クロムキャバリアに存在する科学小国家ジャパニア。
周囲三方を山岳地帯に囲われ、残りは海に面した天然の要害に存在する。
その平野部では科学技術が発達し、猟兵達とともに様々な困難を乗り越えてきた。
去年の年末、隣国支配下のジャパニア元首都トッキョーの奪還に成功。
隣国のコリファ人民国を始めとした敵対国と抗戦し続けた。
結果、諸外国はジャパニアとの和平の道を選択。
猟兵達がいない間に戦争賠償金でさらなる発展を遂げたジャパニアは、隣国をまとめ上げた『科学連邦国ジャパニア』の盟主として勢力を拡大しつつあった。
だが、その平穏は長くは続かなかった――。
「おいおい、勘弁してくれよ……念願の俺の二階級特進を潰す気か?」
特別軍事科学研究機関改め特務軍事対策機関『M.A.K.E』のトップ、ジャック・カブラギ中将が諜報部隊からの報告に頭を抱えていた。
『ジャパニアへ向けて、神聖ブリオン教国が宣戦布告した』
『並びに海上に部隊を集結させ、暴走したプラント基地で戦力を今も拡大している』
「厄介な国に目を付けられちまったな。神聖ブリオン教国っていえば、オブリビオンマシンを神聖視しているヤバい宗教国家だったか? 海を渡ってまで戦争を吹っかけてくるとか正気の沙汰じゃないな……海上戦はジャパニア側の不利、かと言って待ち構えていれば、数万の軍勢が海岸線に押し寄せてくる……ああ、面倒だな……!」
人々を狂わせるオブリビオンマシンを神の御子と崇拝するブリオン教を掲げる教信者の国。海の向こうの話だと思っていた脅威が、この連邦国の盟主国へ迫っている……!
「あ~あ、こんなとき、猟兵のみんなが駆け付けてくれないもんかねぇ……?」
去年のクリスマスから8ヶ月も姿を見せない猟兵達に想いを馳せながら、カブラギ中将は各部隊に出撃命令を出すのだった。
「……ということで、予知の通り、オブリビオンマシンを神聖視する国家からジャパニアを守るのが、今回の任務ですわ」
蛇塚・ライム(その罪名は『憤怒』/IGNITE POP DiVA・f30196)は、グリモアベースに集まってくれた猟兵達へ任務内容の解説を始めた。
「現状、神聖ブリオン教国が科学連邦国ジャパニアの首都トッキョーを目指して、海洋に存在するプラント基地に大艦隊を集結させていますの。ですが、問題なのはその海上プラント基地でして……はっきり申し上げますわ、今回の任務の最終目的は、教国側の海上プラントの破壊ですの。理由はただひとつ、そのプラント基地は暴走してまして、大量のオブリビオンマシンを無尽蔵に生み出している真っ最中だからですわ!」
ライムの表情が曇る。
「放置すれば、そこからオブリビオンマシンが世界中へ広まり、教国の一大拠点になってしまうからですわ。オブリビオンマシンを崇拝する小国家など、この世界には不要です。ジャパニアを守るため、世界を守るため、この海上プラント基地は破壊しなくてはなりませんわ。是非とも皆様のお力をお貸し下さいませ」
下手すれば、カタストロフに近い被害も出かねない。そうなる前に、悪の芽を摘まねばならないのだ。
なお、とライムは言葉を継ぎ足す。
「今回の戦場は海上ですの。キャバリアも海上・海中での兵装を推奨しておりますわ。もしもない場合はジャパニアのホバーユニットを提供してくださるとのことですが、予知の通りジャパニアは海上戦は得意としておりません。プラスの戦力になるとは考えないほうがいいでしょう」
とりあえず、海上でホバリングして地上とさして変わりない挙動ができる程度のユニットだ、という代物らしい。パワーアップアイテムではないので注意が必要だ。
「あと、キャバリアを持っていない方は、カブラギ中将に申し出れば量産機を貸し与えてくれますわよ? もちろん、生身での戦い方が合ってるという方は、そのままで結構ですわ。……そういえば、今年の水着コンテストで海戦仕様の兵装を披露していた方々もいらっしゃいましたね? それを実戦で使う良い機会かもしれませんわよ?」
ライムは何かを期待するかのような笑みを浮かべたあと、クロムキャバリアのジャパニア作戦本部への転送を始める。
新たな戦いは、海の上で始まる――!
七転 十五起
8ヶ月ぶりのぉぉぉおおおおおおぉぉぉおおオオオオオォォーっ!
クロムキャバリア・ジャパニアシリーズ第二部の開幕でぇぇっース!
気合ッ! 入れてッ! 参りますッ! なぎてんはねおきですッ!
●あらすじ
隣国から首都奪還を果たした科学小国家ジャパニアは、その後も破竹の勢いで勝利を収め続け、本来の国境まで勢力を盛り返しました。これを受け、近隣諸国はジャパニアへ講話を持ちかけてきたことから、大陸間で停戦条約が締結されました。
以後、連邦国の盟主として発展を続けるジャパニア。
そのミナミカント地方にある湾岸首都トッキョーへ向けて、海の向こうの神聖ブリオン教国が侵略戦争を開始しました。
既に宣戦布告を受け、ジャパニアを始めとする連邦軍の海上戦力が迎撃準備にあたっておりおます。
猟兵達はトッキョーに設立された作戦本部に転送され、ここから出撃してゆくことになります。
●敵戦力の情報
現在、海洋上の暴走プラント基地の周辺に、神聖ブリオン教国の大艦隊が集結しています。暴走プラント基地を『聖地』として崇めているためか、いまのところはトッキョー沿岸へ攻め込む気配はありません。
ですが、絶えず暴走プラント基地からはオブリビオンマシンが出現し続けており、これを守るために自らの艦隊で盾になろうと猛攻を仕掛けてくると予想されます。
『敵海軍師団戦力』
全51旅団:3個大隊毎で1個旅団として編成されている。
潜水艦に駆逐艦を主力とした前衛部隊、軽巡洋艦を旗艦とした駆逐艦混成部隊の機動部隊、重巡洋艦と戦艦で編成された打撃部隊、そして、航空無人機を艦載した空母で編成された航空部隊が存在します。
(ただし高高度の飛行は高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星『殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)』に撃ち落とされてしまうため、速度も高度もキャバリアの射程範囲外から逃れることは出来ません)
大艦隊を退けると、暴走プラント基地から生み出され続けるオブリビオンマシンの殲滅を行います。
海上戦という特性を念頭に置きながらプレイングを掛けて下さい。
●その他・補足説明
『科学小国家ジャパニア』シリーズは連作シナリオですが、前作以前のシナリオに参加していなくとも、問題なく本シナリオへ参加が可能です。むしろ新規参加者を大歓迎しますので、奮ってプレイング投稿をお願い致します!
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
第1章 冒険
『敵艦隊を撃滅せよ』
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POW : 自らの装甲と火力を頼りに、敵艦隊へと突入する
SPD : 速度と機動力を武器に、敵の迎撃網を突破する
WIZ : 敵のデータリンクや索敵網を妨害し、敵の迎撃網を無力化する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カシム・ディーン
機神搭乗
「わーい!ジャパニアだーー☆」
まさかまた此処に来るとはな
というか気づかない内に凄い事になってんな!?
UC発動
機体の下半身を人魚にして海中モード
射程半減
移動力強化
「ジャパニアを狙うのは許さないぞ☆」
【属性攻撃・迷彩】
水属性を機体に付与
海中での親和性強化
音をたてないように泳ぐ
【念動力・情報収集・戦闘知識】
念動力を広範囲に展開して潜水艦の存在を捕捉
更にその構造と武装部分の把握
そのまま沈めてもいい気はするが一応人が乗ってるなら無力化に止めるか
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
潜水艦の武装の強奪
動力炉と推進機構を切断して無力化して海上へと浮かべ
戦艦も同様に推進機構を破壊しつつ船底切り裂き
テラ・ウィンディア
機神搭乗
尚水着
「……またこの国に来る事になるとは」
でもヘカテも気になるんだろー?
「…少しですけどね」
【戦闘知識】
敵陣の陣形と戦い方の把握
戦艦や空母などの戦艦の構造について細かく確認
海上戦
UC発動
【空中機動・オーラ防御】
暴走衛星の影響を受けない高度で飛び回り
重力障壁をオーラで強化
【見切り・第六感・残像・武器受け】
敵の砲撃は残像を残しながら避けて避けきれないのはオーラや武器でダメージ軽減
【属性攻撃・貫通攻撃・弾幕・遊撃】
ガンドライドとドリルビット展開
航空無人機は火炎弾の弾幕展開して迎撃
ドリルビットは戦艦の兵装や船底や推進機能を狙いドリル突撃
【二回攻撃・早業・串刺し】
兵器を狙い剣と槍で猛攻
不殺徹底
クロムキャバリア、科学連邦国ジャパニアの首都トッキョー。
そこに本件の作戦本部が設けられていた。
既にホバリングユニットを携えたキャバリア隊を載せた船舶が、沖合の暴走プラント基地へ向けて出港している。
作戦本部の指揮を任された特務軍事対策機関『M.A.K.E』のトップ、ジャック・カブラギ中将の表情は険しい。
「訓練は積んでいるとはいえ、海上での戦闘はぶっつけ本番もいいところだ。戦闘が長引くほど、こっちのボロが出る。状況は決して良くないんだよな……」
考え込むカブラギ中将。
そこへ、来客の知らせを告げる部下の士官。
「失礼します。中将、朗報ですよ!」
声を弾ませる部下に訝しがるカブラギ中将。
「朗報って何なのさ? まさか猟兵達が久々にやってきたのか?」
「そのまさかです!」
「そのまさかだよ☆」
「そのまさかだぞ!」
声を揃えて作戦本部に足を踏み入れたのは、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と相棒の銀髪少女メルシー、そしてテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の3人だ。
ただし、全員が水着着用のままの参上である。
「わーい!ジャパニアだーー☆ メルシーの故郷に帰ってきたんだね、ご主人サマ!」
「まさかまた此処に来るとはな。というか、気付かない内に凄い事になってんな? 連邦国ってマジなんです?」
ジャパニアの地で封印されていたメルシーは、本来の姿は少女ではなく神機と呼ばれるキャバリアだ。
実は神話時代のジャパニア勃興に深くメルシーは携わっていたりするのだが、本人がアホすぎて激しい内乱が起きてしまい、息子に首を刎ねられて封印されていたのだ。首を刎ねられても自己再生でメルシーは生きてはいたのだが、神性と権能と知能をごっそりと息子に奪われたがゆえに、今の残念なアホの子に成り下がってしまったメルシー。
そんな彼女に見初められたカシムは、久々に再会したカブラギ中将と握手を交わしていた。
「あの時は主任でしたね。まさか中将になっていたとは驚きですね」
「猟兵達がいない間、おじさんが頑張った証拠さ。もっとも、今はそれどころじゃないけどな? というか、なんで水着なんだ?」
「えへへー、海での戦いっていうから、今年の水着コンテストで部門1位を掻っ攫ったメルシー達の水着を見せびらかしに来たんだよ☆」
「は、はぁ……。それは、おめでとうございます、女神様……?」
メルシーの言葉に、困惑するカブラギ中将は引きつった笑みを浮かべていた。
一方、テラは黒猫に向かって重い口を開いていた。
「……またこの国に来る事になるとは」
「ヘカテ、大丈夫か?」
「何度か痛い目にあってますからね……」
カシム達と違い、テラはジャパニアでの戦闘は何度か辛酸を舐めた経験がある。
それを気遣う主テラは、黒猫ヘカテイア……黒猫に変化している三界神機『ヘカテイア』の額を撫でた。
「でも、ヘカテも気になるんだろー?」
「……少しですけどね。もうあのときとは違うことを証明してみせます」
リベンジに燃えるヘカテに、バトルマニアのテラも気合が乗るのだった。
メルシーとヘカテは本来のキャバリアの姿へ戻ると、それぞれの主をコクピットへ乗せて出港した。
「メルシー、お前が本当に賢者の石ならばその力を見せやがれ」
『了解だよご主人サマ♪ メルシー、今日はマーメイドモードだよ♪』
界導神機『メルクリウス』の身体が一瞬、巨大な白銀のスライムに変わると、そこから下半身が魚の尾びれの形状となった海戦適応形態へと進化する。
「射程半減されますが、移動力は強化されます。ついでに海の中へ潜水できるので、僕らは海中から進攻しますね」
「ならおれ達は空中を進むぞ、ヘカテ!」
『了解です、テラ! 重力を司るテラのチカラを発揮する番ですね!』
テラはすかさずユーベルコード『モード・グランディア』を発動させた。
「グランディアよ……全ての存在がもつ原初の力よ。我が身に宿り力と成せ! グラビティフィールド……展開!」
ヘカテイアの機体が超重力フィールドに包まれると、港のコンクリートの地面から4~5mほど飛翔し始める。
「んじゃ、行ってくるぞ! 暴走プラント基地へ出発だ、ヘカテ!」
『了解です! 今回は気持ちよく勝ちましょう!』
ヘカテはスラスターから炎を吹き上げると、超音速に達するような速度で海上を飛んでいった。
もちろん、上空の暴走衛生の餌食にならない程度の速度でセーブしつつ、テラとヘカテイアは現場へ急行するのだった。
『テラ、前方に見えてきました!』
「おれも見えるぞ。あれが暴走プラント基地か! そして……」
<あれが神聖ブリオン教国の大艦隊ですか>
無線回線からカシムの声が聞こえてくる。
<僕達は海中から攻撃しますので、そちらは派手に敵艦隊を惹き付けておいてくれませんか?>
「もちろんだぞ! むしろ見せ場を戴いて悪いくらいだな!」
張り切るテラの気合が、ヘカテイアの出力を向上させてゆく。
『行きましょう、テラ! 敵艦隊の砲塔を破壊するのです!』
「おれも同じことを考えていたぞ! 船に乗ってる人を殺さずに無力化させないとだな!」
テラは操縦桿を前へ傾けると、一気にヘカテイアの機体の速度が急加速してゆく。
向かってくるキャバリアに、敵艦隊は整然と陣形を整えて一斉砲撃を開始!
「そんな砲弾、当たってやるもんか!」
最高速度はマッハ11に手が届くまでの超音速を誇るヘカテイア。
残像で砲撃の照準を惑わしながら、敵艦隊の砲塔をねじ切り、副武装を浮遊武装ユニットのガンドライドとドリルビットで破壊してゆく。
コラテラルダメージ以外での死傷者を極力出さないようにテラは心がけつつ、飛来してくる無人航空ユニットを放つ空母の甲板を巨大化させた星刃剣『グランディア』で切り刻んでいった。
「この重力の障壁が、通常兵装の攻撃なんて弾き返すぞ!」
テラの言葉通り、ヘカテイアの周囲には今、凄まじい斥力が生じているのだ。
そのため、砲弾や弾幕は全てヘカテイアに着弾する前に殆どが弾かれてしまうのだ。
<海上の武装破壊はおれ等に任せろ!>
<では、僕達はタービン周りを破壊してゆきますね>
少し遅れて駆け付けたカシムとメルクリウスは、早速、敵前衛部隊と激突する。
『ジャパニアを狙うのは許さないぞ☆』
ルーンの魔力でメルシーは水との親和性を高めており、尾びれで水をかく音を極力出さないように気遣う。
それが潜水艦相手なら尚更だ。
メルクリウスはソナーの要領で念動力を周囲の海域へ飛ばし、敵前衛部隊の正確な位置取りを把握していた。
『それじゃ、やっつけちゃうぞ☆』
「僕としてはそのまま沈めてもいい気はするが、一応、人が乗ってるなら無力化に止めるか」
船底を武器で傷付ける方法も考えてはいたが、迂闊にやれば沈没して、乗員の命が危うくなる。
艦船はそう簡単に沈まない構造とはいえ、安全な方法を摂るべきだ、とメルクリウスから忠告されていたのだ。
「お前は少し優しすぎますね、メルシー」
『だって、敵国とはいえ、オブリビオンマシンに洗脳されてるだけかも? だからご主人サマ、絶対に殺しちゃ駄目だよ!』
「はいはい、判ってますって」
カシムは眼前に見えてきた潜水艦のタービンをビーム鎌剣ハルペーで刈り取り、海上へ潜水艦を強制的に浮上させていく。
同じく駆逐艦のタービン周りを海の産業廃棄物へと変えていき、そのまま浮島へと変えていった。
「さて、まだまだ数が多いですね」
<でもおれ達のほうが戦力は上だ!>
猟兵達の出だしは順著。前衛部隊の一部は、カシムとテラによって徐々に無力化が進められてゆくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
神代・凶津
作戦本部に転送されたがここがジャパニアか、初めて来たぜ。来るなら観光目的が良かったんだがな。
まあ、俺達が来たからには大船に乗った気持ちでいてくれて構わねえぜッ!
「……私達にお任せを。」
「……式、召喚【鬼乗せ船】」
鬼乗せ船に乗って海上戦の開始だぜッ!
コイツは式神だからな。風とか気にせず海の上を縦横無尽に移動しながら、鬼霊達に指示を出し砲撃しまくって敵艦隊を翻弄してやるぜ。
野郎共ッ!派手に行くぜえええッ!!
【技能・式神使い、集団戦術、弾幕】
【アドリブ歓迎】
その後も続々とジャパニアに降り立つ猟兵達。
「ここがジャパニアか、初めて来たぜ。テーマパークみたいでテンション上がるぜぇ!」
「……出来れば、観光目的で来訪したかったです」
作戦本部の前で、現在も復興中のジャパニア首都トッキョーを見渡すのは朱塗りの鬼面のヒーローマスクの神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と相棒で装着者の神代・桜のコンビだ。
建設中のビル群が至るところでトンカントンカンと金槌を打ち付ける音を響かせている。
そんな再生中の街並みを堪能した2人は、カブラギ中将と面会を果たす。
「仮面が猟兵なんて、こいつは驚いたな……!?」
「おおっと? 最近見られなかったリアクションだぜ、相棒?」
「……懐かしいですね」
桜の顔の横で浮かぶ凶津は、カブラギ中将の新鮮な反応に思わずニヤケ顔が止まらない。桜も猟兵として活動したての頃を思い出しているようだ。
「まあ、俺達が来たからには大船に乗った気持ちでいてくれて構わねえぜッ!」
「……私達にお任せを」
「頼んだぞ、ふたりとも。んで、キャバリアの貸し出しなんだが……」
「ああ? ンなもん、俺達には不要だぜ?」
凶津の言葉に桜も無言で頷く。
カブラギ中将は思い出したかのように笑い声を上げる。
「ははは! そうだったな? 猟兵はキャバリアに乗らずとも、同等の戦力を有するものもいるんだったな? なら、近くの海域まで我々の護衛艦で送ろう」
「話が早くて助かるぜ、カブラギのとっつぁん!」
「と、とっつぁん?」
「……凶津は口が悪いので。申し訳ありません」
急に間を詰め寄る凶津の言動に、カブラギ中将は目を瞬かせ、桜は溜息を吐いてしまった。
かくして、2人はジャパニアの護衛艦で敵艦隊の射程外ギリギリまでやってきた。
「お見送り、ご苦労さんだぜッ! んじゃ、行くか相棒ッ!」
「……式、召喚【鬼乗せ船】」
凶津を顔に装着した桜は、甲板から海上へ飛び降りてゆく。
その足元はまばゆい光が発生したかと思えば、いつの間にか巨大な幽霊船の式神が海上に出現していた。
「これが俺達の鬼乗せ船だぜッ! コイツは式神だからな。風とか気にせず海の上を縦横無尽に移動できるんだぜ?」
凶津の言葉通り、向かい風だろうが関係なく海上を滑ってゆく鬼乗せ船。
水の抵抗もあまり受けていないのか、艦船が進むようなタービンを回す音もない。
その代わり、乗員の鬼たちが必死に船を漕いでいるわけだが。
こうして、鬼を乗せた武装幽霊船が、神聖ブリオン教国の大艦隊と激突する。
「っしゃあああッ! 鬼たち! 構え大筒!」
「……全門、一斉砲撃です!」
鬼たちは560門もの大砲を周囲の駆逐艦や軽巡へと発射させてゆき、見事な砲撃戦を繰り広げてゆく。
「やべぇ! 取舵いっぱぁい! 回避だ回避ィッ!」
「……鬼の皆さん、避けてください!」
船を緊急回避させつつ、桜は結界霊符で砲弾の軌道を逸らすことで直撃を防いだ。
四方から撃ち込まれる敵の砲撃は凄まじく、まるで巨大な黒い雹が空から降り注ぐようである。
しかし、鬼達は凶津と桜を守るべく必死に戦い、単騎ながらも当千の活躍で海域を掻き乱してみせたのだった。
成功
🔵🔵🔴
炎武・瑠美
アドリブ歓迎
件の国家はオブリビオンマシンの大量生産工場なのですね
それは確実に潰しておかねばいけません!
ここは烈火の初任務となりそうですね
炎武瑠美、烈火、出撃します!
…そういえば水上戦・水中戦用のパーツは組み込んでいませんでした
ひとまずはジャパニアよりホバーユニットを借り受けるとしましょう
直ぐに手配せねば、です
ホバーユニットを組み込み、再出撃
相手はかなりの数の艦隊を編成しているようですね
防御を固めつつ、攻めると致しましょう
水の力よ、その力で我を守れ…トリニティ・エンハンス!
UCにて烈火の防御力を強化し、更に機体の前面を【オーラ防御】で固めます
そうしたらミサイルランチャ―を発射しまくりです!
ミフェット・マザーグース
わわ、出遅れちゃった!
転送してもらったら、すぐに量産キャバリアのレンタルしてもらうよ
前に借りた時のデータを共有してもらって時間短縮!
攻撃用の武器は外して、センサー類マシマシ、海上移動型のドローンも追加で
それに周辺海域、ブリオンきょうこく?の兵器データをもらうね
あと、浮き輪もいっぱい!
艦隊からは距離をおいて、周辺海域の情報共有を最優先
UC【情報分析機能】
もらったデータとセンサー、レーダー、ドローンから受け取ったデータを分析
みんながスムーズに迎撃網を突破できるルートを伝えるね
戦闘で無力化した敵は、あとで救助できるようにマーキングして浮き輪をポイ!
おっかなびっくり他の猟兵さんについて迎撃網を抜けるよ
エヴィレダ・ハーミ(サポート)
人間の闇医者×サバイバルガンナー、36歳の女です。
口調 粗野で乱暴(アタシ、お前、呼び捨て、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )
尊敬する人には 洗練された優しさ(私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、でしょうか?)です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
作戦本部がある首都トッキョー、その湾岸部に特設された簡易基地に新たな猟兵達が転送されてきた。
「ここがジャパニアですか。一見、UDCアースにも似ていますが、キャバリアを目の当たりにすると違いますね」
振り袖に袴姿の女学生スタイルで基地を見渡すのは炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)。
その横でサポートとして派遣されたのは、真っ赤なナーススーツに身を包んだ闇医者のエヴィレダ・ハーミ(隠者の幸運・f32150)だ。
「アタシはロボの操縦なんて初めてなんだが、大丈夫だよな?」
これに炎武が苦笑いしつつ答えた。
「実は、私も烈火という機体を所有しているのですが、本格的な実践は今回が初めてでして……」
「マジか? んじゃビギナー同士、死なないように頑張るとしようぜ?」
「え、ええ。よろしくお願いします」
胡散臭くヘラヘラ笑うエヴィレダと緊張で表情が硬い炎武が握手を交わした。
作戦本部室。
総指揮を執るカブラギ中将が、各部署へ通達を下す。
「ああ、量産型キャバリアの手配を大至急頼む。ホバーユニットもだ」
部下に電話でカブラギ中将が伝えたあと、改めて猟兵達へ向かい合う。
「……さて、状況はもう聞いてるか?」
「はい、今すぐにでも出撃します!」
炎武のやる気に満ちた大声画質内に轟く。
「件の国家はオブリビオンマシンの大量生産工場なのですよね? それは確実に潰しておかねばいけません!」
「いや、生産工場ではなく、正確には、崇拝しているがゆえに暴走したプラント基地を足がかりに勢力を広めているんだが……まあ、君の言葉にも一理ありだな」
放置しておけば、世界中にオブリビオンマシンを氾濫させることに変わりはないのだから。
「んで、アタシは全くの初心者なんだが? ぶっつけ本番で戦場に駆り出されてなんとかなるんだよな?」
エヴィレダの不安に、カブラギ中将はカラッと笑ってみせる。
「安心してくれ。我が科学連邦国家ジャパニアの量産機は、以前よりも格段に性能が進化している。直感的な操縦のおかげで、普段の動作と変わらぬ動きで戦闘ができると保証しよう」
「そいつはすげぇぜ! ああ、それと怪我人が出たらアタシが診てやるよ。もちろん、お代は頂くがな?」
ちゃっかり自分の営業も忘れないエヴィレダに、カブラギ中将も笑みをこぼす。
「気持ちはありがたいが、今回は戦闘面のサポートだけで頼む。さて、そろそろ出撃準備を……」
カブラギ中将が猟兵達を送り出そうとした、その時だった。
ドンッと大きな音を立てて、作戦本部室の扉が開け放たれた。
「わわ、出遅れちゃった! しつれいします! ミフェットも参加するよ!」
ブラックタールの少女ことミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)は、肩で息を切らしてカブラギ中将の元へ飛び込んできた。
「あ! カブラギ主任さん! おひさしぶりです! ミフェットのこと、おぼえてる?」
「もちろんだとも、ミフェット君! 『貴黒の歌乙女(ノワール・シグルドリーヴァ)』の異名を持つ君が駆け付けてくれたのなら、この作戦は買ったも同然だ! あと主任から中将へ昇格したから、今後は俺のことは中将と呼んでくれ」
「わかったよ、カブラギちゅーじょーさん! えへへ!」
カブラギ中将がミフェットの頭を撫でると、ミフェットも嬉しそうに顔を綻ばせた。
そのやり取りに、炎武とエヴィレダはぽかんと口を開けて呆けている。
「あの、その子と中将はお知り合いなんですか?」
「そいつも猟兵だよな? まさかそのガキもキャバリアに乗るのか?」
2人の疑問にカブラギ中将が力強く頷く。
「ああ! もちろんだとも! 何を隠そう、ミフェット君は……この首都トッキョー奪還作戦に貢献してくれた立役者だ。他にも何度もジャパニアの窮地を救ってくれた功績を讃え、『貴黒の歌乙女(ノワール・シグルドリーヴァ)』の異名を謳われたジャパニアの英雄だからな!」
「その異名、まだ残ってたんだ!?」
「ファンクラブも存続中だぞ」
「ミフェットの知らないところで、ミフェットの人気がすごい……!」
8ヶ月ぶりのジャパニアでも、かつてのミフェットの活躍は語り継がれていたようだ。
「そ、それより、ミフェットは武器は使いたくないから……ね? ちゅーじょーさん?」
上目遣いでカブラギ中将を見詰めるミフェット。
彼女はほぼすべての任務で非暴力を貫いているのだ。
それが戦争真っ只中のこの世界でも、その主義は変わらない。
カブラギ中将も勝手知ったるミフェットの心理を汲み取り、一本の電話を掛けた。
「……俺だ。歌乙女の“専用機”、動かせるようにしておけよ? 8ヶ月ぶりのご登場だ、気合い入れてメンテナンスしておけよ?」
「え、専用機?」
面食らうミフェットに、カブラギ中将はニカッと破顔した。
「以前、ミフェット君が使用したレーダーやセンサー増々の改造型非武装機体、保管してあってな? そうだ、いっそのこと、ミフェット君の好きに使っていいんだがね? 他の世界とやらでも使いたいなら、考えておいてくれないか?」
「う~ん、どうしよう? 今はまだわかんない……」
苦笑いを浮かべるミフェットが詳細を聞けば、またいつかの機会にミフェットが使用できるように、ジャパニア側が保全活動をしていたらしい。
「まさか、8ヶ月以上も間が空くとは思わなかったけどな」
「ありがとう、ちゅーじょーさん!」
こうして、炎武とエヴィレダ、そしてミフェットは、大艦隊を突破すべく出撃していった。
<炎武瑠美、烈火、出撃します! 初出撃が海上ですが、遅れを取るつもりはありません!>
真っ赤な機体がホバーユニットの推力で浮かび上がり、海面を滑るように突き進んでゆく。
<へぇ? こいつは快適だぜ。本当に手足のように動きやがる>
エヴィレダは機体の操作感度の良さに感心しつつ、炎武の後方にピッタリと追従している。
その更に後方、漆黒に塗られた異形の機体が浮き輪の上で推力移動をしていた。
<本当に前回のそうびのままだった! レーダー増々のまま! それに黒いカラーリングもミフェットのっぽい!>
<追加兵装は気に入ってくれたかい?>
カブラギ中将の言葉に、ミフェットは声を弾ませた。
<うん! ありがとう! 海上移動型のドローンもオマケしてくれて!>
<いいってことよ。ああ、それと敵国の現在把握できている情報を送っておこう>
<わぁ! 本当にありがとう!>
ミフェットは送付された神聖ブリオン教国の戦力データを機体にインプット。
髪の毛を触手に変えてマルチタスクで解析しながら、他の2機へデータを転送した。
<ふたりとも! 左から迂回したほうが突破しやすいかも? 左側は他の猟兵が攻撃してくれたおかげで、陣形が乱れてるから!>
<ありがとうございます! データさまさまですね!>
<まぁ、アタシはいざとなったら盾にでもなるさ>
キャバリア用の巨大銃を前に掲げるエヴィレダ機。
これで受け止めたユーベルコードをコピーし、一定時間内に何度も繰り出せるのだ。
ただ、今回は単純な物理火力なので出番はなさそうだが……。
<では、私が先陣を切ります!>
通信網で先駆けを宣言した烈火が、ぐんっと速度を上げて突っ込んでゆく。
(相手はかなりの数の艦隊を編成しているようですね。ですが、守りを固めれば怖くありません!)
炎武は機体に魔力を通わせ、ユーベルコードを発現させた。
『水の力よ、その力で我を守れ……トリニティ・エンハンス!』
外部スピーカーから、炎武の裂帛の気合の声が轟く。
突如、海水が防壁となって烈火を覆い尽くすと、浴びせられる砲撃を分厚い海水の壁が受け止めてゆく。弾丸と衝撃は防壁を突き抜けることが得できず、失速して海中へ沈んでいく他ない。
また、風の魔力で敵艦隊へ向かい風を発生させ、波を高くうねらせて照準をぶれさせた。
これではまともに狙いを定めるどころか、艦船が横転しかねない!
そこへ放たれるキャバリア用巨大銃の弾丸!
戦艦の砲塔を吹き飛ばし、無力化を図るエヴィレダ。
(波が高いから狙いにくいが……タイミングを掴めれば、そこだぜ!)
甲高い発砲音が響くと、また戦艦の主砲が木っ端微塵に砕け散った。
その間、ミフェットはリアルタイムで戦力情報を分析しながら、最善のルートを検索している。
「入力、入力、入力、検索、検索、抽出、検索、分類、除外、解析、除外、解析、除外、一致、解析、解析、解析……!」
ユーベルコード『情報分析機能』で導き出されたルートを、すぐさま2機へミフェットは送信した。
<1時の方向へと突っ込むよ! それで迎撃網を超えられるから!>
<では、撹乱代わりにミサイル乱射です! 炎の魔力を籠めたナパーム弾をお見舞いです!>
烈火の背中に背負ったミサイルランチャーが、幾本もの白い煙を曳いて空中へ飛び出してゆく。
ミサイル群はすぐさま海面へ急降下すると、着水と同時に巨大な水柱と炎を立ち昇らせる!
篠突く雨がごとく海面が大きく叩きつけられ、大艦隊は右へ左へとグラグラ揺れる!
<今のうちに駆け抜けましょう!>
<こいつらを沈めたところで無意味だ。さっさと抜けてしまおうぜ>
<う、撃ってこないでね……?>
烈火は勇猛果敢に、エヴィレダ機は要領よく、そしてミフェット機は周囲を警戒しながら。
3機はそれぞれ特色を出しながら、大艦隊をすり抜けてゆくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『エヴォルグ量産機EVOL』
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POW : フレッシュエヴォルミサイル
【レベル×100km/hで飛翔しながら、口】から、戦場全体に「敵味方を識別する【分裂増殖する生体ミサイル】」を放ち、ダメージと【侵蝕細胞による同化と侵蝕】の状態異常を与える。
SPD : エヴォルティックスピア
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【体】から【分裂増殖したレベル×10本の触腕】を放つ。
WIZ : EVOLエンジン
【レベル×100km/hで飛翔し、噛み付き】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【進化した機体、EVOL-G】に変身する。
イラスト:すずや
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大艦隊を通過した猟兵達。
目的の暴走したプラント基地が肉眼で確認できる距離まで近付いてきた。
さあ、一気に破壊してしまおうかと武器を構えたその時だった。
――プラント基地から、泡のように無数のキャバリアが空へ飛び出してゆく!
海面を超高速飛行する、生体型オブリビオンマシンの群れが、猟兵達を襲う!
唐突な空襲に、猟兵達は如何に対応するのか……!?
神代・凶津
引き続き式神【鬼乗せ船】に乗ってるぜ。
うおいッ!?プラント基地から大量の敵が湧き出して来たぜッ!?
「……焦らないで。迎撃するよ。」
そうだな相棒ッ!
野郎共ッ!撃って撃って撃ちまくれッ!
鬼乗せ船を海上で縦横無尽に走らせながら砲撃の弾幕で敵の大群を迎え撃つぜ。
敵が船に張り付いてきたら引き続き大砲で飛んでくる敵を牽制する鬼霊と俺達と一緒に張り付いた敵を迎撃する鬼霊と分けて戦闘開始だぜ。
野郎共ッ!無断乗船してきた奴を盛大にお出迎えしなッ!
生体型とやらなら柔い部分もあるだろ。その場所を見切って妖刀でぶった斬ったり突き刺してやるぜッ!
【技能・式神使い、集団戦術、見切り】
【アドリブ歓迎】
炎武・瑠美
アドリブ歓迎
POW
なんとか先輩パイロットの方がいてくれたおかげで、初陣ながら切り抜ける事が出来ましたね…
さて、目的のプラントが…えっ!?
敵の奇襲を受けて生体ミサイルを受けてしまいます
ならっ強制パージです!
この烈火、表面の装甲は強化装甲なのですよ!勢いよくパージすれば、その重量物を周囲の敵へぶつける事も出来るかもしれません!隙を作ります
しかしまずいですね…借り受けたホバーまで…
あ、あれは…?出撃の際に炎武家に連絡しておいたサーフブレイド改!
これなら私も水上戦が出来ます!
サーブブレイド改に乗り敵機を追います
烈火の拳に火【属性攻撃】を付与し敵の口元へ叩き込みます!
受けなさいクラッシュ・インパクトっ!
ミフェット・マザーグース
他の猟兵さんについていくね
あんなに生き物みたいな生体型オブリビオンマシン、はじめてかも
ホントにヒトが乗ってるのかな?
高速飛翔体はサテライトに見つかっちゃうから、海面にはりついてるんだよね
ドローンで戦場の海面を大きく叩いて戦場に飛沫をたくさん飛ばすよ
そんなスピードなら、波しぶきでもすっごい衝撃になるはずだもん
敵の動きが鈍ったらみんなに兵器のデータを送るよ
ヒトが乗ってるなら、コックピットブロックも伝えておくね
乗ってるヒトからお話を聞けたら、なにかが変わるかもしれないって思うから
UC【一人ぼっちの影あそびの歌】
あんまりメチャクチャな動きをしてたら、乗ってるヒトも危なさそうだから
ムチャしたらメッするよ
神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と相棒の桜が、暴走する海上プラント基地の目前まで迫る。
2人はユーベルコード『式神【鬼乗せ船】』を継続して発現させ、波間を縫って突き進んできていた。
「あれが問題のプラント基地かッ! とっととブッ壊そうぜッ!」
「……待って、何か様子がおかしい、って……!?」
桜の言葉とほぼ同時に、プラント基地が泡のように幾つもの瘤が飛び出したかと思えば、被膜が弾けて中からオブリビオンマシンが羊水めいた粘液を纏ったまま大空を飛翔してゆくではないか!
「おいッ!? プラント基地から大量の敵が湧き出して来たぜッ?」
「……焦らないで。迎撃するよ」
桜はヒーローマスクである凶津を被って臨戦態勢へ移行した。
凶津も相棒の肝の座りように感嘆しながら、戦闘へ向けて気持ちを切り替えた。
「そうだな相棒ッ! 野郎共ッ! 撃って撃って撃ちまくれッ!」
凶津は乗船している式神の鬼たちへ、船の大砲を使った地対空砲撃の命令を下した。
出現した生体オブリビオンマシンの群れは、海面から約7~8m上空を超音速で飛翔している。あまり高度を上げると、大気圏外に存在する暴走衛星『殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)』に狙われて撃ち落とされてしまうため、海面すれすれを飛翔し続けていのだ。
だが、これが却って厄介で、発生する風圧と衝撃波、そして突進による物理ダメージが猟兵達を苦しめるだろう。
「数が多いくせに、ちょこまかと鬱陶しいぜッ! おい鬼どもッ! 弾幕薄いぜッ? 何やってんだッ!」
「……一度言ってみたかっただけのセリフだよね?」
「ケッ! こういう時しか言えねぇじゃねぇかよ?」
桜のツッコミに凶津は開き直りながら、縦横無尽に操舵し続けて押し寄せる異形のオブリビオンマシンを回避し続ける。
その間に、式神の鬼たちが総出で空中へ弾幕を張り続け、迫りくる敵軍を撃墜させてゆく。
善戦を続ける神代コンビ。
そこへ後続から他の猟兵達が追い付いてきた。
<目的のプラントが……えっ?>
<ちょっと気持ち悪いかも……>
炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)の操縦する烈火、そしてミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)が操縦する非武装型戦場制圧特化カスタム機体の2機もまた、暴走プラント基地の異様な有様に目を疑ってしまう。
(なんとか先輩パイロットの方がいてくれたおかげで、初陣ながら切り抜ける事が出来ましたが、これは……!)
キャバリアを操縦しての任務が今回初の炎武にとって、対キャバリア戦もこれが初めてのことだ。
そのせいか、敵の攻撃を確認したときに判断が遅れてしまった!
生体オブリビオンマシンの群れが大口を開けると、そこから分裂増殖する生体ミサイルを吐き出すように発射してくる!
<まずい、ミフェットさん!?>
狙われたのはミフェットの機体だ!
(私の方も狙ってきてますが、今は……!)
非武装のミフェット機は、攻撃されたら自衛の手段がない!
故に、烈火が盾となって前方から殺到する生体ミサイルを受け止める!
炸裂するミサイルの衝撃に、コクピット内の炎武は全身を、脳を大きく揺さぶられて意識が遠のきかけてしまう。
<瑠美! しっかりして!>
通信網からミフェットの悲痛な叫びが聞こえる。
(まだ……倒れるわけには……!)
炎武は唇を血が出るほど噛み締めて、どうにか意識を保つように踏み止まる!
『由緒正しき炎武家の次期家督を背負うものとして、ここでむざむざと死ぬつもりはありません!』
外部スピーカーから轟く少女の雄叫び!
機体はミサイルから放たれた侵蝕細胞による同化侵食が始まっている!
『この烈火、表面の装甲は強化装甲なのですよ! そして、こういう芸当もできるのですっ!』
コクピット内のレバーを力強く上げる炎武!
『せやあぁぁぁぁーっ! パージ・アウト! アーマースプラーッシュ!』
炎武の機体に装着されている装甲が、一瞬でバラバラに吹き飛ばされてショットガンめいて敵の群れを撃ち抜いてみせた!
パージの衝撃で上空へ跳ね上がった烈火は、神代コンビの操縦する鬼乗せ船に着地!
「うおぉぉッ!? ちょ、マジかッ!」
「……積載量ギリギリです」
戸惑う神代コンビに、炎武は外部スピーカーから謝罪の言葉を述べた。
『申し訳ありません! さっきのパージで、ついホバーユニットまで敵へぶつけてしまいました! このままでは私の烈火は海に沈んでしまいますので……』
「けど、俺達の船の動きも鈍くなるぜッ!?」
「……凶津、来た」
桜の指摘通り、数体の生体オブリビオンマシンが、鬼乗せ船に取り付き始めた。
「「ギャアァァァースッ!」」
生体オブリビオンマシン達は、なんと船ごと鬼や猟兵達を喰らおうと噛み付いてきた!
「やらせるかよ! 誰か操縦を代わってくれ! 野郎どもッ! 無断乗船してきた奴を盛大にお出迎えしなッ!」
「……私達も出撃しましょう」
総勢560体の鬼たちは手分けをして、砲撃や白兵戦で取り付いた生体オブリビオンを攻撃し始める。
神代コンビも、桜色の霊力を纏わせた妖刀で敵の肉体を切り刻む。
「生体型とやらなら柔い部分もあるだろ。その場所を見切って妖刀でぶった斬ったり突き刺してやるぜッ!」
「……凶津、腕を駆け上がって首筋を狙いましょう」
「ナイスアイデアだぜ。相棒ッ!」
神代コンビは生体オブリビオンマシンの首筋まで駆け上ると、あらん限りの霊力を籠めた刺突を敵の頸動脈に相当する箇所へ突き立てた。
途端、ドス黒いオイルのような液体が噴出し、神代コンビは噴射の勢いで押し出されて船の甲板に着地!
そして動きが鈍った機体を、烈火が引き剥がすことで撃破してみせた。
(でもまずいですね……早くアレが届いてくれればいいのですが……)
炎武は湾岸部の作戦本部にいるカブラギ中将へ、いてもたってもいられずに通信を入れた。
<私の新武装、まだですか!?>
一方、非武装状態のまま単騎で狙われる身となったミフェット機。
「あんなに生き物みたいな生体型オブリビオンマシン、はじめてかも。ホントにヒトが乗ってるのかな?」
まるで機体自体が生物のようで、ミフェットは薄気味悪さを感じてしまう。
「それに、高速飛翔体はサテライトに見つかっちゃうから、海面にはりついてるんだよね? 中に乗ってる人を救出さえ出来れば、もしかして……」
ミフェットはこれまでも非武装のまま窮地を切り抜けた英雄と讃えられるパイロットだ。
「おい、あの黒い機体、ヤバくないか?」
「……鬼の皆さん、あちらへ援護射撃をお願いします!」
神代コンビが援護射撃を行い、ミフェット機への鉄器接近を阻害してくれている。
その時間稼ぎを利用し、ミフェットは追加されたドローンを自機の周囲に展開し始めた。
「ドローンで進路ぼうがいするよ。そして、こうしちゃうね?」
ミフェットはドローンの機体で海面を何度も叩き、戦場に水飛沫を巻き上げさせた。
そこを通過する生体オブリビオンマシンが、苦痛のうめき声を出して遠ざかってゆくではないか。
「思ったとおり! そんなスピードなら、波しぶきにぶつかっただけでも、すっごい衝撃になるはずだもん」
ミフェット機に噛みつこうとする敵の群れだが、ドローン群と舞い上がる水飛沫の壁が邪魔で接近が出来ない。
そこへ、ミフェットは外部スピーカーからユーベルコードの歌声を届け始めた。
♪あなたのために歌う唄 あなたに合わせて踊る影
♪くるりくるりと入れ替わり あなたの声はだれの声?
<歌乙女の勝利の歌声だ! 8ヶ月ぶりの!>
カブラギ中将が思わず興奮した口調で回線に割って入ってきた。
これまでも、この歌声でパイロットを傷付ける事なく敵機を無力化してきたのだ!
♪空飛ぶ悪い子 ガブガブかみつき!
♪反省してね ガミガミおせっきょう!
♪あんまりメチャクチャな動きをしてたら
♪パイロットさんもあぶないよ?
♪だからミフェットが メッてするよ!
その歌声は、生体オブリビオンマシン内部で意識を奪われていた教徒達に届いていた。
(教えに従って、プラントと融合したこの私を、あの子はいけないことだと叱ってくれるのか?)
(私達はこんなことのために教義を広めていたわけではない!)
(いやだ! 私達はオブリビオンマシンの一部になりたくない!)
全ての敵機には届かずとも、一定の割合のパイロットは自我を取り戻し、機体のへその当たる部位から這い出して海中へ飛び込み始めた。
『みんな! パイロットさんたちは、おへそにいるみたいだよ! あと、オブリビオンマシンと融合してるみたいだから、機体の頭を潰せば助けられるかも?』
ミフェットは持ち前の分析能力をフル稼働させ、パイロットを失った敵機の解析を進める。
パイロットがいなくても自律稼働可能なようだが、明らかに動きが鈍くなっている。ならば敵機の頭部の神経パーツと胸部の生体エンジンのどちらかを破壊すれば、敵機は活動を停止する!
ミフェットの分析結果は、参戦する猟兵達と作戦本部にデータとして送信された。
「よっしゃッ! 野郎どもッ! 奴らの頭を潰せッ!」
「……なるほど、弱点とは得てしてそういうものですものね」
凶津が号令を下し、彼を被る桜が納得しながら妖刀を敵機の眉間に突き立てる。
徐々に形勢がひっくり返り始めた状況で、炎武だけが気まずそうに戦況を見守る他なかった。
(くっ……私も新武装が到着すれば……!)
その時、カブラギ中将から待望の通信が入ってきた。
<待たせたな、瑠美君! 10カウント後に新武装をそちらへ射出する! しっかりキャッチしてくれよ?>
<分かりました! 炎武家一族の動体視力、とくと御覧遊ばせ!>
10カウント、彼女は心のなかで数える。
そして烈火を跳躍させた!
「……あれは!」
湾岸部から此方へ向けて、高速で飛来してくる物体が!
それは烈火の機体と同じ、真紅のカラーリングに輝く巨大なサーフブレイドだ!
烈火は飛び込んできたボードを見事キャッチし、空中でライドオン!
「システムドライバー、正常稼働! サーフブレイド改、スラスター噴射!」
新武装のプログラミングを高速インストールさせた烈火は、サーフブレイドに搭載されたスラスター推力を稼働させた。
海を切り裂くようにジグサグと波に乗って高速移動する烈火、いよいよ本領発揮だ!
「出撃の際に炎武家に連絡しておいたサーフブレイド改、やっと転送されてきたのですね!」
転送に取り組んでいたグリモア猟兵は今頃ヘトヘトだろう。
烈火はアップスダウンで加速してゆき、そのまま海面から飛び上がるとエアリアル540(ファイブフォーティー)!
一回転半の空中斬撃が、生体オブリビオンマシンの首を一気に刎ね飛ばして活動停止に追いやってみせた!
『すっごーい! 瑠美かっこいい! でも名前はサーフブレイド改なの?』
外部スピーカーからミフェットのはしゃぐ声、そして首をかしげる様子が伺える。
これには炎武もうーんと唸ってしまう。
『その辺りの事は考えてませんでした……名前、ですか……』
<それなら、カナロアはどうかね? とある島国の海の神様らしい。サーフィンも盛んな国だそうだ>
唐突に回線に割り込むカブラギ中将の提案に、炎武は何度も口ずさむ。
<……少し、考えてみますね。武装の射出、ありがとうございました!>
炎武は一気に敵の群れを蹴散らすべく、必殺のユーベルコードを繰り出す!
「打ち砕きます! これが炎武式……クラッシュ・インパクトですっ!」
カットバック・ドロップの態勢からの空中姿勢のまま、烈火はサーフブレイドを掴んで炎の魔力を纏わせた。
そのままフルスイングで生体オブリビオンマシンの首を横薙ぎに空中へ跳ね飛ばす!
ギロチンめいた炎の刃!
その首切り斬撃の鮮やかさは、その場に居た者達の目をことごとく奪ってみせた。
活動停止した生体オブリビオンのへそから、次々と教徒達が這い出して脱出!
猟兵達の強さに恐れをなしたのか、海中へ逃げた彼らはジャパニアの護衛艦に捕虜として救助されていった。
『パイロットの居なくなった抜けがらは、ミフェットに任せて!』
ミフェットは歌声で生体オブリビオンマシンのユーベルコードをコピーすると、機体が空を飛んで敵の群れを追い立ててゆく。
『巫女のおねえさん! 上空へ大砲をうって!』
ミフェットの指示に、意図を掴めずとも従う桜。
「……全砲門、上空へ一斉射です!」
鬼乗せ船から放たれた弾幕が、オブリビオンマシン上空を高速飛来する。
『みんな、にげてー!』
ミフェットの悲鳴じみた叫び声に、猟兵達は本能的に危機感を覚えて退避!
一箇所に集まった、パイロットのいない活動中の生体オブリビオンマシンの頭上から、暴走衛星『殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)』の超高熱ビームが降り注いだ!
凄まじい勢いで爆散する水蒸気と水柱!
砲弾の速度と高度に反応した暴走衛星が、その真下の敵機ごと撃ち抜いたのだ!
こうしてビームに飲み込まれた抜け殻の敵機の群れは、ミフェットの策略でたちまち灰燼と化したのだった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
「ご主人サマ!これはもう幼女祭りで」
却下だ阿呆!思いっきりお前らが餌になるだけだ!
早さ自慢相手ならあれだろうが
「!アレだね☆正面から捻じ伏せちゃうぞ☆」
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵陣の動きと攻撃パターンを捕捉
仲間とも情報共有
UC発動
暴走衛星範囲外の高さを維持しつつ海上すれすれを神速飛行
【空中戦・属性攻撃・念動力・弾幕・スナイパー】
武器に炎属性付与
念動障壁を纏いつつ動きを制御して超速&複雑な動きを可能とし
超高熱熱線の弾幕展開し焼く
気色悪い奴ですね
【二回攻撃・切断】
鎌剣で切り刻み即離脱
わりーが触手プレイは女の子とくんずほぐれつじゃねーとやる気起きねーよ
「巻くのはありだけど乗っ取りはだめだぞ☆」
テラ・ウィンディア
そーいやメルシーが頭潰される前はまともだったのか?
「…小賢しい分今の百倍最悪でしたね」(辛辣
そ、そうなのか
【戦闘知識】
敵の動きの癖とパターンを把握
【属性攻撃】
炎を機体と武器に付与
UC発動
【見切り・第六感・残像・空中機動・オーラ防御・武器受け】
海上を高速で飛び回りながら敵の攻撃は可能な限り残像を残しながら回避
おれも速さには自信はあるぞ!
【弾幕・貫通攻撃・遊撃】
ドリルビットとガンドライド展開
ドリルで貫きながらガンドライドで火炎弾の弾幕を乱射
千ではなく面の展開で回避を赦さない
【二回攻撃・早業・串刺し】
剣による連続斬撃から槍で串刺しにして
【重量攻撃・砲撃】
多くの敵が集中している所にブラックホール弾発射
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はコクピット内のモニターに映し出される無数の生体オブリビオンマシンの群れに顔をしかめていた。
「気色悪い奴等ですね。しかも無限湧きとか腹ただしいのです」
『ご主人サマ! これはもう幼女祭りで!』
「却下だ阿呆! 思いっきりお前らが餌になるだけだ!」
目の前の雄3D雄鶏ホログラムの提言をバッサリ却下するカシム。
相棒のメルシーこと、今は界導神機としてキャバリア形態で顕現するメルクリウス。
そのアバターは雄鶏であり、奇想天外なユーベルコードを使用することができるのだ。
先程の幼女祭りもそのひとつで、幼女の姿をしたメルクリウスを師団単位で増殖させて突撃させるやべーユーベルコードなのだが、敵機が捕食行為をすると判明したため、カシムはメルシーを守るために使用を止めたのだった。
そのメルクリウスの後ろから随伴する白銀の神機こと三界神機『ヘカテイア』を操縦するテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、コクピット内の黒猫アバターへ向けて問うた。
「そーいや、メルシーって太古の時代、プルートっていう息子に頭を潰されて持ち出されたんだよな?」
『ええ、そう聞いてますが』
ヘカテイアはメルクリウスが以前より気に食わないため、その名を口にするのも嫌がるほどだ。
だがテラはお構いなしに相棒へ質問をぶつけてきた。
「じゃあ、頭潰される前のメルシーはまともだったのか? 今みたいな変態アホ娘じゃなかったのか?」
『そもそも雌雄同体の彼奴は娘ですらないのですが……そうですね、小賢しかった分、今の百倍最悪でしたね。脳みそ空っぽの今でも私の許容量をギリギリ超えかねないというのに、その百倍ですよ? 毎日ブチギレてましたし殺してやろうと思いましたし実際殺そうと襲いかかる毎日でした』
「うわぁ……そうだったのか」
でも、ヘカテイアはメルクリウスに返り討ちにされる日々だった、と彼女は苦々しく語ったのだった。
『絶対、彼奴の前でこの話をしないでくださいね! またつけあがりますから!』
「う、うん……おれ、絶対に云わないぞ……」
いつも優しいヘカテイアが殺気を帯びて言い聞かせてくるので、いつも強気のテラはこの時ばかりは年相応の子供らしい反応を見せていた。
と、ここでヘカテイアから通信が入る。
<おーい! メルシーの話を今してなかった?>
<っ!? してないぞ! 自意識過剰だぞ!!>
<ふぇっ!?>
いきなりテラに怒鳴りつけられたメルシーが思わず日和った。
<あーすみません、テラ。いつものことなので。で、あのキモい連中、どうします?って話なんですが>
代わってカシムがテラに相談を持ちかけてきた。
これにテラが即答する。
<おれ達も空を飛ぶぞ! ユーベルコードと神機があれば可能だからな!>
<なるほど、では上空の暴走衛星に気をつけながら、僕達も空中戦と洒落込みますか>
<おう! よろしくな、カシム!>
<足は引っ張らないでくださいね、テラ?>
両者は通信を終えると、早速、飛翔のための準備に取り掛かる。
「聞いたか、メルシー? 早さ自慢相手なら、あれの出番だ」
「アレだね☆ 正面から捻じ伏せちゃうぞ☆」
メルクリウスは背中の高機動ウィング『タラリア』を輝かせると、カシムの合図で白光の噴射炎を吐き出した。
「加速装置起動……メルクリウス……お前の力を見せてみろ……!」
『行くよ、ご主人サマ! 速足で駆ける者(ブーツオブヘルメース)』!』
途端、海面すれすれをマッハ33の超音速で飛来するメルクリウス!
その機体が炎の魔力で包み込まれると、火の玉が如く生体オブリビオンマシンの群れを立て続けに焼き切ってみせる!
「1秒で31体撃破、まだまだこんなもんじゃないだろ、メルシー?」
『もっと頑張っちゃうよ☆』
メルクリウスは赤熱するビーム鎌剣ハルペーをブーメランのように投擲したあと、万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』から超高熱ビームの弾幕を乱射!
撃ち抜かれる生体オブリビオンマシンが海面へ墜落してゆくと、機体のへそから教徒達が這い出て溺れていた。
「あの機体、人が乗ってやがるって本当でしたか」
『確か、頭か心臓を潰せばイイんだよね? メルシーみたい☆』
「おめーは頭潰しても死なないけどな?」
生体オブリビオンマシンの群れは、身体から触手を伸ばして反撃開始!
1体につき約100本もの触手でメルクリウスを締め壊そうとする!
「わりーが触手プレイは女の子とくんずほぐれつじゃねーとやる気起きねーよ」
「緊縛プレイはメルシー的にアリ寄りのアリだけど、このワガママボディの乗っ取りはだめだぞ☆」
メルクリウスの周囲に斥力を発生させる念動障壁を纏わせると、カシムは巧みな操縦で熱線で触手を焼き切ってゆく。
そして旋回しながら戻ってくるビーム鎌剣が本体ごと触手をを切り裂き、それをキャッチしたメルクリウスは更なる猛威を奮っていった。
ほぼ同時に、ヘカテイアも多勢に無勢の状況下で大奮戦していた。
「リミッター解除、グラビティリアクターフルドライブ……!」
反重力を利用した推進力で、ヘカテイアは縦横無尽に空中を駆け抜ける。
メルクリウスほどではないが、それでもマッハ11に迫る超音速で生体オブリビオンマシンと互角に渡り歩く。
「おれもヘカテも速さには自信はあるぞ!」
その言葉通り、残像分身で敵機を惑わせ、背後を突いて巨大化させた星刃剣『グランディア』で敵機の背中から心臓部を刺突してみせた。
そんなヘカテイアにも無数の触手が迫る。
「おれ達だけを狙っていると痛い目にあうぞ!」
テラは遠隔操作で飛翔させたドリルビットと浮遊砲台『ガンドライド』で、敵機の死角から抉り、撃ち抜き、包囲網を食い破る。
更にガンドライドの弾幕は散弾銃のような面範囲での制圧力を誇る。
「狙撃のような線の攻撃じゃなくて、面制圧で一網打尽だぞ!」
爆炎弾を浴びせられた生体オブリビオンマシンが爆発炎上!
面白いように海面へ墜落してゆく!
「さあて、残りはコイツで決めるぞ! おいパイロット! お前達の負けだ! 死にたくないなら今すぐ離脱しろ!」
テラが警告すると、教徒達が慌てて海面へ落ちて逃げ出してゆく。
操縦者が居なくても自律稼働できる敵機相手に、ヘカテイアは必殺兵器を起動させた。
『“冥界の炎『ギガスブレイカー』(キョジンヲウチヤブルモノ)”起動です!』
『とっておきだ! たっぷり味わえー!』
発射されたマイクロブラックホール弾が敵機の群れの中へ発射されると、空間がねじ曲がるように収縮してゆき、一瞬にして数多の生体オブリビオンマシンは超重力に押し潰されてしまった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 集団戦
『量産型神機『ケートス』』
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POW : 対海上兵器鎮圧機構『絶海への誘い』
命中した【砲台より射出される超合金ワイヤーアンカー】の【先端】が【無数の針】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD : 海中戦術機構『エノシガイオスの刺客』
敵より【水中戦に特化している】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ : 海中集団戦術機構『海獣達の狩り』
【砲台から打ち出される水中特化ビーム砲撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【同じケートス達からの集中ビーム砲撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:マツクロ=ダイナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
空を飛ぶ生体オブリビオンマシンの大群を退けた猟兵達。
今度こそ暴走するプラント基地を破壊しようと、キャバリアの武装を向けた。
だが、次の瞬間!
ずぞぞぞぞ……と不気味な音を立てながら、潮の流れが変化する!
巨大な渦潮が、猟兵達の周囲に出現したではないか!
そこから跳ね上がるは、機械化された巨大クジラだ!
『フハハハ! どうだ、愚かな連邦国軍よ!』
クジラの群れの一頭から人の声が!
『我が名は神聖ブリオン教国所属第13宣教団長マティアス! そして、これなるは神の御子にして海の神機ケートス! 海中を進む超巨大水中戦艦型キャバリアである!』
まさかの量産型の神機!
キャバリアサイズなので体長は5mほどだが、先程同様、数が多い!
しかも今度は海中から猟兵を狙ってくる!
戦場は空中から海中へ。
次なる猟兵達の一手は、如何に?
神代・凶津
よっしゃ、プラント基地を破壊するぜッ!
って、どわああああッ!?
下から跳ね上がってきた何かに鬼乗せ船に激突してその衝撃で海に放り出されちまったッ!?あれはクジラかッ!?
面白れえ、水中戦と洒落こむぜ相棒ッ!
「……転身ッ!」
水神霊装で戦闘開始だ。
縦横無尽に水中を移動しながら敵キャバリアの脆い部分を見切って妖刀でクジラの解体ショーの始まりだぜ。
どうやらこのメカクジラ、敵より水中戦に特化しているとパワーアップするようだがあいにく今の俺達も水中戦特化霊装だ。負けはしないぜッ!
【技能・水中戦、見切り】
【アドリブ歓迎】
神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と相棒の桜は、式神の船に乗る鬼達とともにプラント基地への接岸を試みる。
「よっしゃ、プラント基地を破壊するぜッ!」
「……待って。海流の様子がおかしいです……」
桜の指摘通り、船は突如起きた激流に乗って、プラント基地から引き剥がされてお気へ押し戻されてゆく。
「な、なんだぁッ!? って、どわああああッ!?」
「きゃあっ!!」
突如、鬼乗せ船の船底は、とてつもない衝撃で突き上げられて天高く舞い上がる!
そのまま船は180度反転し、海中へ投げ出されてしまった!
「ぶはッ! あ、相棒ッ? 大丈夫かッ!?」
「……辛うじて無事です。ですが、あれを」
桜が指差す方向には、海面から水飛沫を上げて飛び出してくる巨大海獣型のキャバリアが!
「おいおいおいおいおいッ! あれはクジラかッ!?」
「……水中戦特化のキャバリア。そういうのもあるのですね」
「感心している場合じゃねぇぜ、相棒ッ? 大戦艦と空襲の次は水中戦かッ! 面白れえッ! こっちも水中戦仕様に切り替えるぜッ!」
神代コンビは鬼乗せ船を解除すると、代わりに桜の巫女服と凶津の鬼面の色が青く染まってゆく。
「水の中ならコイツで決まりだ、相棒ッ! スプラッシュフォームだッ!」
「……転身ッ! 水神霊装……ッ!」
鬼面を装着した青き巫女は、同じく深蒼の刃を輝かせる妖刀を鞘から抜き払うと、海中を縦横無尽に泳ぎ回り始める。
(まさかメカクジラの群れに生身で挑むことになるとはなッ? けど、あいにく今の俺達も水中戦特化霊装だ。互角の性能なら負けはしないぜッ!)
凶津が桜の体の操縦権を握ると、敵機の海中戦術機構『エノシガイオスの刺客』を無効化しつつ果敢に斬り掛かっていった。
(オラァッ! その巨体なら、コバンザメみたく張り付かれたら手出しできねぇよなッ?)
凶津はケートスの腹の下を潜航することで、敵機の砲門の稼働範囲外から一方的に攻撃を浴びせてゆく。
(そんじゃッ! クジラの解体ショーの始まりだぜッ!)
妖刀の刀身が青く輝きを放ったかと思えば、ケートスの尾びれが一太刀で胴体から切り離されてしまったではないか!
動力エンジンとは別に、実際のクジラのごとく尾ひれを使って航行するケートスにとって、この損傷は致命的である!
機体のバランスが崩れ、徐々にケートスの姿勢が逆さまになって海面へ浮き上がってゆく!
(尾ひれを切り落としちまえば、あとはただの浮かぶ鉄の島だなッ!)
(……他の機体も素早く無力化しましょう)
このあとも神代コンビは水中での高速移動と死角への潜り込みによって、容赦なく敵機の尾ひれを切り落とし続け、ケートスを浮島へと変えてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
「ケートスちゃん達だ!そうかー…この子達はオブビリオン化してるのかー…」(しょんぼり鶏
此奴らも神機シリーズかよ!
しかも人が乗ってるなら下手にぶっ壊せねぇか
【情報収集・視力・戦闘知識】
ケートスの機体構造の分析
特に動力炉の位置を正確に捕捉
探知機能についても分析
海中突入
【属性攻撃・迷彩】
機体に光水音属性を付与
水属性で海との親和性を高め
敵のソナーを同様の音波で相殺し此方を捕捉させない
静かに接近
わたぬき発動
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
砲台を切断しつつケートスの動力炉を強奪
機能停止武装解除して海上に容赦なく浮かせ
殺しちゃダメだったな?
「うん!後はジャパニアの人に任せよう!」
同じように不殺徹底
テラ・ウィンディア
「ケートス…此方はオブビリオンと化してますか」
助けられねーか…
彼奴らだってこんな形望んでねーよな
「ええ、正しく冥府に送ります!」
【戦闘知識】
敵の攻撃の癖とパターンを見切る
【属性攻撃・オーラ防御】
半重力のオーラを身に纏い
UC発動
【見切り・第六感・残像・空中戦・武器受け】
高速で飛び回りながらも回避に努めながらその動きを見据え
ワイヤーアンカーを逆に掴み…海上に引き上げる!
之でもパワーはあるぞ!
釣り上げてやるよ!!!
【二回攻撃・早業・串刺し】
連続斬撃で切り槍で突き刺し無力化
【重量攻撃・弾幕・貫通攻撃・重量攻撃】
ドリルビットとガンドライド展開
重力弾乱射して動きを止めドリルで貫いて無力化
不殺徹底
「ねえ見て、ご主人サマ! ケートスちゃん達だ!」
「ってことは、此奴らも神機シリーズかよ!」
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は、操縦する界導神機『メルクリウス』のアバターである3Dホログラム雄鶏の言葉に顔を引き攣らせた。
「でもオブリビオンマシンじゃねーか、あのクジラ達?」
「うん、そうだね……そっかぁ……この子達はオブビリオン化してるのかぁ……」
雄鶏がしょんぼりと俯いてみせた。
「しかも人が乗ってるなら下手にぶっ壊せねぇか」
カシムは面倒臭そうに溜息を吐く。
「ただ破壊するほうが楽なんだがな? で? 彼奴等の弱点ってないのか?」
「尾ひれで機体のバランスを取ってるから、そこを切り落せば潜航不能になるはずだよ? あとは腹部のエンジンかなぁ?」
「よし、既に勝ち筋が見えてきたぞ、メルシー!」
ニタリと笑みを浮かべるカシム。
よほどの自信があるようだ。
一方、もう一機の神機であるヘカテイアは、海面に映る巨大な影を空中から見下ろしていた。
「ケートス……此方はオブビリオンと化してますか」
「前に戦ったケートスは、街を守る戦力だったもんな?」
既に他のケートス達を相手取った経験があるテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、眼下の神機達に憐憫の眼差しを向けている。
「もう助けられねーか……彼奴らだって、こんな形なんえ望んでねーよな」
「ええ、歪んだ教義で他者の自由を踏みにじるような国家に使われたくはなかったでしょうね……」
ヘカテイアの黒猫アバターが、覚悟を決めた顔つきでテラに告げた。
「あの子達を正しく冥府に送ります! テラ、お願いします!」
「任せろ! おれがやっつけてやる!」
テラはヘカテイアの操縦し、海面すれすれを高速飛行し始めた。
と、ここでカシムとメルクリウスから通信が入る。
<ヘカテちゃーん! メルシー達は海の中に潜ることにしたけど、そっちはどうするー?>
<ええい、馴れ馴れしいですね! 顔が目なくても鬱陶しい事この上ないです!>
ヘカテイアはメルクリウスを蛇蝎視しているためか、会話の反応も刺々しい。
故に、テラが作戦内容を伝達した。
<おれ達は海面すれずれでケートスを誘き寄せるぞ!>
<でしたら、僕達が海面に追い込んで、テラ達が対処してもらえば完璧ですね?>
カシムの言葉に、2人と2機は納得した。
「ってことで、いつもの光学迷彩を発動だよ☆」
メルクリウスは自身に視覚阻害を引き起こす光学迷彩魔術を施し、更に水流を操作することで音波を遮り、敵機のソナーに感知されないよう気を配る。
(ここからは喋るなよ、メルシー。僕達には魔力回路越しのテレパシーがあるので、これで意思疎通をしましょう)
(わかったよ、ご主人サマ!)
まるで海水に溶け込むかのようなメルクリウスの保護色スニーキングに、カシムは毎度のことながら感心してしまう。
(それでは、盗賊の腕の見せ所ですね……)
目の前を悠々とケートスの群れが横切ってゆく。
カシムはメルクリウスを操作し、ユーベルコード『わたぬき』を実行した。
一瞬だけ腕を振るったメルクリウス。
その手の中には、ケートスの動力部らしきパーツが握り締められていた。
航行不能となったケートス達は、たちまち会場へ浮上して浮き砲台に成り下がってしまった。
その頃、教国側はパニックに陥っていた。
<8番から15番、謎の重大アクシデント発生! ジャパニア側の攻撃と見られます!>
「くそ、どこから攻撃している!? こうなったら全方位にワイヤーアンカーを射出せねば!」
神聖ブリオン教国所属第13宣教団長のマティアスは、部下たちにワイヤーアンカーの射出を命令。
<敵はどこかに潜んでいる! 引っ掛けて釣り上げてしまえ!>
<了解で、うわああぁぁ!>
突如、回線の向こう側で響く悲鳴!
マティアスが、カメラアイで見た光景に目を疑った。
「ケートスが……一本釣りされているだと!?」
「ヘカテはこれでもパワーはあるぞ!」
海面ギリギリを飛行していたヘカテイアにも、海中からワイヤーアンカーが射出されていた。
だが、テラが狙っていたのはこの瞬間だ。
「逆に掴んで……釣り上げるぞ!」
強引にケートスの群れを海面へ引っ張り上げ、そのまま上空へ投げ飛ばしたのだ!
その勢いは一気にマッハ11まで速度を上げてゆく!
「クジラは空中じゃ回避できないよな! だったらこれを喰らえ!」
ドリルビットとガンドライド展開!
飛び跳ねたクジラの機体に穴を開け、その穴へ超重力弾を撃ち込む!
クジラの尾ひれが粉砕された!
「エンジンも破壊させてもらうぞ! あとはおとなしくジャパニアの救助を待つんだぞ!」
テラが巨大化させた炎の槍をエンジンがある腹部を刺突!
爆炎も圧縮されるほどの超重力のおかげで、教国側に一人も死者を出すことなく、二機の神機はかつての同胞を屠ってゆくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミフェット・マザーグース
海上ドローンのレーダーで取得した分!
中将さんからもらっておいた周辺海域のデータ!
二つを重ねて作った海中マップデータをみんなに送信するね
UC【一人ぼっちの影あそびの歌】
海上ドローンたちのパルス発生装置にミフェットの歌声を乗せるよ
♪海のふかくのおおくじら 波間に跳ねて またドボン
あわてて漁師がモリをかまえても 影も形も見つかりません
海のそこからおおくじら ビームの雨に びっくりアンカー
あわてて漁師が逃げ出して 海のふかくで笑ってる
海にかくれておおくじら 波間に浮かぶ 船を見てたら
サンサン太陽てらされて そのカゲくっきりおおくじら!
海中で有利になるUCを打ち消して、みんなにクジラの位置を伝えるよ
炎武・瑠美
アドリブ歓迎
POW
今度は水中ですか!
新しくカナロアと名付けたサーフブレイドに乗り水上から狙い撃ちましょう
ワイヤーアンカーは受けるとまずそうです、先程の戦いで強化装甲もパージしてしまっていますし…
【功夫】を活かし、アンカーを紙一重で【見切り】回避します
カナロアもありますし、その機動性を上手く活かせれば回避可能なはずです!あとは私が上手く扱えばいいだけ
こちらは手数勝負です!
はぁぁっ、炎武式錬気法!
攻撃回数を重視し強化します、そのうえでミサイルランチャー魚雷モード、【一斉発射】です!
お釣りはいりませんよ、とっておいてください!
【誘導弾】を多数発射し数で畳みかけます
万一敵が浮上したりしたら杭でトドメを
海中から飛び跳ねる神機ケートスの群れ。
鉄の海獣が水飛沫を上げて海上へジャンプするたびに、ミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)のカスタム特機と炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)の操縦する烈火は、うねる波に揉まれて機体のバランスを必死に保とうと堪える。
<すごい波! キャバリアの大きさくらいの波があちこちからやってくるよ!>
<今度は水中ですか! ワイヤーアンカーは受けるとまずそうです、先程の戦いで強化装甲もパージしてしまっていますし……回避する他なさそうですね! ミフェットさん! 私のカナロアに捕まって下さい!>
烈火は新兵装のサーフブレイド『カナロア』で波間を掻き分け、ミフェット機とタンデムでホバリングすることに成功!
<凄い馬力ですね! キャバリア2機が乗っても沈み込みません!>
真紅のサーフブレードのスラスターは海面へと勢いよく噴射し続け、速度を落とさずにキャバリア2機を乗せたままケートスの群れの水中砲撃を回避し続けてゆく。
<カナロアって、さっきのカブラギ中将さんの名付けたやつだよね?>
<ええ、せっかくですので、このサーフブレイドの名前に採用しました! ミフェットさんの仰るとおり、名前がないと“映え”ませんからね?>
<おおー! 武装にも映えポイントを意識するのって、女子力高い!>
声を弾ませるミフェット。
炎武も得意げのまま、波のトップから飛び上がって体勢を180度反転しながら海中から飛び出た超合金ワイヤーアンカーをイナバウワー回避!
体幹とバランス感覚は功夫で鍛えた賜物だ!
<映えポイント! UDCアースで最近覚えました! 高貴な家の出として、女子力は日々高めていかないとですものね!>
<わー、瑠美ってばオトナの女だー!>
キャバリアの戦闘中にガールズトークを繰り広げつつも、ミフェットは同時進行で戦場の敵機の場所の特定を急いでいた。
こっちはデキる女のミフェット、情報処理はお手の物だ。
<海上ドローンのレーダーで取得した分! それに中将さんからもらっておいた周辺海域のデータ! 2つをミフェットが重ねて作成した特性海図! これにクジラさんの顔出した場所や攻撃してきた箇所を照らし合わせて……もー! 手が足りないよー!>
ミフェットはブラックタールの体組織で出来た髪の毛を触手状に変化させると、足りない腕の代わりにARホログラムキーボードを叩いてゆく。
<……できた! クジラさんたちはここにいるよ!>
ミフェットは烈火へデータを送信する。
そのデータを見た炎武は目を疑った。
<凄い……! 海中を泳ぐ敵影がリアルタイムで丸見えです!>
ミフェット機は情報収集と解析に特化したカスタム機だ。
しかも新設されたドローンの性能は高機能で、上空からのカメラアイと電波ソナーで敵影を正確に海図に表記させているのだ。
<しかも攻撃のタイミングまで! ミフェットさん、ありがとうございます!>
<ううん、ミフェットができるのはこれくらいだから……>
完全非武装のミフェット機は戦闘行為は封じられている。
ユーベルコードを活用すれば自発的な攻撃を行えるだろうが、平和主義のミフェットはそれすらも封じる縛りっぷりだ。
故に、彼女が扱う武器は“情報”だ。
それは影も形もない武装だが、世界で一番扱いが難しく、使い方次第では世界で一番猛威を奮う武装だ!
(これさえあれば、烈火は負けません!)
炎武の操縦にキレが増してゆく!
カナロアをもはや肉体の一部として扱い、飛び出してくる超合金ワイヤーアンカーを海図を頼りに予知めいた回避行動を採ってみせた。
『機動力はこちらが上です! 今度はこちらから参ります!』
炎武は外部スピーカーから裂帛の気合の雄叫びを上げた!
『はぁぁっ、炎武式錬気法!』
炎武が発散する炎のオーラが烈火の機体を包み込むと、不思議と烈火の性能が一時的に向上!
『ミサイルランチャーを魚雷モードへ転換! ミフェットさんのデータと照準をリンク、弾頭1番から9番まで照準合点!』
烈火が海中の鉄クジラをマルチロックすると、カナロアをスピンさせながら波に乗る!
『手数で推して参ります! スプレッドファイアです!』
拡散誘導式魚雷が海中に飛び込み、そのまま潜航して敵影を追尾し始める。
そして数秒後、コクピットに乗る炎武の体の芯まで揺らすほどの衝撃をあちらこちらから轟かせ、真っ白な水柱が一斉に立ち昇った!
『お釣りはいりませんよ、とっておいてください!』
追撃の次弾発射! 魚雷がケートスの機関部命中!
被弾したケートス達に乗っていた新教徒達は浮上して白旗を上げている!
だが全機が被弾したわけではないようだ。
その証拠に、なおも射出されてくるワイヤーアンカー!
『しつこいです、ねっ!』
飛び出したワイヤーアンカーを無理やりに烈火が掴むと、カナロアのスラスター出力を一気に最大まで噴出!
『カツオならぬクジラの一本釣りです! はあぁぁぁぁっ!』
烈火の右腕がワイヤーから飛び出た無数の針に貫かれて抜けなくなるも、むしろ好都合!
『即席武器のホエールフレイルです! このまま……!』
釣り上げたケートスを烈火が振り回し、そのまま暴走するプラント基地へ叩き付けた!
その巨体に押しつぶされたプラント基地は、あっけなく粉々に粉砕される!
<やりました! あとは残存戦力を無力化するだけです!>
<ええーっ! 瑠美すごい!>
超脳筋戦術を目の当たりにしたミフェットは、コクピットの中で目をパチクリ瞬かせている。
そこへ、残存戦力が海中からビーム砲を破れかぶれに発射してくる!
<ミ、ミフェットも頑張らなきゃ……!>
ミフェットは海中の敵機達を無力化するべく、ユーベルコードを歌声に乗せて海中スピーカーから響かせてゆく。
♪海のふかくのおおくじら 波間に跳ねて またドボン
♪あわてて漁師がモリをかまえても 影も形も見つかりません
♪海のそこからおおくじら ビームの雨に びっくりアンカー
♪あわてて漁師が逃げ出して 海のふかくで笑ってる
♪海にかくれておおくじら 波間に浮かぶ 船を見てたら
♪サンサン太陽てらされて そのカゲくっきりおおくじら!
♪海にかくれたおおくじら いばしょがバレて大パニック!
♪でもでも耳を澄ましたら 楽しい歌声聞こえてきたよ
♪ミフェットのおうたで おおくじらはゆめごこち!
♪おしまい!
ミフェットの歌声は『対象のユーベルコードに対し、それを歌にして模倣したユーベルコードを放ち、相殺する』効果を持つ。
今回の場合、水中特化型ビーム砲を撃ってくる敵へ、ビーム砲と同威力の効果を持つ歌声を海中へ浸透させることで、敵のビームを対消滅させているのだ!
その上、歌声を聞いた猟兵達の脳裏に、炎武に送った海図データのような映像が浮かび上がってゆく。
<これは……! 本能的に敵機がどこにいて、残り何機いるのかが把握できます!>
炎武は烈火を操り、波の上を滑走!
右腕に突き刺さった無数の針は、ワイヤーごとカナロアのブレード部で切断させて自由を得る。
そして向かった先は……。
『そう来ると思いましたよ! ミフェットさんのおかげでお見通しです!』
急速浮上して体当たりを仕掛けてきた残り数機のケートスの群れの中へ、烈火が飛び込んでいった!
『決めます! エレメンタルゥゥゥ! バンカァァァァー!』
雷の魔力を纏った巨大杭がケートスの機体を数機まとめて突貫してゆく!
動力部が過電流によってショートしたケートスの群れは、そのまま鉄の浮島として漂うしかなかった。
烈火は左拳を高々と上げて勝利を叫んだ。
『ジャパニアの皆さん! 勝ちました!』
『ミフェットも頑張ったよ!』
こうして、ジャパニアは慣れない海戦を猟兵達の助力を得て勝利した。
神聖ブリオン教国の新教徒達は捕虜となり、ジャパニアで軟禁状態ではあるが手厚く保護されるそうだ。
だが、教国が何のためにジャパニア連邦国への宣戦布告を行ったのか?
宣戦布告を受けたジャパニアとの戦いの行方は?
猟兵達は不安を抱えつつ、ひとまずは任務を終えて帰投してゆく。
また近いうちに、この戦いに身を投じる予感を胸中に過ぎらせながら……。
大成功
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