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そして死に往くレゾンデートル

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●血で補う存在意義
「ああ、皆地に伏した」
「否、私たちが殺した」
 遺体の山の中で人影が――その手の中にある二つのオブリビオンは言う。

 一振りの刀は私が切り伏せたと。
 一丁の銃は私が撃ち殺したと。

 そしてまた死ねなかったと、二人は言う。

「だから行こう」
「なれば行こう」
「「強者を求めて」」

 陽炎のように虚ろな持ち手を動かして、再びさまよい始める。

 血の臭いを探して。その存在意義にしたがって、強者を探して。

●変わらなかった者の為に
「殺しをすることによって自らを強者だと示し、それを存在意義とする……そんな存在が、今回の相手です」
 呼び出した猟兵たちにイルリカ・プリュミエ(陽だまりの花・f03743)はそう言いながら説明を始めていく。
「鬼銃葬者――今回のターゲットのシルエットは端的に言えば鬼の面をかぶった人……なのですが本体は両手に持っている刀と銃。この二つがそれぞれ独立したオブリビオンになっています」
 こんな感じに、とスケッチに描いたそれを見せながらイルリカは続ける。
「神出鬼没な上に、非常に戦闘能力が強いです。これまでに村がひとつ消え、武家が三つ崩壊し、挙句の果てには多数のオブリビオンも切り捨てられています」
 調べられた範囲で、このデータ。縦横無尽、そして何も見境がない殺戮の記録だった。
「これを踏まえて、皆さんにお願いします。この凶行を――そんな存在意義は今、許されるべきでないことだと叩きつけてください」

「かの者の目的は強いものと戦い、それを殺すこと……それを利用してやつをおびき寄せます」
 改めて、とモニターを使って作戦の概要の説明を始める。
「まず皆さんにはとある村の異教について調べてもらいます。そこで異教徒――オブリビオンを炙り出してそれを撃破。その戦いの臭いに引かれてやってきた鬼銃葬者と戦っていただいてこれを打ち倒す……という流れになっています。やること自体は単純、ですがどうしても連戦になってしまいます。いくら真の姿になれば傷が塞がるからといっても無茶は禁物です」
 大体の概要を話し終えて一息つく。自分の仕事はひと段落。あとは、現地へと向かう猟兵の領分だ。
「厳しい戦いになると思います。……ですが、皆さんならきっと勝てると信じています」
 予知と共に見た死体の山、そこから連想させられるいやな予感もある。
 ――それでも務めなければいけないことがあると、イルリカは顔を上げる。
「……私が力になれるのはここまで。皆さんのご武運をお祈りします」

 死地へと、彼女は猟兵たちを送り出す。


しゅみる
 ゆえ氏です。始めましての方も過去別の作品に参加してくださった方もどうぞよろしくお願いします。今回は一杯傷つきながらがんばっていただこうと思います。

 今回は判定厳しめで進行していきます。三章のボス戦は特に厳しくしていきたいと思っているのでよろしくお願いします。
 また、それに伴いダメージも相応に受けていただきます。苦戦ともなれば口から血を吐いたり、おなかに穴が開いたりとしていくと思われますのでご了承の上ご参加ください。

 最後に立っているのはオブリビオンか猟兵か。その鬼に注ぐのは血か、それ以外の何かか……それでは参りましょう。
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第1章 冒険 『偽神退治』

POW   :    自身の力をアピールし村人達を説得する

SPD   :    儀式の場に調査に行く

WIZ   :    神様について情報収集を行う

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鍋島・小百合子
WIZ重視:神についての情報収集

鬼のような殺戮者か…話に聞くだけであまり相手にしとうはないな
じゃが野放しにはできん

「郷に入っては郷に従えとな。今がまさにそうじゃ」
村人に扮し村内にて情報の収集
村人と会話する際に懐に入れた十字架を少し見せ、それについて何らかの反応があった場合はコミュ力を駆使しつつ聞き込み
「信ずる主はここにお出でになるか」「お出でになった場合にどのような儀式を行うか」「儀式はいつ頃に行けばよいのか」を重点的に聞き出す
有力な情報が得られたらその相手の手を握り(手をつなぐ・パフォーマンス併用)感謝の意を表す
「(異教の信徒はこうも甘いものなのじゃな…)」
得られた情報は他の猟兵達と共有す



 ピクリと動く男の眉を彼女、鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は見落とさない。
「――信ずる主はここにお出でになるか」
 よそ者が、そう突っぱねていた一人の村人の表情がとたんに困惑したものへと変わる。
 なぜ知っている? なぜここに来た? そんな言葉にせずとも物語る表情から情報を得て、彼女はやわらかく笑い言葉をつむぐ。
「ああ、よかった……死んだ姉の言伝を頼りにここまで来た甲斐があった」
 ぎゅっと十字架を握り締め、小百合子は男を見上げる。その頬は、わずかに朱に染まっていて。
「わらわは主の知識は姉から聞いただけで余りありませぬ。ですが主がすばらしいお方であることは知っております……何でもいたします。ですからどうか、亡き姉のためにもお手伝いさせていただけないじゃろうか?」
 男との距離をつめて手をとって、彼女は目を潤ませながら懇願する。その効果は抜群で男は赤らめた顔をそらしながら不器用に頷いた。
「ああ、判ったいいだろう。……だがここでは目立つ。俺の家に行こう」
 その答えを聞いて、彼女は花開くように笑い、感謝の意をこめて手を一段と強く握る。うれしさが溢れたかのようなそんな動作にまた男は心動かされながらも、異端の情報が詰まった我が家へと先導していく。

(異教の信徒はこうも甘いものなのじゃな……)

 ――そんな小百合子の裏の愉悦を、見抜けないままに。

成功 🔵​🔵​🔴​

アララギ・イチイ


うふふふ、話を聞く限り、なかなか強敵ねぇ
楽しみだわぁ……さて、さっさと撒き餌の用意しないとねぇ

【学習術:付け焼き刃】を使用するわぁ
対象は【怪力】を3回とも指定、技能ブーストしておくわぁ(説得中に効果が損失しない様に注意

その状態で村人を如何に自分が強いか説得してみるわぁ
口だけじゃ駄目だろうから、その辺りの樹木など(重そうな物ならOK)【怪力】を使用して引っこ抜いたり、砕いたり、などの見える行動もしてみようかしらぁ

説得には【コミュ力】を使用、相手の表情や声音などを【情報分析・聞き耳】で読み取って、【恫喝】もしくは【誘惑】など、その状況で効果のありそうな技能を使用よぉ


花盛・乙女
★POW

強き者を求める。戦人の真髄は悪に堕ちれば形が変わる。
…情けをかける気はないが、引導を渡してやらねばならん。
なればこの花盛乙女も立たずにいる理由がないな。

先ずは私の武勇を示す必要があるということか。
刀を打ち合うことが一番とは思うが…猟兵相手でもなければ話にならん。
巨岩でもあれば「怪力」で砕くなり、動かすなりしてやろう。

その上で…そうさな、組み手と参ろうか。
剣士であるが私は柔技(「グラップル」)も自信がある。
腕自慢がいるのなら百人でもかかってくるがいい!
私を倒せば褒賞はそうさな、金子をいくらでもくれてやろう。

だが私は生憎、男は大の苦手なのだ。
かかってきて、怪我をしたとて責任はとらんぞ。



「あらあら、この程度のものしかないのかしらぁ? 簡単すぎて退屈しちゃうわぁ」
「次! 誰でもどこからでもかかってくるといい!」
 村の中心では二人の女性が、共に催し物を開いていた。

 いわく、龍の因子を持つ赤髪の女性は偉く怪力で持ち上げられぬものはない。
 いわく、隠れ里で長く修行した羅刹の彼女を組み伏せられるものはいない。

 これを偽りだと証明できれば一生困らないほど金子を与える――そんな看板を携えてアララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)と花盛・乙女(誇り咲き舞う乙女花・f00399)はそれぞれその力を遺憾となく発揮していた。

「あら、重そうなお神輿ねぇ。でも使われてなくてほこりをかぶってるわ。もったいないわねぇ」
 複数の村人が担いで持ってきた神輿をひょいと持ち上げてじっくりと観察しながらそんなことをアララギはぼやく。対して村人は苦労して眠っていたものを持ってきたというのに、労力が無駄になってしまったことにただ驚くだけ。圧倒的な差を見せ付けられて唖然としていた。

「男ばかりぞろぞろと……そんなに組み伏せ下に置きたいのか? お前たちは……っ!!」
 対して乙女も負けてはいない。村の腕自慢の複数の男たちを前に大立ち回りつかんでは投げ飛ばし、つかんでは投げ飛ばし……男性嫌いだからこそ効果を発揮するユーベルコードを駆使しながら周囲から能動的に触れさせることをさせずに圧倒していく。

 ――そんなこんなで、数刻もたてば雑多な物と疲労で倒れた村の男たちがあたりを埋め尽くしていた。
「あらあら、終わってしまいましたねぇ……ここにいては埒の明かないようですし移動しましょうか」
「ああ、そうだな。さてはてどこに移動しようか……力仕事をしているようなやつが多い場所がいいな」
「そうねぇ。おもたぁーい資材があるような、そんな現場がいいわねぇ」
 白旗を揚げる村人たちの前でそんなのんびりと話している二人に、大人の合間を縫って駆け寄る子供が、一人。
「力持ちのねーちゃんとぶん投げるねーちゃん、それだったらとっておきの場所があるぜ!」
 二人の勇姿を見て興奮しているのか、まくし立てるように男の子は続ける。
「オレはなんだかよくわかんねーけど村のはずれで、村の何人かと外から来たやつと一緒になってなんかつくってんだ! 外からいろんなものが来てるって言うから重いものやつえーひとがいたりするんじゃないかな!」
 思わぬ情報に、二人は目を見合わせてながらも答える。
「うふふふふ、それはいいことを聴いたわねぇ?」
「ええ、ではそちらのほうへ参りましょう」
 男の子に場所を聞いて、御礼を言って移動してする。村人たちに、荒事を任せてもらえるようにとはじめたパフォーマンス。それが意外な形で実を結んでできた情報の元へ、二人は歩みを進めていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

石動・レイン
「さてと、久々のフィールドワークと洒落込もうカ」
まずは第六感、世界知識、情報収集を駆使して儀式場に怪しいところがないか調べていく

「先に別のオブリビオンが出てくるとかいう話だったカナ?それはともかく人の身体を操る類ならヒーローマスクに近い特性ダネ。非常に興味深い、ゾクゾクするヨ」
1人悦に浸りながら調査していく。タブレット端末で検索しつつ世界知識と照らしあわせておかしなところがあれば特に重点的に

「さてさて、期待外れとなることがなければいいんだがネ。これも私の好奇心を満たすため、尊い犠牲となってもらおうカ」


シキ・ジルモント

SPD
儀式の場に直接向かい調査する

鬼銃葬者、か
存在意義の証明手段が何かを殺す事しかないとは、難儀な事だな
…まぁいい、まずは異教の対処だ
ここにもオブリビオンは居る、鬼銃葬者の件がなくても放置はできない

仲間の調査結果も参考に自分の目でも『目立たない』よう『情報収集』を行い、道具や贄等の儀式に必要な物を特定する
見つけたら儀式を行えないよう妨害する為に奪取や破壊を試みる
儀式場に異常が発生すれば、察知したオブリビオンを引っ張り出せるかもしれない

常に『聞き耳』を立て周囲を警戒
ユーベルコードの効果も併せて危険を察知し、反応・対処できるよう構える
村人に危害は一切加えない
もし村人に危険が及ぶ場合は守りに回る



「これはなかなカ……」
「ああ、なんというか……」
「「お粗末なものだ」ネ……」

 人が投げ飛ばされていく悲鳴の傍ら、双眼鏡を使って祭儀場になると思われる広場を覗き込む影が二つあった。
「見たことのあるパターンもあるけど欲張って組み合わせてるのかひどく歪でぐちゃぐちゃダ……あれじゃあ呼べるものも呼べないネ」
 祭儀場をスケッチしながらそんな見解を述べるのは石動・レイン(刹那的快楽主義者・f03930)だ。最初はほかでは見ない文様が刻まれているその場所に興味を示していたが、ただの素人仕事だと気がついてがっくりと肩を落とす。

「だがただの素人仕事としては用いてる資材の質、量と共に異常だな……どこから仕入れてくるんだあれは」
 中途半端な仕事に、完璧な――むしろ過剰といってもいい資材の量にシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は疑問の声を上げる。裏に何かある……そう感じさせる要素もそこには存在していた。
「そうかネ? 案外こういうものは金持ちの道楽だったりするものだヨ?」
「それだけの資本がある団体、または個人がオブリビオンに協力している……それはそれで問題だろう。そいつも、オブリビオンかもしれないしな」
「まあ、たしかにネ」
 そんな会話の後にさて、とシキは腰を上げる。
「おや、もう行くのかネ?」
「ああ、ここにいてもあまりできることはなさそうだからな。祭儀上に乗りこんで工作をする。どの道、オブリビオンを引きずり出さなきゃならないからな。……あんたはどうする?」
 そんな問いにレインはしばし諮詢し、答える。
「私はここに残るヨ。本当に何の問題もないかもう少し調べてみるつもりだヨ……それに、ターゲットの考察もしたいしネ」
 スケッチと祭儀場をまた改めて見直しながらレインは答える。
「ここにもオブリビオンは居る、鬼銃葬者の件がなくても放置はできない……未来に思考を飛ばしすぎて目の前のことをないがしろにしないでくれよ?」
「ああ、わかってるヨ」
 そんな問答を経て、シキは行動を始める。ひっそりと茂みに潜みながら祭儀場へ。見事な隠密でその場へと溶け込んでいった。
「さてさてこちらの結果が結果だったからネ……期待外れとなることがなければいいんだが。これも私の好奇心を満たすため、尊い犠牲となってもらおうカ」
 そんな事態が動き始めた背景をよそに、レインはこれからの仇敵に好奇心を膨らませて、心躍らせて笑っていた――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ガルディエ・ワールレイド
本来なら村に潜伏するオブリビオン集団ってだけで十分厄介な案件の筈なんだが、それが本命の餌扱いとはな。
今回はマジでヤバそうだ。気を引き締めねぇとな。

【POW】
異教について「ここだけの話」とした上で村人に聞いて回るぜ。
普通に情報を入手出来れば良いし、俺の噂が出回って囮になる形でもOKという方針だ。

情報収集時、この村にいる異教徒は単独だと思っている風に装う(油断させるため)
「俺は最近起こっている怪事件を調べている者だ。その犯人がこの辺りに潜伏しており、どうも特殊な教えを信じているらしいと掴めた。何かしら変わった人物に心当たりがねぇだろうか」

また後の戦闘や一般人避難の事も考えて村の地形や家屋配置も確認



「ああ、ここだけの話なんだが――」
 そう切り出すのはもう何回目か。ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)はそんなことを考えながらも村人への聞き込みを続ける。
「俺は最近起こっている怪事件を調べている者だ。その犯人がこの辺りに潜伏しており、どうも特殊な教えを信じているらしいと掴めた。何かしら変わった人物に心当たりがねぇだろうか」
 だがその結果は芳しくない。たいていは首を横に振られるかあからさまなジョークを教えられるだけだ。
「ああ、そうか。いや、ありがとう。俺はこれで失礼する」
 今回も空振り。力になれないと首を横に振られて、日常に戻っていく住人を見送っていく。
(――だがこの聞き込みも完全に空振りに終わってるってわけじゃなさそうだ)
 ほんの少しの意識を自身の後方へと向ける。姿は見えない、だがしかし明らかに先ほどからつけられている、そんな気配があった。
(これでほかのやつが動きやすくなればいいんだが)
 細心の注意を払いながらも、ガルディエはその聞き込みを続ける。『妙な聞き込みを続けるやつ』として異教徒たちに徐々に目をつけられながら……

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシス・アルトマイア

血の臭いが好き、戦いが好き……。
むう、困った方ですね。
右手と左手で戦ってくだされば、一つ分の始末で済むというのに。

無い物ねだりをしても仕方ありませんね、
それではさくさくと異教徒さんを探しに行きましょう。

儀式の場を探るため、変装して潜入して、
情報収集と参りましょう
こっそり聞き耳をたてたり、物知りな村人さんを誉めて差し上げたり致しましょう。

いつ出てくるか、時間は決まっているのか……。
周りの地理も調べておくと、戦闘の際の地形の利用に有用かもしれません。

ええ、まずは目の前のことから一つずつ。
油断せずに十全に、オブリビオン退治を始めましょう



 巧みな言葉遣いと演技で村人を誘惑するその横で。
 大道芸のように村の中心で辺りを賑わすその横で。
 祭儀場を見て残念に思っているその横で。
 一人、追跡者を引っ張り回しながら情報を集めるその横で。

「むう、困った方ですね。右手と左手で戦ってくだされば、一つ分の始末で済むというのに」
 そうであればこの仮定も踏まなくても良いのに。あたりに聞こえないほどの声でアレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)はそんなことをぼやきながら村のなかを歩いていた。
「無い物ねだりをしても仕方ありませんね、それではさくさくと異教徒さんを探しに行きましょう」
 比較的時間のありそうな人を見かけてやんわりと聞いて回る。
「すごいですねーなんでも知ってるんですねーあこがれちゃうなー」
 話してくれた人が楽しくなれるように誉めてほめて、ゆっくりと時間をかけて話せていくことで少しずつであるが情報を集めていく。
「なるほど、現場の肉体労働はそとから来た人たちがやってて、村の人たちは装飾の手伝いをしてるんですね? わっ、このレリーフとっても綺麗!」
 そんな会話のなかで村の技術力に驚きつつも、その情報を集めてく。聞けるのはほとんどすでに共有されたものばかりだったが、1つだけ他の人が知り得なかった情報を集めていく。
(この人は黒、ですね)
 それは相手が恐らくオブリビオンかどうか。会話の内容、そしてこの村独特の訛りに気づいたアレクシスは村人かそうでないかを分け、記憶していく。
(どうやら祭儀場付近に異端者の住居は集中しているようですね。これなら村人に被害を出さないように戦うことが可能でしょうかね……?)
 そんなことを考えつつもアレクシスはずんずん移動していく。村の外れの、祭儀上付近へ。
「恐らくそろそろ頃合い……猟兵に気づいたオブリビオンが動くでしょうかね」
 呟きながらも戦闘準備。情報を共有し、出方を待つ状態へ。
「ええ、まずは目の前のことから一つずつ。油断せずに十全に、オブリビオン退治を始めましょう」
 ――今、この村で最初の火蓋が切って落とされようとしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『切支丹女武者』

POW   :    鉄砲三段
【鉄砲の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    部位狙撃
【鉄砲】から【トリモチ弾】を放ち、【手や足を狙う事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    聖母の慈悲
【聖母に捧げる祈り】を聞いて共感した対象全てを治療する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「外から来た奴等は?」
「やはり祭儀場に探りをいれているらしい」
「そうか……であれば迎え撃つ他無いな」
 会話が締め切った暗い室内に響く。そのなかで数人がそれに反応し頷くだろう。
「やはり猟兵の対応は速いな……もう少し稼げると思ったんだが」
「まあ仕方ないっしょ? で、作戦は?」
 軽い返しに一人が頭を傾げる。数秒思考を巡らせたのちに口を開くだろう。
「祭儀場に気があるというならそこを中心に戦おう。基本をスリーマンセルにし、索敵。接敵次第攻撃を仕掛ける」
「村に居座ってる猟兵は?」
「騒ぎに誘われて祭儀場に行くか、いつかは索敵に引っ掛かって戦闘になるだろう」
 そんな効率の悪いことすれば猟兵の有利なんじゃ? そんな思考が生まれた一人は意図を読み取るためにまた考え込む。
「――ああ、なるほど。コレ戦力分担逐次投入広域索敵のためのスリーマンセルか。愚策だねぇ」
 そう言いながらも軽く微笑む。本来大切な戦力を雑に扱う理由。そんなことはひとつしかない。
「戦闘の混乱に乗じて我々は離脱する。追いかけてきても相手にするなよ。時間の無駄だ」
 会話のなかで行われた説明で皆頷きながら、作戦実行のために各自伝令を送っていく。
「祭儀場に興味があるということは、やつらの目的は我々ではないはずだ……無駄死にするなよ?」
「「「了解!」」」

 ――影に潜む者の手で、事態がゆっくりと動いていく。
アララギ・イチイ
堂々と探りを入れたのだから敵は気付いているでしょうぅ
逃走か、迎撃か、どっちかしらぁ?

【召喚・群狼戦術】を使用、狼達を呼び出して【動物と話す】技能で5匹1組で行動、祭儀場の周囲に向かわせて、武装している敵を見つけたら【地形を利用】して奇襲を仕掛けて攻撃する様に指示しておくわぁ

私は羅刹紋の効果で飛行、【迷彩】の技能で隠れながら祭儀場の上空に侵入よぉ
【武器改造】の技能で砲身+砲機関部+動力炉を合体させて運用するわぁ(名称:重魔力砲
動力炉を【全力魔法】で稼動させて、発生した魔力を【チャージ(力溜め)】、砲身から【スナイパー】の技能で発射、祭儀場の敵に叩き込むわぁ

敵の攻撃はシールドビットで【盾受け】ねぇ



「さあ、五匹一組よぉ。数には数を……暴れていらっしゃいねぇ」
 アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)は狼の群れを召喚し、指示を出す。奇襲を持ってすれば一瞬で数対のオブリビオンを倒せる戦力を順次解き放っていく。
「下準備はこれで……私も行きましょうかぁ」
 狼が行動に入ったのを見て彼女のまた動き出す。ふわり、浮かび上がり位置として優位な上空へと飛び立っていく。

「――このあたりで大丈夫かしらぁ」
 飛び立ってからの彼女の行動は早い。祭儀場の上空へ、迷彩によってカモフラージュしながら移動する。これだけ距離があればまず見つからないと踏んで堂々と移動していた。
「それじゃあはじめましょうかぁ」
 実際その予想は正しかった。各地で猟兵とオブリビオンの小競り合いが起こっていることもあってこの位置――砲撃位置まですんなりと入ることができた。
「動力炉開放、チャージ開始……目標祭儀場北東のオブリビオンよぉ」
 銃口がエネルギーの収束によって怪しく光る。動力炉と砲とを連結して放つ重力砲。オーバーキルとも思われるその火力を、敵へと向ける。
「――ファイァ」
 引き金を引けば、溜め込まれた光は、破壊を振りまくものとして一気に降り注ぐ。多数のオブリビオンを焼きながら祭儀場の一角に小さなクレーターを作っていくだろう。
「んー……っとぉ!?」
 その結果を観測しようとした彼女に、銃弾が降り注ぐ。備えていたシールドビットのおかげもあってその一撃は防ぐことはできた……が、オブリビオンの反撃はそれだけでは終わらない。
「多角からの波状攻撃、これはイラつくわぁ……」
 気づいたものが気づいただけ撃ってくる。そんな現状にうんざりしながらも回避運動、そしてビットでの防御を続けていく。
「んん、想像以上に敵の被害が少ないわねぇ……散らばりすぎよぉ」
 一定の戦果が認められた――が、果たしてその労力に見合ったものかどうかといわれればノーといわざるを得ない現状であった。ピンポイントの攻撃は戦力を拡散しきった今のやつらには効果が薄い。
「二発目は……だめねぇ。出力が上がりきらないわぁ。一度引くしかなさそうねぇ」
 的になり始めた現状に歯噛みしながらも、アララギはその場を離脱していく――

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シキ・ジルモント

SPD

異教徒の親玉ではなさそうだが、こいつらと戦っていれば目的のオブリビオンをおびき寄せられるだろう
手当たり次第殲滅する
包囲されないよう立ち回り、一体ずつ確実に減らしたい

敵の動きと銃口の向きからトリモチ弾の発射方向とタイミングを『見切り』、ユーベルコードで撃ち落とす(『スナイパー』)
トリモチ弾を防いで怯ませた隙に頭等、装甲の薄い部分を再度のユーベルコードで狙い撃つ

しかし、妙だ
祭儀場への被害を気にする様子が無い
敢えてここで戦おうとしているようにも見える

念の為『聞き耳』での警戒続行、異変があれば『目立たない』よう『追跡』し確認
何か見つけても深追いはしないが、『情報収集』くらいは出来るかもしれない



 祭儀場を囲む木々にまぎれながらシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は銃弾を放つ。それは吸い込まれるかのように相手の銃へと届き、砕いていく。
「三つ――」
 その奇襲に驚く顔に、さらに銃弾を叩き込む。サプレッサーによって限りなく消音された銃声を響かせて、的確に額を貫いていく。
「戦力が分散されていて助かるな」
 脅威が骸となったのを確認しながら手早くリロードを始める。気づかれてはいないか、周囲を見渡しながら手早く、正確に。
「順調ではあるが……しかし、妙だ。やつらは祭儀場の被害が怖くないのか?」
 最も守らなければいけないはずの場所に集合し、そしてその場所を中心に戦う。あたかも守るものはほかにあると言う様な、もしくはこの場所にそもそも意味がないというような。暗殺者のように姿を隠し、順次撃破してきたシキは相手の様子を見て疑問が浮かぶばかりであった。
「……悩んでいても仕方ない、か。警戒だけは怠らないようにしないとな」
 聞き耳による索敵により一層の力を入れながら彼は進む。相手の物量に押しつぶされないように慎重に。接敵すれば、反撃の余地がないほどに迅速に。小分けにされた戦力を丁寧につぶしていく。
「……」
 ――その内容に確実な違和感を覚えながらも、なすべきことのためにと銃をかざし、彼は進んでいく。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシス・アルトマイア

ええ、逃げる相手に深追いはしませんが……
罠にかかった相手ならば、その限りではありません

既に祭儀場付近の地理は把握して、鋼糸の罠も巡らせてあります。
この瞳で見渡せる限り、逃げられるなんて希望は、持たないことです
ああ、良かった。彼らの潜伏が不完全で。
お蔭で村の方にはご迷惑をかけずに済みます。
と、ホッとします

援護射撃に、二回攻撃に、暗殺に
全力を持って後顧の憂いを絶ちましょう

敵の銃撃はその長い銃身を撃ち払うことで狙いを外させましょう
トリモチ弾を撃ち落とすのも良いですね

仲間の皆さんと連携して、油断なく参りましょう
次が本番とはいえ…気を抜いて怪我でもすれば大変です

戦いを終えた後
すぐに本命への警戒をします


石動・レイン
ウン?なんかこそこそ逃げてる輩がいるようダネ?まあ目的じゃないしあちらさんはとりあえず放っておくとしようカ、面倒ごとなら明日の自分に投げるに限るネ!
双眼鏡を手にいろいろと観察を続行して敵の行動に気づく。可能な限り接敵は避けて行動。なんたってこちとら貧弱猟兵ですし?第六感で敵のいそうな場所は避けて通るがどうしようもない場合は紅烏を抜いて戦う。攻撃は残像で回避か武器受け、オーラ防御で防ぐ。傷口を抉る、呪詛に生命力吸収の効果を刃に上乗せして自分を治しながら相手を弱体化させながらちょっとずつでも削っていく戦法。

卑怯とでも何とでもいいたまエ。こうでもしないととてもじゃないが勝てないんデネ。



「既に祭儀場付近の地理は把握して、鋼糸の罠も巡らせてあります。この瞳で見渡せる限り、逃げられるなんて希望は、持たないことです」
 罠に絡め取られたオブリビオンを前に、アレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)は囁く。自らの作戦が上手く進んでいることに安堵しながら、鋼糸を揺らして。
「ああ、良かった。彼らの潜伏が不完全で。お蔭で村の方にはご迷惑をかけずに済みます」
 切り裂いて、切り裂いて、安堵の笑みを漏らす。
「さあ、次です。本命が来る前に……全力を持って後顧の憂いを絶ちましょう」
 罠を張りなおして次だと進む。関係ない者を巻き込むわけにはいかないのだとその責務を胸に刻みながら。

「三人一緒で中のいいこと……相手の行動の最小単位、何ですかね?」
 罠が張り巡らされている祭儀場の外周を移動してまたも罠にかかっている敵を見つけてアレクシスはそうつぶやく。敵の行動が把握できればずいぶん楽ができるな、そう考えながら処断しようとした、その瞬間。
「隙あり!!」
 突如、陰に隠れていた三人の女武者が手に持つ銃を構える。
「ッ――」
 罠にかかったものに気を取られて数瞬アレクシスは考え込む。何が最善か。最もダメージが少なくすむのは? 増援を呼ばれる前に仕留める方法は? そう考えながらも最善を求めて動こうと、一歩踏む出していく。

「お取り込み中失礼するヨ」

 そんな中に一振りの刀を持った男が参戦する。不意打ちへの不意打ち。すばやく舞い込んで銃を持つ手を、銃を持つ相手を切り裂いていく。
「やっぱり倒しきれないネ。追撃頼むヨ?」
「ええ、もちろん」
 それが限界だと嘯くように言う石動・レイン(刹那的快楽主義者・f03930)の登場に驚きながらもアレクシスはその足を止めない。ひとたび踏み込み、飛び込めば、その体は瞬時に敵の後ろに転移して。
「――お休みなさい、良い夢を」
 抱きかかえるような動作で、慈しむ様な所作で自らの鋼糸を展開する。包み込むように展開されるそれは、避けるすべもなく非常にオブリビオンを切り裂いて。
「本番はまだ先……怪我がなくてよかったです。ありがとうございます」
「どういたしまして。まぁ私もこのトラップを利用させてもらってるからネ。お互い様だヨ」
 鋼糸を揺らしながら罠にかかっていたオブリビオンを処断しながら、かたやそんな様子を興味深そうに見ながら話していく。
「なんたってこちとら貧弱猟兵ですし? こういうトラップは助かるヨ」
「あの身のこなしを見ればそうとは思えませんが……あ、よければ一緒にトラップ巡りしませんか? まだまだ一杯かかってると思うので」
 そんなアレクシスの提案に、レインは頷いて。
「そうだネ、祭儀場の術式について長話したいところだけどそれはまた後だネ。最後まできっちり終わらせようカ」
 リスクを少なくしたい彼女と彼。利害が一致した二人はコンビを組んで、また次のポイントへと向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花盛・乙女


話を頼りに来てみれば鉄砲を抱えた女武者に当たるとはな。
貴様らは首魁ではあるまい、楽に死にたければ道を開けろ。
開けぬのならば…羅刹女の恐怖を浴びて骸の海へと帰るがいい。

時たま猟兵の間でも話題に上がるな。
刀と鉄砲、果たしてどちらが優れた得物か。
貴様らは数もあれば距離もあり、有利に思うかもしれん。ゆえに鉄砲が優れている、ともな。
だが、この花盛乙女が真実を教えてやろう。

花盛流【鬼吹雪】
目視全てが間合いとなる私の剣技。
鉄棒の弾も、鉄砲も、そして貴様らも全て斬り晴らす羅刹の剣。
花の吹雪の如く、悉くを骸の海へと帰そう。

得物などで利合が変わることはない。
振るう者の心、そして鍛錬こそが最も優れた武器なのだ。


ガルディエ・ワールレイド

まぁそれぞれに思惑が有るだろうさ
俺は猟兵として騎士として、オブリビオンを討つのみだ!

◆行動
村から離れた後に追跡者へ仕掛けるぜ(いないなら祭儀場)

【存在証明】を状態異常力重視で行使
赤い雷を武器に纏わせる(《マヒ攻撃》)

武装は《怪力》《2回攻撃》を活かすハルバード長剣の二刀流
複数体が間合いに入れば《なぎ払い》
敵を潰せそうな時は急所への《串刺し》で確実にトドメを刺すぜ

逃げる奴は最優先対処
「逃がさねぇよ!」
《念動力》で脚部を狙って妨害しつつ《全力魔法》《マヒ攻撃》を持つ赤い雷の奔流で攻撃

【鉄砲三段】対策
急所への弾丸だけ《武器受け》で弾く
あとは鎧と《オーラ防御》に任せ《ダッシュ》で詰め《捨て身の一撃》



「森は任せてこちらに来て見たが鉄砲を抱えた女武者ばかり……敵の首魁はどこへやら、だな」
 祭儀場へと足を踏み入れた花盛・乙女(誇り咲き舞う乙女花・f00399)はため息をつきながらあたりを見渡す。不可解な準備、姿の見えない指揮官……ずざんなものだと呟いて。
「まあいい、貴様らと戦えば目的は達成できる。――今ここで逃げぬのならば、羅刹女の恐怖を浴びて骸の海へと帰るがいい」
 刀を抜き、殺気を放つ。あまりにも堂々と現れていた乙女に驚いていたものたちも状況を理解し銃を構えるだろう。
「時たま猟兵の間でも話題に上がるな。刀と鉄砲、果たしてどちらが優れた得物か。貴様らは数もあれば距離もあり、有利に思うかもしれん。ゆえに鉄砲が優れている、ともな」
 相手の構えに答えるように呟きながら、乙女は駆け出す。
「――では、この花盛乙女が真実を教えてやろう」
 その速度が、捕らえきれないほどまでに加速するのにさほど時間はかからない。あっという間に銃弾を置き去るかのような速度で肉薄し、無数の剣閃で血の花を咲かせていく。
「得物などで利合が変わることはない。振るう者の心、そして鍛錬こそが最も優れた武器なのだ」
 銃撃の隙間、静寂が訪れたその瞬間に乙女は言う。それに対しオブリビオンたちは危機感を抱きながらも――否、その戦闘力に危機感を抱き、また銃を向けるだけで。
「聞こえてもいないか、それとも一対多の状況に酔っているか……どちらにしよ救いようもない」
 銃撃を斬撃によって弾きながら、その視線を引きながら彼女は言う。
「――いつ私がひとりでここに来たと思っていた?」
 その呟きは銃声に遮られて届かないだろう。その代わりに、身をもってオブリビオンたちは知ることになる。
「さあ、はじめようか。この俺の意思を持っての、存在証明を!」
 陣を取る相手に戦斧によるなぎ払いが行われる。ユーベルコードによって強化された肉体によって放たれるそれは、あっさりとオブリビオンの体を両断していく。
「こいつらも一枚岩、とはいかねーみたいだな……まあいい。俺は猟兵として騎士として、オブリビオンを討つのみだ」
 ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は自らのハルバードについた血を払いながらも次の相手へと向かう。その先では銃をガルディエへと向けなおすが――
「そんな豆鉄砲利くかよ!」
 その鎧と肉体、そして武器によって弾きながら突き進む。避けられないなら受ければいい。そう割り切った、大胆な行動。
「間合いが甘めぇな! この距離は、届くんだよォ!」
 つめられていく間合い、その中でできた隙をガルディエは見逃さない。ハルバードの槍としての一撃を加え相手を崩し、逆の手にもつ長剣による一撃で屠っていく。
「さぁってと、相手は後どんくらいだ?」
「全体の半分もいないでしょうね。森に入ったオブリビオンは壊滅状態でしょうし」
 また一部隊つぶして駆けて来た乙女がガルディエの疑問に答える。
「そんじゃぁともかくここのやつらをぶっ飛ばせばオーケーってことか。――じゃあまあやりますか!」
「ええ、二人で背中を預けあえば死角はなし。花の吹雪の如く、私の剣を持って悉くを骸の海へと帰しましょう」
「頼もしいこった。俺も気合入れていこうか!」
 森を背に、二人の猟兵はオブリビオンへと向き直る。積み上げてきた技と心。その二つをもって彼らは圧倒していく――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
POW重視:切支丹女武者の鎮圧

切支丹を偽るのも大変じゃったが意外にもすんなり教えてもろうたのう
…それもそのはずか。急に村中がよそよそしくなり始めてきたのじゃからな

「敵の裏をかくにはどうすればよいかの…」
一旦村から出て早着替えにて戦装束に身を包み武装
忍び足と目立たない併用にて身を隠しつつ、視力と暗視で村の外へ離脱しようとする敵を索敵
敵を発見でき次第長弓で狙撃、スナイパー・目潰しの合わせで相手の視力を奪う
狙撃後同じ場所に留まらないようにその場から移動しながら再度狙撃
敵の発砲からの弾込めの隙を狙ってユーベルコード「鍋島流武芸術」発動
薙刀に持ち替えなぎ払いと鎧砕きを合わせて敵陣を斬り捨てていく



「切支丹を偽るのも大変じゃったが意外にもすんなり教えてもろうたのう……それもそのはずか。急に村中がそうぞうしくなり始めてきたのじゃからな」
 村を抜け出して、戦装束に着替えた鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は森の中に潜みながらそう呟く。視線の先にはその原因の半分となるオブリビオンたちが周囲を警戒しながら情報を交換していた。その数は六人。距離はかなりのもので、豆粒のように小さく見えるが小百合子の目はしっかりと敵を捉えていた。
「さて、仕掛けるかのぅ」
 背中に携えていた長弓を手にとって、引き絞る。張り詰めた弓、その先にある獲物の姿をしっかりと見据えて。
「――まず、ひとつ」
 震える弦を手放せば、矢は風を切りながら駆けていく。相手の命を奪うのに、さほど時間はかからない。
「次」
 移動して射線をすこしずらしながらもう一射。奇襲に驚く一人の腿に刺さり。行動を不能に。
「わらわが見えたか。じゃがのう」
 三射目。射程外の相手を笑うかのように飛翔した矢は頭を貫く。あっという間に半分まで数の減らされたオブリビオンたちは悪態つきながらも、その距離をつめていくだろう。
「おっと、それはだめじゃ」
 射角の外へと逃げようと大きく横に動いた敵を咎めるように四射目を放つ。肩へと大きく深く刺さり、矢は敵を押し倒して。

 ――そんな命中の次の瞬間、発砲音を聞いて小百合子は姿勢を下げる。射程に捕らえられた状況。そう理解して茂みを縫うように、今度は自分からその距離をつめ始め。
「威力は高かれど、誰にでも扱えるといえど、その弾込めの時間があるのは不便じゃのう?」
 一気に肉薄した小百合子は薙刀へと持ち替えて相手へと振るう。鎧をも貫く豪胆な一撃。さらには長柄の特長を生かす払いによって、立つ者を一振りで地面へと叩き伏せていく。
「――覚えて逝くが良い。我の会得せし武の神髄を」
 圧倒的な差を見せ付けてねじ伏せた者たちを見ながら、薙刀についた血を振り払う。気高く武を振るうその姿には、静寂が答えていくだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『鬼銃葬者』

POW   :    鉄刀鉄火(てっとうてつび)
【呪いの炎を纏った刀による斬撃】が命中した対象を燃やす。放たれた【呪いの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    銃王無刃(じゅうおうむじん)
自身が装備する【銃から放たれた呪いの銃弾を】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    渇殺自罪(かっさつじざい)
【刀と銃】から【悪鬼羅刹の闘気】を放ち、【恐怖】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は麻生・大地です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ああ、ここか」
「そう、これが」
 刀を振り下ろす。銃を放つ。祭儀場、その周辺殺しそこなったオブリビオンのことごとくを地に伏せさせながら歩み、開けた祭儀場へと訪れる人影がひとつ。
「いい力だ」
「いい技だ」
「「それでは手合わせ頂こう」」
 鬼の面を被った人影がで囁く。この周囲にいる強者すべてに届く、頭に響く声を響かせて。
「準備するが良い」
「覚悟すると良い」
「「戦いを選ぶなら私達は総てを許そう」」
 先ほどまでの雑兵とは比べ物にならないレベルの気配が、そこに佇み猟兵の挑戦を待つ。

「「さぁ、さぁ、お立合い。最後の一人になるために」」

 ――存在証明が、始まる。
アララギ・イチイ
この敵が今回の依頼のボスなのねぇ
前回は失敗したから、今回はちょっと本気で頑張るわよぉ

【特殊武装・超振動~】使用

装備品の機関砲に【鎧無視攻撃】の徹甲弾を装填、弾幕射撃を行いつつ垂直発射装置から【誘導弾】を上空に【一斉発射】、水平方向と垂直方向からの立体的な【範囲攻撃】を実施(牽制攻撃

上記の攻撃中、ワイヤーにナノマシン散布
ワイヤー表面の分子振動を高め、接触した物体を切削、超高温で溶断する状態した後、【念動力】で操作
牽制攻撃の紛れて、ワイヤーを伸ばし【なぎ払い】、又は【串刺し】する攻撃を【2回攻撃】で実施

敵の攻撃はワイヤーを格子状に【早業】で組み替えて【盾受け】、【ダッシュ】で急加速の回避行動



「最初は貴様か」
「では始めよう」
 猟兵を前に鬼銃葬者は改めて己の武器を構える。たたずまいを正したその姿には隙はない。いかにして崩していくか、そんな状況で一人の猟兵が前へと躍り出る。
「前回は失敗したから、今回はちょっと本気で頑張るわよぉ」
 そういいながらアララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)は機関砲へと弾を込める。目標を定め、その砲身に熱を入れる。
「標準良し――さぁ、いくわよぉ?」
 大火力の機関砲が火を噴く。さらには上空へと放つ、大きくホーミングする砲撃も加え立体的に攻撃を加えていく。
「ふむ、そうくるか」
「ああ、だがそれは」
 最初の銃弾が届くまでのわずかな時間、その攻撃を目にしたオブリビオンは呟きながら刀を持ち上げる。銃弾を弾く剣戟の音。そして銃弾が石畳へと叩きつける音があたりを満たしていく。
「「もう何度も打ち破ってきた」」
 銃弾の物量をものともせずに、鬼銃葬者は地面を蹴る。銃弾を、そして奥の手として備えていたワイヤーを潜り抜けて。
「っ……流石に早い、わねぇ」
 攻撃にと備えていたワイヤーは読みきられている。ならば、防御に専心しなければと鋼糸で攻撃を遮る盾を作っていく。

 ――だが。

「防御を意味を燃やすことこそ」
「我が鉄刀鉄火の望むところよ」

 その一撃は、後退を許さない。火をまとった一撃は科学によって形成された盾をたやすく両断する。返す刀をアララギへと振るえば炎と刃はその肌をなでるように引き裂いていく。

 幸いにも血は出ないだろう――振る割れた炎がその後も傷を焼いているだろうから。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シキ・ジルモント

SPD

ようやくおでましか
しかし…これは、予知の通りの強敵のようだな

撃った弾を操れるのか?弾道が読みにくい、これはなかなか面倒だ…
祭儀場という場の『地形を利用』し対策する
周囲の木や集めた資材等、遮蔽物として使えそうな物を利用し銃弾の回避を試みる
銃撃が止むまで『逃げ足』を活かして回避専念、合間に反撃する

敵の脚や肩等、体の中心から少しずれた場所をユーベルコードで撃ち、衝撃で体勢を崩したい
防御されたとしても、少しは注意が逸れるはず
本体である銃を狙う為の隙を作る『フェイント』としての役割を果たせばそれで良い
できた隙を突いて『2回攻撃』で再度ユーベルコード発動、今度は本体の銃を狙撃する(『スナイパー』)


ガルディエ・ワールレイド
テメェの殺戮には共感出来ねぇ。
だが自分の証の為に戦い抜くってのは少しだけわかるぜ。
俺は何を成すために生まれたのか……。
それはオブリビオンを討ち世に平和を齎す為!
それが俺の【存在証明】だ!(攻撃重視で使用)

◆行動
《怪力》《2回攻撃》を活かすハルバードと長剣の2刀流で戦闘
真の姿を開放し雷を纏う。雷は《属性攻撃》として武器に付与
《武器受け》を軸に立ち回り、被弾しそうな時は《オーラ防御》
不利な銃の間合いは《ダッシュ》で詰める

防御も回避も難しい状況では《捨て身の一撃》
敵は強敵だ。最悪、俺が倒れても後の猟兵が有利になるダメージを残す

【鉄刀鉄火】対策
《殺気》を読んで《見切り》最優先で呪炎の斬撃に対処するぜ



「こりゃあ想像以上の厄介さだな、おい」
 その距離を慎重に測りながらガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は槍斧を構える。刀のリーチの外側、長柄の利点を生かして攻撃を加えていく。
「ああ、想像以上に行動が許されないな。小さな隙でも攻撃をねじ込みにくる」
 距離を開けて銃撃の牽制をかけるシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)がその言葉に答える。既に攻撃は弾かれて手痛い反撃を食らった後、放たれた弾幕をどうにか処理して次の手を思案していたところだった。
「俺が仕掛ける。合わせてくれ」
「……わかった」
 そんな思案にガルディエは言葉を差し込む。頷かれるのを確認してから一呼吸、強敵へと向き直って。
「テメェの殺戮には共感出来ねぇ。だが自分の証の為に戦い抜くってのは少しだけわかるぜ」
 ヴァンパイアとしての力を人間としての意志の力でねじ伏せていく。害なすものを益あるものへ。己自身と向き合い出した答えを語るようにその力を発現させていく。
「それはオブリビオンを討ち世に平和を齎す為! それが俺の【存在証明】だ!」
 剣を引き抜き、両手に武器を構えた状態で距離をつめる。慎重に動き隙を見せないスタイルから、連撃によって隙をねじつぶすスタイルへ。荒々しい乱舞によってオブリビオンへ肉薄する。
「良い、我はそれを待っていた」
「ああ、証明しようではないか」
 答えるかのように鬼銃葬者は銃撃を加え、刀でなぎ払い。ガルディエに答えるかの様に切り結び、その首を狙っていく。

 ――長いようで短い演舞。その終わりは存外、早く訪れる。

「「そこだ」」
 二つの声が重なる。ガルディエが銃弾を弾くことによってできたその隙に刀は突き入れられる。

――だが、血を撒きながら笑うはオブリビオンではなかった。
「てめぇなら見逃さねぇと思ったぜ!」
 己の腹を貫く刀を握り締めながらガルディエは叫ぶ。肉を切って骨を絶つ――たとえ肉を切って肉を断つことになったとしてもいいと、誰かにつなげられればいいとその身を犠牲にして。
「シキィ!!」
「言われなくとも!」
 その明確な隙に、狙いを済ました銃撃を放つ。バランスを崩すために、戦闘力を削るために手足に、そして何より本体のひとつである銃へと銃弾は吸い込まれて。
 舌打ちを打ちながらも鬼銃葬者はその攻撃を受ける。体を揺らして確かなダメージを受けたことを見せながらも、なんとか刀を引き抜き距離を置いていく。
「ふふふふ……はははは! 良いぞ! 久々に滾ってきた!」
「我に足りなかったのはその捨て身の気概かもしてぬな!」
 満たされるかのように鬼銃葬者は笑う。強敵に出会えたこと。そして戦いの時間がまた続くことに感謝しながら、己の体を省みず、戦いを続けていく――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アレクシア・アークライト
「素晴らしい力ね」
「提案があるんだけど、その身体を捨てて、私と一緒に来ない?」

「私達は、貴方と同じくらい強い相手と、それこそ毎日、毎日、毎日、毎日戦っているわ」
「貴方が今まで倒してきたような雑魚じゃない、本当に強い相手をいくらでも用意できるわよ」
「私も防御に専念できるから、利害が一致すると思うんだけどどう?」

・油断させて近付き、念動力で刀と銃を弾き飛ばす。
・刀や銃に触れた場合、身体を奪われるおそれがあるため、念動力を用いて互いを互いに打ち付けて破壊する。

 力を誇示するために多くの殺戮を繰り返してきた奴ら。
 戦いの中で満足して死んでいくなんて認めないわ。



「素晴らしい力ね」
 戦いを見ていた一人の猟兵――アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)はそう言いながら忽然と、姿を現して。
「提案があるんだけど、その身体を捨てて、私と一緒に来ない?」
 ――そんな、周囲の誰もが思いもよらない提案を彼女は口にする。
「私達は、貴方と同じくらい強い相手と、それこそ毎日、毎日、毎日、毎日戦っているわ」
 一歩、また一歩と彼女は臆せずに進む。その場所は既に相手のリーチの内側、いつ首をはねられても可笑しくはない、そんな距離。
「貴方が今まで倒してきたような雑魚じゃない、本当に強い相手をいくらでも用意できるわよ――私も防御に専念できるから、利害が一致すると思うんだけどどう?」
 それでも、あくまで彼女は笑って提案する。大胆不敵に手を組もうと、嘯いて。
 そして、そんな提案を受けるものは笑うように、体を小さく弾ませて。

 鬼銃葬者が声を発しようとした瞬間、雌雄は決した。

 ――アレクシアの奇襲は避けられ、銃による反撃を食らい膝を折る、という形で。

「……いつからわかっていたのかしら?」
 揺らめく陽炎と、煙を吐く銃――その先で、腹部を手で覆い出血を抑えながら、アレクシアは問う。
「否、最初から」
「三つ、忠告を」
 戦いの相手としての興味を失ったか、ほかの猟兵へと向けるためか銃をおろしながら告げる。
「一つ、我等は特に過敏だというのもあるが殺気が隠し切れていない。だが内に秘めるモノには賞賛しよう。貴様の様なやつは強くなる」
「一つ、我等を持って――両の手を埋めてなおかつ何かができると言うのは、両の手を使わない攻撃手段があると言っているのと同じだ」

「「そして」」

「虚言を吐く者に用はない」
「今すぐここを去るが良い」
「「――われらが求めるのは己の牙で語る強者のみ」」

 そう語り、翻す。まだ立つ強者と戦うために、アレクシアをその場に残して。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アレクシス・アルトマイア

ようこそいらっしゃいました。それでは、歓迎致しましょう。

銃弾全てを【従者の礼儀指導】で撃ち払いましょう。
不躾な闘気など放たれてはとても怖いですね。
たとえ不可視のもの相手でも、私の目には見えていますから
何だって撃ち払ってみせましょう

もちろん、仲間のサポートも忘れずに。
援護射撃に二回攻撃で味方を襲う攻撃を叩き落としたり、
四肢を撃ち抜いて隙を作って差し上げたり致しましょう。
ええ、銃と刀自体も狙って、隙は生じさせません。

最終的には、お互いの攻撃を誘導して同士討ち等して欲しいところです。
自分たちでしてくださらないなら、お手伝いをいたしましょうか。
鋼糸で敵を誘導したり盾にしたりしましょう。


鍋島・小百合子
SPD重視:鬼銃葬者の討滅

彼奴が数多の滅びを与えてきた者か…
凄まじい威圧感を放っておるが…負けはせぬ!

「来い!この小百合子、怯えなどに負けはせぬ!!」
薙刀を手に敵と渡り合い相手から放たれる闘気による恐怖に負けないよう自身の勇気を全開に振り絞って戦いに臨む
なぎ払いと鎧砕きを併用した斬撃で立ち回り
呪いの炎を纏った斬撃には火炎耐性を発揮しつつ薙刀で武器受け、呪いの銃弾には武器受けを交えたなぎ払いで弾丸を叩き落してみる
敵の隙を見つけたら懐の小太刀を抜いてダッシュで一気に距離を詰めてからのユーベルコード「災禍刺刀撃」発動
敵の心の臓にあたる位置に目がけて小太刀で串刺し
「勇気ならば負けはせんと言ったぞ」



「むむむ、これはなかなかジリ貧ですね……」
「ええ、どこかで仕掛けなければのぅ」
 そんな会話をしながらアレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)と鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)の二人は激しい攻撃を弾き返す。一定の距離を保ちながらアレクシスは銃へ、小百合子は刀へと牽制しその拮抗を保っていた――が。
「すさまじいスタミナですね。戦闘始まってから結構立ってるはずですが射撃の精度が全然落ちません」
「刀の一閃も鋭いまま……むしろこっちの動きに慣れてきてる感じもあるのぅ」
 そんな会話の合間にも詰め寄る鬼銃葬者を小百合子が押し返し、ならばと打たれた銃弾をアレクシスの短剣が弾き返す。安定はしているが有限の体力の中では永くは持たない。一手、詰め寄らなければならないと二人は直感していた。

「……アレクシス殿。十秒間だけ、銃をわらわに向けさせないようにできますかえ?」
「おや、銃だけでいいのでしたら二十秒はいけますよ? どうぞお任せくださいな」
 幾度と重ねた剣戟の後の提案に、アレクシスは頷く。合図をいただければいつでも、とオブリビオンを睨み付けて。

「――いまじゃ!」
 剣による一閃がまた結ばれて、離れて……その瞬間に小百合子は叫ぶ。
「お任せあれ。その銃弾がどう曲がろうと、たとえ不可視であろうとも、私の目には見えていますから――何だって撃ち払ってみせましょう」
 その言葉とともに漆黒のナイフが飛翔する。その数は先ほどの牽制に使っていた数よりもはるかに多い。すべてを打ち切らんとする勢いで、周囲を短剣は駆け巡る。
「ただいま増量サービス中です! さぁ小百合子ちゃん!」
「ああ……!」
 既に加速していた小百合子も答えるかのように声を出す。往くは最短距離、愚直に、一直線に肉薄する。
「来い!この小百合子、怯えなどに負けはせぬ!!」
 小太刀を引き抜く。狙いは心臓。勇気を振り絞り放つその一突きで、終わらせようと狙いを定めて。

「その気迫、賞賛する」
「だが真直ぐが過ぎる」
 無慈悲な宣言と、刀の一突きでその勢いは止まってしまう。――だが、肩に深く刺さったそれを見ても小百合子は確かに笑うだろう。

 この物量の差をものともせずに、余裕を刀を余らせてわらわを討てる、それだけの差があるならば。

 駆け引きするのは剣の打ち合いでではなく、もっと別のところ――相手にとっての未知で、攻めることだと。

 鬼銃葬者の体が大きく揺れる。心臓の、その位置につきたてられるのは小百合子が手に持っているような小太刀。突如として現れた女性――否、小百合子の危機に召喚されたその女性は、役目を果たしたと小さく笑いながら陽炎のように消えていく。
「ふふふ、また助けてもらってしまったのぅ」
 小百合子と鬼銃葬者、両者ふらつきながら離れる中、彼女は少し懐かしみながらそう呟く。だが、まだ終わっていないと、すぐに戦闘へと意識を戻していく。
「……あれで、まだ倒れませんか。ずいぶんなタフネスです」
 小百合子のカバーに前へと来たアレクシスは、確かな致命傷を与えてなお目の光は衰えない鬼銃葬者を見て呟く。

「やっと楽しくなってきたところだろう?」
「ここで倒れるわけにはいかぬだろうよ!」
 嬉々とするのは確かな強者に出会えたからか、それとも存在意義に類するものか。

「「さぁ、さぁ、お立合い。最後に朽ちるもののために」」

 ――鬼銃葬者は、まだ倒れない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アレクシア・アークライト
 あれらが自己を貫いたまま死ぬことなんて認めない。
 戦いの中で死なせたりなんかしない。

 あの強敵を相手に、そんな考えを持ったまま相対したことが間違いだった。
 今、自分が生きているのは、慈悲を掛けられたから。
 いや、敵とすら見られなかったから。

 ならば、全力をもってあの敵に挑もう。

「力を開放するのは貴方が初めてよ」

・真の力を開放し、負傷を回復。
・銃弾は念動力で干渉して逸らし、剣撃は力場で威力を弱める。
・接敵できたなら、念動力で敵の攻撃を阻害しながら銃や刀を扱える間合いの内側にさらに踏み込み、力場を収束した肘撃など超近接戦を仕掛ける。

・敵の本体は銃と刀。身体を倒せたならば、触れないように破壊する。



「――ねぇ、最後に一勝負いかがかしら?」
 大きく傷を負いどうしたものか、と悩む鬼銃葬者。そこに現れたのは打ち倒された――打ち倒されていたアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)だ。

「――フフフフフ」
「――ハハハハハ」
「「いい目をするようになったではないか」」

 うれしそうに笑う鬼銃葬者。その視線の先には確かな覚悟を持ったアレクシアが立っていた。
「良い。その申し出を受けよう」
「もう数で押されれば朽ちる身」
「「今ここで強者と戦えるのは行幸である」」

 言葉とともに鬼銃葬者は構える。アレクシアもいつの間にか真の姿を開放して戦闘態勢へ。
 ――両者の迷いはもう、ない。
「じゃあ、はじめましょうか」
「望む所と言わせてもらう」
「私たちの全てを賭けよう」
「「――そして終わらせよう」」

 この歪な、存在意義を。

 飛ぶように両者は駆ける。方や銃弾の雨を降らしながら。方や念動でその撃をそらしながら。激しい攻防の中でもあっという間に距離は縮まっていく。
 お互いの必殺の一撃が届く間合い。そこに入った時、先に動いたのは鬼銃葬者だった。語らず、ただ伸ばしていく一撃。全てを込めたと比喩しても遜色ないような鋭さの袈裟切りが、アレクシアの首へと迫る。
 対してアレクシアは腕を掲げて防御をする――かのように見えた。実際防御でもあっただろう。だがその本質は予備動作であった。
「ここは――この距離は、私の間合いよ!」
 そう叫ぶ場所はゼロ距離。刀の間合いのもっと内側。片腕を犠牲にしながら放つ肘撃にまた、彼女は全てを込める。

 今度こそ、二人の間で決着がつく。立場を違え、鬼銃葬者が倒れアレクシアが立っているという結果で。

「……認めてもらえたかしら?」
 ポツリ、そんな相手を見下ろしながらも屈辱の一瞬を思い出したアレクシアが漏らす。そんな姿に鬼銃葬者は一蹴して言うだろう。
「何を今いまさら。認めているに決まっている」
「まったく、侮り倒れるのは私達だというのに」

「「ああ――いい戦いだった」」

 満足そうに呟く声とともに鬼銃葬者は消えていく。心残りはないといわんばかりに、本体である銃と刀も解けるように崩れていく。

「そんな声を出すのなら、最初から猟兵の元へ来なさいな――何の憂いもなく、つぶしてあげたのに」
 強敵と戦った満足と、無駄な道を歩いてしまった後悔が入り混じった声に答えるころには相手の姿はもうない。

 存在意義は満たされたと、そう猟兵に語りながら殺戮は――否、証明の戦いは終結した。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年03月30日


挿絵イラスト