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漢のロマン 覗き編

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 覗き。“其れ”は己の姿を潜め、絶景の美を崩さずに背景に溶け込む行為。
 覗き。“其れ”は己の本能のままに、甘美たる夢を瞳で捕捉する行為。
 覗き。“其れ”は己の満たされる欲望を、網膜に焼き付ける行為。
 “其れ”は背徳的行為であるか。否、断じて否!!!
 欲望とは、常に倒錯たるものである。故に正義!
 故に我らは“其れ”を、こう呼ぶ!
 ――漢のロマンと。いざ、湯ートピア!!!
 その日、絹を裂くような悲鳴が木霊した。


「きれいなネーェチャンの湯浴みシーンなんざ、覗かない方が失礼だよなァ?」
 老け面のグリモア猟兵、エディケ・カッツァー(クズ底の小銭拾い・f12399)が集まった猟兵たちの前で、ふっとそんな事を口にした。それはもう、とてもいい笑顔で。
 ある猟兵は、心の中で強く頷いたかもしれない。
 ある猟兵は、軽蔑の眼差しを向けたかもしれない。
 ある猟兵は、理解できずに首をかしげたかもしれない。
 それはさて置き、予知のあらましだ。

 舞台は彼の出身世界、ダークセイヴァーのとある村落。
 既にヴァンパイアから解放されたというその村で、ある事件が起きているという。
「覗きだ。……待ァって、武器下ろして、武器!?」
  グリモアベースに運び込んだくつろぎセットの机の上で指を組み、肘をつきながら真顔で一言口にしたエディケ。同時に誰かの武器が突きつけられ、両手を上げている。
 ……温水が湧き流れる有名なスポットがあり、陽が差す場所も限られるこの世界、特に厳寒である今の季節にはもってこいな湯浴みの場所となっているらしい。

 村の面々で決められた、時間ごとに男女を入れ替えての利用がなされている湯浴み場。
 文明レベルもそう然したるものではない世界では、大変貴重な存在だ。
 少数ではあったが、女性の入浴時間に潜む男たちも居たらしい。
「で、その湯浴み場よ。覗きエンジョイしていた連中の数が異常ーォな上に、目の色がやべェ。いや、興奮だけでなく。ありゃーァ何度か目にしたが、洗脳の類で違い無ェ」
 先と違い、真面目に話し始める男。
 どうやら彼らには目当ての女性が居り、それを目的に湯浴み場に来ているらしい。
 とりあえず、彼らを湯浴み場近くから引き剥がす事が、最初の仕事になりそうだ。
 まだ洗脳状態は軽度であり、言葉なり平手なり、何かしらの衝撃で解除できる。
「ま、なんだ。下らない仕事かもしれねーェがよ、一つ頼むぜ猟兵さンら」
 漢のロマンを穢す何かを、ぶっ飛ばしてやってくれ。
 そう言いながら、エディケは一行を転送していった。


液体猫
 液体猫です。押忍。勢い重点。
 プレイングの具体性と勢いがよければよいほどカッ飛びます。
 サムネでオチてますが、ノリはコメディです。

 1~3章通して一方通行で、戦闘には特に引っ掛けもありません。
 ギミックだのモブ覗きだのは気にせず、暴れ回って下さい。

 先ずは女湯の時間帯に集い始める野郎連中をふん縛って、情報を得て下さい。
 戦闘力はありません。正気に戻す手段はお任せします。

 英雄的なムーブよりは日常コメディな動きをイメージして下さい。
 皆様のキャラを預かる上で、妥当感が否めなくなる場合があります。
 アドリブ歓迎 の一言を添えて頂ければ、加速させていただきます。
 ※エロスにはそんな傾かないと想われます。ご注意。
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第1章 冒険 『ストーカー問題を解決せよ』

POW   :    ストーカーを力づくで追い払う。

SPD   :    ストーカーを説得する。

WIZ   :    適切な相手に相談する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの活躍により解放された村の一つである、『リアロマネ』は山岳に面していた。
 この季節は、遠方からでも森から立ち昇る湯気が、よく見える。
 将来的に村人たちは、温水湧き出る『癒溜まりの恵み』と名付けられた源泉より水路を引き、村興しの一環にしたいと、同じように解放された民たちの癒しにしたいと夢見る。

 森は一時期、ヴァンパイアの“飼い犬”が跋扈する魔の森だったが、今では平穏だ。
 この世界にしては比較的日の差す森では小鳥が囀り、小動物は恵みを得……。 
 がさり。
 不意に響く、茂みを掻き分けるような音。
 動物ではない。然しながら、その慎重さは、さながら獲物を狙う獣の如く。
 狙うものは獣にあらず、この森の恵み。果実であり、果実ではないのだろうか。
 彼らは人間の漢たちだ。その行先は、女性入浴時間の、癒溜まりの恵み。
 漢たちは今日、ロマンを食い荒らさんと……森と一体となり、歩を進めていた。
 ロマンに歳は関係無く。老若男女、全てが等しく。
 何かもう色々と犠牲にしながら進み続けている。カーチャンの雷とか。
・戦の始まり

 ダークセイヴァーの野郎どもの朝は早い。
 世界柄、未だ暗い中で灯りを手にし、仕事に取り掛かる者もいる。
 闇間から差し込む僅かな陽光を受け取り、感謝してから一日を始める者が大半だ。
 が、今日この日……一部の男たちは、各々の“其れ”を適えるべく、歩を進める!
「来るべき日が来た!」「いざ往かん……」「湯ートピア!!!」
 一同の小さく、されど堂々とした声。
 彼らは拳を突き合わせ、結束を固めた。
ルリ・アイカワ
POWにて対応

自身の思考ルーチンのエラーチェックをしておこう
勿論、異常無しでチェックその物も異常なしのオールグリーン
だが、受けた以上はこなして行こう

周辺に張り紙をし、警告をしておこう
『警備強化中、接近する者に命の保証はしない』
自身の首からも同じ物をぶら下げておこうか
後は、銃器には非殺傷弾を装填しておけばいいかな
通常弾も携行し危険と判断したら切り替えていく
出来ない兵装に関しては【援護射撃2】を適用し、わざと当てないようにすれば大丈夫だろう
後はセンサー全開で目立つ所で警備をしていよう

「・・・特殊な性癖な奴に襲われる場合は・・・・どうするかな」
配置についてから自身が女性型である心配をし始める


トリガー・シックス
【SPD】
「……洗脳されているのが気がかりだな」
説得(物理)で正気に戻すしかないだろう。覗きは放っておくとして。
【地形の利用】で木々や木の葉を利用して、隠れて奇襲するのがいいだろう。
『幽幻なる狩人』を呼び出して【物を隠す】で地面に木の葉で隠して俺は木の上に移動。
確認できたら『拳銃型フックショット』を使い、【空中戦】でふくろうのように奇襲。
アサシンの霊にも襲わせる(勢いあまって押し倒す)。
平手打ちをかまして【情報収集】を行う。

ちなみに、のちに暗殺者の亡霊やら蝙蝠男が出るとか、そんな噂が出たとか出なかったとか

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK



・野郎と兵器と蝙蝠男

 癒溜まりの恵みを中心とした森は、その特異性から何らかの恩恵を受けているのか、この世界にしては比較的自然豊かであり、人が身を潜められる程度には緑も深い。
 さて現在、男たちはというと……。

「ギャァアアアアッ!!?」
「いでっ、ちょっ、やめっ! アハン!」
 ケツを銃で撃たれていた。それも連射で。
 無論、この世界の銃器によるものではない。あったとしてもマスケット銃である。
 彼らを一帯から追い出すように、非殺傷弾による射撃を繰り返していたのは、それらを異世界から持ち込んだ彼女によるものだ。
「NOZOKI5体の撤退を確認。――ターゲット追加。9時方角。武装無し……」
 彼女、ルリ・アイカワ(ウォーマシンのバーバリアン・f05097)の思考回路はアラートを起こすほどのエラーは生じさせずとも、幾度も再確認の為のループを起こしていた。
 幸いにも一度目のエラーチェックを行った際に危惧していた、彼らの変態性。
 それらは全て“覗き行為”に帰結するが為に、彼女自身に害が向けられる事はなく。
(「あらゆる生命体は、自身の命を最優先に行動する筈」)
 命の保証はしないとまで書かれた張り紙を目立つよう、湯浴み場を中心とした要所に貼り付けていた。それにも拘わらず、彼らは進み続けている。
 或いは潜み、或いは這い、或いはルリの『クイックファイヤシステムType-C』の特性から逃げるように、彼女が背を向けたタイミングで駆ける者も居た。
 そんな甘い考えは銃火器による一撃で、眼前の木を圧し折られる事により失われたが。
「クソッ、なんだってんだあのデカいのは。ヴァンパイアよりやべェ!」
「『ランジーちゃん』が待ってるってぇのに……。でもあのラインは有ぶべっ!?」
 “ランジー”という名を、何度か聴覚機関で拾っていたルリ。
 誰もがその名を掲げながら、癒溜まりの恵みへと向かっている様子だ。

 ……時には“其れ”の為に、仲間を見捨てることも辞さない男たちもいた。
「へ、へへっ。あんなの相手にできるかよ!」
「もうあんま時間も無いっす。早く――」
 不意に聞こえた、落ち葉の上を引き摺るような音。隣に居たはずの同士の姿が無い。
 化物は根絶され、この森は安全となった。それなのに。
「か、帰ってきたんす、か? くっ、来るな化物!?」
 次の瞬間、狼狽えながら辺りを見回す男の視界が、宙に浮かされ、地に落ちる。
 直前に見た光景は、木の枝にぶら下がっていた、蝙蝠男の影。とんだB級映画だ。

「……化物とは心外だな。どれ」
 男を襲った蝙蝠男、もといトリガー・シックス(実験部隊の生き残り・f13153)は溜息交じりに、地に伏せた男の顔を見る。
 瞳孔がいやに開き、焦点が若干揺らいでいる。恐怖体験の所為ではない筈だ。多分。
 にやけヅラのグリモア猟兵の言葉通り頬を叩いてやれば、直ぐに瞳の色が正常に戻る。
「う、ううん? あんたは……ひえっ、蝙蝠男!?」
「蝙蝠男でもない。さて、少し聞かせてもらうが――」
 トリガーが否定しながら男に二問三問と問えば、男も徐々に冷静になる。
 隣を見れば、先程姿を消した同士、もとい仕事仲間も泡を吹きながら倒れていた。
 トリガーの召喚物である暗殺者の霊に引き摺り込まれ、気絶したらしい。
 後日、そんな霊が出たとか噂が流れるが、さて置いて、男曰く。
「はぴはぴらばーずでぃざいあたいむ」
「はっぴぃはっぴぃ☆ラヴァーズディザイアタイムっす」
 棒読みのトリガー。ずいと顔を前に、男が再度口にした。
 ある日の事、誰も湯浴み場を使わない深夜に、彼らは偶然集ったという。
 ……が、そこからは彼らもうろ覚えだ。
 ランジーという女性?少女?少なくとも女が居り、彼女に導かれた。
 欲望の解放だとか、満たされたらその時間に集えだとか、断片的に覚えている。
 どうやら洗脳が解けた影響で、記憶が薄れている様子だ。
「深夜帯か、分かった。情報提供、感謝する」
 トリガーは再び警護に戻る。気絶した男は、仕事仲間が運んでいくそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネーヤ・ティオモ
温泉は癒しを求める人、病める人、明日を生きる人の拠り所
人々が心置きなく湯浴みをするためにも…不埒な皆様には正気に戻っていただきます―!

と、息巻いてた所、召喚した謎の超聖人さんにアイデアがあるとの事でして…
「覗きをしようとしている者達の視線の前に召喚で出現し
徐々に近づきながら彫刻と表現することすらおこがましい、完成された肉体を目に焼き付けることで彼らの邪な心を粉砕、浄化する」
とか
「目を離したら天に召されると思われるような威あt…幻想的な空気で視線を釘付けにする」
との事です。…上手くいくのでしょうか。
もし浄化(?)に成功しましたら、ことのあらましを問いただしてみます。



・怪奇!森の聖人

 温泉は癒しを求める人、病める人、明日を生きる人の拠り所。
 穏やかに湯浴みの時を過ごす人々の為にも、不埒な者たちを何とかしなければ。
 両の拳を握り締め、気合を入れるネーヤ・ティオモ(ころんだ先の杖・f13967)。
「正気に戻っていただきますー! ……え、謎の超聖人さん? 良案が?」
 彼、彼女、ともあれ超聖人だ。超聖人さんなのだ。ネーヤの召喚物である。
 ネーヤ自身にも超聖人さんの正体は分からない。だが、彼女を助けてくれる存在だ。
 良案なのか妙案なのか、ともかく策があるらしい。

「お、おいっ。まだかよ!」
「へへへ……まぁ待てって。行商人から仕入れたこの遠眼鏡がありゃぁ……!?」
 警備を潜り抜け、癒溜まりの恵みを拝める位置に辿り着いた、二人の男。
 一人が念入りにレンズを布で磨き、湯気が上がる湯ートピアを覗き見る。
 だが、筒の中に映っていたのは……女体の彫像? 否、違う。
 何かに例える事すら出来ない、“彫刻以上に整った理想体”だ。
 遠眼鏡を下ろす男。眼前には何時の間に近付いていたのか、其の姿。
「は、はあああああ……!」
「うおおぉぉぉ……!」
 顔を逸らそうにも、大気に頬を掴まれたかのように動かすことができない。
 遥か遠くの湯浴み場よりも眩しい姿。後光まで出てきた。
 一瞬で洗脳が消し飛び、一周回って別の何かを叩き込まれた二人。
 これはこれで危うい気はするが、ともあれ正気に戻ったはずだ。
「この人たち、大丈夫です? 超聖人さん? ……超聖人さんー!?」
 ネーヤの言葉をスルーし、口笛混じりに明後日の方を見る超聖人さん。
 男二人は両手を組み、其の姿の前に跪いていた。何かぶつぶつ言ってる。
 彼らが元通りになるまで多少の時間を要したのは、さておき。
 “黒いベビードール姿の少女”の言葉に、不思議と同調してしまったという。
 時、場所、それらが違えど彼らは一体感を得て、今日日の行動に至ったそうだ。
 未だに少し影響の残る二人を連れ、ネーヤは一時村に戻ることにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。予知で覗きの現場を見たという事は…。
実は自分もちゃっかり女性の裸をエンジョイしていた…?
…まぁ、猟兵なら裸の一つや二つ、見慣れているだろうし、
今さら目くじらを立てる程の事でも無いか…。

それより、この依頼が終わったら私も温泉に入りたい。
この世界で吸血鬼に奪われていない温泉なんて貴重だし、
自分の故郷にも良い処があるんだってわかると嬉しい…。

【限定解放・血の教義】を発動
一瞬だけ吸血鬼化した生命力を吸収して魔力を溜め、
精神に作用する“毒”属性の“電波”を放射し洗脳返しを行い正気に戻す
…万が一、出力調整を間違えて頭が爆発したら事なので、
調整は慎重に、慎重に………ん。間違ったかな?

※アドリブ大歓迎



・毒電波

 ――転送少し前の話。
「漢のロマンを穢す何かを、ぶっ飛ばしてやってくれ!」
 強制的に引き出された欲望なんざ、獣と変わらない。とかフケ顔が言っている。
 次々に転送されてゆく猟兵たちの中、最後の一人になったリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)がフケ顔の話を想い返しながら、ふっと思う。
 予知に映った光景で、女性の裸をエンジョイしていた……?
 見たのだろうか、と視線を向けるリーヴァルディ。
 察したフケ顔は目を瞑り、つう、と涙を流し、誰に言うわけでもなく独り言を口にする。
「――ネーェチャンの裸は湯気で見えねェわ、野郎共の汚ェ笑顔が――」
「あ、そういうのいいから、転送お願いね?」
「ハイ!」

 閑話休題。
 リーヴァルディは現在、他猟兵と連携して位置取りをし、潜んでいた。
 その甲斐あってか4,5人の男たちの姿を捉える事ができ、十分に対応もできる。
「さて……洗脳ということは、精神作用よね。……限定解放」
 ユーベルコードの発動。瞬間的に生じさせた吸血鬼のオドを取り込み、魔力を蓄積。
 精神作用の毒属性を、洗脳を打ち消すよう波状に調整。
「後は広げるだけ……慎重に、慎重に。……あれ、洗脳の深度はどの程度――」
 こんなものだろうかと、ぐいっと毒電波を広げる。次の瞬間。
「「「「「Ahhhhhhhhh!!!?」」」」」
 断末魔。いや、死んではいない。どささと倒れる音が聞こえる。
 どうやら少し強過ぎたようだ。う~ん、しっぱいしっぱい。

「ん。……間違ったかな?」
 以前試した事もあるのか、頭爆発といった事故の危険性は知っていた。
 倒れた男たちの瞳を確認したところ、洗脳は一応解けている様子。
 化学も魔法も、失敗を重ねて進化するものだと思う事にしよう。
「問題無いみたいだし……誰か呼んで、運んでもらおう」
 依頼を終えたら、私も温泉に入りたいなと、心中でぼやくリーヴァルディ。
 彼女の中のダークセイヴァーは、未だに圧政が敷かれたヴァンパイアの世界。
 少しずつ猟兵たちの手で解放されつつはあるもの、平和は程遠い。
 それでも、自身の故郷で平穏を感じ取れればよいと考える。
 びくんびくんと跳ねる男たちを見ながら、彼女は一度、猟兵たちと合流する事にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最上・空
覗き退治に美幼女が颯爽と登場です!

空は洗脳されていない村の男性陣に協力を求め、女性の入浴時間に代わりに入浴して貰い、男性の入浴を覗かせる事によって、精神的な衝撃で洗脳を解除出来ないか試してみますよ!

効果が薄い場合、男性の入浴に興味があったのですか? 同性専門の覗き魔ですか? 男色家なのですか?とか追い打ちしますよ。

正気に戻った後は、【サモニング・ガイスト】を召喚し、逃げたらお仕置きしますよっと脅して、いつ誰にどうやって洗脳されたのかとか、目当ての女性が誰なのか尋問ですね!

「男性専門の覗き魔とは上級の変態ですね」
「逃げたら大変な事になるので、大人しくして下さいね?」

※アドリブ&まとめご自由に



・さぁびすしぃん

 葉や土に塗れ、満身創痍の男たちは顔を見合わせる。
 銃撃を受けようと洗脳が解けていない辺り、かなり進行しているようだ。
 リーダー格と想われる男の、衣服のケツの辺りが大分と破けている。悲惨だ。
「……残ったヤツは?」
「あまり、いない。……くっ、一目も見れずに」
「何、一人でも同士を増やせればいい。それが彼女の“望み”だ」
 終わってたまるか。終われるか。散って行った、同士の為にも。
 頷き合う男たち。ロマンはもう、目前だ。
 匍匐前進を続ける男たち。
 時間は、ばっちりだ。闇間が出来るタイミング。湯浴み場を照らす陽光。
 茂みに潜み、洗脳の深度を深まらせながら、彼らは見た。
 辺りに満ちる湯気の間に、艶やかな肌色を。
 彼らは握り拳を硬く作り、声無く喜んだ。
 彼らの後を押すように、風が吹き、湯気を払ってゆく。
 嗚呼、散々な目に遭った。だが、これで、ようやく“彼女”の元へ――。

「今ですっ、みなさん!!!」
「「「ソイヤァァ! ハァ!! セイヤッサァ!!!」」」
 少女の掛け声と共に湯浴み場から立ち上がったのは、ガタイのいいアニキたち。
 彼らが半裸で神輿らしき物を担ぐ姿が、其処にはあった。
 担ぎ物は近日行われる祭りで使うモノだ。男たちにも見覚えはある。
 その上に少女は着地し、身に付けた『美幼女』と書かれた腕章を見せ付けながら。
「覗き退治に美幼女が颯爽と、登場、です!」
「―――……」
「男性専門の覗き魔とは……上級、いいえ、超ド級の変態ですね!」
 ある男は白目を剥いて力尽き、ある男は正気を失い木に頭を叩き付け始める。
 少女、最上・空(美幼女・f11851)は、そんな彼らに追撃の言葉を浴びせ続ける。
「同性専門の覗き魔ですか? それとも男色家なのですか?」
 一言が刺さる度に、誰かが崩れ落ちた。
 どうやら打ち合わせて、男女の湯浴み時間を入れ替えてもらったらしい。
 その上で精神的な衝撃を与えるべく、村の筋肉自慢たちを掻き集めた、結果。
 こう、大参事である。リーダー格の男だけが何とか意識を保っていた。
 空が担ぎ物から飛び降り、彼の前に着地する。

「なぜ、このようなことをしたんですか?」
 死屍累々の中、空が問えば、リーダーは語り始める。
「……彼女、ランジーが――」
 ある時は活発な少女。ある時は妖艶な美女。
 ランジーと名乗る女性は、様々な姿で現れ、欲望を解放するように唆すのだ。
 彼女の言葉は否応なしに浸透し、彼らの欲望は自然と“覗き行為”に帰結させられる。
「そうして男を集めて、何をしようとしたのかはわからないが……」
 その行為に、“男のロマン”を感じてしまった彼は、特に入れ込んでいた。
 彼女の目的に、同士を集める事に、盲目的に従っていたという。
 ランジーに接触を図るならば、夜中の、闇を月光が裂く時間に。
 リーダーはそう言い残し、後には茫然自失とした、魂の抜け殻が残った。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『水浴びの乙女(?)を確認せよ』

POW   :    堂々と覗く

SPD   :    隠れつつ覗く

WIZ   :    遠巻きから覗く

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――夜闇が更に重なる、ダークセイヴァーの深夜。
 猟兵一行は互いの情報を擦り合わせ、明かりが無くては足元はおろか、目の前の木々の輪郭を把握する事すらできない夜の森を、元リーダーの案内で進んでいた。
 村人たちも、この時間帯の湯浴みのために、森に訪れる者は稀だ。
 ヴァンパイアたちの脅威から解き放たれたとはいえ、この闇夜は恐ろしい。
 ……それでも男たちが訪れていたのは、導かれたのか、偶然だったのか。

 一行が癒溜まりの恵み周辺に辿り着くのと、夜空が裂けたのは、ほぼ同時であった。
 闇の切れ目から月光が降り注ぎ、一帯をぼんやりと照らし始める。
 湯浴み場の傍、木の枝に無造作に吊るされた、黒のベビードール。
 そこでは一人の幼い容姿の少女が、静かに湯に浸かっていた。
 彼女が“ランジー”なのだろうか。
 元リーダーが言うには、自分が見たのとは違うという。
 少なくとも、皆接触して害意は感じ取れなかったそうだが……。
 だが、猟兵たちは彼女から、オブリビオン対峙した時のような嫌な気配を感じていた。
 様子を見るか、接触を図るか。油断だけはしない方がよいだろう。
ネーヤ・ティオモ
予想以上に覗き犯の方たちがひどいことになったです…(沈痛な面持ちで十字を切る)

ですが…あそこまで皆様を駆り立てた「ランジー」さん…一体何者なのでしょう?
美人さんだからみんな集まった、という訳ではなさそうです。それにこの気配…とても嫌な予感がします。
ここは「神が与えた猶予」を使って姿を消し、近めの距離から様子を観察します!


……
…消えてるだけでも疲れるのでした…。それになんか…覗き犯になったような気分になります…
…消えながらなら温泉に入ってもいいですよね?
お湯で疲れが取れればユーベルコードの使用時間もながくなりそうですし…!

えっ、おおお湯に浸かったからって、油断なんてしませんからね!?



・効能:疲労回復他

 先ほど、洗脳された覗きたちの奇行を、既の所で超聖人パワーによる解決を図ったネーヤ・ティオモ(ころんだ先の杖・f13967)は、ふと惨状を思い出す。
 洗脳は解けた筈だが、すっきりを通り越して賢者のような達観した顔をしていた。
 それまでは聖人パワーであっぱらぱーになっていた気がする。
(「予想以上にひどいことになってたです……」)
 ネーヤは静かに十字を切る。悪いのはきっと、眼の前の彼女だ。

 ランジーと呼ばれた少女は、この劣悪な環境が多いダークセイヴァーにしては、健康的な体付きをしているように見えた。それだけでは判断できないけれど。
  『神が与えた猶予(カミガアタエタユウヨ)』にて透明化を維持しながら、ネーヤは少女が行動を起こさないか、見張り続ける。
 ――湯浴み場の温水に浸かりながら。
 いや、決して浸かりたいだけではない。覗き犯のような気分になるのが嫌なだけだ。
 温泉なんかに負けない。油断なんて決してしない。
(「あ、でもあったかい……。体の芯まで届く、いい温度です……」)
 温泉には勝てなかった。
 少女にも気付かれていないし、動きがあるまで浸かっていよう。
 自分への言い訳にしていた、疲労回復効果による能力の維持にも良いし。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…黒のベビードール…ランジー…よくぼうのかいほう…
…何でだろう。猛烈に嫌な予感がしてきた
ランジー…よね?“ニ”が付いたりしない…よね?

…ん。私は自分の第六感を信じる
温泉に浸かっているのは幼い少女…らしいけど
私は騙されない。男達にも注意はしない…
それよりも、あのベビードールを注視してみる…

サイズとか、布地が引っ張られてないかとか、どこか傷んでないかとか…
暗視を頼りに目立たない違和感を見逃さないように注意して、
【吸血鬼狩りの業】の知識から該当する吸血鬼の体格を思い出してみる

…後、防具を改造して存在感を消す呪詛を付与しておく
私の予想通りなら、絶対に見つかってはいけない相手だから…あれ

※アドリブ歓迎


ルリ・アイカワ
POWにて覗く

戦場において情報は武器でもある
偵察によって情報を手に入れる事が出来るが、残念な事に戦闘を主軸に作られたうちには難題となる
となれば、威力偵察が良かろう

銃声を1発鳴らし、湯浴み場を見る
その後声を掛け「変質者がいたので、連行しておきます」と言って立ち去ろう
数秒の出来事、場合によっては数瞬という所か
後は数秒しかない映像を身体的特徴などで解析すればおのずと正体も解るだろう


最上・空
月光と共に美幼女が夜闇を切り裂きに来ましたよ!

空の美幼女的なカンが、近づくのは危険と警鐘を鳴らしています! コレはアレですよね? ミミックとかチョウチンアンコウみたいに、迂闊に近付くと正体を現す系の匂いがプンプンです!

オマケに洗脳能力もあるらしいので、距離を取り安全な距離から【影の追跡者の召喚】をコッソリと接近させ対象を観察ですね。最近このUCも使って無かったので丁度良い感じです。ちなみに、危険を感じたらUCは解除します。

後、様々な姿に変身変態可能らしいので、予め覚悟しておき、どんな本性を曝け出そうと動揺しないようにしますよ!

※アドリブ&まとめご自由に



・地獄再来?

 黒のベビードール。ランジーの名。欲望の解放。
(「……何でだろう。猛烈に嫌な予感がしてきた」)
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)の忘れたい記憶が、薄らと蘇り始める。あの地獄はたしか、村全体に蔓延していただろうか。
 今回は違うと信じたい。首を振って状況確認に移行する、リーヴァルディ。
 少女の姿自体は恐らく、仮初めの姿だと『吸血鬼狩りの業(カーライル)』が告げる。
 アレは幾度となく蘇る。アレは吸血鬼以上に厄介な、配下を作り上げる。
 不意に吊るされたベビードールが風ではためき、赤の裏地を覗かせた。
 ……少し、肩紐が伸びている気がする。
 生地も伸びているような。サイズの合わない物を、無理矢理に着た後の様に。
 無表情であるリーヴァルディの顔が、若干引き攣った。

 その付近で伏せながら、何やら見守っている最上・空(美幼女・f11851)。
「ふふふ……。最近は影の追跡者さんも、御無沙汰でしたからね!」
 【影の追跡者(シャドウチェイサー)】。
 召喚者と五感を共有できる、極めて高度な隠密能力を持つ召喚物だ。
 が、久し振りの出番が敵性とはいえ、少女の観察とは、彼?の心境や如何に。
 近付く過程で、元リーダー以外の男衆を見掛けた気もする。
 洗脳は解けたものの、納得できないと付いてきた者だ。
(「ううん、頭がこう、ばがっ、と開く様子もないですね?」)
 そうとは本気で思わずとも、何かしらが化けていると信じている空。
 もうすこし、もうすこしと目前の茂みに音無く潜る、影の追跡者。
 ……其処には既に、覗きの村人が一匹。ほぼ丸見えである。
 いくらなんでも、彼女が気付かないのはおかしい。
 “わざと気付いていないフリをしている……?”

 考える空を余所にするように、パァンと、一度の銃声が森に響き渡った。
 空の影の追跡者の傍にいた男の身体が、ふっと宙に浮く。
 いや、浮かされたと言った方が正しい。
「変質者がいたので、連行しておきます」
 ルリ・アイカワ(ウォーマシンのバーバリアン・f05097)は、戦闘特化である自身の機能を理解した上で、威力偵察に踏み込んでいた。
 映像として確保した少女の身体特徴を解析すれば、情報が得られるだろうと。
 丁度よく覗きも居たため、避難させるという意味でも村人を確保した。
 ……瞳の色が、おかしい。先程鎮圧した男たちに近しかった。
 確定だ、彼女が何らかの害であると、ルリが男を離させる。
 ――それが良くも悪くも、皮切りとなった。

「あぁぁン゛モォォン、何よぬわぁにぃよぉぉおお!!! せぇっかくイイところまでイったのに゛ぃぃぃ、野暮ったい子はお・し・お・き、しちゃうわよぉん?」
 絹を引き裂くような、違う。革を捩じり裂くような悲鳴。
 何処から聞こえる? いや、もう分かり切っているだろう。
 穏やかな空気が流れていた湯浴み場を、湯飛沫と共に蒸気が包み込む。
 立ち上がった少女ランジーの輪郭が見る見るうちに、ルリほどもあろう背丈の、筋骨隆々の姿へと変貌してゆき、引き寄せた黒い何かを身に纏い始める。
 やがて蒸気が晴れてゆき、“ヤツ”は現れる。
「アチキ、参上♥」

 ――『変態的破滅招来体』ランジーリ。
 黒いベビードールをパッツンパツンに胸筋で伸ばし、無駄にひらひらと揺れる裾は大腿筋に張り付き、イヤでもその形を、数多の猟兵たちに知らしめた事であろう。
 一度平穏を取り戻した村の油断を突き、配下を増やそうとしていたのだろう。
 猟兵たちと幾度も戦いを交え、結果として控え目に行動していたと見られる。
 ルリの記録媒体にはとんでもない一連の流れが記録され、再戦となったリーヴァルディは無言のまま得物を手にヤツを虚ろな目で見て、影を介して間近でそのダイナマイトボディを拝む羽目となった空は悲鳴を上げた。
 洗脳が再度掛かる寸前でマトモに見た男衆は……そっとしてあげようか。
 兎も角、村がランジーリによって黒歴史を残す前に片付けてしまおう。
 戦闘開始だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『変態的破滅招来体』ランジーリ』

POW   :    本当の自分と向き合って!
【欲望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【対象の分身】から、高命中力の【本音】を飛ばす。
SPD   :    あなたの気持ち、わかるわ!
【まるで相手の心をわかっているかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    あなたの欲望を教えて?
質問と共に【視線を向けてウィンク】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ウルフシャ・オーゲツです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リーヴァルディ・カーライル
…ん。ランジーリ、またお前か…。
さっさと倒して次の依頼に向かおう…。

……温泉に入っていかないのか?
“あれ”が浸かった湯に入りたいと思う?

事前に防具を改造して自身の存在感を隠す呪詛を付与。
第六感を頼りに敵の追跡から逃れて気配を消し、
敵の行動を見切りながら攻撃の機会を伺う。

…炎の攻撃は止めておいた方が良い。
服が焼ける。大惨事になる。良い事が無い(体験談)

敵が隙を晒したら【限定解放。・血の聖槍】を発動
吸血鬼化した怪力を瞬発力に変えて敵に接近。
力を溜めた掌打で敵を掴んで生命力を吸収した後、
傷口を抉る血杭による2回攻撃を行う。

…私の欲望?お前を消す方法を知る事よ。

…温泉、入りたかったなぁ。

※アドリブ歓迎



・大参事再び

「ン困ったわねぇん。あとちょ~っぴりでカーニバルッ、だったのにぃん」
 自身の肉体美を披露したがために、半ば絶望の顔を浮かべている村人の男たち。
 この状態では、欲望の感情を与えようにも効果が薄まってしまう。
 しっぱいしっぱいと、拳でかわいらしく自身の頭を小突くランジーリ。
 腰を左右に揺らしながら、ぷりぷりと御立腹である。おぞましい。
「ねっ、アナタもそう思わなぁい?」
 視線を向けられる、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。
 一度、他の猟兵達と討った筈だが、彼女?は憶えていない様子だ。
「…“あんなの”、お祭りでも何でもない…。この世の、地獄」
 反してリーヴァルディは憶えていた。別個体なのかどうかは、さて置いてだ。
 眼前のアイツを視界に入れると、瞬きの度サブリミナル効果で挟まる地獄絵図。
 ちらつく下着とボンテージ。徹底して相容れない記憶に、頭痛が走る。

 すぅ、と大きく息を吸い、湯煙に紛れるように気配を薄れさせるリーヴァルディ。
 だが、腐ってもオブリビオン。ユーベルコードの発動の機会は逃さない。
「わざわざこぉんなところまで来たのよん、アナタにも何かあるハズっ」
 欲望の増幅。姿を隠せれど、言葉の波は防ぎ切れない。
 リーヴァルディの分身が現れ……。
「…私の欲望? お前を消す方法を、知る事よ」
「ンまァ!? ランジーリ、ショッキングぅ!」
 静かな言葉ながら、怒気を含んだ本音を口にする。
 両の頬に手を当てて打ち震える演技派ランジーリ。その隙を逃さない。
 『限定解放・血の聖槍(リミテッド・ヴラッドパイル)』による限定解放で、リーヴァルディの瞬間的なヴァンパイア化。触れる事すら勘弁願いたいところだが、掌打を叩き込み、ランジーリの生命力を奪い取る。
「…これなら、下手を打たない…」
 以前、炎で服が焼ける惨事を目にした彼女の一手。
 強力な掌打で抉れた部位に、吸収した生命力を魔力杭に変換した物を、放つ。
 鋭い切っ先はランジーリの肉体を穿ち……。
「い゛や゛ぁぁああん!?」
 黒いベビードールが、何かちょっと危ない感じに際どく、伸びたり破けたりした。
 猟兵の戦いを見守っていた男たちが虹を吐いた。
 ――あの衣装、何しても大参事になるのでは?
 表情の無いリーヴァルディの顔が、無そのものになり始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネーヤ・ティオモ
わあ。(思わず出る一言)
すっかりお風呂をエンジョイしていた私の目に飛び込んできたのは…なんか見覚えのあるオブリビオンの姿でした。
……お神輿とか超聖人さんとかで心をやられた人たちは結果的に恐怖を先取りしたことになるんですね…。
良かったのか、悪かったのか…わたしには分かりませんが…。

…二回目となれば、以前のようにあなたに怖気づく必要はありません。
あなたの問に答えるならば、わたしの今の欲望は
「あなたのことを、もっと知りたい。」
なぜならば…あれからずっと、このユーベルコードをあなたに使ったらどうなるか
怖いもの見たさもあって気になってたのです(ウインクを返す)
さあ、お受け下さい。「まやかしの慈悲」を…!



「わあ。」
 目をぱちくりとさせながら一連の惨事が起こる諸々の流れを、温水の中から見ていた、ネーヤ・ティオモ(ころんだ先の杖・f13967)。
 驚きからだろうか、そんな声が上がっている……とはいえ。
 身近な存在?である超聖人さんは兎も角として、漢神輿だのサービスシーンだのをバッチリ目視していようとあまり動じない、ネーヤは強い子かもしれない。
(「心をやられた人たちは、結果的に恐怖を先取りしたことになるんですね…」)
 いずれの恐怖が、彼らにとって良かったのか、悪かったのか。
 その視界の先には、力尽きている男たち。装備を纏い直すネーヤ。
 改めて小さく十字を切りながら、透明化を解除する。

 ……ランジーリとの対峙は、二度目だ。
 あの時は謎の超聖人さんに頼ってしまったけれど、今ならば。
「あらぁん。アナタも猟兵ちゃん?」
「……っ」
 聖杖を握り締めるネーヤ。
 そう、以前のように怖気づく事はない。何故ならば――。
「“あなたの欲望を教えてぇん?”」
 バチコーンと勢いよく放たれた、ランジーリウインク。
 質問を促すと共に放つそれは、答えなければ怪我を負わせるユーベルコード。
 だが、ネーヤの堂々たる態度、臆する事無く返されるネーヤウインク。
「あなたのことを、もっと知りたい」
「あらまぁん、アチキのコト!? 照れち゛ゃう゛!!!」
 ――何故ならば。このユーベルコードを彼女に使えばどうなるか、怖いもの見たさもあっての、子供らしい純粋な欲望もあったからだ! 御年頃?とは恐ろしい。
「さあ、お受け下さい。“まやかしの慈悲”を……!」

 ランジーリに向けられる、ネーヤの聖杖。
「……あらぁん?」
 急速に体力を刮れ膝をつき、戸惑いを見せるランジーリ。
 『まやかしの慈悲(マヤカシノジヒ)』は夢を見せるマッチの如く、その魂を燃させ、彼女の望んだ世界を浮かべてゆく。
 その膨大たるエネルギーから生じる幻想は、可視化するほどで――。
 ……絢爛を尽くしたかのような黄金のお立ち台の上、ランジーリが紫色の扇を片手に踊る。腰の動きがキレッキレだ。気色悪いぐらいに。
 四方八方に振り撒かれる投げキッス。彼女の舞台を囲むように、ダークセイヴァーでは男娼と娼婦と言えばよいだろうか、兎も角際どい格好をした面々がランジーリの名を叫びながら、各々が想うままに欲望を貪る。
 流れてくる湯煙に反射する月光で、上手い具合に隠れているのは幸いか。
 暫くの間ランジーリは、己の欲望により消耗を続けることとなる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルリ・アイカワ
POWで対抗?

正直言って対応に困る
彼女は肉体美を見てもらいたいだけなのだろう
とはいえ、被害は一応出ている訳だ
本来の依頼をこなそう

まずは火器官制を戦闘状態にする
手持ちの銃器を非殺傷弾から通常弾へ切り替える
弾薬の切り替えの時間が取れるかどうかが気になる所
【戦闘知識2】で相手の攻撃範囲に入らないようにすれば楽だろう
切替が間に合わず、射撃戦が出来なければ近接戦しかない
その時は単純な力比べになってしまうんだろうな

欲望と言われると無いのだが、近い所を指すなら最優先事項が生存と帰還かな
ただ、生存は自身を脅かす対象の無力化も含まれる
帰還も『無事』で無くても、重要箇所さえ残れば手足の二・三本消失しても問題ない



・人間的思考 機械的思考

 ――彼女は、その肉体美を見てもらいたいだけなのだろうか。
「とはいえ、被害は一応出ている訳だ」
 宙に浮かぶランジーリの幻想を見遣りながらも、火器管制を戦闘状態へ移行させてゆく、ルリ・アイカワ(ウォーマシンのバーバリアン・f05097)。
 ウォーマシンである彼女は、女を狙う男たちを鎮圧する際に、女性型でもある自身の作りが彼らを煽る事になるのではと危惧していた。が、被害は無い。
 人の欲望は複雑だ。最適化された思考回路では、解析し切れない面もある。
 言ってしまえば、“見る行為”も視覚情報に過ぎない筈なのだが。
 どちらにせよオブリビオンならば、速やかに無力化すべきだ。
 非殺傷に設定されていた機能部分を切り替える時間は、彼女が夢見ている間に十分に取る事ができた。

「嗚呼……ィィどりぃむだったわぁ」
 陶然とした表情で消えゆく幻想を仰ぐランジーリ。
 欲望の広がりを見渡しての愉悦に浸るには、人間を犠牲にするのが一番だ。
 闇に抑圧されるダークセイヴァーならば、その配下の作り易さたるや。
 だが、今回は時が早過ぎた。邪魔が入るのも。
「でもアチキはただ……みんなにも夢を見て欲しいだけ゛な゛の゛に゛ぃん!」
 魂を消耗してもなお、逞しく駆け出して迫るランジーリ。
 その矛先は、未だに能力を使っていない対象、ルリだ。
 銃で迎撃を行うも、小型拳銃の牽制は筋肉に弾かれ、マルチウェポンシステムによる多重火器の一撃を与えられて仰け反ろうと、足は止まらない。
 伸ばされる腕を対物斧にて丸太の様な腕を弾く。弾く。
 それでも執着的に伸びた腕がルリの肩を捉え、身体を若干歪ませ、能力による欲望の増幅を促す……が。
「くっ。アナタ、欲望が!?」
「“欲望”と言うものに近い所を指すならば、最優先事項である生存と帰還だ」
 彼女にはあまり通じない。知性があれど、機械的な判断を下す彼女には。
 ゆえに、依頼をこなし、帰還する。感情の無い欲望はそれに集約した。
 続いて自身を脅かす存在、オブリビオンに対しての攻撃行為。
 宙で長柄斧の尖端が勢いよく回され、ランジーリの頭上に振り下ろされる。
 その重量を感じさせる鈍い音が響き、一度膝をつきかけるランジーリ。
「ま、まだよぉん! 一人ぐらい夢に招かないと、アチキがアチキじゃないもの!」
 ふらつく身体。あと一歩、といったところか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクシア・アークライト
 貴方が少女や美女に化けていたなんて驚きね。
 まさか貴方にそんな能力が……ううん。違う、そうじゃないわ。
 まさか貴方が“自分の素の姿では人を魅了できない”と考えていただなんて。

 “性別に関係なく人を魅了する美しさが自分にはある”
 そんな絶対的自信を持っていると思っていたのに。

 ガッカリだわ。

・などと揺さぶった後に戦闘開始。(精神攻撃は基本)
・最初は念動力で遠間から攻撃。
・相手に疲れが見え、若しくは念動力に対処し始めたら、又は精神攻撃に動揺していたら、力場を収束してUCを放つ。

 私の本音?
 さっさと貴方を倒してお風呂に入りたい、に決まってるでしょ。



 様子を窺っていた一人の猟兵が、その姿を隠すことなく場に踏み込む。
「貴方が少女や美女に化けていたなんて驚きね」
「……なぁによぉ、アナタ。何か文句でもあるのぉん?」
 アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)のランジーリの弱った姿をを見る冷めた眼差しは、蔑むものか。彼女は武器を構えずに言葉を紡ぐ。
「いいえ、貴方にそんな能力が……ううん。違う、そうじゃないわ」
 ――自分の素の姿。有りの儘の姿で人を魅了できない、なんて。
 反論は許さないとばかりに、絶えず口にし続けるアレクシア。
「“性別に関係無く人を魅了できる”。そんな絶対的な自信を持っていると思っていたたのに、ガッカリだわ。貴方」
「んぎぃいいいいっ!? アチキの何がわかるってのよぉぉぉお!!」

 ヒステリックな金切声を上げ、もはや能力も使わずに殴り掛かるランジーリ。
 女もまた猟兵であろう。だが、覚えがない。何故、自身を知っているのか。
 ……何故こうも煽る言葉がオトメ♥ゴコロに響いてしまうのか。
 アレクシアの念動力が肉体を打つよりも、先の言葉が痛む。
「ぜぇ、ぜぇ……アナダの、欲望をぉ教えなさぁい?」
 格闘が届く距離。拳も放たずに最後の力を振り絞って、欲望を引き出す。
 現れるアレクシアの分身。彼女が発した言葉――。
「さっさと貴方を倒してお風呂に入りたい、に決まってるでしょ」
「……あぁん、いけずぅ」
 ランジーリの頭上に収束されてゆく力場。
 アレクシアが腕を振り下ろせば、纏められた力場の重みが一帯ごと押し潰す。
 血も出さずに消滅するランジーリ……いや、何やら天使のような格好で半透明になった彼女の姿があった。空の切れ目から覗く月に召される様に上ってゆく。
「アチキまだまだねぇん。教えられちゃった。――今度は負けないわよぉぉん!」
 高笑いと共に去ってゆく、天使ランジーリ。
 学ぶ事もあっただろう。彼女が真っ直ぐと受け止めた言葉は、きっと新たに誕生する個体を、より厄介な物と鍛え上げる事だろうが、それはまた別の話。
 癒溜まりの恵みは穢された湯を押し流し、従来の温もりを取り戻した。
 男たちは生き残りに回収され、残った面々は湯を堪能できることだろう。
 夜よりも暗きダークセイヴァーの深夜。
 月の優しい光と穏やかな湯気だけが、辺りを包み込んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月27日


挿絵イラスト