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装甲列車電撃戦

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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●災厄生産拠点
 プラント。
 クロムキャバリア世界を支える生産拠点。
 銃声鳴りやまぬ戦乱の世において、戦い続けられるのはこのプラントがあらゆる『生産』を担っているからだ。
 それだけにオブリビオンマシンがプラントを占拠するだけでその国は傾き、最悪滅び去る。どの国においても最重要拠点であるのは間違いない。
 そんなものが、占拠されるどころかオブリビオンそのものになってしまえばどうなるか。
 ……それは、誰もが想像もしたくない事だった。

●求む工兵
「プラントがオブリビオン化しました」
 淡々と事実だけを告げ、グリモア猟兵である絳銕・鐵火(硝煙・f29908)が資料を配る。
 場所は小国。少ないプラントの一つを奪われ、それだけで死に体。
 加えてオブリビオン化したプラントが生産し続けているオブリビオンマシンによってプラント周辺が制圧され、近く内部崩壊が起きるだろう。
 やがてプラントは更に厄介な機体を作り出し、猟兵にとってさえ脅威と成るだろう。
「この一大事にあたり、皆様にはプラントを破壊していただきます」
 いつものように『猟兵』を『傭兵』として売り込んだという鐵火。
 見ず知らずの猟兵(傭兵)達に国の大事を任せると言うのは難しいことだが、大事も大事、すでにどうしようもない大事件だ。こうなってしまえば素性の知れない相手にだって縋るし、なんなら昨日まで殺し合ってた隣国に協力要請だって送るだろう。
「しかし隣国に頭を下げ、そのまま属国に落ちるくらいなら、と。賢明な判断をなさってくださいました。
 あとは皆様の腕の見せどころです」
 言って、鐵火は細い腕をむんっと曲げてみせる。
「さて。件の暴走プラントですが、今の所『強力な個体』は生産されていません。自己防衛の為、兎にも角にも大量生産を優先しているとのこと。
 したがって皆様には無数のオブリビオンマシン群に突っ込んで頂く形となるのですが、そのままでは埒が明きません。なにせ戦闘中も生産は止まらないのですから」
 鐵火は資料を捲り、幾らかの汚れた書面を示す。
「そこで、彼の小国の軍部からの作戦に乗ろうかと思います」
 示した書類は、作戦の立案書。
 主目的は『敵機群を強引に突破し、先ず第一にプラントを破壊する』とある。
 生産拠点を潰し増援を断った上での敵群殲滅、と言うわけだ。
 しかし彼らだけでは無謀どころではなく、あえなく断念。それを傭兵が拾い上げ実行すると申し出た。
「その為のささやかな助力として、壊れかけの『貨物列車』を数両頂きました」
 と、鐵火が更に資料を捲った。
 いわく、プラントが生産したものを運搬するための物だそうで、重要なのは貨物列車が行き来するための線路が活きているということ。
 今現在大量生産されているオブリビオンマシンはただ外敵を排除しプラントを守ることしか出来ないらしく、この線路は知ってか知らずか放置されていると言う。
「皆様にお願いしたい最初のお仕事は、この貨物列車を『装甲列車』へと改造修復すること。そして次に、『装甲列車』に乗り込んで敵陣を突き進みながらオブリビオンマシンを迎撃すること。最後に、辿り着いた先でプラントを破壊することです」
 重要なのはいかに迅速にプラントへ辿り着き、破壊するかという事だ。
 生産さえ止めてしまえば残りの粗製濫造されたオブリビオンマシンなど猟兵達の敵ではない。
「あとは先方の軍部から一言」
 こほんと鐵火が咳払いをして、親指を突き立てる。

「派手にやれ。――以上です」


一期一筆
 初めまして、一期一筆と申します。

 今回の作戦は、
 一・貨物列車を修復、改造し、敵陣を突破する為の装甲列車を作る。
 二・列車に乗って突撃。阻止しに来る敵を迎撃する。
 三・プラント付近へと到着後、周辺の敵を薙ぎ払う。
 四・プラント破壊。
 五・残った敵の殲滅。
 となっております。
 リプレイとしては一から三がそのまま一から三章となり、プラント破壊後はエピローグとなって省略されることとなります。

 情報詳細として、
 譲り受けた貨物列車は使い潰して構いません。
 素人による修繕、思い付きによる改造、何でもありです。
 pow・spd・wizの選択肢に縛られる必要もありません、お好きなユーベルコードや能力値で選択した後、お好きなようにプレイングを掛けてください。
 車両も一つではないので、猟兵一人につき一両作っても良いですし、力を合わせて会心の一両を作り上げることも可能です。
 私から言えるのも軍部と同じく「派手にやれ」の一言となります。

 それでは、猟兵の皆様方のご参戦を心待ちにしております。
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第1章 冒険 『応急修理』

POW   :    手近な場所から修理材になりそうな資材を拝借してくる

SPD   :    破損箇所を器用に修理し、当面の安全と操作性を確保する

WIZ   :    破損箇所に新たな機構を仕込み、実験的に新機能を搭載する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ノエル・カンナビス
依頼目的はプラントの破壊、そして残存兵力の掃討。

それは良いですが。なにゆえに列車?
エイストラで低空を飛んだ方が手っ取り早いですのに。

まあいいです、台車だけ使わせていただきましょう。
台車の上にコンバットキャリアを乗せて固定し、
キャリアの動力輪を接地させたら出来上がりです。

コンバットキャリアの装備品はエイストラの予備部品。
有り余る出力で作動する火器類はエイストラと同等のうえ、
可動部が少ないぶん装甲厚もキャバリアの比ではなく。

言ってしまいますと、キャリアで突撃すれば済むんです。
レールの上を走る意味も、特にありません。
利点と言えば、道に迷う心配が要らないって程度ですかね。



●装甲車電撃作戦
 簡易軍用車両基地。
 オブリビオン化したプラント及び制圧された周辺区画に程近いターミナルに急増された施設。
 ここには国内の数少ない列車整備・建造・補修用の資材や機材が運び込まれており、急ごしらえながら必要最低限の物は取り揃えられていた。
 直接戦闘にも改造作業にも関われない軍部の人間達は、せめて必要なものがあれば何でも言い付けて欲しいと言って待機している。
 しかし、その必死かつ献身的な態度にも、ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)は首を傾げていた。
「必要、ですか」
 つぶやいて、考える。
 軍部の手伝いは、要るかどうかで言うなら正直要らない。そもそもとしてノエルは列車すら必要だと思っていないのだ。
 装甲列車の利点はその名の通りの装甲で攻撃を防ぎ、移動時の消耗・損耗を抑えてくれること。つまり盾であり足である。
 だがノエルはそれを必要だとは思っていない。
 自分が駆るクロムキャバリア『エイストラ』であれば、装甲も列車も無用。ただ敵陣を低空飛行で突っ切れば良いだけ。
 そう考えるノエルには、「なにゆえに列車?」と首を傾げたくなるほど、この作戦は無駄だらけだった。
 彼女にはエイストラが有るとして、他の猟兵がどうするのかを考えていないのは、そもそも彼女が猟兵という集団ではなく一個人の傭兵として動いているからだろう。
 それでも彼女もプロだ。独断専行で作戦無視する事は無い。
 無駄だらけの中でも有用なものを探し、利用する。
 必要とまでは言えなくとも有用なものはある。そう考えて、ノエルは台車を探した。
 鉄道車両における台車とは、端的に言うと車輪部分のことだ。これの上に車体を乗せ、走行する。
 そんな走行装置でしかない台車をどうするのかと言えば、個人所有の持ち込み装甲車『コンバットキャリア』を搭載し始めたのだった。
 コンバットキャリアはキャバリア整備台を積んだ大型の装輪式戦闘車。加えてキャバリアの火器がそのまま使えるのだから、そこらの戦車よりも強大な破壊力を誇る。
 ではそのキャリアを改造するかと言えばそれも無い。
 元よりコンバットキャリアはキャバリアに比べて少ない可動部故にキャバリア以上の装甲厚を持つという特徴がある。火力も装甲も手を加える必要はない。
 そうして固定された台車とキャリア。装甲車を列車の走行装置に載せたのだからそれはもう装甲列車と言って差し支えない。
 あまりの無駄の無さでスピード建造されたノエル式装甲列車は、台車の車輪とは別に自前の車輪も接地させ、いよいよもって台車の存在意義が失われていく。
 初めから思っていた通り、ノエルには列車など不要だったのだと、簡易装甲列車が物語っていた。
「レールの上を走る意味も、特にありません。利点と言えば、道に迷う心配が要らないって程度ですかね」
 とは言うものの、それさえも「線路さえ残っていれば事足りる」と言外で語り、ノエルは支度を終えた。
 こうして、最も機動力と応用力に長けた装甲列車が誕生したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

徳川・家光
装甲列車を修理して突撃? まるで島津武者のような勇ましき任務、奮い立ちますね!
ではまず、皆様が改造する素地を形作るべく、僕は破損箇所を塞ぐことに集中しましょう。

燃え盛る馬「火産霊丸(ほむすびまる)」を召喚し超高熱化、破損箇所を溶解からの溶接によって、見た目の裂傷を塞いでいきます。
そのまま見ると目が潰れると習ったので、近くの皆様にはサングラスを配り、馬には乗らず遠方で指示を出します。

最後に、ある程度目を話しても火産霊丸(ほむすびまる)が作業を継続できそうなら、敵に遭遇しないよう注意しながら行ける所まで線路上を歩き、破損が無いか調べておきます。破損箇所があれば、自前で溶接するか、他の人に任せます。



●猛勢は何方か
 貨物列車は修繕が必要だとも聞かされていたが、その理由は現物を見て直ぐに察せられた。
 名前通りに貨物を運搬する為だけの車両。だと言うのに、そこらの軍用車両よりもよほど大きく損壊していたのだ。
 恐らくは事件発生時、敵群の包囲を抜け、人々を逃がすために走った時の傷だろう。
「まるで島津武者のような勇ましき任務、奮い立ちますね!」
 話を聞いて声を上げたのは徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)。
 包囲網を駆け抜けた貨物列車、そしてこれから猛勢の中へ駆けていく猟兵達を、勇猛果敢なる武者の姿に重ねて見る。
 敵中突破。それも、隣国ではなく、最も苛烈なオブリビオンマシンの大群の中へと。
 きっとこの作戦を立て、猟兵からの申し出が無ければ自分らで実行したであろう軍人達も、かの武者の如く誉れ高き武人なのだろう。
 しかし、その誉れは猟兵が譲り受けた。
 ならば為すべきは一つ。一番槍の一突きを以て、敵の喉元を穿つのみ。
 その為にも先ずは戦支度から始めなければ、と、家光は手を叩く。
「出ませい! 『火産霊丸』よ!」
 声を張って名を呼べば、命に従い燃ゆる白馬が現れる。
 家光の愛馬たる火産霊丸は、その身に燃え滾る炎を振り散らしながら嘶いた。
 戦の匂いと主人の想いに感応し昂ぶる白馬。だが此度の仕事は共に戦場を駆ける事ではない。
 手綱を引いて落ち着かせた火産霊丸を連れて行った先は、壊れた車両の損壊箇所。主人の意を酌んだ名馬が引き裂かれた鉄の車体に蹄を近付けた。
 燃える白馬の蹄もまた燃え盛っている。地を駆ければ焼けた蹄跡を残す駿馬だが、今回は足跡を残すわけではない。
 足跡ばかりでなく、傷痕も残さない。
 蹄を押し付けられた車両の損壊部分が、炎熱によって溶解し、溶接されていく。
 風穴が閉じればあとは熱い内に叩いて直し、歪ながら完全に穴を塞ぐことが出来た。
「よし! いけそうですね!」
 溶解と溶接。単純ながら、先ずもって十二分に走れるようにするための修復作業。
 戦いに傷付いた戦士たちの傷を癒す、将軍自らの心遣いだ。
 加えて家光は周囲で見守る軍人達にも心配りを忘れない。
「そのまま見ると目が潰れると習ったので」
 そう言って心と共に配ったのは、サングラスだ。
 火産霊丸の炎は電気やガスを用いる溶接と違って閃光を発しない、とは言え、タタラ場の火とて視力を奪う。そう伝えると、軍人達は礼を言いながらサングラスをかけ始めた。
 かくして屈強な軍人達がグラサン付けて整列し、家光と火産霊丸をただ見守るという異様な光景が作られたのだった。
「さて、あとは……」
 火産霊丸に修復指示と、軍人達には溶接材料の補充を頼み、家光が線路の先を見る。
 流石に敵陣までは見えないが、情報通りならこの線路は問題無く使用出来ると言う。
 とは言っても、列車は敵の攻撃を受けながら逃げ延びたのだから、その流れ弾が線路をも傷付けていないとは限らない。
 念には念を。途中まで……敵の防衛ラインを超えない範囲になるけど、と、家光は線路の点検と修復にも乗り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
プラントのオブリビオン化とは…
国と、住まう人々を想えば気が重くなるばかりです
せめてこれ以上の国難を祓う為、騎士として尽力しましょう

さて、種族柄機械の扱いには強いという自負はあれど、それはユーザーとしての話
メーカー側としての腕前は…せめてハードではなくハッキングの腕を活かせるソフト系であれば良かったのですが

貨物列車の諸元を情報収集
装甲補強案を電子頭脳内でシュミレート
強度と速度を両立する設計を模索
列車上部にキャバリアを砲台代わりに乗せる設計にしましょう

自身の怪力や遠隔●操縦するロシナンテⅣで装甲資材を運び取り付け
決め手は装甲各所に取り付けたUC発振器
走行中にバリアを展開し車体強度を更に高めます



●無理を通す道理
 プラントは兵器や食料から人材まであらゆるものを生産する。
 逆に言えばプラントを失うという事はそれら一切を失うという事。
 プラントのオブリビオン化は更なる災厄。失うだけではなく、全てが自分達の敵になるという地獄付きだ。
 生活基盤を揺るがし、経済を破綻させ、人的被害も免れない。最悪国が滅ぶほどの極大災厄。
 猟兵は更にその先、国どころではなく世界が滅ぶことさえ危惧しているが、だからと言って目の前の苦難を大したことないと言えるはずもない。
「……国と、住まう人々を想えば気が重くなるばかりです」
 トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)もまた、世界の行く先の前に目の前の人々を想い憂いていた。
 この作戦が上手くいこうとも、この国は大事なプラントを失うことになる。既に出ている被害に加え、プラントの喪失を抱え、それでも隣国と渡り合わねばならないのだ。
 しかし、そんな窮地に立たされてなお、この国の人々は諦めていない。国を捨て他国に落ち延びることを拒み、戦う道を選んだのだから。
「ならばせめてこれ以上の国難を祓う為、騎士として尽力しましょう」
 トリテレイアが誓いを立て、手にした書類を広げた。
 それは車両基地に並ぶ貨物列車の諸元、つまりスペック一覧だ。
 なるべく仔細な物をと軍部に頼んでみればわざわざ計測してまで細やかな情報を数値化してくれたのだ。
 目を惹くのは、貨物列車だけあって凄まじい積載量を誇るということ。
 キャバリアやその周辺装備までプラントで生産され、それを運搬しているのだから、当然と言えば当然か。最も大きな車両ならキャバリア同士の車上戦が可能なレベルだ。
 ただし、安全丁寧に運搬するのも貨物列車の役目なので、速度はあまり出ない。これでは突撃作戦の時に敵陣の真っただ中で的になりかねない。
「となると、強度の確保は必然として……その上でこれ以上速度を落とさない改修案を立てませんと」
 トリテレイアの電子頭脳が装甲補強案を脳内シミュレートしつつ、資材を確認する。
 強度は相当底上げできる。というのも、軍用キャバリアの装甲を流用できるからだ。積載量を鑑みても全面多重装甲にしたとしてまだ余裕がある。
 流石にそこまで頑強にする意味は薄いが、代わりに列車上部に貸し出しのキャバリアを固定し、砲台代わりにした。
「速度方面はどうしたものか……」
 トリテレイアは種族柄機械の扱いには強いが、それはユーザーとしての話。人間で言うなら身体の動かし方はわかるものの、怪我や病気の治し方はわからないのと同じだ。
 メーカー側としての腕前はハッキングの腕を活かせるソフト系であれば。しかしながら列車は単純構造で、電子回路をいじった所で速度は上がらない。
「――いえ、そうとも限りませんか」
 ふと思いつき、トリテレイアが脳内で弾き出した演算結果を実行する。
 最高速度とは、安全を確保した上で出せる最高の速度のことだ。限界を超えて自壊さえ省みずに叩き出す最速とは違う。
 底上げした強度にかまけた限界速度超過の大暴走。それならば、制御系のソフトをいじるだけで速度を上げられる。
「オーダーは突撃。それならば、帰りの備えは捨てましょう」
 終点はオブリビオンプラント。距離を計算し、動力がそこまでもつ範囲で、限界出力の箍を外す。
 しかし、未帰還は良くとも未到達は許されない。
 だからこそ徹底的な装甲強化を。と、トリテレイアはユーベルコードを起動した。
 内蔵の射出ユニットから撃ち出された杭、電磁障壁発振器がそれだ。
 防御障壁、いわゆるバリアー発生装置として、組み上げられた装甲列車へと撃ち込まれる。
 そうして出来上がったのはキャバリア搭載型障壁付重装甲列車。その威容に対して速度は落ちるどころか上がっていると言う逸品だ。
「これがベストですね」
 よしと満足気に頷く。
 あとはシミュレートした仮組を現実に産み落とすだけ。
 トリテレイアは自前の改造キャバリア『ロシナンテⅣ』を駆りだし、超重量の装甲を運び出す。
 トリテレイア自身の怪力も駆使し、重機を使わず有り得ない速さで列車に改造を施していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェーズ・ワン
派手にやれ、か
話が分かるじゃねぇか
お望み通りいっちょ派手にやってやろうぜ

大量生産を優先してるってことは、時間をかけるほど増えまくって面倒なことになるっつーことだよな
なら改造方針は一つ
マックススピードでダイナミックエントリーだ!

貨物列車だが何かを積む必要はねぇ
俺達が辿りつけさえすればそれでいい
なので自分達が乗る先頭車両は装甲列車に
重くてもいいから敵の攻撃も弾けるくらい硬く
そんでもって後方の貨物用車両は全部ブースターに改造だ
シャトルの打ち上げみたいに段階的に切り離されるようにして、万が一破壊された時も大勢に影響ないように

具体的に決まれば後はUCでパーツを作り出して改造だ
ぶっとんだ音を聞かせてやるぜ



●第二宇宙速度を越えて
「派手にやれ、か。話が分かるじゃねぇか」
 フェーズ・ワン(快音響・f06673)が車庫に並ぶ修理済みの貨物列車を眺めて呟く。
 どれもこれも突撃なんて激務に耐えられそうもない、ただ重荷を運ぶためだけの車両だ。派手の対極、地味の極致と言って良い。
 そんな縁の下の力持ちを表舞台に立たせて祀り上げろと言うのだから軍部の指令は荷が重い。
 しかしそこは貨物列車。重荷を背負うのには慣れている。
 ひとしきり車両を見て確認したフェーズも、列車のポテンシャルが決して捨てたものではないと悟ってにやりと笑った。
「積載量は上々。上は空だが足回りは悪くねぇ。こいつは何を積もうが走り切るって執念を感じるな」
 実際にオブリビオンマシンの大群の中を走り抜き、載せていた人々を助け出した傑物だ。走行装置の頑強さは折り紙付きである。
 これならば無茶な改造も易々と受け入れるだろう。
「お望み通りいっちょ派手にやってやろうぜ」
 バンッ!と、音の割に親し気にフェーズが車両の側面を叩いた。
 そうと決まれば改造の指針だが、こんなものは一択だ。
 派手に。となれば、破壊力こそ正儀。
 もう少し詳しく言うなら、速度重視だ。
 オブリビオンプラントが絶え間なく敵機の量産を続けている今現在、ちんたら鈍行列車で向かう暇はない。改造自体を軍部ではなく猟兵達が直接手掛けるのだって時間短縮の意味合いが強いのだ。
 合理的な結論として、貨物列車に施す改造指針はスピード特化一択となる。
「荷物は積まねぇ、精々積んでもキャバリア程度。その分のスペースは先頭車両に、っと」
 猟兵の中にはキャバリアに並ぶ巨体の者も居るが、それもまあ何とかなる程度の空間を確保する。
 確保が済めば、残りは装甲を山積みだ。猟兵を無事目的地へ送り届けると言う目的の為にもここは必須と言える。
 そして残りの貨物車両。これらは砲を積んでもいいし装甲を積んで第二の搭乗スペースにしてもいい、フリーエリアだ。
 フェーズはここに、巨大ブースターを取り付けた。
 それも一両のみならず後続の全車両にだ。
 結果、横倒しのロケットが車両ごとに区切られて整列しているという、意味不明な完成図がフェーズの脳裏に浮かぶ。
 ロケットエンジンによる最強の加速力と、使用後または破損後に連結部から切り離せる構造。見た目だけではなく、この装甲列車は間違いなく『線路上の多段式ロケット』である。
 そうして構想が練り終われば次は実際に組み上げる作業が待っている。
 もちろん見守る軍人達に協力を仰ぎえっちらおっちら正攻法で作るわけじゃない。装甲だけならいざ知らず、貨物列車用ロケットエンジンなんてものを一から設計しようとしたら完成する前に国が亡ぶだろう。
 そこで活躍するのがユーベルコード。
「お前にピッタリなものを用意してやるぜ!」
 高らかに宣言するフェーズの前に、無数の重々しいパーツが現れる。
 いずれも超常によって生み出された超常的な技術力の結晶だ。
 あとはこれらの用途やスペックを理解し、正しく取り付けるだけ。そこはメカニックであるフェーズの腕の見せどころである。
 重機と手元代わりに軍人達の手も借りて、貨物列車は思い描いた通りの装甲列車へと変貌していく。
 通常、先行車両が後続を引っ張る列車は、ロケット形式で後ろから押し出せば簡単に脱線する。それさえも連結部や車輪周りの追加補助パーツによってカバーし、出来上がるのは『派手』なシルエット。
 万が一ロケット部を破壊されたとして大勢に影響しない、夢の突撃走行列車。
 もはや列車とは思えない威容のそれに、フェーズは頷いて手をついた。
「ぶっとんだ音を聞かせてやるぜ」
 それは敵にか、味方にか。
 威容の列車ただ、線路の向こうを睨み付けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『機動殲龍『空翔』』

POW   :    ブリッツウィング
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【キャバリア】から【ミサイルと機銃による追尾攻撃】を放つ。
SPD   :    オーバーブーストマキシマイズ
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【キャバリアを更に加速。敵に近づき翼】から【敵機を吹き飛ばす衝撃波】を放つ。
WIZ   :    ダブルバレルカノン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【キャバリア】から【鋼鉄をも貫くビームカノンによる連続攻撃】を放つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●完成、装甲列車
 猟兵達の尽力により数時間で何両もの装甲列車が完成した。
 いずれも損傷部は完璧に塞がれ、多少の事では小動もしない。
 更には改造指針により二種の特化した列車が並ぶ。
 堅牢無比なる重装甲に防御障壁、キャバリア砲を備えた質実剛健たる『トリテレイア式装甲列車』。
 強固な先頭車両と、後続車両多段式ブーストによる超加速で敵陣をぶち抜く『フェーズ式装甲列車』。
 どちらも素晴らしく、恐るべき性能を持つ装甲列車だ。
 これならばと軍部の人々も拳を握る。
 また、装甲列車ではないが、列車の動力と装甲装置のみの台車も幾らか用意された。
 こちらは敵に囲まれ先に進めなくなるリスクが高いものの、その分直ぐに線路から外れ迎撃に向かえる、より好戦的な仕様になっている。
 自身がプラントに辿り着くのではなく、仲間を送り届けるための物……としての用途だが、優れた猟兵ならばこれでも突破できそうなのがなんとも不条理である。
 かくして最強の装甲列車は出来上がった。
 進むべき線路は複数あれど、どれを通ろうとも終点は同じ。
 目指すはオブリビオンプラント。
 阻むは無数の飛行オブリビオンマシン。
 発車時刻は、目前へと迫っていた。
トリテレイア・ゼロナイン
貸し出し機体の台数が多かったのは嬉しい誤算でした
装甲列車が必要な程の敵の物量…背を狙われぬ為にも数を減らしたかったものですから

貸与機体の搭乗席にUC妖精ロボ配置
ハッキング遠隔操縦
キャバリア部隊のワンマンオペレーション実現
複雑な戦闘機動が不要な砲台代わり故に可能な手段ですが…

継戦能力高める為に列車に予備武装を満載
バリアに装甲、私の射撃の技量を反映する機体群の迎撃砲火
陸を走る要塞として線路を疾走

連射武装を乱れ撃ちする機体達で対空防御
ロシナンテⅣを駆る私はスナイパーライフルでの狙撃で敵を排除

(バレルが焼き付いた銃を車外へ投棄
補給担当の機体が手渡す銃を受け取り)

もう少し騎士らしい戦いをしたいですね…



●無数蹂躙
 装甲列車。
 速度と強度と重量を高い次元で兼ね揃えた怪物輸送機。
 特にトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)が手掛けたそれは、軽い移動要塞と化していた。
 しかしその規格外の兵器は、線路有ってこそのもの。
 元より国の要であるプラントと、それを繋ぐライフラインである貨物列車だ。線路は列車以上に重要視され、ちょっとやそっとでは破壊されない作りになっている。
「それでもオブリビオンマシンが本気になれば物理法則ごと破壊されるはず……」
 トリテレイアは呟き、前方の敵群を睨み付けた。
 群れ成す敵機は、空を往く飛行型キャバリア。閉じられた空を、それでも可能な限り自由に飛翔して見せる覇者。
 だが、そんな空の王者も、見る影もない。
「……成程。粗製濫造もここまでとは」
 溜息交じりに語るトリテレイア。彼の騎士が駆る装甲列車は、易々と敵陣を突き抜けた。
 余りにも容易い。
 それもその筈。プラントはオブリビオンマシンの大量生産と同時制御のために、あらゆるものを犠牲にしたからだ。
 見てわかるのは粗末なオートパイロット。そして低すぎる練度(レベル)と、ハリボテじみたスペックだ。
 元は機動殲龍『空翔』の名を持つ異色かつ強力なキャバリアだったはずなのだが、今し方装甲列車に跳ね飛ばされた一群は『紛い物』と言いたくなるほどの別物だった。
 どうりで線路も破壊されず放置されているわけだ。
 しかし、無謀にも装甲列車の前に飛び出した数体が打ち砕かれながらも列車を減速させ、その間にあらゆる方向から別の機体群が襲い掛かって来る。
 如何な装甲列車であろうと、線路が無事であろうとも、ただただ物量に任せた突撃によって囲い込まれ、叩き潰される。
 それを打開するには、猟兵の力が不可欠だった。
「貸し出し機体の台数が多かったのは嬉しい誤算でした」
 トリテレイアが列車上部に固定された砲台代わりのキャバリアに手を置いて言う。
 瞬間、キャバリアの砲が火を噴いた。
 連なる轟音が後方へと置き去りにされると共に、粉砕された空翔の残骸もぶちまけられる。
「装甲列車が必要な程の敵の物量……背を狙われぬ為にも数を減らしたかったものですから」
 突破するだけなら装甲にかまけた突撃だけで良い。突破力を増すなら速度を増すのが最高効率だろう。
 それを理解しながらも火砲を備えた理由が、これだ。
 追い縋る空翔。空の覇者は、粗製品でさえ列車に追い付ける。
 抜き去ってさえ脅威は迫る。だからこそ、トリテレイアは腕を振るう。
 それに応じるのは、『自律式妖精型ロボ』。ユーベルコードによって強化された妖精たちは固定されたキャバリアたちをハッキングし、砲台をキリキリと回し、砲弾を放った。
 キャバリアは有っても操縦者が足りない。そんな問題はいとも容易く解決し、トリテレイアは追い縋るオブリビオンマシンを薙ぎ払っていく。
 数が多い。それは脅威だ。
 目を瞑って撃っても当たるような密度で迫る敵群。その脆さから雑魚にも思えるだろうが、それでも数は脅威なのだ。
「手が足りませんね」
 並べたキャバリアと妖精たち。それらによる絶え間ない砲撃も、全方位から飛び込んで来る敵機全てを抑え込むには至らない。
 数の暴力とはこのことだ。
 トリテレイアも予備武装を列車に搭載し、更に手数を増やしていた。
 装甲に加えてバリアまで張られた列車は敵機群を蹂躙している。
 ただユーベルコードの数ではトリテレイア一人ではいかんともしがたい差が有るのも事実。
 突撃程度はどうでもいい。装甲と障壁でどうとでもなる。しかしユーベルコードを乗せた超高速飛翔からのミサイルや追尾弾は物理法則を覆しかねない潜在的な火力を備えている。
 だから、それを喰い止める。
「――チェック」
 トリテレイアが零す。
 同時に、敵群後方でミサイルを射出した空翔が、そのミサイルごと爆発飛散した。
 狙撃。
 トリテレイアの駆るキャバリア『ロシナンテⅣ』によるそれは、一撃でオブリビオンマシンを鉄屑に変えた。
 無数のユーベルコードは確かにトリテレイア一人で対処出来るものではない。が、それを察して同時にユーベルコードを使うような能は敵には無い。
 だから時たま現れる「対空砲撃範囲外から攻撃してこようとする敵」だけを狙い撃てばそれで良かった。
 数は暴力。
 だからこそ、より強い暴力で殴り返す事が出来る。
 知力と火力という名の暴力で。
 皮肉にも『数』のために棄てたそれらでオブリビオンマシンは蹂躙される。
「もう少し騎士らしい戦いをしたいですね……」
 バレルの焼き付いた銃を車外へ放り捨て、次の銃を妖精が操るキャバリアから受け取りつつ、トリテレイアが洩らす。
 敵影無数なれど、物の数に非ず。数ならぬ物に示す道も無し。
 鳴りやまない破砕音を聞きながら、トリテレイアは列車の行き着く先だけを見据えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
距離を取って迎撃に適応し始めましたか…
致し方ありません

妖精制御キャバリアに列車の護り任せ空戦開始

世界観→クロムキャバリア→汎用アイテムのEPメガスラスター
列車に積んでいた装備をロシナンテⅣに装着
UC●ハッキングし推力移動限界突破
基準5倍の機動性で強襲

高速機動戦故に攻撃可能な機会は通常の半分
ですが、その機を捉えてこそウォーマシンの面目躍如というものです
(瞬間思考力とマルチセンサーでの情報収集で見切り)

ミサイル振り切り肩部、頭部格納銃器で武器落とし
機銃は盾で防御し剣で両断
同時にサブアームのライフルの●スナイパー射撃で別々の敵機を攻撃

敵機を●踏みつけ飛翔軌道変更
翻弄しながら戦力を削りつつ列車と並走


レパル・リオン(サポート)
こんにちは!あたしはレパル!またの名を『魔法猟兵イェーガー・レパル』よ!よろしくね!

お祭りとかイベントとか友達と遊んだりとか、とにかく楽しい事大好き!

あたしが戦うのは、怪人(オブリビオン)から人々と平和を守るため!そのためなら、ケガをしたってかまわないわ!
(強敵相手だと少し怯えるが、表には出さないように努める)

得意なのは肉弾戦!ダッシュで切り込んだり、ジャンプやオーラ防御でよけたり、激痛耐性でガマンしたり、怪力パンチ&キックでぶっ飛ばしたりするわ!
ユーベルコードに怪人の弱点属性を組み合わせてパワーアップさせたりもするわよ!

頭を使うのは苦手かな。でも、パワーとスピードでなんとかするわ!


ニノマエ・アラタ(サポート)
ふだんは無口(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)
だが、状況に応じて会話する。
相対する存在への礼儀は忘れない。
敵を前に怯えたり、ひるんだりはしない。

ユーベルコードは有効と判断すればどれでも使用、
怪我は厭わず積極的に行動する。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしない。
依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。

あとはおまかせ。絡みやアドリブは常に歓迎する。

●集団戦章に参加した場合
敵の気を逸らしたり、隙を作るべく戦います。
主に足元や眼を狙って動きを封じたり、
相手の攻撃をかいくぐり、一撃を決めようとします。


鬼河原・桔華(サポート)
 東方妖怪の地獄の獄卒×咎人殺しです。
 普段の口調は姐御肌(私、相手の名前、だ、だぜ、だな、だよな?)
、敵には外道扱いする地獄の獄卒(私、てめぇ、だ、だぜ、だな、だよな?)です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 装甲列車は、確実にオブリビオンプラントへと接近していく。迎撃戦の続く空に舞う敵を見つめ、ニノマエ・アラタ(三白眼・f17341)が小さく呟く。
「気配が変わった、か?」
 その言葉に続き、センサーによる情報を把握したトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)からの警告が飛ぶ。
「敵機、急速接近! これは……自滅覚悟ですね!?」
 一定の距離までの接近を契機としてか、『空翔』の群れの一部が、後方へと回り込むと、急激な加速で装甲列車へと迫って来る。
 高速飛翔を禁ずる『殲火炎剣』に狙われることをも顧みない速度の上昇は、装甲列車を狙ったものだ。
 鬼河原・桔華(仏恥義理獄卒無頼・f29487)が、手にした鬼棍棒に力を籠める。
「連中も、プラントに近付かれて本気を出したってわけだな?」
「完全に壊せずとも、脱線狙いってわけ?」
 レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)は、敵の動きをそう見て取る。
 衝撃波を纏っての接近は、列車そのものを破壊する可能性は勿論だが、列車自体が無事でも脱線する可能性は大きい。
「線路を外れた列車なんざ、連中にとっちゃ良い的だろうしな」
「迅速に倒さないことには、『殲火炎剣』の砲撃が飛んで来そうですね」
 高速飛翔体の存在を許さない『殲火炎剣』。
 空を封じる衛星は、すぐにこの動きを察知することだろう。

「だったら、その前になんとかしないと!」
「全くです」
 レパルの言葉に同意すると、トリテレイアはキャバリア『ロシナンテⅣ』に取り付けたスラスターの推力を限界まで高めていく。
『メーカー保証外ですが……致し方ありますまい!』
「あ、ちょっと乗せて!」
『振り落とされないよう気をつけて下さいね』
 レパルが肩につかまったのを確認した直後、ロシナンテⅣは文字通りに飛び出した。
 急接近して来る『空翔』との相対距離が見る間にゼロに近付いていく。
 白い機体へと、追いすがるように放たれる無数のミサイル。
 それを振り切るように加速しながら、トリテレイアは盾をかざし、敵機の機銃から放たれて来る無数の銃弾を凌ぎ切る。
「敵武装位置把握……全て破壊します!」
 ロシナンテⅣの頭部に格納されていた銃器が、トリテレイアの操作に応じて瞬時に展開された。
 放たれる弾丸が、敵の機銃をことごとく破壊。爆音と共にロシナンテⅣへの銃撃が止み、敵機が対応を迷った隙に剣が振るわれた。甲高い悲鳴のような音と共に、鋼鉄の翼が断ち切られ、地へと落ちていく。
「おっと、落ちる前にあちらへどうぞ」
 落下しようとする機体をロシナンテⅣの脚部で蹴りつけ、迫っていたミサイルの方へとそっと押し込んでやる。
 後方で起こる爆風を背に、トリテレイアは次の敵機へと向かっていった。
「やるわね、こっちも負けてられないわ!!」
 それに続くように、ロシナンテⅣの肩から跳んだレパルもまた、敵群の内を躍動していった。
 急接近して来ていた『空翔』の頭部パーツを気合を籠めたマジカル飛び蹴りの一撃で蹴り飛ばし、その反動と共にまた別の一機へと飛び渡りながら、その怪力でオブリビオンマシンを粉砕していく。
「我慢、我慢……!!」
 時折かすめる機銃に痛みが走るも、レパルはそのまま加速しながら、オブリビオンマシンに比してずっと小さな体での肉弾戦を仕掛けていった。

「派手にやってるじゃねぇか」
「俺達も高みの見物とはいかないようだぜ」
 激しく空を舞うトリテレイアとレパルの防御をかいくぐり、なんとか接近して来た1機を迎え撃つのは、ニノマエの手にした刃だ。
 ニノマエが静かに妖刀・輪廻宿業を振るった瞬間、『空翔』の片翼が一瞬のうちに根本から断ち切られ、線路脇に墜落する。
 切り飛ばされた翼に直撃され、失速しつつも、別の『空翔』の一機が装甲列車に激突しようとする。
 それに対し、桔華はざくろドロップを口に放り込むと両腕を広げた。
 メキメキと音を響かせながら、桔華の肉体が変容していく。
 骸魂【ラークシャサ】と合体し、血肉に飢えりし鬼子母神の姿を晒した桔華は、自分よりも何倍も大きな鋼鉄の機体を、その腕で受け止めていた。
「お帰りはあちらってなぁ!!」
 受け止めた『空翔』を、線路へと攻撃を行おうとしていた別のオブリビオンマシンへと投げつける。
 自己の動力に依らずに飛んだ『空翔』は、周辺の敵を巻き込みながら、その存在を鉄屑へと変えていった。
 守る2人は装甲列車を飛び移り、そのまま接近して来る敵機を迎撃していく。

『高熱源反応……ミサイル、一斉発射が来ます!!』
 列車にくくりつけられたキャバリアの通信機を通じ、空戦を繰り広げるトリテレイアからの警告が装甲列車上の猟兵達へと届く。
「チッ、もう少しで終点だってのに……」
 桔華が呻く。
「ミサイルはあたしが! 残りはお願い!」
 装甲列車上に飛び降りて来たレパルの体は、既に充分なエネルギーを蓄えていた。
「行くわよ! ポジトロン! バンカァァーッ!!」
 叫び声と共に、超圧縮された電気エネルギーが空を覆う。
 トリテレイアの乗るロシナンテⅣを避けて展開されたエネルギーによって、装甲列車に迫らんとしていたミサイルの群れが回路を焼き切られて失速。爆発せぬままに明後日の方向へと飛んでいく。
 そしてレパルの放った電撃は、ミサイルばかりか『空翔』達をも巻き込み、大きなダメージを与えていた。
 動きを鈍らせたオブリビオンマシンの群れを、白青の騎士機が断ち切っていく。
『加速を! 今ならば敵陣を貫けます!』
「了解だ」
 ニノマエの指示を受け、装甲列車は加速した。
 空を覆い尽くさんばかりに思えた敵の群れは、もはやその数を減じ、装甲列車はプラントへ迫っていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 集団戦 『機動殲龍『堅牢』』

POW   :    ヘビーバレットストーム
全身を【全武装から砲撃し続ける状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    シールドアライアンス
【機動殲龍『堅牢』】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[機動殲龍『堅牢』]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    ヘビーアーマーキャバリア
全身を【重装甲モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「真壁真人」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
月影・左京(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK!

「はわっ!?……大丈夫。私も手伝うから♪」

一人称:私
口調:女性的でラフ(〜よね、なの?、あら〜等)
口癖:はわっ!?
性格:おっとりのんびり。「わぁ!頼りにな……る、の?(笑)」な印象

基本戦法:【忍び足】で敵の死角に入りメイスによる【気絶攻撃】を【2回攻撃】。【鎧砕き】も狙う。

敵の攻撃は【聞き耳】を立てて【第六感】も使い、【見切り】ます。
※不意打ちを受けた時など、「はわーっ!?」と叫ぶ傾向あり。

指定したUCを何でも使用。
但し負傷した猟兵がいれば戦況次第で攻撃より【祈り】の力と【医術】及び【救助活動】で治療。

後はお任せします。よろしくお願いします。



 装甲列車は、オブリビオン化したプラントへと向けて加速していく。
 だが、あと一歩まで迫ったところで、猟兵達はプラント前に広がる壁のようなものを視界に捉えていた。
「線路が塞がれてるの?」
 月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)が、その壁のようなものへと目を凝らし、そして声をあげた。
「あれ、全部オブリビオンマシン!?」
 それは、プラントが送り出して来た最後の防衛戦力だった。
 機動殲龍『堅牢』。
 太古の地球に生きた角竜類を思わせるような姿のオブリビオンマシンの大軍勢は、その全身の武装を解放した。
「はわっー!? ……みんな、飛び降りて!」
 仰天したように左京が叫ぶ。
 その直後、プラントへと突っ込む形で線路を進んでいた装甲列車は、オブリビオンマシン達の砲撃を受け、動きを止めていた。
 猟兵達をここまで運んできた装甲列車や台車に次々に風穴が空き、破壊されていく。
 穴だらけにされた装甲列車が鋼の骸を晒したことで、オブリビオンマシンの側も砲撃を一時緩める。
 だが、その直後に響いた声は、オブリビオンマシン達に脅威はいまだ消えていないと示すこととなった。

「天の父なる神よ。今この時ばかり、この身にその御力の一端を顕し、敵を滅びへ誘い給え……」
 光の塊が、オブリビオンマシンを打ち据える。
 その光の正体は、ユーベルコード『聖光変化』を発動させた左京だ。猛烈な速度と威力をもって振るわれたメイスが、鋼鉄の装甲を凹ませ、鋼鉄の龍を撃砕する。
「Amen」
 聖句を唱え、左京はさらに加速しながら次なる敵機へとメイスを振るう。
 分厚い装甲が叩かれ、凹む悲鳴のような響きが、戦場に響く。
 既に、装甲列車は役割を果たした。
 その事実を、オブリビオンマシン達は認識することとなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

仲佐・衣吹(サポート)
オルタナティブ・ダブル発動!

それじゃ行ってみよー!
分身は僕ことベスト
ルーンソードやカルテを使って精霊属性の連携技で戦うのが好きだよ
僕が先に水属性で戦場をずぶ濡れにしていくから
続けて氷属性でガッチリ固めて動けなくしちゃうってのはどうかな?
愉快な敵だともっと楽しいよね
遊んでるように見える?
僕が一番本気が出せるのは、楽しくて夢中な時だよ!

足ひっぱんなよ!
本体はオレことサーベル
まぁ悪かねぇな
それでも逃げるやっかいなヤツは、ハサミ撃ちで即ぶった斬ってやろうぜ
んくらい根性あるヤツがいなきゃ、オレも楽しめねぇからな

使う精霊属性は敵に合わせて変更可
使うアイテム技能も好きに選んで下さい



 オブリビオン化したプラントを破壊するための最強戦力……すなわち猟兵を、プラントの目の前まで運ぶという役割を果たした装甲列車から、猟兵達は飛び出した。
 彼らはプラントを守るオブリビオンとの交戦を開始する。

「それじゃ、行ってみよー!」
 仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)の一人格、『ベスト』が声を響かせると共に、戦場に水が降り注ぐ。オブリビオンマシン達がかぶった水は、次の瞬間に凍りつき、敵の動きを鈍らせていった。
「敵は機械か。ぶった斬るのは面倒くさそうだなぁ?」
 ベストと同じ姿をした別人格『サーベル』は、ルーンソードを手にオブリビオンマシンへ迫ると、電撃属性を帯びさせた剣で敵の機械回路を焼き付かせていく。

 オブリビオンマシンの側も、猟兵達の存在に気付き、反撃を開始するが、機械の龍に比して小さな猟兵達を狙うには、同士討ちの恐れが否めない。

「逃げねぇのは悪かねぇが、そんなもんか? そんなザマじゃ、俺達の相手は務まりゃしないぜ」
「このオブリビオンマシン達、作られたばっかりだからね。赤ちゃんみたいなもので判断ついてないじゃないかな」
「そういう例え方すんなよ、萎えんだろうがよ……」
「まあ、生まれたばっかりでもプログラムで制御されてるだろうから、あんまり関係ないのかも知れないけどね?」
「結局どっちなんだよ」
「面白い方でいいんじゃないかなぁ」
 などと無駄話をしながらも、敵を葬る動きは淀みなく続いていく。
 動きの鈍った敵の間をかいくぐりながら、2人の『衣吹』はオブリビオンマシンを1体、また1体と行動不能に追い込んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月詠・莉愛(サポート)
『あの……宜しくお願いしますね。』
 オラトリオのシンフォニア×聖者の女の子です。
 普段の口調は「丁寧口調(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
 独り言は「普通かな(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

大人しくて口数が少ないですけど、心優しく
動物や植物などの自然が好きな少女。
争い事は苦手ですけど、依頼の成功の為なら戦う事も厭わないです。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 オブリビオン化したプラントを守る、機械の龍達。
 その角の代わりに据え付けられたガトリング砲からの対空砲火をかいくぐりながら、月詠・莉愛(銀の月を謳う・f16320)は手にした銃に力を籠める。
「月よ、私を導いて下さい。そしてその力を私に貸して下さい」
 願いの言葉と共に、冴え冴えとした月の輝きが莉愛の体を覆い、月光の聖銃がその宿した魔力を増す。
 オブリビオンマシンが、その銃口を莉愛へと向け、激音と共に銃弾が放たれる。
 しかし、銃弾が届いた時、既に莉愛は元の場所にはいない。
 魔力の放出により、オブリビオンマシンの予想を遥かに上回る速度で、莉愛は敵の後方へと回り込んでいた。

「浄化をもたらす聖銃よ、お願いします……!!」

 聖銃から放たれる光の波濤が、オブリビオンマシンを飲み込み、その邪悪な機械を浄化せしめる。
 作られながらにして邪悪なる存在として生まれたオブリビオンマシンは、その内部機構の停止という形で悪性を清められ、動きを停止させる。
 他のオブリビオンマシンは、その理屈を理解せぬまま、莉愛の攻撃を危険と見なし、その重装甲をもって守りを固めようとする。
 もっとも、それは莉愛にしてみれば狙いをつけやすくなっただけに過ぎない。
「人を害するためだけに創造された、悲しい機械……せめて、誰かを害する前に停めてあげます」
 月光の聖銃を手に、莉愛は忌まわしき機械の龍達を浄化していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

キャロライン・メイ(サポート)
ダークセイヴァーの貧民街の生まれ。生きるため、悪事に手を染めてきた。ある日商人から一振りの剣を盗み出す。剣は呪われており、その邪悪な魔力によって、呪われし黒騎士へとその身を堕とす。その冷酷な様を人々はアイスドールと呼ぶ。

自身の半生に強いコンプレックスを持ち、心の中では常に自己を否定し続けている。死に場所を探しているかのような言動をとることがある。

ダーインスレイヴ~漆黒の魔剣による強力な一撃。
ライフドレイン~魔剣の血塗られた鉄鎖が無数の棘に変形し敵に突き刺さる。

「私は人形・・・人らしく思い悩むのもおこがましい。」

エロやグロに巻き込まれなければ、どんな展開でも大丈夫です。



 小国を支えていたプラントは、オブリビオンマシンを無尽蔵に生み出す災厄の機械と化している。
 それを破壊すべく、猟兵達はプラントを守るオブリビオンマシン『機動殲龍』の群れとの戦いに挑んでいた。

「……これでもくらえ!」
 キャロライン・メイ(アイスドール・f23360)の振るった漆黒の魔剣、ダーインスレイヴが触れると同時、オブリビオンマシンの脚部を破壊した。
 トリケラトプスを思わせる機体が態勢を崩し、それを補正しようとプログラムが走る。だが、それが意味を為すよりも早く、再び振るわれた魔剣は装甲の隙間へと突き込まれていた。
 動力源へと至った切っ先が、オブリビオンマシンの命脈を断ち、機体が沈黙する。
 敵が動きを止めるのを確認すると、キャロラインは次なる敵へと怜悧な視線を向けた。
「機械の龍……巨大な敵とはいえど、剣が届くならば斃せぬ道理も無いか」
 異世界にて人々にアイスドールの異名で呼ばれた黒騎士は、一陣の風の如く戦場を駆けると、また新たなオブリビオンマシンへと向かう。
 鈍重な機体が距離を取ろうと、全ての武装をキャロラインに向け、移動の時間を稼がんとする。

「だが、それでは私の生命には届かない……!!」
 冷ややかな呟きと共に、眼前にかざしたダーインスレイヴが、飛来する弾丸を破壊してのける。
 そのまま駆け抜けたキャロラインは、漆黒の魔剣を一閃。
 彼女を踏み潰そうとした鋼鉄の脚を斬り飛ばす。
 派手に転倒したオブリビオンマシンの胸部へと繰り出された魔剣は、装甲を破砕し、その奥に秘められた動力部を露わにする。
「貴様ら如きでは、私を殺せはしない」
 キャロラインは告げると、剣を振り下ろす。
 オブリビオンマシンがまた一機動きを止め、戦況は猟兵の有利に傾いていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

七星・龍厳(サポート)
『俺に挑むには10年早いな。』
 羅刹の剣豪×マジックナイトの男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、仲間には「フレンドリー(俺、呼び捨て、言い捨て)」

行動の基準は戦闘が楽しめるか、又は興味を持った事柄に積極的に関わる。
戦闘は戦場で敵の技術を盗み自身が扱えるものに昇華させるため戦場を探してる竜殺し。
戦場では弱肉強食、故に弱者に手を差し伸べる者への優しさと敬意は無くしていない。
猟兵の妻と娘がいる。
 ユーベルコードはどれでも使用、怪我は厭わず行動します。迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしく!



 紅黒のキャバリア、サイキックキャバリア・クロスグローリーを操縦していた七星・龍厳(紅蓮の竜殺し・f14830)は、プラントに近づいていく。
 だが、プラントへの攻撃は、集まって来た恐竜の如き姿のオブリビオンマシンの群れによって阻まれていた。
「まだまだ大量にいやがるな。しかし機械の龍とはな……」
 クロムキャバリアに来てまで竜殺しをすることになるとは。
 などと考える間にも、オブリビオンマシンはプラントから続々と生産されて来ている。それは、危機を感じ取ったオブリビオンプラントの、最後のあがきであった。

「だが、この調子で生産され続けられちまうと、いつになったら倒せるのかわからねぇ……なら、こっちも数には数だ!!」
 龍厳の詠唱と共に、小型のドラゴン達が次々と戦場に召喚されて来る。
 ドラゴン達は、恐竜を模したオブリビオンマシン『機動殲龍』へと、次々に襲いかかっていく。
 オブリビオンマシンの対空砲火を浴びて、ドラゴンの血が大地へと降り注いだ。
 だが、ドラゴン達も負けてはおらず、それぞれにオブリビオンマシンにブレスを吹き付け、あるいは肉弾戦を挑んでいく。
「コケさせちまえ! そうすりゃ大した攻撃はないぜ!」
 龍厳が、ドラゴン達へと指示を出す。
 機械の肉体を持つ鋼鉄の龍たちは、召喚されたドラゴン達に群がられ、身を守る態勢に入る。

 動きを止めた機動殲龍に対し、龍厳は勝機を見出す。
「今だぜ!!」
 二種のドラゴンの交戦の間を縫うようにして、龍厳は自らのキャバリアを駆け抜けさせる。
 そしてプラントへ接近すると、高出力のビームライフルを立て続けに叩き込んだ。
 オブリビオンと化していたプラントから爆音が響き、やがて轟音と共に崩壊していく。
 それは、小国を危険に晒していた最大の脅威の消滅に他ならなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 猟兵達は、オブリビオン化したプラントの破壊を成し遂げた。
 だが、それでプラントで生産されてしまったオブリビオンマシンが、即座に消滅するわけではなかった。
 統制を失いつつも、その場から逃げ出そうとするオブリビオンマシン達。鈍重そうな外観とはいえ、巨体が為す速度は決して遅いとは言えないものではあった。
「このまま、他の場所に逃げられたら、また被害を出すかもしれませんね」
 スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は、即座にそう判断すると、手にした木の葉を高く投げ上げる。
 仲間たちの元に、木の葉が降ってくるのと同時、戦場の地面が揺れる。
 そこから突如として出現した木々は、逃走を図っていたオブリビオンマシン達の行く手を遮っていた。
 装甲に重きをおいた鈍重な機体は、その木々をかわしきれていない。
「さあ、狩りの時間ですよ」
 今まで開けた戦場であったプラント周辺は、もはや完全に広大な森と同じ環境と化していた。
 聖樹の大弓に魔力の矢をつがえると、スピネルは木々に隠れ、オブリビオンマシンを狙い撃っていく。
 そこからは、文字通りの狩りの始まりだ。
 他の猟兵達と共に、スピネルは次々とオブリビオンマシンの急所を狙い、機体を沈黙させていく。
 木々によって分断、孤立した機械の龍達が、一匹残らず猟兵達によって狩り尽くされるまで、そう時間はかからない。
「これで、おしまいです!」
 最後の機動殲龍が動きを止めたのを確認し、スピネルは森を元の状態へと戻す。

 かくして、小国を襲った脅威との戦いは、完全に終わりを迎えたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年10月11日


挿絵イラスト