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蠱毒を喰らわば皿までも

#アリスラビリンス #猟書家の侵攻 #猟書家 #ディガンマ #殺人鬼

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 蠱毒という呪術がある。
 箱庭を作り、中に様々な生き物に放って殺し合いをさせる。殺し合えば殺し合う程にその怨嗟は高まり、末に生き残った者には凝縮された呪いが蓄積されていく。こうして出来た冒涜的なまでに濃厚な呪いを蟲毒と呼ぶのだ。

 だがこれには問題がある。賢い動物、例えば“人間”ばかりを素材とした場合、成功することがまずないのだ。“ヒト”自体が素材に向かないという訳ではない。むしろ感情を持つために得られる呪いの質は、蟲や動物とは比較にもならない禍々しい物となるのだが、下手に賢いと協力して殺し合おうとしないのだ。
「ですが全てが全て、成功しないというわけではありません。倫理を尊ぶ者を選ぶから駄目なのです」
 “ヒト”を殺させたいのならば、“人間”を殺したい者だけを集めればいい。たったそれだけの話だ。“人間”の中には“殺人鬼”という奇特な者たちがいる。彼らは潜在的に“殺人衝動”を持ち、少し背中を押してやるだけで簡単に良い素材となってくれるだろう。

 ああ、そしてこんなところに都合のいい殺人鬼たちだけが住まう街が一つ。この街を氷で囲って箱庭にしてやりましょう。囲って皆で殺し合わせましょう。殺させ濃厚な毒に昇華させて、それからそれから頭から喰らってさしあげましょう。

「嗚呼、とても美味しそう……。とてもとっても楽しみです……」
 彼女はまだ見ぬ未知の味覚に感悦し、紅く火照った唇を舐めた。

●箱庭の中の殺人鬼
「皆々様、ごきげんようですわ。突然お呼び立てして申し訳ございませんの」
 エリナ・アンブレラ(南蛮かぶれなかさおはけ・f34517)は深々と頭を下げる。

「アリスラビリンスにて、“猟書家の意思を継ぐ者”によって一つの街が氷に捕らわれる予知が紡がれましたの」
 殺人鬼だけが住まうその街に“猟書家の意思を継ぐ者”は目をつけ、大量のオブリビオンに襲わせるつもりらしい。だが襲撃してくるオブリビオンはとても弱い。程なく住人たちによって簡単に駆除されてしまうだろう。

「ですが当然、それだけで済むのでしたら今回の話はございませんわ」
 エリナは手に持つ唐傘で床を小突く。
「このオブリビオンには毒がありますの。倒せば倒すほど毒を浴びせられ、殺人鬼たちの持つ“殺人衝動”を高めてしまうのですわ」
 そして“殺人衝動”が臨界に達した時、街で始まるのは殺人鬼同士の殺し合いだ。
「さすがに最後の一人になるまで戦う、といったデスゲームみたいなことにはならないでしょうが、生き残った住民たちは皆が皆、完全に“殺人衝動”に飲み込まれ、果てにオウガと化してしまうのでしてよ」
 “猟書家の意思を継ぐ者”の狙いはそのオウガだ。極限までに高まった“殺人衝動”の持つオウガたちを喰らい、自らの血肉とすることでアリスラビリンスに再び戦乱を巻き起こすつもりなのだろう。

「まずは住人たちを護りつつオブリビオンたちを殲滅してくださいまし。オブリビオンの持つ毒は殺人鬼の“殺人衝動”にだけ作用しますので、“我々”が倒すならば或いは安全に駆除できるはずですわ」
 その後には“猟書家の意思を継ぐ者”との戦闘もあるだろう。だがまずは、住民たちの安全を確保することが最優先だ。
「街は殺人鬼たちの隠れ里でとても小さく、壁に囲まれることで大きく立ち回るのはとても難しいかもしれませんの」
 だがそれだけにオブリビオンの行動も単純なものになるには違いない。

「狭い空間で護りながら戦うというのはとても大変な事だとは存じますが、“猟書家の意思を継ぐ者”の好きにさせておくわけには行けませんの。どうぞよろしくお願いいたしますわ」
 エリナは再び深く頭を下げ、そしてゲートを開いた。


豚ー
 こんにちわ、豚ー(ぶー)と申します。
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。

 さて、今回は猟書家戦。2部構成のシナリオとなっております。

 舞台はアリスラビリンス。
 そこのとある街に“猟書家の意思を継ぐ者”たちが襲撃をするためやってきます。

 第1章は集団戦です。
 『マユラ』はとても弱いオブリビオンですが、殺人鬼を狂化する毒を持ちます。住人たちが倒せば倒すほどに“殺人衝動”は高まり、やがて集団戦が終わればオウガと化してしまうでしょう。ですが『マユラ』たちは自分たちが殺人鬼に倒されるようと特攻をしてきます。
 全ての戦いが終われば存命の殺人鬼たちは、徐々に“殺人衝動”から解放されていくとは思われますが、“殺人衝動”が高ぶった殺人鬼は無差別に攻撃をはじめてしまいますのでご注意ください。

 第2章はボス戦、“猟書家の遺志を継ぐ者”との戦闘です。
 前章にてオウガが誕生していればオウガを喰らうでしょうし、いなければ“猟兵”や住人たちを狙って襲ってくるでしょう。

 このシナリオは全章通して「殺人鬼達を適度に抑えながら、共に戦う」ことでプレイングボーナスボーナスが得られます。
 では、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『マユラ』

POW   :    飛んで火に入る夏の…
【攻撃的な紋白蝶の群れ】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【嫌がる音域】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    花蝶風月
【泣く事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【追加でマヒ効果の有る鱗粉】で攻撃する。
WIZ   :    羽化
戦闘中に食べた【花の蜜】の量と質に応じて【いつもより強気になり】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●前奏曲は密かに奏でられ
「もし……。この先に村はあるかしら?」
 少年は仕事をしていると不意に声をかけられた。声の持ち主は雪に見紛うほどに白く透き通った髪をしている美しい女性だった。
「え、ええ。ありますよ、何か御用ですか」
 しばし見とれた後、女性に覗き込まれていることに気が付き慌てて応える。
「ありがとうございます、ああよかった。道に迷ったと思ってたんです」
 女性は返事を聞き満足そうに笑窪を作った。
 ああ、なんて美しい方だ。ものすごく好み、ど真ん中だ。
「よ、よかったら村までご案内しましょうか。俺、その村の出身ですし」
 思わずしゃしゃり出てしまう。少年は女性が目指すという村で生まれ育ち、村の外の女を知らない。あわよくば近づきになりたかった。
「で、でも……お忙しいんじゃないんですか?」
「い、いえ。こんなのあとでやればいいんです。そんなことよりあなたが心配だ」
 食い下がる。せっかく話ができそうなんだ。
「じゃあ……お願いしよう……かな?」
 よしっ! 少年は心の中でガッツポーズをした。

「あれが俺たちの村です」
「ああ、あれが……」
 一里ほど山道を歩いた後、少年はようやく見え始めた村を指差す。
 この小一時間楽しい時間だったが、終わってしまうと思うと後ろ髪がひかれた。できればもう少しお話ししたいな、そう考えて今更ながらの質問を投げた。
「ところで、村にどのような御用なんですか?」
「……どうしてそんなことを聞くんですか?」
 この村は不思議の国のなかでも辺境だ。わざわざ訪う者など珍しい。何かおかしなことを聞いたかな? 少し疑問に思ったが、構わず続ける。
「いや、ですね。もしご用事が終わればぜひ一緒にお茶会でも……と……」
 どすっと、腹に何かが刺さった。氷の槍が地面から延びていた。
 ええ、そうね。説明、してさしあげないと……。道はにわかに雪が舞い降り、視界が白に埋め尽くされていく。
「私はこの村、“殺人鬼たちの村゛を喰らいに来たものです」
 なんで……そのこ……とを……。告げられたそれは村の最大の秘密だった。
「ああ、あなた、おいそうだと思ってたんです。オウガにしてさしあげてもいいですが、このままでもおいしそう」
 少年は色香に惑わされた自分を後悔した。
「でも、だめ、あなたは食べて差し上げませんわ。これから繭を育んでいただきませんといけませんの」
 なんとかして皆に伝えないと……だが、氷の槍は腹を深く抉っている。
「ではまずこの卵を植えさせていただきますわね」
 薄れゆく意識の中で、声にならない絶叫をあげた。
刑部・理寿乃
住人達をオウガ化させないように立ち回れば良いのですね

まず勝手に動かないようみんなを一ヶ所に集めて、出来るだけ守りに徹するように頼みます
集める場所は壁際でいいかな。
そして、群がってきたマユラ達に対してユーベルコードで蹴散らしていきます
多分、これが1番早いと思います



 “猟兵”たちが街へ降り立ち、程なくして襲撃が始まった。

 氷の壁に囲まれた街の空を覆う無数の蛾『マユラ』たちは人を見つけると突撃をしている。『マユラ』たちの鱗粉には“殺人衝動”が含まれ、捕まれば鱗粉だらけの羽をこすりつけられ、攻撃をしてもその反動で鱗粉が舞い散るという厄介なものだった。
 住民たちも初めは「自分の村は自分で守る」と意気込みオブリビオンを討伐していたが、やがてその毒によって“殺人衝動”が刺激され始めていた。


 街の中心に位置する井戸に居た住民たちは、妊婦たちを護るように武器を取って戦っていた。刑部・理寿乃(暴竜の血脈・f05426)はその光景を見つけると、急いで駆けつけた。

「できるだけ壁の方へいってください!」
 襲わんとする『マユラ』に一筋叩き込み、急いで妊婦を抱え走り出す。周りの男衆たちもそれに続いた。
 そっと妊婦を壁際に積まれていた藁に寝かせてやると、すぐさま追いかけてきた『マユラ』に一太刀。まだまだこれから集まってきそうだ。
「大丈夫ですか?」
 理寿乃は妊婦に問いかける。今、産気づいているわけではなさそうだが、残り数日といったところか。とにかく本来は安静にすべき状態であり、彼女が逃げ回ったりするのは難しい、いや危険だ。
「みなさんは、妊婦さんだけを意識してあげてください。くれぐれもここから動かないでくださいね」
 住民たちを背にし、剣を構える。案の定『マユラ』は次々と群がってきていた。ここは街の中心部、少し目立ちすぎるのだ。しかしここで引くわけには行かない。
 一瞬の膠着、しかし『マユラ』たちは数で圧倒せりと判断するや否や、住人たちに向かって急降下を始めた。
「……ッ! 『これで……!』」
 だが、理寿乃が許すはずがない。大きく剣を振るい、嵐の如き無数の衝撃波が『マユラ』たちを襲う。『マユラ』たちはあっけなく砕け散り、鱗粉の毒もこちらまで飛ばされてくる様子はない。……が多分、井戸水は汚染された。ごめんなさい。

「一刻も早く、安全な建物へ避難しましょう」
 村人たちに向き直り提案する。話を聞くと、近くに狭くも地下室を持つ家があるらしい。理寿乃はそこなら安全だと判断するとそこまでの護衛を約束し、村人たちとともに地下室を持つ家を目指すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第四『不動なる者』まとめ&盾役な武士
一人称:わし 質実剛健古風
武器:黒曜山(剣形態)

この狭さで特攻とはな、厄介な手合いではあるが。
しかし、やりようはあるか。

陰海月と霹靂は、空中よりわしへと敵をながせ。
わしは待ち構えるのみぞ。

さてな、住人に毒がいかぬよう結界を張っておいて。
指定UC発動。未来への『置き斬撃』で攻撃しよう。この狭さだと、かなり当たりやすいの。
紋白蝶は、四天霊障による重力属性の押し潰し攻撃で退けよう。


陰海月と霹靂、空中からの急襲をしている。
陰海月「ぷきゅー!」
変更「クエッ!」
二匹は友だち。霹靂はアリラビはじめて。




「この狭さで特攻とはな、厄介な手合いではあるが……いやしかし、やりようはあるか」
 街の様子を眺めていた男、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はつぶやく。
「陰陰海月、霹靂。あの蛾どもを捕まえることはできるか」
 ぷきゅー! クエッ! っと空中を泳ぐミズクラゲ“陰海月”とヒポグリフ“霹靂”が元気よく空へと駆けていく、そして程なくして帰ってきた。彼らの脚にはしっかりと毒を持つオブリビオンが捕えられている。『マユラ』は首根っこを掴まれた猫のような顔をしている。よしよしこれならうまくいきそうだ。
「ではそれをこちらに投げるがよい、陰海月」
 ぷきゅー! ザン、一太刀。
「霹靂」
 クエッ! ザン、一太刀。
「よくできた、では同じようにわしへと敵をながせ」
 ぷきゅー! クエッ! っと相棒たちは再び駆けていく。あとは同様に待つだけで相棒たちが『マユラ』たちを連れてきてくれるだろう。いささか数の割に地味ではあるが、安全に確実に数を減らすならばこの方法が一番だろう。己は自由自在に空中を駆け追いかけることができるわけではないのだから、空中を駆けるものにお願いする方が己よりもはるかに効率がいい。
「やはり協力してくる手があるというのは良いことよな」
 相棒たちに感謝しつつ、義透は救うべき住民を探した。

 幾度か相棒たちが運んでくれる『マユラ』を切り伏せた後に、住人達を見つける。
 壁を背に、『マユラ』と戦っている様子だ。それに義透は急いで駆けつける。
「そこを動くなよ」
 住人と『マユラ』たちの間に割って入り、結界を張ってやる。そして漆黒に輝く剣を構える。
「『父の技を、ここに再現せん』」
 その太刀は虚空を切る。『マユラ』たちはなにかした? というキョトンとした顔をしている。キョロキョロして何も起きていないことを確認すると再び襲い掛かってくる。その刹那、『マユラ』たちははじけた。
「未来断つ剣技よ、これで住人たちに近づいては来れまい」
 『マユラ』たちはわかっていないのか、幾度も突入を試みる。がやはり弾けて消える。
 義透が切ったモノ、それは未来だ。その漆黒の剣が描いた軌道を触れようものなら『マユラ』たちのように残された斬撃に切り裂かれる、一種のブービートラップ。本来ならただ斬撃を置くだけなら簡単には引っかかってくれないのだが、
「こう行動が単純だと、罠も仕掛けやすいよな」
 自ら突っ込んでくる故にどこに仕掛ければ狩れるのかがわかりやすい。さしずめ蟻の行列か、それともレミングスの習性か。
「よし、次に向かうぞ」
 あまりに手ごたえのない敵に物足りなさを感じながらも相棒を引きつれ、次の住民たちを探すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

牧杜・詞
『殺したいたいなら集まれ』なんていうから来てみたのだけど、わたしの衝動も高めてくれるのかしら?

ま、わたしはもともと壊れてるし高まらなくてもいいか。
思い切り殺していいことに変わりはなさそうだしね。

探さなくてもこちらに来てくれるっていうのはありがたいけど、
殺されに来るっていうのは少しいただけないわね。
探したり狙ったりっていう楽しみがなくなってしまうわ。

それでも『殺す』という感触自体は素敵ね。
それにせっかく来てくれるのだから【命根裁截】で綺麗に殺してあげましょう。
【新月小鴨】を使って、傷をつけずに命だけを刈り取っていくわ。

奏でる音は耳障りではあるけれど、殺せることへの楽しさを妨げるほどではないかな。




「探さなくてもこちらに来てくれるっていうのはありがたいけど、殺されに来るっていうのは少しいただけないわね」
 牧杜・詞(身魂乖離・f25693)は不満を漏らしていた。
 『マユラ』たちに“猟兵”であるかどうかの判断をもたない。だから“殺人鬼”である詞も例外ではなく先ほどから詞の姿を見つけると『マユラ』たちはすかさず呼び寄せた紋白蝶とともに突撃をしていた。
 だが、詞は抜刀から流れるように一薙ぎでそれをあしらう。飛び込まれれば切る、飛び込まれれば切る。まるで誘蛾灯のようなシステムができあがっていた。これが詞にとって探したり狙ったといった楽しみが物足りないのだ。

「『殺したいたいなら集まれ』なんていうから来てみたのだけど、わたしの衝動も高めてくれるのかしら?」
 彼女はそんな退屈な街の状況よりも、グリモア猟兵の云っていた“殺人鬼の殺人衝動にだけ作用する毒”のほうに興味があった。しかし先ほどから派手に毒を散らせるように切ったりもしているが、彼女の“殺人衝動”は一向に高まらない。いや、高まってはいるが正気を失う程ではない。
 『マユラ』の毒は街に引きこもっている殺人鬼の為に調合された毒だ。例え百万匹倒したとて彼女の“殺人衝動”に影響しない程度の効き目なのだろう、残念ながら。
「はあ……。ま、わたしはもともと壊れてるし高まらなくてもいいか」
 嘆息一つ。思い切り殺していいことに変わりはなさそうだしね。そんなことを考えながらもサクサクと切り殺していく。
「そうだわ、せっかく来てくれるのだから綺麗に殺してあげましょう」
 ただ殺すだけでは芸も面白みもない。
 彼女には【命根裁截】、肉も骨も切らずに命だけを断つユーベルコードがある。
 試しに襲い掛かってくる『マユラ』に一太刀を入れてみたが、反動もなく、鱗粉も舞わず、ぼとりと地面に落ちた。
 奏でる音は耳障りではあるけれど、殺せることへの楽しさを妨げるほどではないかな。満足そうに湖に浮かぶ新月のように輝く剣を振るう。
 ああ、それにしても『殺す』という感触自体は素敵だ。詞は火照る頬を撫でる。本当に“殺人衝動”に塗られていないのか? 彼女の往く街道には只々“陳列”された死体が増えていく一方であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



「攻撃は最低限にしなさい! 特に羽根は攻撃しちゃだめよ!」
 雫石・凛香(鞘の少女・f02364)は住人たちとともに行動していた。
 街の皆が“殺人鬼”だとはいえ、戦える“殺人鬼”と戦えない“殺人鬼”がいる。その戦えない“殺人鬼”を彼女はまとめてあげて避難できそうな大きな建物へと誘導していた。

 住人たちがまとまって動いているなんて『マユラ』たちが目をつけないはずがない。当然、さきほどからひっきりなしに襲い掛かってきている状態になっている。
 『マユラ』突っ込んでくるたびに走っては押し出し、住人に毒が触れないように離れたところで倒す。その隙に『マユラ』が住人を襲いかかってきて、のこの繰り返し。いくらヴァンパイアの身体能力が優れているとはいえ埒が明かない。それどころか誘導が完了する前に凛香の体力のほうが切れかねない。
「このままではいけない」
 避難先にしようとしていた倉庫まではまだ少し距離がある。だがオブリビオンたちに有利な状況を晒し続けるわけにもいかない。少女は一か八かの手に出ることにした。
「みんな、あそこの倉庫までダッシュよ!」
 云うと同時に一斉に住人たちは走り出した。そして魔剣【鞘】に呼びかける。
「応えて!」
 ブウン! 『妖剣解放』。凛香は妖刀から発せられる怨念を纏い、その一振りの衝撃波で住人を追いかける『マユラ』を爆ぜさせた。
「はやく、倉庫に飛び込んで!」
 再び剣を振るう。住人を餌として『マユラ』を狩る。あまり褒められた手ではないが、この場における最適解だった。

 やがて住人たちは多少の鱗粉を浴びつつも何とか倉庫へ逃げきり、重い扉を締め切った。
 『マユラ』たちは「やってくれたな」と云わんばかりに少女へ向き直る。
「なによ、あなたたちがグズだからしてやったんでしょ。さあ、かかってきなさいよ、殲滅してやるわ」
 【鞘】を隙なく構え挑発する。
 あとはこの場のオブリビオンを殲滅さえすれば状況は好転するだろう。凛香は一気に踏み込み、その剣を振り下ろした。
※ごめんなさい、選択をしそこねました。
雫石・凛香(サポート)
アドリブ・MSの解釈による下記に沿わない動きも歓迎
貴方の書く雫石凛香が見たいです

オブリビオンへの恐怖で眠れなくなった姉のため戦う妹キャラ
性格はクール枠。冷静に物事を見て、必要そうな行動をとれます
敵への態度は苛烈。相手にどんな事情があろうと容赦はなし

魔剣【鞘】という凛香の意思に従い姿を変える剣を持っており、形状変化による攻め手の多さとスピードと手数で勝負するタイプ。逆に相手の攻撃を剣で受けるような行為は(子供なので)パワー不足、ほぼできないです

UCは基本的に妖剣解放のみ
高い機動力で相手をかく乱し、衝撃波でまとめて敵を薙いでいくのが主な動き方

動きを封じることで先の展開が有利になれば剣戟結界も使用




「攻撃は最低限にしなさい! 特に羽根は攻撃しちゃだめよ!」
 雫石・凛香(鞘の少女・f02364)は住人たちとともに行動していた。
 街の皆が“殺人鬼”だとはいえ、戦える“殺人鬼”と戦えない“殺人鬼”がいる。その戦えない“殺人鬼”を彼女はまとめてあげて避難できそうな大きな建物へと誘導していた。

 住人たちがまとまって動いているなんて『マユラ』たちが目をつけないはずがない。当然、さきほどからひっきりなしに襲い掛かってきている状態になっている。
 『マユラ』突っ込んでくるたびに走っては押し出し、住人に毒が触れないように離れたところで倒す。その隙に『マユラ』が住人を襲いかかってきて、のこの繰り返し。いくらヴァンパイアの身体能力が優れているとはいえ埒が明かない。それどころか誘導が完了する前に凛香の体力のほうが切れかねない。
「このままではいけない」
 避難先にしようとしていた倉庫まではまだ少し距離がある。だがオブリビオンたちに有利な状況を晒し続けるわけにもいかない。少女は一か八かの手に出ることにした。
「みんな、あそこの倉庫までダッシュよ!」
 云うと同時に一斉に住人たちは走り出した。そして魔剣【鞘】に呼びかける。
「応えて!」
 ブウン! 『妖剣解放』。凛香は妖刀から発せられる怨念を纏い、その一振りの衝撃波で住人を追いかける『マユラ』を爆ぜさせた。
「はやく、倉庫に飛び込んで!」
 再び剣を振るう。住人を餌として『マユラ』を狩る。あまり褒められた手ではないが、この場における最適解だった。

 やがて住人たちは多少の鱗粉を浴びつつも何とか倉庫へ逃げきり、重い扉を締め切った。
 『マユラ』たちは「やってくれたな」と云わんばかりに少女へ向き直る。
「なによ、あなたたちがグズだからしてやったんでしょ。さあ、かかってきなさいよ、殲滅してやるわ」
 【鞘】を隙なく構え挑発する。
 あとはこの場のオブリビオンを殲滅さえすれば状況は好転するだろう。凛香は一気に踏み込み、その剣を振り下ろした。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『雪の女王』

POW   :    【戦場変更(雪原)】ホワイトワールド
【戦場を雪原(敵対者に状態異常付与:攻撃力】【、防御力の大幅低下、持続ダメージ効果)】【変更する。又、対象の生命力を徐々に奪う事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    【戦場変更(雪原)】クライオニクスブリザード
【戦場を雪原に変更する。又、指先】を向けた対象に、【UCを無力化し、生命力を急速に奪う吹雪】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    【戦場変更(雪原)】春の訪れない世界
【戦場を雪原に変更する、又、目を閉じる事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【除き、視認外の全対象を完全凍結させる冷気】で攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「なん……ということ……?」
 雪とともに村へ舞い降りた『女王』はその惨状を見て愕然とする。
 村には予め放っていた『マユラ』たちがたくさん死んでいた。
 いや、元から彼女らは使い捨てだったのだから死んでいること自体はいい。『マユラ』たちだけしか死んでいないことが問題なのだ。
「“殺人鬼”どもの死体はどこなの……?」
 “ヒト”の死体が一つもない。それは『女王』にとって予想外の光景だった。
 “殺人鬼”同士が“殺人衝動”に負けた末に起きたはずの殺し合い。その敗者たちがどこにも見当たらないのだ。まさかオウガがわざわざ弔ったわけでもあるまい。
 蟲毒は失敗したのではないか?
 いや、私の計画は完璧だったはず。ここまで殺したくなる舞台を整えたのだ。これで殺し合わなかったら何もかもが間違っていたことになる。
 仮説と否定を脳裏で繰り返しながら、『女王』は目的のオウガを見つけるべく、広場へと足を向けた。
牧杜・詞
あなたが今回の首謀者さん?

やっと会えたわね。
わたしの殺人衝動ちっとも高まらないんだけどなぜなのかしら?

なんて、あなたに聞いても無駄ね。あなたは『殺人鬼』を解ってないわ。
殺人鬼の衝動っていうのはね『誰でもいいから殺したい』んじゃないの。
『自分が殺したいもの』を『殺したい』のよ。

身内を殺したいなんて思うのは、わたしぐらい壊れていないとダメね。
だからこの村の人たちの衝動を高めても無駄だと思うわよ。

え?村人たちで援護?
そうね、なら村から逃げられないようにしてくれればいいわ。

わたしは『女王』を『殺したい』の。
せっかく高まってきたのだから、楽しませてもらいたいわ。

【鉄和泉】を抜いて【識の境界】を使います。




「あなたが今回の“首謀者”さん?」
 『女王』は霧雪の向こうから投げられる声を不快そうに舌打ちする。
「“猟兵”……。あなたがたですか、やってくれたのは」
 声の主、牧杜・詞(身魂乖離・f25693)が歩いてきた道には幾羽もの『マユラ』たちが散乱している。彼女が『女王』の計画を破綻させた一端を担っていたのは明らかだった。
「ええ。ええ、そうよ。やっと会えたわね。村人はみんな避難させたわ。体力のある人はこの場を取り囲んでいるみたいだけど……でも、あなたにはもう逃げ場もないもの。関係のない話だわ」
 空を切って【新月小鴨】の血を掃い、鞘に納める。
「飛んでいた“蛾”はみんなみんな殺してあげたわ。でも殺せば殺すほどに“殺人衝動”が高まると聞いていたのに、“殺人鬼(わたし)”の殺人衝動ちっとも高まらないんだけど……なぜなのかしら? ねえ、“猟書家もどき”さん?」
 “もどき”という単語に一瞬眉を顰めたが、『女王』は気丈に振る舞う。
「あはは、それはあなたがすでに“壊れている”からでしょう。あの毒は“殺人鬼”を“壊す”為の毒なのですから」
「そうね。確かにわたしは壊れているわ」
 だから“殺人衝動”になんか頼らなくたって、他人だって家族だって殺してみせた。
「でもダメ、あなたは解っていない。身内を殺したいなんて思うのは、わたしぐらい壊れていないとダメね」
 『女王』の見当違い。それは『マユラ』たちが帯びていた毒は“殺人鬼たちの持つ“殺人衝動”を高める”ものだということだ。
「“殺人鬼の衝動”っていうのはね、『誰でもいいから殺したい』んじゃないの。『自分が殺したいもの』を『殺したい』のよ」
 その毒によって村人たちは“殺人衝動”が高まった。だがしかし、それは襲撃者『マユラ』に対しての“殺意”が高まっただけに過ぎない。グリモア猟兵は『臨界に達した時、殺し合いが始まる』と警鐘していたが、そんなこと到底ありない話だったのだ。
「だからこの村の人たちの“衝動”を高めても無駄だと思うわよ」
 一体何をしたかったのかしら、と詞はくすくすと笑う。

「ところで今、わたしは『あなた』をとても『殺したい』の。嗚呼、高まってくるわ。せっかく高まってきたのだから、楽しませてもらいたいわ」
 にわかに彼女の“殺人衝動”が血潮を巡る。そしてそれは深緑に濡れた打刀、【鉄和泉】を抜くとともに一気に開放された。
 ――詞のユーベルコード【識の境界】。その顔は愉楽に歪んでいた。
「さあ“猟書家もどき”さん、次は何をしてくれるのかしら?」
「“猟兵”ぁぁあ!」
 度重なる挑発に『女王』は勢いよく片手を下すと、粉雪を散らしていた風を指先に束ねて鋭い風雪を無礼者に放つ。
 しかしその一槍を、詞は【鉄和泉】で受け流して逸らすと一気に詰め寄る。
「あなたは殺す相手のことを知らなさ過ぎだわ。次はよく勉強して出直すことね」
 そんなことしなくても、わたしはきれいに殺して見せるけど。ね、こんな風に。
 『女王』の肺下部に刃が深く突き刺さる。紛う方なき急所への一撃だ。
 緑の刃は血に濡れ、鈍く黄金に照らされていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
引き続き『不動なる者』にて

なるほど、首謀者であるか。残念であるが、目論みは崩れておるよ。
して、やることは変わらぬ。ただ、貴殿を倒す。それだけよ。

陰海月と霹靂が、空から攻撃しておるし。簡単には指先を示すことができぬよ。
で、わしはわしで【四悪霊・『塊』】にて攻撃しよう。
もともと、この呪詛塊は貴殿しか攻撃せぬし…逃げようとも、黒曜山が写す未来で位置がわかるからの。

わしらはな、貴殿のような者がを好かぬのだよ。


陰海月「ぷきゅ」
霹靂「クエッ」
まだまだ張り切ってる二匹。寒いかもしれないけれど、頑張る。



「なるほど、貴殿が首謀者であるか」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は、建物の陰で先だっての傷を自らの氷で塞いでいる『女王』を屋根から見下す。
「はぁ、はぁ、かっ……はっ、はぁ……。“猟兵”、ですか……」
「残念であるが、貴殿の目論みは崩れておるよ」
 『女王』の放った従者どもは地に堕ち、空気に盛られた“殺人衝動”の毒も稀薄されつつある。誰がみても既に『女王』の“ヒト”同士を殺し合わせる計画は瓦解していた。
「くっく……くっ、まだ、だ。まだわからないわ」
 だが『女王』は傷を抑え、笑いながら立ち上がる。
「私の計画は完璧よ。今またここに『マユラ』たちが襲いに来るわ、そうすれば」
「いや、既に終わりである。或いは、貴様の云う通りだったとしてもだ」
 『女王』の戯言を否定する。
「して、やることは変わらぬ。ただ、貴殿を倒す。それだけよ」
「抜かせ! “猟兵”風情がっ!!」
 『女王』はみるみる怒りに顔を歪めると、義透を指し示す。その指先に風雪が集う。
「貴様も我が氷風に霞んで氷漬けになるがいい!」
「クエーーッ」
 不意を突き、霹靂が『女王』の背中に頭から突進する。その衝撃で指先の冷気は散ってしまった。
「っく、何を!」
 霹靂に向き直り、まずはこやつから払ってやらんとするが、
「ぷっきゅー!」
 陰海月がその長い触手で、霹靂への反撃を阻止する。
「く、くそっ! 邪魔を、するなっ!」
 あちらに向けば、こちらが阻止をする。『女王』に指先をうまく定めさせないとする二匹の見事な連係プレーだった。
「よくやってくれた、陰海月、霹靂」
 今度は義透が掌に深淵のように暗く禍々しい呪詛の『塊』が集める。
「貴殿への贈物だ、有難く受け取るがよい」
 義透は『塊』を投げた。
「はっ、そのような攻撃。簡単に避け……くそっ、やめ」
 避けられるわけはない。陰海月の触手に捕らわれ、解けようとも霹靂に阻まれている。
 そしてメキリと音を立てて『女王』の鳩尾に減り込み、『塊』は破裂した。
「がっふ……?!」
 四悪霊が丹念に圧縮せし呪詛塊だ。たかだか“猟書家と騙り気取っている小娘”如きに、まして自らは動かずただただ殺し合わせようと策のみを巡らせていた小悪党に、本物の呪物など耐えられるわけがなかった。

「逃げよったか」
 不利を悟った『女王』は吹雪に溶け、やがて姿を消した。
「だが……徒事よな。いくら逃げようと【黒曜山】が映す未来で位置がわかるからの」
 空には陰海月、霹靂の二匹も寒さに晒されながらも探してくれている。
 だが、それよりも、
「わしらはな、貴殿のような者がを好かぬのだよ」
 驕慢放縦、放辟邪侈。『女王』の態度は終始不快なものであった。
 決して貴殿を逃がしはせぬと、義透は街を囲む氷壁を見据えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

架空・春沙(サポート)
『断罪します』
人狼の女性
ピンク掛かった銀髪と同色の狼耳・狼尻尾、緋色の瞳
スタイルが良い
服装:ぴっちりスーツ
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
罪有る者には「冷徹(私、あなた、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

・性格
通常は明るく人懐っこい女性ですが
罪有る者に対しては冷徹に、処刑人として断罪しようとします

・戦闘
大鎌「断罪の緋鎌」を振るって戦います

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います


あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


アイクル・エフジェイコペン(サポート)
猫っぽい舌足らず口調にゃ。こんにゃ感じで、可能なら末尾だけじゃにゃくて途中にも入れてほしいにゃ。めんどいならいいけど。
ちなみに機嫌悪い時は「に゛ゃ」って濁点入る感じにゃ。

正直よくわかんにゃいけどなんとなく気に入らない顔してるからぶっ●すに゛ゃ。
パワーイズジャスティス。真正面から行っておもいっきり攻撃するのみにゃ。ユーベルコードは何使ってもいいにゃ。

基本はむちゃくちゃ猫かぶってかわいい子演じてるものだから、なるべくスマートに『せーとーはなれーりぃ(正統派なレディ?)』的な感じで戦おうとするけど、むちゃくちゃ怒ったら地が出てむちゃくちゃ口が悪くなる。
「ぶっ●おおおおおおす!●ぁぁぁぁぁぁっく!!」


燈夜・偽葉(サポート)
★これはお任せプレイングです★
『ぶった斬ってあげます!』
妖狐の剣豪 × スカイダンサー
年齢 13歳 女
外見 黄昏色の瞳 白い髪
特徴 長髪 とんでもない甘党 柔和な表情 いつも笑顔 胸が大きい
口調 元気な少女妖狐(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

性格:
天真爛漫年下系ムードメーカー(あざとい)

武器:
刀9本
黄昏の太刀(サムライブレイド)を手に持ち
場合によっては念動力で残り8本を同時に操る

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います

敵の動きは見切りや第六感を生かして回避
避けられなければ武器受けで対処します

多彩な技能を持っていて、問題に対していい感じで組み合わせて対処します



「これは厄介……ですね」
 程なくして『女王』は、雪隠れした場所からそう離れていない場所で“隠れ里”の民たちに取り囲まれた。
 なんてことない、“猟兵”未満の哀れな“蟲”どもだ。全力を出せれば吹雪で薙ぎ払うことも容易だっただろう。しかし、ここまで既に体力は消耗させらている、故に続々と集まりつつある“蟲”どもを一息で払う容易ではなかった。ましてや、“猟兵”が放った追手に既に見つかっている状況だ。なんとかして追いつかれる前に離れて態勢を整え直し、再び“蟲”どもを殺し合わせ――いや、本当にそうだろうか?
 『女王』は思い到る。
 こうなれば手順を踏むのはただの面倒だ。別にかまわんだろう、私が“蟲”の頂点となればいい。頂点となってその毒を得ればいい。私が毒そのものとなるのだ。
 私には“眼”がある。たったひとつ、瞬けばすべてを凍てつかせる“眼”が。“猟兵”ごと殺してしまえば大きな力を得られるのではなかろうか。
 目的と手段の混同、もはや論理なんてあったものではなかった。
「ハハ、ハハハ」
 突然不気味に笑い出す『女王』に、“蟲”たちは身構える。
 まずは貴様らから糧にしてやろう! “すべて”を凍てつかせる為、『女王』はゆっくりと目を閉じ――

 ――ることができなかった。
「がっふ……?!」
 『女王』の眼は却って大きく見開かれている。
「みつけた。ああ、みつけたにゃぁ」
 アイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)は『女王』の鳩尾に拳を叩き込んでいた。
「人間を使った蟲毒だなんて、洒落たことしているじゃないですか」
 架空・春沙(緋の断罪・f03663)はぐるりぐりりと背後から大鎌をえぐりこむ。
「もはやあなたの目論見は、破綻もいいとこだと思うんですが……」
 そして首筋に【黄昏の太刀】を突き立てる燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)は無邪気に『女王』に問う。
「もしかして、居直っちゃいました?」
「フッ、フフフ。なるほど、なるほど。たしかに今の私は居直りやもしれません。ですがかまわぬでしょう。貴女方を殺し、里の殺人鬼を殺し、コロし、ころし、殺しつくしてしまえば、すべては目的の通りの結果になるのですよ!」
 言うや否や『女王』は偽葉の額に指を指す。
「それはまず貴様らからだ、“猟兵”ぁぁああぁあ!!!」
 指先に絶無の冷気が収束し、今にも吹雪が放たれんとしている!
「あっぶに゛ゃぁあぁぁあぃ!!」
 ぐわっしゃぁん!
 アイクルが足元に思いっきり斧錨を叩きつけると、地面がボコボコと隆起する。
「くそっ!」
 地割れに巻き込まれるわけにもいかない、『女王』は逃れようと後ろへ飛びのくのだが、
「あは、離れようとも無駄です。『どんな間合いでも、避けさせはしません』よ」
 びょうっ! と春沙が大鎌で宙を薙ぐ。そして衝撃波が生まれ、それは宣言通り『女王』の右腕を逃さなかった。
「ちぃっ!」
 一瞬、庇うようによろける。その隙をアイクルが見逃すはずもない。
「おぅりゃぁあぁあ!」
 脚を掴みぶん回す。
 ぐるるんぐるん。たっぷり、たっぷりと遠心力をつけて、手が痛くなってきた時が頃合い。
「とんでいくに゛ゃぁあ!」
「ぐぅ?!」
 思いっきり家の壁に叩きつけてやった……が、その勢いを利用して『女王』は氷壁へと跳んだ。
「あ、こら、待つにゃ!」
「このままで、このままでなるものか……っ!」
 毒をまだ啜っていない、私は甘美な毒の味をまだ知らない。
 今、この場を逃げおおせれば、せめて一人。一人分の毒を喰らうことが……
「『逃がしませんよ!』」
 ――一閃
 【黄昏の太刀】から放たれた剣筋が『女王』の胴を二つに分かつ。
「そん、な……私が、私の、わた、腸……どう、し……」
「結局、箱庭のなかであなたが一番弱かった。ただそれだけですね」
 毒を払うかのように刀を一振り。
 蟲毒の餌と成り果てた『女王』には見向きもせず、“猟兵”たちはその場を立ち去った。

 『女王』がこと切れると間もなく、街を囲んでいた氷壁は轟音と共に崩壊した。
 かくして“猟書家の意思を継ぐ者”による“アリスラビリンス”の危機は去ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年04月29日


挿絵イラスト