今年もクッソ暑いから、全ての服を水着にしてやろうぜ!
UDCアース世界。極東の島国の、とある海岸。
碧の海と白い砂浜が広がるその場所は、近隣住民にも良く知られる海水浴場である。
「うーん。青い空、白い砂浜……中々開放的ですねぇ」
そんな浜辺に、楽しげな女の声が響く。
時刻は早朝。東の空に陽が登り、近くの街が目覚め始める時間である。
そんな時間の海岸に、その女は一人で佇んでいた。悪戯な笑みが良く似合う、整った容姿の女である。
だが、この女はヒトでは無い。
この女の正体は、『ダイス神の女神』と呼ばれる邪神の一柱。その名の通り、ダイス判定で人々を弄び愉悦する悪魔みてーな存在である(※個人的な私怨が多分に含まれる表現です)。
しかしそんな女が、何で夏の早朝の浜辺なんぞに? と、そう思う者もいるだろう。
その目的は当然、『ダイスでヒトを弄ぶ事』である。だが、その為の手段が最悪であった。
「そんなこの場所を、これから混沌の渦に巻き込めるかと思うと……ふふふ」
心底嬉しそうに、口元を綻ばせる女。
『ダイスでヒトを弄ぶ』。彼女自身の権能は、本来はそれ以外には無いのだが……今、この時のみ。彼女は『もう一つ』の力を得て、この場に顕現していた。
その力こそが……。
「『水着結界』と、その発動装置。中々面白い力を得る事が出来ました」
そう。女が口にした、『水着結界』という力であった。
『水着結界』。踏み入った者の衣服を、強制的に水着に変えるという結界である。
その力の強さは、強力無比。抵抗は許されず、老若男女の区別も無く、全ての存在を無慈悲に襲う悪魔の力である。
着せられる水着は、派手なものから比較的健全な物、これは水着かと疑う様な物まで、多種多彩。その豊富さたるや、まるで『ダイス』を振ってランダム生成されるかのようである。
……そう。まさに、女邪神──『ダイス神の女神』の為にあるような力なのだ。
「この砂浜に足を踏み入れた瞬間、人々がどんな顔をするか。最っ高にワクワクしますね! それでは──」
──『水着結界』、はつどーう!
懐からカバーに覆われた小さな装置を取り出すと、叫ぶ女邪神が躊躇なくスイッチを押し込み装置を起動する。
瞬間、迸る白光。『水着結界』の力が発動し、海水浴場にその力が広がっていく。
全ては、『退屈しのぎ』の為に。無邪気に嗤いながら、『ダイス神の女神』はその掌に自身の象徴を弄んでいた。
●
「お集まり頂きまして、ありがとうございます」
グリモアベースに集まる猟兵達を、揺れて輝く銀糸の長髪が迎え入れる。
ヴィクトリア・アイニッヒ(陽光の信徒・f00408)の表情に浮かぶのは、常と変わらぬ穏やかな微笑み。
だが、良く見れば。その笑みの端にはどこか、困惑の色が見えるような気がする。
ヴィクトリアのそんな表情には、何となく既視感があるような気がする者もいるかもしれない。具体的には、夏に入る前とか去年の年末とか夏の終りの頃とか……。
「今回、皆さんに赴いて頂きますのはUDCアース世界。日本国のとある地方都市にあります、海水浴場です」
季節は夏真っ盛り。水辺には人が集まる時節である。
この海水浴場も例外では無く、多くの近隣住民が押し寄せて大賑わいとなるはずだったのだが……。
「とある邪神が、その地に集まる人々に目を付けたようでして」
皆さんには、その邪神の討伐をお願いしたいのです。と、ヴィクトリアが言葉を続ける。
敵は、『ダイス神の女神』と呼ばれる女邪神。その名の通り、『ダイス』に纏わる能力を操る存在である。
多少厄介な能力ではあるが、直接的な戦闘力は然程でも無い。猟兵達ならば、打ち破る事は難しく無いだろう。
……だが、問題が一つ。
「敵は、その……『水着結界』の力を、操っているようでして……」
言葉を聞けば、うげっと顔を歪める猟兵もいるだろう。
『水着結界』。その説明は(既にしているから)省くとするが……対策抵抗も通じず、先んじて水着を着込んでいようがお構いなしに結界チョイス水着に着替えさせられるというのだから、とにかく厄介かつ強力な結界である。
「今回は、敵がその力を発動した所を強襲する形となります」
これからヴィクトリアが猟兵達を現地に転移させる事になるのだが、猟兵達が現地の浜辺に降り立つそのタイミングが、敵が結界を発動させるタイミングとなるらしい。つまり、この依頼に参加する以上は水着姿を晒す事になるのは避けられないという事である。
とは言え、結界の効力はそれだけである。強制的に水着に着替えさせられる以外には特に悪さをすることも無いので、戦闘に支障を来す事は無いはずだ。
敵が邪神である以上、何をしでかすか判らない所もあるかもしれない。だが──。
「──油断せずに立ち回れば、皆さんの勝利は揺るがぬはずです」
近隣の平和の為にも、と。
いつものように、丁寧に頭を下げ掛けて。思い出した様に顔を上げるヴィクトリア。
「今回は、私も現地に入って皆さんをサポート致します」
現地は有名な海水浴場である。一般人が紛れ込む可能性もある。
その辺りのトラブルの芽を摘む為か、ヴィクトリアも現地に入るのだという。
彼女が手を回せば、そちらの方の心配は無用となるはず。猟兵達には安心して、戦闘に集中して頂きたい。
「それでは、改めまして……」
皆様の御力を、お貸し下さい。
再び、丁寧に頭を下げて。ヴィクトリアは、猟兵達を現地に送り出すのだった。
月城祐一
暑い(ド直球)
どうも、月城祐一です。今年の暑さヤバい……ヤバない?(三年連続の発言)
今回は夏休み依頼……と見せかけての緩い空気の通常依頼。
UDCアースの海水浴場で、水着になる依頼です。あくまでもコメディだよ!!
参考までに、以前の『水着結界』関連の依頼は ↓ こちら ↓ になります。
( https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=28085 【20年夏】)
( https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=30171 【20年冬】)
読まずにご参加頂いても問題はありませんが、宜しければ是非ご一読下さい。
以下、補足となります。
第一章は集団戦。
海から飛び出る『六二五『デビルズナンバーいわし』』が相手です。
内容に付いては、特筆する事は特に有りません。
どーん、と蹴散らして下さい。
戦場は早朝の砂浜。天候は晴れ。
時間が過ぎれば絶好の海水浴日和と言った天候です。
第二章はボス戦。『ダイス神の女神』との戦いです。
詳細は章の進展時に公開となりますので、ご了承下さい。
また第三章は、現時点で公開できる情報はありません。
章の進展時に公開となりますので、その際にご確認下さい。
……カクリヨ以外でも、海は楽しめるんだゾ?
○今回の特殊ルールについて
OPで触れている通り、今回の戦場には『強制的に水着に着替えさせる』という結界が張られています。
その効力・効果の程はOP文中の通り、非常に強力な結界となります。
着ることになる水着に関しては、ランダムです。
月城が1d40を振って、手元の水着表(非公開)からチョイスされる形になります。どんな水着が出るかは、↑でご紹介した過去依頼を参照下さい。
全てはダイスの神の御心のままに。当依頼に参加される際は、徳を積み上げた状態でご参加下さい。
……あ、当然グリモア猟兵と敵の分も振ります。どんな水着が来ることやら。
怪しい力漂う夏の海辺で、女邪神が嗤う。
猟兵よ、ヒトを弄ぶその行いを断じて許すな。
皆様の暑い……じゃなかった。熱いプレイング、お待ちしております!
第1章 集団戦
『六二五『デビルズナンバーいわし』』
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POW : 悪魔の魚群(デビルフロック)
全身を【「デビルズナンバーいわし」の群れ】で覆い、自身の【群れの大きさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 悪魔の犠牲(デビルサクリファイス)
対象のユーベルコードに対し【数十匹のデビルズナンバーいわし】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ : 悪魔の共食(デビルカニバリズム)
戦闘中に食べた【犠牲となったデビルズナンバーいわし】の量と質に応じて【悪魔の力が体に凝縮され】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
イラスト:井渡
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
グリモア猟兵の導きを受け、猟兵達が砂浜に降り立つ。
──それでは……『水着結界』、はつどーう!
瞬間、猟兵達の耳が楽しげな女の叫びを聞き……直後、その視界が真白い光に包まれる。
同時に感じるのは、それぞれが纏う衣服が解れて消えて、素肌をキュッと絞る水着へと変じていく感覚だ。
一体、どんな水着を着せられる事になったのか。それは後ほど、各自でそれぞれ確認して頂くとして。
『むっ、何奴!』
ここで漸く、猟兵達の存在に気付いたのか。誰何の声を女が上げる。
肩紐が背面で交差するタイプのワンピース水着を纏った、整った容姿の美人である。目に鮮やかな赤の髪と悪戯な猫を思わせる瞳の輝きが、実に印象的である。
この女こそが、今回の敵。邪神『ダイス神の女神』である。
『……成程、君達は猟兵か。私の退屈しのぎを邪魔しようと言うんだね?』
女の方も、猟兵達の存在にすぐに思い至ったか。
身構え、言葉を紡ぐと……。
『だが、そうはさせないよ──とうっ!』
その掌に弄んでいた、自身の権能の象徴。ダイスを投じる。
投げられたダイスは3つ。動体視力に優れた猟兵であれば、それがd6、所謂『六面ダイス』であると判るだろう。
空中を軽やかに舞い、ダイスが白い砂浜に落ちる。そのダイスが示したのは……それぞれ、6、2、5を表す面。
『6、2、5……ふふふ、この場に相応しい出目だ!』
その出目を見て、不敵な笑みを浮かべる女。一体それが何だというのだと、猟兵達が疑問を抱くが……その疑問は、直後に解決される。
『カモン! 不可思議殺人オブジェクト『デビルズナンバー』!!』
──ざばぁっ!!
パチン、と高らかに女が指を鳴らせば。応えるかのように飛沫を上げて、海から飛び出る無数の影。
それは、青い背を持つ魚であった。そして無数の同種で群れを成す魚であった。
その名は、『鰯(いわし)』。世界各地で水揚げされる、ポピュラーな沿岸魚だ。この海水浴場のある地方に於いても、名産品として知られる魚である。
体長は成魚でも10cmから30cm程と、小型な魚だ。また陸に上げると直ぐに弱る『アシの早い魚』の代表的な存在であるが、それが故に多種多彩な保存法で世界各地の食卓を賑わせてきた名脇役とも呼べる魚であった。
そんな鰯の群れが、まるで空中を泳ぐように海を飛び出して来たのだ。
『これぞ、デビルズナンバーの625番! 私の退屈しのぎを邪魔するというのなら、まずはこの青い壁を越えてからにする事だね!』
哄笑する女邪神。そんな女邪神の戦意を受けて、鰯の群れが言葉通りに猟兵達を阻む壁となる。
陽の光を受けて輝く、青背の鱗。
猟兵達はこの不可思議な存在を乗り越えて、女邪神の企みを潰す事が出来るだろうか?
一般人をこの場に近づけぬ為に、戦列を離れるグリモア猟兵(パレオを巻きつつ、だが下に纏う水着は布地面積の小さい白のマイクロビキニであった)の応援を背に受けながら、猟兵達の戦いが始まろうとしていた。
火奈本・火花
「強制的に水着になる結界と聞くとシュールですが、秘匿した武器が露見する可能性があると考えると……それなりに厄介かも知れませんね」
■戦闘
魚類型UDCとの対決には【格闘術】を用いましょう
どのような水着になるかは運命次第ですが、少なくとも身軽にはなれるでしょうしね
無駄な装飾があったら、問題ない程度に外す事も視野に入れて良いかもしれません
「……さて、凄まじい群れの鰯だな。だが数の利を活かすのは我々人類の方が上手だと言うことを教えてやる」
砂浜だし、『怪力』による『地形の利用』で格闘術の合間に砂を蹴り上げたり、掴んだ砂をぶつけて『目潰し』をするのも有効だろう
暑い中、面倒をかけさせるな
■
アドリブ・絡み歓迎
●
「強制的に水着になる結界と聞くと、シュールですが……」
自身の着せられた水着を検めて、火奈本・火花(エージェント・f00795)がふむと頷く。
火花は、組織に属するエージェントの一人である。心臓にUDC物品を宿し、冷静を弁えた理性と内に秘めたUDC邪神に対する凶暴性が同居した女性である。
そんな彼女であれば、シュールな結界の力で水着姿を晒した程度で動じる事は無い。ただ秘匿した武器が露見する可能性だけを考えて……。
「……それなりに、厄介かもしれませんね」
ただ、表情を顰ませて。小さく呟くばかりである。
そんな火花が着せられた水着は、普段彼女が纏う黒と白のチョークストライプスーツをモチーフカラーとしたかのようなツーピースのビキニ水着であった。
トップスは肩紐を首の前で交差した後、首の後で結び上げて固定するタイプ。所謂『クロスホルタービキニ』と呼ばれるデザインで、胸全体を支える事で衝撃に強いのが特徴である。その構造上、胸の谷間部分が強調されるのが少し気になる所ではあるが、まぁそれくらいは問題ないだろう。
問題は、ボトムスだ。今火花が穿くそれは、布地面積が極端に少ない代物であったのだ。
フロントは小さなV字型で、バックに至ってはほぼT字型にカットされたそれは、所謂『Tバック』と呼ばれる代物だ。火花の色白の臀部がほぼ丸出しとなるような、中々に攻めたデザインである。
常人が穿くのは中々に勇気がいるデザインではあるが、これもまた運命と。先にも触れた通り火花は臆せず身に纏い、伊達眼鏡越しの視線に広がる青い壁を鋭く睨む。
「……凄まじい数の鰯だな」
身構えながら、火花が呟く。
そうして滾る闘気を練り上げて、己の四肢に纏わせれば。その気配に反応したのか、青い壁から影が飛び出す。
驟雨の如く飛び出したそれは、群れを作る鰯の一部だ。牙を剥き出しに躍り掛るその姿は、食物連鎖の下層にいる存在とは思えぬ程に獰猛だ。驟雨と例えたその通り、数の方も中々の数である。
……だが、しかしだ。
「数の利を活かすのは、我々人類の方が上手だと言うことを教えてやる──!」
そんな物は、こと猟兵の戦いに於いては多少の工夫で乗り越えられる程度の物である。
その事実を示すかのように、闘気を纏った脚で地を蹴れば。瞬間砂浜に衝撃が轟き、真白い砂が舞い上がる。
水着姿となり身軽となった事で、火花の蹴りの威力は常より鋭くなっていた。そんな蹴りで巻き上げられた砂の勢いも当然激しく、飛び込んだ鰯の柔らかな鱗を容易く剥がし、その突撃の勢いを殺す程の威力を秘めていた。
そうなれば、後は簡単だ。勢いの死んだ鰯の群れを、火花は軽やかに躱し、いなし、打ち返し。時には掴んだ砂を散弾の様に撃ち放ち……。
「……暑い中、面倒をかけさせるな」
自身に襲い掛かった邪神の眷属。その悪意を、火花は見事に捌き切ってみせたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
氷室・雪
水着結界も私にとっては【刹那永劫剣】でプラスに作用するものかもしれない
と思っていたのは結界の効果前だけ
以前に服を脱いで速度アップを図ったときは周りに人のいない1対1の状況、
さらに言うと、水着の形状によっては素早い動きについてこれない可能性すらあるな
注目されるとしたら胸の小さい私ではなくぐらまらすぼでーの持ち主であろう
と自分に言い聞かせれば戦えないことはない
恥ずかしさを感じないわけではないので防御を捨てた捨て身の一撃で早く戦いを終わらせるように努力する
素早い動きで斬るしかできないともいう
あまり見られないように速く動けるか、恥ずかしさで動きが鈍るかは水着次第
スポーティな水着なら平気
アドリブ絡み可
●
──水着結界。私にとっては、プラスに作用するものかもしれない。
そう考え意気揚々とこの場に臨んでいたのは氷室・雪(氷葬零剣・f05740)であった。
雪は、剣を扱う猟兵である。
その戦い方は、例えるなら閃光。瞬発力に優れた身体能力を活かした、捨て身の一撃必殺戦法が身上である。
そんな彼女にとって、身軽な姿を晒す事は決して不利益とは成り得ない。別件で服を脱ぎ去り速度アップを図った経験があるように、雪にとってはプラスとなる要素と成り得るのだ。
故に水着姿を強いられる今回の戦いは。雪にとっては、中々に好相性の依頼であると言えたのだ。
……だがそんな雪の目論見は、容易く崩れる事になる。
(こ、こんな水着とは……っ!?)
雪が着せられた水着は、典型的な三角ビキニ。飾り気のない、シンプルなデザインである。
そこまでなら、良い。だがこの水着には一つの問題があった。その問題とは……布地面積が極端に小さい事であった。
そう。雪が着せられたのはビキニはビキニでも、世に言う所の『マイクロビキニ』と呼ばれる物。烏の濡羽の様な雪の艷やかな髪と同色のソレが、年頃の少女の肢体を扇情的に彩っていたのだ。
ある程度の覚悟を固めていたとは言え、流石の雪もこんな水着を着せられては堪らない。と言うかコレ、下手に剣を振るったりしたらポロリとしてしまうのでは無かろうか?
そんな想像が脳裏を過り、雪の頬が羞恥に染まるが……。
「ま、まぁ注目されるとしたら胸の小さい私では無く、ぐらまらすぼでーの持ち主であろう……!」
恥ずかしさの余りしゃがみ込むような事はしないのは、与えられた務めは果たさねばという自制心の強さ故だろうか。
自身に強く言い聞かせるかのように呟けば、脚を開いて腰を落とし、鞘に収めたままの刀を構える。そうしてキッと蒼く輝く壁を睨むその眼に闘気を込める。
そんな雪の闘志に、邪神も反応を示したか。雪の体を穿たんと、壁から青背の魚が放たれる。
『鰯』というその字の通り、その青背の魚は打たれ弱い魚である。だがその弱さを感じさせない程に、その目の輝きは獰猛で、開かれた口から覗く牙は鋭く見えた。
……そう。全て雪には、視えている。そして、視えているのであれば。
「──疾ッ!」
躱すことも、難しくないという事である。
鋭い呼気を零した雪の肢体がその場から掻き消えれば、翻る剣閃が一度、二度、三度。その剣閃が瞬く度に、飛来する鰯が綺麗に三枚に卸される。
雪が瞬発力に優れているという事は、既に触れた。今この場で起きたのは、雪がその瞬発力を発揮したが故の事象である。
即ち、鋭い動きでその場から動いて敵の攻撃を躱し、それと同時に振るった剣で敵を斬った。
ただそれだけの事である。
「これぞ、我が奥義……【刹那永劫剣】」
チンッ、と小さく鍔鳴りを響かせながら刃を収める雪。その姿からは、迷いの類は感じられない。
だがよく見れば、今もその頬は羞恥で薄く染まったままである。何せ僅かな布地のズレも色々な意味で命取りとなりかねないこの水着であるからして、感じる恥ずかしさはやはり相当な物であるらしい。
(この後も、しっかり戦えるだろうか……)
内心で呟きを零しつつ、雪は纏う水着がズレていないかを気にしていた。
大成功
🔵🔵🔵
セフィリカ・ランブレイ
エウちゃん(f11096)と行動
リリアめ、上手く隠したな……
『その前に自分の格好を心配したら?』
ま、どんな水着でも私は美少女!
ヤバいのじゃなきゃOK!
美少女エウちゃんが隣にいるから視線は彼女に誘導されて半減
完璧な策略!
そも、魚類相手に羞恥も何もない
『セリカ、最初適当言って同行取り付けてなかった?』
エウちゃんの結果を見たかったの欲望は否定しないけどね?
お互いの鑑賞会は後、まずはこの魚類から始末しよう!
数が多いし単純にお互いの最大火力ぶつけるプランでどう?一気に行こう!
【紫砲の将軍】
次元の穴から覗く巨大な無数の砲門をイワシの群れに向けて一斉射撃!
これは無理だけど、終わったら美味しいお魚も良いよね
エウロペ・マリウス
同行者:セフィリカ・ランブレイ(f00633)
行動:WIZ
過激な水着には抵抗はあるけれど、それがサイコロの出目ならば逆らえないっ……!
勿論、そんな過激ではない可能性もあるわけだしね
元々、今年の水着が過激過ぎて、逆に露出度が下がる可能性……!
どちらにしろ、なんだかんだで同性のセリカに見られる程度なら多少はマシだからね
ボクだけが水着というわけではないのであれば、視線は分散されるだろうし
こういう場合はさっさと相手を殲滅するに限るよ
「闇穿つ射手。無窮に連なる氷葬の魔弾。白き薔薇を持たぬ愚者を射貫く顎となれ。射殺す白銀の魔弾(ホワイト・フライクーゲル)」
イワシを見ると、なんだかお腹が空いちゃうね
●
応援の言葉を残し、戦場を離れるグリモア猟兵。
そんな彼女の後ろ姿を眺めつつ、セフィリカ・ランブレイ(蒼剣と姫・f00633)が呟きを零す。
「リリアめ、上手く隠したな……」
セフィリカの目は、グリモア猟兵の纏う水着を見逃さなかった。
彼女が纏った水着は、彼女生来の清廉さを示すかのような白を基調としたビキニ水着であったが、同時に彼女が持つ艶やかさを強調するかのような布地小さめなマイクロビキニであった事を。
幸い(?)、彼女は同時にパレオを得ていたらしく。それである程度体を覆い隠す事が出来た様だが……セフィリカとしては、『それをかくすなどとんでもない!』という心境であった。
『他人の事より、まずは自分の格好を心配したら?』
「私はへーき! どんな水着でも、私は美少女!」
そんなセフィリカの呟きに呆れた声を溢したのは、彼女が腰に佩く魔剣に宿る女性人格。
姉とも慕う彼女のお小言に、返したセフィリカの言葉は楽観的だが……。
(と、とは言え……うーむ)
内心、セフィリカは唸っていた。
セフィリカが着せられたのは、丁度腰下までを覆うような薄手の白いキャミソール型のラッシュガードだった。素材は薄手で柔らかく、肌触りと風通しの良さが特徴である。
だが、それはあくまで本命の水着を隠す為の添え物である。そのラッシュガードの下は、セフィリカですら怖気付く様なエッグいデザインのビキニ水着となっていたのだ。
(……コレ、前よりギリギリじゃない?)
セフィリカは、過去の水着結界案件に二度とも関わった事のある猟兵である。
その際に着せられた水着は、一度目は露出過多とも言えるブラジリアンビキニ。二度目はその水着を更にエグくしたような物であった。
それらはまぁ、問題は無く乗り越えれた。持ち前の美少女魂(?)で、華麗に着こなす余裕すらあった程である(なお二度目の時は、そんな事を気にする程の余裕すら無いカオスっぷりであったのでノーカンである)。
そんな彼女が、若干躊躇するような今回の水着。その詳しい解説をしていこう。
まず、トップス。分類するなれば、過去と同じような『ブラジリアンビキニ』である。だがその布面積は今までよりも更に小さく、たわわに実るセフィリカの双丘がほぼ丸出しとなるほどである。かろうじて頂点だけは死守しているが、それさえも変に動けばと言った具合だ。
次に、ボトムス。これも分類するなれば上と同じくと言った具合なのだが……こちらも布面積は極端に小さく、フロント部分はデリケートなエリアだけを申し訳程度に覆うサイズ。バックに至ってはほぼ丸出しで、最早『紐』と同義のデザインであった。
(よっぽどヤバいのじゃなきゃOKのつもりだったけど、これはなー……!)
こうまで露骨にアレなデザインであるからして、セフィリカが怖じ気付いたのもお分かり頂けるだろう。
救いは添え物と評したラッシュガードだが、それだって薄手の素材である。白の色も相まって、もし濡れれば簡単に中が透けるだろう。と言うか今この状態ですら、中身がうっすら透けて見える気がする程である。
最早八方塞がりと言った状態のセフィリカであったが、彼女には秘策があった。
今回共にこの場に挑む友人、セフィリカも認める美少女であるエウロペ・マリウス(揺り籠の氷姫・f11096)がいれば、きっと視線は彼女に誘導されて恥ずかしさも半減するだろう、と。
まさに完璧な策略と、自画自賛したその策略は……。
「あの、セリカ? セフィリカさん……?」
その策略は、出々しで崩壊したようである。
聞こえたのは、『まるで助けを求めながら羞恥に頬を紅く染め上げぷるぷると震える』かのようなエウロペの声。その声に、セフィリカは『あっ……』と何かを察したかのような表情を浮かべながら振り返れば……。
「こんな過激な……ひぅぅぅ……」
そこにいたのは、まさしく『まるで助けを求めながら羞恥に頬を紅く染め上げぷるぷると震える』エウロペの姿であった。
エウロペは、今年の水着のお祭りに於いては随分と攻めたデザインの水着を着用していた。その攻め具合足るや、齢14の少女にして『揺り籠の氷姫』の肩書に恥じぬ艶やかさを見る者に感じさせる程である。
そんな水着を直近に着た経験があるが故、多少の過激な水着ならば抵抗があったはずのエウロペであるが……そんな抵抗という名の防波堤を、水着結界という波は容易く越えてきたらしい。
では、エウロペが着せられた水着について解説しよう。
水着のタイプとしては、ツーピース。薄い水色を基調色とした、所謂ビキニタイプである。
トップスは肩紐の無いタイプ。胸を包むトップ部分が四角形となった、所謂『眼帯ビキニ』というデザインである。
実はこの眼帯ビキニというタイプ、水着としての実用性は高くない。デザインの都合上ホールド力が高くなく(=簡単にズレる)、グラビアなどの撮影用や露出の高い見た目自体を目的とした着用以外には向かないという、そんな水着である。
だが多少の露出なら、覚悟を固めていたエウロペが動じる事は無かったはず。そんな彼女が動揺を示したという事は……。
「こんなの、殆どヒモではっ!?」
つまりは、そういう事であった。
エウロペが着せられた眼帯ビキニ。そのトップ部分は、細い長方形上であった。その細さ足るや、辛うじてエウロペの大事な所を覆い隠す程度。当然、ボトムスの方も相応に布面積は控えめであった。
そう。言うなればエウロペが着せられた水着は、『マイクロ眼帯ビキニ』とでも言うかのような代物であったのだ。
今年の水着が攻めに攻めていた為、ワンチャン露出度が下がる可能性に賭けていたエウロペ。その振る舞いは、まさに運否天賦に己が身を委ねるが如し行いである。
これぞギャンプル……っ! ただただ安牌に生きる事は死んだも同然……っ!! 不条理こそが、生きるという事……っ!!!
そんな心持ちで挑んだエウロペの賭けであったが、どうやらその結果は芳しいものとはならなかったようである。
──っていうか今回、割と『マイクロ』要素出過ぎでは? ダ女神、グラサイ振っとらん???
「ま、まぁまぁエウちゃん。この場にいるの、今の所は女の子だけだし!」
「そ、そうだね。それにボク達だけが水着という訳では無いのだし!」
ともあれ、羞恥に頬を染め上げるエウロペを宥めるかのようにセフィリカが声を掛ければ、エウロペもまた気持ちを切り替え顔を上げる。
二人の視線の先には、壁を作る青背の魚の群れ。無数の小魚がこちらを見つめるが……魚類の視線相手に、羞恥も何も無いだろう。
「数多いなー……これは単純に、最大火力ぶつけるプランでどう?」
「だね。こういう場合は、さっさと殲滅するに限るよ」
舌を打ちながらのセフィリカの提案に諾を返し、エウロペがその身に宿る魔力を練り上げる。
練り上げるその力は、自身の肩書にも由来する『氷』の力。万物を凍てつかせる概念を内包した、氷の魔弾だ。
──っていうかセリカ。アンタ最初適当言って同行取り付けてなかった?
──エウちゃんが水着結界でどうなるか見たかったって欲望は否定しないけどね?
そんなエウロペの横で、頭に響く魔剣の声に答えつつ。セフィリカもまた魔力を練り上げる。
セフィリカが振るうのは、召喚術だ。次元の狭間にあるセフィリカ手製の魔導ゴーレム達の格納庫への扉を開き、最大火力を振るう要塞型ゴーレムの砲門を喚び出して。
「白き薔薇を持たぬ愚者を射貫く顎となれ。【射殺す白銀の魔弾(ホワイト・フライクーゲル)】!」
「よろしく! 【紫砲の将軍(バルディメオラス)】!」
お互いが持ち得る、文字通りの最大火力を解き放つ。
無数の砲弾と氷の魔術が、青背が作る壁へと襲い掛かる。
過剰とも言える火力を前に、鰯の群れも迎撃を図り壁から無数の影が飛び出るが……その程度の抵抗では、焼け石に水にもなりはしない。
次々に鰯が爆ぜて、凍りつき。討ち倒されていくのみである。
「……イワシを見ると、なんだかお腹が空いちゃうね」
そんな光景を見て、ほうっと一つ息をしながらエウロペが呟けば。
「まー、コレは無理だけどね。でも、終わったらね?」
苦笑を浮かべながら、セフィリカが答える。
よくよく周囲を見渡せば、まだ営業時間前であるから人気が無いが、何件かの海の家が立ち並んでいる様子も目に入るだろう。
今回の一件が終わったら、あそこで遊んでも良いかもなー、などと。
セフィリカは、この後の予定に思いを馳せていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アリス・クイン
クロエ(f19295)を誘ってやってきたわ!
そう……水着結界!
そのドぐされ結界をどうにかして今年こそ呪いを解くのよ!
い、いや、さすがにあの水着でコンテストに参加するとか思わないでしょ!
あんなえっちな格好で、お立ち台とか……うっ、わ……悪かったわよぅ
コホン、とにかくクロエ、あの痴女を倒すわよ!
どうせヘンタイの呼び出したイワシ、きっとドサクサにまぎれて紐を千切ったり、あまつさえ中に入り込んでくるやつにちがいないわ!
UC【リアライズ・バロック】
主観した小さなお魚ヌイグルミが合体して巨大なホオジロザメにチェンジ!
イワシを追いかけ回せてヒンヒン言わしてやるわ!
さぁ、エモノは追い込んだわ!トドメの時間よ!
クロエ・アスティン
今年もアリス様(f24161)の水着問題を解決するためにやってきたであります。
目には目を、歯には歯を、呪いの水着には呪いの水着をでありますよ、アリス様!
※今年は引きずられて酷い水着を着せられ、女性パラディン部門で衆目に晒されたりしたので必死
しかし、すごい数のいわしでありますね……これを一匹一匹退治するのは骨が折れそうであります。
アリス様が作戦があるというので、戦槌と盾を構えてアリス様をかばいつつ、攻撃のための魔力も練っておくであります。
準備が終わったらアリス様のUCで追い込んだいわしの群れに【戦乙女の戦槍】を叩き込んでやります!
●
クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)とアリス・クイン(ビビり屋毒吐き姫・f24161)の二人は、この依頼に心中期するものを秘めて臨んでいた。
クロエもアリスも、水着結界とは縁のある猟兵である。特にアリスは、(深い説明は省くが)水着結界の影響で『一夏を超マイクロビキニでは過ごせない』という呪いに罹患した程である。
そんなアリスの呪いは、夏を越えて一時は快癒したかと見られていたが……今年に入りまた夏を迎えた事で呪いは活性化し、今現在アリスは『強制超マイクロビキニ生活』の真っ最中である。
──このドぐされ結界をどうにかして、今年こそ呪いを解くのよ!!
忌々しいこの呪いを解く為にも、と。アリスの鼻息が荒くなるのは、至極当然と言った所であるだろう。
そんなアリスと行動を共にするクロエも、その呪いのある種の被害者と言える存在である。
その出来事は、今年の夏を迎える頃。とある邪教集団の集会を凸ってボコった案件の後の事だ。
依頼を終えた二人はその足で町の水着ショップへ出向いていた。
そうして二人で並ぶ水着の中から吟味に吟味を重ね、可愛らしい水着を見つけ出し、いざ試着……と言った段で、事件は起きた。
アリスの呪いが再発し、彼女が試着した水着が弾け飛んだのだ。
……その後の事は、クロエは今でも悪夢に見る。
発狂するアリス。押し付けられた水着を騙るヒモ。あれよあれよという間に話は進み、コンテストの壇上に乗せられて衆目の下に晒されて……。
──目には目を、歯には歯を! 呪いの水着には呪いの水着をでありますよ、アリス様!!
もう二度と、あんな恥ずかしい目には遭いたくない。その元凶となる水着結界は、断固として潰さねばならない。
普段見ることの無いクロエの必死の形相に、流石のアリスも色々察して謝ったりしたとかなんとか。
まぁともあれ、そんな覚悟で二人はこの場に臨んでいた。
だが、怒りに駆られた二人は忘れていたのだ。
この『水着結界』という現象の前では、どんな怒りも使命感も、無意味であると。
必要なのは、『どんな水着を着せられても動じない平常心である』という事を、忘れていたのだ。
「ドウシテ……ドウシテ……」
「フフ……ワタシニハコレガオニアイヨー……」
その結果が、白い砂浜で項垂れる二人の姿であった。
結論から言おう。二人が着せられた水着は、それは酷いネタ水着である。
では、その内容を解説していこう。
まずは、クロエ……と言っても、そう長い説明とはならない。
クロエが着せられたのは、デリケートゾーンを覆う貝殻とそれを繋ぐヒモで出来た、所謂『貝殻ビキニ』。しかも小柄なクロエの体格に合わせて貝殻も小さい、特別製であった。
そんな水着を着せられ、クロエは羞恥に染まった顔を両手で顔を隠し、座り込んでしまっていた。
零れ出てくる嘆き節を聞くに、その精神的ダメージは相当大きそうである。
一方の、アリス。こちらも、説明は一言で済む物だ。
アリスの身を飾るのは、小さな膨らみの先端を隠すハート型の前張り(ニプレス)二つと、デリケートゾーンを申し訳程度に覆うアイバックショーツ。以上である。
アリスがこの水着(?)を纏うのは、二度目である。去年の夏の終りの水着結界案件でも、アリスはこの姿とさせられていたのだ。
身を包む懐かしいその感触に、膝を抱えるアリス(目のハイライト家出済み)の口から零れ出る呟きはどこか開き直ったような内容であった。
……割と露出過多な水着が続出している今回の水着結界。だがその中でも、格別に酷い二種類(それぞれ、抽選率2.5%)を立て続けに引き当てるとは。しかもアリスに至っては、二度目と来たものだ。
二人揃って持ってるんだか持ってないんだか、判断に迷う所であるが……。
『ちょっwまさか二人揃ってファンブルとかwwまるで痴女じゃないかその格好www』
その現象が甚くツボに入ったのか。青背の魚群が作る壁の向こうで、女邪神が爆笑する。
まるで芝を生え散らかすようなその笑い声が──クロエとアリスの逆鱗に触れた。
「クロエ……」
「はい、アリス様」
ゆらり、と立ち上がる二人。その肢体から立ち昇る『何か』が影朧の様に周囲の空間を捻じ曲げる。
武道を嗜む者や、感覚に鋭い者が見れば判るだろう。何事か言葉を交わす二人の体から立ち昇るソレは……『怒気』である、と。
……だが、女邪神はそんな道を齧ってもいなければ、特別感覚が鋭い訳でもない。当然、怒れる二人に気付く事なく。
『ぷぷっ! いやぁ、本当良くお似合いだよお二人さんっ!』
ゲラゲラと笑いながら、二人を煽る。
そんな敵の姿に……。
「──うっさい黙れこのヘンタイ!!」
『ヘンタイっ!?』
アリスが、キレた。
いきなり飛び出た謂れのない罵声に、思わず目を見開く邪神。そんな相手の反応を見ることなく、クロエがその腕を広げれば。ポポポンっと虚空から飛び出てくるのはぬいぐるみの群れ。
召喚されたぬいぐるみは全て、小さな魚のぬいぐるみだ。召喚者の意を受け動く彼らは、アリスの意を受け寄り集まって。86体分の巨大な塊を構築し、合体し、変形して……一匹の巨大なホオジロザメが顕れる。
ホオジロザメ(またはホホジロザメ)は、『白い死神』とも呼ばれる巨大な鮫である。サメ映画の傑作の主役、と言えば想像も容易いだろう。
そんな鮫を、アリスはぬいぐるみ達を使って擬似的に喚び出してみせたのだ。
……さて。そんな巨大な相手が顕れては、本来は被捕食者な立場の小魚であるイワシは溜まった物ではない。身を守ろうとするかのようにより大きな影を作ろうと、壁を構築する群れがぐるぐる渦を巻いて動き出すが……。
「どうせそいつら、ドサクサに紛れて水着のヒモ切ったり中に入り込もうとするわ! やっちゃえホオジロザメ!」
そんな敵の反応はお構いなしに、アリスが鮫をけしかければ。突撃してきた鮫を前に、イワシの渦はあっさり崩れて追い立てられるばかりである。
「すごい数のいわしでありますが……」
そうして追い立てられた先にいたのは、クロエであった。
『怒気』を放ちながらゆらりと立ち上がったその後、クロエはアリスからの指示を受けて動いていた。
その指示の内容は、至極シンプル。『アリスが追い立てるから、クロエが仕留めろ』という物であった。
……その指示の下、アリスが追い立てた鰯は、相当な数である。これを一匹一匹仕留めるのは、中々骨が折れる作業であるだろう。
ならばここは。練り上げた魔力を一気に放出して──。
「──一息に、仕留めるであります!」
その言葉の通り、一息に薙ぎ払うのが良いだろう。
魔力を練り上げ形成したのは、クロエが奉じる戦女神の威光が凝縮された光の槍、【戦乙女の戦槍(ヴァルキリーズジャベリン)】だ。
クロエの怒りと邪悪を許さぬ正義の心を受けて、戦女神も力を貸したのか。輝く光は太陽の如く眩く熱い。そんな光に灼かれれば……いくら強化を重ねようとも、イワシ程度に防げるはずもない。
次々に焼かれ、消し炭と化して行くイワシの群れ。慌てて離脱した個体もいるが、その数は残りわずかである。
「この調子で、このドぐされ結界を潰してやるのよ!」
「ええ、アリス様!!」
砂浜に、鰯の脂が焼ける匂いが立ち込める。
そんな中、気勢を上げる二人は……最早一周回って、色々開き直った顔であった。
大成功
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火奈本・火花
「気にならないとは言え、一般人の目線が無かったのは幸いか……ヴィクトリアさんには感謝しないと」
それにしても頼りない水着だ、これは実際に泳げるのか……?(お尻を気にしつつ)
と言うか、衣服が変わる瞬間も大概かも知れんな。魔法少女でもあるまいに
■戦闘
拳銃は持てているだろうか。水着になった時にどこかに行ってしまっていたなら、機動部隊を呼びつつ探そう
砂浜に埋もれていそうだし、ビーチフラッグのように飛び込んで前転しつつ構え直すことになるな
『クイックドロウ』による『先制攻撃』で9㎜拳銃を撃ち、機動部隊の弾幕で完全に撃ち落とそう
……この場合、機動部隊員達もやはり水着になってしまうのだろうか
■
アドリブ、絡み可
●
猟兵達の猛攻を前に、青背の壁はその数を見る見る内に減じていき……最早その数は、数える程にまで減っていた。
そんな中、攻撃の口火を切った猟兵である火花は一度大きく後退し、周囲の状況を確認していた。
「……ふむ」
早朝の海水浴場に一般人の影は無い。どうやらグリモア猟兵の手による立ち入り規制は、上手く行っているようである。
「気にならないとは言え、目線が無かったのは幸いか。感謝しないと……」
先にも触れた通り、火花は水着結界で着せられた水着(クロスホルタービキニにTバックという組み合わせ)に対し、特に動揺を感じる事は無かった。
だが、それでも。事情を知らぬ一般人の視線があるとないでは、大きな違いだ。
何も知らない一般人がこんな姿を見れば、様々な意味合いの籠もった視線を向けられる事は必定である。そうなれば、流石の火花もやり難さを感じる事は避け得ないだろう。
……そもそも、水着結界の力で衣服が変わるあの瞬間からして大概だ。魔法少女でもあるまいに──。
「──そうだ。拳銃は、どうなった……!」
そこまで考えを巡らせた、その瞬間。ハッと気付いた様に火花が顔を上げる。
組織のエージェントでもある火花は、その身に常に武器を携帯している。その携帯しているはずの武器、自動拳銃が今手元には存在しないのだ。
まさか、衣服が変じた拍子に存在ごと無かったことに? いや、流石にそんな事は無いはずだ。思い当たる所があるとすれば、あの辺り……。
(……あった!)
その火花の勘は、的中した。
火花が目処を付けたのは、この地に最初に降り立ったその場所。そこに半ば埋もれる様に、愛用の自動拳銃の姿があった。
衣服を変えられたその表紙に、ホルダーから滑落してしまったのだろうか? まぁ、その真偽の程は定かではないが……兎にも角にも、回収しなければ始まらない。
「こちらエージェント火奈本、《支援要請》!」
呼気も鋭く火花が喚ばえば、どこからともなく顕れるのは火花を援護するエージェントチーム。機動部隊“四つ葉のクローバー”の面々だ。
猟兵との連携を念頭に置いた、熟練の機動部隊である彼ら。即応力と展開力を武器とし、火花の支援要請を受ければいついかなる時も応えてくれる頼もしき戦友達である。
だが……。
(……あぁ、やはりか)
戦友達のその姿を見て、火花の顔に苦笑が浮かぶ。彼らもまた水着結界の力からは逃れられなかったのか、その姿を水着姿と変えられていたのだ。
(隊員の性別構成が不明なので)彼らが纏う水着の詳しい描写は、残念ながら省かせて頂くが……ある程度想定していたとは言え実際にそうなった姿を見ると、この結界の厄介さが良く分かる、という物である。
「っと。まずは銃を回収せねば」
援護を! と一つ声を掛け、火花が砂を踏み掛ける。
銃までの距離はそれ程遠くも無い。わずか十数メートルと行った所だが、その直ぐ側で逃げ惑っていた数体の鰯が共食いを始めたのが気がかりだ。
下手に力を増されては、優位に傾いた戦況が引っくり返る……事は無いと思うが。多少面倒な事には、成り得るだろう。
ならば、ここは……!
「──フッ!!」
時間を与えず、一気に仕留めるべきである。
鋭く息を零し、火花の肢体が砂上を駆けて、跳ねる。銃に向かって頭から飛び込むように跳躍し、まるでビーチフラッグの旗を掴み取るかのようにその手に銃のグリップを握り込む。
そうしてその勢いのまま、ぐるりと前転しつつ……銃口を共食いを続ける鰯に指向する。
距離は至近。狙いを定めずとも外すことなどありえない。
「総員、撃て!」
銃爪を引き絞れば、拳銃弾としてはポピュラーな9mm弾が放たれる。
その銃声に呼応する様に、控える機動部隊の面々も構えた銃器を撃ち放てば……共食いを制して力を増した鰯が忽ち柔らかな鱗を貫かれ、その身をズタズタに引き裂かれていく。
その様子に、一つ小さく息を吐きつつ。
「……それにしても、頼りない水着だ。これは実際に泳げるのか……?」
火花は自身が纏う水着。特に下半身の頼り無さを、気にしていた。
大成功
🔵🔵🔵
レイチェル・ノースロップ
●POW
Wow!Amazing!!
コレが猟兵SNSのGossipで流れていた水着JYASHINデスネ
水着結界でスーツがみるみる月の光に導かれる美少女戦士のように変わりマース
デ・ス・ガ、このマスクが剥がされない限り、ニンジャヒーロー・スワローテイルはここに有りなのデース!
そして、あのUDCはSardine…マイワシに良く似てマスネー…
照りつけるサンシャイン、熱するビーチ、目の前に迫り来る六二五の生魚……ザンテツブレードを構えながら瞳を閉じ、高まるニンジャフォースのビジョンで見えたのは……イワシのナマス!
OK!三枚おろしに返り討ちして、暑いサマーにぴったしのサッパリなスシを頂いちゃうわよ
イヤー!!
●
「Wow! Amazing!!」
女邪神が喚び出した不可思議殺人オブジェクト。青背の魚で構築された壁との戦いの天秤は、猟兵の側に傾いていた。
そんな砂浜の戦場に響く陽気な声。視線を向ければ、そこに立つのは一人の女。
「コレが猟兵SNSのGossipで流れていた、水着JASHINデスネー!」
目にも鮮やかな金の長髪を頭頂部で結わえたその女の名は、レイチェル・ノースロップ(ニンジャネーム「スワローテイル」・f16433)。ニンジャヒーロー『スワローテイル』として、世に蔓延るヴィランを葬る凄腕のニンジャである。
だが、そんな彼女の装束も水着結界の前では無力であった。愛用のスーツの姿は影も形も無く、今彼女が纏うのは肌に張り付く薄布のみ。
常人なら、不安を覚えて狼狽えるだろう。だが、レイチェルは……もとい、『スワローテイル』は狼狽えない。
何故ならば、いくら衣装を変えられようと……!
「デ・ス・ガ、このマスクが剥がされない限り、ニンジャヒーロー・スワローテイルはここに有り、なのデース!」
そう。トレードマークでもあるバタフライマスク。これが剥がされない限りは、スワローテイルに負けはないのだから。
さて。それではそんなスワローテイルことレイチェルが今回着せられた水着を解説していくとしよう。
水着の種別としては、ワンピース型。背面のストラップが肩甲骨の間辺りの一点で固定され、その下部分に開口部が設けられた『フライ・バック』と呼ばれるタイプのデザインである。
これだけなら、良くある水着である。背中の美しさを魅せる、というタイプの物とも思えるだろう。
だが、今回の水着結界は何かが違うというか。そうは問屋が卸さない、と言うか。兎も角、この水着もまた普通では無かった。
その最大の特徴は、前面だ。首元からバスト間を通して臍の辺りまで、ざっくりと深い切れ込みがあるのだ。
所謂『プランジング』と呼ばれるこのデザインは、魅せる所に視線を誘導し魅了するかのような魔力を秘めた水着である。
自身の体付きに自身が無ければ、まず間違いなく萎縮する類のこの水着。だがレイチェルはその豊満な肢体でこの水着を見事に着こなし、ポーズを取って大胆不敵に笑ってみせる程の余裕を見せていた。
そんな余裕綽々な振る舞いに、僅かに残った鰯が反応を示す。生き残りが寄り集まり、群れを形成し……その余裕を剥ぎ取ってやると言わんばかりに、突撃を開始したのだ。
「Huum……Sardin、マイワシに良く似てマスネ……?」
だが群れの数が大きく減じた事で、その突撃の勢いは弱く遅い。それこそ、一般人ですら集中すれば回避することが出来る程に。
故にレイチェルは、慌てず騒がず。迫る敵の姿をじっくり確認し、携えた愛刀『ザンテツブレード』を構え……瞳を閉じて、意識を研ぎ澄ます。
照りつける夏の日差し。火傷するかのような熱い砂。そんな中、迫る鰯……。
「──見えた!」
意識を研ぎ澄ませた事でレイチェルの中で高まったニンジャフォースが、彼女に一つの絵を見せる。
それは、『イワシのなます』。イワシの切り身と野菜を酢を初めとした調味料で和えた、所謂『酢の物』である。
暑さが増々厳しくなる今日このごろ。胃の方も少しずつ活力を失いがちな季節である。
そんな時期にピッタリのさっぱり美味しいこの料理ならば、夏を乗り切る気力も湧き出るはず!
「キ・リ・ス・テ、ソーリー……イヤーッ!!」
呟き、礼をして……刃を引き抜けば。翻った白刃が、一度、二度、三度。鰯の身を、それは見事な三枚に卸す。
鉄を切り裂くその剣は、超高速で振動するハイテクニンジャソードである。もし僅かでもコントロールが狂えば、鰯の様な柔らかな身など簡単にズタズタになるだろう。
だと言うのに、こうまで見事な剣の冴えを見せるとは……実に見事な腕前である。ワザマエ!
「さーて、残るは……」
刃に付着した脂を拭い鞘に収めつつ、レイチェルの目が女邪神を睨む。
口調と態度は戯けているが、その実冷静沈着であるのがレイチェルだ。敵を睨むその目に、一切の油断も感じられない。
そんなレイチェルの視線を受けながら……女邪神は、ニヤリと口の端を歪めていた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ダイス神の女神』
|
POW : ダイス神の女神はルールに従うように言っている
【ダイス判定】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : ダイス神のイタズラ
【ダイス判定】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【悪いダイス判定】で攻撃する。
WIZ : ダイス神のダイス判定が荒ぶっておられる
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
イラスト:祥竹
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠純・ハイト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
早朝の海水浴場。真白い砂浜に喚び出された鰯の群れは、猟兵達の猛攻の前に駆逐された。
これで障害は除かれた。残すは標的である女邪神『ダイス神の女神』のみである。
『ふふっ、はははっ! いやぁ、中々面白い光景じゃないか!』
そんな状況であるが、女邪神は臆さない。それどころか、ニヤニヤとした笑みを浮かべる程である。
グリモア猟兵はこの敵の事を『直接的な戦闘力は然程でも無い』とそう評していた。実際対面すれば、猟兵達もその評価は間違いではないと感じだろう。
……それだと言うのに、なんだろう。この、背筋を刺激するかのような嫌な予感は。
『うんうん。確かに私の戦闘力は、君達には及ばない。この戦いは最終的には、君達の勝ちとなるのは間違いないよ』
けれど、ね? と、呟く邪神がその手に握る物を猟兵達に見せつける。
それは、邪神の力の象徴であるダイス。二つの10面ダイス……2d10、というヤツだ。
それが一体どうしたのだ、と。猟兵が口にするより先に、女邪神が答えを紡ぐ。
『どうやら装置の開発者は結界の力に翻弄されるだけだったようだけど、私は違う。『ダイスを通して、結界の力を掌握した』からね……この意味が、判るかい?』
その言葉を聞けば、猟兵達の表情が変わる。
女邪神は、『ダイスを通して結界を掌握した』と、そう語った。つまり、この結界は女邪神のテリトリーと化したという事である。
ということは。女邪神がダイスを振れば結界もその出目に従って、猟兵達の水着に影響を及ぼす事となるだろう。
無論、その影響が良い方向に転がる可能性も無いでは無いが……目の前でニヤニヤと嗤う女の性質と、ダイスに纏わる能力を振るうという彼女の力を考えれば。結果が良い方向に行くとは、考え難い。下手をすると、『水着どころか布切れですら無いナニカ』となる可能性すらあるだろう。
それは流石に、御免被りたい所だが……。
『フフフ、迷ってるね? 何にせよ、勝てないまでも嫌がらせはさせて貰うよ!』
──全ては、私の退屈しのぎの為にね!
高らかに宣言し、嗤う女邪神。
性質の悪いこの女を、猟兵達は(色々な意味で)無事に討ち果たす事が出来るだろうか?
====================
●第ニ章、補足
第ニ章はボス戦。
ダイスの力を操る女邪神、『ダイス神の女神』が相手となります。
ボスについては、断章で触れた通り。戦闘力に関しては、それ程高く設定しておりません。
ただし特殊ルールとして、『相手が『ダイス判定』を伴う行動を行うと、出目に沿って猟兵の水着に影響が出ます』。
詳細に関しては下に特記欄を設けますので、そちらをご確認下さい。
戦場は、一章と同様。早朝の海水浴場です。
時間は少し経っていますが、グリモア猟兵の人払いが効いているので一般人の目はありませんので、気にせずにどうぞ。
(なお、一章で蹴散らされた鰯は大半が躯の海に消えていますので、そちらも気にしなくて大丈夫です)
○今回の特殊ルールについて(1)
一章から継続して、『水着結界』内での戦闘となります。
一章からの継続参加者の方は、既に描写されている水着に。二章からの参加者の方も、水着となっての参戦となります。
詳しくは、OPのマスコメをご確認下さい。
○今回の特殊ルールについて(2)
断章の通りボスが結界の力を掌握している為、ボスが『ダイス判定』を伴う行動を行うと、対象の猟兵が着用する水着に影響が出ます。
具体的には、『猟兵の判定を反転した出目%分、水着の布面積がヤバい事になります』。
つまり、猟兵の側は行動が成功すればするだけ、水着がアレな事になるという事ですね。
今回はその辺りの状況も考えると良いかもしれません。
無論、その辺りをガン無視して全力で殴り倒しに来ていただいても構いません。
きっと水着は大変な事になると思いますが。
なお、猟兵が『とある行動』をした時、敵は必ず『ダイス判定』を行います。
つまり、猟兵がその行動をしなければ……?
抜け道は、色々とあるはずです。皆さんの機転が試されます。
退屈しのぎと嘯く女邪神。
猟兵達はその厭らしいにも程がある嫌がらせを躱し、敵を討つ事が出来るだろうか?
皆さんの熱いプレイング、お待ちしております!
====================
火奈本・火花
「戦闘力で劣ることを自覚した上で、敗北を覚悟して我々に単なる嫌がらせを仕掛ける。厄介だが、我々はお前の嫌がらせを上回る実力を見せれば良いだけだ」
■戦闘
運命や偶然を操る邪神とも言える
命中率を重視した【格闘術】で攻撃しよう。成功率は少しでも上げておきたい
そのためには接近が必須だな
先程見付けた9mm拳銃での「威嚇射撃」をしながら接近する。「スナイパー」でダイスも撃って行動を阻害出来たら上々だな
「盗み攻撃」で奴のダイスを奪えないかも試すとしよう
「我々に羞恥心による精神攻撃をしようと言うのだろう。我々の潜った修羅場の数を舐めるなよ」
■
※ただし布面積95%以下だと、流石に恥ずかしさで隠す
アドリブ、絡み歓迎
●
居並ぶ猟兵達に向けて、不敵な笑みを浮かべる女邪神。
女邪神自身が語った通り、この戦いの最終的な勝者は猟兵となる事は確定的である。
だがその事実を悠然と受け止め、その上で嫌がらせと称した行動に打って出るとは。
奴は一体、何を目論んでそんな行動を……。
(……いや、待てよ)
瞬間、火花の頭に閃きが過る。
奴は再三、『退屈しのぎ』という言葉を強調していた。それが奴が顕現した目的なのだろう。
だが、目的を達する為には手段が必要だ。では、その手段とはなんだろうか。
(──その為の『水着結界』。そして、『嫌がらせ』か)
火花の中で、全てが繋がる。
奴の狙いは、あくまでもこの海水浴場に集まるはずだった一般人。そんな無辜の人々が、『水着結界』に翻弄される様子を眺める。
それこそが、女邪神が為したかった事では無いのだろうか、と。
だが幸い、グリモア猟兵の人払いで今この場には一般人は居ない。しかし、それでも時間を掛ければ……。
(あぁ。奴が嫌がらせに徹するのは、その為か)
……成程。戦闘力には劣るかもしれないが、この女邪神は中々狡知に長けた手合であるらしい。飄々とした振る舞いも相まって、実に厄介な印象を火花に抱かせる。
だが、それでもだ。
「我々に羞恥心による精神攻撃をしようと言うのだろう。だが……」
過去にはもっとやり辛い手合や、圧倒的に格上の強敵との戦いも乗り越えて、猟兵達は歩んできたのだ。
今更この程度の嫌がらなど、物の数では無い!
「我々の潜った修羅場の数を、舐めるなよ──!」
決然と意思を示す火花が、砂を踏み込み駆け出して。手に握る拳銃の銃爪を引く。
数度響く乾いた炸裂音。奴の力の象徴であるダイスを狙い撃てないかと考えたが、『ダイスを操る』という相手の特性を考えれば、即座に新たなダイスを持ち出されるなどして無駄に終わる可能性は高く思えた。
故に、この射撃は牽制だ。本命はあくまでも白兵戦。己の肉体という武器を活かした、格闘術こそが本命だ。
『フフフ……』
そんな火花の猛然たる突撃を前にしても、女邪神の笑みは変わらない。
己の体を鉛玉が掠める中、その掌のダイスを火花に向けて投げつけて。
──私に近寄ってはいけないよ?
と、言葉(ルール)を紡ぐ。
その瞬間、火花の水着が光に包まれる。邪神の振ったダイスに呼応し、『水着結界』の力が働いたのだ。
そうして光が収まれば……火花の水着の布地面積は、およそ四割減と言った具合に変えられてしまっていた。
「──ッ!」
『そうそう、恥ずかしいだろう? これ以上進めばもっと……なっ!?』
そんな己の姿に、火花が僅かに目を見開けば。浮かんだその躊躇を突くように、女邪神が囃し立てるが……今度は女邪神が、目を見開く番だ。
「言ったはずだ。我々を、舐めるなと──!」
浮かんだ躊躇を塗り潰す様に、叫ぶ火花が更にその距離を詰めてきたからだ。
再び光に包まれる火花の水着。布地が更に一割、二割……都合六割減と言った所まで削られたが、その犠牲は決して無駄ではない。
女邪神の懐へと火花の体が潜り込み……。
「ハァッ!」
勢いのままに放たれた貫手が。手を引き戻す反動で放たれた後ろ回し蹴りが。体勢を崩した相手のガードを崩す拳が。仕留めに掛かる関節技が……。
鍛え上げられた【格闘術(エージェント・マーシャルアーツ)】の数々が、容赦なく振るわれる。
戦闘力に劣る女邪神が、そんな猛攻を凌げるはずもない。貫手を胴に受けて悶絶し、回し蹴りを側頭部に受けて蹌踉めいて、ふらついたままその顔面に拳を叩き込まれて。本能で距離を空けたのか、辛うじて関節技だけは免れたが……一方的にやられるばかりである。
「……嫌がらせは厄介だが。ならば、お前の嫌がらせを上回る実力を見せれば良いだけだ」
蹌踉めき、頭を振る女邪神。そんな相手に向けて言い放たれる、火花の強い決意の言葉。
火花のその言葉通り。嫌がらせに怯む事無く挑めば……この後に続く猟兵達も、勝利を掴む事は容易いはずだ。
成功
🔵🔵🔴
セフィリカ・ランブレイ
エウちゃん(f11096)と行動
この格好、水や汗でアウト!詰みでは?
でもエウちゃんは動くだけでヤバそうだし贅沢は…
遠目だと全然マシな私だし
強い敵じゃない、がここ奴のルール中
全て私達の水着に不利となる
『嫌がらせ至上主義でしょ、気にせず倒せば?』
けど悔しいもん、良い思いさせるの
閃いた……ここが奴のルールの中なら!
エウちゃん、下手すると痛い目見る(水着が)けど、相乗りしてくれる?
私達の力に反応して相手がダイスを動かすと仮定して
それが反応しない程度の攻撃で倒す!……事でルールの穴を突けるかも
力を抑え、鍛え上げた瞬発力と剣の腕で、勝負!
(と、真面目な顔をしつつエウちゃんの姿はドローンで撮影している)
エウロペ・マリウス
同行者:セリカ(f00633)
行動:WIZ
セリカと同様に、ユーベルコードを使用せずに戦闘
ダイス判定を引き起こす『とある行動』が、ユーベルコードの使用であると睨んでの判断ですね
お互い、現時点でかなり布面積が小さいので、これ以上小さくならないことを祈るとしましょう
ほぼ紐な上に、簡単にズレるようなので絶対に動きませんよっ……!
ならば……!
その場から動かず、氷の【属性攻撃】で【誘導弾】を創り、【一斉発射】します
万が一、布面積がギリギリになっちゃったり、水着がズレたりして見えるような大問題が発生した場合は、致し方在りません
オット、テガスベッター(セリカのドローンを誘導弾で破壊)
●
まだ早い時間とは言え、真夏の太陽から降り注ぐ日差しは容赦がない。
玉の肌に汗が浮かぶ感覚を感じて、セフィリカの内心に焦りが浮かぶ。
(この格好、水や汗で濡れたらアウト……えっ、詰みでは?)
セフィリカの今の姿は、極端なまでに布地を減らしたブラジリアンビキニ。その上に薄手の白いラッシュガードを纏った状態である。
この、薄手のラッシュガードというのが曲者だ。少しでも濡れれば中が透けて見えるようなそれは、普通に肌を晒すよりも扇情的に見えてくるアイテムである。
……実際、肩や背の辺りは少しずつセフィリカ自身の汗で濡れて透け始めている。最早一刻の猶予もない、と言った具合であった。
だが、まぁ……。
「ほぼ紐で、簡単にズレて……ぜ、絶対に動きませんよっ……!」
(……動くだけでヤバそうなエウちゃんに比べたら贅沢かなぁ……)
『マイクロ眼帯ビキニ』などというほぼ紐と同義の水着を着せられ羞恥に頬を染め上げ唸るエウロペに比べれば、遠目からはまだ普通に見える分セフィリカの方が比較的マシであると言えた。
只でさえ布地面積が極小であるのに、眼帯ビキニというアイテムはその構造上すぐにズレてしまうという欠点を抱えた水着である。
いくら相手の戦闘力が高くないとは言え、戦いとなれば体を動かす事は避けられない。
となれば、エウロペがポロリとしてしまう可能性は低くない。下手な行動をして更に水着がエグくなれば、その可能性は更に高くなるだろう。
もしそんな事を許せば、齢14の美少女の心に刻まれる心の傷はどれ程の物になるだろうか。
……腐っても邪神、という事か。こうまで巧みな精神攻撃を仕掛けてくるとは、なんと厭らしい相手だろうか。
『嫌がらせ至上主義でしょ。気にせず倒せば?』
「いやけど悔しいもん、良い思いさせるのはさー……!」
とは言え、この結界で人の命が直接どうなるとかいう訳では無い訳で。セフィリカが腰に佩く魔剣は、どこか他人事と言った風情であった。
……いやまぁ、彼女の言う通りサクッと殴り倒すのが一番手っ取り早いとはセフィリカも思うのだが。相手の思惑に乗ってやるのは面白く無いと、姉代わりの魔剣の案は一端横に置く。
(考えろ。考えろ……!)
奴はダイスを通して結界の力を掌握した、とそう言った。つまりそれは、奴がダイスを振れば同時に水着結界の力が活発化するという意味で受け取っても間違いは無いはずだ。
能力、ダイス、ルール……。
「──閃いた! ここが奴のルールの中なら……エウちゃん!」
「えっ……な、なるほど。確かに、それなら……」
瞬間、セフィリカの頭に閃きが過る。そうして浮かんだその考えをエウロペに囁き共有すれば、小さく頷きエウロペが力を練り始める。
膨らみ始める氷の魔力が真夏の空気に滲み出す。その冷気を肌で感じながら、セフィリカも腰の魔剣を抜き、構えた。
『相談は済んだかな……イタタ。ホントもう、容赦ないなぁ』
そんな二人の姿を見る女邪神の表情は、厭らしい笑みから変わらない。
……が、先んじて動いた猟兵の攻撃は確かに響いていたのか。ボヤくその声も、同時に二人の耳に届いていた。
成程、この場は奴のテリトリーなのは間違い無い。だからと言って、絶対無敵という訳でも無いのだろう。
ならば……後は、この博打に賭けるのみ!
「往くよ、エウちゃん!」
「えぇ──荒れ狂え、氷の魔弾よ!」
声を掛け、砂を蹴るセフィリカ。そんな彼女を援護する様にエウロペが放ったのは、無数の氷の魔力弾だった。
『なんだい、正攻法かい? でもそうしたら水着が変わっちゃうよ?』
高度な連携ではあるが、正面からの力押しでもある。
迫る二人の力に、邪神の力が反応する。そして同時に、二人の水着が光に包まれる。
ほくそ笑む邪神。さて、ただでさえ紐に近い水着の二人の姿がどうなるか。面白おかしくなってくれればいいな、と口元を歪めるが……。
『──嘘ぉっ!?』
その表情は、再びの驚愕へと変わる。
まず邪神の目に飛び込んだのは、光を切り払う様に突っ込んでくるセフィリカと……彼女の纏う、『変化の無い』水着の姿であった。
視線を移してエウロペを見れば、そちらの水着も『マイクロ眼帯ビキニ』から変じていない。
どういう事だ? この結界内で力を振るえば、ダイスの力が反応して結界を活性化させるはずだろう?
……待てよ、『力』を振るえば確かにそうなるだろう。
生命の埒外である猟兵とオブリビオンの戦いにおいて、『力』とはユーベルコードを指す言葉である。
けれど、もし。ユーベルコードを振るわない戦い方を、相手が選んだとしたならば……?
『……まさかの素殴りッ!?』
「御名答──ッ!」
声を上げる邪神に返しつつ、セフィリカが手の魔剣を振るい、通過。
すれ違いざまの一閃が女邪神が身を守ろうと翳した腕を切り裂き、その場に血の花が咲く。
そうしてセフィリカが通り過ぎた、その直後。エウロペが放った魔弾が四方八方から女邪神の体に降り注げば、女邪神は悲鳴を上げて逃げ惑うばかりである。
……セフィリカが閃いた案とは、まさにこの流れだ。
即ち、ユーベルコードを封じた素の力で殴り勝つ、という事であった。
邪神が振るうダイスの力。そのトリガーとなるのは、猟兵のユーベルコードである。
ならば、ユーベルコードの力に頼らず挑めば、邪神のダイスが反応を示す事は無いのではないか?
セフィリカの鍛え上げた剣と瞬発力や、エウロペの持ち前の魔力での力押しであれば、ルールの穴を突いた行動が出来るのではないだろうか?
セフィリカのその閃きは、まさに正鵠を射る物であったのだ。
(万が一失敗して大問題が発生した場合は、どうなる事かと思いましたが……)
提案されたセフィリカの案が間違いでは無かった事を悟り、エウロペが安堵の息を溢す。
もし、仮に。セフィリカの案が間違いであった場合……二人の水着は良い子のPBWである当作ではお見せできないような、それはもう大変な事になっていただろう。
まぁ、そうなったらそうなったで、一応覚悟はしていたのだが……。
「……うん?」
ふと、エウロペが何かに気付いて視線を空へと向ける。
そこに浮かんでいたのは、一機のドローン。海水浴場……というより、エウロペの上空から付かず離れずと言った具合に浮遊する機体であった。
視線をセフィリカへと向ける。下手な口笛を吹きながら視線を逸らされる。
……あぁ、うん。そういうことか。
「オット、テガスベッター!」
「あーっ!」
露骨な棒読みで氷の魔弾をていっとブン投げれば、哀れドローンは爆発四散。同時に響いたセフィリカの悲鳴を聞けば、ドローンの持ち主が誰であったかは明白だろう。
まぁ、何とも締まらぬ終わり方であるが。二人は(色々な意味で)無事にこの場を切り抜け、邪神に痛撃を与えたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
氷室・雪
他も過激な水着なのは不幸中の幸いではあるが、紫外線に弱いという点でも肌の露出は辛い
持久力の低い上に暑さと紫外線が合わさり長期戦は不利という事と、
相手のにやけ顔見たことで、我が身可愛さに果たすべき事を忘れてはならぬと覚悟も決まった
思惑通りに四苦八苦するのが癪というのもある
恥ずかしがることなら後でもできる
「この一撃に全てを賭ける」
防御を考えない捨て身の斬撃を繰り出し攻撃
ダメージを与えられずとも怯ませることが出来れば他の者の手助けとなるだろう
水着が酷いことになったからどうした
内心HARAKIRIも考えるほど恥ずかしいが、つまらないと思わせれば勝利と考えて感情を表に出さぬように努力する
アドリブ・絡み可
●
逃げ惑う女邪神を追い立てる、顔見知りの猟兵。
彼女が纏う水着の過激さは、雪が纏うそれを超える物であった。
視線を他に回せば、他の猟兵も大なり小なりと言った具合である。
……ベーシックなマイクロビキニを纏う自身に然程の注目が集まらないという意味では、まさに不幸中の幸いと言えるだろう。
「……とは言え、だ」
透けるような白い肌の雪である。当然、紫外線には強くない。
そんな雪であるから、肌が過剰に露出する今の状態で長々といるのは正直体に辛い所であった。
……持久力の低さもあるから、長期戦は不利。
それに、こちらの惨状を眺めて相手が浮かべたニヤケ顔を思えば。
(奴の思惑通り、水着に四苦八苦するのは癪というものだ)
雪の心に燃え立つのは、反骨心。そして何より、猟兵としての使命感だ。
我が身可愛さに果たすべき事を忘れてはならない。恥ずかしがる事など、後でも出来る。
今はただ覚悟を固めて……。
「──この一撃に、全てを賭ける!」
一撃必殺の捨て身の斬撃で、仕留めにいくのみだ。
鞘に刃を収めたまま、砂を蹴る雪。透き通る白に黒を纏う肢体が、艶かしく砂浜を駆ける。
脈動する雪の体。その芯に宿る力が滾り、闘気となって溢れ出れば。
『っと、今度こそ! 私に近寄っちゃ、ダメだからね!』
その闘気に反応した様に、女邪神のダイスが反応を示す。
瞬間、雪の体を包む水着が輝く。邪神に掌握された結界の力が活性化し、その水着の布面積を削っていく。
じわり、じわりと。雪の体感で言えば、7割近くを削られた様な印象だ。
……ただでさえ、露出過多なマイクロビキニである。その水着から7割削られたとなれば、最早大事な所を隠す程度にしか布が残ってはいないはず。
だが。
「それが、どうした!」
羞恥を振り払う様に吠えて、刀の柄を握る手に力を込める。
正直、顔から火が吹き出しそうな程に恥ずかしいのは事実だ。何なら『HARAKIRI』を考える程である。
だがそこで狼狽すれば、奴の目論見に屈した事になる。ならばその感情は一端胸の内に仕舞い込んで。
「剣刃、一閃──!」
刃に闘気を乗せて抜き放ち、振り払う。
所謂『抜き打ち』という形で放たれたその剣閃は、狙い違わず女邪神の身を捉え……邪神が纏うワンピース水着の脇を、大きく切り裂く!
『くあぁっ!? み、水着を削られるのは君達の役目だよ!?』
悲鳴を上げて、砂を転がる邪神。切り裂かれた脇から覗く素肌には、大きな傷は見受けられない。
どうやら紙一重と言った所で躱したようだが……息を荒くし汗を浮かばせるその様子を見るに、どうやら今の一撃で随分と動揺させる事が出来たらしい。
(私は、私の務めを果たした。後は……)
その成果に、雪の口からほうと大きな息が溢れる。
刀を鞘に収めつつ、続いて雪が思うのは。
(……この水着が、戦闘後に元の衣服に戻れば良いのだが)
今の自分の恥ずかしさはどこまで続くのかという、そんな思いであった。
成功
🔵🔵🔴
アリス・クイン
ぎゃあああああなんてことすんのよ!このっ、この、ドヘンタイ!!
クロエ(f19295)を盾に、じゃなくて、いっしょにぶっ倒すわ!
クロエにかばってもらってる間に、さっき出したヌイグルミたちを再集結
どうせもう水着でもなんでもないわよと屈んで隠すだけで精一杯
こんなヘンタイ結界つかって嫌がらせとかダイスの女神じゃなくてダビッチよ!
ホラー映画なら開始5分でビーチでサメに食べられる最低のダビッチ!!
UC【リアライズ・バロック】
巨大ホオジロザメに乗って波をさかのぼってダ女神をパックンチョしてやるわ
フフン、少しは効いたかしら?
ヌイグルミを解いたらクロエにトドメを……ぎゃー!?なんて格好してんの!?
クロエ・アスティン
アリス様(f24161)と一緒であります!
ダ、ダ女神になんて負けないでありますよ!
前衛としてアリス様の前で盾を構えて、氷の津波や炎の竜巻からアリス様を「かばう」であります!
ダメージは入らないけど、どんどん水着……というか貝殻が小さいのもになっていって……ぴゃぁぁぁ!?
こ、このままでは!?戦女神様、力をお貸しくださいであります!
【降神】を使ってこの身に戦女神様の力を宿すであります!
トランス状態になっているので、水着の状態なんてまったく気にならず、上昇した身体能力で一気にぼこぼこにしてやります!
※昏睡から覚めた後はもう一度、盛大な悲鳴が響くことでしょう
※アドリブや連携も大歓迎
●
『くぅぅ……! なんなの君ら! そんなに肌を晒して恥ずかしくないのかい!?』
痛みに呻きながらの女邪神の嘆きが、砂浜に響く。
掌握した水着結界の力を活かし、嫌がらせに徹するという女邪神の戦略。
その戦略は、並の相手であれば通じただろう。羞恥心に動きが鈍り、時間を稼いで一般人がやってくるまで粘れたかもしれない。もしかしたら、勝利だって狙えたかもしれない。
だが、この場に集まるのは並の相手では無い。己の務めを果たさんとする者、運命に打ち勝たんとする者、反骨心を燃やす者。
「恥ずかしいに決まってんでしょッ! なんて事すんのよこのっ……この、ドヘンタイ!!」
そして、激しい怒りに身を震わせる者。何れも類気な才を持つ、猟兵達であった。
小さな体をプルプルと震わせながら怒声を上げたのは、アリスであった。「こんなんもう水着じゃないわよ!」と言った具合に顔を真っ赤に紅潮させ、クロエ(同じく真っ赤な顔でプルプルと震えていた)の身体を壁代わりにしてしゃがみ込み身を隠した状態での怒声であった。
クロエとアリスは、今回の件で最大の被害者であると言っていい。何せ着せられた水着が貝殻ビキニに前張りとか……そりゃまぁ、怒るよなと言った代物である。
なのでまぁ、今の二人は怒れる乙女であるのだが……。
「こんなヘンタイ結界使って嫌がらせとか、アンタなんかダイスの女神じゃなくてダビッチよ!」
『ダビッチっ!?』
「そーよ! ホラー映画なら開始5分でビーチでサメに食べられるタイプの最低のダビッチよ!!」
「あ、アリス様っ!? もうちょっとこう、言葉選びとかっ!?」
もうちょっと、こう……綺麗な言葉をね?
アリスの淑女らしからぬその罵倒には、味方のはずのクロエも背を振り返って抗議の意を示す。
……まぁ、うん。そんな口汚く罵られれば、流石に愉悦系の邪神であるはずの女も怒りを覚えたか。
額に青筋を浮かばせて、程度の低い口喧嘩の始まりである。
『良くもまぁそんな痴女臭い格好して口汚く罵れたモンだね!』
「着せたのアンタでしょ!」
『ちーがーいーまーすぅー! ダイスの神の導きですぅー! 君達の日頃の行いが悪いからですぅー!』
「責任転嫁してんじゃないわよ! 結界使ったのアンタじゃないの! 使用者責任よ、このダ女神(ダイスの女神の略)!」
『駄女神(駄目な女神の略)ですってぇっ!?』
プチン、と。何かが千切れた様な音が聞こえたような聞こえなかったような。
ともあれ堪忍袋の緒が切れたと言わんばかりに、女邪神がダイスをその掌に山のように喚び出し握り。
『ダイス神を愚弄した罪、その身で贖えっ!』
クロエとアリスに向けて放り投げれば。忽ち砂浜に巻き起こるのは、猛烈な旋風。
そして同時に引き起こされるのは、世界を創る属性の乱れ。即ち、旋風に乗って炎が踊り、海の水が氷となって津波の様に荒れ狂う。
まさに超常的な自然現象。その狙いは当然、クロエとアリスであるが……。
「そう簡単に、通しはしないであります──!」
痴女臭い水着(女邪神談)を着せられていても、猟兵としての力を振るうのに不都合は無い。
クロエが自慢の大盾を構えれば、荒れ狂う炎が、氷が、風が。その全てが弾かれる。盾を構えるクロエにも、その背に護られる(と言うより、クロエを盾にしている)アリスにも、怪我はない。
そう、怪我はないのだが……。
「ちょっ、ひぃぃぃぃっ!?」
「ひえっ!? 水着……というか貝殻が、どんどん小さく……ぴゃぁぁぁぁっ!?」
二人の身体には、(色々な意味で)致命的な現象が引き起こされていた。
そう。ダイスの女神が多量のダイスを振った事で水着結界の力が活性化し、タダでさえヤバい二人の水着が更にヤバい事になっていたのだ。
(こ、このままでは──っ!?)
秒を追うごとに小さくなっていく水着(?)に、焦るクロエ。
このまま耐えても、ダメージは無い。だけどその代わり、乙女の尊厳的な物を喪ってしまいそうである。
そんな事は、耐えられない。ならば、敵の攻撃を止めねばならない。
……そうだ。もう、前に出るしか無い!
「──戦女神様、御力をお貸し下さいであります!」
強い決意で乞い願えば、忽ち輝きだすクロエの身体。
幾千の勝利を重ねし誉れ高き御魂。クロエが奉じる『戦女神』の力がその身に宿ったのだ。
「やぁぁぁ!!」
身体の中で滾る猛烈な戦意を吐き出す様に咆哮を上げて盾を払えば、巻き起こされた風が押し寄せる邪神の力とぶつかり合い、打ち消し合う。
そうしてその衝動の赴くままに、盾を投げ捨て砂を蹴り……女邪神へと、躍り掛る!
『ちょっ、待っ……ぶべっ!?』
邪神の力により、クロエの水着は増々小さくなっていく。今はもう、ほぼ全裸と言っても過言では無い状態だ。
だが、クロエは自身の状況を気にもとめない。湧き立つ偉大なる力を受けて気分が高揚し、目の前の邪悪を討つという使命感にのみ思考を傾けているからである。
そんなクロエの姿に、女邪神が驚愕して目を見開き……次の瞬間、その鼻っ柱にクロエの拳が叩き込まれて悶絶する。
「この隙に……!」
バキッ、だとかグチャッ、だとか。肉を叩く音が響く中、隙を突くように動いたのはアリスであった。
(当然、前張りは殆ど消えていたので)しゃがみ込んで身体を隠した姿勢のまま、喚び出したのは先程も召喚したお魚さんのぬいぐるみ集団。
その集団を、先程と同じく寄り集めて合体させて。巨大ホオジロサメを創り上げ。
「よいっ……しょ。よし、行くわよ!」
一生懸命よじ登り、体ごとしがみつき。威勢よく声を上げれば、ホオジロザメが動き出す。
まるで大海原を往くように、空中を泳ぐホオジロザメ。巨大なその体が悠然と征き……。
──ドンッ!!
クロエにボッコボコにされていた女邪神を轢いて、跳ね飛ばす。
女邪神の身体は、いっそ見事なまでの放物線を描いてふっ飛ばされて。その頭から、砂浜の砂に嵌まり込む。
「フフン、少しは効いたかしら? それじゃクロエ、トドメを……あら?」
まるでギャグ漫画の様な敵の無様な姿に、鼻息も荒くアリスがクロエに追撃を指示するが……肝心のクロエの反応が、無い。
どうしたのかと、先程邪神を轢いた辺りに視線をやれば……。
「ギャーッ! クロエーっ!? っていうかアンタなんて格好してんのーっ!?」
そこにあったのは、ほぼ全裸となった状態で俯せになってすやすやと眠るクロエの姿が!
どうやら宿した神の力が抜けたその反動で、昏睡状態に陥ってしまったらしい。
流石にこんな状態のクロエを放置するのは、色々マズい。慌ててクロエを回収し、アリスが戦場から退避する。
……幸い、女邪神は嵌まり込んだ頭を抜くのに四苦八苦している様子である。撤退は、無事に出来るだろう。
ともあれ、怒れる少女達はその正当な怒りを見事にぶつける事に成功するのだった。
……なおこの後、目が覚めて自分の現在の姿に気付いたクロエが絹を引き裂くような悲鳴を上げたりするのだが。
それはここで語ることでは無いだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レイチェル・ノースロップ
●POW
God doesn't play dice(神はサイコロを振らない)
確率によるあやふやなものは存在しない…つまり、確率なんてシットなコトワザね
けど、こうして今、ダイス神の女神…うーん、言いにくいわね
ダ女神と略して、ここはダ女神の挑発にあえて乗るわ
勿論、裸同然になってしまうかもしれないけど、ここでニンジャの秘密をお姉さんが教えて、あ・げ・る
ニンジャとは鍛え抜いた体術を以って一撃のもとに敵を葬りし者
それは例え服がなくてもね?
スクロールにも名前が載るニンジャは裸同然でも圧倒した言い伝えよ
つまり『スーパー・ジャスティス』の黄金のオーラを謎の光にして、羞恥心なく距離を詰めてカラテを叩き込みマース
●
『ぬぎぎぎ……ぷはっ! た、助かった……!』
砂浜にめり込んだ状態から漸く抜け出し、女邪神が安堵の息を溢す。
だが、助かったと言うにはまだ早いだろう。
忘れてはいないだろうか。この場には、もうひとり猟兵がいた事を。
「──God doesn't play dice」
『な、何を急に……?』
「確率なんてシット、って意味のコトワザよ」
サクと鳴る砂を踏む音と、知性の高さを感じさせる落ち着いた女の声。
女邪神がその音に振り返れば、そこに居たのはバタフライマスクで顔を飾り、豊満な肢体にエレガントな水着を纏うレイチェルであった。
『神はサイコロを振らない』。確率によるあやふやな物は存在しないという、著名な数学者が残したとされる言葉である。
その言葉はまぁ、色々と賛否のある言葉であるが。ことこの場に於いては、レイチェルは全面的に賛同する所であった。
だが現実問題として、この場は確率の申し子とも呼べる『ダイス神の女神』のテリトリーである。偶然や確率を操る彼女の力を乗り越えねば、攻撃するのもままならぬだろう。
……ならば、是非もない。『ダイス神の女神』の嫌がらせと挑発に、あえて乗るのも──。
「……というか、『ダイス神の女神』だなんて言いにくいわね。ダ女神でいい?」
『また駄女神って言ったぁっ! 一度ならず二度までも!!』
悪くない……などと思いながらふと呟いたその言葉に、ダ女神が過剰な反応を見せる。
どうやら先程の怒れる少女たちとのやり取りが相当頭に来ていたようで。その怒りがレイチェルのふとした一言で再点火されたらしい。
怒り心頭と言った様子のままに、ダ女神がその掌に握るダイスをレイチェルに向けて投げつけて。
『今度こそ! 私に、触れるな!!』
この場に於ける、『ルール』を叫ぶ。
同時にレイチェルの肌が感じるのは異質な空気。ダ女神……女邪神の強烈な怒りによる、強い圧迫感である。
そして、直感する。恐らくこの状況でルールを破れば、他の猟兵達以上に水着が大変な事になるだろう、と。最悪、裸同然になってしまうやもしれぬだろう、と。
──だが、それがどうした!
「……お姉さんが、ニンジャの秘密を教えてあ・げ・る」
言葉を紡ぎながら、構えを取り、息を整える。
ニンジャとは、鍛え抜いた体術を以て一撃のもとに敵を葬りし者を指す言葉である。
そこに服の有無は、介在しない。極論を言えば、衣服など無くともその体術を振るえるのならばニンジャであると言えるのだ。
「スクロールにも名前が残るニンジャは、裸同然でも敵を圧倒したという言い伝えよ?」
──そう、こんな風にね!
瞬間、膨れ上がるレイチェルの覇気。身体から立ち昇る黄金の闘気が、レイチェルの身体を包み込み……!
「──イヤァーッ!!」
『アバーッ!?』
レイチェルの身体が掻き消えたと思えば、響き渡る裂帛の気勢。
そして吹き飛ばされて宙を舞い、再び砂に埋れる女邪神。
一体今、何が起きたのか。それを解説するのは、一言で十分だ。
『高めた闘気で身体能力を引き上げたレイチェルが、一瞬でダ女神との距離を詰め自慢のカラテを見舞った』、ただそれだけの事である。
……ただそれだけで、軽々と邪神の一柱を弾き飛ばすとは。レイチェルのカラテの、何と凄まじい事か! ゴウランガ!
「Huuuuu……」
ゆっくりと構えを解き、残身を取るレイチェル。
そんな彼女の水着は、布地面積が九割八部程減じた悲惨な姿。
最早『紐』どころか『糸』と成り果てる程に布面積が減じていたが……大事な所だけは、謎の不思議な光に包まれ護られるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
火奈本・火花
「奴の目的も手段も人類にとってすぐに脅威となる訳ではないが、それでも異常な思考と力であることに変わりはないな」
■戦闘
奴の起こす現象に対抗できる『地形の利用』を『瞬間思考力』で考えよう
海に逃げる事で威力を減退出来たり、砂を『怪力』で飛ばしたり穴を掘る事で回避出来るかもしれないからな
幸い、多くの仲間が奴の目論見に乗っていない
奴の攻撃によってトップスの水着が外れた『演技』で恥ずかしがり、目的を達したと誤認させて『騙し討ち』しよう
【金枝の落とし仔】で捕らえ、植物の種に変えて破壊か収容する
…蔦の一つくらいは、外したトップスの代わりにならないだろうか
珍妙な結界だったが、これで一段落か
■
アドリブ、絡み歓迎
●
再び砂に埋もれた女邪神が、ゆっくりと立ち上がる。
その体は、最早満身創痍。その表情も、先程まで浮かべていた余裕と愉悦を失いボロボロであった。
(だからと言って、油断はしないが)
しかしその姿を見ても、火花の目に侮りは無い。
邪神『ダイス神の女神』。そして彼女が操る『水着結界』なる力。
はっきり言えば、どちらも人類にとって直ぐに驚異となるような物ではない。だがそれでも、どちらも異常な存在である事には変わりはない。
珍妙な力ではあるが、流出してしまえば人類社会の混乱を招きかねない危険な存在だ。油断して良いはずが、無い。
それに、奴は今だって──。
『ダイス神よ、御力を……!』
僅かに残ったその力で掌にダイスを生み出して。胸の内に決意の火を燃やす火花へ向けて、投げ放っているのだから。
投げ放たれたダイス。その荒れ狂う出目の力を受けて、砂浜に吹き荒ぶ風。その風を受ければ、波も荒れ始める。
「ぐっ……」
吹き抜ける暴風を受けて、火花の身体が僅かに揺らぐ。瞬間思考力で逃げ場を探すが、頭に浮かぶ閃きは──。
……次の瞬間、巻き起こった砂が風に乗って火花の姿を隠す。邪神のダイスが、地(砂)を暴走させたのだろうか?
その真偽の程は、定かではないが……。
「しまった、水着が……っ!」
その砂嵐が収まれば、火花の姿が変じていた。
どうやら今の砂嵐で剥がされたのか。火花の纏う布地が大きく減じたクロスホルターのトップスが消え、所謂『トップレス』という状態に変じていたのだ。
今の火花の肢体を包むのは、際どさの極みみたいな形となったTバックのボトムスのみである。
そんな姿となってしまっては、流石の火花であっても狼狽は避けられないか。頬を紅く染め、腕で胸を覆い隠して縮こまるばかりである。
『そうそう、こういうの……! こういうので、良いんだよ──』
そんな火花の痴態に、苦しげな表情ながら満足げに女邪神が頷くが……だがその余裕は、続かない。
『──なっ、がっ!?』
柔らかい砂地の下から伸び出てきた植物の蔓に、その五体を束縛されたからだ。
一体、何が……女邪神の頭に浮かんだ疑問の答えは、即座に明かされる。
「油断したな」
聞こえた声に視線を向ければ、薄く頬を染めながら女邪神を睨む火花の姿。
トップスを喪ったその代わりに、蔓を巻きつけ胸を包むその姿を見れば……女邪神も自ずと理解するだろう。
この蔓は、この女が操る物か、と。
『そうか、さっきの砂が爆ぜた瞬間に……いや。そもそも全部、演技だったのか!』
悔しげに顔を歪ませる女邪神。一瞬でその事を見抜くとは、やはり相当に知恵が回る手合であるらしい。油断せずにいて正解だったと、火花が一つ息をつく。
女邪神が言うように。暴風が吹き抜けたあの瞬間、吹き上がった砂は邪神の力による物では無かった。
あれを為したのは、火花だ。身体が揺らぎバランスを崩した事を利用して、爆発的な怪力で地を蹴り上げて態と風に砂を乗せたのだ。
そうして故意に引き起こした砂嵐で視線を遮りつつ、喚び出した蔓こと【金枝の落とし仔(アンディファインド・クリーチャー)】を砂地に潜り込ませて、女邪神の足元から奇襲を仕掛けさせたのだ。
とは言え、火花にも誤算がある。
火花は当初、水着のトップスを態と外す事で恥ずかしがる『演技』をし、以て敵の気を引きつけようと考えていた。
だが、先だっての交戦で六割近い布面積を削られていた影響か。まさかトップスの存在ごと、綺麗さっぱり消失するとは。
この事態には、流石の火花も羞恥の念を刺激されたか。頬を染めたその表情自体は、演技ではなかったのだ。
……まぁそれを口にすれば奴が喜びそうなので、口に出す事は無いけれど。
『くっ、こんな蔓如きに……!』
憎々しげに女邪神が身動ぐが、それだけだ。その力は限界を迎え、あとひと押しで倒れるだろう。
ならば、最早語る事も無い。
──我々は暗闇の中で戦い、狂気を封じ込め、人々の目から邪悪を遠ざけなければならない。
火花の胸に宿る誓い。UDCエージェントとしての使命感に呼応するように蔓が蠢けば、邪神の縛めが一弾、また一弾と圧を増す。
『おのれぇ……! だがダイス神の名にかけて、このままでは終わらない!』
その圧に苦悶の声を上げ、だが最後の抵抗を示すように女邪神がダイスを放り……。
──カッ!!
瞬間、戦場を包む眩い光。
そして動じ猟兵達が感じるのは、己の纏う水着が光に解けて変じていく感覚だ。
この感覚は、皆覚えがあるはずだ。そう、最初にこの地に踏み込んだ際に感じた、あの感覚である。
──今日一日、その面白水着で過ご……あっ、くそぅ! 最後の最後で中途半端な出目がぁ……!
そんな中、猟兵達の頭に響く女邪神の思念。
どうやら今際の際に振ったダイスは期待した出目では無かったらしく、随分と無念の色が濃い様子である。
が、その思念も光と共に消え失せて。後に残るのは、激しい戦闘の痕跡など欠片も残らぬ平和な海水浴場の光景である。周囲に気を配ってみるが、水着結界の怪しげな気配も感じられない。
どうやら、任務は達成出来たらしい。猟兵達は、邪神の目論見を見事に打ち砕いてたのだ。
……なお、その直後。
猟兵達が自らの身体を確認し、『水着結界』で変えられた水着姿のままである事に色々と悲喜こもごもな反応があったりなかったりするのだが、それはまた別のお話。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『海を楽しめ!』
|
POW : 海の家や屋台廻りでとにかく食べ物を堪能
SPD : 水泳、ビーチバレー、水鉄砲の打ち合い、体を張って夏を満喫
WIZ : 海を眺めて物思いに耽る、もしくはのんびり徹底的に日焼け、パラソルの下でのんびり
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
海水浴場を巡る一騒動。『水着結界』の力を巡る(色々な意味での)死闘を、猟兵達は見事に制した。
感じ取れる限り、結界の残滓の様な物は感じられない。
これでこの海水浴場に一般人が訪れても、パニックになるような事は無いだろう。
……まぁ問題があるとすれば、猟兵達の今の格好か。
今の猟兵達の姿は、この地に訪れて最初に着せられた水着姿であった。
女邪神が遺した思念を信じるなら、今日一日はこの格好で過ごさねばならないらしい。
恐らくは、女邪神の最後の嫌がらせなのだろうが……本当にもう、面倒な呪いを遺してくれた物である。
「皆さん、お疲れさまでした」
何とも言えない表情を浮かべる猟兵達。
そんな一同に掛けられた声に振り向けば。そこにいたのは、この地に皆を送り込んだグリモア猟兵。
皆を労うその表情は、常の穏やかな微笑みだが……その中にもどこか、戸惑いの色が感じられる。
まぁ、彼女も結界の力で強制的に水着姿(白のマイクロビキニ、パレオ付き)に変えられている訳で。そんな表情になるのもさもありなん、と言った所である。
……しかしこうなると、どうするべきだろうか。
グリモア猟兵に頼んで、この場からさっさと退去するのも一つの道だ。だがどの道、今日一日はこの水着で過ごさねばならないのは事実である。
流石に日常生活をこんな水着で過ごすのは……大抵の者は、羞恥心を覚えるだろう。
ならば、いっその事。
「木を隠すには森の中、とも言います。今日はこのまま、この地で過ごすのも手かもしれませんね」
グリモア猟兵がそういう様に、この海水浴場で時間を潰すのも手であるかもしれない。
この海水浴場は、地元の人々に愛される地であるのだという。特に夏の盛りのこの時期ともなれば、その賑やかさは中々の物となるだろう。
そんな場所であるからして、所謂『海の家』や屋台などの出店も揃っている。水着は変えられない(変えようとすると、自動でこの水着に変換されるのだ)が、その他の夏の海辺を楽しむアイテムの調達は容易いはずだ。
当然海水浴場だから水遊びも楽しめるし、人混みから外れれば碧の海と白い砂浜に心落ち着ける事も出来るだろう。
……ちょっとした慰労、バカンス気分も兼ねて。この地で時間を過ごしてみるのは、どうだろうか?
「皆さん、どうぞ楽しんで下さいね」
ちらほらと一般人の姿が見え始めた、夏の海水浴場。
猟兵達の憩いの時間が、始まろうとしていた。
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●第三章、補足
第三章は、日常章。
戦闘後のお楽しみ、『海水浴場』での一時となります。
舞台となるのは、先程までの戦場であった海水浴場。
天気は晴れ。時刻は海水浴場が開いた時間からスタートし、日暮れ頃までとなります。
フラグメントの内容は特に気にせず、夏の海水浴場をお楽しみ下さい。
設備関連に関しては、断章の通り。
海の家や屋台などで、一般的な海水浴場で手に入るアイテムは調達可能です。
ただし、水着に関しては『各自が一章開始時に着用していた水着』となります。
着替えようとしても邪神と結界の呪いで変えられます。抵抗は無意味だ。
また、三章はヴィクトリアも待機しております。
特に何事も無ければ、海の家の一角で皆さんが休憩できるスペースを確保しております。
何事か言いたい事がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にどうぞ。
☆三章からの参加の方の扱いについて
三章から参加される場合も、扱いは継続参加の方と同じ扱いとなります。
月城がダイスを振り、それに対応した水着姿となっての登場となります。
(一章・二章の場にもいたがスポットライトは当たらなかった、という扱いになります)
もし参加を検討される場合、今回の水着ダイスはかなり荒ぶっております。
徳を積み上げ、ヤバいのを引いても泣かないの精神でご参加下さい。
戦いを終え、訪れる憩いの時間。
賑やかな夏の浜辺で、猟兵達が思い思いの時を過ごす。
皆様の楽しいプレイング、お待ちしております!
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氷室・雪
海水浴場はどうにも場違いな気がして落ち着けん
貧相な体で似合わない水着の奴がいると笑いものにされてる気さえしてくる
実際には風景の一部としてしかとられてないだろうから被害妄想なのだろうが
精一杯虚勢を張っていたが、太陽の日差しで氷が解けるかのように弱気になってしまう
友達がいない頃を思い出して気が沈んでしまいますね
ヴィクトリアさんに海のおすすめを聞こうかと思いましたが、人に話しかける難度が高すぎるので断念
死闘の方がまだ気楽まである
砂に埋まって体を隠しつつ時間を潰すというのを考えたけど一人では無理そうなので諦めることにし、
無難に誰もいない場所で心の傷を癒そう
今日有ったことはすべて忘れよう……
●
燦々と降り注ぐ夏の日差し。
眩しく暑いその光を受けて、白い砂浜と碧の海もキラキラとした輝きを放っていた。
そんな光に集まる様に、続々と集まる一般人達。当然人が集まれば、それだけ喧騒も高まるという物で。
「……むぅ」
そんな喧騒の中に居ながら、雪はどこか所在無さ気といった表情を浮かべていた。
(どうにも、場違いな気がして落ち着けん……)
賑やかな海水浴場に集まる人々は、右を見ても左を見ても水着姿である。
そんな人達の中にあって、『貧相な身体で似合わぬマイクロビキニを着ている』という自身の姿が浮いているのではないか。周囲の人々の笑い声は、そんな自身をからかう物なのではないかと。雪はそんな疑念を抱き、落ち着けなかったのだ。
当然、雪が抱くその疑念は唯の被害妄想である。
──実際の事を言えば、雪は多くの人の視線を集めていた。靭やかな細身と透き通る様な肌を飾る艶やかな黒のマイクロビキニという組み合わせは、特に異性の注目を集めていたのだが……。
それはさておき。
雪自身も、己が抱く思いは謂れのない事であるとは理解はしている。
けれど、理性と感情はまた別だ。
クールでストイックと余人に見られる雪であるが、彼女とてまだ齢16の多感な少女である。
一度疑念を抱いてしまえば、気にしないと精一杯虚勢を張っていようとも。太陽の日差しで氷が融けるが如く、その虚勢も打ち砕かれて弱気の虫が顔を出す。
(……まるで、友達がいなかった頃のようだ)
弱気に陥る自身の心に、自嘲する様に息をつく。
今も海の家で休憩スペースを確保してくれているグリモア猟兵に声を掛けようかと思ったが……。
「あっ……」
今日共にこの場に挑んでいたUDCエージェントの猟兵が先に声を掛けている様子を見て、その意思もしおしおと萎む。
他者とコミュニケーションを取るのが得意で無い自身の気性的に、あの場に乗り込むのは難度が高すぎる。
(いっそ、死闘の場の方がまだ気楽だ……!)
しかしこうなると、本格的にどうするべきか。
砂に埋まってこの体を隠しつつ時間を潰すか? いいや、一人でやるにはちょっと無理がある。
そうして迷い迷いながら、うろうろと海水浴場を歩き……気付けば雪は、人気の無い岩場の辺りに立っていた。
もういっそ、この場で海を眺めて時間を潰してしまおうか。
「今日あった事は、全て忘れよう……」
ポツリと呟き、岩場の影に膝を抱えて座り込む。そうして瞳を閉ざし、静かに心を落ち着ける。
穏やかな波音。鼻を擽る潮の香り。その全てが、羞恥でささくれ立ちかけていた雪の心に癒やしを与えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
火奈本・火花
「色々な意味で厄介な邪神でしたね……そもそも消えるとか、対策しておいて良かったです」
■行動(WIZ)
日焼け止めはしっかり塗ってから浜辺でゆっくり過ごしましょうか
波の音や皆さんの楽しむ声を聴くのも、良いものですからね
ヴィクトリアさんとも、出来れば少しお話してみたいです
転送や避難といった対応への感謝と、水着への愚痴。あとスタイルもとても良いですし、何かこう、特別な食べ物や運動をしているか聞いてみたいですね
いえ、別にこれからの胸囲部分に成長を期待している訳ではないですが
「この水着結界……『一日』というが何処までの範囲か分かりませんが、騒動の隠蔽もあとで考えておきませんとね」
■
アドリブ、絡み歓迎
●
「お疲れ様でした、ヴィクトリアさん。色々な意味で厄介な邪神でしたね」
「えぇ、本当に……」
「水着が消えるとか。対策しておいて良かったです」
「えっ。水着、消えてしまったのですか……?」
海の家の一角、浜辺が良く見えるスペースで、火花とヴィクトリアが言葉を交わす。
火花の言う通り、今回の敵は本当に厄介な相手であった。過去の水着結界案件を見返しても随一な相手とも言えるだろう。
そんな敵を向こうに回し火花が戦いに集中出来たのは、予知や転送、一般人の人払いと言った裏方の仕事を一手に担ったヴィクトリアの存在があってこそである。
「今日は本当に、ありがとうございました」
そうと認識しているからこそ、火花の口から零れ出るのは素直な感謝。そしてその言葉を裏付ける、頭を下げる仕草である。
そんな火花の感謝に触れれば、ヴィクトリアも一瞬目を見開いて。
直ぐにその表情を、穏やかな笑みへと変えて。火花の手を取り、謝意を示す。
「いいえ、こちらこそ。皆さんの御力のお陰で、最悪の事態は避けられましたから」
火花が思う様に、ヴィクトリアが裏方を一手に担ったのは事実である。
けれど戦いの矢面に立ったのは、誰あろう猟兵達だ。猟兵達の奮闘が無ければ、今頃この海水浴場は(色々な意味で)大混乱に陥っていたはずである。
特に火花は、戦いの先陣を切り、相手の出方を伺っての追撃にと。まさに獅子奮迅の働きであった。
そんな火花を労おうとするヴィクトリアの穏やかな目に見つめられれば、火花もどこかこそばゆさを覚えて空いた手で頬を掻くと……。
「と、ところで。この結界、毎度こんな感じの水着なのですか?」
「えっ。あぁ、いえ。以前はここまで、酷いものでは無かったと思うのですが……」
どこか誤魔化す様に、話題を変える。
変えた話題は、今回猟兵達を散々惑わした『水着結界』に関してだ。
今回猟兵達が着せられた水着は、露出過多な物ばかりであった。
火花の様に一見マトモかと思いきや全身を良く見るとかなり攻めた物ならばまだマシで、ちょっと動くとヤバそうな物やそれは果たして水着なのかという物まで、今回の水着は本当に大変な物ばかりであったのだ。
……よくよく見れば、目の前のグリモア猟兵が着せられている水着も中々に扇情的だ。色こそ彼女自身の精神の清廉さを示すかのような白だが、布地面積は彼女の肉体の艶やかさを強調する様な随分と小さなマイクロビキニタイプの水着である。
直接的な矢面に立たなかったグリモア猟兵でさえこうなるのだから、今回の結界だけが特殊だったと見るべきか。それとも使い手との併せ技でこうなったと見るべきか。
何にせよ、今回は本当に大変な案件であったのだ。
(……しかし、うん)
そんな事を考えながら、火花がヴィクトリアの身体をちらりと眺める。
細身で色白。だが靭やかな体付きだ。
だがその最大の特徴は、やはりそのスタイルの良さだろうか。女性である火花の目から見ても羨ましいと思える程に、彼女の身体は整っている様に見える。
……いや別に、これから胸囲部分の成長を期待している訳ではないのだけれど。
「……ヴィクトリアさん。何かこう、特別な食べ物や運動などはされていたり?」
「き、急に何をっ?」
聞かずにはいられぬとばかりに火花の口から思わず飛び出た言葉には、ヴィクトリアも思わずと言った反応を示したりするが。
女邪神が言った、『今日一日』という言葉。その範囲はどこまでかは判らぬが、こうして他愛のない雑談を続けていればきっとその時は訪れるだろう。
──なお、ヴィクトリアは何か特別な事をしている訳では無いという事を、此処に書き添えておきます。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・クイン
ウッソでしょこの水着そのままなの!?
さっさと帰りたいんですけど! ちょっとヴィクトリアさんなにエッチな水着だけどパレオあるからセーフみたいな雰囲気だしてんの!?
クロエ(f19295)を引っ張って海へ向かうわ!
海の中に入っちゃえば、水着も見えないし遊んでても平気でしょ!
は? 浮き袋がないと泳げない? なら泳げるようになればいいだけね、特訓よ!
アタシがクロエに泳ぎ方ってやつを教えてあげるわ
この前プールでちょっと遊んだし、アタシならこんな波ぐらい余裕で……
あれ? ちょっ、塩っからい! 目いたい! それになんか流され
にゃー!!?
……あれ?あ、あたし溺れて、え、クロエ、ちょ、にゃーーーーーー!!!?
クロエ・アスティン
ヴィクトリア様のパレオを羨ましそうに見ながら……
うぅぅ、こ、こんな格好で人前にいるのは無理無理無理であります!!
アリス様(f24161)の提案で海の中なら目立たないということでやってきましたが、
じ、自分泳げないでありますと浮き輪に掴まっていれば、やはりそれなりに周りに見られるわけで。
それなら泳ぎを教えてくれるといったアリス様がブクブクと流されていって、にゃー、大変であります!!!?
真の姿で浮かびあがってアリス様を救出!
意識を失っているアリス様を介抱しようと……こ、こ、これは人工呼吸が必要でありますか!!?とテンパる。
顔を近づけてあと少しというところでアリス様が意識を取り戻したみたいであります。
●
──ウッソでしょこの水着そのままなの!?
──こ、こんな格好で人前にいるのは無理無理無理でありますぅ!!
女邪神が今際の際に放った最後の嫌がらせ。その内容を理解したアリスとクロエが最初に叫んだ言葉である。
二人は、今回の水着結界案件の最大の被害者だ。
着せられたのは、それぞれハート型前張りと貝殻ビキニ。水着と呼ぶのも烏滸がましいナニカである。
当然、多感な年頃でもある二人がそんな破廉恥な格好を人前に晒せるわけもなく。二人は揃って(こっそりパレオを得ていたグリモア猟兵に向けて羨望と嫉妬が綯い交ぜとなった視線を向けつつ)、海の中へと飛び込んでいった。
全てはこの姿を衆目に晒さぬ為。木を隠すなら森の中ならぬ、水着を隠すなら水の中、である。
だが、事ここに至って問題が一つ。その問題とは……。
──あ、アリス様っ! 自分、浮き輪が無いと泳げないであります!
──はぁ? 泳げない?
クロエは、泳げない……所謂『カナヅチ』であったのだ。
クロエはハーフではあるが、ドワーフである。土と岩と共に生きる種族であるその血は、水との親和性が高くない……という事は全く無く。単純にクロエがそういった場に弱いだけの事である。
そう、それだけの事だ。ならば、そんな物は克服できるはず。
──なら、泳げるようになればいいだけね! 特訓よ!!
そうして始まる、教師アリスによる水泳道場である。
人に物を教えるという行為に、アリスはどことなく鼻高々と言った様子であった。
プールでも遊べたし、こんな波ぐらい余裕で何とかなる。人に教えるのだって、アタシならと。そんな気楽な考えを、アリスは抱いていた。
……その甘い考えが、仇となった。
「──うぷっ!? あれっ? ちょっ、塩っ辛い!」
足がギリギリ着くか着かないか、そんな所まで進んだ辺りで、小波を顔面に浴びるアリス。
そもそもとして、泳げぬ人に泳ぎを教えるという行為は中々に難しい物である。
その上で、プールと海の環境の違いもある訳で。
「あーっ! 目ぇいたーいっ!」
その環境の違いが、今まさにアリスに牙を剥いたのだ。
立て続けに押し寄せる波を浴び、目に海水の直撃を受けて悲鳴を上げるアリス。
半ばパニックに陥った状態となり、そのまま波に身体を翻弄されて……。
「にゃっ、にゃぁぁぁぁぁぁーーー!?」
どんどんどんどん、沖の方へと流されていく。
必死に陸へ近づこうと藻掻くが、藻掻けば藻掻くほどドツボに嵌る。そうして焦りと疲労が身体機能を低下させて。
「ガボゴボブクブク──!」
足を攣らせて、海の底へと引きずり込まれていく。
海を舐めた代償に、哀れアリスは己の命を落とそうとした……その時だった。
「あ、アリス様ぁーっ!!」
助けを求めるかのように水上へ伸ばしたアリスの手を掴み、引っ張り上げる力強い手。
アリスを引き上げたのは、クロエであった。
クロエのその背には、純白の翼があった。アリスの危機を目にし、友達を救う為に奉じる戦女神に祈りを捧げてその力の一部を授かり受けた真の姿と化したのだ。
アリスの身体を引っ張り上げ、翼を羽撃かせて人目に付かぬ陸地へと翔ぶクロエ。
そうして陸地に辿り着けば、アリスの身体を横にして彼女の状態を確かめて……。
「あ、アリス様っ! しっかりしてくださいであります!」
ぺちぺちぺちと頬を叩き、身体を揺さぶる。
反応は、無い。
「──こ、こ、これは人工呼吸が必要でありますかっ!?!?」
倒れ伏したままのアリスの状態に、クロエの表情が青ざめる。思考はテンパり、目はぐるぐると渦を巻き、呼吸も自然と浅くなる。
だがそんな状態でありながら、進める手筈に淀みは無い。気道を確保し、胸の圧迫点を確認し……。
(い、いくでありますっ……!)
ゆっくり、ゆっくり。アリスの青ざめながらも艷やかな唇へと、近づけて……。
「……ぅ、ぅうん。ぁ、あれ。アタシ……」
その瞬間、アリスが目を覚ましたか。呻き声をあげ、身体を捩る。
しかし、そんなアリスの様子にクロエは気付かない。緊張に頭を支配され、『やるべき事』しか目に入っていないのだ。
「ちょっ、クロエっ? ちょっ、にゃ───!?!?」
アリスの目の前一杯に広がるクロエの顔。一瞬困惑したが即座に事態を理解し声を上げるが、時既に遅し。
……二人がどうなったのか。そこを詳細に記すことは本人たちの名誉のためにも、控えさせていただくとしよう。
ともあれ、海であろうとプールであろうと、水遊びは命の危機と隣り合わせでもある。
海で遊ぶ際には、くれぐれもご注意を……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
レイチェル・ノースロップ
●SPD【ノースロップ家】
ダ女神を倒したお陰かしら
紐同然になった水着も元通りになったし、サマーバケーションを満喫しなくちゃね♪
その前に……ラピーヌ、そこに居るのは分かってるわよ
また性懲りもなく下克上を図ろうとしていたのかしら?
OK、じゃあ海の家ディナーの腹ごなしにレクリエーションよ
そうねぇ…毛で覆われている貴方は泳ぐと海水を落とすのが面倒でしょうし、ここは猟兵ビーチバレーのタイマンね
…あら?
これはラピーヌの『糸』ね
ははーん……まぁ、解いてそのままじゃアブナイし、妙に浮かれてる彼女の水着にニンジャの【早業】で結び返しておきましょ♪
インガオホーよ、ラピーヌ
その意気でどんどん打ち込んできなさい!
ラピーヌ・シュドウエスト
●SPD【ノースロップ家】
はは、何を仰っているのですかレイチェルお嬢様
元はヴィランとは言え、心を入れ替えたボクがそんな事を企てようだなんてとてもとても
心配性の執事長に変わり、陰ながら見守っていただけですとも
(チッ、相変わらず感がいいぜ)
ビーチバレー、ですか
ボクで良ければお付き合いします
あ、水着がズレていますよ?直しましょう
…ハッ、油断したなスワローテイル
お前の水着に透明な特殊鋼糸を仕掛けたぜ
ジャンプサーブしたらこいつを引いて、大勢の前で赤っ恥を掻かせてやる
あれ?
おかしいな、ちゃんと結んだはずなのに……
え、水着?
ボクの水着がどうしたって……~~~~ッ!?
死ね!スワローテイル!死ねぇ!!(涙目)
●
「ンーーーーっ♪」
海の家での食事を終え、浜辺に足を運んだレイチェル。
掌を組んで、豊満な胸を反らす様に背を伸ばす。
(紐同然の水着も元通りになったし、サマーバケーションを満喫しなくちゃね♪)
思わず目を奪われた通りすがりの男の反応は意に解すること無く、一歩二歩と歩を進め……。
「……ラピーヌ。そこに居るのは、分かっているわよ?」
足を止め、告げる。
瞬間、周囲の空気がまるで凍った様に止まり、音が消える。
「また性懲りもなく下剋上を図ろうとしていたのかしら?」
「はは、何を仰っているのですかレイチェルお嬢様」
そんな空気に臆する事無く。自然体のままに問うレイチェルに答えたのは一人の女。兎の様な特徴を持つ女だ。
レイチェルと良く似たプランジングデザインのワンピース水着を纏うその女の名は、ラピーヌ・シュドウエスト(叛逆未遂続きの闇執事ウサギ・f31917)。レイチェルの家に仕えるニュービー・フットマン(新人従僕)である。
だが、その職が彼女の全てを示す物では無い。
彼女の正体は、ニンジャヒーロー『スワローテイル』ことレイチェルの命を付け狙う存在──『プレデトリー・ラビット』を名乗るヴィランである。
本来、敵同士である二人。そんなラピーヌがレイチェルを『お嬢様』と呼ぶのは訳がある。
ラピーヌは既にレイチェルに破れ、紆余曲折を経てレイチェルの保護観察を受ける身分に甘んじているからだ。
(──チッ。相変わらず、勘が良いぜ)
当然、ラピーヌはそんな立場に甘んじる事を良しとしない。
「心配性の執事長に代わり、陰ながら見守っていただけですとも」と慇懃な態度を見せつつも、その腹の中ではレイチェルの寝首をかく好機を伺っていた。
「Huuun……OK、じゃあ腹ごなしにレクリエーションとでもいきましょうか」
「レクリエーション、ですか」
「ええ。そうね……?」
無論レイチェルの側とて、そんなラピーヌの心の心境など先刻承知の事であるが。だからこそ気にしていないというかのように、レイチェルは奔放に振る舞う。
海水浴場といえば海水浴。だが時計ウサギであるラピーヌが海水で泳げば、後々の処理が大変だろう。その辺りの事を考慮に入れつつ……。
「……ここは、猟兵ビーチバレーのタイマンね?」
「ビーチバレー、ですか。ボクで良ければ、お付き合いします」
選んだのは、ビーチバレー。それも一対一の、タイマンである。
そのレイチェルの提案を受ければ、ラピーヌも澄まし顔で諾とする。
そうして二人並んで砂浜を歩き……。
「……あ、レイチェル様。水着がズレてますよ? 直しましょう」
ふと何かに気付いた様に、ラピーヌが手を伸ばしてレイチェルの水着に触れる。
(──ハッ。油断したな、『スワローテイル』)
当然、その行動は善意の物などでは決して無い。
水着に手を触れたその瞬間、ラピーヌはレイチェルの水着に一つ仕掛けを施していた。透明な特殊鋼糸を仕掛け、ジャンプサーブの際に引っ張ることで大勢の前で赤っ恥を掻かせてやろうと目論んでいたのだ。
(……あら? あぁ、これはラピーヌの『糸』ね?)
だがそんな小手先の目論見程度でレイチェルを出し抜けると思ったら大間違いだ。
鍛え抜かれた感覚で自身の水着への仕掛けを即座に看破すると、妙に浮かれた様子のラピーヌの水着にニンジャ特有の早業で以てそっくりそのまま仕掛け直す。
まぁ解いて放置したらそれはそれで危ないから、多少はね?
「さぁ、始めましょうか?」
そうとは知らず、「サーブをどうぞ」と促すラピーヌ。
その言葉に一つ頷き、手に取ったボールを高く掲げて……。
「──Wasshoi!」
レイチェルが、高く跳躍する。
その様子を眺めながら、口元を歪めてラピーヌが指に繋がる鋼糸を動かして──。
(あれっ?)
反応の無い鋼糸にラピーヌの頭に疑問が浮かぶが、その疑問を口にする余裕は無い。弓形に身体を撓らさせたレイチェルが、右の掌でボールを叩いたからだ。
鋭く飛ぶボール。まるで弾丸の様なソレを、ラピーヌはアンダーハンドレシーブで見事に受け止めて、ボールが天高く舞い上がる。
(──おかしい! 確かにちゃんと結んだはずだ!)
衝撃を殺す様に僅かに後ろに身体を転がしながら、ラピーヌが目を見開く。
そんな従者の様子に、レイチェルが小さく口元を歪ませながら言葉を紡ぐ。
「インガオホーよ、ラピーヌ。貴女の水着を御覧なさい?」
「水着? ボクの水着が、どうしたって……~~~~ッ!?!?」
レイチェルの指摘に、ラピーヌは自身の身体を検めて……その喉から、声にならない悲鳴が上がる。水着の肩紐が外れかけ、細身の身体に確かに主張する双丘がまろび出そうな状態になっていたのだ。
よく見れば、肩紐の辺りに自身が仕掛けた筈の鋼糸が繋がっている事が判る。
まさか、仕掛け直された!? いつの間に!!
混乱する頭を必死に落ち着かせ、分析を進めようとするが……。
「こっ、このっ! 死ねっ! スワローテイル! 死ねぇ!!」
感情は羞恥に暴走し、分析を纏める事など出来るはずもない。
暴走する感情のままに、ラピーヌが罵声を上げる。
「そうそう、その意気よ! どんどん打ち込んできなさい!」
そんな従者の様子にニヤリと笑みを深めて。レイチェルは挑発するように、指を曲げるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セフィリカ・ランブレイ
エウちゃん(f11096)と行動
シェル姉がいない!
自分は水着結界の影響ナシなんで先に帰ったな!
浜でビーチバレーしてお互い周囲にサービス風景展開もいいけど
少しズレたらアウト故に羞恥で満足に動けないエウちゃんは見たい
少し自分を犠牲にしてでも……
あ、ダメ?
じゃ、沖にいこっか
海の中なら人目も少ないよ、水と風の魔法をいい具合に調整すれば海中も長い間潜ってられるし
落ち着いて漂いたい?
ダメダメ、ここはやっぱり泳がなきゃ、ほらほら!と、元気いっぱいに戯れるよ
いやー、でもホントエウちゃんの水着は目が幸せになるなぁ
魅せる力が強いしギリギリを隠してる故の色香がある!
大丈夫、撮影はナシ。心のメモリーに収めておくよ!
エウロペ・マリウス
同行者:セフィリカ・ランブレイ(蒼剣と姫・f00633)
元々お互い布面積が小さいから、何してもアウトな気がするんですよね……(遠い目)
首から下を、完全に海の中に浸かれば周囲から見られる心配はないかな?
とりあえず、セリカは自分もかなり際どい水着だということを理解しておこうか……。
自分の水着は水の中で動くだけでもズレそうな気がするから、極力動かずに波に揺られていましょうか?
セリカは随分と張り切っているようですし、セリカの水着も危険なので、万が一、私がセリカの水着がズレたり外れたりしたならば、氷の魔術で四方を囲んで、外部から見えないようにする準備はしておきましょうか
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「いやー、終わった終わった! おつかれエウちゃん! シェル姉も……シェル姉?」
邪神を退け平和となった海水浴場に朗らかに響く、セフィリカの声。
互いの健闘(と、諸々の無事)を祝う様に、その表情は満面の笑みであったが……ふと、その笑顔に曇りが浮かぶ。
首を傾げながら、セフィリカが腰に手をやれば。そこにあるべき存在、姉と慕う魔剣に掛かる筈の手が空を切る。
……そうして事態を理解すれば。
「……シュル姉! 自分は水着結界の影響ナシなんで先に帰ったな!」
「セリカ、セリカっ! 水着が! 際どいからっ!」
もーっ! と不満を表すかのように地団駄を踏む。
そんなセフィリカの賑やかな様子を見るエウロペは、ハラハラと心配気な様子である。
今二人は、布地面積が相当ヤバい感じの水着を着せられた状態である。そんな状態でジタバタと動けば、色々『ポロリ』してしまう危険性は低くない。
一般人の姿もちらほら見え始めたこの状況でもあることだし。そんな万が一の事態を考えれば、エウロペのこの表情も当然の物であった。
「……はー。しゃーない、切り替えてこ。エウちゃん、どうしよっか? ビーチバレーでもする?」
そんなエウロペの心配を他所に、セフィリカが気持ちを切り替えてエウロペに問う。
自身の美少女っぷりに絶対の自信を持つセフィリカである。世間への多少のサービスショットの提供は気にしないという程に、肝も据わっていた。
……いやまぁ。本音の所ではエウロペが少しでもズレたらアウトという状況故に羞恥で満足に動けない様子を心ゆくまで眺めていたいという下心がメインだったりするのだけれど。
エウロペが纏う水着は、ギリギリを隠して色香を際立たせた魅せる力に特化した物である。まさに、『目の幸せの具現化』みたいな存在と言っていいだろう。
そんな幸せ成分を接種する、その為なら。少しくらい自分を犠牲にしてもセフィリカ的には問題は無いのだ。
「いやいやいやいや! 絶対イヤだよそんなの!?」
そんなセフィリカの下心を見抜いているのか居ないのか。はたまた自身の状況故なのか。
その真意は定かではないが、エウロペの側はセフィリカ案は断固拒否の構えである。
「と言うか、この布面積とデザインだと何してもアウトな気がするんですよね……!」
セフィリカ程開き直った考えは持ってはいないエウロペとしては、自身の痴態を衆目に晒す事など許容できるはずもない。
何なら先程までの戦闘同様、この場から一歩も動きたくないくらいであるが……いやそれはそれで、この姿を人目に晒す事に……?
……あれ? この状況って世に言う所の八方塞がりって奴なのでは、と。エウロペの顔色が、サーッと青くなる。
「しょーがない。じゃ、沖にいこっか?」
そんなエウロペの様子に苦笑を浮かべながら、セフィリカが再び言葉を掛ける。
何やら悲痛な声を上げながら海へと駆け出していくちびっこ二人(今日イチ酷い水着を引いた娘達だ)がそうしているように、海に入ればこんな水着とて悪目立ちする事は無いだろう。
なんなら水と風の魔法をいい具合に調整すれば、呪いの有効時間いっぱい海中散歩と洒落込むことだって出来るはずだ。
「た、確かに完全に海の中に浸かれば周囲からは……いやそれでも、極力動かず海に揺られる感じで……」
先程の案と比べれば遥かにマシなセフィリカの提案であるが、エウロペの反応は消極的賛成と言った所。
まぁ実際、エウロペの水着はマイクロ眼帯ビキニとかいう撮影目的で実用性皆無な代物であるからして。陸でさえ危険なのに、水中ともなれば……水圧だけでズレてしまう可能性は否定できない。
それに水の中とは言え、完全に隠せる訳でもない。もし沖まで泳ぎに出るような奇特な一般人がいた場合、見られてしまう可能性だって高くはないが存在するのだ。
ならばやはり、可能な限り動かず。ゆったりと保身を最優先に……。
「もう、エウちゃん。ダメダメ、海に来たならやっぱり泳がなきゃ!」
そんなエウロペの逡巡を放り投げる様に。セフィリカが強引にエウロペの手を取って、海へと駆け出す。
その勢いの強さに、エウロペは狼狽えるが……。
──ざぶん!
音も高く波打ち際へと足を踏み入れて、海の冷たさをその肌に感じれば。迷う心も、綺麗に晴れるだろう。
「……もう、ふふっ」
はしゃいで声を上げながら先導するセフィリカは、まさに天真爛漫。夏の海を心ゆくまで楽しむ気満々である。
ならばもう、万が一に備えて魔術の準備だけはしておいて。自分も一緒に、楽しもう。
年上の友人の掌の熱を感じながら、『氷姫』と呼ばれる少女も柔らかい微笑みを浮かべて……夏の海へと、その身を揺蕩わせるのだった。
猟兵達の、それぞれの海の時間が過ぎていく。
発端こそ奇妙奇天烈な案件であったとは言え、きっとこの思い出も猟兵達の大切な記憶になる事だろう。
大成功
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