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アポカリプス・ランページ④〜ウイルス・セーブ・ウイルス

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「コンピュータウイルスに感染? 風邪薬で何とかなるかな?」
 時はまさに世紀末、コンピュータが爆発的に普及した1990年代終盤の日本でしばしば囁かれたジョーク……あるいは勘違いである。
 当然ながらコンピュータウイルスはプログラムの一種であり、生物に影響を及ぼすことはない。もちろん逆も然り。コンピュータがウイルス病にかかったという話は聞いたことがないだろう。
 だから。
「ヂィィ……ギシャッ!」
 ウイルスまみれの生物にコンピュータウイルスを守らせることも、またできるのだ。


「皆々様、アポカリプス・ランページの始まりにござる!」
 シャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)がアポカリプスヘルにおける戦いの始まりを告げた。居並ぶ猟兵たちも皆意気軒昂だ。
「皆様には初戦としまして、デス・バレーにある敵のコンピュータ研究所に討ち入りしていただきます」
 その研究所はアポカリプスヘルの巨悪ヴォーテックス一族が所有するものであり、要塞化され様々な危険な研究を行っているという。
「今回の目的はここにある『禁断のコンピュータウイルス』の奪取にござる。これは既存のウイルスとは一線を画す力を持ち、何とかのスーパー戦車すら狂わせてしまう程だとか」
 名前はダサいがフィールド・オブ・ナインの一人……あるいは一台であり、最終的には大量破壊兵器を搭載した自分自身を量産しようと企む恐ろしき相手である。
「皆様にはこの研究所を陥落せしめ、このウイルスを入手していただきたく。ただもちろんここは敵の重要施設。丸裸ということはありませぬ。多くのレイダーたちがここを守っておりますが、今回皆様に相手取っていただくのは『インフェクション・マウス』という病原体に感染したネズミの集団でござる。コンピュータにマウスはつきものでござるな!」
 病原性微生物の研究用に飼育されていたマウスがオブリビオンストームの影響で変質、増殖したものだという。変質の影響かマウスといいながらカピバラくらいのサイズまで巨大化しているらしい。
「こやつらは自らの体に宿す病気をばらまいて攻撃してくる他、この研究所の製品である機械鎧を纏っております。これは装着者の能力を大きく跳ね上げるもので、これによって動きのみならず病気の感染力や症状まで強化しております。その代わり子の鎧は一度付けたら死ぬまで脱ぐことができず、壊してしまえばたちまちただの枷となります。こうなれば相手は最早袋のネズミ。一気に仕留めてしまいましょう」
 病気を感染させられ死ぬまで脱げぬ鎧を着けられた、まさにどこまでも使い捨ての存在。いっそ全滅させてやるのが慈悲と言えるかもしれない。
「フィールド・オブ・ナインはそれぞれにアポカリプスヘルの生命を今度こそ根絶やしにする作戦を練っております。これはその一体に手をかける大事な足がかり。どうか皆様、勝利を持ってこれを飾ってくださりませ」
 そう言ってシャイニーは研究所へと猟兵を送り出すのであった。


鳴声海矢
 鳴声海矢です。アポカリプス・ランページの開幕です!
 今回のプレイングボーナスは以下の通り。

『プレイングボーナス……敵の機械鎧を無力化する』

 今回の敵は能力を増強する機械鎧を纏っています。これによって身体能力や各種ユーベルコードを強化してきますが、鎧は脱ぐことができないので壊してしまえばただの重石となります。機械的な機能を停止させればよいので、こちらもウイルスを流し込む、ぶっ叩いて内部機構を破壊するなどして壊してください。重いわりに防御力はそんなにありません。

 敵は『インフェクション・マウス』という巨大ネズミの集団です。感染したら即発症の殺人病を持っており、様々な手段でそれを感染させてこようとします。知能はネズミ並ですがネズミ相応に素早い相手、かつそれを鎧で強化されていますので油断なく。数もかなり多いです。

 目的は研究所奥にあるコンピュータウイルスを持ち帰ることですが、研究所が陥落すれば入手の邪魔はなくなるのでここでは敵との戦闘に全力を注いでください。敵を迂回して奥へ、とかはできません。

 それでは、汚物を消毒するプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『インフェクション・マウス』

POW   :    接触感染
【噛みつきや引っ掻き】が命中した対象に対し、高威力高命中の【強い毒性をもつ病原体】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    空気感染
自身に【病原体のコロニー】をまとい、高速移動と【空気中への病原体】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    飛沫感染
【自身に傷を負わせる事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【病原体に汚染された血液】で攻撃する。

イラスト:白狼印けい

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォルク・リア
「力が上がるが死ぬまで脱げない鎧。
正に呪いのアイテムだな。
俺に出来るのは、
鼠の駆除ついでに解呪してやる事位か。」

真羅天掌を発動。
腐食属性の霧を発生させる。
霧で敵の鎧を腐食させる時間を稼ぐ為
霧に隠れ自身の【残像】を作りながら敵を攪乱すると共に
攻撃を回避。
敵が飛沫感染を使用した時も傷口から酸性の霧を
侵入させて攻撃。
敵の様子を見て鎧が腐食されつつあると確認できたら
フレイムテイルから炎を放って攻撃し
鎧の機能を完全に停止させる。
ある程度の数の敵の鎧を機能停止させる事ができたら
動きが鈍った事を利用して敵と距離を取り、
腐食属性の霧をより集中させて攻撃し纏めて仕留める。
「さあ、仕上げだ。霧の中に消えて貰う。」



 デス・バレーに立つ巨大な研究所。そこはヴォーテックス一族の所有する狂気のコンピュータ研究所。そこには禁断のコンピュータウイルスが眠っている。一体誰が何のために開発したのかは定かではないが、そんなもの今は関係ない。
 フィールド・オブ・ナインが一人スーパー戦車攻略のための決戦兵器とすべく、猟兵たちはそのウイルスを奪取しにこの研究所へ攻め入ったのだ。
 無論、世界全てが無法の荒野たるアポカリプスヘルのこと、例え研究施設であっても敵襲は予想している。侵入者を感知すると同時に、内部には多くのレイダーたちが放たれ猟兵を迎え撃った。
 そしてここに放たれたのは、カピバラ程度の大きさまで巨大化した実験体マウスの群れ。様々な病気に侵されたその体には、武骨な金属の鎧が付けられていた。
「力が上がるが死ぬまで脱げない鎧。正に呪いのアイテムだな。俺に出来るのは、鼠の駆除ついでに解呪してやる事位か」
 フォルク・リア(黄泉への導・f05375)がその姿を見てそう呟く。彼らの纏う鎧は着用者の能力を跳ね上げる代わりに一度付けたら死ぬまで取れないもの。呪術に総計の深い彼にとってはそれもまた重い呪いの一つのようにしか見えなかった。
 だが相手が何を考えているかなど知らぬ実に、マウスたちは目の前に現れた者を自ら持つ菌に侵そうと一斉に迫りくる。その大集団に、フォルクは先に動くことで答えた。
「大海の渦。天空の槌。琥珀の轟き。平原の騒響。宵闇の灯。人の世に在りし万象尽く、十指に集いて道行きを拓く一杖となれ」
 迫るマウスたちを突如現れた霧が包み込んだ。それはただの霧ではなく、【真羅天掌】で作られた中にいる存在を腐食させる腐食属性の霧。
「ヂウゥゥ!!」
 その霧は中にいるマウスたちの肌を焼き、己の病気をはまた違う己でその身を爛れさせ始めた。
 だがマウスたちにとっては自身の身が崩れることなど当り前のことなのか、霧をまるで意に介さず体を動かし、その霧向こうにいる敵に食らいつかんと前へ進んだ。その度に毛皮が破れ病毒まみれの血が辺りにまき散らされるが、そのダメージを気にする様子はない。
「ヂゥ!」
 そうして崩れる体をはねさせ霧の中に見えた陰に躍りかかる。だがその突進は霧の中をただすり抜けるのみに終わり、そのまま床に落ちてその体液をべしゃりとそこにぶちまけた。
 さらにその衝撃で開いた傷口からも霧が侵食、ただでさえも崩れかけの体をより一層腐らせていった。
「さて、そろそろかな」
 霧に紛れながらマウスたちを攪乱し、時間を稼ぐフォルク。如何な機械とて腐食という物理的な力に抗し得るものではあるまい、その見立て通り、霧の中自身の体を削るマウスの動きは鈍り、鎧の重量を跳ね返せるほどの強化機能が壊れて言っていることが見て取れた。
 だがこの霧はフォルク自身にも完璧に制御できるものではない。霧が自らに牙をむく前に、マウスをその中に閉じ込めてしまわなければ。フォルクは皮手袋『フレイムテイル』から封じられし炎を放ち、高熱によって寄りの機能を完全に破壊せんとした。
 その炎に炙られ動かなくなっていくマウスたち。奇しくもそれはマウスに宿る病原菌さえ焼き清めていくが、鎧の重量と腐食した体はもうマウスに生き続けることを許さない。
「さあ、仕上げだ。霧の中に消えて貰う」
 動けなくなったマウスに可能な限り霧を集中し、自身はその外へ離脱するフォルク。やがてその霧が晴れた時、その気残ったのはボロボロになった鎧の残骸と、恐らくマウスの体だったであろう僅かな汚液のみ。
 それはフォルクの宣言通り、マウスが駆除と共に鎧から解除された証であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

死絡・送
ジガンソーレに乗って出撃、
環境耐性とオーラ防御で身を守りつつ機体の中から敵の機械鎧へ
ハッキングを試みて呪殺弾をウィルス形式で叩き込み無効化を狙う。

成功したら後は物理、焼却と範囲攻撃でロボから熱線を放出して攻撃や
重量攻撃と衝撃波で弾き飛ばそうとして見る。
ある程度減ってきたら
「さてと、こいつでクリーンアップしてやるぜ」
とユベコの光子魚雷一万発発射!! で汚物の消毒を試す。


菫宮・理緒
『禁断のコンピュータウイルス』なんて面白楽しそうなものを、ネズミに護らせるなんて、ねー。
コンピュータとウイルスだからマウスつながり、とかなのかな?

ダジャレでこっちのやる気を削ごうっていうなら、まだまだ甘いね!
たしかにちょっとぐったりするけど、『禁断のコンピュータウイルス』の魅力にはかなわないよ!

ウイルスネズミさんには、こっちもウイルスで対抗させてもらっちゃおう。【ストラクチュアル・イロージョン】で、機械鎧にウイルスを流し込んで使用不能にしたら、
【M.P.M.S】を焼夷弾モードで斉射。汚物は消毒だよね!

さくっと道を空けてもらったら、ウイルスをげっとするよ!
誰にも渡さない……それは、わたしのだー!


アハト・アリスズナンバー
病気かー。ゾンビやらなんやらの次は殺人ウイルスと来た。
中々辛いですよねこういうの。一度かかれば浄化するくらいしかないし。
こういう時に古来から伝わる万能薬が効くのです。

敵の鎧をドローンを経由してハッキングします。
弱点を検知出来たら、誘導弾でロックオンしてそこ目掛けて電流をドローンから放出します。
これで内部機構を破壊するとしましょう。
そしたらあとは引っかきに当たらないようにユーベルコード起動。酔拳でカウンターします。毒性の病原体は酒のアルコールで破魔、浄化いたしましょう。
どぶろくを甘く見てはいけませんよ。



 一人の進入を皮切りに、次々と研究所に攻め入る猟兵たち。その前に、インフェクション・マウスたちは無尽蔵に現れる。それだけ多種の実験が行われていたのか、あるいは病を植え付けられながら文字通りのネズミ算式に増え続けたのか。
「『禁断のコンピュータウイルス』なんて面白楽しそうなものを、ネズミに護らせるなんて、ねー。コンピュータとウイルスだからマウスつながり、とかなのかな?」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は目の前に大量に出現したマウスたちを実、そして彼らが守らされているものを思いそう呟いた。恐らくマウスたちは自分たちが守っているものの価値など理解してはいまい。それどころか自分たちが何のためにここに放たれているのか、それさえも正しくわかってはいないだろう。ただその狂暴性と体に宿した病気を当て込まれ、使い捨ての生きたトラップとして侵入者にけしかけられているだけなのだ。
「病気かー。ゾンビやらなんやらの次は殺人ウイルスと来た。中々辛いですよねこういうの。一度かかれば浄化するくらいしかないし。こういう時に古来から伝わる万能薬が効くのです」
 アポカリプスヘルに多数うろつく生ける屍たち。その中にはウイルスを原因にする者も少なからずいようが、今度はそのウイルスそのものを武器にした存在が敵である。
 アハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)は自らの考えるウイルス特効策を携え、その病原体の塊へと相対した。
 そしてその二人の後ろには、太陽をモチーフとした巨大なロボットが聳え立っていた。死絡・送(ノーブルバット・f00528)の駆るスーパーロボット『ジガンソーレ』。その巨大ロボットは、身を守るかのように期待からオーラを発しマウスたちを圧倒しつつその体から大量の弾丸を放った。
「ヂウゥゥゥ!!」
 その弾は一気にマウスの群れに着弾する。だが、マウスを包んだ鎧に弾かれその体を傷つけるには至らなかった。装着者の身体能力を跳ね上げるその鎧はさほど防御力は高くはないはず。それすら貫ける弱い弾丸なのか。
「ヂ……!」
 その弾丸を無視し、一気に侵入者たちに病を撒こうとするマウスたち。だがその動きは強化されているとしては妙に重く鈍かった。
 機械仕掛けの鉄鎧、そこには機械に対する呪詛……つまり一種のハッキングからの妨害プログラムが仕掛けられていた。それをなしたのは、他でもないたった今撃ち込まれた弾丸。
 マウスたちが着ける鎧は機械仕掛けのもの。そしてそれは使い捨ての雑兵に与えられるだけあり、決して上等なものではない。
「これで内部機構を破壊するとしましょう」
 だから、アハトが大量に放ったドローンたちからも簡単にハッキングを受けてしまう。鋭利な刃のついたドローンたちを危険な武器と見て素早く身をかわしながら噛みつこうとするが、ドローンに噛みつけたところで相手は機械であり、マウス最大の武器である病原体が通じるはずもない。
 もちろん物理的に壊すことは出来るが、その代わりに受けるのはドローンからのハッキング、そして鎧の脆弱な部分目がけて誘導性を持って放たれる強烈な電流だ。
「ヂュウウウウウウ!!」
 鎧をスパークさせ崩れ落ちるマウスたち。そして脆弱性を曝け出され、機械の定番弱点である高圧電流を受け、壊れかけた鎧にさらに攻撃が重ねられて行く。
「ダジャレでこっちのやる気を削ごうっていうなら、まだまだ甘いね! たしかにちょっとぐったりするけど、『禁断のコンピュータウイルス』の魅力にはかなわないよ!」
 理緒もまたネズミの鎧を機械として墓石にかかる。だが、それは今まで彼らに与えられた攻撃よりもさらに一段上のものだ。
「タイムリミットまで、そんなにないよ」
 理緒のデバイスより機械の機能を停止させるコンピュータウィルスが放たれた。【ストラクチュアル・イロージョン】で放たれたウイルスは通常のウイルスとは違う。戦場全体に拡散するという、ウイルスの常識を覆すもの。かつてあったジョークをそのまま現実に持って来たような埒外の効果も、ユーベルコードなら齎せる。
 空気感染するコンピュータウイルスによって、マウスたちの鎧はついにとどめを刺された。
 完全にデッドウエイトとなった鎧を引きずり、それでもマウスたちは目の前の相手に群がろうとする。そのマウスたちを、ミサイルランチャー『M.P.M.S』から焼夷弾を放って理緒が押し返した。
「汚物は消毒だよね!」
 病原体のコロニーを纏った突進を正面から撃ち落とし、病気諸共その体を焼き尽くして焼却していく理緒。だが、マウスたちの大きな武器はその数だ。仲間が焼かれても重い体を引きずり、波のようにマウスたちは押し寄せてくる。
「此処らで一杯。飲めば飲む程夢心地。夢幻の拳にて向かい酒」
 体重を乗せた引っかきは、だがその重さを利用されてアハトの【酒地撃臨】に叩き落とされた。まるで酔っ払ったような動きから繰り出されるその一撃は、的確にマウスの爪や牙など特に金だらけの場所を破壊していく。本来はとても狙えたものではない小さい部位であるはずのそこが、皮肉にも巨大化したことで徒手の攻撃で破壊できるような大きさになっていた。
「どぶろくを甘く見てはいけませんよ」
 そして酔拳の動きを一通り終えたところで、その病原体の塊のような場所を触った手をどぶろくで殺菌消毒することも忘れない。
 鎧も菌も、そして爪牙さえ叩き折られたマウスたち。それでも、その体そのものが病気の塊である以上、生きている限り彼らが兵器の如き存在であることは変えられない。
 それに完全にとどめを刺すにはやはり大きな機械を用いるのが相応しい。そう言わんばかりに、ジガンソーレが全身から熱線を放ちマウスを焼き清めた。
 さらにはその機体による圧巻の重量攻撃にその一撃が起こす衝撃波。重い鎧の中で揺さぶられ、ぐちゃぐちゃにマウスの体は崩れていく。
 だが、大きな力はどうしても大雑把。焼き潰したとはいえ衝撃波の影響でマウスたちは当たりに飛び散ってしまい、部屋中をその体液で汚染していく。
 死してなおその骸が菌の爆弾の如く当たりを汚す、あるいはこれこそがこのマウスたちの最大の攻撃であり驚異と言えるかもしれない。
「さてと、こいつでクリーンアップしてやるぜ」
 だが、散らかしたものは責任もって片づけなければ。掃除を女性たちに押し付けるわけにはいかないと、ジガンソーレの射出口が一斉に開く。
「全てを光に変えて消す!!光子魚雷、射て~~~~~~~っ!!」
 【光子魚雷一万発発射!!】の魚雷たちが、部屋に散ったマウスをその骸まで完全に焼き尽くした。敵味方の選別可能なこの魚雷は、ユーベルコードだからこその正確性を持って室内の汚物の身を綺麗に消毒していく。
 やがて光の嵐が消えた時、そこはまさに『消毒』されたかの如く綺麗な部屋だけが残されていた。
 ハッキングからの物理的破壊という同じ策を取った三人の前に、コンピュータウイルスへの道が開ける。
「誰にも渡さない……それは、わたしのだー!」
 一目散に駆け出す理緒。それを見ながら、アハトは体内も消毒と言わんばかりにどぶろくをあおる。
 ついでにジガンソーレの方にも飲むか? と言わんばかりに酒瓶を差し出してみるが中のパイロットは未成年。巨大ロボが掌を向けて拒絶の姿勢を示すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、厄介な状況ですねぇ。

『FAS』により飛行、『FMS』のバリアで全方位を覆い不意打ち等に備えますぅ。
そして【秤濤】を発動、広範囲へ『乳白色の波動』を放射しますねぇ。
強化されていても『重い鎧』であれば『超重力波』の影響は大きく、或る程度動きを阻害出来るでしょうし、『魅了』が効いた個体が居れば同士討ちを誘えますぅ。
その様に足を止めている間に『FRS』『FSS』による[砲撃]と『FGS』の『重力弾』で『機械鎧』の構造上弱い部分を[部位破壊]、その後順に仕留めますねぇ。
可能性の高い箇所を別個に狙えば、どれかが『弱点』に当たる可能性が高く、把握出来れば後は繰返すだけですので。


トリテレイア・ゼロナイン
オブリビオン・フォーミュラすら狂わせるコンピュータウイルス…ウォーマシンとしては避けて通りたい代物ではあります
ですが、それがアポカリプスヘルに住まう人々の安寧に繋がるのであれば騎士として躊躇う事は無し
入手を阻む障害を取り除きましょう

幸い、生体パーツが無いので病原体を恐れる必要はありませんね
…内部機構に侵入されているという事は装甲が貫かれているという事ですので…

機械鎧纏った巨大鼠を格納銃器での乱れ撃ちで迎撃
接近を牽制し、近接攻撃を怪力で振るう剣や盾の武器受け盾受けで弾き飛ばし
同時並行で密かにUCの複数の妖精を敵の鎧に取り付かせハッキング破壊工作
機能を停止した敵を各個撃破してゆきます



 研究所の奥に存在するのは禁断のコンピュータウイルス。それはスーパー戦車すら狂わせてしまう程に強力なものである。いわんや他の機械をや。
「オブリビオン・フォーミュラすら狂わせるコンピュータウイルス……ウォーマシンとしては避けて通りたい代物ではあります」
 トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)はその危険すぎる存在について機械仕掛けである自身の体を考えながらそう呟く。禁断のコンピュータウイルスを奪取しに行くというのは、彼にとってはまさに未知の殺人ウイルスが保管されて行く場所に突っ込んでいくに等しい行為なのだ。
 なれど、その恐るべき行為を彼は恐れない。
「ですが、それがアポカリプスヘルに住まう人々の安寧に繋がるのであれば騎士として躊躇う事は無し。入手を阻む障害を取り除きましょう」
 そのウイルスは所詮プログラムである。使うもの次第で善にも悪にもなるのだ。騎士として正義を、善を成すため、彼は死地へ踏み出すことを躊躇いはしなかった。
 そしてその前に現れるのは、こちらもウイルスに侵され切ったマウスの集団。自らの命も顧みず、ただ目の前のものに襲い掛かる狂暴性を鎧によって補強された狂気の軍団。ただ死を振りまくために放たれたその集団の上を、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は周囲にバリアを展開して浮遊していた。
「成程、厄介な状況ですねぇ」
 相手の武器はその身に宿した病原菌。それは飛沫、接触、空気とあらゆる経路で感染してくる。どんな防御を布いていてもどこから侵入してくるかもわからないそれを防ぐには、その体を強化している鎧諸共マウスたちを全滅させるしかなかった。
「大いなる豊饒の女神、その御力の欠片による裁きをお与え下さい」
 るこるは【豊乳女神の加護・秤濤】を発動、波動による超重力にマウスたちを捕らえ、鎧の重量を盛って彼らを押し潰していく。
「ヂィィィィ……!」
 ぐしゃりと何匹かのマウスが潰れるが、それによって撒き散らされる血や体液もまた病原菌の塊。そして飛び散ったその体液が付着したまま、生き残ったマウスたちは鎧による強化によって強引に飛びあがり、目の前の相手へと噛みかからんとする。
「幸い、生体パーツが無いので病原体を恐れる必要はありませんね……内部機構に侵入されているという事は装甲が貫かれているという事ですので……」
 トリテレイアは機械の体だから通常の病気は心配ないと考える。だが、鎧によって強化されたその牙や爪はそれだけでも十分な凶器。ウォーマシンの装甲さえ貫く鋭さを持ったそれを敵の数だけ受けては、病気など関係なくそれだけで致命傷になりかねない。
 それ故に、取るべき手は敵を近づかせないこと。その全身に格納された兵器を展開し、群れるマウスたちに向かい一気に乱れ打ちをかけた。
「ギャァァァァァァ!!」
 いくつもの弾丸がマウスたちを叩き潰していく。だがそれはマウスたちを恐怖させるには至らず、仲間の体を盾に後続たちは接近をかけてくる。それに対しては、怪力で振るう剣と盾で弾き返していくことでトリテレイアは己を身を守っていた。
「同士討ちが誘えればよかったのですがぁ」
 るこるはあわよくばマウスたちを魅了し同士討ちさせられればとも思ったが、どうやら彼らに魅了はほとんど効果がないらしい。そもそもそこまで高等な感情がなく、その上で病魔と鎧で心身を蝕まれ切っているのだ。そこにあるのはただ目の前のものに襲い掛かり病を撒き散らす、本能にすら支えられぬそんな狂気だけなのだろう。
「さて、なんのことやら。妖精の悪戯やもしれませんね」
 狂えるマウスには目に見える妖精を。トリテレイアは【自律・遠隔制御選択式破壊工作用妖精型ロボ】を放ち、マウスたちの鎧を内部から破壊にかかった。機械に潜り込んで破壊する小悪魔の名を持ったその機械妖精は、まさに細菌の如く鎧の中に入り込んでその機能を麻痺させていく。
「ヂゥゥゥゥ……」
 命知らずの行軍を続けるマウスたちの動きが目に見えて鈍った。鎧の強化機能が破壊され、ただの枷となり始めたのだ。いかに数が多いとはいえ、動けないならばそれはゼロにも等しい。その一体ずつを叩き潰すべく、トリテレイアは剣を振るっていく。あるいはそれは、彼らを病苦から解放する慈悲の剣か。
 一方、壊れた鎧はそれそのものがマウスたちの弱点。それをさらに己の武器とすべくるこるはマウスたちに重力弾を放ち、さらには鎧そのものの構造的な弱点を探して砲撃を振らせていく。こちらはただ邪魔者を排除する、無慈悲なる消毒の雨か。
 牙も爪も使えず鎧も壊れ、既に死に体となったマウスたちを二人は次々と仕留めていく。やがてその攻撃が止んだ時、そこには鉄屑となった鎧の下で潰れ死ぬ大量のマウスの死体が残るのみであった。
 やがてオブリビオンの常として、その死体は消えていく。骸の海で彼らは安らげるのか、それとも病魔とは不可分として苦しみ続けるのか。その答えは誰にもわからない。
「ウイルスを。それが彼らの為にもなると信じましょう」
「そうですねぇ」
 邪魔者がなくなった研究所を、禁断のコンピュータウイルスを求め猟兵たちは進んでいく。アポカリプスヘルから死の嵐が駆逐されればあのような実験を行う必要もなくなるはず。正邪なきプログラムを、その日の足掛かりとするために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月06日


挿絵イラスト