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【サポート優先】少女前夜祭(作者 八月一日正午
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#ダークセイヴァー 


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#ダークセイヴァー


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●嵐も知らぬ真夜中に
 かつてこの地を治めた貴族の家系には、体の弱い娘ばかりが産まれたのだという。
 薬で命を永らえて、嫁入りの年頃まで漕ぎつけたとしても――子を産むことには耐えられない。それは即ち、他の貴族と血肉で繋がる手段が乏しいということだ。家は衰退の一途を辿り、ヴァンパイアの支配が始まる頃には既に平民同然の暮らしをしていたとか。
 祖父から聞いた昔話の真偽は定かではない。
 ただ、家に伝わる習わしに従って修道院に入り、病を抱えた体のわりには長く生きられた。カローラはそれだけの女であった。

 貧しいというのは、なにも悪いことばかりではなかった。痩せた土地から搾り取るものがないからか、領主はこの町にあまり興味を示さないのだ。
 無論、支配下にはあるのだが――黙って働いてさえいれば、日々はそれなりに穏やかに過ぎていく。住民たちは修道院を頼りにし、有難いことに自分を慕ってくれている。
 誰かと愛し合う夢を見なかったとは言わないけれど。
 信仰に全てを捧げる人生に、ささやかながらも満足していた。
 神に祈りを。
 民に救いを。
 花の祭壇に生贄を。

「――やっぱり無茶だ! 修道院で、娘たちをみんな預かるなんて」
「いくら貴女の言うことでも……」
 門前で訴える男たちに、カローラは穏やかな笑みで相対する。語気の荒いほうは酒蔵の主人で、もう片方は町外れに住む炭焼きだったか。どちらも頭が切れて頼りになるけれど、こういう時には困りものだ。
「貴方の家の、ルーナさん。十四にもなって人前で吃りますよね」
「それは……、あいつは小さい頃からそういう奴で」
「病に違いありません。必ずや神は救ってくださいます」
 それで何もかも上手く行く。
 修道院の地下室に、埃を被った教典を見つけたのが全ての始まりだった。ヴァンパイアによる焚書を逃れた、失われたはずの神の教えがこの手の内にある。――これは、奇蹟だ。闇に覆われた世界に差した一筋の光だ。
「……うちのミエルはまだ子供です。まだ母親と離すわけには」
「虫の卵を拾ってきて、部屋で孵して、楽しそうに笑っていたと聞きました。その時は大騒ぎだったとか」
「だから、そんなの子供のすることじゃないですか!」
「けして見過ごしてはなりません。この地に迫る魔の兆しを、誰もが気付かぬままでいる」
 病める少女の生命に、価値を与えることが『我ら』の戒律だ。
「一月、いえ、一晩で良いのです。どうか私を信じていただけませんか――?」

●グリモアベース
「舞台はダークセイヴァーだ。修道院を預かる女性が、町の若い女の子を全員集めて、地下室に閉じ込めて、殺す。……ただ殺すんじゃなくて、順番に、痛めつけるような方法で」
 グリモアの齎す予知の中で、見るに堪えない未来を視たのだろう。臥待・夏報(終われない夏休み・f15753)はこめかみを押さえて重い息を吐いた。その一息で、切り替えたように顔を上げる。
「今から向かえば、ぎりぎり救出することはできる――そういうわけで、急ぎだよ。身体が空いてる人はちょっとでいいからその手を貸して」

 留意事項は話しておくね、と前置きをして。
「カローラというひとはね、本来は善良な修道女なんだ。災厄を招いているのは彼女が持っている『教典』のほう」
 平穏を望む聖職者に憑依して活動する、意志ある狂気の戒律――それがオブリビオンの正体だ。厳密に言えば教典ですら本体ではなく媒介にすぎないのだが、書物としての形を破壊すればひとまず影響を取り除くことができるだろう。
「家柄もよく、人望の篤い女性でね。町の人たちも不審に思いはしたけれど、彼女がそこまで言うなら、って従ってしまったみたい。だからこそ狙われたのか……あるいは、この余興のために生かされていたのかもしれないな。ダークセイヴァーはそういう世界だ」
 夏報の言葉は、裏で糸を引く何者かの存在を念頭に置いている。
「妙なんだよ。見せつけるような手口のわりには、事件は地下室という密室で起こる。まるで――猟兵《ぼくたち》という観客が来るのを、期待しているようだった」

 かの世界には、猟兵を誘き出す為の罠を張るオブリビオンが居ると聞く。
 予知の示した殺戮は、その前夜祭といったところか。

「……まずいと思ったらすぐ帰って来てね。夏報さんも、転送頑張るから」
 転移の光が、君たちを包む。





第2章 集団戦 『隷属から逃れる術を知らない少女達』

POW ●命より重い忠誠を誓おう
【忠誠を誓った者から授かった力】に覚醒して【命を省みず戦う戦士】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD ●主のためなら限界すら越えて戦い続けよう
【主の命令書を読み限界を超えた捨て身の攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ ●主人に永遠の忠誠を誓おう
【忠誠を誓う言葉】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●薄鈍の行進
 修道院の門前に。
 真夜中の町の表通りに。
 ――物乞いをする孤児と見紛うような、惨めな姿の少女の群れが歩いている。

 それは正しく群れであった。洗った様子のない身体、換えた様子のない衣服。すっかり痩せて、落ち窪んだ目は蛋白色に濁っていて、しかし――その足取りだけは、列を成す蟻のように整っている。一切の個性を、人間らしさと呼ぶべきものを感じさせない。
 通りに面していない勝手口の戸をそろりと開けて、住民たちも怪訝な顔で囁き交わす。
「おいおい、なんだってんだ……?」
「あれが修道女さまの仰っていた『魔』の類か……?」
 彼らの声を耳にしたのか、一匹の少女が歩みを止めてそちらを見た。
 そのまま何をするでもなく、再び列へと加わった。
 ……これが美しい娘であれば、吸血鬼の姫君だと思って恐れを成したであろう。異形の怪物であれば我先にと逃げ出したであろう。けれど、この奇妙な来訪者たちは、無力な奴隷にしか見えない。
 そして、事実、その通りなのだ。

「猟兵は、見れば猟兵だと判る。主はそう仰いました」
「ならば、あれは猟兵ではない」
「はい。……ああ、あれも猟兵ではない」
 何やら命令が記された紙を覗き込み、少女たちは静かに頷き交わす。濁りきった瞳で文字が読めるかどうかは定かではないが、その内容は萎縮した脳に刻み込まれているようだ。
「猟兵を連れていかなければ」
「生け捕りにして、主の元へ連れていかなければ」
「たとえ殺されたとしても、決して殺すな――と。主は、そう仰いました」
 そのようなことが叶う筈もない。
 少女たちが持たされている武器は、とても戦えるようなものではないのだ。錆びた食器や、折れた矢の切っ先側……などは話になるほうで、何の細工もない木の枝を握りしめている者すら居る。
 生命の埒外たる猟兵を相手にしては、生け捕りどころか、そもそも勝負にもならないだろう。

 それでも、君たちは彼女たちを葬り去る他ない。
 これは哀れな奴隷ではなく、哀れな奴隷のまま生涯を終えた少女の――過去の残骸《オブリビオン》にすぎないのだから。

 首輪から下がる鎖は何処にも繋がらず、忠誠という名の隷属を記号のように示している。
 伸ばしっぱなしで羽虫の住処と化した髪には、不似合いに可憐な花が挿してある。
 誰かが言った。
 これは罠だが、罠ではない――先程と同じ悪趣味な余興、その第二幕だと。