宝島はグリモアベース~ウェインの冒険と緋色のメリー
●緋色のメリーは宝島を目指す
「間違いない……この島は『アックス&ウィザーズ』だ」
中世ヨーロッパを思わせる島を進む一団の先頭に立つのは、緋色の海賊装束を纏う少女――コンキスタドールの賞金稼ぎ、メリー・バーミリオン。
「この島は最強格の『猟書家』が目を付けた世界……。だから! あるはずだ! あの猟兵共を支える『グリモアベース』に繋がるお宝が!」
レディ・オーシャンの仕掛けた儀式魔術【Q】「骸の月を喰らう月」は、他の世界の骸の月を侵略し、略奪し、模倣し、グリードオーシャンに「偽物の骸の月」を浮かべた。この偽物が月を完全に喰らえば、2021年2月の「羅針盤戦争」で散々煮え湯を飲まされた猟兵共を一網打尽に出来る――今の「緋色のメリー」にとって、グリモアベースは見逃せない「宝島」である。
「野郎共! 気張って探せよ! モノによっちゃ団長の座だってくれてやる!」
「「「オオオオオオ!!」」」
団員は散り散りに島を探索し、やがてメリー達は切り出された石で造られた入り口のダンジョンに集結する。
「このゴーレムが通さねぇんス。あそことあそこと、いくつか同じ入り口があって、同じゴーレムがいたっス。力ずくで通ろうにも俺らじゃ歯が立たねぇし、言葉も通じねぇっス」
団員が視線を向けた先には、介抱され横たわる者。
「言葉が通じない?」
メリーが訪ねると、返事をするかのようにゴーレムが喋り出す。
「ウェイウェイ、ウェウェイウェイウェイウェウェウェウェイ」
「こんな感じス」
「めちゃくちゃ強ぇし、こことあそこで見えるだけで片手分はいるし、この先にこれより強ぇのがいたら俺ら返り討ちっスよ」
「これだけ厳重に守るってことは、ビンゴのお宝があるんだろ。だったら尚更私んモンだ。野郎共! 意地でも抜けるぞ!」
そんなメリー達を遠くに隠れて窺っているセイレーンが一人。
「厄介な連中だな……。ゴーレムの対処は『解る』から容易いが、連中は俺だけじゃ捌けねぇ。どうする……?」
●グリモアを湛える宝島にて
「皆さぁん、お集まりいただき、ありがとうございますぅ。それではぁ、わたしが視た事件の予知をお話ししますぅ」
グリモア猟兵の少女・ミント・キャラメル(眠兎キャラメル・f25338)はグリモアベースに集った猟兵達に語り始める。間延びしていながら、どこか緊張感のある声で。
「今回のお話は、この前の予兆で視えたレディ・オーシャンの儀式魔術【Q】『骸の月を喰らう月』との闘いですぅ」
ミントの言葉に、猟兵達は緊張感の意味を理解する。レディ・オーシャンの【Q】は猟書家達と違い、猟兵達が今いる「グリモアベースの侵略」を目標に掲げているのだ。
グリモアの力――オブリビオン事件の予知、そしてテレポート能力は猟兵達の最大の強みである。この能力の喪失が遠からず猟兵達の完全なる敗北に繋がるのは今や想像に難くない。一つとして成就させてはならない敵対存在の【Q】の中でも直接矛先を向けられている異質のものである。
「『羅針盤戦争』に現れたコンキスタドールの賞金稼ぎのメリーは、今はレディ・オーシャンの幹部として、宝島を探してはグリモアベース侵略の手掛かりになりそうな財宝を探し回っていますぅ。皆さんはメリーが上陸したアックス&ウィザーズの島で先に財宝を確保してから、メリーを迎え撃って骸の海に帰ってもらって下さぁい」
ミントが浮かべたグリモアには、ダンジョンの前でゴーレムと格闘するメリー達の背中が映る。
「メリー達はダンジョンの入り口を守るゴーレムに手こずっていますぅ。このゴーレムはかなり強くて数も多いし、『全ての世界で言葉が通じる』という猟兵が受けている世界の加護をもってしても言葉が通じないですぅ。ですけどぉ、メリー達の近くにゴーレムの言語……『ウェ』と『イ』の二音の微妙なアクセントの違いで会話の出来る冒険商人が隠れていますぅ」
グリモアの映像が隠れて青年の姿を映す。髪の毛の先端がソーダ水のように泡立っているのが見て取れる。
「この男の人が冒険商人ですぅ。名前はウェイン・コンウェイ、見ての通りウェイレ……セイレーンですぅっ」
ミントの息の抜け方は微かに震えていた。緊張感とは真逆のベクトルで。
「ウェインさんと協力して、メリー達より先にダンジョンの財宝を手に入れて下さぁい。ダンジョンの中は何があるかは視えませんでしたけどぉ、ウェインさんの力を借りてウェイウェイしてれば何とかなると思いますぅ☆」
どうやらミントの緊張感は終わったようだ。
「というわけで、よろしくお願いしますねぇ☆ それじゃあ行きますよぉ☆ グリモア・イリュージョン☆ ワぁン・ツぅー・ウェイぃー☆」
グリモア猟兵の緊張感はさて置き、グリモアベースを終わらせないために、猟兵達は島へのゲートウェイと化したミントのグリモアに飛び込むのだった。
鷹橋高希
カクリヨファンタズムの幹部シナリオやりたいと考えに考えて書けたオープニングが世界すら違うこれである。
トンチキで走りきれるよう頑張ります。
本シナリオは「猟書家の侵略」に影響する幹部シナリオで全2章となります。
オープニングが公開され次第プレイングを受け付けますが、プレイングの送信曜日によっては、システム上、不受理として返却される可能性が高くなります。
私のリプレイ執筆可能時間は週末に多く取れる傾向にあり、日曜日の32時30分まで有効となる木曜日(水曜日32時30分までを除く)がプレイング送信曜日として最適です。
また、必要に応じてプレイングを採用せずリプレイ文章を提出する可能性(断章等)があります。
リプレイの進捗(特に、完成させられずの不受理)はマスターページで随時更新します。
シナリオフレームによるプレイングボーナスは全章共通で「冒険商人と協力する」となっております。
また、本シナリオ独自の全章共通プレイングボーナスとして「プレイングでウェイウェイする」を設けます。
一部を無理矢理「ウェイ」に変えたりなど、思いのままにウェイウェイしてみて下さい。
ただしあまりにもウェイウェイし過ぎるとウェイ功率がオーバーフローしてしまいウェイ功度の判定が不可能となる可能性があります。
第1章:冒険 『ウェイ、ウェイウェイウェイ?』
シナリオ完結まで同行するNPC、ウェイン・コンウェイの力を借りてゴーレムとウェイウェイしたりダンジョンでウェイウェイします。
ウェインはセイレーンの青年で冒険商人(サブジョブ無し扱い)、ユーベルコード「ゴーイング・マイウェイ」を扱えます。
第2章:ボス戦 Vs. 『メリー・バーミリオン』
第2章進行後に断章を執筆する予定です。
第1章のウェイウェイ具合次第で更なるプレイングボーナスが発生するかもしれません。
グリモアベースを守る皆様のプウェイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『ウェイ、ウェイウェイウェイ?』
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POW : いいから教えろや!肉体言語による説得(物理)を試みる
SPD : 勢いで押し切れ!!テキトーにそれっぽい事を言ってみる
WIZ : 頭を使おう(冷静)身振り手振り、テレパシーその他の手段を試みる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ニケ・ブレジニィ
『冒険商人と協力する』
四葉のクローバーに[幸運10]を[祈り8][勇気6]を持ってセイレーンさんに話しかけ、冒険商人さんと協力して、このダンジョンを攻略します。
「あ…私は、グリモア猟兵のニケです。」
私も少しなら…戦えますよ、と【革命剣】を見せてアピールします。
敵と鉢合わせることがないように注意して行動しますけれども、もし戦闘になりそうだったらユーベルコードの『桜の癒やし』で相手を眠らせ、こちらは距離を取り、その場を仕切り直します。
はい、の代わりに『ウェイ』を使います。
リプレイのために、このキャラクターを自由に扱っていただいて、全く問題ありません。
●道を進み始める者達
「こんにちは。冒険商人のウェインさんですね?」
「っ!」
ニケ・ブレジニィ(桜の精の王子様・f34154)がウェインに声を掛けると、海賊を警戒していたウェインは肩を跳ねさせて振り返る。
「あ……驚かせてしまいましたね。ごめんなさい。私は、猟兵のニケです」
「猟兵……話には聞くが、あんたが?」
ニケが頷くと、桜色の髪の中に生える桜の枝――オブリビオンを「影朧」と呼ぶ異世界で、それを癒やし転生させる妖精の象徴――が揺れる。
「私はあのコンキスタドール……海賊の首魁を倒すためダンジョンに来たのですが、あなたの力が必要なんです。あなたの語学が」
「倒しに来た?」
「はい。私も少しなら……戦えますよ」
ニケは目の前に細身の剣を構える。儀礼で用いるような美しい意匠に薔薇の花、そして四葉のクローバーが描かれた旗印の飾られた刀身は、ニケの意志を湛えるように淡く輝く。
「縁起のいい旗印だな。……よし、あんたと出会えた幸運に賭けるか!」
猟兵――ニケを味方にしたウェインは腹を決め、二人は忍び足で海賊達とは離れた入り口に向かう。海賊達がいないだけで、切り出された石で造られた入り口とゴーレムの番人の組み合わせは変わらない。
「ウェイウェイ、ウェウェイウェイウェイウェウェウェウェイ」
やはりウェイウェイ言う番人のゴーレム。
「ウェイ」
ニケは「はい」のニュアンスで応えるが、ゴーレムは動かない。
「俺に任せな。『ウェイ、ウェウェイウェイ』」
ウェインの言葉にゴーレムもまたウェイウェイと返し、ニケは二人の会話を見守っていた――その時。
「何だてめぇらは!」
「取っ捕まえるぞ! こっちだ!」
ゴーレムやダンジョン自体の攻略のため見回っていた偵察役の海賊達がニケ達を見て声を上げた。ニケは驚き、ウェインは舌打ちする。
「こいつを説得するにはもう少しかかる! あんたの力で止めてくれ!」
「任せて下さい」
ニケは向かってくる海賊達に向き直り、両手を組んで瞳を閉じる。
「おい、何を祈っ――」
まさに祈るだけにしか見えないニケの姿に上がる声は、どこからともなく巻き起こる桜の花吹雪に掻き消える。南国を思わせる日差しに溶けそうな淡い桜の花びらは、ニケのユーベルコード「桜の癒やし」によるもの。ニケの意思に従って海賊の一人を包み込むと、海賊はナイフを取り落として大の字で地面に倒れ込み、花びらの舞い散る中でいびきをかき始めた。
「何だこいつ!?」
「ヤベえ、逃げるぞ!」
(……眠りたまえ)
得体の知れない花吹雪に海賊達は逃げ出すが、捕まえる気で近付いてきた彼らが身を翻したところでニケの半径94メートルから逃げ切れるはずもなく、次々と地面に横たわり、眠りに就いた。
「これが猟兵か……凄ぇ力だな。助かった。こっちも済んだぜ」
ウェインの声にニケが振り返ると、ゴーレムは退がり跪いていた。
「わぁ……。まるで従者のようになりましたね。何をお話ししたのですか?」
「取り敢えず進みながら話そう。このゴーレムはもう動かない。入り口がガラ空きになるから嗅ぎ付けられるのも時間の問題だ。追われる前に急ごう」
「ウェイ」
「いや、俺には『はい』でいい……」
ニケ達が進むダンジョンには、どんな道が待ち受けているのだろうか。
成功
🔵🔵🔴
タマ・ハンクス
お宝、お宝~♪きっとすごいお宝だよね。
二十年物の伝説のカツオブシとか。
金貨の山?いや、別にいらないし。硬いし重いし、食べられないよ。
謎解きなら任せて、得意なんだよ、こういうのは。
ゴーレムがウェイウェイしかしゃべれなくて困ってるの?
みんな、頭が固いな~、そういうのは、筆談をすればいいんだよ。
タブレットを取り出して、書く。 『ウェイ、ウェイウェイウェイ?』
結局、言葉が通じないのなら、仕方がないのでウェブ配信の猫動画をゴーレムと一緒に観ようと誘う。
「大丈夫、言葉は通じなくても、このかわいさは世界共通だよ♪」
●No way, Nyah way
「お宝、お宝~♪ きっとすごいお宝だよね。二十年物の伝説のカツオブシとか♪」
ダンジョンを進む猟兵とウェインの一行、宝島のお宝に想像を巡らせるのはケットシーのタマ・ハンクス(アルダワの銀虎・f04771)。
「それはない……とは言い切れないか。俺もお宝が何かは知らないしな。冒険物語の定石は金銀財宝だが」
「金貨の山? いや、別にいらないし。硬いし重いし、食べられないよ」
食い気かっ、とウェインが返すと、目の前は小部屋と呼べる程度の円形の空間になり、向こうに続く道はゴーレムが塞いでいた。ウェインが近付いてウェイウェイと語り掛ける……しかし。
「通じてねぇ……!? 返事も無しかよ!」
ゴーレムは微動だにせず、しかし番人としての殺気にも似た気配を緩めない。どうする、とウェインはアイコンタクトをタマに送る。
「謎解きなら任せて。得意なんだよ、こういうのは」
タマはウェインと入れ違いにゴーレムの前に歩み出る。タマは、異世界の地下迷宮「アルダワ」の上に建てられた魔法学園の学園長に拾われた恩義を返すため闘う猟兵である。つまり、ダンジョンというのはタマにとって限りなくホームに近い環境だ。「アルダワの銀虎」たるケットシーは慣れた手つきで肉球にタブレットを抱え、もう片方の肉球でその表面を撫でると、黒色の平板はユーベルコード「サイキックブラスト」を帯びて発光する。そのタブレットを翻してゴーレムに向けると、ゴーレムは――動かない。
「……駄目か?」
「もう一押しかな」
振り返ったタマのタブレットには『ウェイ、ウェイウェイウェイ?』と書かれていた。まさかの筆談にウェインの足腰がズッコケたように崩れる。
「あと何をどう一押しするつもりだ……」
「言葉も文字も駄目なら、これだね」
肉球がタブレットをタップすると、その四角い平板の中で猫が動き回る。その猫の姿と鳴き声に、ゴーレムの首が向いた。
「……マジか」
「言葉は通じなくても、このかわいさは世界共通だよ♪」
それから暫く一緒になって猫の動画を楽しむと、ゴーレムはいつの間にか猫耳を生やして部屋の隅に移動し、猫のように丸まって動かなくなった。
「俺一人じゃどの道詰んでたな。やっぱ猟兵ってのは凄ぇ。ありがとな」
「どういたしまして。だけどまだまだ伝説のカツオブシは遠そうだね。頑張ろ~♪」
「ああ、お宝が魚介類だったら好きなだけ持ってってくれ」
猟兵とウェインの一行は、メリーと海賊達に番猫ゴーレムがニャーウェイと鳴き声を上げ襲い掛かるのを背中に聞きながらダンジョンを進む。
成功
🔵🔵🔴
スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●森の小径を行く
「しまった、こっちは行き止まりかよ!」
これ以上進みようがないダンジョンの袋小路を引き当ててしまったウェインは来た道を振り返る。引き返さなければならないのだが、それは宝島の財宝を狙うメリー達との鉢合わせや財宝への先行を許す結果になりかねない。ウェインの視線は共に進んできた猟兵――スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)に向いた。打開策はないか、と。
「私に任せて下さい」
スピネルが一歩前に出ると、新緑を思わせるフリルに溢れた若草色の羽衣と、木漏れ日のような金色のウェーブヘア、妖狐の証である同じ毛色の狐の耳と尻尾が揺れ、その中で輝いていた赤い瞳が閉じれば、どこからともなく木の葉がスピネル達の周りを舞い始める。木の葉が数を増して外へ広がっていくと、その先には広大な森が現れた。木漏れ日が射し込み、葉擦れやせせらぎまでも聞こえる――スピネルのユーベルコード「森葉静隠」により、ダンジョンという閉鎖空間は見渡す限りの森と化したのだった。
「おぉっ、凄ぇ。だけどこれはこれで見つからねぇか……?」
「大丈夫ですよ♪ ダンジョンが森になると知っている私達は、先に森に潜むことができます」
スピネル達の周りには、ダンジョンを森に書き換えたものとは別の木の葉が舞っている。木の葉の向こうにはゴーレムの姿が見えるが、ゴーレムがスピネル達に気付く様子は見られない。
「では行きましょう。森の道案内は任せてください」
悠々と歩き出すスピネル達の後方で、急に現れた森に驚くメリー達の声が響き、その声に向けてゴーレムが動き出していた。
成功
🔵🔵🔴
城田・紗希
ウェイト(待った)とウェイト(重り)の違い…みたいな感じ、なのかなぁ?
それともライトとライトの違い?(right/light)
時間に余裕があれば、黒いぐるぐるを描いて「これ何?」を得てからウェイ語録を作るけど…無理だよね。
諦めて肉体魔法言語で押し通そう。
「私、ゴーレム、倒せる、強い。」(身振り手振りでアピール)
強さの証明として、ウィザードミサイルを1本、適当に岩か水面に打ち込んで見せる。
……これで通じなければ、適当な石(10kg)を持って、「この石をメリーに投げつけるけど、ウェイさんが投げたことにする」ってジェスチャーで伝えようかなぁ
(投擲で変に拗じらないよう、軽くストレッチしつつ)
●Go away
「待てと重りのウェイトの違い……みたいな感じ、なのかなぁ? それともライトとライトの違い? エルとアール」
ダンジョンを進む度に幾度となく飛び交う冒険商人・ウェインとゴーレムの「ウェ」と「イ」の何が違うのか――城田・紗希(人間の探索者・f01927)は女子高生として受けた言語教育の埒外を味わっていた。
「ちょっと違うな。どう説明すりゃいいか……っと、足元気を付けろ。地底湖だ」
どこか意図的に造られたであろうダンジョンが開けた天然の洞窟に繋がっていることに目指す最奥部への到達に段階が進んだのを感じつつ、青々と輝く地底湖の縁をブーツとローファーが慎重に進む。狭まった足元が再び広がり始め、小部屋のような広さの空間に出ると、その先の道にはまたゴーレムが居座っている。任せろ、とウェインが前に出た。
「ウェイウェイ、ウェウェイウェイウェイウェウェイ」
「ノーウェイィ……!」
今間違いなく″No way″と言ったような……と思う紗希。しかしこれも全く別の意味かもしれない。時間に余裕があればウェイ語録を作りたいところだが、今はメリー達より先に財宝を見つけ出さねばならない。追い掛けてきてないかと後方を振り返る。
「駄目だ。言葉は通じてるが、その上で通さねぇと来た。頼めるか?」
ウェインが紗希の元に戻ってくる。
「……やってみます」
前に出た紗希は、すぅっ……と息を吸い込む。
「ウェイウェイ! ウェイウェイウェウェイ!」
腹の底から声を上げ、強い語気でウェイウェイと言いながら身振り手振りを繰り出した。
(私、ゴーレム、倒せる、強い)
という意思を込めたジェスチャーを繰り広げ、その際に振り回したウィザードロッドに魔力――ユーベルコード「ウィザード・ミサイル」を込めると、ロッドから515本――無数の炎が紗希の周囲に展開し、陽炎が制服を揺らす。
「ウェイっ!」
紗希の振るったロッドの軌跡に従い一本の炎が地底湖へと飛び込むと、青い大波が立ち上る。波音の反響に洞窟内の空気が揺れ、大波は紗希達の立つ地面にまで飛沫を跳ね上げた。
「……ナイスウェイブ」
ゴーレムは親指を立て、塞いでいた道を明け渡す。
「あんたの強さを認めたってことか」
「かもしれないけど……」
ノーだのナイスだの英語でいけた気もして若干腑に落ちない紗希であったが、洞窟内に反響するメリー達の声に空気が張り詰める。ウェインは先行し、紗希は残る514本の魔力の炎で壁面や足場を崩して足止めを仕掛ける。
「やり過ぎんなよ。生き埋めは御免だ」
「よし! メリーっぽいの落とした!」
「マジかよ」
炎の矢を撃ち尽くした紗希もウェインに追い付き、宝島のさらに奥へと進んでいく。
成功
🔵🔵🔴
ラハミーム・シャビィット(サポート)
シャーマンズゴーストのUDCメカニック×戦場傭兵、25歳の男です。
口調は、掴みどころの無い変わり者(ボク、キミ、デス、マス、デショウ、デスカ?)
人と少しずれた感性を持っていて、面白そうならどんな事にも首を突っ込む、明るく優しい変わり者です。
戦闘時にはクランケヴァッフェや銃火器の扱いは勿論、近接格闘術のクラヴ・マガなどでド派手に暴れ回ります。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ニノン・トラゲット(サポート)
『冒険はロマンです!』
『まだ見ぬ何かの予感がします……アガってきちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、あれこれ心配するよりはとりあえず「有効かも?」と思ったことを何でも試してみます。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!
●*waves*
ダンジョンの最深部――島に眠る宝に辿り着いたウェインと猟兵達は並んで宝物殿を見ている。宝物殿には無数の金貨が散りばめられており、中央には直方体に切り出された石をバスタブのようにくり抜いた中に、三体のゴーレムが金貨の風呂に浸かっている。左右のゴーレムは体躯が細めであり、中央のゴーレムは両腕を左右の二体の肩に回しており、まるで――。
「これはUDCアースで見かける開運商法の広告の構図デスネ。開運グッズを買ったらギャンブル大勝モテ期到来というやつデス」
シャーマンズゴーストのラハミーム・シャビィット(黄金に光り輝く慈悲の彗星・f30964)は空間に指でギザギザのふきだしを描きながら説明する。
「つまりこの光景は男のロマンですね! アガってきちゃいますね!」
ラハミームとウェインの足元でニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)が緑色の猫瞳を輝かせる。なお、男のロマンを語るニノンは左右のゴーレムの方の性別である。
「……いや、これ、アガるか?」
ここまで直に欲望を体現した光景を見せられては、いくら財宝を求める冒険商人としても引かざるを得ない心境がウェインのジト目に現れていた。
「「「ウェーイ!!!」」」
そして我が世の春を謳歌するゴーレム達は広告写真ではなく財宝の番人として、金貨風呂から上がって猟兵達に迫り来る。
「……どうやら大方あんたらの言う通りらしい。『この強運は誰にも渡さないウェーイ!』だそうだ」
どうする? と目配せを送るウェインに応えて前に出るのはラハミーム。
「それほどの開運の術なら普通は他者に販売しないデショウ。さあ、キミ達を強運たらしめる、『己が神への祈りは済んだカイ?』」
飛び掛かったラハミームのクラヴ・マガがゴーレムの腕を脚で捕らえ、身体を捻って床に巨躯を叩き伏せ、大量の金貨が舞い上がる。金貨と擦れた地縛鎖がジャラリと鳴り、魔力――ユーベルコード「呪殺旋風」を流し込むと、金貨は黒々とした質量を持つ呪詛に変わり、旋風となって吹き荒れゴーレム達の強運を削り、抉り、喰らっていく。ついにはゴーレム達が旋風に浮かされ、宝物殿の中で互いに衝突し始めた。
「それでは退場していただきます! 『風』の『津波』ですっ!」
ニノンがエレメンタルロッドを振るうと、ラハミームの呪詛が金貨に戻りジャラジャラと地面に落ちていく中でゴーレム達だけが――ユーベルコード「エレメンタル・ファンタジア」による――風の津波を受け、宝物殿の外へと流されていく。
「「「ウェイィィィィィィ……!!!」」」
ゴーレム達は不運にも、ダンジョン内のあらゆる物に引っ掛かったりぶつかったりすることもなくダンジョンの外へと押し流されてしまうのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『メリー・バーミリオン』
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POW : 野郎共、仕事の時間だ!
レベル×1体の【海賊船団員】を召喚する。[海賊船団員]は【したっぱ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : お宝発見アイ〜伝説の海賊を添えて〜
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【大海賊の霊】が出現してそれを180秒封じる。
WIZ : 大逆転! 元の木阿弥大津波
自身の【サーベル】から、戦場の仲間が受けた【屈辱の数】に比例した威力と攻撃範囲の【津波】を放つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「十六夜・巴」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●Weird Gold
猟兵達とセイレーンの冒険商人・ウェイン・コンウェイは宝島の宝物殿に辿り着き、番人のゴーレムを退けた。宝物殿は大量の金貨で足の踏み場もないほどだ。
「凄ぇ量の金貨だ。持って帰る方法が思い付かねぇな。そのままは使えねぇが、ゴールドに換金すりゃ結構な額だろ」
アックス&ウィザーズの島であるため、金貨は全てその異世界で流通している物ばかり――ではないことに猟兵達は気付く。アルダワ世界の物、UDCアースの物……猟兵が発見している全ての世界で流通する金貨も少なからず混じっている。理由は判らないがそんな宝物殿の様は、「全ての世界の風景に揺らぎ変わる、小さく不安定な世界」、グリモアベースの金貨版とも言えるだろうか。
「漸く着いた……手を挙げな。そいつは全て私んモンだ。この『緋色のメリー』のな」
背後からの声に振り返る猟兵達の目には、サーベルの切っ先を向けるメリーの姿――ずぶ濡れで木の葉塗れで海賊帽には髪の色と同じ金色の付け猫耳(推定)が付いているが――彼女も団員を従えて宝物殿に辿り着いたのだった。グリモアベースに向けた儀式魔術【Q】のために動くメリーに触発されたのか、異世界の金貨だけが眩い光を放つ。
「これは……いや、この底にも文字が光ってる!」
ウェインは、すっかり抜けた金貨バスタブの底に光る文を読み始める。ウェイウェイと。
「『……ウェイウェイ、ウェイ』。『コンキスタドールに異世界の金貨を渡すな』、だ」
「もらうつもりはないな。既に私んモンだ。野郎共、やっちまえ!」
大柄な団員をけしかけるメリー。猟兵達は身構えるが、チャリンチャリンという金属音と共に突っ伏していく。
「そんなのは通らねぇ。このお宝は俺達の物だ」
打ち倒したのはウェイン。宝物殿の金貨を代償に、ユーベルコード「ゴーイング・マイウェイ」で大男の昏倒を成功させたのだ。
「俺一人じゃここまで来れなかったし、あんたらにとって倒すべき敵なんだろう? あんたらと組めば、また次にでも稼げるお宝にありつける。やっちまおうぜ」
ウェインの発破を受け、猟兵達は金貨のグリモアベースに向けられたサーベルと切り結ぶ。
轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、19歳の女です。
普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●Gold gauntlet
「それじゃ全力で行くわよ」
ウェインに返しながら床を蹴り、金貨を跳ね上げるのは轟木・黒夢(モノクローム・f18038)。
「野郎共……! 押し流してやる!」
メリーはサーベルに、セイレーンの優男に簡単に伸された力自慢の団員の屈辱を乗せ、迫り来る黒夢達に向けて振るう。サーベルが斬った空間から次々と宝物殿の天井に届く津波が現れ、黒夢達の前に立ちはだかった。
「こんなところで津波だと!?」
ウェインは足を止める。しかし、黒夢は指の間に金貨を挟んで拳を握り、津波に向かっていく。
「ありったけの金貨を私の周りに投げて。ウェインさんのユーベルコードで」
津波が二人を頭上から呑み込もうとしていても、黒夢は冷静にウェインに指示をする。
「わ、分かった!」
金貨を代償にあらゆる行動を成功させるウェインが波飛沫を浴びる黒夢に金貨の飛沫を飛ばした瞬間、二人の姿は津波に消えた。
「残念だったな猟兵! あとはゆっくりお宝を……何だ!?」
津波の中に消えた二人の姿に勝ち誇ったメリーだが、それは一瞬のことで、すぐに驚きの表情になる。津波が――水が、黒く腐食し消えていっているのだ。最後の津波も中心から腐食が広がり、腐食の中心から拳が突き出る。拳の指には金貨が握られていたが、金貨は黒い桜の花びらに変わりながら津波に触れてさらに腐食が広がり、津波が消滅すると拳の主の姿が現れた。白い衣に長い黒髪の女性――黒夢だ。その後ろにはウェイン。
黒夢は金貨をナックルウェポンとし、ユーベルコード「朽ち果ての黒桜」で触れたものを腐食させる黒い桜の花びらに変えながら津波を次々と殴り抜けたのだ。ウェインの手で十二分の金貨を得ていた黒夢は、一滴の飛沫にも濡れずに床を蹴ってメリーの懐に飛び込む。
「さぁ、この黒桜の餌食となるが良いわ」
「なっ……!」
黒夢の握り込んだ金貨がメリーのサーベルを殴って舞い上げると、甲高い金属音と共に黒い桜の花びらが舞う。もう片方の拳はメリーを殴り飛ばし、メリーは金貨を跳ね上げて床を転がる。金貨が撥ね除けられて顔を覗かせた宝物殿の床に鈍い金属音を立てて落下したのは、柄だけとなったサーベルだった。
成功
🔵🔵🔴
リーズ・リヴィエール(サポート)
時計ウサギの力持ち×ゴッドハンド、18歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、敵には「女性的(私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エッチな描写もNGです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●Tea party people
殴り飛ばされたメリーが起き上がり、再び宝物殿に入り込むと、そこで繰り広げられていたのは茶会だった。テーブルに着いているのはウェイン、そして銀髪から同じく銀色の兎耳が覗くリーズ・リヴィエール(時計ウサギの力持ち・f24468)。
「……何やってんだお前ら」
「見りゃ判るだろ、お茶会だよ。せっかく俺が設えたんだ。あんたもどうだ? リーズの紅茶は格別だぜ」
先程までユーベルコードの撃ち合いをし、そして敗れた相手が団欒の一時に誘っている光景に対するメリーのツッコミをウェインはスルーする。その間にリーズはテーブルにメリーのための紅茶を用意していた。
「何の真似か知らないが、毒を盛られてるかもしれない紅茶を楽しめるわけがないだろう! そんなお茶会、伝説の大海賊が滅茶滅茶に――」
メリーがお茶会に伝説の大海賊の霊を代理で出席させようと目を光らせた瞬間、その目の輝きは動画のスロー再生のように5分の1の速度になる。リーズがメリーのために紅茶が給仕した時点でユーベルコード「紅茶の時間」がメリーの速度を遅らせたのだ。リーズはポットをテーブルに置くと、床を蹴ってメリーに飛び込む。
リーズはその兎耳とバニーガールのような衣装、そして尻尾が示すように時計ウサギ――異世界の「アリス」の案内人だが、幼少の頃に別の異世界――アポカリプスヘルへの神隠しに遭っている。その名の通り地獄のような世界を生き抜くために、リーズの身を引き受けた武術家は彼女に武術を叩き込んだのだった。
ウサギの特徴を持つリーズの武術が脚を活かしたものに長けていくのは必然であり、リーズの踵がメリーの顎を蹴り上げた。5分の1の速度になっていたメリーの身体が急激に打ち上がるが、リーズは飛び跳ねてメリーを追い越し、その目が光り輝くのが収まるよりも先に目元に脚を叩き込み、宝物殿の外へと蹴り飛ばした。
邪魔する海賊を蹴り出した茶会は、もう暫く続くだろう。
成功
🔵🔵🔴
ラム・クリッパー(サポート)
力持ちな魔獣解体士、15歳人族の女の子です。
普段の口調は「女性的(アタシ、アンタ、~っす、っすよ、っか?)」、慌てると「早口(ウチ、アンタ、ね、よ、なの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。
チャレンジャーで、力押しな行動をしがち。
多少の怪我は厭いません。
解体工具を手に積極的に前に出て行動。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アーレ・イーナ(サポート)
サイボーグの戦場傭兵×咎人殺し、20歳の女です。
普段の口調は「ボクっ娘(ボク、~君、~さん、だね、だよ、~かい?)」、敵には「冷酷(私、てめぇ、だ、だな、だろう、なのか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●Wave breakers
「姐御ォ!」
「テメェら、もう容赦しねェぞ!」
自分達の大将であるメリーの度重なる苦戦に、多数の海賊達が怒号を上げて宝物殿に迫っていた。その集団を眼球装着式の高度演算デバイス――サイバーアイで捉えていたのはアーレ・イーナ(機械化歩兵・f17281)。サイバーアイが弾き出した最適解は「掃射」。そのための銃口がアーレの指先から弾丸をばら撒く。ユーベルコード「ヴァリアブル・ウェポン」によって攻撃回数を重視した、身体の六割を機械化されたサイボーグの身体に内蔵された対UDC用兵器――アサルトライフルのマズルフラッシュが海賊団員を撃ち抜いていく。
「まるで魔女だ! 近付きゃあの火の爪にやられちまう!」
「ラッパ銃だ! こっちだって一発当てりゃあ!」
海賊達も銃を構え弾丸の応酬となるが、アーレが向けられた銃口を確実に減らしていくのに対し、海賊達のラッパ銃は散弾であり、ウェインが――ユーベルコードを込めて――蹴飛ばした金貨を跳ね散らかすだけで、アーレに負傷と呼べるほどの傷も付けられない。
しかし銃器は撃ち出す弾丸がなければ鈍器程度でしかない。弾丸を装填するためアーレが退くと、海賊達は再び押し寄せる。
「凄いっすねー! ちょっとバラさせて見せて欲しいっすけど、お姉さんの身体っすよね。アタシじゃ難しいっすかね?」
そんなサイボーグのアーレに興味津々なのはラム・クリッパー(力自慢の少女解体屋・f34847)。
「お嬢ちゃん、俺達はその魔女に用があるんだ。退いてもらうぜ!」
海賊団員は太い腕を振るい、ラムを薙ぎ払おうとする。しかし、ラムの細腕――ユーベルコード「解体工法 "JACK-UP ! METHOD"」は海賊団員の腕を受け止め、振り上げて海賊団員を宙に舞わせ、宝物殿の床に叩き付けた。携行していたサーベルとラッパ銃がラムの足元に転がる。
「ごめんっす。つい――あ、そう言えば海賊のオッチャンも銃持ってたっすよね。どれどれ――ありゃ、ひん曲がっちゃったっす」
飴細工のように捏ね潰されたラッパ銃を投げ捨てるラムの姿にオッチャン呼ばわりされた海賊達の顔が青ざめる。この小娘はとんでもない力持ちだ、と。
「海賊のオッチャン、もっと頑丈でバラし甲斐のある物持ってないっすか? 大砲とか、何なら海賊船でも!」
あまりに解体したい欲が強すぎて敵対するつもりのないラムは海賊達を追い回し、アーレの第二射を待たずして宝物殿から海賊達を追い払っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
城田・紗希
貴様が犯人かー!(挨拶代わりに投槍)
間違えた、出たな、メリー…ウェイウェイ!(ウェイに侵食されてる)
というか、なんでこんな場所を狙うのさ!
ウェイさん普通に喋れるし!ゴーレムはウェイ以外もしゃべるし!!
ウィザードミサイルで仕留めたはずの海賊がなんか居るし!!
ウェイ語録を作る意味もないじゃない!
私の怒りをくらえー!(投槍器で槍を乱射、槍が尽きたら石でも矢でも飛ばせるものを飛ばす)
メリーついでに幽霊も仕留めるよ!(ユーベルコードが封じられても投槍器は残るはずだし)
●Going my way
蹴り飛ばされたメリーは、巻き込んでクッション代わりとなり地面に伸びている団員のサーベルを手に宝物殿へ。
「貴様が犯人かー!」
メリーを迎えたのは、城田・紗希(人間の探索者・f01927)の叫びと飛来する槍。
「だぁっ! 危ねえ!」
メリーは紙一重で槍を躱し、紗希を睨み付ける。
「出たな、メリー……ウェイウェイ! というか、なんでこんな場所を狙うのさ! ウェイさん普通に喋れるし! ゴーレムはウェイ以外もしゃべるし!! ウィザードミサイルで仕留めたはずなのになんか居るし!! ウェイ語録を作る意味もないじゃない!」
紗希からメリーに浴びせられる怒りの言葉。その内容は半分以上メリーに関係のない、言わば八つ当たりだった。
「それなら私だってなぁ! そのウェイって奴の後を尾けたら猫耳コスプレでゴーレム騙させられるわ! いきなり森に出てゴーレムに追われるわ! 誰かさんの炎の魔法で地底湖に落とされるわ! 殴られ蹴られ野郎共も全滅だ!」
一方、メリーの怒りは全て猟兵達の行動に起因する。とは言え、メリーがこの島の侵略を企てたのが全ての始まりだ。
「……あんたら、俺はウェイじゃなくウェインだからな」
「「ここまで来て名前なんかで口を挟まないで(挟むんじゃねぇ)!!」」
「……あ、ああ」
ウェインが紗希とメリーの怒りの炎に油を注ぐ形となり、十二分に燃え上がる女の闘いの火蓋が切られた。
「出てこい、私の必殺武器! 私の怒りをくらえー!」
紗希の空間魔法――ユーベルコード「必殺武器の召喚」により出現した投槍器は振るわれる度に槍が装填されてメリーへと槍の雨を浴びせるが、メリーは満身創痍ではあるものの岩陰に隠れ込み、投槍器を睨み付けた。
「この槍の雨は……槍の補充の量と速さを魔法に頼ってやがる! 投槍器の魔力を封じちまえば、あんなモンただの棒切れだ!」
メリーの瞳が輝くと大海賊の霊が現れ、紗希が振り回す投槍器に飛来し取り憑いた。
「このっ、このっ……あれ、何か軽く……っていうか槍が出ない」
紗希は不思議そうに投槍器を見つめる。
「貰った!」
「前! 来てる!」
わ、という形に口を開いた紗希は投槍器を放り投げ、斬り掛かるメリーのサーベルを携えた刀――鞘に収まったままの紅時雨で受け止める。
「鞘から抜いてない時点でこの『緋色のメリー』の剣捌きは逃がさない!」
「誰が逃げるかー!」
紗希がムキになって振り抜いた鞘の紅時雨がメリーの顎を捉えた。
「投げられるならこれでもいいか?」
メリーがよろめく隙に、ウェインは投槍器に金貨を詰めて紗希に投げ渡す。ユーベルコードにより一枚も零さす紗希の手に収まった投槍器が振るわれ、金貨の散弾がメリーに浴びせられると大海賊の霊は弱まり、投槍器に槍が装填された。
「これが三万ゴールドの賞金首の力だー!」
投槍器から飛び出した槍は大海賊の霊ごとメリーを貫いて飛び去り、洞窟の闇の向こう――骸の海に送り返した。
それなりの量の金貨を消費した宝物殿の闘いは終わり、猟兵達とウェインが地上に金貨を運び出すのに手数は掛からなかった。
大成功
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