輝かせて、嬉しそうに笑う椛。そんな彼女に頷きを返し。
「すごいですね、魔法みたいです」
 ラナも楽しそうに笑う。カップケーキには生クリームと兎耳が飾られていたり、トランプのスートが描かれていたり。チェス盤のようなお皿や、ハート模様のティーカップ。溢れる可愛らしく華やかな装飾に、思わず椛の心は踊り幸せな笑みが零れてしまう。
 ――けれど今日のお茶会の楽しみは、これだけではない。
 夜空を落とした夜糖蜜。煌めく夢の名残をひと匙、ゆっくりと紅茶に溶かしていく。アールグレイの香りに包まれて、程よい甘みの溶け込んだ紅茶を口にすれば――椛はこてり、テーブルに手と頬を預けてうつらうつら。
「……うふふ、噂は本当だったみたい」
 だってこんなにも夢心地だもの――。
 嬉しそうに笑いながら、椛はその赤い葉の瞳をゆるゆる瞼で隠し眠りの世界へと。
 ずれる猫耳フードも気にせずに、そのまま幸せの世界へと誘われていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リティ・オールドヴァルト
えへへ、秘密のお茶会っ!
すこぅし、大人になった気分なのです…っ
どきどきしつつ

ぼくは燕尾服の三月兎
ケットシーなのにうさぎさん
何だか不思議ですっ
ラナねえさまの花柄エプロンドレス、すっごく可愛いのですっ
わっ、シフォンケーキもお花が咲いてるっ!
ねえさま、おいしそうですよっ

紅茶を配りつつ
ねずみさんから分けて貰った『夜糖蜜』もいかがですか?
みんなはどんな夢を見たいのでしょうか…

ぼくはにいさまに会いたいです
今日の冒険のお話をにいさまに聞いてもらいたい
ぼくがんばったでしょうって
お菓子と紅茶も
にいさまからもらったシフォンケーキに負けないくらい
おいしかったのですってお話したいのです
ショートケーキほおばりながら




 燕尾服に兎耳を添えたリティ・オールドヴァルト。ケットシーだけれど本日は兎さん。
「えへへ、秘密のお茶会っ! すこぅし、大人になった気分なのです……っ」
 嬉しそうに尻尾をぴん! と伸ばしながら、彼女は逸る胸を抑えるように手を当てた。ラナのエプロンドレスが可愛いと褒められれば、彼女は笑いながらリティも凛々しいと。
 テーブルに並ぶのは、星々散りばめたプリン、薔薇のマドレーヌそれと――。
「わっ、シフォンケーキもお花が咲いてるっ! ねえさま、おいしそうですよっ」
 きらり藍色の瞳を宝石のように輝かせながら、リティはティーカップに紅茶を注いでいく。ふわりと甘い香りが広がり、思わず息を深く吸い込んでしまう。
「本当、可愛いですね。四季を閉じ込めたみたいです」
 並んで息を吸いながら、ラナも表情を緩める。
 桜、ひまわり、秋桜、ノースポール。チョコレートや生クリームを使って彩られたシフォンケーキは、まるで四季巡る宝石箱のよう。
 可愛く、華やかなお菓子達は本当に大人なレディのお茶会のようで。リティはとても嬉しそう。彼女が嬉しそうなので、隣の席に座る小さなドラゴンのリリィも、嬉しそうに尾を揺らしている。
 語り合いながら、リティはティーカップの横に夜空の小瓶を置く。きらり、揺れる液体は眠りネズミから分けてもらった不思議な蜜。
「みんなはどんな夢を見たいのでしょうか……」
「分かりませんけど、きっと素敵な物語ですね」
 くるり、蜜を垂らして紅茶を混ぜれば。不思議な香りが広がった気がする。まるで眠りの世界へ誘われているような――そんな錯覚に、リティは耳を動かす。
 望む夢――リティの望むものは――。
「ぼくはにいさまに会いたいです」
 ぽつり、零す言葉に静かに耳を傾けるラナ。
 ぼくがんばったでしょうって。お菓子と紅茶も、にいさまからもらったシフォンケーキに負けないくらい。おいしかったのですってお話したい――そんな今日の冒険のお話を、大好きな兄に語りたいと。
 まだまだ幼さ残る彼女は、兄の面影を追う燕尾服を軽く握りながら言葉にしていた。今食べているショートケーキの味だって……伝えたい事はいっぱいある。
 そんな彼女がいじらしくて、可愛らしくて。ラナは静かに笑みを返すので精一杯だった。優しい夢が、リティに安らぎを与えてくれますように。

 今は夢だけれど。
 いつか、きっと――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビビ・カラット
スズ(f02317)と
SPD・アレンジ歓迎

制服に白いもこもこカーディガン
ラビットファーのシュシュを手首に桜色の耳飾りも忘れずに
頭には王冠を乗せた偉そうなピンク目兎
遅いわよアリス…誰がボスよ!

温かいミルクをたっぷり加えてやたら白っぽいミルクティーを二人分作る
夢はどのくらい甘くする?
わたしは一滴にしておくつもり
夢にまで見た夢なんて…朝が怖いもの

キリがないじゃないと呆れながらピクルスやクッキーを差し出し

それにしても道に迷ってる間になんか気づいたら戻ってきてたけど
あの後奥では一戦あったみたいよ
大事なとこサボっちゃったわねぇとひそひそ内緒話
アリスの足が速すぎるのが悪いんだわ
わたしを置いていくなんて!


コイスル・スズリズム
ビビちゃん(f00174)と
WIZ
アレンジ歓迎

見て見てカチューシャー!
制服に白いエプロンと黄色いカチューシャ
自分の想像するアリスっぽい感じがこれ~
ビビちゃんはボスキャラ?
似合ってる……

ミルクティー!
すずの色と~似てない~?
ビビちゃんってお茶会とか普段してる?
夢はね~
甘ければ甘いほどいい~
いっぱい
甘くできるうちにやっておきたいわ

飲めば笑みがこぼれる甘さ

辛いもの欲しくなってきた~

軽食に何かないかを探す

でもそれをたべたら
今度は甘いもの欲しくなってきた~



ひそひそ内緒話
迷っちゃって大変だったね~
すずが行こうよっていった先は大体違う方角
だから
ビビちゃんが誘導してくれなきゃ~ダメだよ!
すずのウサギなんだから




「見て見てカチューシャー!」
 くるりスカートとエプロンの裾を翻しながら、コイスル・スズリズムは嬉しそうに笑って黄色いカチューシャを指差した。彼女に向けてビビ・カラットは。
「遅いわよアリス」
 つんと、いつもの強気なピンクの宝石のような眼差しを友人へと向けている。
 そんな彼女の装いは、白いもこもこカーディガンにラビットファーのシュシュに桜の耳飾。自身のピンク色の瞳に合わせた白兎のスタイルに、輝く王冠を乗せている。
「ビビちゃんはボスキャラ? 似合ってる……」
「……誰がボスよ!」
 輝く王冠をじっと見つめながら零すコイスルに反論するけれど、褒めて貰えた事には嬉しさを隠し切れないビビ。
 お揃いの制服スタイルに、それぞれのスパイスを加えた装いで2人はお茶会に参加する。甘くて可愛いお菓子も気になるけれど、まずは紅い色が美しい紅茶から。
 ミルクティーがお望みの2人に合わせて、茶葉はアッサムで。濃い色の水色に注がれるのは、たっぷりの温かいミルク。――白く白く、変化していくその色はまるで。
「ミルクティー! すずの色と~似てない~?」
 軽く跳ねるようにして、コイスルは楽しそうに零す。そう、その紅茶はまるで彼女の波打つ髪のよう。嬉しそうな彼女に笑みを返し、ビビは尋ねる。――夢はどのくらい?
「甘ければ甘いほどいい~」
「そう。私は一滴にしておくつもり」
 とことん甘味を求めるコイスルと違い、ビビの夢の甘さは控えめに――だって、夢にまで見た夢なんて。朝が怖いから。
 甘くできるうちにやっておきたい。そう想うコイスルとは相変わらず対照的。
 袖に隠した甘い夜空を、それぞれカップの中に垂らして一口飲めば――広がるミルクと紅茶の香り、そしてすっきりとした甘さが夢心地への入り口。
 心落ち着くその味に、2人は笑みを零す。
 紅茶と一緒に楽しむのは、やはりとびきり不思議なお菓子がいいだろうか? 宝石の形をしたチョコレートに触れながら、ビビが悩んでいると。
「辛いもの欲しくなってきた~」
 甘い甘い紅茶を口にしていたコイスルがマイペースにそう零していた。――オニオンの効いたローストビーフのサンドイッチを口にしれば、次は甘いものをご所望。
「キリがないじゃない」
 そんな友人の姿に小さく溜息を零しながらも、ビビはピクルスの瓶詰めとアイシングされたクッキーの乗ったお皿をテーブルに乗せた。
 紅茶と思い思いのお菓子と軽食を口にしながら、不思議なお茶会の時間は過ぎてゆく。夜空を手にし、お茶会へと参加した2人だけれど――。
「それにしても」
 ティーカップから口を離し、言葉を零すビビ。何? と云うように、大きな藍色の瞳をコイスルは友へと向ける。
 あの後、奥ではもう一戦あったらしい。そんな事を内緒話をするように、顔を寄せ合ってひそひそと。
「迷っちゃって大変だったね~」
 コイスルが語るには、自身が示した先は大体違う方角らしい。地下迷宮で探索する際は、十分注意が必要なのだろう。だから彼女は、ちょっと頬を膨らませてみせる。
「だから、ビビちゃんが誘導してくれなきゃ~ダメだよ! すずのウサギなんだから」
「アリスの足が速すぎるのが悪いんだわ。わたしを置いていくなんて!」
 ちょっと眉を吊り上げて言い返してみるビビ。見つめ合った後――同時に2人は、笑いを零していた。そんな、物語に沿った言葉を楽しめるのもこの場だからこそ。

 今日この日の、普通とは違うお茶会だってきっと素敵な思い出になるのだろう。
 ふわふわ、夢を漂うような心地がするのは気のせいだろうか。
 けれどこの関係は、夢物語ではなく永久に――続くと願っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キサラギ・カプチーノ
わっ、うとうとまどろんでたらお茶会始まってるよ!!まだ間に合うかな、急がなきゃ…
(会場への道を走っているうちに、妖狐の力か、はたまた学園の魔法か、服装が時計ウサギのそれへと変化していく)
お茶会終了までにたどりつけたら、残ってるものをなんでもおいしくいただくよ!
わわ、UC用にいつも持ち歩いてるあんぱんが可愛く変身してる?これも魔法の力なのかな…せっかくだから、みんなにも食べてもらおうかな!おかわりもたくさんあるよ!
※アドリブ、連携大歓迎です!




「うとうとまどろんでたらお茶会始まってるよ!!」
 寝ぼけ眼で、キサラギ・カプチーノは慌てて薔薇温室の扉を開いた。――扉を開けた途端、鼻をくすぐる薔薇の香り。
「いらっしゃいませ、急がなくても大丈夫ですよ」
 優雅に微笑む竜の尾を持つ少女は、シックな黒のドレスを揺らしながらキサラギを招き入れた。息を整えながらテーブルの間を歩けば、気になる物を発見して足を止める。
「わわ、あんぱんが可愛く変身してる?」
 大好きなあんぱんを見つけ、尻尾を立てて興味津々見つめるキサラギ。
 普通なら丸い形にごまで飾りつけがされているが、此処に並ぶあんぱんは一味違う。ハートにダイヤ、スペードにクラブ。スートをかたどったパンには、可愛らしい花々の模様が描かれてる。それぞれ普通のあんこや桜あんなど、中身も違うようだ。
 大好きなあんぱんの可愛らしい姿に、キサラギは嬉しそうに瞳をキラキラと。どれにしようか、一瞬迷うけれどやっぱり一番はあんこの入ったハート型。
「んー! 美味しい!」
 ふわふわの尻尾をぶんぶん振りながら、喜びを表現する彼女。――この美味しさは、皆で共有したい。だから生徒達も彼女は声を掛ける。
 皆が笑顔になれたら。それが彼女の願いだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリア・アクア
まあ、素敵なお庭ですね!
真白のエプロンドレス姿で入り、学生さん達にお辞儀
席に座ればかわいらしいティーセットにわくわく
一口食べるごとににこにこ微笑んで
それぞれの物語に思いを馳せます

夜糖蜜もいただきましょう
見れば眠りネズミさんの愛らしい姿思い出し、罪悪感
紅茶に入れて不思議な風味にふわり笑い
はぁ……眠りネズミさん……
悲しいけど、おいしいです……
これを飲むと、望む夢が見られるのですよね
ならば私の望みは決まっています!
たくさんの眠りネズミさんと戯れる夢を!ぜひに!

ラナ様も、よろしければご一緒しませんか?
こちらのティーポット模したシュークリームもおいしいですよ!
ラナ様の望む夢のお話も、お聞きしたいです!




「まあ、素敵なお庭ですね!」
 瑞々しい白薔薇の庭園を見て、アリア・アクアは嬉しそうに笑った。真白のエプロンドレスに身を包んだ彼女は、集う華やかな装いの生徒達に一礼した後席に座る。
 ハート模様のティーセットに緑色のロールケーキ、真っ白兎のチーズケーキ。並ぶお菓子や食器の愛らしさに、自然と笑みが零れてしまう。
 そんなお菓子たちも素敵だけれど――今回のお茶会に欠かせないものは、やっぱり夜糖蜜。小瓶に収まる夜空を眺めれば、アリアは眠りネズミを思い出す。
「眠りネズミさん……」
 夜糖蜜の入ったティーポットを抱きながら、ゆらゆらと眠る愛らしい姿。胸に湧き上がる罪悪感に、瞳に僅かな涙を浮かべる。
 けれど折角の機会。香り立つダージリンの紅茶に、夜糖蜜を垂らして口にすれば。
「はぁ……眠りネズミさん……」
 お別れしてしまった悲しさは勿論あるけれど、不思議で優しい味わいに涙を浮かべながらふわりと笑むアリア。それはまるで、朝露を纏う花のように。
 ――けれど悲しげな少女は、気を取り直すように口を開き少女に手招きを。
「ラナ様も、よろしければご一緒しませんか?」
「こんにちは。では遠慮なく……どうしました?」
 声を掛けられ着席するけれど、しんみりとした雰囲気にラナは首を傾げた。なんでもない、とアリアは返しながらテーブルの上へと視線を向ける。
「こちらのティーポット模したシュークリームもおいしいですよ!」
 アリアが笑顔で差し出してくれたシュークリームの中には、紅茶のクリームが詰まっている。美味しいと笑みを零しあい、ラナは自身のお勧めの星空カップケーキを勧める。
 美味しい紅茶とお菓子と共に、話題に花咲くのはやはり夢について。
「ラナ様の望む夢は何ですか?」
「そうですね……星空をお散歩したいです」
 輝く夜空をちらり見た後、少女は零す。アリアさんは? と問われれば。
「私は勿論、たくさんの眠りネズミさんと戯れる夢を! ぜひに!」
 ぐっと手を握り語るアリア。
 あのふわふわで愛らしい彼等に再び出会える事を願って。今は幸せな夢に包まれよう。
 ふわふわ尻尾をぱたり揺らし、夢へと手招きする眠りネズミにきっと出会えるから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリス・ホワイト
これはなかなか、素敵な庭園だね。
お招きいただきありがとう、親愛なる君。
白薔薇に、トランプに……そうか。物語の中のお茶会を模しているんだね。
秘密のお茶会に相応しい服装を心がけて来たけれど、
青い礼服を選んだのは正解だったかな。
僕は猫だし、お茶会に招かれたアリスのようにはいかないが、少しはそれらしく見えるだろう。

軽食はチョコケーキがあれば、僕はそれを頂くよ。
拝借した夜糖蜜も、少しだけ使わせてもらおう。
紅茶に注せば、きらきらと素敵な風合いを楽しめそうだ。
ラナくんも是非、紅茶を楽しんでおいで。きっと今夜は、良い夢が見れるよ。

(交流、アドリブなど歓迎)




「お招きいただきありがとう、親愛なる君」
 愛用のシルクハットを脱いで、招き手の生徒達へ優雅な一礼をするクリス・ホワイト。すると相手も、嬉しそうに一礼を返した。
 白薔薇が埋め尽くす庭園は、芳しい薔薇の香りに満ちている。――けれど、お菓子やお茶の香りは邪魔をしない、絶妙な香りは何故だろうか?
「これはなかなか、素敵な庭園だね」
 ぐるり。辺りを見渡して感嘆の息と共に言葉が自然と零れていた。
 この場で、目の前のお菓子でお茶会をする事は。物語のようだと納得し頷くクリス。
 参加資格を満たせるように、相応しい装いを心掛けて来たけれど。
「青い礼服を選んだのは正解だったかな」
「ふふ、お似合いですわ。紳士様」
 自身の上着に触れながら、改めて確認すれば。ティーポットを運んでくれた生徒が、優雅に微笑みクリスへ語り掛けた。 
 エプロンドレスを身に纏う少女と一緒の席で、クリスが口にするのはチョコレートケーキ。まるで花籠のような、様々な花の細工が咲き誇る華やかなケーキだ。
 一口食べれば、花のような華やかな香りが広がった。けれど、不思議と後味はすっきりとしていて、癖の少ない大人な味わい。
 口直しにストレートの紅茶を一口。その後で、目の前の夜糖蜜に手を伸ばす。紅茶に夜空を注ぎ込めば、素敵な風合いを楽しめるだろうと。実は楽しみにしていたから。
「ラナくんも是非、紅茶を楽しんでおいで。きっと今夜は、良い夢が見れるよ」
「そうですね、きっと幸せいっぱいですね」
 ティーカップを傾け。夜糖蜜の入った紅茶をゆらゆらと揺らす少女。星空をお散歩したいと零した彼女は、紳士を見てひとつ尋ねる。
 クリスさんはどんな夢を見たいですか?
 そんなラナの問い掛けに――猫の紳士は、口元に指を当て微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

曙・聖
いつもより少しきっちりとした和装で参加しましょう。

秘密のお茶会改め、秘蜜のお茶会、といったところでしょうか。
見た目も味も、不思議で美味しそうなお菓子ばかりですね。
どれをいただこうか…迷ってしまいそうです。
お菓子を選びながら、ゆっくり食事を楽しみますね。

見事な細工のチョコレートですね。
それに、トランプのケーキに、兎のマカロン。
これは……芋虫のロールケーキ、ですか。食べるとなると、少し躊躇ってしまいますね…。

夜糖蜜を紅茶に入れることも忘れずに。
夜の雫を落とした紅茶の味は、どのようなものなのでしょうか。




 いつも着慣れた和装ではなく、少し上質な物を身に纏って。
 曙・聖は襟を正して、お茶会に参加する。迷い込んだ先は、飴細工のユニコーンや花が咲き零れる大きなケーキと云った、華やかなお菓子が並ぶ不思議な場所。
「秘密のお茶会改め、秘蜜のお茶会、といったところでしょうか」
 腰を下ろした場からゆるりと辺りを見渡した後。瞳を閉じ、穏やかに笑む聖。並ぶお菓子はどれも不思議な見た目をしているけれど、芳しい香りも相まってとても美味しそう。
 鮮やか過ぎる赤いケーキは苺だろうか? 聖の瞳と同じ琥珀色の煌めきはゼリー。
「どれをいただこうか……迷ってしまいますね」
 お菓子を目の前に、細い指をついうろうろとさせてしまう。――まずは、目の前のお皿に綺麗に並ぶチョコレートから。
 ハートや宝石、星空模様。様々な綺麗なチョコレートが並ぶけれど、聖が心惹かれたのは橙色の花が描かれた四角いチョコレート。――つい、山吹を思い出してしまったから。
 口に含めばビターな甘味の後に広がるのはオランジュソース。
 ほろ苦く華やかな味は、大人の味わい。
「……美味しいですね」
 ふわり、チョコレートの模様に負けぬ綻ぶ笑みを彼は浮かべた。
 その他にもトランプのケーキに兎模様のマカロン。……芋虫のロールケーキは少し勇気がいるけれど、きっと美味しいに違いない。
 気になる物は数多ある。お腹と相談しながら、口直しをしようとブレンド紅茶の入ったティーカップに指を掛けたところで。
「ああ、夜糖蜜を忘れてはいけませんね」
 秘蜜を垂らす事を忘れずに。夜の雫を落とした紅茶の味わいは――すっきりとした、けれど華やかさ感じる不思議な味わいだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クラリス・ポー
守護者を倒して下さった皆さんに感謝します
私は間に合わなくて…不甲斐ないです
でも皆さんを目標にこれからも頑張ります!(ぐっ)

WIZ
ドレスアップは
白黒ストライプのリボンで飾った水色のエプロンドレス
…私だとどちらかというとダイアナかも
でも出来るだけ
アリスに成り切ってみます!

美しいけど少し毒々しい
キラキラだけれど何処か黒い
そんなスイーツに好奇心で手を伸ばしてしまう
もしかしたら猫は死んでしまうかも?
ううん、きっと大丈夫
過る躊躇を勇気で振り切り
蝶の止まったゼリーをすくって一口
だってこんなに美味しいんですもの!

夜糖蜜を垂らした不思議色の紅茶のカップから顔を上げて
答えのない謎々をしましょう?
と提案しますね




 守護者を倒してくれた猟兵達――彼等を目標にこれからも頑張りたいと意志を固めながら。クラリス・ポーはひらひら水色のスカートの裾を揺らす。
 胸元を飾る白黒ストライプのリボンに、真っ白のエプロンを添えれば物語の登場人物そのもの。――けれど、ケットシーである彼女はどちらかというと猫の役どころ。
 でも出来るだけ成り切ろうと、背筋を伸ばしてお茶会へと出席する。
 可愛らしいと、クラリスを見て零す生徒の声に少し勇気付けられながら。目の前に並ぶお菓子たちをじっと金色の瞳で見つめる。
 鮮やかな赤いソースの掛かったケーキ。紫色のデコレーションのカップケーキ。緑色の縞模様のロールケーキは、芋虫を模しているようだ。――そんな美しくも少し毒々しい、キラキラしているけれど何処か黒いお菓子たちに、クラリスはひげを前方に向ける。
「もしかしたら猫は死んでしまうかも?」
 好奇心でお菓子に手を伸ばしながら、そんな不安が一瞬過ぎるけれど。そんな気持ちを勇気で振り切り、クラリスはゼリーを一口。――蝶の飴細工が縁に止まるゼリーは、森の中を表現したような色合いで。メロンの味わいと花の香りが口に広がる。
 ほら、勇気を出せば大丈夫。
「だってこんなに美味しいんですもの!」
 嬉しそうに尻尾を立て、少女は幸せそうに呟いた。
 勿論、お菓子のお供には紅茶を。水色の水面に垂らすのは、眠りネズミの夜糖蜜。カップを顔に近づけ花の香りを楽しんだ後、少女は生徒に向け口を開いた。
「答えのない謎々をしましょう?」
 その言葉に、狼の装いをした少年が興味を持ち。目の前の席の椅子を引いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メーアルーナ・レトラント
【うさぴよ組】

ひみつの!おちゃかい!どれすあっぷ!!
夜空みたいなマントをひるがえし剣を腰に
そしてうさみみをつければ、うさナイト!おひめさまのごえいなのです!

ひゃあ!からだがちっちゃくなるおちゃ!?
これ以上ちっちゃくなったら……はっ!ひよこしゃんに、うもれることが…!
あっ、じょうだん……ざんねん。
ちっちゃくなくても、おひめさまはしっかりまもるのですよ!

どのおかしもかわいくてどきどきしちゃうのですよ!
はわわ、すごいのです!あっ、チェスのコマ!
メア、チェスわからないけどならべたいです
ノノしゃんは…いもむし…!!ひよこさんのだいこうぶつ!
こうちゃもおかしもおいしくて
ふたりといっしょ、たのしいのです!


ウェリナ・フルリール
【うさぴよ組】

ひみつのおちゃかい、わくわくなのです
きょうのリナは、うさみみおひめさまなのです!
リナはいつもはきしさんなので、きょうはおひめさまにへんしん
ちょっとてれちゃうですけど、にあいますか?
ピエール(竜)も、ちゃんとおうじさまにへんしんなのです

かわいくておいしそうなおかしさんがいっぱい!
リナはおはなだいすきなので、ちょうちょさんのゼリーがきになります!
メアちゃんきしさんといっしょなら、ちっちゃくなっても、きっとたのしいだいぼうけんなのです!
ノノしゃんのいもむしさんケーキもいただくです!

ねむりねずみさんのおちゃも
はわ…とってもふしぎでやさしいおあじ
きょうはいいゆめ、みられそうなのです(ほわわ


ノ・ノ
【うさぴよ組】
よーっし、お茶会じゃー
って、ドレスアップぅ?
わいちゃんも??って言いつつ、二人に合わせて着替えるよん
時計うさぎモチーフのカラフル燕尾服
白いウィッグで、うさみみも白
ブラックタールなんに白とはこれいかに、だけども
二人の衣装には、ふーん、うさにも衣装ってヤツやねとか、ひねくれた誉め言葉

んでは、お茶会楽しみましょー
好奇心優先で、たくさん種類を取ってもぐもぐ
芋虫ケーキとかおもしれーなーって手を伸ばし
ふたりは虫ケーキどーう?
そいや芋虫の吸う水煙草も面白そよね
夜蜜糖ソーダで気分だけのニセ水煙草とかできないんかの?

チェシャの形のクッキー頬張り
寝る子は育つっちゅーけど、よく寝るわねと笑う




「ひみつの! おちゃかい! どれすあっぷ!」
 意気揚々と白薔薇庭園に足を踏み入れたメーアルーナ・レトラントは、ばさりと自身の夜空のようなマントを翻した。頭に飾られた、白い兎耳がひょこひょこ揺れる。
「ちょっとてれちゃうですけど、にあいますか?」
 えへへ、と笑いながら。ウェリナ・フルリールも桃色のドレスの裾を摘む。彼女に合わせて、いつも一緒のドラゴンのピエールも王子様らしいマントと王冠を身につけている。ちょっと自慢をするように、嬉しそうに一声。
 兎騎士のメーアルーナと、兎姫のウェリナ。
 いつもは騎士のウェリナがお姫様なので、今日の護衛は自分がするとやる気満々でメーアルーナが語れば、嬉しそうに2人の少女が笑い合う。
 ――そんな愛らしい装いの2人の後ろから、薔薇庭園に入ってきたノ・ノの装いはとてもカラフルな燕尾服。様々な色の布を合わせたその服は、ブラックタールである彼にとても馴染んでいる。そして白薔薇にも負けない真っ白のウィッグと兎耳を添えれば、少女達とお揃い感が。
「ふーん、うさにも衣装ってヤツやね」
 兎耳を弄りながら、少しひねくれた物言いで彼は語るけれど――少女達は、それがノの褒め言葉である事はきちんと理解している。ありがとうと、花咲く笑顔を向けた。
 ちょっと背伸びの装いで。華やかなお茶会で大人気分だった3人だけれど。
 美味しそうなお菓子を目の前にすると、ついついいつものテンションに。
 花の装飾が素晴らしいチョコケーキ。兎の形をしたチーズケーキ。様々な形の細かなチョコレートに王冠の形のクッキー。
 きらきら輝くお菓子達を前に、嬉しそうな子供達に近付いた生徒が一言。
 ――身体が小さくなるお茶なんて如何でしょう?
「ひゃあ! からだがちっちゃくなるおちゃ!? これいじょうちっちゃくなったら……はっ! ひよこしゃんに、うもれることが……!」
 傍に控えるひよこキングをじっと見て、期待にその大きなピンク色の瞳を輝かせるメーアルーナ。その後慌てて背筋を正し、小さくなってもお姫様はしっかり守ると決意を語れば。ウェリナは嬉しそうに笑い、楽しい大冒険が出来ると。
 けれど小さくなるお茶は、ただの生徒の冗談。ごめんなさい、と魔女姿の生徒が零せば、メーアルーナはしょぼんと残念そう。
 そんな2人を眺めながら、ノはマイペースにお菓子を食べ始めている。様々なお菓子の中、彼は自身の好奇心に素直になり少しずつ色んな物を味わう事にしたらしい。
「リナはおはなだいすきなので、ちょうちょさんのゼリーがきになります!」
 彼に倣うように、ウェリナが手を伸ばしたのは縁に蝶が止まる鮮やかなゼリー。森の中をひらひらと舞う蝶を手に取れば、ゼリーの中に咲く花々に彼女の頬が淡く染まる。
 お菓子を口に運ぶ2人の友人に続き、気を取り直したメーアルーナが見つけたのは。
「あっ、チェスのコマ! メア、チェスわからないけどならべたいです」
 それはダークチョコレートとホワイトチョコレートで出来た精巧なチェス駒。それぞれ違う形をしたチェスをお皿の上に並べていけば、本物のチェスだって出来るだろう。
 チェックメイト――ルールは分からないけれど、耳羽根をひこひこさせながら並べるメーアルーナはとても楽しそう。
 はしゃぐようにお菓子を食べる2人の少女を、保護者気分で眺めていたノは。
「ふたりは虫ケーキどーう?」
 お皿に芋虫ケーキを乗せて、勧めてみる。――黄緑と白の縞模様のロールケーキに、生クリームとチョコで目を表現しているようだ。
「いもむし…!! ひよこさんのだいこうぶつ!」
「いもむしさんケーキもいただくです!」
 次なるお菓子にきらり瞳を輝かせて、小さな手を伸ばす2人。
 勿論、夜蜜糖を溶かした紅茶も忘れずに。
 フルーツ香る紅茶に蜜を垂らせば、優しい甘さに不思議な香りが追加されてふわり夢心地になる。温かな紅茶がまた、ふわふわと夢へと包み込んでいくようだ。
「きょうはいいゆめ、みられそうなのです」
 紅茶を飲んだ後、ほうっと幸せな溜息を零した後ウェリナが語れば。ピエールも嬉しそうに尻尾を揺らしながら一声鳴く。その声に続くように、ひよこキングもぴよ! と。
「ふたりといっしょ、たのしいのです!」
 楽しそうなひよこキングの様子に満足そうな笑みを浮かべるメーアルーナ。けれど直後、ふわあと大きな欠伸をひとつ。2人は釣られるように、うつらうつらと。
「寝る子は育つっちゅーけど、よく寝るわね」
 パキリと猫のクッキーを割る音を響かせながら。ノは2人の少女の様子を眺めながらそんな事を呟いていた。――ブラックタールである彼の表情は分からないけれど、その言葉には嬉しそうな感情が確かに籠っている。
 ゆらり、ゆらり。
 同い年の3人で夢の扉を叩けば。そこはきっと、楽しい大冒険が待っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

斎部・花虎
キトリ(f02354)と
シャツにサスペンダーで吊るしたパンツでボーイッシュに
ちいさなアリスのエスコート

おれの台詞を取られてしまったな
しっかり捕まえていてくれ、お姫様

キトリの語る大冒険に耳を傾ける
ふたりの手許には甘いお菓子
トランプ仕立てのケーキをお喋りの合間に味わいつつ
――まるで目の前で、御伽噺の頁が繰られてる様だ
…おれにも是非試させてくれ
内密な取引は小声でこそこそ

夜を冠する蜜抱く水面の、星空をティースプーンで掻き混ぜて
キトリと目配せして笑い合う
くすぐったい気持ちがたぶんしあわせと云うんだ

おれはこんな風に
誰かと穏やかに過ごす夢が見たい
――なんだ、お互いの夢に出張が必要か?
今宵ばかりは醒めない夢を


キトリ・フローエ
花虎(f01877)と
アンティークグリーンのエプロンドレスを着ていくわね

たくさんの薔薇に囲まれて、なんだかお姫様みたい
お手をどうぞ、王子様…あら、これじゃあ逆だわ!

それはもう、すっごく大冒険だったのよ…!
不思議な色合いのゼリーや可愛いケーキを傍らに
眠りネズミさんのお話をしながら
取り出したのは星空が満ちる小さな壺
あのね、その眠りネズミさんが持っていた夜糖蜜、こっそり貰ってきたの
…飲んでみる?
内緒話のように密やかに

そっとかき混ぜる夜空のひとしずく
交わる視線に笑みを重ねて、願うのは
あたしは、…夢の中でも、花虎や皆と一緒がいいな

そうね、それなら今日は夢の中で
このとびきり素敵なお茶会の続きをしましょう!




 アンティークグリーンのスカートの裾を揺らした妖精は、羽を羽ばたかせながら小さな手を差し伸べる。
「お手をどうぞ、王子様……あら、これじゃあ逆だわ!」
 薔薇庭園でのお茶会はまるでお姫様みたいだと思うけれど、自然と出るキトリ・フローエの仕草は少し違っていた。そんな少女にくすりと笑いながら、台詞を取られてしまったと斎部・花虎(ヤーアブルニー・f01877)は零すけれど。
「しっかり捕まえていてくれ、お姫様」
 差し伸べられた小さな手に人差し指の先を重ね、青いパンツを身に纏う花虎は少女と共にお茶会に参列する。――勿論、妖精サイズの食器を取り揃えて。
 テーブルに並ぶのは、色とりどりのゼリーや花の装飾が美しいケーキ等。どれも美しく、どこか不気味な見た目がこの場を華やかにしている。
 そして、そんな甘味と共にお茶会を彩るのは。
「それはもう、すっごい大冒険だったのよ……!」
 キトリの語る冒険譚。愛らしい眠りネズミのお話を、羽を震わせながら小さな身体で表現する少女。スペードのショートケーキにフォークを入れつつ、花虎はキトリの語る言葉に瞼で瞳を伏せながらも耳を傾ける。
「――まるで目の前で、御伽噺の頁が繰られてる様だ」
 ぽつり、零す彼女の言葉に。キトリは嬉しげに笑いながら自身と同じサイズのケーキを1口。もぐもぐと口を動かしながら、キトリが取り出したのは小さな壺。
「あのね、その眠りネズミさんが持っていた夜糖蜜、こっそり貰ってきたの」
 ――飲んでみる?
 最後の言葉は、乙女が内緒話をするように密やかに。だから花虎も「……おれにも是非試させてくれ」と返すのは小さな耳元でひっそりと。
 小さな壺から零れる夜の雫は、ティーカップの中に沈んでいく。
 ぽたり、ぽたり――幸せな夢へと導く雫を混ぜ合わせた後、2人は瞳を交わし密やかに笑い合う。このくすぐったいような気持ちが、多分幸せと云うんだと花虎が思えば。
「あたしは、……夢の中でも、花虎や皆と一緒がいいな」
 小さな友人は、そんな希望を零していた。
 今この場にいる友だけでなく。出会った、素敵な仲間達と――共に居る時間は、現実でも夢でも関係ない。とても幸せなひと時だと。アイオライトの瞳を細めながら、幸せそうに語るキトリ。そんな彼女を見て、ふっと花虎は笑みを零す。
「――なんだ、お互いの夢に出張が必要か?」
 その一言は、花虎の夢を語ってもいる。
 だって花虎は――こんな風に、誰かと穏やかに過ごす夢が見たいと、願っている。
 瞳を瞬き、一瞬考えるキトリ。けれど、意味が分かれば嬉しそうに笑みを零して。
「そうね、それなら今日は夢の中で。このとびきり素敵なお茶会の続きをしましょう!」
 幸せそうに頬を染めながら、ティーカップを掲げた。
 頬杖を突きながら、倣うように花虎もティーカップを掲げ。
「今宵ばかりは醒めない夢を」
 幸せな夢を期待して、そんな事を零した。
 眠りネズミの見せる望む夢は、きっと2人を共に沈めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リル・ルリ
■櫻宵(f02768)と
✼アドリブ等歓迎

「秘密のお茶会、楽しみ
この服は似合っている?櫻宵」
彼に見立てられ着せられたのは
尾鰭も活かしたマーメイドラインの純白のドレス
長い髪は結い、マリアベールを被り月下美人を飾る
……女物じゃない?なんて疑問は
ご満悦な櫻宵には言えなくて

「君が男の格好をするのは初めて見た
いいんじゃない?」
似合いすぎて真っ直ぐ見れないからそっぽを向き気味に

「それにしても不思議な世界。わくわくする」
この細工のチョコも綺麗
嗚呼、勿論一番は君が作ったやつだ
笑いつつクラブのクイーンのケーキをぱくり
夜糖蜜を入れた紅茶を飲めば夢心地
何だか君が
いつもより…
やっぱり内緒
頬?これは紅茶のせい!だからっ!


誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)と一緒
アドリブ等歓迎

不思議な世界のお茶会なんてときめくわ!
ドレスコード、ね
リルにはあなたに似合うとっておきを選んだわ
うふふ、月下美人の花嫁…人魚のお姫様みたいで素敵!最高に可愛いわ!
あたしは悔しいけどドレスがきつくてね…
黒の燕尾服にシルクハット……帽子屋よ
あら、男の格好のあたしだって美しいでしょう?

あたしのショコラを褒めてくれるの?嬉しいわ
笑いつつ食べるスペードのキングのケーキ
美味しいわよ?一口いかが
食べさせてあげるわお姫様
なんて
夜糖蜜を紅茶に垂らせば甘く蕩けて微笑んで
ふとリルを見れば
真っ赤になって可愛わ?
はいはい
紅茶で酔っちゃったのね

そういう事にしといてあげる
今日はね




「秘密のお茶会、楽しみ。この服は似合っている? 櫻宵」
 月下美人飾られたマリアベールから、薄花桜色の瞳を覗かせ。リル・ルリ(瑠璃迷宮・f10762)は装いを見立ててくれた誘名・櫻宵(誘七屠桜・f02768)へ問い掛ける。
「うふふ、月下美人の花嫁……人魚のお姫様みたいで素敵! 最高に可愛いわ!」
 少し心配だったけれど、彼のその気持ちは杞憂だったようで相手は嬉しそうに笑っている。――だって、櫻宵は彼に似合うと思うとっておきを選んだのだ。
 リルが身に纏うのは月光ヴェールの尾鰭を活かした、マーメイドラインの純白ドレス。その裾のラインが、まるで人魚姫のように華やかで美しい。
 それはまさしく女物なのだが――目の前に座る相手があまりにもご満悦だから、つい言葉を飲み込んでしまう。けれど、その代わりにリルは言葉を紡ぐ。
「君が男の格好をするのは初めて見た。いいんじゃない?」
 少し頬を染めているのは気のせいだろうか? 直視出来ないその姿に、そっぽを向きながら零した言葉に、櫻宵は瞳を瞬き。
「あら、男の格好のあたしだって美しいでしょう?」
 自信溢れる笑みで、そう返した。――黒の燕尾服にシルクハットを見に付けたその姿は、確かに似合っていてとても素敵だ。
 けれどリルは櫻宵の言葉には返せずに。気を取り直すように、目の前のお菓子に気持ちを移す。華やかなお菓子に彩られたテーブルは、心が躍る不思議な世界。
 ぼんやりとした眼に楽しさを宿し、弾む心を確かに感じるけれど――。
「嗚呼、勿論一番は君が作ったやつだ」
「あたしのショコラを褒めてくれるの? 嬉しいわ」
 視線に気付き言葉を零せば、嬉しそうに笑う櫻宵の姿。2人は視線を交わした後、クラブのクイーンとスペードのキングのショートケーキをそれぞれぱくり。
 揺れる夜糖蜜を垂らした紅茶を手にすれば、夢心地で頭もふわふわと。
 ――甘く、とろけて、微笑む櫻宵。
「何だか君が。いつもより……」
 ぽつり、不意にリルから零れていたその言葉は、櫻宵に聞こえていたのだろうか? 視線が合い、笑みを浮かべる櫻宵は。
「真っ赤になって可愛いわ?」
 そんな事を零しながら、リルの頬にその手で触れる。驚き、頬を隠すように彼は腕を上げて、櫻宵から視線を逸らす。
「これは紅茶のせい! だからっ!」
「はいはい。紅茶で酔っちゃったのね」
 今日はそう云う事にしてあげる。そんな櫻宵の呟きが、妙に響き渡った気がした。
 酔うのは紅茶かこの不思議な世界か、それとも――。
 誘われた夢で、幸せの続きを過ごしても良いかもしれない。
 けれど今は、もう少し。このお茶会の幸せなひと時を楽しもう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月28日


挿絵イラスト