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結成! 悪堕ちエンジェルズ

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #『アズマ』 #神

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●天使(?)と悪魔(?)が手を組んだ!?
「こういうのってアレですよねー……所謂非行少女とかいう……」
「ぶつくさ言ってねぇでさっさとやっちまってくれよ! 俺達は力が欲しいんだ!」
「はいはい……んーと、じゃあ、あの番人さんでいいですか? えーっと、これとこれとこれと……まあ、使えるだけ使っておきましょう」
 セーラー服の上に黒コートを纏った悪堕ち魔法少女・ユカリは不死の怪物を見張る番人を見つけると、カラフルな薬が入った小瓶達を両手いっぱいに持ち、頭上に掲げて勢いよくスローイング。飛翔中まばらに散った小瓶達は、番人の体に当たるとパカンと破裂して中の薬を盛大に撒き散らした。
「何をする――ぉ、ぉおお……?」
 薬は皮膚より速やかに吸収され、数秒も立たぬうちに効果を表す。痺れと寒気で体が固まり、意識を失い冬眠状態となってしまう。
「ああよかった、どれも効いてくれましたね……じゃあ、おやすみなさいっ!」
 眠りの中にいる番人へ、ユカリは魔法のステッキを振り下ろす。冬眠から永眠へ。番人に春は訪れなかった。

●ヒーローズアース・16thラウンド
「厄介なコンビが出てきてしまいました!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は猛暑が続く中でも駆け回っている。グリモア猟兵とはなかなかハードで体力勝負な仕事だった。
「はい、今回もまたヒーローズアースの事件になります! センターオブジアースへの襲撃が続いているんですが、やっぱり魔法少女絡みでした!」
 舞い込む未来はまたもや魔法少女。ヒーローズアースに魔法少女勢力が存在する……かどうかは定かではないが、直近で一気に動き出す様子を見せられてしまうと疑いたくもなってしまう。
「首謀者は『悪堕ち魔法少女・ユカリ』というようです! 不死の怪物を見張っている番人を殺し、その一部を相棒の『ANGEL』達へ融合――つまりスナーク化ですね! そうして神々を恐怖させ、スナークの名を恐怖の代名詞として固定しようとしているんです!」
 スナークの名が広まれば、やがては超生物スナークの創造へと繋がってしまう。ヒーローズアースが恐怖と混沌に包まれる前に対処しておきたいところだ。
「スナーク化したANGEL達は頭にサイの角のような部位を持っているようです! これにより超強化されていて普通に戦っては1体すら倒せないくらいの恐ろしい敵になっているようですが、ご安心を! 現場にいる神々は、スナーク化したANGEL達の弱点を知っているようですので、聞き出してANGEL達を一気にやっつけてしまいましょう!」
 ANGEL達がいなくなれば、やがてユカリも姿を現すことだろう。
「こちらは神々とのタッグですから、負けるはずがありません! 皆さん、自信を持って行きましょう!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 魔法少女勢力、あってもおかしくない気がしてきますよホント。

●フラグメント詳細
 第1章:集団戦『ANGEL』
 天使って顔してないけどANGELです。いやもう悪やんこれ。
 さて、恒例の弱点は「虫」と「格闘」と「妖精」です。この3つの属性をどれか一つでも含んでいる攻撃はよく効きます。
 では、効果が今一つな属性は……というより、他は単純にスナーク化のせいでほとんど通りません。

 第2章:ボス戦『悪堕ち魔法少女・ユカリ』
 悪堕ちしてるけど、です・ます口調なんだよなぁ……本当はいい子なのでは?
 とは言えオブリビオンなので容赦なく倒しましょう。スナーク化はしていないので攻撃は普通に通ります。
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第1章 集団戦 『ANGEL』

POW   :    悪を滅ぼせ!
【悪タイプ特効の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【(自称)聖なる】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    アクをホロぼせ!
召喚したレベル×1体の【ANGEL】に【聖なる翼(自称)】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ   :    AクWoほロoBせ!
自身が戦闘不能となる事で、【しがみついた】敵1体に大ダメージを与える。【輝かしき正義をたたえる言葉】を語ると更にダメージ増。

イラスト:塒ひぷの

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エドゥアルト・ルーデル
魔法少女!更に悪堕ちとか素敵すぎない?捗るので助かる

こんな傷だらけのANGELなんぞいちいち相手にしたくねぇんだ!とっととシバいて魔法少女見に行くでござるよ!
という訳で取り出したるは流体金属生命体、こいつを全身に纏えば今の拙者はタイプ:かくとう/はがねでござるね!拙者はつわもの
元のタイプはなんだって?気にすんなよ

タイプ一致インファイトの時間だオラァ!さらに拳の流体金属を尖らせればかたいツメで打撃の威力があがりますぞ!てつのこぶし?はてなんのことやら…
しがみつきにくる敵を迎え撃つように殴る!蹴る!ついでにたいあたりだ!しねぇ!!
因みに流体金属君は自分で考えて迎撃できるので背後にも死角はないですぞ



●波導の勇者呼ばわりはやめるでござるよー
「魔法少女! 更に悪堕ちとか素敵すぎない? 捗るので助かるでござるよ」
 二礼二拍一礼、神道にかぶれているわけではないが、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は丁重に拝み倒す準備ができている。
 しかし、しかしだ。100体集まっても何の得にもならないやさぐれユニコーン、もとい傷だらけのANGELが我が物顔で暴れ回っている。やり過ごしたいが奴らは目の前を通っただけで「!」と反応してきやがるんだからとっととシバいてしまうに限る。
「弱点は3つでござるか……まあ、普通でござるね。という訳で――」
 エドゥアルトがさっと取り出したのは意思を持つ流体金属生命体。腕にべたっと貼り付けると流体金属生命体は自らエドゥアルトの全身をコーティングしていく。
「これで今の拙者はタイプ:かくとう/はがねでござるね! 拙者はつわもの……元のタイプは気にしないのがお約束」
 さぁ、これで準備は整った。悪なタイプのANGELはエドゥアルトを見つけると何やらしきりに喚き出す。
「AクWoほロoBせ!」
「あーそういう変換系は面倒臭いのでお断りでござる」
 意味のない発音が言葉に置き換わる――暗号お得意のやり口だがそんなのをちんたら解いていたら日が暮れる。幸いANGEL達は同じ言葉を叫びながらエドゥアルトへしがみつこうと飛んでくるのであちこち駆け回る手間が省けた。
「タイプ一致インファイトの時間だオラァ! さらに拳の流体金属を尖らせればかたいツメで打撃の威力があがりますぞ!」
 握った拳の先ににゅっと尖端が突き出してきた。破壊力の増した拳でYes, ANGEL, No Touch! ANGELに触れられる前に包帯ぐるぐる巻きの顔面を殴りつけて吹き飛ばす。ANGELは千切れた包帯を撒き散らしながら変形した顔で地面に叩きつけられると、翼が力無く地面に横たわって動かなくなった。
 ANGEL達はばっさばっさと翼を羽ばたかせて右から左からと迫ってくるので、エドゥアルトは我武者羅に殴る蹴るを繰り返す。しがみつこうと手を伸ばしてくるANGEL達だがリーチは圧倒的にエドゥアルトが上だ。小さな体が面白いように吹き飛んでいく。
 ANGEL達もただでは転ばず、次はエドゥアルトの背後に回り込もうとする。しかし全身流体金属のエドゥアルトに死角なし。流体金属はANGEL達の接近に気付くと自ら棘を生成し、威嚇して寄せ付けなかった。
「ついでにたいあたりだ! しねぇ!!」
 待つ姿勢も飽きがきた。エドゥアルトは自ら迫ってくるANGEL達へと突っ込んで、身を投げ出すたいあたりをぶちかましにいく。ついにANGEL達にも一矢報いる時が来たかと思われたが、流体金属の上はつるりと滑って掴まえきれない。そのままずんと全身に響いてきたたいあたりの衝撃で、敢え無く吹っ飛びご臨終。
 だからタイプ不一致でもほのおを使えとあれほど……そんなことをANGEL達に助言しても、最早後の祭りだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
魔法少女が悪堕ちとは穏やかではないですね。
ANGELもスナーク化で大変な強敵になってしまうらしいですが、幸い弱点もはっきりしています。
「虫」「格闘」「妖精」。
妖精はともかく、他2つは得意分野です。
張り切って、ANGEL退治いってみましょう。

ANGEL達と戦う前に、床や壁材をUC【胡蝶天翔】で黒蝶に変換します。
そして、黒蝶をANGEL達に向けて、飛ばします。

黒蝶の群れをカバーに、【ダッシュ】でANGEL達に接近。【功夫】に【重量攻撃】で殴り倒したり、蹴り倒したりして壁に叩きつけていきます。

相手の反撃でしがみつこうとしたら、黒蝶で人形を作り、そちらを身代わりにします。



●虫・格闘で一撃必殺
「魔法少女が悪堕ちとは穏やかではないですね」
 その手のアニメなら大体敵対フラグである。物語は佳境に入り、昨日の友は今日の敵、血で血を洗う戦いに――というのは少々妄想が過ぎるわけだが、結局のところ悪堕ちしようがしまいがオブリビオンなので、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)としては倒さねばならぬところ。
 それは今、目の前を飛んでいる羽虫のようなANGELも同様である。
「ANGELもスナーク化で大変な強敵になってしまっているらしいですが、幸い弱点もはっきりしています。『虫』・『格闘』・『妖精』……妖精はともかく、他2つは得意分野です。張り切って、ANGEL退治といきましょう」
 虫と格闘、同時に突ければ効果は4倍か? 気になるところだが、今のところ弱点を突きさえすれば一撃で倒せているので検証する意味もなさそうだ。
『天に漂いし精霊よ。物に宿りて我に従え。姿さずけよ』
 摩那は地面に向けて力を放つ。すると、スプーン1杯分の土塊がボコッと浮き上がり黒蝶へと変化した。ボコボコボコ、と続けて周囲に穴が開くと同時に黒蝶の数が増えていく。
「さぁ、ANGELのところへ」
 自らが爆弾となって摩那に迫ろうとしていたANGELは、黒蝶のカーテンに遮られて一旦宙に止まる。
「厄介だな……虫は嫌いなんだ」
 動きはそこまで機敏ではないのでANGEL達は迂回路を見出す。しかしその先にもまた黒蝶が舞い、避けて、舞っての繰り返し。
 黒蝶の素材は周囲の無機物だ。地面とは広大な無機質の海と呼ぶに相応しく、摩那はありったけ黒蝶を作り出していた。
「さて、そろそろ私もカバーに」
 黒蝶は、数は多いが速度がない。ANGEL達の前を塞いでいるのはそれぞれ別の黒蝶だ。
 やがて端に到達して突破される前に摩那は自ら黒蝶の防壁内から飛び出した。黒蝶の援護に、摩那が操るのは格闘だ。
「お、向こうなら行けそうだぞ!」
「そうはさせません」
 黒蝶の切れ目を埋めるように摩那はANGELの前へと躍り出ていた。
「こうなりゃ自棄だ。誰もが正義の心を持てば戦争は無くなるだろう。正義の力は偉大な力だ!」
 ANGEL達は正義の在り方を説き、称えて自爆特攻の威力を上げる。そしていよいよ摩那へ掴みかかろうとした――その時だ。
 摩那の形をした黒蝶の群れが割り込み、ANGEL達にわざと捕まっていく。
「うおおぉぉ!! だが数が減るなら何でもいい! 正義万歳!」
 ANGEL達の体が光り、どかんと爆発し黒蝶を纏めて土塊に戻していた。自爆技、ANGEL達も戦闘不能となり、その場に墜落する。
「結構消費してしまいましたね……新たに作る時間はありませんから、消耗は最小限で……叩きます」
 先のANGEL達の自爆でかなりの黒蝶を倒すことができると知り、ターゲットを黒蝶へと変える。今度は摩那が黒蝶を守る番だ。
「こういうのも――嫌いでしょう?」
 摩那が扱う格闘技は功夫だ。静と動の中に織り交ぜた突きや蹴りでANGEL達を攻め落とそうとする。
「ふっ」
「んげっ!」
 まずは小手調べに、とANGELの顔面に突きを繰り出した。包帯でぐるぐる巻き状態で視界が悪いのか、ANGELは微動だにせず摩那の突きを食らい一撃で沈んでいく。
 功夫とは多彩なアクションも見どころだ。突きの後は左右から黒蝶を狙うANGEL達に連続での回し蹴りを見舞い、それぞれ一撃で屠る。
「ちっ、こうなりゃどっちもだ! 正義は永久に不滅!」
 どちらを相手取るのも厄介で、ANGEL達はとにかく近くの的を相手取ることにした。黒蝶がいる分だけ摩那の負担が減っている。その状況を維持するために、摩那は黒蝶を狙うANGEL達を優先的に狩りに行った。
 険しい表情をしていることは包帯の隙間から覗かせる目でわかる。だが自分の身さえ投げ出せば、と意を決したところへ摩那の飛び膝蹴りが炸裂し、遥か空へと打ち上げられていった。
 黒蝶と連携し、功夫による格闘技で対応する摩那の活躍で、ANGEL達は確実に数を減らしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水野・花
【人形館】で参加
ANGELの弱点は「虫」と「格闘」と「妖精」なんですね。「虫」にも「妖精」にも縁が無いので「格闘」で攻撃するしかありませんね。
とりあえず頑張って殴れば「格闘」にはなるでしょう。ノーマルな感じになっちゃいそうな気もしますが。武器を使っても有効そうなら「なぎなた」も使って攻撃していきますよ。

「分け身の術」で出した分身ちゃんと共にANGELを殴って「格闘」の弱点を突きましょう。
ANGELがANGELを召喚したらこっちも分身ちゃんを増やして対抗です。弱点を突くことができるなら数で負けなければ負けないはずです。


テフラ・カルデラ
【人形館】
※アドリブ可

ヒエッ…これ…天使…?
めちゃくちゃ恐ろしい姿をしていますね…

ととと…とりあえず…【もふもふ☆ケモショタチェンジ!】でケモモードに変身!
ケモ魔法少女(?)テフラ参上!
【魔法の杖【ラビット・ラビッツ】】で直接殴りつけます!殴るのできっと格闘です!こうかはばつぐんなのです!
魔法少女(?)が魔法を使うとは限りませんよ!!ついでにもふもふパンチも喰らうのですよ~!


シエナ・リーレイ
■人形館・アドリブ可
イルカさんが!?とシエナは悲鳴をあげます。

ボロボロの姿で周囲に当たり散らす天使達を癒そうと水生生物な『お友達』を呼び出したシエナ
だけど、『お友達』諸共に天使が次々と自爆する光景に啞然とします

虫さんが好きなの?とシエナは確認します。

どうしようと悩むシエナに何故か気まずげな神から天使の好きな物を教えてくれました
情報を得たシエナは善は急げと水生昆虫の『お友達』を呼びだしました

獲物を決して離さない鎌脚に素早く泳げる丸く愛嬌のある体、玩具の如く伸びる顎、木の枝の様な体
水生昆虫達は各々の能力を活かし天使達を癒してゆきます

そして、癒され眠った天使をシエナは自らのスカートの中へと仕舞います



●言わば悪天使のようなもの
「ヒエッ……これ……天使……? めちゃくちゃ恐ろしい姿をしていますね……」
 テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は思わず息を呑んでいた。天使とされるその姿、白き翼はあれど顔に巻かれた包帯には血糊が染み込み、奥に覗かせる隻眼が不気味な輝きを放っている。
「“ANGEL”……グリモア猟兵の方は、何やら発音にこだわっていました。『エンジェル』とは違う……ということなのでしょうか」
「エ、エイン、ジャル……難しいです、とシエナは同意を求めます」
 彼らはエンジェルではない、ANGELなのだ。何を言っているのか非常に伝わりにくいところで、水野・花(妖狐の戦巫女・f08135)とシエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)もやや困惑の色を見せる。
「呼び方なんて何でもいいです……ととと、とりあえず、なんとかしないと……!」
 ANGEL達は神々と絶賛交戦中。悪を滅ぼせとしきりに叫んでいる様子は天使と言えば天使なのだが、その度に見え隠れするギザギザの歯が相反する凶悪性を醸し出している。
「あんなにボロボロになって可哀想……と、シエナは心を痛めます。ですから……一緒に泳げば癒し効果抜群だよ! とシエナは水生生物な『お友達』を呼び出します」
 地球の中心は陸地であるが――そこへシエナに呼び出されたのは巨大な鯨の「お友達」。その背にはさらに水生生物のお友達がわんさか乗っているが、その中で群れを成すイルカが一際目を引いた。
 イルカ達は鯨の背を飛び出して宙に泳いでいく。水族館のアイドル的存在でもあるように、群れを作って優雅に泳いでいく様子は心癒される者も居ただろう。
 しかしANGEL達には全てが敵に見えていた。動く者在らば――敵!
「AクWoほロoBせ!」
 暗号めいた叫び声を上げながらANGEL達はイルカの群れに突進し、胴体にがっちりとしがみ付いた。
 そして次の瞬間。
「この世界に――正義の光あれ!!」
 天に吼えると、包帯が巻かれたANGEL達の体から光が迸り、閃光弾の如き爆発を引き起こした。ANGEL達は光と煙の中に消滅していくが、同時にイルカの群れも消し飛ばす。
「イルカさんが!?」
 シエナは「思わず」悲鳴を上げていた。幽霊ではあるが、お友達には違いない。
「……なるほど? ANGEL達に自爆させる手が……?」
「いや、シエナさんが先に壊れちゃいます」
 イルカとANGELを相殺させる――テフラが違和感ありつつも口に出したところへ花がすかさずツッコミを入れる。手段として有り得なくはないが、どう考えても非人道的だった。
「ANGEL達の弱点はここの神々が知っていると言っていましたし、まずはそれを聞き出しましょう」
 花が提案して周りを見渡すが、神々はANGEL達の対応に追われている。なかなか声をかけられる状況でもないか、と悩ましげに三人が佇んでいると、
「あ、あのぅ……」
 不意にかかった、おずおずとした声。振り返ればちょっと太った神が立っていた。三人の視線を一身に受けて「ひっ」と短い悲鳴を漏らす。
「あ、怪しいものじゃ、ないんですよぅ……皆さんのことを猟兵とお見受けして、それで……」
「わたし達に何か御用ですか? とシエナはお尋ねします」
「用、というか……あいつらを、なんとか倒してくれません、か……? あの、逃げ出してきちゃった僕が言うのもあれですが……」
「元よりそのつもりですよ! ただ、弱点がわからないことには……」
「弱点なら、僕、知ってますよぅ。あいつらは『虫』と『格闘』と『妖精』という要素に弱くて……」
「あら、あの天使達は虫さんが好きなの? とシエナは確認します」
「好き、というか……どちらかと言えば、嫌いなんじゃ……と、とりあえず、宜しくお願いします」
 神はぺこりと頭を下げるとそそくさと去っていく。自分は逃げ出しただけ、と本人は言っていたが、勇気を出して三人に声を掛けたのはファインプレーだった。
「ANGELの弱点は『虫』と『格闘』と『妖精』なんですね。私は『虫』にも『妖精』にも縁がないので『格闘』でしょうか」
 花はすっと腰を落としてシュシュッとジャブを放つ仕草を見せる。なんとなく格闘技っぽく形を作れば、ノーマルな感じも格闘攻撃になる。
「わたしも……変身! もふもふ☆ ウサケモ~♪ でケモモードに変身! 『魔法の杖【ラビット・ラビッツ】』を取り出して……直接殴りつけます! 殴るのできっと格闘です! こうかはばつぐんなのです!」
 テフラももふもふうさぎ状態に変身することで魔法の杖の威力をアップ。さらに兎の力による飛翔能力で翼を持ったANGEL達にも対策はバッチリだ。
「得た情報を基に、シエナは善は急げと水生昆虫の『お友達』を呼びだします」
 シエナの手で再び召喚された鯨には水生昆虫達がわんさか乗っていた。彼らがばらばらと鯨のローリングに合わせて戦場に撒き散らされたのを皮切りに、三人もANGELの群れへ突撃を開始した。
「アクをホロぼせ!」
 ANGELは同じ言葉を発し続けているが、イントネーションが微妙に違う。猟兵達に対し自身と同じANGELを、宙を埋め尽くすほどに召喚することで新たな戦力を投入した。聖なる翼――ただし自称――を持つANGEL達が隕石の如く急降下して三人の元へ迫ってくる。
『秘術・分け身の術!』
 数には数。花が秘術によって分けたその身は分身でありながら実体を持ち、花と同じ能力を使いこなす。シャドーボクシングを見せる花が二人、三人と順に増えていき、謎めいたエネルギーを迸らせるANGEL達と揃って交錯した。
 ANGEL達は左手に溜めていたエネルギーを押し出すように放つ。一直線に走った光。それを花は反射的に体の軸を傾けて回避しながら、その軌跡を巻き込むストレートのパンチを放っていった。
 伝家の宝刀、クロスカウンターがそれぞれのANGEL達の左頬に突き刺さる。ぎゅるっと首が捻じれたANGEL達は、やはり揃って地面に叩きつけられた。
「殴りは効きそうですね! わたしも負けていられません……魔法少女(?)が魔法を使うとは限りませんよ!!」
 テフラが魔法の杖をぶんぶん振り回しながら飛翔し、空中にいるANGEL達をボコスカと殴っていく。ANGEL達はテフラにどうにかしがみつこうと四方八方から殺到していた。
「わっ……そういうのは……困りっ……ますからっ……!!」
 常に背後を狙われてテフラは忙しかった。振り向き様に魔法の杖を振り抜いてANGELを殴打、飛んでいく先を見届けることなく再び現れる気配へ向き直り、今度は魔法の杖を振り下ろしてスナーク化の象徴、サイの角ごと殴り落とす。
「ついでにもふもふパンチも食らうのですよ~!」
 また振り向けば、やはりANGELの手が伸びてきていた。抱き付かれるのはご勘弁、とテフラはシャットアウトするようにもふもふな手で顔面をプッシュ。もふっと押し退けられたANGELはもふさを堪能しながら力無く落ちていった。
 格闘攻撃を遺憾なく繰り広げてANGEL達を撃退していく花とテフラの二人とは対照的に、シエナはANGEL達へ癒しを振りまいていく。戦場に散りばめたるは、獲物を決して離さない鎌脚を持つ者、素早く泳げる丸く愛嬌のある体を持つ者、玩具の如く伸びる顎を持つ者、木の枝の様な体を持つ者など。各々の特徴を生かしながら、ANGEL達を捕らえて離さない。
「アク、を……」
 ANGEL達は睡魔に抵抗するもあっけなく撃沈。そして彼らが深い眠りにつくと、水生昆虫達はその体を地面に放り出していった。熟睡しておりちょっとやそっとの衝撃では目を覚まさない彼らを、シエナはそっとスカートの中へ仕舞い込む。
 的確に弱点を突いてANGEL達を攻め立てた三人の活躍でANGELは急激に数を減らす。倒れて動かなくなった者はともかく、シエナのスカートに仕舞われた者達がどこへ消えているのかは――解決できていない謎だ。


 空がテフラの手で一通り片付いた頃、地上でも最後のANGELが花に殴り倒された。
「お疲れ様でした、とシエナは皆さんの頑張りを労います」
 シエナも水生昆虫達の動きに合わせてあちこちと走り回っていたが、疲れを感じさせない微笑みを戦い抜いた全員に向ける。
 まずは天使を討ち取った。次は悪魔(?)の登場だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『悪堕ち魔法少女・ユカリ』

POW   :    出てきて!私の秘密兵器!
いま戦っている対象に有効な【相手の自由を奪うマジックアイテム】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD   :    これが私の研究成果ですよ!
【体を痺れさせる「痺れ薬」】【あらゆる物を凍らせる「凍結薬」】【意識を奪う「麻酔薬」】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    私のコレクションにしてあげますね!
【魔法のステッキ】から【生物を石に変える魔法の光】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:水城こさめ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は水野・花です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ユカリさんじゅうななさい?
「あちゃー……やられちゃったんですねー、天使さん達……」
 猟兵達が悪堕ち魔法少女・ユカリとの対面を果たしたのはANGEL達を一掃してから少し後のこと。裏地に模様の入った黒コートを揺らしながら、ユカリはぽりぽり頬を掻く。
「今からごめんなさいは……できませんよねー、そうですよねー……仕方ありません、私も戦うことにしましょう」
 研究成果の補充は十分。悪に堕ちた魔法少女を、猟兵達は攻略できるか――。
黒木・摩那
あんなかわいくないANGEL達を差し向けるとはさすがは悪堕ちしているだけはあるわね。
しかし、もう好きにはやらせません。
ここで悪堕ち魔法少女を成敗です。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
まずは【先制攻撃】。
魔法少女の杖を【武器落し】して【念動力】で回収。
さらにヨーヨーで絡め取ったところでUC【獅子剛力】を発動。
大車輪して、地面にびったんびったんに叩きつけます。

偶然ですね。私も魔法少女なんですよ。主に物理ですけど。



●魔法が使えて少女ならそりゃもう魔法少女っすよ
「天使? あんなかわいくないANGEL達を差し向けるとは……さすがは悪堕ちしているだけはあるわね」
 雰囲気こそ普通の女子高生な感じだが、その感性はやはり悪堕ち魔法少女、と摩那は結論付ける。あんなものをばら撒かれれば、それこそ世界が悪堕ちる。
「しかし、もう好きにはやらせません。ここで悪堕ち魔法少女――あなたを成敗です」
「簡単にやられるわけにはいきませんので――っ!?」
 やると決めたら即実行。ユカリが魔法のステッキを構える前に摩那はヨーヨー『エクリプス』を持ち出した。長く使い込まれたことで磨かれた技術。掴んでから投擲までの動きは鋭く無駄がない。
「あぅっ!」
 ピンと張ったワイヤーの先で急回転するヨーヨーが魔法のステッキに直撃する。突然車に轢かれたような強い衝撃が走り、魔法のステッキがユカリの手から離れた瞬間に摩那の念動力が飛んでいた。
 相手の武器を即座に奪う――その戦略は幾度となく披露されている。ユカリもまた同じく魔法のステッキを奪われてしまったが、狼狽えている暇などなかった。
 ヨーヨーがぐるりとユカリの周囲を駆け巡る。
「――! 出てきて! マジックアイテムっ!」
 武器がなければ始まらない。ユカリは巨大なマジックハンドを生み出して周囲を走っているヨーヨーに狙いをつける。ワイヤーは何重にも巻かれて明らかに怪しげだ。持ち手を操作し、赤い右手をぐんと伸ばした。
「ふっ、捕まえられると思ったら大間違い。というか『それ』ごと頂きますよ」
 マジックハンドはヨーヨーをがっちりキャッチしたが、握り込まれた手の中でギュルギュル擦過音が生じる。未だヨーヨーは回転を止めず、やがて灰色の煙が立ち上り始めた。
 摩擦熱でマジックハンドが融け、ヨーヨーが飛び魚の如くポンと元気に飛び出した。頃合いと見て摩那がワイヤーを引いた瞬間、ユカリを囲む輪がキュッと締まってマジックハンドごとがんじがらめにしてしまう。
「はーい、大車輪、からの――」
「ひゃあああぁぁっっ!!」
 摩那がヨーヨー越しにユカリを力づくで引っ張り上げるとそのまま頭上でぐるぐると、さながら絶叫アトラクションのように振り回していく。重力も何もなくなってひたすら世界がぐるぐる回る。ユカリはぐったりと脱力し、されるがままに回されていたが、はいお疲れ様、楽しかったですか? なんてことにはならない。
「びったんびったんです」
 ユカリの体に急に重力が戻ってきた、かと思えば何倍もの圧力が降りかかり、地面にぐしゃりと叩きつけられて、
「はぅっ! んぐぅ!?」
 ワイヤーの巻き付きもあって、体が輪切りにされたかと思うほどの激痛に涙が零れ、ぎりぎりと耐える奥歯が鳴った。
 二度、三度と往復した後――存分に「楽しまされた」絶叫アトラクションから解放されたユカリは遠心力のままに放り出され、地面を転がされていく。
「偶然ですね。私も魔法少女なんですよ。主に物理ですけど」
 役目を終えたヨーヨーを回収した摩那は、ふと思い出したかのようにユカリへ注釈するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・チタノ
うーんヒーローズアースで魔法少女が大量発生しているみたいだね?
しばらくは魔法少女狩りでもしようかな
揺るぎなき反抗を
魔法少女は近接攻撃に弱いと決まっているよ、薬品やステッキを使う前に切り裂いてあげるよ!
く、白刃取りマシーン?なるほど確かに効果的だけど反抗の加護で切れ味も威力も上がっているのさ、マジックハンドまで?くそ、手足を拘束されて動けない、ボクをどうするつもりだ

発明品の実験台にすると言われ抵抗するも体に薬を無理矢理投与され悪臭を放つヘドロ怪人に変えられる、その後戦力にならないのでそのまま見捨てられる

(敵)失敗しました治るかどうか分かりませんがまあせいぜいがんばってくださいね



●少女ヘドロ化計画
「うーん……ヒーローズアースで魔法少女が大量発生しているみたいだね?」
 グリモア猟兵が何度も事件の報を伝えているのをニクロムは見ている。どれほどの数がいるのかは不明だが、しばらく似たような事件を追ってみようか、などと考えつつ。
『揺るぎなき反抗を』
 猟兵達と戦いを繰り広げるユカリを前に反抗の妖刀を解く。魔法には物理、それも近接系をぶつけるのが鉄板の対処方法だ。
 ニクロムは妖刀を手にユカリ目掛けて一直線に飛び出した。距離を詰め、薬品もステッキも使わせる間もなく斬り捨てんと刃を袈裟に構える。
「……っつつ……また別の相手ですか……今度こそ、マジックアイテムっ!」
 ユカリは右手を空に掲げてその手の中にマジックアイテムを取る。先のものは片手だったが今度は両手。振り下ろされる刃へ白手袋の両手がパシリと挟んだ。
「く……白刃取りマシーン?」
 おそらくその使い道しかないであろうニッチなマシーンだった。
「どうですか? 私の秘密兵器は!」
「なるほど……確かに効果的だけど、今の妖刀は反抗の加護で切れ味も威力も上がっているのさ」
「では、これならどうでしょう?」
 ニクロムがぐっと刃を押し込もうとしたところ、ユカリはパッと白刃取りマシーンを手放して身を翻す。白刃取りマシーンごと振り下ろされた刃が地面を叩きつけて止まったところへ、今度は先にも見たマジックハンドが飛び出しニクロムを両腕ごと捕らえてしまった。
「くそ……ボクをどうするつもりだ」
 ニクロムはがっちり捕まえられ、さらに持ち上げられてしまった。足元に地面がなく、バタバタと動かしてみても緩む気配が一向にない。
「そうですね……せっかく捕まえられたのですから、実験台になってもらいましょう。丁度試したい薬があったんですよねー」
 もがくニクロムを余所に、ユカリは今日一番楽しげにコートの裏から薬品を取り出す。小瓶に入っていたのはドロドロした深緑色の液体で、どう見ても体に良い物には見えない。
「やめ……やめろ……」
「はいはい、逃げてはだめですよー」
 ユカリはマジックハンドを腰に固定するマジックアイテムを召喚して両手を空けると、また小型のマジックハンドを手にして小瓶をニクロムの口元に届けにいく。拒絶したとて手で口を塞げるわけではなく、ぐいぐいと押し込められてついにどろりと粘性のある液体がニクロムの体内に入ってしまった。
「あ……ああぁぁ……!?」
「おっと、変化が出てきましたね。少し様子を見ましょう」
 ユカリは全てのマジックアイテムを消去し、ニクロムの変化を観察する。その皮膚は飲ませた液体と同じような深緑色のヘドロへ変わり、漂ってくる悪臭にユカリは思わず鼻を摘んだ。
「うへぇ……臭いがきつすぎて、とても近くに置いておけませんね……これは失敗作でしたか。でも、失敗は成功の母と言いますし、今後改良を重ねていきましょう。この子は……まあ放置でいいでしょうか。治るかどうか分かりませんが……まあせいぜい頑張って生きてくださいね」
 ユカリに捨てられたニクロムはごぼごぼ咳込み呻きながら、生きる道を探して這いずり回るのだった。

大失敗[評価なし]

エドゥアルト・ルーデル
あっ やせいの まほうしょうじょが とびだして…なんか聞き捨てならない情報が出た気がするんでござるが?
まあ合法って事で納得しとくか…

悪堕ちしたならセクシーな服になってほしいでござる…
流石の拙者も服を着替えさせるUCは無いのでセクシーな感じになるようズタボロにするしか無いでござるね
という訳で流体金属君と拙者、合体!メタルヒゲマン!
今の体ならふていけいでござるので生半可なアイテムじゃ捕まらないでござるよ!さらに状態異常無効も追加だァ!

ここまでメタルでメタりまくったらもうフルアタで良いでござるね!
せっしゃの
きりさく!
怯ませたら合体解除!いけっりゅうたいきんぞくくん!まきつく!からのしめつけるだ!



●悪堕ち魔法少女は斯くあるべし
「あっ やせいの まほうしょうじょが とびだして……なんか聞き捨てならない情報が出た気がするんでござるが? まあ合法って事で納得しとくか……」
 魔法少女とは繊細であった。エドゥアルトも納得せざるを得ない。
 しかしこの魔法少女ユカリとは清く正しく魔法少女で、悪堕ち要素はまあ、全体的に黒衣装というくらい。その下は学校の規律をきちんと守っていそうなセーラー服である。
「悪堕ちしたならセクシーな服になってほしいでござる……流石の拙者も服を着替えさせるユーベルコードは無いのでセクシーな感じになるようズタボロにするしか無いでござるね」
「そう簡単には……やられません……!」
「これを見ても同じことが言えるでござるかー? 流体金属君と拙者、合体! メタルヒゲマン!」
 なんと、エドゥアルトは流体金属と一時的に融合し、ピカピカとメタリックなメタルヒゲマンへと変身した。なんだかBGMもメタルな感じに変わりそうではあるが、生憎BGMを流す装置はここにはない。
「今の体ならふていけいでござるので生半可なアイテムじゃ捕まらないでござるよ! さらに状態異常無効も追加だァ!」
「むぅ……こっちだって、マジックアイテムですっ!」
 ユカリが召喚したアイテムはU型磁石だった。金属には磁石、道理ではある。
「これで引き付けて……動けなく……!」
「ヒャッハー! わざわざ近づけてくれるなんて有難いでござるよー。このままフルアタでー……せっしゃの きりさく!」
 磁石によって吸い寄せられるエドゥアルト。しかしその勢いを利用してエドゥアルトはメタルの爪を立て、マジックアイテムごとざくっと一撃斬り裂いた。
「いやあぁぁ!!」
 磁石を破壊されたユカリになお迫っていく凶爪。スカーフリボンが千切れてほどけ、セーラー服の上着に三筋の切れ込みが入った。
「ひょー、こうでなくちゃ始まらないでござる! ここまで来たら合体解除! いけっりゅうたいきんぞくくん! まきつく! からのしめつけるだ!」
 エドゥアルトは流体金属と分離し。にゅるっとユカリの体に巻き付いていく。そしてぎゅっと締め付けて体の凹凸を強調させ、さらにダメージを与えていくという一石二鳥の攻撃だった。
「うぐぐ……あぁっ!!」
 ユカリは両腕を捕らえられたままもがくも、流体金属は離れてくれない。裂かれた上着からチラ見えする肌は血がじわっと垂れてきていた。
「いい眺めでござるなー。もうちょっときつめでお願いするでござるよー流体金属君」
 エドゥアルトの声に反応して、流体金属はさらにユカリを締め上げる。ミシミシと体が悲鳴を上げていた。
「有難いことでござる……合掌」
 エドゥアルトは二礼二拍一礼――神道に則り丁重に拝む。悶え苦しむユカリはなんだか邪神のようでもあったが、まあそれはそれ。八百万の神は彼女さえ受け入れてくれるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・ヘドロ
アハハ、み~つけたヒドイよボクの身体をこんな風にして見捨てるなんて、食べに来たよアナタもボクと一緒になろうよ
逃がさないよボクの身体の一部を毒蛇に変えて噛みついてあげる、ヘドロ毒をプレゼント、キミもヘドロの気持ち味わうと良いよ
もう反抗の声も届かない



●ニクロムのその後
「アハハ、み~つけた」
「ひっ!? ま、まだ生きていたんですか」
 それはニクロムであってニクロムに非ず。ニクロム・ヘドロ(悪堕ちヘドロ怪人・f34633)――怨念の塊、成れの果て。
 まるで地面を這いずり回るスライムのような格好でユカリを付け狙う様はどちらが悪者なのかわからない。
「ヒドイよ、ボクの身体をこんな風にして見捨てるなんて」
「そんなこと言われましても、近くに居たって邪魔なだけですから」
「ふ~ん……ま、いいや。ボクは食べに来たんだ。アナタもボクと一緒になろうよ」
「お断りですっ!」
 ユカリはハンドミキサーのようなマジックアイテムを召喚した。ハンドルがついている手動式で、ぐりぐりやればニクロムなど散り散りに飛んでいってしまうだろう。
 ミキサー部分をニクロムに向けるが、ニクロムの執念は強い。不定形の体を伸ばしてミキサーをするりと躱すと、腕を毒蛇の頭に変えてユカリの右腕に噛みついた。
 コートの袖が牙で裂け、突き刺さったところから毒が流し込まれていく。
「きゃあっ!! ……う、うぅ……これ、は……」
 牙の跡から円形に深緑の変色が広がっていく。ユカリがニクロムを変性させたのと同じもの――。
「解毒、解毒……ぅぁあああっ!!」
 コートの裏に潜ませた薬の中から解毒薬を探そうとするが、毒の周りが速い。ステッキを投げ出して小瓶に入った赤い薬品を一気に飲み干すが、効果が芳しくなく侵食は進む。
 そしてニクロムはニタニタと笑うばかり。
「そんなんじゃ収まらないよ、ボクのヘドロ毒は。キミもヘドロの気持ち味わうと良いよ」
「いやああぁぁぁ!!」
 そこに反抗の精神はなく、復讐心のみが蠢いている。
 ニクロムの明日は何処へ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テフラ・カルデラ
【人形館】
※アドリブ可・トドメ希望

過去に何度か相手にしていましたが…また石化されるんですねぇ…多分きっと…
しかし覚悟はできています!何せわたしはあくまで囮!最終的には花さんが決めてくれます!

【メデューサの矢】でユカリの足を石化させるのをメインに接近して大胆ですが思い切り抱き着きます!
もちろん相手も石化を使うと思います…が、花さんは石化させません!全て自分自身が受けます!
あとは花さんがわたし共々石化させてくれれば…ふふふ♪一緒に素敵な石像になりましょうね~♪


シエナ・リーレイ
■人形館・アドリブ可

あれ?とシエナは首を傾げます。

天使さんを『お友達』に迎えられてご機嫌なシエナ、続けて現れた魔法少女とも仲良くなろうとした所で何故か気分が落ち込んできました
それは初めて『お友達』であるジュリエッタとの別れの時の様であり、シエナはその場にいる誰かと魔法少女が同様の縁で結ばれている事を悟ります

我慢する必要はないと思うよ。とシエナは後押しをします。

シエナは互いに悔いなくお話を出来るように秘めた想いを打ち明けやすくするおまじないとお話を終えるまで動けるようにするおまじないを辺り一面にばら撒きます

そして、お話が終わった後には天使の『お友達』と共に石化したテフラをお持ち帰りするのでした


水野・花
【人形館】で参加
あの魔法少女とは因縁を感じます。ここで止めを刺して因果を断ち切ってやりましょう。

相手が石化の魔法ならこっちは「石化の呪い」で対抗です。
シエナさんのユーベルコードでこっちはすぐに治癒されますし(人形にはなりますが)、テフラくんのメデューサの矢もありますから正面からぶつかれば先に石像になるのはあっちのはずです。

反対にユカリちゃんを私のコレクションにしてあげましょう。……ふふふ、私だってたまには誰かの事を石にして保存してしまいたいと思うことだってあるんですよ、ユカリちゃんは可愛いしきっと良いコレクションになりますよ……。(シエナさんのユーベルコードで感情増幅中)



●ユカリに所縁はありますか?
「ぅあ……あぁぁ……」
 ユカリの体にはヘドロの毒が回り、もう体の右半分が深緑色に染まっていた。体内で生じたガスがぽこぽこと気泡となって表面に浮き上がっている。
「うわ……なんか大変なことになっていますが……」
 ユカリと対面したテフラは瞬間的に後退っていた。先に交戦した猟兵の仕業なのだろうが、それにしても悲惨な状態だ。
「あれ? 魔法少女とも仲良くしたいのに、何故か気分が落ち込んできました、とシエナは首を傾げます」
 天使を『お友達』として迎えてご機嫌だったシエナの表情に不意に影が差す。その場にひっそりと佇む決別の気配。シエナはテフラと顔を合わせ、次いでテフラと共に花へ視線を送った。
「二人も何となく気付きましたよね? あの魔法少女とは……因縁を感じます」
 花自身もそれがはっきり何とは言えない。親を殺された、故郷を焼かれた――そんな明白な因果が思いつくならよかったが。
 確かに言えるのは、ここで倒さねば未来永劫その身にぶら下がる枷になるだけ。今が花とユカリを繋ぐ鎖を断ち切る最大のチャンスだった。
「我慢する必要はないと思うよ。とシエナは後押しをします」
 シエナが花の背にそっと寄り添う。わたしは見守ってあげることしかできないけれど、と一匙の申し訳なさを添えて。
「花さん、やりましょう! わたしはきっとまた石化させられるんでしょうけど、囮役上等です! 花さんが決めてくれると信じてますから!」
 テフラは花の正面に立ち、その瞳に訴える。色々な世界で随分と酷い目に遭ってきたテフラの猟兵生活――しかしそれも、共に戦う仲間のためであり、オブリビオンの影に怯える世界の民のためだった。
 今も同じ。身を投げ出すことに躊躇いはない。
「二人とも……ありがとうございます。わかりました……ここで止めを刺して因果を断ち切ってやりましょう」
 花は前を向き、ユカリと対峙する。ユカリは慌てて取り落としていた魔法のステッキを震えながら拾い上げているところだった。
「うぅ……も、う……全部……石に、なっちゃ、え……!」
 毒の侵食が止まらず、ユカリの思考が暴走する。魔法のステッキから石化の光を戦場全体に放ち始めた。
「花さんは石化させません! 永久なる石像へ……『メデューサの矢(アロー・オブ・ペトラファクション)』!」
 ユカリの動きにいち早く反応したテフラは石化属性を持つ呪いの矢を生み出しながら、ユカリ目掛けて飛び出していた。光は放射状に放たれる。ならば自ら近づいていけば光を遮る壁となれる。
 両手を広げるテフラの指先が石化を始める。足も石化が始まって回転が鈍ってきたが、テフラは気合と根性でユカリの元まで辿り着くと、両足を狙って矢を撃ち込みながら半分ヘドロ化した体に抱き付き羽交い絞めにした。
 ヘドロの感触は――テフラはこれまで似たようなものに何度も沈んでいる。今更少々のヌメヌメドロドロには驚かない。
「は、な……して……!」
「絶っっ対! 離しません! ふふふ♪ 一緒に素敵な石像になりましょうね~♪」
 ユカリの抵抗も空しい。呪いの矢を撃ち込まれた両足は石化して動かず、上半身を捩るもテフラとは力の差があって振り解けない。
 テフラの後ろからは両掌より赤い光を放つ花が近づく。シエナはずっと後ろで控えていたが、
『なんでかな? 見守らないといけない気がしてきたよ。とシエナは困惑しながら見守り始めます』
 花とユカリが互いに言葉を尽くすまで見守る姿勢で、秘めた想いを打ち明けやすいように、と「おまじない」を振りまいた。
 石化し続けるテフラ越しに石化の光が漏れていたが、シエナのおまじないが浄化する。そうして無事に、花はユカリの傍までやってきた。
「あなた……ふふ、ふふふ……綺麗な顔をしていますねえ。石に変えて、永久保存……してあげ、たい……のに……!」
「奇遇ですね。私も同じことを思っていましたよ。ですから……反対にユカリちゃんを私のコレクションにしてあげましょう。……ふふふ、私だってたまには誰かの事を石にして保存してしまいたいと思うことだってあるんですよ、ユカリちゃんは可愛いしきっと良いコレクションになりますよ……」
 相思相愛……と言っていいのかよくわからない複雑な本音はシエナのおまじないの効果。呪詛とも言う。そして雌雄は決しているようで、花は身動きの取れないユカリの頭上に、ほとんど石化したテフラ諸共石化の光を浴びせた。
 艶のある髪も、ぱちりとした瞳も、全てが無機質な石になる。
「……!」
 ユカリは何かを言いかけようと口を開いたが声が出せず、そのままの形で石化していく。魔法のステッキも巻き込まれて、ついにはテフラに抱きしめられた芸術の一品に変わり果てた。
「お話は済んだのかな? とシエナはテフラをお持ち帰りする準備をしつつ伺います」
 花が力を収めたのを見て状況を悟り、シエナが駆け寄ってきていた。
「えぇ、まあ。……じゃあ後は、これをどうにかしないといけませんね」
 花は石化したユカリに触れる。完全に石化したことで生命活動を停止したはずだが、抱きしめる形で囮役を全うしたテフラは石化を解いてやらねばならない。
 しかしこれが意外に難儀。テフラが抱き付いた形になっているので二人を引き剥がすのが容易ではなく、シエナと花はしばし思案した後、一旦石化した二人を横倒しにして、ユカリをテフラの腕から下に引き抜く形で解決した。
「今日は色々なことがあったね、とシエナは早くも思い出話に花を咲かせます」
「そうですね……ふふ、それは私とかけてますか?」
 二人の帰途は実に楽しげで。そしてテフラが聞かされる苦労話や、花とユカリのその後については――またの機会に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月11日
宿敵 『悪堕ち魔法少女・ユカリ』 を撃破!


挿絵イラスト