世界はカードによって支配されました
●今回予告
世界の命運をかけた戦いすら、ソレで決着をつける世の中になったのはいつからだろう。
この世の争いという争いは、ある日唐突に様変わりした。
今日もどこかの街角で、出会った二人はおもむろに自らの魂を、そう、『デッキ』を取り出す。
御託はいらない。すべきことはただ一つ。
「「決闘開始!!」」
戦いが、始まる。
カクリヨファンタズム。
それは、世界の全てがカードゲームによって決定される世界。
●満足できる世界の為に
「……皆、カードゲームは好きかのう?」
そんなお気楽に聞こえる問いかけをしてきたウルフシャとは裏腹に、何かと滅びの危機に瀕しているこの世界、カクリヨファンタズムは戦争が終わった後もまた、相変わらず崩壊の時を迎えようとしていた。
「今回、世界を滅ぼしかねない『カードゲーム』という概念が世界に蔓延しておって……これ、妙な顔になるのもわかるが状況は割と真面目じゃぞ」
世の中の全てがカードゲームで構成される世界。
カードゲームによって序列が決まり、強き者には輝かしい将来が約束され、ついでに古代の神が復活し、選ばれし者たちは世界の命運をかけて戦うことになる。
あるものは物知り顔で頷く。カードゲームではよくあることだ、と。
この世界にもその時がやってきたのだ、と。
「いや、どんな世界でもそうそうある展開ではないと思うのじゃが……」
いつものように遠い目をしながらウルフシャは続ける。
「今のカクリヨファンタズムに入り込めば、強制力が働いて皆の持つ奇跡の力もまた、カードゲームのカードとして使用することとなる。この世界に降り立った段階で一人一人に合わせて『デッキ』が現れるようじゃな」
ただ、その辺に転がっているカードや奪うこともできるらしく、適当に拾ったカードで戦う猛者もいるらしい。
「ゲームのルールを難しいことを考える必要はなく、何かそれっぽいことを言いながらカードをデッキから引き、堂々と大きな声で使用を宣言すればいつも通り奇跡の力……ユーベルコードは発動するはずじゃ」
ただ、その際は相手への直接攻撃は効果をなさないらしい。
一番効果的なのはカードゲームで相手を打ち負かす事。
そうすれば相手がオブリビオンだとしても敗北と同時に海へと帰り、憑りつかれていたものも解放されるのだという。
「奇跡を起こしてなんぼの世界じゃ、普段とは勝手が違うとは思うのじゃが、よろしくたのむのじゃよ」
しべりあ
なに、ルールがわからない?
……とりあえずカードゲームによくありそうなことを言ってくれれば全部発生するので心配いりません。
どうも、しょしんしゃのしべりあです。
カードゲーム自体をよくわからない方もいらっしゃると思いますが、そういった場合は私はこのユーベルコードカードの効果を発動して敵モンスターを破壊とか言っていただければ大丈夫です。敵は爆発します。
大戦の途中で乱入するような感じでも乱入ペナルティなどは発生しませんし、急にトラップを仕掛けておいたことにしておいても、ユーベルコードの効果と矛盾がないようならば問題ありません。
つまりは雰囲気で戦ってください。自分の履修していないカードゲームだとうまく書けないかもしれないのは申し訳ありません。
はっきりとは言えませんが最初に盾を五つ用意するとか、遊ぶ王のやつとか、古くから世界大会があるやつとかなら多少かじっています。
お気軽にご参加くださいませ。
第1章 冒険
『東西妖怪大戦争!』
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POW : 怪力こそ妖怪の真骨頂。大きさや力強さを競い合え!
SPD : 神速こそ妖怪の真価なり。速度や敏捷性を競い合え!
WIZ : 化かす事こそ妖怪の神髄なり。妖しさ、怪しさを競い合え!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●おい、決闘しろよ。
猟兵たちがカクリヨファンタズムの地へと足を踏み入れた時、すでに世界中で妖怪同士の激しい決闘(カードゲーム)が繰り広げられていた。
首謀者を探すにしても場を落ち着けるにしても、決闘(カードゲーム)が支配しているこの世では手段は一つのみ。
とにかく相手を決闘(カードゲーム)で拘束し、華々しく勝利を飾ることでこの場を落ち着かせるのだ。
さすれば、最大の決闘力(カードゲームちから)を持った元凶を呼び寄せられるだろう。
あなたはパワーデッキで相手を押し潰してもいいし、速度重視で相手に速攻を仕掛けてもいい。
また、コンボなどの美しさで、相手を翻弄することもできるだろう。
決闘(カードゲーム)の可能性は無限なのだから。
中村・裕美
「……カードゲーム……この世界もこうしたことを……するようになるのね」
とりあえず、そこらへんの雑魚を狩りつつカードを揃えてゆけばいいのかしら?ボスがどんなデッキだったとしても柔軟に対応できるようにしたいし
裕美のデッキは敵の攻撃に耐えつつ、相手のデッキを破壊するタイプな感じで
「……ドラゴンエナジー……私の墓地のカードを……山札に戻す」
他にもライフ回復やエンチャント破壊等の効果を持ったドラゴンエナジーがあったり。
UCは自爆効果のあるデッキ破壊効果とか
「……フィールド上の全てのモンスターを破壊し……相手もしくは双方の山札を破壊した枚数分減らす。……自分の山札も減らす場合は……減らす枚数を3倍にする」
●割と事故が多い塔
「……カードゲーム……この世界もこうしたことを……するようになるのね」
荒野に倒れ伏した数多の妖怪たち。
彼らから使えそうなカードを容赦なく回収し、着実にデッキを整えながら中村・裕美(f01705)は幽鬼のように歩みを進めていた。
デッキは完成された一つだけでいい、などと言うのは素人である。
特に今回の乱戦状態で相手のデッキを見た上で対応が可能な場合、複数のデッキを用意しておくなり、サイドボードにメタの対応用カードを潜ませておくなりするのはゲーマーとしては当然の事だ。
もちろん、その上で裕美自身が運用を得意とする、メインとなるデッキは存在する。
彼女が手にしているのはカードゲームにていくつかある勝利条件のうち、ライブラリーアウト、つまりは山札切れにて相手を倒す、デッキ破壊タイプのデッキだった。
しかし、さすがに何度も妖怪たちを屠っていればそれ相応の対策を行った相手もまた現れる。
「ククク……いかにお前が削ろうとも、俺のタワーデッキを削りきることが出来るかな?」
タワーデッキ。
それは対戦相手に嫌がられる事で有名ないわゆる『山札の数が無茶苦茶多い』デッキである。
基本は専用の特殊勝利カード……例えば使用したときに山札が規定枚数以上の時に勝利する、だとか、墓場にあるユニットの枚数が一定以上にて勝利する……といった条件勝利を狙うタイプの物だ。
だが副産物として、デッキ破壊タイプの相手とは割と相性が良かったりする。
だからと言って裕美の動きは変わらない。
相手の枚数が多いのならば、それだけ多くの数を破壊するのみ。
「……ドラゴンエナジー……私の墓地のカードを……山札に戻す」
そして、自らの山札が切れないようにしっかりと保持するのも忘れない。
「馬鹿な、さっきのドラゴンエナジーは、効果が別……はっ、い、色が違う?!」
裕美が普段から愛用しているドラゴンエナジーはカードとなっても彼女を支え続けている。
時にはカードゲーム的な意味でのライフを回復し、時には敵の有利な効果を無力化し、時には味方の不利な効果を無効化するのだ。
「……これで……仕上げね」
盤面を埋め尽くすかのように広がる互いのユニットにむけ、裕美はとどめとなる一枚を切る。
あらゆるゲームに存在する、フィールド上のの全ユニットを除去するリセット系カード。
それは、自らのユニットをも巻き込むことで更なる力を呼び起こす。
「馬鹿な、おれの、タワーデッキが削……ぐあああああああああああ!?」
「……フィールド上の全てのモンスターを破壊し……相手もしくは双方の山札を破壊した枚数分減らす。……自分の山札も減らす場合は……減らす枚数を3倍にする」
効果の宣言を静かに告げた時、相手妖怪は断末魔の悲鳴を上げ、真っ白に燃え尽きながら倒れ伏した。
「ありがとう……じゃあ、もらっていくわね」
灰のようになった妖怪から更なるカードを回収した後も、裕美の戦いは、続く。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
何とも不思議な状況ですねぇ。
とは言え、頑張ってみましょう。
カードゲームは然程詳しいとは言えませんから、解り易い『単色系火力&ビートダウン』の形式で参りましょうかぁ。
基本的には「まっすぐ行ってぶっ飛ばす」の精神で攻撃重視、お互いのダメージが蓄積して来たら、切り札の【剥活】を発動しますねぇ。
此方は元々『受けたダメージ』に応じた火力と強化を行うものですから、この状況であれば、非常に高コストな代わり『蓄積したダメージに比例した召喚ユニット全員の強化&貫通付与』『ライフが一定以下の場合打消し&軽減不可』の様な感じになるでしょうから、切り札として通せれば一気に仕留められるでしょう。
●力こそがパワー
「キョーッキョッキョッキョ! 吾輩のコントロールデッキの前ではいかな大型モォンストゥーといえど身動きすらとれまぁーい!」
何とも調子に乗りまくってる妖怪を前に夢ヶ枝・るこる(f10980)はいつもと変わらぬ穏やかな笑みのまま佇んでいた。
戦いは既に終盤戦に差し掛かっている。
序盤こそるこるの猛攻に押され気味だった妖怪だが、中盤に何とか持ち直した後は絶好調であった。
「では、次はこちらの番ですねぇ」
「くっくっく、この状況で何ができると……」
たしかに生き永らえこそしたものの、状況はぎりぎりである。
傍目から見れば、るこるの敗北は決定されているように感じても不思議ではなかった。
「ええ、このままでは動けませんので、少々切り札を切らせていただきますぅ」
「キョーッキョッキョ……」
るこるの手元には光り輝くカードが一枚。
それこそが彼女の奇跡の力を凝縮した、まさしくの切り札。
「これはいわゆる私が追い込まれれば追い込まれる程強化される類のものでして」
「キョ!?」
相手はコントロール、つまりは戦場を特殊なカードで操ることで相手の動きを封じて戦うテクニカルな戦いをする物だった。
だからこそ、るこるへと与えるダメージは一撃で倒せるようなものが無く、小さなダメージを蓄積して倒すしかない。
つまり、終盤に差し掛かり、次のターンで相手へと止めを刺せる状況となっている今。
それこそが、るこるの切り札を最大限生かせる状況を創り出してしまっていたのだ。
「だ、だが、いかに強化されるといえど、既に場のユニットは動きを封じて……」
「あら、それもちゃんといただきましたよぉ?」
本来ならば今までのダメージに加え、豊満さに応じてあらゆる力を吸収する領域を展開するという奇跡。
それがカードとなった今、仲間に降りかかっている不利な能力を強化に変えてしまうという効果へと変化していた。
「認めぬ、認められぬうううう、そんなもの打ち消して、打ち消して……なぜだ、なぜ効かぬうううううう!?」
「それもまた、いただきましたのでぇ」
打ち消し無効。るこるの切り札であるその奇跡は、コントロールデッキ相手には正しく天敵と言える効果だった。
「キョオオオオオワアアアアアア!!!!????」
穏やかな笑顔のまま、るこるの操るユニットたちは妖怪の領域を蹂躙する。
後に残ったのは、蹂躙され尽くされ、意識どころか大切なデッキまで失った見るも無残な妖怪だけであった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したい為すがよい。
私のことは親しみを込めてアリス院さんと呼ぶように。
デッキは化術武器改造で結界術から生成するわ。大丈夫、結界術で既に常識改変フィールドはできてるから。
え?カードゲームバトルな世界観ならこのぐらいやる敵は普通でしょ?
読心術で相手の手を呼んで、その手を略奪し蹂躙するカウンター構成でデッキを生成しましょ。
効果はなんでも絵柄はだいたい触手だがけどね♪美少女デッキならとても素晴らしいことになると思うの♡こういうのって絵柄が具現化してなんやかんやなるんでしょ?
最後に想造したワンダーテクニックを指折り数えましょう。いやー、こんなにテクを使わせるだなんてとっても強かったわ♡
●だれか5000年ぐらい生きた英雄連れてきて
「一体どうなって……なんで私の行動が全部……!? 貴女は一体何なのよぉ!?」
「私? 私のことは親しみを込めてアリス院さんと呼ぶように」
完全に術中にはまっている少女妖怪に、とても素敵な笑顔をうかべるアリス院さんことアリス・セカンドカラー(f05202)。
そう、戦い始めた場所からしてすでにそこはアリス院さんの領域だったのだ。
そもそも、カードゲームでは思考を読まれたり、謎の力で支配、洗脳されたりするのは日常茶飯事なのは皆知っての通りである。
事件の規模が大きすぎ、警察がどうにかしろよ、とか言いたくなる場合も多々あるが、大体の場合警察もカードゲームの呪縛から逃れられないのだから致し方ない。
「ズルよ、チートよ、そんなの卑怯だわ!?」
「あらあられっきとした私の力なのだけど……そうねぇ、こういう時は友情とか努力とかがあれば勝利できるんじゃないかしら」
「そんなもの……そんなものなくたってえええええ」
妖怪同士で仁義なき戦いを繰り広げている現状ではなかなか望めない条件である。
なによりこの少女妖怪、まごうことなきボッチであった。
そうしている間にもだんだんと盤面はアリスによって支配されていく。
そして、妖怪少女が気が付いた時には、その身は決闘触手によって拘束されていたのである。
「って、なんでよ!?」
「何言ってるのよ、カードの効果に決まってるじゃない♪」
カードゲームでデッキを構築するうえで重要な物がある。
それが『テーマ』だ。
アリス院さんのデッキは触手を中心としたカウンター構成デッキ。
対する妖怪少女は可愛らしい美少女キャラを中心とした高速展開のパワーデッキであった。
爆発力が高い分、搦め手には滅法よわい。
あと美少女は触手に弱い。多分。
「や、やめ、触手……ど、どこに、いやあああ!?」
結果はご覧のありさまだよ、である。
しかも被害は少女のデッキにまで浸食する。
こうして、アリスの力によって現実にしっかりと召喚された美少女キャラクターたちもまた、アリス院さんの魔の手に見事に絡め捕られたのである。
いや、正しくはカードの力が現実に浸食しているのだが、こうなってしまってはどっちがどうでも変わることはない。
「こういうのって絵柄が具現化してなんやかんやなるんでしょ?」
当のアリス院さんからしてこんな具合なのだから。
その戦いは熾烈を極め、周囲の決闘する妖怪すら巻き込んでとても良い子には見せられない様相を醸し出す。
やがて、妖怪少女の瞳が光を失う頃、アリス院さんは何かを数えながら満足そうに微笑んでいた。
「いやー、こんなにテクを使わせるだなんて……とっても強かったわ♡」
それは皮肉でもなんでもなく、心からの称賛であったという。
大成功
🔵🔵🔵
秋山・軍犬
菊千代「という訳で、軍犬さん勝負です!」
軍犬「…」
…いや、お前
今回の指定UCなのに事件に巻き込まれた
妖怪枠で来るのかよ…
ま、いいや
ついでだし君がUCNPC化した歓迎会に
そこの飯屋に入ってから勝負しようか
という訳で、先ずはビールと焼鳥の盛り合わせ
お願いします…決闘開始!
菊千代「ふふっ、指定UCが無駄になった以上
貴方に勝ち目は…私、ホッケと冷酒」
甘い、UCが無くとも
今まで参加したシナリオの力があれば
自分にもホッケ下さいドロ―ッ!
軍犬「自分は【軍犬的にはネタ枠だった】大祓骸魂を召喚!」
はい、問答無用で自分の勝ち、乾杯!
菊千代「ずーるーいー、かんぱーい☆」
※大祓骸魂はカードキャラです本物ではありません
●多分そっくりさんであり別人か何か
「という訳で、軍犬さん勝負です!」
「……」
胸を張り堂々と宣言する少女、菊千代は秋山・軍犬(f06631)とっての……何と言うべきか。
本来であれば軍犬の奇跡により顕現するお騒がせ、もとい、お助け要員。
だが、軍犬の能力が、今まで戦ってきた相手がなんやかんやあった末に奇跡の力になっている、という遍歴もあって、素直に力を貸してくれる者ばかりではないのも事実。
特に最近参入した彼女、菊千代に至っては自分より弱い者の指図は受けないだとか一度負けたからと言って次も負けだとは限らないだとか往生際の悪いことを言い出し、頻繁に勝負を挑もうとする困った性質が見え隠れしている。
「……いや、お前、今回自分のユーベルコードで切り札的な意味で連れてこようとしたのに、なんでさっそく事件に巻き込まれた妖怪枠で来てるの……?」
というか思いっきり今もそれを発揮していた。
「ま、いいや」
しかしそこは軍犬としても慣れたものである。
「ついでだし君の歓迎会にそこの飯屋に入ってから勝負しようか」
「やったー歓迎決闘だー!」
大体軍犬の関係者は飯に弱い。親は子に似る……様なものなのだろう。
「という訳で、先ずはビールと焼鳥の盛り合わせお願いします…決闘開始!」
飯を食いながらの決闘だと方々から文句が出てきそうだが、飯の時間も決闘と共にある、という風に見えなくもないので周囲からはセーフ判定だった。
そもそも飯屋の名前が決闘居酒屋だったのだ。おそらくは周囲もそんな感じなのだろう。
「ふふっ、ユーベルコードの私が敵にまわり、無駄になった以上貴方に勝ち目は……私、ホッケと冷酒」
「甘い、ユーベルコードなんぞ無くとも今まで参加した冒険の力があれば自分にもホッケ下さいドロ―ッ!」
その時、軍犬は感じた。
ゾクリ、と、どこか背筋の凍るような感覚。
何か良くない予感、下手をすると世界が消えてしまうほどの、何か。
だが、それでも、それでもカードゲーム主体の決闘次元の話なら、きっと大丈夫。
「はっはっは、それじゃあ自分は大祓骸魂を召喚!」
軍犬は完全にそんな勢いで、そしてネタ的な感じでとんでもないものを軽く呼び出そうとしてみた。
『あらぁ♪ 温泉旅行でお預けだった『ピー』をご所望でございましょうか?』
「…………?」
なにかが、聞こえた気がした。
それはたぶんきっと幻聴だった。
そうに違いない。決して和服のどこかヤンデレ雰囲気を漂わせる王の風格すらある少女の姿など見えようはずがない。
ただ、なぜか軍犬は菊千代と顔を見合わせる。そして汗だらだらである。
ここに居たら世界が軽く滅亡してしまうような何かが、エラーかバグかで漏れ出てしまっているのではないだろうか。
「……はい、問答無用で自分の勝ち、乾杯!」
酒、飲まずにはいられなかった。
おそらくは何度か戦ったうちの一回、その時の案内した関係者が近くで戦っていることで、何かしらの次元を連結するシステムがねじれつながっているのかもしれない。
「……ずーるーいー、かんぱーい☆」
菊千代もまた、軍犬に倣い、飲んで気にしない事にした。
『それでは私も一杯いただきましょう』
――いるはずのない3人目と共に。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
最近、新し親分の影響もあってカードゲームにこってるんだよね。楽しめそう。
トラップ発動。高速ウィザードミサイル!召喚したユニットを破壊するよ。
ぼくのターン!ドロー!魔法カード、全力詠唱!好きな魔法カードを3枚、山札から手札に加え、山札をシャッフルするよ。
ウィザードミサイルの雨!全力ウィザードミサイル!最終兵器ウィザードミサイル!
ユニットなんかなくても、トラップと魔法で場を制圧するよ。プレイヤーへの攻撃も魔法カードだ。
●サーチカードの恐ろしさ
「最近、新しい親分の影響もあってカードゲームにこってるんだよね」
アリス・フォーサイス(f01022)は殺伐とした戦いの中を思わせない朗らかな笑顔で、楽しめそうだと戦場に降り立った。
「はっはっは、奇襲決闘だ、くらええええええ!」
だが、妖怪たちはエントリーしたばかりの少女が相手であろうと情け容赦なく決闘を挑んでくるのである。
……もっとも、この世界では少女の外見をしようが見た目通りの存在とは限らない。
もちろん、アリスが少女なのは間違いないが、ただただ蹂躙されてしまう儚い存在などでは決してなかった。
「そんな見え見えの奇襲、対策済だよ」
きらりと輝くのは密かに用意されていた伏せカード。
「トラップ発動。高速ウィザードミサイル! 召喚したユニットを破壊するよ」
「な、なにいいいいいいすでにトラップグワアアアアア!?」
万全の体勢から放たれたと思われた奇襲攻撃。
にもかかわらず、あっという間にアドバンテージを取られたのは奇襲妖怪だ。
「そして、ぼくのターン! ドロー! 魔法カード、全力詠唱! 好きな魔法カードを3枚、山札から手札に加え、山札をシャッフルするよ。」
「な、なに!? なんだそのサーチ能力、強力すぎるだべさ!?」
1枚サーチだけでも十分強いにも関わらず、それが3枚。
これがどれほどのアドバンテージを生むか、というのはカードゲーマーならば火を見るよりも明らかである。
「ユニットなんかなくても、奇襲をかけてくるようなキミには負けないよ。さぁ、魔法カード発動! ウィザードミサイルの雨!」
「ぎょわあああああああああああ!?」
「全力ウィザードミサイル!」
「ぬべらああああああああああああ!?!?」
「最終兵器ウィザードミサイル!」
「げっちょにばああああああああああ!?!?!?」
3連続で使用することはなかなか実現しない組み合わせ。
だが、それが叶ったときには一撃で相手をプレイヤーごと粉砕できるほどの力を発揮するカード。
そういったカードをそろえ、状況を確実に整えることが可能なのがサーチカードの強みなのだ。
「ばかな、ユニットを展開されることなく、この、俺、が……」
爆炎の晴れた後、焼け焦げて倒れ伏す木っ端奇襲妖怪は、ピクリとも動かなかった。
大成功
🔵🔵🔵
涼風・穹
カクリヨファンタズムへ突入するといつのまにか腰のポーチの中に俺の青の瞳の白い龍デッキが入っています
そしてカードゲームで決闘する際には何故か決闘盤的なものが現れて腕に装着されます
しかし誰も疑問には思わずシリアスに勝負開始
龍族カード主体のモンスターの攻撃力で相手を粉砕していくタイプのデッキを使用
相手に伏せカードがあろうとも攻撃を仕掛けます
そして伏せカードの効果で相手のモンスターの攻撃力が青の瞳の白い龍を上回ったというのに攻撃を敢行して破壊されようとも強気な態度で…
ここで罠カード《最後の煌き》を発動!
破壊された俺の青の瞳の白い龍を墓地から特殊召喚、そして攻撃力を上げて再び攻撃する!
滅びのバースト嵐!
●青い瞳の白い龍は嫁だと誰かが言っていた
「ぬ、ぬぉおおおおおおおおおおお!?」
白き閃光が戦場を切り裂き、絶叫が響き渡る。
妖怪が倒れ伏し、立っているのはただ一人。
涼風・穹(f02404)は手にした自らの相棒、青の瞳の白い龍が描かれたカードをいつの間にか腕に装着されていた謎の決闘機械へと収めた。
なんでそんなカード持ってるの? だとか、その機械はいったいなんなの? などと言った疑問が彼の脳裏に浮かぶことすらない。
ただただ、決闘を。
体が、魂が求めるがままに。
……そんな感じで、思いっきり世界に飲み込まれているような気がしなくもない穹。
それでもこの場に来た目的はカードゲームで勝利し続けることなのだから、さしあたって大した問題ではないだろう。
何よりも漂わせている無駄にシリアスな空気が疑問を挟ませることを封じていた。
「粉砕させてもらおう!」
今もまた白き竜が目の前に立ちふさがった一人の恐竜妖怪を玉砕せんと咆哮を上げる。
だが、ここまで生き残っていた恐竜妖怪もさるもの。
「そういかんザーッキッキキ! 罠発動! 鋼の巨大茸!」
穹と相棒の目の前にそびえるは、怪しげな茸を体内に取り込んだことで、鋼鉄の巨体となった恐竜である。
激しく強化された敵ユニットが手にしたのは、金属の巨塊となった卵。
超重量のその物体を剛腕をもってして投げつけると、さしもの白き龍といえど爆散せざるを得ない。
「ザーッキッキッキ、どうやらこれまでのようだな!」
だが、穹の瞳は決して諦めたものではなかった。
「それはどうかな?」
「ザキッ!?」
「俺は罠カード、《最後の煌き》を発動!」
激しい光とともに、その場に復活するのは先ほど爆散したはずの白き龍。
更には、どこからともなく勇ましい感じのするBGMが流れてきているような幻聴が聞こえ始める恐竜妖怪。
「破壊された俺の青の瞳の白い龍を墓地から特殊召喚!」
「いくら復活しようとも、ワガハイのメタル・ジャイアント・カイザー・レックスを倒すことなど」
「甘い! このカードはただ特殊召喚するだけではない。相手の攻撃力を自らに加え、再び攻撃する!」
「バ、バカナアアアアアアアアアア!?」
「受けるがいい! 滅びのバースト嵐!」
「ザッキイイイイイイイイイ!?」
激しい光の奔流が周辺を、妖怪を包み込み、光が消えた後……そこには大きなクレーターが残るのみであったという。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ダークプルティア『ダークデザイア』』
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POW : 欲望を解放した強化形態だ!ダークリベレーション!
「【合体した妖怪の抱いた欲望を必ず叶える】」という誓いを立てる事で、真の姿に変身する。誓いが正義であるほど、真の姿は更に強化される。
SPD : 私に君の力を貸してくれ!ダークデバフ!
妖怪【自身が合体している妖怪】の描かれたメダルを対象に貼り付けている間、対象に【妖怪に応じた状態異常・能力弱体・状態変化】効果を与え続ける。
WIZ : 彼女の力がこの場を包む!ダークホームグラウンド!
【対象に有効な武器に変化した髪から髪の毛】を降らせる事で、戦場全体が【自身が合体した妖怪が得意とする場所】と同じ環境に変化する。[自身が合体した妖怪が得意とする場所]に適応した者の行動成功率が上昇する。
イラスト:すねいる
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シズホ・トヒソズマ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●決闘者同士は、惹かれあう
数多の妖怪たちが吹き飛ばされ、静まり返る戦場。
そこに立つのは、もはや猟兵決闘者たちのみ……そう思われたその時である。
「貴方たちが選ばれた決闘者という事ね」
ザッ、という靴音と共に、いつの間にそこにいたのだろうか。
猟兵たちを見下ろすような崖の上に現れた一つの影。
その手に輝くのは他の木っ端妖怪とはまるでオーラの違う、デッキケース。
奴こそがこの世界をカードゲームで埋め尽くした鍵となった者だ、という事を、猟兵決闘者たちは直感的に理解した。
「私の合体デッキの力に、どこまで耐えられるか……楽しませてもらおうかしら!」
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ほう?合体デッキとな?この私に合体で挑む、と。なるほどなるほど、ならばこちらも合体デッキでお相手せねば失礼というもの。
さぁ、イクわよ♡ドロー……
あいぇぇぇ螟ァ逾馴ェク鬲!なんで螟ァ逾馴ェク鬲!
おっと思わず文字化けしてしまったわ。でも、入れた覚えも無いのになんで大祓骸魂が?え?軍犬さんが?うんうん。なるほど、より確実に実体化するためにこっちに来た、と。ふむ。
……いつの間にか軍犬さんカードもあるし、うん……このカードを生贄に大祓骸魂を召喚!ヤマラージャ・アイビーでダークホームグラウンドを無効化。ダークデザイアにダイレクトアタックで合体よ♡
秋山・軍犬
という訳で飲みk…決闘も二次会に突入
菊千代「うへへへ、私のかち~♥
ろ~だ! 軍犬はん! 私強いらろ~♥」
で、指定UCが酔っ払って絡んできて使い物にならないんで
また冒険で繋いだ絆の力を信じてカードを引くしかない訳ですが
ダークデザイアさん…サレンダーしよ?
でないとヤバいのよ?
…決闘するの?
も~何が起きてもそっちが責任取ってよ~
焼酎の出汁割り下さいドロー…はい、事故った
軍犬は
【ある意味アルダワ最強】ヌギンヌギンスライムを召喚
…あ、何か二次会にもついてきた大祓骸魂に似た
カードキャラさん、ダークデザイアって人が責任取るって
言ってましたんで軍犬悪くないです
ヌギンヌギンS「唐揚げ下さい」
菊千代「(大爆笑)」
●そんな敵にかまわずに
崖上に颯爽と敵が現れようとも、我が道を行く者たちが居る。
「うへへへ、私のかち~♥ ろ~だぁ! 軍犬はぁん! 私強いらろぉ~♥」
酔っ払いである。
それも完全に酔いが回って本人自身も何もわからない状態となっている、一番たちの悪い類の相手だ。
そんな役立たずと化している奇跡の力の体現者たる菊千代を、ものすごく冷たい目で見つめていたダークデザイアだったが、突如表情を変える。
「ま、まさか……酔決闘者!?」
ある国に伝わるという酔っぱらったような予想の出来ないプレイングにより相手を翻弄する決闘方式。
この油断しまくっているようにしか見えない相手は、もしやその使い手なのではないか。
敵がそんな感じで勝手に勘違いし、警戒している間に、軍犬は今までの絆の力を信じてとりあえずドローのため山札に手を置く。
「……ダークデザイアさん、……サレンダーしよ?」
そして、おもむろに降伏勧告を行った。
「まだ1ターンも経過しないままに、それどころかドローする前に!? 降伏勧告ですって!?!?」
「でないとヤバいのよ?」
軍犬は確信していた。
このカードを引いたら、ヤバイ、と。
何か連鎖反応でとんでもないことになる、と。
「……それでも、ほんっとおおおおおおに、決闘するの?」
「当たり前だ、決闘者たるもの、目と目があったら即決闘だわ!」
当たり屋よりもたちが悪い連中であるが、そういう者である。
「も~何が起きてもそっちが責任取ってよ~……焼酎の出汁割り下さいドロー…はい、事故った」
軍犬のやけっぱちな声とともに現れたそれは、とある迷宮の中に蠢く伝説の生物。
ヌギンヌギンだとかヌギヌギンだとか怪しげな液を操る恐ろしいスライムであった。
いったいどんな効果を及ぼすかその名前からは到底わからないかもしれないが、なんと、その液を浴びた者は身に着けた衣類を脱ぎたくてたまらなくなる、という恐ろしい怪物なのである。
「あら、やはりそういうことがお好きなのでは?」
怪しげな笑みを浮かべるのは、まだ近くに居座っていた邪悪な雰囲気の和服少女。
「あーどこかの誰かに似たカードキャラさん、あそこのダークデザイアって人が責任取るって言ってましたんで軍犬悪くないです」
そんな会話を横目に、敵であるダークデザイアはスライムをじっと見据える
そして召喚されたスライムもまた静寂を守っていた。
しばしの間、謎の緊張感。
わずかに身じろぎするスライム。
――動くか?
ダークデザイアが警戒を一層強めたその時。
「唐揚げ下さい」
「キャアアアアアアシャベッタアアアアアアアアア!?」
無駄なイケメンボイスで言葉を発したスライムに思わず声を上げるダークデザイア。
本来であればその対戦相手であった菊千代は、その様子を眺めてただただ笑い転げるのであった。
●合体って……
アリス・セカンドカラーの表情は、目を輝かせる、という言葉が即座に浮かぶほどに顕著だった。
「合体デッキとな? この私に合体で挑む、と」
何かとても語弊がありそうな言葉を呟きながら妖しげな笑みを浮かべるアリス。
だが、この御方の前で、それらしい言葉を紡いだこと自体が誤りだったのだ。
……逆転の発想で、それらしい言葉を紡いだからこそ、反応して現れているのかもしれないが、それはさておいて。
「ひゃっ、なにこれ、なんかねばっと……あ、あれ、なんで私、合体して……服なんか着て……いや、違う、なんで、着ているのが普通……合体した方が強いし……でも、脱ぐ方が、いい……あれ?」
謎のスライムに驚いている間に奇襲を受け、なんだか怪しげな液でべとべとになっているダークデザイア。
合体を解除しなければならないだとか、服を脱がなければならないだとか、混乱の最中でドギマギしていた。
――その様子だけでアリスにとっては獲物決定であった。
「なるほどなるほど、そういうことね。完全に理解したわ♪ だったらこちらも合体デッキでお相手せねば失礼というもの」
近頃一部界隈では自分の名前を聞くだけで相手が何処かへと消え失せてしまう、という怪奇現象が起こっている……気がする。
そんな最中、真っ向から自らを挑発して(いるように見える)挑戦者がいるのは、アリスとしても心躍らざるをえなかったのだ。たとえ相手がそれどころでなかったとしても。
「さぁ、イクわよ♥ ドロー……」
そんな様子で気軽に山札からカードを引く。だが、そのカードを手にしたとき、アリスは確かに感じた。
あれ、なんかおかしいぞ、と。
「あいぇぇぇ螟ァ逾馴ェク鬲!なんで螟ァ逾馴ェク鬲!」
どう発音すればどうなってしまうのかわからないが、手にしたカードがそうさせるのか、不思議と聞く者皆がそのように感じてしまう絶叫だった。
「おっと思わず文字化けしてしまったわ。でも、入れた覚えも無いのになんで大祓骸魂が?」
この世界ともう一つの世界をまたいだ戦いで大暴れしていた相手とそっくりな何かがそこにあった。
無論手にしたカードの事である。
「ちょっとお願い事があって……あっちで飲ん出る人なんだけど」
「え? 軍犬さんが?」
「あのお嬢さんには積極的なのに、こちらにはいけずでー、それで少しでも好期を多くしてみようかと」
カードであろうと喋るのはよくある事。
そして、当人が何のことを言っているかは不明だが、大切なのは根気と試行回数らしい。
「うんうん。なるほど、より確実に実体化するためにこっちに来た、と。ふむ」
アリスは考える。
この相手は姿形は近いが恐らく似ているだけの別物である、と。
むしろ本人だったらこんなゆっくりとしている暇はない。
だが、何かがきっかけでそっくりさんからサプライズで本人登場とかが起こる可能性がゼロではない、気がする。
つまり何らかの形で迅速に解決を図るのが一番。
「……いつの間にか軍犬さんカードもあるし、うん……このカードを生贄に大祓骸魂を召喚!」
ならばこちらもカードで応えるのみである。
カードを使用したとたん、近くで飲んだくれていたどこかの猟兵が『ちょ、まっ、何が起こって……自分が、カードに!?』『うふふふふ、私の勝ちでーす♪』巻き込まれた気がするが世界の滅亡に比べれば大したことではないだろう。
「い、いけない。完全に飲まれている……!? 環境カード『ダークホームグラウンド』を発動、この場の環境を頂いて……」
「あら、それも楽しそうだけど、『ヤマラージャ・アイビー』発動、貴女の『ダークホームグラウンド』を無効化するわ」
「しまっ……さっきのどさくさに紛れて伏せていたの!?」
場を支配しようと広がっていたダークデザイアの髪の毛。
だが、それが辺りを覆いつそうとした時、アリスが潜ませていた無数の懐刀『生と死を繋ぐもの』が切り裂いた。
そう、既にこの場はアリスが支配する空間なのだ。
「さぁ、場はがら空きだし、あなたの守りも緩々見たいね、ダークデザイア、貴女にダイレクトアタックで合体よ♥」
「いや、これは仲間と合体するのであって敵とは止めアーッ!?」
アリスによってがっちりとホールドされ、ついでに手伝ってくれたお礼なのか、大祓骸魂によく似た少女もまたアリスに加勢する。
何が起こったかは文字化けにより不明だが、ダークデザイアのライフは半分以上『吸収』されたのだった。
●捨てても戻ってくる呪いの
「ちょ、自分の事を忘れてない!?」
「あはははははははは♪」
近くにいた飲兵衛+1がどうなったかは不明である。
が、後日1枚のカードを握った状態でどこか遠いところで発見された、とかなんとか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
おや、この方が黒幕ですかぁ。
今回も『火力&攻撃型』ですが、先程とは仕掛けが異なりまして。
本体を直接攻撃出来るユニットに【豊連】を付与しますぅ。
此方は本来『反動を先送りにし強化に置換する』のですが、これ自体に『反動』が有る為『連鎖強化』が可能でして。
ゲーム中では『行動済になると強化カウンターが乗る』形ですが、これと『ユニット1体を行動済にし、他ユニット1体を未行動にする』設置型カードと組合わせますと「【豊連】付与ユニットで他ユニットを未行動に/行動済なり強化」→「起きたユニットで【豊連】付与ユニットを未行動に」の繰返しで無限強化が出来ますぅ。
後はサイズで圧し潰しますねぇ。
●みんな大好き無限ループ
「おや、この方が黒幕……ですかぁ?」
どのような相手であろうとも、るこるの決闘が揺るぐことはない。
たとえ、先の決闘者との戦いで衣服をはじめとしたものがなんだかとても大変な事になっていたとしても、デッキを持つ者同士が対峙したのならば戦わざるを得ないのである。
「ふ、ふふ、そう、そうよ、だからそう簡単には負けたりしないから……ううっ」
ダークデザイアは何か、大切なものを失ったような顔をしているが、弱っている今が好機なのは間違いない。決闘で弱みを見せるほうが悪いのである。
情けを見せる事なく、いつものように強力なユニットを展開していくるこる。
「先ほどからの決闘は見ていた、決闘者に一度見た技が通用するとは……」
デバフ……マイナス効果を与えるのがるこるの強化につながるならば、純粋なより大きなパワーで捻り潰すのみ。ダークデザイアは負けじと自らのユニットの力を合体により強化していく。
力により相手を粉砕したい、という合体する妖怪ユニットの純粋な思いは、単純ゆえに正義とも親和性が高い。
「いえ、実は先程とは仕掛けが異なりまして」
「えっ?」
だが、るこるとて多彩な技を操る決闘者である。
相手がこちらの戦術を研究してくる事など百も承知であり、その上で裏をかくのもまた決闘者の嗜みであった。
「此方は本来『反動を先送りにし強化に置換する』のですが、これ自体に『反動』が有る為『連鎖強化』が可能でして」
「えっ、えっ? それって、まさか」
「ゲーム中では『行動済になると強化カウンターが乗る』形ですが、これと『ユニット1体を行動済にし、他ユニット1体を未行動にする』設置型カードと組合わせますと……」
ダークデザイアの脳裏によぎったのは『無限ループ』という言葉だ。
――ループデッキ。
それはカードゲームのデッキコンセプトの一つとして、確かに存在していた。
ある特定のカードの組み合わせにより効果を延々と発生させ続け、強化や展開、もしくは特殊勝利条件を満たすまで、ずっと自分のターンを行う恐ろしいデッキである。
「『【豊連】付与ユニットで他ユニットを未行動に/行動済になり強化』からの『起きたユニットで【豊連】付与ユニットを未行動に』の繰返しで無限強化が出来ますぅ」
ループ証明……無限にループが行われる事が説明され、対戦相手もそれを理解した。
こうして条件が確立されたことで、その事象が可能な限り実行される、と審判される。
つまり、今。
ダークデザイアの目の前には、無限の力を秘めたユニットが立っていることとなり……。
「それでは……圧し潰しますねぇ」
「う、ウワアアアアアアアアアア!?」
世界を砕くほどの一撃が、その身に襲いかかることになるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
黒幕の登場、かな。わかるよ。かなりの実力者みたいだね。力押しじゃあ、だめそうかな。
合体デッキでくるなら、こっちは変身デッキだ。キミの合体力とぼくの返信力、どっちが上か勝負だよ。
七色のアリスを召喚!まずはロキモード。いたずら効果で、相手のカードを3枚捨てるよ。
相手の地形効果には、エンジェルモードだ。飛行して、地形効果を無効だよ。
そして、最後はヴァルキリーモード。戦力2倍で制圧するよ。
●制限枚数まで入れておきたい便利カード
「あの攻撃を受けてもまだ立ちあがるなんて。さすがは黒幕、かなりの実力者みたいだね」
「ぜぇ……ぜぇ……無限の力で殴られるとか、一度喰らってから復活を切るしか、なかったけど……」
カードでの戦いでなければ世界が真っ二つになる程のダメージを食らったものの、あらかじめ用意していた敗者復活のカードでかろうじて敗退を免れたダークデザイア。
そんな彼女の前に現れたアリス・フォーサイスは、彼女が先程まで戦っていたパワータイプの決闘者たちとは違った相手だった。
「力押しじゃあ、だめそうかな。まだ何か用意してそうだし」
「あら、なんのことかしら……ねっ!」
すっとぼけて見せるダークデザイアだが、結構一方的にボコボコにされていたこともあり、その手札はかなり充実していた。
「私は鷹の妖怪、孔雀の妖怪、コンドルの妖怪の3体を合体……さぁ行くわよ!」
一度主導権を得てしまえば並大抵の決闘者なら粉砕できると、すかさずユニットを展開し始めるダークデザイア。
ボロボロになりながらもまだ勝てると自信が見え隠れしており、だからこそ、戦いの流れを彼女に渡すわけにはいかなかった。
「そっちが合体なら、こっちは変身で行かせてもらうよ。ぼくは七色のアリスを召喚!」
「ちっ、効果ユニットかっ!?」
厄介な能力を持つ相手が多い効果ユニット。
その力は、そのカードが無ければそもそもお話にならないレベルの物や、危うい戦況をも逆転させ、場を支配することが可能な物など、非常に強いものが多い。
ならばその力の本領を発揮される前にねじ伏せるのみと、合体ユニットが腕を振り下ろすも七色のアリスを捕えることは無かった。
「なっ、確かに捉えたはずっ?!」
「どう、驚いてくれたかな?」
姿を消した七色のアリスの現れたのはダークデザイアの後ろ側。
「まずはロキモード。いたずら効果でカードを3枚捨ててもらうよ」
そして狙うのは本人ではなく、その手札であった。
「手札破壊!? しかも3枚!? ……そっちがそう来るなら!」
用意していた切り札を廃棄させられながらも、なんとかカウンターとして周囲へ髪の環境を展開する。
先ほどの戦いでかなりひどく斬られまくった影響で領域の展開範囲が狭くはなっていたが、一人を相手とるぐらいなら十分だった。
「そう、空でも飛ばれない限りはね!!」
「それじゃあエンジェルモードだ。飛行して、地形効果を無効だよ」
「キャアアアアアアトンダアアアアアアアア!? そ、そんな、複数効果持ち!?」
見事にフラグを踏み抜いたダークデザイアを見下ろし、華麗に領域から離脱する天使となったアリス。
そして、彼女はまだ変身を残したままだった。
「最後はヴァルキリーモード」
「まだあるの!? くっ、でもそのパワーなら、拳で抵抗を……」
「残念だけど、ぼくの戦力は2倍になるんだ」
「ぐっ、だとしてもおおおおおおおお」
ダークデザイアの合体鳥人が咆哮を上げ、戦乙女となったアリスへと突撃する。
渾身の力を込めて放たれた鳥人の一撃は、華麗に叩き込まれた戦乙女のカウンターにより一刀両断されたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
中村・裕美
「……いよいよボスね……出番よもう一人の私……闇裕美」
「今までそんな呼び方しなかったですわよね?」
副人格のシルヴァーナに交代。相手のデッキ傾向を言動やプレイ内容から【情報収集】、【早業】でデッキを組み上げる
「わたくしはシルヴァーナ、メタデッキマイスターとも呼ばれているとかいないとかですので、お見知り置きを」
合体デッキということで
「ドラゴンエナジー・アブソリュートゼロ、そのカードの効果を解除ですわ」
と、合体効果を打ち消し回って相手に優位に立たせない
頃合いを見てフィニッシュ
「モンスターを墓地から山札の1番上に戻し、行きますわ! バーサーカードラゴン!」
モンスターカードをドローする限り連続攻撃
涼風・穹
くっ…!
俺の青い瞳の白い龍の攻撃力が半分に…
速攻魔法《起動》発動!
場の青い瞳の白い龍を除外!
嫁を除外したせいでフィールドはがら空きになりダイレクトアタックを受けてライフが風前の灯火になろうとも膝を屈するのを拒否して立ち続け…
それで俺に勝ったつもりか?
一つ決闘のアドバイスをするなら相手に思考を悟らせない事だ
そして手札は一つの可能性、貴様の場のモンスターがどれ程強力であろうとも貴様には手札も伏せカードも無い
《起動》の効果により再び現れよ青い瞳の白い龍!
ここで融合を発動
手札の青い瞳の白い龍二枚と場の青い瞳の白い龍の三体を融合
今こそ現れよ、真青い瞳の究極の龍!
そして究極の龍は三回攻撃可能!
超究極爆裂!
●三体合体の花嫁
「ふっ、場のユニットは全て破壊されたようだな。ならば俺自ら引導を渡してやる! 喰らえ、滅びのバースト嵐!」
先の戦いから生まれた隙をつき、決着をつけに掛かった社長……ではなく、決闘者、涼風・穹だったが、その姿を見たダークデザイアはニヤリと笑みを浮かべていた。
「かかったわね、ユニット破壊時の効果発動! 対象のユニットに呪われたメダルを装着させる!」
「くっ……呪われたメダルだと……!? 俺の青い瞳の白い龍の攻撃力が半分に……」
別の猟兵により破壊された相手ユニットの残骸から怪しげなメダルが飛び出したかと思えば、そのメダルから生えてきた禍々しい腕が地面に引きずり込むように白き龍を拘束していた。
動けないわけではないが、その場での攻撃は食い止められ、その隙にダークデザイアは別のユニットを展開し、攻勢を仕掛ける。
「その弱った龍の首からいただくとしましょう!」
「……俺は速攻魔法《起動》発動! 場の青い瞳の白い龍を除外!」
「なっ、正気なの!?」
「貴様に俺の嫁を渡すわけにはいかん」
「わけのわからない事を……いいわ、なら私たちの攻撃、直接その身に刻みなさい!」
一時的に白き龍を除外した事でフィールドに存在する穹のユニットは不在となる。
がら空きとなったフィールドはダークデザイアの独壇場となり、その攻撃は直接決闘者である穹に向かう事となるのである。
「ぐううううううううう……!」
「あらあら、何の抵抗もできないみたいねえ、自らの身を挺してカードを守るだなんて、バカな男……」
しかし、どれだけライフが削られ、風前の灯火となろうとも、穹は地に膝はつかない。
そして、その瞳は確かに勝利だけを見据えていたのだ。
「それで、俺に勝ったつもりか?」
「勝ったつもり? 妙な事を言うのね、私の勝利はすでに確実なのよ!」
「ふっ、一つ決闘のアドバイスをするなら……相手に思考を悟らせない事だ」
突如として空間が白き光に包まれ、ダークデザイアたちは目を覆う。
「きゃっ、眩しっ……」
「そして手札は一つの可能性、貴様の場のモンスターがどれ程強力であろうとも貴様には手札も伏せカードも無い」
「あとは押しつぶせば終わるんだからそんなものっ」
「ならばしかと見よ! 《起動》の効果により再び現れよ青い瞳の白い龍!」
「なっ、メダルがない……完全に復活したっていうの!?」
「さらにここで融合を発動。手札の青い瞳の白い龍二枚と場の青い瞳の白い龍の三体を融合……今こそ現れよ、真青い瞳の究極の龍!」
光がなお強くなり溢れ、やがて現れたのは等分どころか三体合体した穹の嫁……相棒の姿であった。
「覚悟はいいか、究極の龍は三回攻撃可能!」
「そんな、無茶苦茶な!?」
「受けるがいい、超究極爆裂!」
激しく吹き荒れる爆風と閃光。
そして……。
●AIBO(仮)
「ふふふ、惜しかったわね。準備が終わってなかったらほんと危なかったわ……しかし、この時を待っていたの!」
「何っ」
なんと大地を揺るがす強大な攻撃を受けてもなお、ダークデザイアは起き上がりまだ闘志をむき出しに穹をみていた。
「私の可能性は手札ではなく、墓地にある! 私は墓地より地獄からの合体を発動! さぁ、あなたの嫁とやら、頂きますわ!」
「墓地発動カードだと!?」
墓地にある事で条件を満たし、発動することのできるカード。
発動条件が限定的な場合も多いが少なからず存在し、ダークデザイアの切り札もまた墓地発動カードだったのである。
光を蝕むかのように、地獄の底から再び嫁を寝取ろうと……もとい、龍を絡め取るように腕が伸びていく。
「……いよいよね……出番よもう一人の私……闇裕美」
「今までそんな呼び方しなかったですわよね?」
だが、絶体絶命かと思われたとき、もう一人の決闘者が現れたのである。
「何者っ?!」
どこか闇っぽい雰囲気を漂わせながら現れた女性決闘者は恭しく礼をしながら語り掛ける。
「わたくしはシルヴァーナ、メタデッキマイスターとも呼ばれているとかいないとかですので、お見知り置きを」
闇裕美……もといシルヴァーナ。それは怪しげな道具に封印されていと、と、いうわけではないが、中村・裕美のもう一つの姿である。
「乱入ダメージを厭わずに乗り込んでくるですって!?」
周囲に展開されていた決闘結界を突き破って現れた事で無傷ではなかったものの、介入するポイントはここしかなかった。
それに、多少のダメージなど気にするまでもなかった。
「貴女はここで終わりですもの」
その言葉は油断でも慢心でもなく、自信に満ち溢れたものだった。
メタデッキ。
それは特定の相手を想定したある意味での専用デッキである。
カードゲームの大会などでは流行のデッキというのが存在し、下手をすると大会参加者の殆どがそのデッキを使っている、などという事が度々起こる。
そんな時に輝くのが、その流行相手を狙ったタイプのメタデッキであり、強力な流行相手にどう対抗していくかという決闘者のデッキ構築の腕が試されるデッキでもある。
今回の場合はダークデザイア専用のメタデッキ。
シルヴァーナは今までの戦いを観察した上で、倒してきた妖怪から奪った……もとい拾った……いややっぱり快く預けられたカードにより、そのデッキを完成させていたのだ。
もっとも、この状況であれば、使用する必要なカードは後2枚だけでよかった。
「さぁ、『ドラゴンエナジー・アブソリュートゼロ』そのカードの効果を解除ですわ」
「なっ!? ……し、しかし、先程の白き究極の龍の攻撃は無効化されています。どのみちこれでそちらのターンはおしまい。場に何もない以上、次のターン、直接攻撃を叩き込んでしまえばおしまいです」
「何を勘違いしていますの?」
「ひょえ?」
「俺たちのターンはまだ終了していないぜ!」
ダークデザイアが振り返ると、そこには再び闘志をみなぎらせる究極龍の姿があった。
「モンスターを墓地から山札の1番上に戻し、行きますわ! バーサーカードラゴン!」
「ば、ばーさーかー、どらごん?」
ダークデザイアは衝撃のあまり声が震えていたが、だからといって手を緩めはしない。
「あのカードはドラゴン系ユニットのみに、再攻撃させることが出来る! そして先ほども言ったように、究極の龍は三回攻撃可能!」
「や、やめっ」
「その身に刻め! 超究極爆裂!」
「ぐ、ぐわあああああああああああ!?」
再び激しい爆発と閃光に見舞われるダークデザイア。今度の攻撃は、間違いなく直撃であった。
だがシルヴァーナも穹も、たった一撃……三回攻撃だが……で終わらせるような生やさしい決闘者ではなかった。
「もう一度、モンスターを墓地から山札の1番上に戻し、再度効果発動!」
「超究極爆裂!」
「ぴぎゃあああああああああああああああ!?」
「念には念を入れて、モンスターを墓地から山札の1番上に戻し、再度効果発動!」
「超究極爆裂!」
「あ……あが……が……ぷひゅぅ……」
「よし、駄目押しにもう一度行くぞ」
「いえ……もう止めておきましょう。もうダークデザイアの決闘者力はゼロよ」
巨大なクレーターに、うつ伏せのようなポーズで沈黙しているダークデザイアを見下ろし、決闘者たちは戦いの終わりを悟る。
こうして、世界を巻き込んだカードゲームの戦いは、終止符を打たれたのだ。
と、されている。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
さて、さっきはなんだか事故った気がするけど、文字化けしてたしきっと気の所為ね。今度こそ合体デッキでイくわよ♡
ダークホームグラウンドをアリスフレンズで“なかよし”しないと出られない領域に変換♪妖怪さんの得意分野を“なかよし”にしちゃうわ♡
妖怪さんとダークデザイアが“なかよし”合体してるとこに頭セカンドカラーカードで混ざげふんダイレクトアタックよ♪
ではでは、心通わせて“なかよし”になりましょ♡
●ザ・アリス
「さて、さっきはなんだか事故った気がするけど、文字化けしてたし……きっと気の所為ね……あら?」
気が付いたらクライマックスシーンが終わってしまっていた。
その状況にアリスは首を傾げる。
文字化けの影響から抜け出すのに思わぬ時間を要したのか、それとも何かしらのバグだったのか。
だが、悩む最中といえど彼女がそれを見逃すことはなかった。
「どこへいこうというのかしら?」
「ひっ、しまっ!?」
ボロボロになった状態となり風景に溶け込みながら撤退しようとしていたダークデザイア。
地形に溶け込む系妖怪の力を借りていたのか、その擬態は見事だったが、アリスの色々アレなセンサーからは逃れられない。
「さぁ、そんなところでいないでお立ちなさい? 今度こそ合体デッキでイくわよ♡」
「い、いや、もう私は……」
「あら、そんなこと言って寂しいじゃない、もっと仲良くしましょう♪」
愉しげなアリスの声があたりに響き、風景が描き変わる。
「なっ、ここは?」
ダークデザイアは密かに逃走用に利用するためにと髪の毛を忍ばせておいた罠フィールドが、丸ごと書き換えられる事態に困惑する。
「特別な場所よ、でも難しいことはないわ、私となかよしになったら問題なく出ていけるもの」
「なか……よし……!?」
理解し難い。
そんな様子がありありと見える、アリスを見つめる瞳。
「難しく考えなくていいの。あなた、いつも仲良く妖怪さんたちと合体してるでしょ?」
「え、いや、え?」
「だから……私もそこに混ぜてもらえれば、きっと仲良くなれると思わない?」
ダークデザイアは悟った。
この猟兵と合体したら、終わるのだ、と。
「ユ、ユニット特殊召喚! 鷹妖怪、虎妖怪、飛蝗妖怪を墓地から呼び出して合……」
「あら、鷹さんはさっきも出て疲れちゃってるようねぇ?」
「なっ、すり替わり!?」
ダークデザイアが合体しようとしていたカード、そのうちの一枚。
それがいつのまにか入れ替わっていたのである。
「セカンドカラー、カード……くっ、効果は途中では中断できな……!?」
カードが変わっていたことに気が付かなかった事態に、そして敵が自ら自分と合体しようとしていた事態に、信じられないといった表情を浮かべる。
「ではでは、心通わせて“なかよし”になりましょ♡」
「あ、あたまに、何かが、入って……い、いやあああああああああ!?」
何処かもわからぬ空間に悲鳴が響き渡った。
大成功
🔵🔵🔵
十八女・五郎八
カ、カードゲームならなんとかなりそうです。
デッキは……スターターパックしか入手出来ませんでしたがこれだけアレば十分に闘えますね。
UDC『いや、ちょっとまちなさいよあんた。流石に無謀だから』
デュエル!
UDC人格『ああああー!なにさきばしってんのよあんたー!』
UDC人格&ダークデザイア『『ちょっとおかしいでしょあんた!』』
え?え?なにがですか?不正はやってませんよ、すべて理論上は可能なコンボです。
U『そこが一番おかしいっていってんのよ。机上の空論を平然とこなしてんじゃないわよ!』
そんなこと言われましても実際できてますし……あ、それトラップカードで反射です。
ダ『ああああー!もうヤダこいつ』
●RTAというよりもTAS的な何か
「カ、カードゲームならなんとかなりそうです」
十八女・五郎八(f30812)が戦場に降り立つと、今回の決闘対象のはずの相手が何やら様子がおかしかった。
「かーど……ありす……わたしは、ありす? ありすはなかよし、なかよしは、決闘……?」
何かをうわごとのようにつぶやき、心なしか姿もどこかおかしい。
そう、見覚えのある猟兵決闘者と近しい……いや、混ざっているような気配を感じる。
「なんだかおかしな感じですが……あの相手だったら行けそうです。デッキは……スターターパックしか入手出来ませんでしたがこれだけアレば十分に闘えますね」
最近のスターターパックは割と必要なカードがそろっており決して弱いわけではない。
が、ガチ勢からしたら調整する必要があるものなのは間違いない。例えばスターターパックを2つ買って必要なカードの枚数をそろえるだけでもかなり変わる。
それもできていない状態である五郎八のデッキの現状は、拾ったカードで組んだデッキと比べても見劣りする可能性があるレベルだった。
『いや、ちょっとまちなさいよあんた。相手が不調っぽいからって、流石に無謀だから』
さすがに別人格からもツッコミが入ろうものである。
「決闘……やろう、なかよし、なかよし、いしょに、なかよし、なろう?」
だが、そんな状況に突っ込むこともなく対戦相手……ダークデザイア
「では、決闘開始です!」
『ああああー! なにさきばしってんのよあんたー!』
こうして突発的に始まった最終決闘。
しかし、いろいろとボロボロになっているとはいえダークデザイアも決闘者。
しかも、この異常事態を引き起こした張本人である。
そうやすやすと負けるはずが……。
『ちょっとおかしいでしょあんた!』
机上の空論。
理論上ならば可能だけどそんなことはまず起こりえない、という事は多々ある。
それを可能な限り実現させて人の手で可能な限りの最善最速を目指すのがRTA、リアルタイムアタックという分野である。
しかし、それを起こりうる偶然(乱数)すらも全て制御した上での理論上の最善最速を目指すのがTAS、ツールアシステッドスーパープレイと呼ばれる世界である。
何が言いたいかと言うと、五郎八が起こしている事象、と言うのはまさにTAS的な何かであった。
「チート……積み込み? よくない、そんなの認めない」
「え? え? なにがですか? 不正はやってませんよ、すべて理論上は可能なコンボです」
『そこが一番おかしいっていってんのよ。机上の空論を平然とこなしてんじゃないわよ!』
「そんなこと言われましても実際できてますし……あ、それトラップカードで反射です」
そして、不正チーター許すまじと渾身の力で放たれた一撃が跳ね返された時、その戦いは、終わった。
「スターターに……私の魂が……」
最後に残っていた決闘者としての誇り。
それが粉々に砕かれたことにより、わずかに残っていたダークデザイアは完全に敗北し、海へと帰ったのだ。
「こんな決闘じゃ……なかよし、なれない……」
最後にそう呟いたのは、合体を繰り返したことで形だけが残った何者でもない何か。それは、まるで最初からそこにいなかったかのように姿を消した。
……後日流れた噂によれば、どこかのさびれた町で用心棒のまねごとをして生活する、とある猟兵の面影を持った合体妖怪の姿を見かけた者がいるそうだが、その真相は定かではない。
大成功
🔵🔵🔵