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怨念渦巻く無限回廊

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 迷いの無い人生を素晴らしいと感じるか、つまらないと感じるかは意見の分かれるところだろう。所詮人生とは堂々巡りだとうそぶく者すらいる。ただ、生の終着点は必ず一つ。即ち、死である。
 アルダワ魔法学園に広がる迷宮の一角に住み着いたオブリビオン。怨霊魔導士と呼ばれるその存在は、周辺を無限ループの回廊へと変え、配下と共に来訪者を待ち構えている。彷徨の果ての死、そのものとして。
 やがて迷宮に生命の気配が入り込んでくる。挑戦者が終わりなき迷いの中で死するか、先人の骸に討たれるか、あるいは自らの元へたどり着き死を与えられるのか。怨霊魔導士は静かに、無謀なる者の終焉を待っている。

 ミレナリィドールの少女、ヌヴィエム・ローズ(九番目の薔薇・f13097)は猟兵たちにぺこりと頭を下げた。
「初めまして、猟兵の皆様。グリモア猟兵のヌヴィエム・ローズと申します。呼びづらかったらヌヴィと呼んでくださいね」
 ヌヴィエムは自己紹介も早々に切り上げ、本題に入る。
「今回ご案内するのは、アルダワ魔法学園の地下にある迷宮の一つです。中がその、無限ループになっちゃってて、抜けた先には強力な災魔もいるしで、結構大変なことになってるんです」
 ボスも手強く、学生たちには荷が重い。そこで、転校生こと猟兵の出番というわけだ。
 まずは無限ループとされる迷宮を突破する必要がある。似たような十字路が延々と続き、時折存在する扉が見通しを悪くしている。
「地図で言うと上下左右が繋がってる感じです。ループを抜けられる扉は一つだけなので、見つけてくださいね」
 直感に頼るなりひたすらマッピングするなり、他に何かいい方法を思いつくなりしてとにかく抜けてしまわないと災魔――オブリビオンとは戦えない。
「で、正解の扉の先に手下のガイコツがいっぱいいて、一番奥の部屋にボスの強いガイコツですね。これをやっつければ迷宮はクリアです」
 迷宮のボスと化したオブリビオン、怨霊魔導士を倒せば無限ループも消滅する。
「なので、頑張ってください! 応援してますね!」
 にこりと笑って、右手をひらひら。ヌヴィエムは猟兵たちを送り届けるべく、転送の準備を始めた。


廉内球
 猟兵の皆さまこんにちは、廉内球(かどない・きゅう)です。初めましての方、あるいはそうでない方も、よろしくお願いいたします!

 さて、今回はアルダワ魔法学園の迷宮の一角に挑戦していただきます。
 第一章では無限ループとなった迷宮を突破します。方法はいろいろあると思いますので、ぜひ皆さまらしく迷宮を攻略してください。
 第二章ではボスを守るガイコツの災魔(オブリビオン)と戦います。
 そして第三章で、この迷宮のボスオブリビオンである怨霊魔導士と戦うこととなります。

 それでは、皆さまの素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『ループに勝利せよ』

POW   :    体力と気力でなんとかする

SPD   :    速さと技でなんとかする

WIZ   :    魔法と知識でなんとかする

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セルヴィ・アウレアム
「ループする迷路…ううむ、如何ともし難いもんがあるな。下手ぁ打ったらそのまま迷宮内で野垂れ死にしそうやね。」
「兎も角、一つ一つ印を付けていくのが一番順当な解決策やろねぇ」

●行動:SPD/速さと知識でなんとかする。
扉が脱出のキーであるのなら、探索した扉にマーキングを行っていくのが一番。
背負鞄からダクトテープを取り出し、入り口の扉に「入口」と大きくマーキング。
十字路をまっすぐ進み、正解でない扉にはダクトテープで✕印のマーキングをしていき、✕印が見えたら(ループしたら)十字路を曲がり次の列をマーキング…と繰り返していく。

「ある意味マッピングに通じるモンを感じるなぁ…」



 びび、びー。
 静寂を打ち破ったのは、セルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)がダクトテープを引っ張る音だった。
「ううむ、如何ともし難いもんがあるな。下手ぁ打ったらそのまま迷宮内で野垂れ死にしそうやね」
 これでよし、と今くぐったばかりの扉に『入口』の文字を作ってテープを貼ったら、ダクトテープを大きな背嚢にきちんとしまっていざ前進。セルヴィは快活にして軽やかな足取りで迷宮を進んでいく。
 そのまままっすぐ進むとやがて、扉が一つ見えてきた。
「扉やな。ちょっと開けてみよ」
 蝶番がきしんだ音を立てる。セルヴィが黒い瞳でのぞき込んだ先は、ここまでと全く同じ十字路に見えた。オブリビオンの気配は無い。
「ハズレやね。ほな……」
 ダクトテープの出番再び。びびーっと引っ張って、ドアに大きくバツ印を作る。
「これはハズレの扉。次にこれが見えたら曲がり時やな」
 荷物袋を背負い直し、内蔵スラスターを吹かせてセルヴィはさらに直進を続ける。やがて前方に灰色の大きなバツ印が見えたので、一本隣の通路へ移動。
「ある意味マッピングに通じるモンを感じるなぁ……」
 彼女の地道な努力により、一つ一つ、ハズレの扉が判明していく。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイ・エイド
無限ループって怖くね?!
迷宮でも繰り返す狂気的な行動でも!!
とりあえず、シラミ潰しに歩いてくかねェ?

…適当に歩くだけじゃァ無理だよなァ
しゃァねェ、ユーベルコード使うか

オレはこの迷宮と戦っている!
来いッ!【召喚魔法】!
ああ!!コレは!どこで…も………
あ、ハイ。
どっからどう見てもデカイドリルなんだよなァ
ちぇ、正解に繋がるドア召喚して
手っ取り早く脱出したかったんだがなァ。
まァ、この迷宮に有効だろうし、
幸いドリルは正解の扉がある方向を
ずっと指し示してっから、
壁(もしくは地面)があろうが、
ずっとその方向を掘り進めて
物理的に脱出を試みるぜ!



「無限ループって怖くね!?」
 確かに。場所でも行動でも、繰り返すことそれ自体が狂気的に見えることもある。アイ・エイド(腐れ人狼・f10621)の叫びは至極もっともだった。
 とりあえずしらみつぶしに歩いてみる。ぐるぐる、ぐるぐる。見たことあるような景色を延々と。いくつか扉もくぐったが、迷宮との戦いは間違いなく長期戦に突入していた。
「……適当に歩くだけじゃァ無理だよなァ、しゃァねェ」
 こんな時のためのユーベルコードだ。アイは腕を突き出し叫ぶ。
「魔法は苦手なんだが……来いッ!! 召喚魔法(サモン・エラー)!」
 直後、迷宮内をまばゆい光が照らす。この迷宮との『戦い』に有効な何かが召喚されてくるはずだ。アイが期待とともにその目を開けると……。
「ああ!! コレは! 正解に通じるド……ア……?」
 違った。ドアではなかった。どこからどう見ても完璧なドリルだ。人一人通れるサイズの穴を開けるには最適。それを見てアイは理解した。掘れ、ということだ。
「あ、ハイ……んじゃ掘るか。……ん?」
 アイがドリルを持ち上げる。が、その先端はある一方向から動こうとしない。まるでコンパスのように何かを指し示している。
「なるほど! この方向に掘れってことかァ、よっしゃ!」
 意気揚々とドリルを駆動させるアイ。壁を削る騒音も気にせず、目指す方向へどんどん進んでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​

上垣・重
なるほど、こういった風に精神を消耗させるという手もあるのですね。悪い趣味なので勉強にはなりませんけども

無限ループ攻略は、一先ず王道に自分の周りに電脳メモ的なものを顕現させてダンジョンRPG的なマッピングを作っていきます。
扉を見つけるまでは適度に曲がったり、進んだりという感じで。敵が出るわけではないようですしね。

扉を見つけたら警戒しつつも開けます。扉があるという事はループの境目という事だと思うので魔術的な【ハッキング】をその境目に仕掛けますよ。
敵が待ち受ける場所は一箇所ということなので何処か違和感がある場所を目指しつつ無限ループの構造を【情報収集】して、本物の扉の情報を探したいと思います。



「なるほど、こういった風に精神を消耗させるという手もあるのですね」
 上垣・重(虚飾の魔人・f00260)は最初に見つけた扉を慎重に開け、その代わり映えしない景色に小さくため息をついた。
 入口からしばらく歩き、適当なところで曲がり、また進んで。その間何も変わった風に見えない迷宮は、実はもうループしてしまっているのではないかと錯覚すらさせた。しかしこうして扉にたどり着いた。重は電脳メモにこれまでの道筋を記録すると、伏せた金の瞳をキューブに向ける。
(「きっと、ここが境目……」)
 無限ループは常ならざる、魔術的な仕掛け。目星をつけた重は一度扉を閉め、その表面にそっと手を触れる。要領はハッキングと同じ。正解の扉は、必ず他と違うはずだ。
 魔力の流れを読み取り、結果を電脳マップに反映していく。現れたのは碁盤の目状の地図だった。特に魔力が強い場所が扉だと分かる。やや流れが阻害されている扉が一塊、恐らく他の猟兵の攻略結果。魔力が途切れている場所は……扉が破壊されたのだろうか。
 そして、作られたマップを一通り眺めた重は、ついにその場所を見つけた。
「なるほど、ここですか」
 その口元が弧を描く。この迷宮の四方四辺に無数に存在する扉、その中に一つだけある、魔力が流れていない場所。その扉の先が物理的に地続きであることは明白だった。
「分かってしまえば、後は行くだけですね」
 重はゆっくりと歩き始める。自分の場所と目的地が分かってしまえば、足取りも心の負担もずっと軽かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネロ・バロック
シーフの直感で迷宮を踏破するぜ。
…と、無策で行くのも悪くねぇがちったあ頭も使うかね。
マッピングをしながら迷宮を進む。
正解の道があるってことなら何らかの形跡やヒントが有ってもおかしくねぇな。
じゃねぇと間違えたら戻れなくなっちまうからよ。
足跡の量や部屋の壁にヒントがないか注意を払いつつ進もうかい。



「あーぁ……まるで牢獄だぜ」
 薄暗く冷たい石造りの構造物、その湿った空気に辟易しながら、ネロ・バロック(羅刹の黒騎士・f02187)は紙を片手に迷宮へと侵入した。
「ちったあ頭も使うかね。どれ……」
 十字路を一瞥。足跡は三つ、一つは直進、一つは曲がっており、もう一つは……。
「この穴、誰かが開けたのか」
 人一人なら通れる穴が、一直線に暗闇へと続いている。しかしこれが正解かどうかはネロには分からない。盗賊の勘は、すぐに信じるのは危険だと告げていた。
「まずは直進、と」
 間違っていたら回れ右で元の場所に戻るはず。やがて、バツ印のテープが貼られた扉にたどり着く。
「この足跡、しらみつぶしに歩いてマーキングってとこか」
 マップに書き込み、ネロはさらに歩みを進めた。
 しばし迷宮を歩き回り、地図は埋まれど壁も床もこれといって特徴がなく、先に攻略を始めた猟兵が残したとおぼしき痕跡程度しか、めぼしいものは見つからない。しかし。
(「ん? この足跡……一回行って、戻ってきてんな」)
 見つけた人間の痕跡。入口からとおぼしきものは歩幅が小さく、慎重さが読み取れた。一方、戻る方は歩幅が広がっている。
(「なるほどねェ……」)
 言葉にするよりも早く、直感が答えを出す。これは目的地を知った者の足跡に違いない。ネロは慎重に、しかし大胆に、その足跡を追っていくことにした。 

成功 🔵​🔵​🔴​

霧島・カイト
妨害を喰らわない程度に行くしか……無いか。

【WIZ】にて。
【情報収集】の要領で予めマップを作成していく準備。
魔術的な痕跡などが残されていれば【高速詠唱】【早業】を活かし
手早く【ハッキング】し、情報を解析しながら進む。

先に進んだ者が痕跡を残しているのならば活用可能な筈。
逆に言えば痕跡以外は辿りにくいと見ている為、
自身のマッピングに情報を合わせながら情報を精査し、正解へ進む。

「無限回廊と言えども、魔術現象などであれば『こちら』の土俵でもある筈だ」
「……その術式、解析(み)させてもらうぞ」
【※無感動キャラなのでアドリブの際は注意。困ったらドラゴンランスの『たいやき』を動かして下さい】



 無限回廊の入口で、霧島・カイト(氷獄喪心の凍護機人・f14899)はふと振り返った。カイトを不思議そうに見上げる仔竜【たいやき】と、テープで作られた『入口』の文字が目に入る。
「……痕跡は利用できるか」
 バイザー型の電脳ゴーグル『破軍の睥睨』を押し下げて、カイトは電脳世界にマップを用意した。試みに直進し、ややあって最初の扉にぶつかる。
「……」
 開ける。……何も無い。無いが、扉をくぐったその瞬間、電脳ゴーグルが魔力の動きを感知していた。
(「……ループしたか」)
 玄関を開けたら小雨が降っていた、くらいの無感動さで現在位置を確認し、マップに書き込むカイト。さらに振り返ってもう一度扉をくぐると、電脳魔術が元いた場所に戻ったことを伝えてきた。
「……その術式、解析(み)させてもらうぞ」
 カイトは扉に触れ、数秒とたたず魔術的なハッキングを完遂し、扉の対応情報を手に入れた。それを何度か繰り返し、先に迷宮攻略に乗り出した者たちが残した痕跡と魔術情報を組み合わせていく。
 やがてこのループの法則性が見えてきた。その法則から外れた場所にある扉が正解とみて、カイトは迷わず進んでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『死霊兵』

POW   :    剣の一撃
【血に濡れた近接武器】が命中した対象を切断する。
SPD   :    弓の一射
【血に汚れた遠距離武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    連続攻撃
【弓の一射】が命中した対象に対し、高威力高命中の【剣の一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 たった一つの正解の扉を見つけ出し、ループを抜けた猟兵たち。扉の向こうに広い玄室が見えたことが、さらなる確信に繋がる。見飽きた十字路はもう、ここにはない。
 奥へと進むと、薄暗い部屋の中に白いものが見えた。それらは猟兵たちの訪れを察知し、長い眠りから目覚めていく。かたかた、かたかたと乾いた音を鳴らしながら、無数の死霊兵が猟兵たちを出迎えた。
霧島・カイト
単純な統率程度で俺の演算を掻い潜る事など、出来はしない。

【高速詠唱】より素早く【氷戒装法『破軍の執行者』】を発動。
弓の攻撃を【見切り】回避しつつ【早業】で直ぐ様、
凍てつく波動と【属性攻撃】で強化したドラゴンランスで【串刺し】に。
遠距離であっても同じ軌道の方向に投射すれば対応する暇も無い筈だ。

もし、味方が被弾しそう、あるいは避けきれない場合は【かばう】。
被弾前提の防御は、【見切り】を活かしつつ、
【早業】で【オーラ防御】を展開、氷壁による【盾受け】を重ねる。
【激痛耐性】もある。その程度では動じない。

【※無感動キャラなのでアドリブの際は注意。困ったらドラゴンランスの『たいやき』を動かして下さい】


上垣・重
無事に無限ループ突破出来ましたね。突破出来たという事はつまり──言われていた通りにどうやら沢山居るようで…
過去は過去へと還って頂きましょう。これが猟兵としての仕事ですしね。

好き好んで攻撃に当たりたい訳ではないので周りの風景を【迷彩】としてマントにつけて自分を【目立たない】ようにはしておきます。
こちらは距離を取って【エレクトロレギオン】で遠距離型の機械兵器を呼び出して、兎に角連射です。
相手は弓を持っているようなので距離を取ってもこちらへ撃ってくるかもしれませんが、それはそれで機械兵器を壊そうというヘイトを稼いで【時間稼ぎ】をすれば他の方がある程度敵に近づけるって事でしょうしね。



 あざ笑うかのように骨を鳴らす死霊兵に対して、二人の電脳魔術士が先陣を切った。
「言われていた通りにどうやら沢山居るようですね」
 上垣・重は目立たぬようにマントを使って周囲に溶け込み、密かに小さな機械兵器を召喚する。その数は45。死霊兵が射かける矢にいくらか当たって消滅するも、小型ドローンはひるむこと無くオブリビオンの群れに突撃していく。
「これで上手く時間を稼げればいいのですが」
「一秒あれば十分だ」
 敵の目――無論虚ろな空洞ではある――が重のユーベルコードに集中している中、霧島・カイトは素早い詠唱で氷戒装法『破軍の執行者』の発動を終えていた。迷宮に染みる冷たさとは異なる、鋭利な冷気が形成され、カイトの周辺の空気が凍結してキラキラと輝く。
「たいやき」
 何の感情も乗らない、平坦な声で相棒を呼ぶ。たいやきは応えてドラゴンランスの形状へと変わり、カイトの手へと収まった。
 カイトの突撃を受け、もとより乱戦となっていた死霊兵がさらに押さえこまれる。ボスへの扉を守る目的があるとはいえ、指揮官無しの烏合の衆だ。カイトが凍てつく波動を放って一体を凍結せしめれば、その隙を狙ったオブリビオンを小型機械の群れが阻む。近づいた死霊兵はドラゴンランスに串刺しにされて、既に過去となったその命を再び終えた。それら全て、計算された動き。
「これは、支援のし甲斐がありますね。……おっと」
 こちらを狙う弓矢に気付き、重が機械を差し向ける。その身を挺して一機が落ちたが、それ以外は群れなしてオブリビオンの視界を塞ぎにかかった。
「単純な統率程度で俺の演算を掻い潜る事など、出来はしない」
 まして後方支援があればなおさら、本能的に死者を増やそうとするこの怨霊たちと、猟兵の差は歴然となる。やがて最後の一体がカイトに打ち払われて、物言わぬ白骨に戻った。
「これで一段落ですか、お疲れ様でした」
「無事か」
「ええ、この通り隠れていましたので」
 重はマントを示してみせる。かぶってしまえばこの暗がりで、発見するのは困難と思われた。事実、重にはほとんど攻撃が向かなかった。それは工夫の賜物であり、カイトが前に出て敵意を集めたことも要因だっただろう。
「そちらは?」
 問われたカイトが首を横に振る。問題ないということだと判断した重は奥の暗がりに存在するひときわ重厚な扉に視線を向けた。
「……では、進むとしますか」
 カイトがうなずき、猟兵たちは次の部屋へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ネロ・バロック
大立ち回りだ。
剣をぶん回しながら骸骨どもに切りかかってやるぜ。
器用に闘うよりもこっちのほうが性に合ってるからなァ。
パワーに任せて羅刹旋風をお見舞いする。
他にも猟兵がいたら動きを合わせて強調してやらぁ。
生命力吸収と盗み攻撃も加えながら闘うぜ。


コロッサス・ロードス
●戦術
自身の『武器受け』『盾受け』『オーラ防御』『見切り』等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばう』事で被害を抑える為にも、敵群に肉薄して『おびき寄せ』攻撃を誘う
但し闇雲に突出する愚は冒さず、自身は確実な戦線維持に重点を置いた闘いに徹す
捌けぬ程の集中攻撃やユーベルコードに対しては適宜【無敵城塞】使用

●攻撃
己の『怪力』と『鎧砕き』の技で敵の防御を崩し、二の太刀でその隙を穿つ『2回攻撃』を基本とする
また剣による攻撃はその剣筋を『見切り』、『カウンター』を狙う

●心情
迷宮で命潰えし死霊達よ
二度と戻らぬ命ならば、その身を打ち砕いて土に還すのがせめてもの情け
……願わくば魂だけは風の如く自由にならんことを



 ネロ・バロックとコロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)の前に、無数のオブリビオンが立ちはだかった。
「出やがったな。じゃ、大立ち回りだ」
 剣呑な動作で黒剣を構えるネロに先んじ、コロッサスが剣を手に前に出た。その長身から繰り出される鉄塊剣【終焉砕き】の一薙ぎで、死霊兵が吹き飛んでいく。
「迷宮で命潰えし死霊達よ、この金剛神将が相手となろう」
 風化しつつある鎧の残滓を【金剛夜叉】で砕き、複数のオブリビオンを相手に一歩も引かぬ奮戦を見せるコロッサス。包囲されること無く戦線を維持し、ネロが羅刹旋風の力を溜める時間を作る。
「ん? おい、危ねェ!」
「心配無用だ!」
 たとえいかなる英雄であれ、無数の刃を全て防ぐことは不可能に近い。だが、ネロの警告と同時にコロッサスはユーベルコードを発動。文字通りの無敵城塞となったコロッサスに、死霊兵の朽ちた刃は傷一つつけることがでない。発動中は身動きが取れないという弱点に乗じ、群がった死霊兵たちはなおも執拗に剣を打ち付ける。その状況を打ち破ったのは、振り回され遠心力を得た黒剣の一振りだった。
「待たせたなァ、ここからが本番だぜ?」
 ニィと笑って、ネロは勢いよく刃を打ち付けた。死霊兵の骨が砕け、頭蓋が壁まで飛んでいく。回転の勢いのまま次のオブリビオンへと剣を打ち付け、崩れ落ちる白骨から獲物を拝借。もとより脆い剣を折る勢いで叩きつけ、壊れれば次の剣を奪ってオブリビオンたちを掃討していく。
「おかげで助かった」
「こっちこそ。だがまだいやがるぜ」
 攻防一体となった二人の猟兵はまさに暴威の旋風。荒々しくも確かな力が死霊兵を骨へ、土へ、過去へと還す。
 やがて嵐が過ぎ、玄室に動く者はネロとコロッサスだけとなった。次の部屋に進もうとするネロは、コロッサスがその場に留まっていることに気付いて振り返った。
「……願わくば魂だけは風の如く自由にならんことを」
 もはや動かぬ白骨に、祈りを手向けるコロッサス。
「真面目だねェ」
 ネロは茶化すように笑う。だがその行いを妨げはせず、一人で先に進むでもなく。羅刹はただ、藍の双眸で見守っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アララギ・イチイ
途中から失礼するわねぇ
で、このカルシウムの塊である連中をなんとかすればいいのねぇ?

【召喚・自爆型UAS】で護衛役を召喚、自身の周囲に浮遊させて光線砲で私への【援護射撃】させるわぁ
私は浮遊砲台の30mm機関砲×2を呼び出して左右交互撃ちによる【2回攻撃】で弾幕の【範囲攻撃】よぉ
近接されたら、擬似神経ナノフィラメントを【念動力】で操作、相手に巻きつけて動きを封じたり、【怪力】で振り回して壁とか天井とかに叩き付けるわぁ

防御手段としてシールドビットを【早業】で展開、敵の攻撃を【見切り】、【盾受け】、近接距離なら改造ブーツによる【串刺し】のドリルキックで【カウンター】を狙ってみるわぁ


アウグスタ・ヴァイマール
アルダワを守護するヴァイマール家の者として、災魔は見過ごせませんわ!

かつて挑んだ者達が死霊と化す……
迷宮においてそう珍しい話ではありませんけれど、仲間になるのは遠慮させて頂きたいですわね

アウグスト、ヨハネス、全力でいきますわよ
赤と黄に淡く光る人工精霊が必要な魔法力を速やかに供給してくれますわ

【全力魔法】で大規模な火山活動を顕現しますわよ
流れ出す溶岩流が敵の接近を阻み
撃ち出す無数の巨大な火山弾は敵を蹂躙するだけでなく、弓矢からの守りも兼ねていますわ

火と地の高度な【属性攻撃】
――大自然の猛威を堪能するとよいですわ



「アルダワを守護するヴァイマール家の者として、災魔は見過ごせませんわ!」
 誇り高くしとやかに、アウグスタ・ヴァイマール(魔法学園のエリートお嬢様・f02614)は玄室に足を踏み入れる。もう一人、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)はのんびりと、災魔の待つ部屋へと侵入を果たした。
「失礼するわねぇ。……で、このカルシウムの塊である連中をなんとかすればいいのねぇ?」
 アララギの眼前で、カルシウムの塊……もとい死霊兵がゆっくりと起き上がる。
「ええ。あれの仲間になるのは遠慮させて頂きたいですわね。アウグスト、ヨハネス、全力で行きますわよ」
 己の人工精霊に呼びかけ、アウグスタが詠唱を開始する。赤と黄色の光が尾を引いてアウグスタに従い、その全霊の大魔法を支援している。思わず進撃の足を止めた骸たちの前に現れたのは――巨大な活火山。流れ出たマグマの輝きが玄室をまばゆく照らし、火山弾が雨あられとオブリビオンへ降り注ぐ!
「大自然の猛威を堪能するとよいですわ」
 それだけの魔法を操りながら、優雅な微笑みを崩さないアウグスタ。一方、大量にいるが故に逃げ場をなくした死霊兵たちが次々と炎に飲まれ、大岩に押しつぶされていく。それらから逃れた幸運な個体を待っていたのは、複数の浮遊砲台だった。
「まだよぉ? 召喚・自爆型UAS!」
 にっこり笑って護衛用のドローンを召喚するアララギ。丸いボディに光線砲と大出力魔力炉を搭載した、用途多彩な代物である。
「えーと……援護射撃をさせるには……もぅ、調べる間にこっちで撃っちゃうわぁ!」
 説明書を高速でめくりながら、使い慣れた【多銃身機関砲(浮遊砲台仕様)×2】でオブリビオンを攻撃するアララギ。
「あったわぁ!」
 途中から操作方法を把握したアララギが、射撃を強化する。浮遊するドローンは溶岩の海を越え、岩陰に身を隠した死霊兵を容赦なく撃ち抜き、文字通りカルシウムの塊に変えていく。
 やがて、一方的な蹂躙とも呼ぶべき戦いが終わり、魔法で生み出された火山が消滅する。玄室には何事もなかったかのような迷宮の静謐と、オブリビオンの残骸だけが横たわっていた。
「折角いろいろ備えてきたのに、つまらない相手だったわぁ」
「失礼、やりすぎてしまいましたわね」
 穏やかな微笑みをたたえるアウグスタがスカートをつまみ一礼する。
「いいよのぉ、あんまり面白そうな相手じゃなかったものぉ」
 白衣を翻してアララギは奥へと向かい、アウグスタが続く。ドラゴニアンの少女二人が去った玄室は、真に静寂に包まれた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『怨霊魔導士』

POW   :    死霊兵団
【骸の海に揺蕩う罪人達】の霊を召喚する。これは【血に濡れた近接武器】や【血に汚れた遠距離武器】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    死霊の嘆き
レベル×1個の【呻き声をあげる人魂】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    死霊の誘い
【昏い視線】を向けた対象に、【忌まわしい幻影と心を抉る言葉】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 自らの眷属が朽ちたことを悟り、怨霊魔導士は白骨と化した顔を上げる。死霊兵たちでは相手にならぬ挑戦者に、魔導士は骨を鳴らして笑った。それほどまでに強き者であれば、自ら死を与えるに相応しいだろう。
 死者の怨念の炎が、骸骨を照らしてゆらりと揺れる。迷宮のボス・怨霊魔導士は、猟兵たちの到来を静かに待っている……。
アララギ・イチイ
んー、今度はなんか豪華なカルシウムが出てきたわねぇ
粉末にして漢方薬として売り出してみようかしらぁ

【早業】の【武器改造】で砲身+砲機関部+動力炉を合体させて使用よぉ(名称は重魔力砲
その状態で【主砲・重砲撃モード】を起動だわぁ
代償の魔力源は前回の集団戦で使用した自爆型UAS、全UASに【捨て身の一撃・全力魔法】で魔力炉を自壊寸前まで限界駆動、搾り取った魔力を【力溜め】でチャージして、重魔力砲から【スナイパー】の技能で補正して敵に発射してみるわぁ

上記の行動で時間稼ぎが必要な場合は機関砲の浮遊砲台を取り出して、【援護射撃】による【2回攻撃】の連続牽制射撃かしらぁ


霧島・カイト
生憎、骨格ばかりは単調に思う物も多そうだ。此処で終いにしよう

【氷戒装法『破軍の執行者』】を【早業】【高速詠唱】で起動。
攻めは相手のゆったりとした衣服を巻き込むように
凍てつく波動と【属性攻撃】で強化した氷の槍で【串刺し】にしていく。

命中率が高いならばそもそも『受けた』方が良いな。
味方への攻撃は勿論【かばう】。
【見切り】した上で【早業】【高速詠唱】で【属性攻撃】での氷の壁を展開。
【盾受け】【オーラ防御】【激痛耐性】で攻撃を受け切ろう。
「――そうか、俺の簒奪された感情を励起させようというか。だが、残念だが、無駄だ」
「……俺は、それをいつか振り払わなければならん。その程度の紛い物で抜けると思うな」



 扉が重苦しくきしんだ音を立てて開き、薄暗い迷宮の最奥に、二人の猟兵が到達した。うち一人、少女の周辺には球状の砲台が浮かんでいる。入ってきた犠牲者を、豪奢な衣服を着込んだ白骨が出迎えた。
「んー、今度はなんか豪華なカルシウムが出てきたわねぇ」
 のんびりとした口調の横で、先の戦いで残っていたドローンの魔力炉がうなりを上げる。手持ちの武器を手早く組み上げるアララギ・イチイ。
「生憎、骨格ばかりは単調に思う者も多そうだ。此処で終いにしよう」
 霧島・カイトが進み出る。その口元は高速で氷戒装法『破軍の執行者』の詠唱を終え、死よりも冷たき氷の魔術を呼び起こす。冷気が柱となり、氷の槍へと変わっていくその瞬間、カイトは怨霊魔導士の眼窩からおぞましい視線を感じ取った。
「――そうか、俺の簒奪された感情を励起させようというか。だが、残念だが、無駄だ」
 その攻撃は幻影に過ぎず、カイトが何を見せられているのか、アララギには分からない。けれど。
「ほっとけないわぁ。お待たせぇ、【主砲・重砲撃モード】、起動だわぁ」
 いかなる呪言もかき消さんばかりの駆動音を唸らせながら、ドローン全機が限界まで魔力を供給する。
「粉々にして漢方薬として売り出すんだからぁ……大人しくしててねぇ」
 撃ち放たれた主砲。発射音が迷宮を揺らした。反応した怨霊魔導士は死霊の群れを召喚、数体がオブリビオンの盾となるが、砲弾は身を挺した罪人の死霊たちをも打ち砕き、怨霊魔導士に迫る!
 一瞬の後、乾いた破砕音と石壁を破壊する音が響き渡った。オブリビオンの白い骨の破片がぱらぱらと舞い、カイトの作り出したダイアモンドダストに混ざっていく。
 残った死霊集団の攻撃に、即座に氷の盾を生み出し対抗するカイトは、幻影にさいなまれながらも未だ感情の乗らぬ声音で告げた。
「……俺は、それをいつか振り払わなければならん」
 カイトは清廉な氷の槍で血塗られた武器をはじき、死霊兵を打ち払って怨霊魔導士との間合いを詰めていく。なおも襲いかかろうとする死霊がアララギの援護射撃に倒れていくが、カイトはそれに見向きもせず、ただ一直線に怨霊魔導士に迫っていく。
「その程度の紛い物で抜けると思うな」
 カイトの瞳がまっすぐに死霊魔術師を睨む。直後、氷の槍がオブリビオンの衣服を、骨をも串刺しにした。荒れ狂う氷の魔術はさらに凍結を広げ、怨霊魔導士の虚ろな身体を床に縫い止める。
「凍らせたら砕きやすいかもねぇ」
 脱出しようともがく死霊魔術師を見て、アララギがのんびりと言う。一方カイトは命を削る魔術を一時解除し、油断なく次の動きに備えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アララギ・イチイ
これで(動きが止まったので)狙い易くなったわぁ
火力不足みたいだから、今度はこっちの主砲を使用してみようかしらぁ?

【主砲・集束砲撃】を使用するわぁ
機関砲、速射砲の【一斉発射】の弾幕射撃を敵の召喚して来た増援に浴びせながら魔力を【力溜め】でチャージよぉ(ボスの凍結を破壊しない様に注意して射撃

敵の射撃攻撃はシールドビットを【早業】で展開、【盾受け】で防御、近距離なら、【念動力】で加速させて体当りさせるわぁ

限界までチャージが完了したら、両足の改造ブーツのドリルを地面に突き刺して反動固定用のアンカーにして射撃姿勢を取り、口からチャージした魔力を敵に叩き込むわぁ、どうせまだ生きてるだろうけどぉ(メタ


ネロ・バロック
連携歓迎だ。強敵だもんな。居合わせた奴と手を組むのも面白ェだろうよ。
ま、いなかったら好きにやらせてもらうぜ。

【POW】で目一杯大剣を振るってやらぁ。
シーフの敏捷さで一気に距離を縮めて、【盗み攻撃】でヤロウの注意を武器にそらす。その際は【生命力吸収】を加えて被ダメを抑えるぜ。
隙を見つけたら【捨て身攻撃】【鎧砕き】を併用して羅刹旋風をブチ込んでやる。「多少の痛みは覚悟の上だ骨ヤロウ。――喰らいやがれ!」
トドメにならなくとも肩当ての一枚くらいは剥がしてやらァ。

俺は闘い方が羅刹旋風


上垣・重
服飾豪華になってまさにボスといった雰囲気。此処で雑魚だけけしかけず自分も戦線に加わっていたら多少違っていたのではないですかね。まぁ過程が違うだけで結果は同じでしょうけど。

自分の周りに屑鉄の魔導書を展開しつつUCの【Code:Pride】を使用。周りの猟兵の方々の動きを見つつ、大きめに距離を取っていきます。
炎には炎という事で炎【属性攻撃】で相手の炎を【範囲攻撃】で【なぎ払い】していきます。
量を削れれば良し、牽制になっても良しですね。
炎を合体させる素振りを見せれば本体の方へと物理的に殴りかかって炎強化への【時間稼ぎ】をします

魔術で学べる部分があれば学んでいきたかったですが、今回は収穫無しですかね…


アウグスタ・ヴァイマール
彼方が先の死霊たちを操っていた元凶ですわね
ヴァイマールの名の下に骸の海へ返させていただきますわ

フィリップ、ベルンハルト、出番ですわよ
青と緑の淡く光る人工精霊に魔法力の供給を任せ、2丁精霊銃で戦いますわ

まずは敵の放つ炎の迎撃を行いますわ
高速で撃ち出す弾丸は水と風の【属性攻撃】
雨氷の如き凍れる水の弾丸を嵐のようにお見舞いし、炎を全て撃ち落してしまいますわね

迎撃中に精霊銃の最も有効な射程距離まで接近しておいて、撃ち落しが終わり次第速やかに本命の攻撃を

敵の態勢が整わない隙を突いて【全力魔法】の出力を乗せた強烈な雷鳴舞踏をお見舞いしますわ

貴方のダンス、なかなかお上手でしたわよ



「火力不足みたいだから、今度はこっちの主砲を使用してみようかしらぁ?」
 氷の海からようやく抜け出そうとする怨霊魔導士に機関砲を浴びせかけ、アララギ・イチイはオブリビオンの隙をうかがう。だがなおも生み出される死霊の兵隊が向かってくる。アララギはシールドビットを素早く展開し対抗するが、決め手の主砲のためのチャージを行う時間が作れずにいた。
 そこに、複数の足音が追いついてきた。
「お待たせいたしましたわね。今度は私が、援護いたしますわ」
 人工精霊を従えて現れたアウグスタ・ヴァイマールが、魔導蒸気銃【キューン】 と魔導蒸気銃【ヴィレンベルグ】の二丁を構えて前に立つ。
「足が自由ならちょうどよろしいですわね。さあ、美しく舞ってごらんなさい」
 直後、アウグスタの二丁精霊銃から水と風の属性弾が嵐のように打ち出される。対抗して飛ばされる炎を飲み込んで撃ち落とし、怨霊魔導士に吸い込まれるように向かっていく。その衝撃でオブリビオンがたたらを踏んで動きを止める。
「あらあらお上手ですこと! もっと踊っていただける?」
 着弾する弾丸とアウグスタが歩み寄る足音、そして災魔が足を踏みならす音が合わさる、それはまさに雷鳴、迷宮の最奥で死の舞踏会が開かれる。ダンスは淑女の嗜み。貴族たる者、不得手な相手をリードするのもまた務めだ。
「悪ィがこっちも時間が欲しい。頼めるか?」
 ネロ・バロックが【名無しの魔剣】を構え、勢いをつけて振り回し始める。視線で上垣・重の助力を乞うと、重はゆっくりとうなずいた。
「では僕も攻めましょう。炎には炎です」
 重の周囲に屑鉄の魔導書が展開され、その拳には炎の魔術が宿る。飛んでくる人魂を腕の一薙ぎで消滅させ、その勢いのまま高速で怨霊魔導士へ接近し、殴りつける。敵の骨が砕ける感触が重の拳に伝わってきた。重はそのまま反対方向に跳び、人魂を打ち払いながら災魔の注意を引きつけている。
「感謝するぜ、見てな!」
 やがて力を溜め終えたネロが、勢いのまま死霊の群れに突入する。剣になぎ払われ、消滅していく亡霊の軍団。その暴威を逃れた一団の剣がネロの肌をかすめるが、ネロはひるまず突き進んでいく。
「多少の痛みは覚悟の上だ骨ヤロウ。――喰らいやがれ!」
 それがとどめの一撃にならずとも。自らの安全を省みぬ無謀とも言える突撃の末、執念の一撃が振るわれる。その豪快な剣は、身を守ろうとした怨霊魔導士の両腕を砕いた。
「今だ! やっちまいなァ!」
 ネロがアララギへと叫ぶ。彼女の口元には限界までチャージされた魔力の光球。その前方には何も無い。ネロの突撃が射線を強引に切り開いていたのだ。
「チャージ完了、いっくわぁ」
 アララギはブーツの靴底についたドリルを迷宮の床に穿つと、即座に射撃姿勢を取り、魔力を前方へと解放した。一瞬、迷宮が光に飲まれる。そしてその光が消え去ると、怨霊魔導士は焼け焦げた胸部から細い煙を上げながら、どうと地に倒れ伏した。
「そんな風に倒れてぇ、どうせまだ生きてるでしょぉ?」
 砲を構えたまま、慎重に歩み寄るアララギ。だが重は、動く様子のないオブリビオンを見て首を横に振った。
「これでおしまいのようです。まさにボスといった雰囲気でしたが、雑魚だけけしかけず自分も戦線に加わっていたら、多少違っていたのではないですかね」
 もっとも、結果は変わらなかっただろう。悪手を重ねた敵の策は今後の参考にはならず、魔術においても学ぶところの無かった重は肩をすくめる。
「それでも学園を脅かす災魔、ヴァイマールの名の下に骸の海へ返すべき存在ですわ」
 人工精霊【フィリップ】と人工精霊【ベルンハルト】、青と緑の光が、決意に満ちたアウグスタの横顔を照らす。
「なァ、さっさと帰らねェか? 倒せたんなら迷宮化も解けてるって話だし、いい加減太陽が見てェ」
 ネロがオブリビオンの骸に背を向けた。猟兵たちはそれぞれに部屋を出て、最後に骨を拾ったアララギが続く。

 そして無限回廊だった場所に戻った猟兵たちを待っていたのは、ほんの短いまっすぐな通路だった。過去は討たれ、無限のループはもはや無い。猟兵たちはまっすぐに、迷宮の出口へと――未来へと、進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月11日


挿絵イラスト