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滅びの盟約

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #ダークメナス #ヒーローチーム

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●人類絶滅計画2021
 1999年、ヒーローズアース全土を戦火に包んだジャスティスウォー。当時は猟兵という救い主も現れず、善神・邪神問わず多くの神々が滅んだ。
 滅びた神の残滓は大地に降り、パワースポットと呼ばれる特異な地理を生む。
 残滓の影響を受けた土地では生まれつきのヒーローやヴィランが誕生し、犯罪の増加と治安の向上の両面に寄与していた。

 パワースポットの一つに数えられる、LA2000-B街区。
 ここに日夜活動を続けるヒーローチームがあった。

 コークの空き瓶を投げ付けられた悪漢が声を張り上げる。
「てめぇ! 俺の荷物を返しやがれ!」
 アタッシュケースを取られた男は足音を鳴らして迫ってくるが、入り組んだスラム街を拠点とするこの者達には及ばない。
「よく言うぜ、犯罪で得た金のクセによォ。おいっ、フジヤマ!」
 捕まる直前、真上に投げた荷物を忍者めいた衣装の男が掻っ攫う。ホバーボードで宙を駆けた彼はダークネスクロークに身を包み、瞬く間にスラムの暗がりへと雲隠れした。
 彼らこそはヒーローチーム・フェイタルコンバット。日夜悪と戦い非合法な手もちょっとは使う、時代が時代なら義賊と呼ばれるならず者の集まりだった。

 フジヤマと呼ばれた男がホバーを倒し、急制動をかける。
「ふぅ、煙に巻いたでござるよっと。しかし何でこんな……おっと」
 彼の目の前に立ちはだかる、巨漢の男。鍛え抜かれた体躯に瘤のような背筋が隆起しており、これまでの者とは勝手が違うと見て取れた。
「あー、拙者ケンカは苦手でござるよー。というわけで、……これで勘弁してくれる?」
 アタッシュケースを上に放り上げ、苦笑いを浮かべて降参のポーズを取った。ケースと共に降りてくる眩い光――メカニック特製の炸裂弾の事は何も言わず。
 スラムの塵だめを吹き飛ばす爆風。中からケホケホと咳込み出てくるフジヤマは再びケースを手にしていた。

「やっりぃ! 後はこれで――」
 軽快に逃げ出すフジヤマの腹部を硬い機械の腕が貫く。驚いて振り返ろうとする首根っこを押さえ、ねじ切るように何者かが力を籠める。
「金などに用はありません。入用なのはあなたの体に宿る力だけ」
 機械じみた声の主を見ぬまま、絶命する事が口惜しい。その悔恨も血に溶け流れ出て、物言わぬ骸となったフジヤマから光の塊――生まれながらに持ち得た『神の残滓』が抜き取られる。
「金など無価値です。人類はまもなく絶滅するのです」
 身勝手な主張を繰り返す女性型アンドロイド、彼女の傍には異様な出で立ちの邪神が浮かび、事の趨勢を見守っていた。

●LA2000-B街区、ヒーローの危機に際して
 猟書家が現れたので討ちに行ってほしい。端的に告げたユイン・ハルシュカは、集まってくれた猟兵が立ち去らぬのを見て、改めて説明を始めた。
「ヒーローは敵が荷物を狙っていると思い込んでるが、実際に狙われるのは彼らの命だ」
 生まれながらに持つ、神の残滓。不可分である力の源を抜き出す事は、即ちヒーローの殺害と同義であった。
「歴史や小難しい話は抜きにしよう。やる事は単純だ。ヒーローと力を合わせて敵を討て……実にシンプルだろう?」
 自嘲めいた笑いを浮かべ、ユインは話を続ける。

「まず現れる資格は女性型のアンドロイドだ。ガイノイド、とも言うらしいが、彼女達は猟兵の到来を知るなり人々を扇動し、盾にしてくるだろう」
 演説による洗脳や民衆の扇動は周囲に人がいる状況そのものを恐怖に変える。何せ相手は一般人、こちらが手を下せぬと知って仕向けてくるのだ。
「だがこちらにも策はある。人気のいない場所へ誘導して戦いを挑めば、敵は精々無機物を操るのが精一杯だ。ヒーローと協力しろ、と言ったのはそういう意味だ」
 現地のヒーローは入り組んだスラムにも精通する為、心強い味方となるだろう。

「立ちはだかる配下を倒す頃には、神の残滓を回収しに来た猟書家と鉢合わせるだろう。ダークメナスを名乗る邪神は、もう一体邪神の幻影を従えて攻撃してくる」
 言うなればユーベルコードが二種飛んでくるようなものだ、とユインは軽く言ったが、対処すべきものが二倍になる負担は猟兵ならば想像できよう。
「だが、ヤツの力も無尽蔵ではない。対になる神の力――どうやらヒーロー達の中に、眠っているそうではないか?」
 邪神と善神、元よりせめぎ合う力をぶつければ、相殺による弱体化が見込めるとの事だった。

 説明を終えたユインはグリモアのゲートを開く。
「これより向かうはLA2000-B街区、多種多様な人の入り乱れる移民の街だ。決して治安は良くない、諍いもいがみ合いもするが……活気のある街だ」
 それ以上の言外の意味を汲み取ったキミへと、ユインはシニカルに笑んでみせる。
「斯様な街は、騒々しくて正解だ――救ってくるといい」
 散りばめるような転送光がまぶたの裏に消え、間もなくキミ達はヒーローの待つ街へと送られていった。


晴海悠
 ヒーローズアース猟書家戦線、ダークメナス編。
 蘇った古き邪神が悪のアンドロイドと手を組み、街の壊滅と野望の成就の一気取りを狙っています。
 個性あふれる現地のヒーローと協力し、彼女達を退けて下さい。

 今回はサポート様の力も積極的にお借りして『書ける時に書く』方式で運営する予定です。
 もちろん、当シナリオ宛てにプレイングを頂けた場合は他シナリオとの兼ね合いを見つつ、可能な限り優先させて頂きます(キャパオーバーしたら流れるかもしれません)。
 『ライト版』感覚でお気軽にどうぞ!

『プレイングの受付』
 オープニング公開と共に受付開始します! 断章もプレイングに影響が出ないものとなりますので、いつ送って頂いても大丈夫です。
 採用数については完結優先で、少なめになると思われます。

『1章 集団戦』
 『モデル・アジテーター』絶滅ちゃん。
 無機物や洗脳された人を操り、人々に終末思想を抱かせるガイノイド(人型女性ロボ)です。自身も戦闘力を持ちますが、それ以上に人々を扇動しての攪乱や盾とする戦法をとってきます。
 人気の多い所では苦戦を強いられるため、不利な地形に追い込む事が勝利のカギとなり、その為には現地のヒーローと協力した方が手堅いでしょう。

『2章 ボス戦』
 ダークメナス。
 蘇ったかつての邪神はヒーローやヴィランの体内から神の残滓をかき集め、神を超える超存在を生み出そうとしています。
 戦いになれば過去に滅びた邪神を召喚して戦わせてきますが、神々の力を宿すヒーローチームが近くにいれば相殺され、弱体化を図る事ができます。

『プレイングボーナス』
 全章を通し、下記のいずれかの行動をとる事で成功率が上がります。
「ヒーローチームと共に戦う」
「猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る」

『ヒーローチーム』
 フェイタルコンバット(FC)を名乗る義賊チーム。以下は構成員の特徴と使用するユーベルコードです。
 リーダー……仲間思い、体が頑丈。アライアンス・リベンジャー
 フジヤマ……お調子者、逃げ足が速い。スキルマスター「スティール」
 サブリナ……メカニック担当の女性。ガジェットショータイム
 ゴンズイ……カイゼル髭がチャーミング。ダーク・ヴェンジャンス
 四人にさせたい事があれば、プレイングにてどうぞ。具体的な指示である程、よく働きます。

 それではリプレイでお会いしましょう! 晴海悠でした。
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第1章 集団戦 『『モデル・アジテーター』絶滅ちゃん』

POW   :    『絶滅人類.oblに接続します』
自身からレベルm半径内の無機物を【部品に含む機械やロボ等(猟兵除く)を手下】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD   :    愚者の盾
戦闘力のない、レベル×1体の【一時的に洗脳されている一般人】を召喚する。応援や助言、技能「【かばう】」「【奉仕】」「【時間稼ぎ】」を使った支援をしてくれる。
WIZ   :    断滅騒乱
【世界の終末を騒ぐ内容のアジテーション演説】を披露した指定の全対象に【滅亡する前に好き勝手やってしまえ、という】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:鋼鉄ヤロウ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 グリモアの力で転移したキミ達の元へ、慌ただしく駆ける足音が聞こえてきた。
 ガタイのいい男にホバーに乗って上からカバーする忍者コスの男、
 伝え聞く特徴からして『リーダー』と『フジヤマ』に違いない。
 後ろからはよく見れば謎の機械に跨る三つ編みの女性と、
「うおおおい! 儂を忘れるでねぇ~~!」
「あ~、暑苦しい声響かすんじゃないよ! あたいの可愛いマシンまで汗かいちゃうじゃないのさ!」
 時折姿を現してはカイゼル髭を揺らし、体を流体に変えて追いかける
 ミュータントヒーローらしき仲間の姿もある。

 気付かず通り過ぎた彼らを今すぐ追えば、合流も叶うだろう。
 だがヒーローとの邂逅を待たず、彼らを追う複数の影が目に付いた。
 物言わず路地を駆ける、機械の体。
 あれこそが予知に聞く、ヒーロー抹殺を狙うガイロイドだろう。

 今すぐ接敵すれば足止めも叶うが、人込みの中で戦う事になる。
 ヒーローを追えば巻き込む形にはなるが、
 地理に詳しい彼らの力を借りれば人払いもできよう。
 敵味方の特性を考え、見知らぬ街でどのように戦うか。
 ――状況はキミ達の手に委ねられた。
木霊・ウタ
心情
FCはヒーローチームだ

自分たちが狙われてると知っても
無辜の人々を巻き込むなんて
絶対に望まない筈だ

FCと合流
オブリビオンがあんたらの神の残滓を狙ってる
一般人がいない所へ誘い込んで倒したい
力を貸してくれ

戦闘
敵の狙いはあんたらだ
生き延びることが最大の戦果だ
身を守ることを優先してくれ

あと敵はメカを操る力を持ってる
くれぐれも注意してくれ>サブリナ&忍者

FCの盾になる位置取りでワイルドウィンド奏で
炎の旋律で機械やロボを燃やし溶かす

そのまま絶滅ちゃんらも火達磨に
過熱させたり回線を焼き切り誘爆

あんたもプログラムの奴隷ってか
可哀そうに
今、海へ還してやる

事後
さて鎮魂曲の前にもう一仕事だ
頼んだぜ、FC(ぐっ



 目の前を過ぎるヒーロー達の姿を認め、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)はすぐに彼らの後を追った。
「彼らはヒーローチームだ。たとえ自分たちが狙われていても、無辜の人々を巻き込むなんて絶対に望まない筈だ」
 敵の能力だけでなく、ウタはヒーローたる四人の心境にも思いを馳せる。街を守るはずの自分が人々を危機に晒すなどと、正義の心の持ち主であるほどに辛かろう。
 敵より早く合流を遂げ、隣を走りながら声をかける。
「あんたらがフェイタルコンバットだな! 頼みがある」
「おお!? 拙者たちも随分有名になったでござるな!? 一体いつどこで今日のミッションを知ったでござるか?」
 忍者コスチュームのフジヤマの呑気なお喋りを、ウタは真剣な声で遮る。
「オブリビオンがあんたらの神の残滓を狙ってる」
 ぴくり、と。表情の見えぬ彼が、眉根を寄せるような間があった。
「俺は猟兵だ。一般人がいない所へ誘い込んで倒したい。力を貸してくれ」
 猟兵という単語はこの世界では最早、全市民の知るところとなった。その猟兵を名乗る者が危機を告げ、共闘を持ちかける事の意味を勘案する。
「……この先1マイルほど向こうに空き地があるでござる。倉庫街にござるが今は昼、搬入も止んでいる筈でござる」
「……! ああ、わかった!」
 フジヤマの具体的な返答。YESが得られたと分かり、ウタは笑みながら彼に行先を委ねた。

 コンテナの多く残る空き地にて、ウタ達は敵を迎え撃つ。
「観念しましたか。追跡の手間が省けて何よりです」
 現れた女性型ロボットが硬質な声を響かせる。幸いにも彼女は、ごく少数の人間しか伴っていなかった。
「敵の狙いはあんたらだ。生き延びる事が最大の戦果だ、身を守る事を優先してくれ」
「承知したでござる。ただ、貴殿も無理はせぬようにでござる」
 周囲の無機物がポルターガイストよろしく乱れ飛び、二人の居た所へ勢いよくぶつけられる。
「絶滅人類.oblへの接続が完了しました。これよりCode:Genocideを実行します」
 突然の飛来物に驚く素振りもなく散開する二人。事前に来ると伝えられていればこそ、可能な動きだった。
 フジヤマを庇うように立ち回り、ウタはギターを取り出す。
(「あんたもプログラムの奴隷ってか……可哀そうに」)
 絶滅ちゃんとの異称を授けられたガイノイドに、自由意志があるかは定かではない。彼女を突き動かすのが悪しきプログラムなのだとしたら、今ウタに出来るのは禍々しいルーティンから解き放つ事だけだ。
 弦をかき鳴らし炎を喚ぶ。激しいストロークで酸素を送り、民間人を巻き込まぬようロボットだけを炎の渦で包み込む。
 構わず無機物を操ろうと、渦中から機械の腕が突き出した。現場のショベルカーへ送りかけた指令は、タスク未完了のまま炎の中に潰える。
「今、海へ還してやる」
 葬送の炎が空へ消え、やがて洗脳が解け崩れ落ちる人影に、ウタは傍らのヒーローのひとまずの無事を喜ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サエ・キルフィバオム(サポート)
アドリブ歓迎

基本的には情報収集が得意かな
相手が何かの組織だったら、その組織の一員になり切って潜入して、内側から根こそぎ情報を頂いちゃうよ
そうじゃなければ、無害で魅力的な少女を演じて、上手く油断させて情報を引き出したいね

戦いになったら、直接力比べの類は苦手だから、口先で丸め込んだりして相手を妨害したり、糸を利用した罠を張ったり、誘惑してだまし討ちしちゃうかな
上手く相手の技を逆に利用して、手痛いしっぺ返しが出来ると最高♪
敢えて相手の術中に陥ったふりをして、大逆転とかも良く狙うよ



 駆け付けたサエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)は、敵がヒーローに辿り着く前に単独で迎え撃つ決意を固めた。
「彼らの方へは何人か向かってくれてるみたいだし、一人くらいは居てもいいかな」
 敵組織へ潜入するなら心も踊るが、変に正義ぶるのは性に合わない。それにこれから採る戦法を思えば、目撃者の少ない方がやりやすさもある。
「ま、といっても。直接の戦いよりは情報収集のが得意なんだけどな」
 ガイノイド『絶滅ちゃん』たちは組織だって動いている訳でもなく、論理と整合性に厳しい機械だけに謀略や言葉による攪乱も効きにくい。本領を活かせる相手とは言い難いが、請けた仕事を投げ出すのは彼女の流儀に反した。
 民間人を洗脳しようと動く彼女達に対し、サエは余裕たっぷりの挑発を投げかける。
「ふっふ~ん、誰にでも人質作戦が効くとは思わないコトだね♪」
 煽るようなサエの声は、言葉半ばにして頭上へと高く持ち上がる。彼女を包み込む、流線形でふっくらとした女性的な体躯のオブリビオンマシン『メルク・フィクター』。コックピット内部を満たす液体に自身の意識を同調させ、サエは機体形状を変化させる。
 機体の腕部分が大きくうねる。液体装甲を変化させた茨の剣が、人質の垣根を掻い潜ってガイノイドを狙い撃つ。
「敵対行動を認識。対機戦闘モードに移行します」
 人質を地面に放り出し、近くにあった機械へと接続したガイノイドはトラクターや重機を衝突させ機体を押さえ込んだ。無人の機械類を飛び道具よろしく使い捨てる戦法に、さしものマシンも表面を凹ませて沈黙する。
 応戦が止んで数秒、確かめるような間。背を向けてヒーローの元へ飛び立とうとした絶滅ちゃんを、背後からワイヤーが貫く。
『ざぁ~んねん、演技だよ♪』
 間髪入れず注ぐ、しなる鞭の剣。元より半ば液体金属の機体は多少無理な体勢でも持ち堪え、狂気と執念に満ちた猛攻でガイノイドを追い詰める。
 限界を越えた操縦に神経が悲鳴をあげる。構うものか。代償である侵食すら諸手をあげて受け入れるように、動けぬ相手へ熾烈な愛を見舞う。
 ワイヤーの絡む頸に茨の剣が迫り、ごきゃりと砕ける音。その身に宿した作り物の知性諸共、ガイノイドは地面へと散らばる。
 対象の沈黙を確かめ、サエはコックピットの中で息をつく。少しばかり無理をした、暫くは荒息が収まらないだろう。今のこの姿を見る者がいないのが、彼女にとっては救いだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎
NG:相手を「敵」と呼ぶ

けっ、またダークメナスか
これまで2度やってきたけどよ
何ともまあ、厄介な奴だぜ

一般人を巻き込んだら厄介だろこれ
FCを追いかけ早々に合流するぜ
俺が猟兵だと明かした上で奴らの目的を教え
人気のない場所に案内願うぜ

アジテーション演説されると面倒だな
FCが演説聞いて「好き放題」ヒーロー活動するとも思えねえし
演説する前に奴らを焼き払おう
「高速詠唱、言いくるめ」+指定UCでアスモデウス召喚
FCと奴らを分断できるように立たせてから獄炎発射
アスモデウス! 煽動を企む輩を全て焼き払え!(属性攻撃、蹂躙、制圧射撃)
俺は獄炎から逃れた奴らに「ランスチャージ」だ!


加々見・久慈彦
まずはFCにご挨拶。
どうも。加々見と申します。しがないビジランテですが、名高いFCの皆様のお力になれれば……と、馳せ参じた次第。

人気のない場所に誘い込めたとしても、事前に洗脳された一般人を利用される恐れ(愚者の盾)がありますので、その対処も必要ですな。
三つ編みのレデイ、非殺傷性の音響兵器ガジェットで被洗脳者を無力化していただけませんか? 髭の紳士も流体化して被洗脳者の足止めをお願いします。(人任せ)

さて、盾が動けぬうちに敵をかたづけましょうか。
ケースの中のお金をいくらか拝借して、陪審員たちを召喚。
評決は?
有罪ですね。
では、死刑! 死刑! 死刑!(死神任せ)


※似るな焼くなとご自由に扱ってください



 建物間の狭く薄汚れた路地に、ヒーローを追う二人の猟兵の姿があった。駆け行く傍ら、うち一人がこれから戦う相手を思い、こう口にする。
「けっ、またダークメナスか」
 森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)は過去にも猟書家の彼女と相対していた。三度目の此度は伴う配下も異なっていたが、民間人を巻き込む手口は共通する点があった。
「何ともまあ、厄介な奴だぜ」
 巻き込まれる前に対処しねぇとな、という陽太の言に、もう一人も「ええ」と同意を示す。
 やがて追跡者が敵意ある者でないと気付き、メカニックとカイゼル髭――サブリナとゴンズイが足を止める。
「どうも。加々見と申します」
 加々見・久慈彦(クレイジーエイト・f23516)。燃え盛る炎を包帯で隠す彼は悪人めいた風貌であったが、少なくとも今何か仕掛けてくる様子はない。傍らの陽太が後ろを振り返り警戒する姿から何かを察し、ゴンズイは状況を見極めるべく端的な問いを発する。
「味方か?」
「ええ。しがないヴィジランテですが、名高いフェイタルコンバットの皆様のお力になれれば……と馳せ参じた次第でして」
 続いて陽太が、
「俺たちは猟兵だ。奴らがあんたらの中に眠る力に目を付け狙っている。あわよくば民間人を巻き込み、人質に取ってあんたらを始末する気だ」
 と状況を伝えれば、巨漢のカイゼル髭はぞくりと体を身震いさせた。
「なんともはや……儂らの嫌がる事を熟知しとるでのぉ」
「まったくよ。守るべき人を盾にされた日にゃ、あたいらものうのうとヒーローできゃしないよ!」
 後ろから何者かの気配が迫るのを認め、陽太はすぐさま声を発する。
「人気のない場所に案内してくれ。迎え撃つならそこだぜ!」
 頷きを交わすのと駆けだすのと、どちらが早かったろう。共通の敵は結束を生み、四人は一丸となって駆け出していった。

 スラム街の掃き溜めに足を踏み入れたガイノイドは、久慈彦の予想通り数人の民間人を伴っていた。
(「矢張り引き連れていましたか……対処が必要ですな」)
(「ああ。加えて演説されれば誰かが乱入しないとも限らないぜ。演説の前に焼き払いたいところだが」)
 声を潜めたやりとりの後、久慈彦がサブリナ達の方を振り返る。
(「三つ編みのレディ、洗脳された彼らを無力化するガジェットをお持ちでしたら。それから髭の紳士。保護と足止めを頼めますかな?」)
 自身へ向けられた視線にサブリナは得意げな笑みで鼻をならし、ゴンズイは厚い胸板をとんと叩いて応えた。
 無音だった掃き溜めにガシャリと機械の下ろされる音。ガイノイド達が身構えた時には既に、蓄音機型ガジェットのラッパが彼女達を捉えていた。
「メカニックのあたいが直に出張るってんだ、出張費は覚悟してもらうよ!」
 ガジェットから放たれる怪音波が、囚われの人々の鼓膜を揺らす。生体のみに作用する非殺傷性の音波は彼らの意識を遠のかせ、ふらついた足元に今度は黒い流体状の何かが割って入る。
「さぁてドッキリ人間ショウ開幕だ! 儂らの大事な客、新参者に取られはせんっ!」
 液状化した体から顔のみを突き出し、カイゼル髭が「今だ」と目配せを送る。
 物陰より陽太が姿を現した時には既に、獄炎の悪魔を伴っていた。アスモデウス――色欲を司るともいわれる悪魔は合成獣の如き肉体より炎を滾らせ、陽太へと厳かに問いかける。
『ふん、斯様な鉄の我楽多如きに我を喚んだか。して汝は我に何を対価として示す』
「まあ、そう焦るなって。何でもあのロボット、演説を振り撒いて人々を魅了し民衆を突き動かすらしいぜ」
 囚われの人々を指差し、陽太は不敵にもこう告げた。
「色欲の悪魔として炎の威厳を示して、勝敗をきっちり着ける。これ自体が褒章でどうだ?」
 口車に乗せ、煽るような陽太の言。物言わずパチパチと炎の弾ける音が響き、カイゼル髭がごくりと唾を呑む。
『吠えたな、小僧。であれば魔力を九割方寄越せ。我をけしかけたその不遜、臓腑が悲鳴上げた程度で逃れられると思うな?』
 滾る獄炎は炎の壁となりて、アンドロイドと人質の間を瞬時に分かつ。色欲というよりは嫉妬めいた炎が燃え盛るのを見ながら、陽太は獄炎を逃れた機体へと濃紺のランスを手に迫る。左手から伸び、穂先が敵を縫いとめた数秒後には炎の塊が空より注ぎ、ガイノイドの鉄の体を溶かした。
 一頻り炎が吹き荒れ姿もまばらとなった頃、久慈彦がおもむろに落ちていたアタッシュケースを手にする。
「さて、せっかくあるお金は有用に使いましょうか」
 拝借した札束を惜しげもなくばら撒いた瞬間、十体近くの大鎌を手にした一団がガイノイドの周りを取り囲む。久慈彦が『陪審員』と呼ぶ闇の者たちはいずれもローブを纏って面を隠していたが、その頭から覗くのは骸骨――死神だ。
「陪審員の皆様、評決に達しましたか? 評決は?」
 カタカタカタ、と骨の嗤う音。聞き届けた久慈彦は笑いながら、カードを手にした腕を振り翳す。
「成程、有罪、と。であれば容赦は要りますまい……では」
 振り下ろす手の動きに、死神たちの鎌が追随する。
 ――死刑、死刑、死刑! と。
 甲高く極刑を叫ぶ声は、扇動者達が物言わぬ鉄屑となるまで止む事はなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ダークメナス』

POW   :    我、失われし汝等の盟主なり
全身を【盟主の威光 】で覆い、自身の【同志達が奪ってきた神or不死の怪物の力】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    我は盟主として、同志達の無念を晴らそうぞ
自身に【神々の時代の頃より得てきた同志達の無念 】をまとい、高速移動と【六枚羽根より滅びを齎す衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    我が同志達の怨念、晴らさずにいられようか
自身が【同志達が殺された事への憎悪 】を感じると、レベル×1体の【神々の時代より存在する古代遺産】が召喚される。神々の時代より存在する古代遺産は同志達が殺された事への憎悪 を与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:塒ひぷの

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エリス・シルフィードです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 破滅を謳う扇動者たちは此処に潰えた。
 合流を遂げたヒーローチームとキミ達の元へ、闇色に透いた羽の者が降臨する。
「彼女等は散ったか。だが、我の求むる残滓が一つ所に集ったのは僥倖と言えようぞ」
 滅びし邪神の一柱、ダークメナス。
 超存在を生み出さんとする邪神は、一同を睥睨して厳かな声を響かせる。

「――我、失われし汝等の盟主なり」
 僅か、発しただけで言葉は重圧を伴った。
 戦乱に散った神の欠片を集める女神の傍には、不可視の邪神が付き従う。
 そしてダークメナスが喉を震わせ肘を動かすたび、
 邪神は重圧を――あらゆる敵対行動の威力を削ぐ神の威光を魂へ降らせるのだ。

「ぬぅん、小癪な……!」
「まったく勘弁してよ! あたいのマシンでも通用するかどうか……!」
 カイゼル髭とメカニックが膝をつき、敵を睨む。
 だがその中でもリーダーの男は重力に逆らい、立てた膝に力を籠めた。
「……ったく、普段息巻いてる時の威勢が形無しじゃねぇか」
 仲間の窮地に立ち上がり、彼は邪神の威光を敢えて受けるよう両手を広げた。
「折角最強のヒーローさんが駆けつけてくれたんだ、なァ!? テメェらちったぁヒーローらしくしやがれ!」

 熱血漢が叫ぶと同時、彼の内より光が溢れた。
 ヒーローの闘志に呼応する神の残滓。
 それは栄えある未来へ向かう光の浮力として周囲に伝播し、
 その場に居る全員に重圧を跳ねのける気力を授けた。

 猟兵に比べ、ヒーロー達の戦力は微々たるものだ。
 だが見えざる敵、邪神の重圧に立ち向かうには彼らの闘志こそが鍵となろう。

 集う者たちを見下ろす女神は「詮無き事」と、キミ達の奮闘を一言で断じる。
「汝等の足掻きも、大いなる終焉の前には遅滞に過ぎぬ。人も、神も、全ては闇へと還るのだ」
 冷めた声で、そう告げ。
 破滅の先触れ――ダークメナスは、キミ達と同じ地平へと降り立った。
木霊・ウタ
心情
FCの勇気に応えてみせるぜ

FC
頼りにしてるぜ
善神の力で邪神の力を打ち消してくれ

戦闘
足裏から獄炎放出
白煙たなびかせ滑るように一気に間合いを詰め
獄炎纏う焔摩天で薙ぎ払う

メナスが空へ逃げるんなら
そのまま足裏の獄炎ジェットで追い縋り
爆炎で加速した刃を繰り返し振るう

敵攻撃を剣で受けたり
爆炎スラスターで回避
傷は地獄の炎で補い回復

泥臭くしつっこく戦うぜ

でこっちにひきつけてる間に
上空から鷹サイズの迦楼羅が急降下

回避されるのは織り込み済みだ

けど舞い散る羽が
破魔と浄化の力持つ金色の焔が
メナスを覆う威光を侵食し焼却

炎を収束
大焔摩天の長大な紅蓮の刃を一閃
灰に帰す

事後
絶滅ちゃんとメナスへ
鎮魂曲
安らかに

サンキュ>FC



 先の戦いで一緒だったフジヤマを始めとする、フェイタルコンバットのメンバー。彼らとの再びの共闘に、木霊・ウタは頼もしげな笑みを浮かべる。
「頼りにしてるぜ。善神の力で邪神の力を打ち消してくれ!」
「承知したでござる!」
 すぐさま返る声を聞き、木霊・ウタは愛用の剣・焔摩天を構えた。
 ブレイズキャリバーたる由縁の獄炎を足裏から噴き出し、重力の枷を引き千切って跳躍、空へ。大地踏むたび白煙の跡をたなびかせ、ダークメナスめがけて一気に距離を詰める。
 剣の方にも獄炎を纏わせ、はじめの一閃は躱された。姿の消えた邪神にも狼狽えず、逃れた方角をすぐに見破る。
「……上だな!」
 見上げるのと追随するのは同時。獄炎の噴き上げる威力でただちに迫り、同じく炎で加速を得た刃を幾度も振るう。
「小癪な」
 ダークメナスの放つ光弾を剣で受け、爆炎の噴出で回避していく。技能やユーベルコードでないが故に獄炎の噴射で飛翔までは叶わぬが、炎の勢いを借りた動きは敵を翻弄するのに長けていた。
 幾度弾かれても、泥臭くしつこく食い下がる。幸い、粘り強さには自信があった。それにウタには勝算もある――勝ち目が生まれるよう先手を打っていた。
 上空に飛ばした金の鳥、迦楼羅が炎を纏い、轟音を伴って急降下する。
「奇襲のつもりか」
 空からの攻撃にもダークメナスは狼狽えず、光弾で金翅鳥を迎え撃った。
 攻撃を嫌って避ける迦楼羅から金の羽根が舞い散る――だがそれも、計算の内。
「な……これは」
 とりまく羽から金色の焔が零れ、巨大な炎の渦として吹き荒れていく。ダークメナスを包んでいた神の威光、それらが浄化の力でかき消されていく。
 護りと飛翔能力を一度に失った邪神の元へ、ウタが駆け迫る。もたらす長大な紅蓮の刃は、さながら地平に跨る燎原の火。
「派手に行くぜ……灰となって、眠れ」
 叩きつける紅刃、一閃。空を裂かんばかりの一撃の後に、吹き荒れる炎が敵の身を焼いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘンペル・トリックボックス(サポート)
「ヘンペルと申します、しがない紳士です。お茶のついでにちょっとしたマジックでも……如何ですかな?」
【設定】
 UC偽身符で作られた、本物そっくりの式神です。
【イメージ】
 のらりくらりと現れる、紳士姿の胡散臭い奇術師です。胡散臭いの延長線上で、符術も使います。
【性格】
 常に礼儀正しい姿勢ではいますが、要所要所でしれっとボケを入れる剽軽モノ。放っておくと延々戯言を垂れ流します。
【行動理念】
 『誰かの笑顔のために』行動します。水面下で老体に鞭打って頑張るタイプです。
【好き/嫌い】
 笑顔、のんびり、甘いもの/作り笑い、不実、紳士的でない行動
【その他】
 ノリは良い方です。感覚で動かしていただいて結構です。



 爆炎から逃れたダークメナスは、次なる刺客をその目に捉える。
 革靴の音鳴らして歩み寄った紳士は、戦いに来たと思わせぬ程の恭しさで一礼をしてみせた。
「失礼をば。私、ヘンペルと申します。何、通りすがりのしがない紳士ですよ」
「奇術師の類か。過去にも汝のような者と幾度か見えたぞ」
 邪神の六枚羽が薄く燐光を帯び、何かしらの予備動作を伺わせた。だが、それが分かったとて次の動きに反応できた者はどれだけ居ただろう。
「――汝のような手合いが一番油断ならぬ」
「かはっ……これは、高く評価頂けて何よりですな」
 音もなく、背面を取られた。背中に直接叩き込まれる衝撃波に、さしもの紳士も余裕のある表情を失う。
 即座に距離を取る邪神の腕には、刻まれた傷。あの一瞬で仕込み杖の刃での切り返し――飄々とした男の隠された実力に、やはり己の評価は間違っていなかったとダークメナスは悟る。
「宣告しよう、二度目はない。我は二度と汝の戯言に耳を貸さぬ」
 ペースを握らせまいと続け様に放つ、衝撃の波。街灯の柱が歪み、コンテナが凹み、飛び交いながら次々と放つ重圧。ヘンペルの帽子が風に飛ばされ、路地の奥まった所へと消えていく。
 やがてトドメの頃合とみたか、邪神が特大級の光弾を空へと放つ。降り注ぐ光柱にヘンペルの姿はかき消え、弾け飛んだ。
 後には何も残らない――遺品も亡骸も、何も。刃を交えた相手の完全なる消滅を見届け、ダークメナスは背を向ける。
「……策を弄させねば良い。ただそれだけの……」
 言い終えるのを待たず、ごぷりと血が溢れる。
「楽しんで、頂けましたかな?」
 精巧につくられた式神は存分に役目を果たし、偽身符でない本物の彼へとバトンを渡した。
 よたつきながら距離を取る邪神を見て、男は頭を振る。
「やれ……笑えない状況はどうも、好みではありませんな。このような場でなければマジックの十八番でも披露したかったのですが」
 まだ隠し玉がある事を仄めかす男を前に、邪神は最早迂闊に攻め込めなくなっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

マホルニア・ストブルフ(サポート)
◇ベース口調は【私、お前、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?】。勿論協力者には丁寧に接するし、礼儀は重んじるよ。時々【照れ隠~】の口調で相槌を打ったりするわ。こんなふうに。

知覚端子を周囲に張り巡らせて情報収集しながらサポートするよ。
その他使える技能は使っていくわ。

戦闘かい? アサルトライフルやレヴィアスクでサポートしようかね。
ユーベルコードの詠唱描写は省略でも構わんよ。後はよろしく頼む。

☆アドリブ連携OK



 いかに神や邪神といえど、その身に不死性を宿すわけではない。次々と生まれ塞がらぬ傷跡が、今相手取る敵が不死身でない事の何よりの証左だ。
 残滓の回収を急ぐようにヒーロー達の元へ迫る敵へ、行く手を阻む一陣の横風。
「どれ、戦闘かい。まったく、エンジニアを荒事に駆り出すもんじゃないよ」
 セイレーンかと見紛う青髪をたなびかせ、そこに彼女は立っていた。
 マホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)。強化人間たる彼女は一部生身でないヒーローに思う所があるのか、振り向いて目配せを一つ寄越した。
「はじめましての挨拶には手荒だけど……ここからは私が、お相手するわね?」
 弓なりの両刃剣を正中に構え、いかなる動きにも対応する体勢に入る。白い知覚端子を纏った髪が雪の色に染まり、ところどころ覗く元の髪色が雪面下の湖を思わせた。
「盟主たる我に従わぬか。ならば力を以て押し通すまでよ」
 神の時代の怨霊、同志達の無念を背負い、ダークメナスは滅びもたらす衝撃波と共に瞬時にマホルニアの元へと迫る。乱れ舞う邪神の光弾、本来ならば回避の叶わぬそれも、大気中に散らせた光学粒子の送る危険信号で察知すれば辛うじて間に合う。
「もう、少しは落ち着きなさいな。そんな駆け回っちゃレヴィアスクが面白がって噛み付いちゃうわ」
 距離を離す傍ら、レヴィアスクの切先で羽根を一枚斬り飛ばす。バックステップを踏み、指先を添えるは両刃の中央、密かに設けられた拳銃のトリガーへ。
 ガガガン、と銃の衝撃が伝い、放った弾丸は相手の迫る勢いも借りて邪神の肉に食い込む。痛みも無視して敵が迫るなら好都合と、更に剣戟を見舞い突き放す。
 息つく間もなき攻防。目にも留まらぬ両者の早業。戦いを互角に持ち込んだならば、後は決定打を叩き込んだ者の勝ちだ。
「速度には速度で……と言いたいとこだけど、同じ土俵でやり合うのも癪だからね」
 指を鳴らす代わり、此度戦場へ運んだのは魔狼の鎖。神話に語られる大小さまざまの鎖は何れも異常なまでの硬度を誇る――それも当然、単分子の鎖なれば解けようもない。
 絡みつく呪縛にもがく邪神の元、マホルニアの剣が二振りに分かれ。
「上出来――あとでたっぷりご飯をあげるよ」
 斬りつけて過ぎる、数秒の後。邪神の肉体には十字の傷跡が刻まれていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

加々見・久慈彦
おやおや。自称『盟主』様はなにやら誤解されているようですな。
FCの皆様の力の根元は貴方が求めている神の残滓とやらではなく、勇猛なる魂なのですよ。
それを証明してさしあげましょう。
……ってな具合に皆様をアゲて紋章を付与。

レディが対空ガジェッドで牽制している間に、髭の紳士が敵に貼り付いて動きを鈍らせ、更にミスター・ニンジャが素早い動きで惑わせ、その隙にリーダー氏が攻撃……というような戦法でいきますか。
あ? もちろん、私も援護しますよ。(カード投げ投げ)

『盟主』様の仰るとおり。
いずれはすべて闇に還ります。
ただ、我々より貴方のほうが先に還ることになるでしょうな。


※煮るな焼くなとご自由に扱ってください


森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎
NGは1章と同様

ヒーロー、か
俺はヒーローにはなれねえが
世界を壊そうとする邪神をぶっ潰すくらいはできるぜ

FCの連中とは積極的に連携
てめぇらのヒーローとしての力、頼りにしてるぜ
その力で邪神の重圧をぶっ飛ばしちまえ!

俺は「高速詠唱、言いくるめ」+指定UCでフォルカロル召喚
フォルカロル、まだこの世界は壊させるわけにはいかねえ
世界に滅びを齎すと嘯いている邪神に、悪魔の権能を見せつけてやれ!
交渉成立したらダークメナスの周囲に暴風を吹き荒れさせ
召喚された古代遺産を全部巻き込んでぶっ壊す!(属性攻撃(風)、制圧射撃、蹂躙)
後は本体の心臓を二槍伸長「ランスチャージ」で一突きだ!



 これまでの戦いで傷ついた体は、決して再生される事はない。同志たる神々の無念を汲んだ彼女は、全ての力を攻撃へと振り向けたからだ。
 迷いなき信念、ある意味では純粋とも言えるダークメナスだが、彼女の力にも着実に翳りが見え始めていた。
「ヒーロー、か」
 森宮・陽太は以前見た己の過去らしき光景を思い返し、苦々しく呟く。まだ断片的にしか記憶は戻らぬが、恐らく己の出自は正義の味方とは程遠い。
「俺はヒーローにはなれねえが」
 呼吸を溜め、ダイモンデバイスに悪魔のカードをセットする。この身が魔に魅入られていようと、彼らと同じ方を向く事ぐらいは許されたい。
「――世界を壊そうとする邪神をぶっ潰す、くらいはできるぜ」
 譬え悪魔の力を借りようとも、陽太の魂はヒーロー達の側にあった。
「おやおや。自称『盟主』様はなにやら誤解されているようですな」
 手の内にカードを弄ぶ加々見・久慈彦は、邪神の威容にも臆する事無く演説めいた口上を述べる。
「フェイタルコンバットの皆様の力の根源は貴方が求めている神の残滓とやらではなく、勇猛なる魂なのですよ」
 振り返り、彼らの顔を見る。朗々と久慈彦の告げる言葉が邪神でなく自分たちへ宛てられたものだと悟り、集うヒーロー達は口々に喝采をあげた。
「持ち上げてくれるじゃねぇか。野郎共、テメェらのヒーロー魂見せてやれ!」
「合点承知でござる」
「あたいまで野郎に含めるんじゃないよ、ったく!」
 個性豊かなヒーローチームは口を開くだに騒々しいが、言い合いながらも彼らの志は一つだった。
「今からそれを証明してあげましょう」
 久慈彦の手にした札より、揺らめく四片の紋章がヒーロー達へ飛ぶ。スペード、ハート、クラブ、ダイヤ――ゲームカードに描かれる四つのスートが、彼らの肉体へ吸い込まれていった。

 ハートの力を宿したサブリナが、超強化された大砲型ガジェットで射撃を放つ。牽制のつもりで撃ち出したものだが、破片ばら撒く砲弾は十分に破壊力も兼ね備えていた。
「儂らが奴に取りついて隙を作り出すでの。真打を頼めるか?」
 指先で髭を揺らしてゴンズイが問いかければ、陽太も彼の心意気に応えようと言葉を返す。
「てめぇらのヒーローとしての力、頼りにしてるぜ。邪神の重圧なんざぶっ飛ばしちまえ!」
 芽生えた友情の証に拳を突き合わせ、どしどしと向かっていく巨漢の背を見送る。
「さて、けしかけたからには……しくじる訳にゃいかねぇよな」
 頬に張り手をかまして気合を入れ直す事暫し、此度喚ぶのは鷲獅子の翼持つ悪魔、風と海を支配するフォルカロル。荒れ狂う風を巻き起こして降り立つ魔のグリフォンは、呼び出した陽太を品定めするように睨め付けた。
「フォルカロル、まだこの世界は壊させるわけにはいかねえ」
 海にあっては船を返す悪魔は人語こそ喋らなかったが、陽太の言葉にグルルと短い唸りで反応した。
「世界に滅びを齎すと嘯いている邪神に、悪魔の権能を見せつけてやれ!」
 是とも非とも示さず、力強く羽ばたいて飛び去るフォルカロル。交渉が上手くいっている事を陽太が祈る中、邪神の側にも動きが見えた。
「全ては塵と化し、僅かばかりの物品を残して消え去った。我が同志達の無念、此れを晴らさずにいられようか」
 ダークメナスが掲げた手の先、無数の武器が浮かび上がる。既に失われた神々の遺産を操り、ヒーロー達を貫かんと一息に浴びせかける。
 だがそれらはヒーロー達へ達するより早く、竜巻に呑まれた。邪神の齎す破壊より己が格上だと示さんばかりの、フォルカロルの呼ぶ猛竜巻であった。
「確かに『盟主』様の仰るとおり、いずれはすべて闇に還ります」
 適当にかすりもせぬカードを投げる久慈彦は、形だけとなった強化の力で味方を援護し続ける。だが彼の動きもふざけている訳ではなく、最早手出しの余地なしと判断したに過ぎない。
 悪魔の竜巻に合わせ、フジヤマが俊敏な動きで手裏剣ソードを次々と投げる。これまでの鬱憤を晴らすリーダーの拳が叩き込まれれば、ダークメナスの潰える瞬間は目前だった。
「流石だな、よくやった! あとは……」
 槍を手に、陽太が駆ける。濃紺のランスは彼の意図を汲み、槍二振り分もの長さへと伸びていく。
「これで、ジ・エンドだ……!」
 裂帛の気合と共に放たれる、銛のように尖ったアリスランス。衝撃波を散らして突き進む穂先が、頭部のレセプターを深々と穿った。

●幾度滅びの手が翳されようと
 頭部をかち割られたままの姿で、未だ事切れぬダークメナスは宙に浮かぶ。
「まだ足らぬか……だが我は諦めぬ」
 だがそれも僅かばかりの事。
 崩壊の余波は全身に及び、彼女を邪神たらしめる全ての力を奪い去る。
「この身が幾度朽ちようと、必ずや無念を……晴らそう、ぞ……」
 最期の言葉を聞き届けたキミ達の眼前には、守り切った街の風景、
 そして共に戦ったヒーローチームの姿があった。

 束の間ではあったが、共に巡ったこの街をまた訪れてほしいと彼らは語る。
「次は拙者オススメのジャパニーズ・レストランへ招待するでござるよ」
「アンタ、案内するってそこしか知らないんじゃないの? 芸が無いったらありゃしない」
「サブリナ殿はサブリナ殿でハンバーガーばかりの食生活やめるでごげるふぅ」
 ……口に何か突っ込まれて強制的に黙らされる似非ニンジャはさておき。
 手を振る彼らに見送られれば、邪神の脅威など小さな出来事にも思えた。

 この街にはヒーローがいる。少々の揉め事なら彼らが解決してくれるだろう。
 そして彼らの力だけでは乗り越えられぬ事も、どうにかなると信じられる。
 街に住む者とのささやかな縁――温かいほとぼりを胸に、キミ達は街を後にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月19日


挿絵イラスト