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地底探索堕天行 インセクトラビリンス!

#デビルキングワールド

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#デビルキングワールド


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 最初はラッキーだと思ったのだ。これを利用すれば楽だろう、と。
 ちょっと手を加えれば、後は何もせずにぐーたらしてれば良い。
 実際、上手くいってたのだ。疑いもせず入ってくる悪魔たちをソファに座って嘲笑っていたのだ。
 それがどうしてこうなった。数時間ばかり昼寝して、起きてみれば大騒動。
 もはや何もできることはないのだ……。
 あぁ……どうしてこうなったんだ……。

●探検隊という設定
 緊張感の欠けた表情のワン・イーナ(シンギュラリティ・f30274)は、猟兵たちへ向き直ると今回の依頼を話し始めた。

「今回の依頼はデビルキングワールド。デスゲームの会場……だった場所に行ってもらう」

 だった、と過去形を使うことに猟兵は疑問符を浮かべる。ワンは微妙に言葉を選びつつ、話を続けた。

「オブリビオンの堕天使がデスゲーム会場を作って、魔界の住民である悪魔を惨殺! するつもりだったんだが、悪魔たちはあっという間に脱出、友達をたくさん連れて会場に突撃。しっちゃかめっちゃかになった」

 件の堕天使は虚無の表情になっているのが予知で見えたという。
 ほんの少しばかり敵に同情するが、それはそれとして、オブリビオンは討たねばならない。

「あー、ンじゃ、説明するぞ。会場は地下に作られた超巨大な虫の巣を利用したものだ。イメージは蟻の巣だな。ゴールは一番下にあって、そこにオブリビオンがいる」

 虫の巣は広く、キャバリアだろうと充分に動けるうえ、ちょっとやそっとの攻撃ではビクともしない。暴れて崩落することはない、ということだが、壁をぶち抜くことはできない、ということでもある。

「落とし穴とかは無いが、小部屋や通路も多く入り組んでいる。悪魔もたくさんいて妨害してくるから蹴散らして脱落させてやれ。で、最大の障害は多種多様な虫だ。種類もそうだが、大きさが最低でも軽自動車、最大でキャバリア以上になる」

 数も多く、絶え間なく蠢ているため、虫が苦手な猟兵はちょっと辛いかもしれない。

「頑張れば乗り物として使えるが、失敗すれば弾き飛ばされるぞ。死んだり重症負ったりはないが、気絶したり脱落すると、虫各々の方法で入り口まで運ばれる羽目になるぜ」

 蜂っぽいのに掴まれたり、蜘蛛っぽいのに糸で引き摺られたり、芋虫っぽいのに飲み込まれたりして運ばれてしまう。ダメージは無いため、そこは安心してほしい。

「そうやって中層までいくと、今度は攻撃的な芋虫だか百足だかの群れがいる。オブリビオンがせっせと溜めた餌を食べて巨大化したりして暴れ回っているから、どうにか切り抜けてくれ。さすがにここは痛いから気をつけてくれ」

 悪魔たちも襲われたり襲ってきたりするので、蹴落としてやるといい。大丈夫、悪魔は頑丈だから死んだりしないし、入り口まで戻されるだけだ。

「最深部にはオブリビオンの堕天使がいる。やる気の感じられない、面倒くさがりのダウナー系。戦いは搦め手を得意としているが、一方で肉体は強くない。相手の能力に注意しつつ、攻め立ててやれ」

 最深部に悪魔はいない。邪魔も入らず存分に戦える。

「堕天使をぶっ倒せば終いだ。残った会場は、まあ悪魔たちが有効活用するだろうから放っといていいぞ。とにかく、せっかくだからゲームを楽しみつつ解決、よろしく頼むぜ」

 グッドラック、良き闘争を。


松六
 松六です。さ、酸だー! とかいう事態にはなりませんので、ご安心ください。

 全面地下洞窟ですが、不思議なことに明るいので視界の問題はありません。
 第一章は冒険です。巨大虫と悪魔が満員電車のようになっていますので、乗り越えたり迂回したり乗りこなしたり吹っ飛ばしたりして突破してください。
 また、逆に吹っ飛ばされたり捕まったり気を失ったりすると入り口まで戻されます。虫に。特にペナルティはありませんので、あえて捕まりに行っても大丈夫です。
 第二章は集団戦。相手は巨大芋虫あるいは百足です。好き勝手に暴れ回っていますので、退治して進みましょう。悪魔が呑まれたりしていますが、死なないので助けるかどうかは皆さまのご自由に。
 第三章はボス堕天使です。ダウナーでやる気がありませんが、オブリビオンとして襲いかかってくるので撃破してください。倒せば終了です。

 以上となります。それでは、皆さまの冒険の一助となりますように。
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第1章 冒険 『デビキン名物、虫追い越し祭り!?』

POW   :    パゥワーッ! で虫を乗りこなし、オブリビオンを追い越す! 馬力もとい虫力即ちパゥワーッ! なり!!

SPD   :    巧みな百足捌きで走り易い道を行き、テクニック溢れるコーナリングで追い越すわ! 私こそコーナーの魔女!

WIZ   :    乗ってる百足より速い百足に次々と乗り継ぎ、オブリビオン近くの百足に走行妨害させる。卑怯は褒め言葉!!

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●かくして我々は地下に歩を進める
 会場はこちら、と書かれた看板に導かれ、地下に通じる洞窟の入り口を潜った先には、とてつもなく巨大な空間があった。野球かサッカーが出来そうなほどの広さの敷地には、多くの悪魔がざわざわと集まっている。
 中央に大穴が開いており、そこが先に進む道らしい。緩やかな坂道になっているため落ちる心配は無さそうだが。

「もきゅー。ぺっ」

 一匹の巨大芋虫が底から出てくると、雑に悪魔を吐き出し、再び底へ戻っていく。吐き出された悪魔は粘液塗れであるものの、特にダメージはない。
 捕まったものの姿を確認しつつ、猟兵は踏み込んでいった。
クロス・フレイミー
※SPD判定、アドリブ&連携歓迎

虫がすごいことになってますね(涼しい顔をしながら)。
…ああ、倒すのではなく、ここを突破すればいいと。ふむ。
力で押すには数が多すぎますね。ここは"速さ"で挑みましょうか。

【ダッシュ】で加速をつけて、虫は自分の羽根で勢いをつけて彼らに飛び乗って、【軽業】を活かして妨害を回避しつつ軽やかに進みましょう。
【闇に紛れる】よう、【目立たない】ように気を付ければ相手も気づくことはないでしょうし。
毒を出す虫に関しては【毒耐性】で耐えます。

…要は日本で存在が確認されている『ニンジャ』『シノビ』のように動けばよい、ということですよ(大真面目)。



 穴の中、緩やかな坂道を下った先にあったのは、ひしめき合う巨大な虫の群れと悪魔たち、飛び交う糸に粘液、怒号。
 人によっては地獄絵図だろう光景を、クロス・フレイミー(狭間の剣士・f31508)は涼しい顔で観察していた。

「虫がすごいことになってますね」

 大きさもすごいが、それ以外もすごい。派手な色、奇怪な動き、小さければ可愛らしいものも、このサイズではそうは思えない。
 観察のために目立たないよう影に隠れたクロスは、視界の端に看板を見つける。

「……ああ、倒すのではなく、ここを突破すればいいと。ふむ」

 書いてあるのはクリア条件だ。デスと付くがゲームである以上、突破方法や条件は用意されている。

「力で押すには数が多すぎますね。ここは"速さ"で挑みましょうか」

 クロスはとんとん、と爪先で地面を叩き感触を確かめる。体勢を前に傾けて、力強く大地を蹴って走り出す。助走のダッシュで距離を詰めていき、彼に気付いた一匹の芋虫が顔を向けた瞬間、跳躍。

「ふっ」

 背中の翼による羽ばたきも合わせて軽やかに跳び上がったクロスは、芋虫の背中に着地する。思ったより柔らかな感触にバランスを崩さず、彼を振り落とそうとする虫の動きをものともせず、優れた身体能力を発揮して再び跳ぶ。

「……要は日本で存在が確認されている『ニンジャ』『シノビ』のように動けばよい、ということですよ」

 体勢を崩した芋虫が倒れ、悪魔たちが巻き込まれる悲鳴を背中越しに聞きながら、凧で飛ぶようにクロスは翼で滑空しつつ次の虫の背に乗った。
 屋根から屋根へ飛び移る如く、虫から虫、あるいは壁に跳躍しては蹴って跳び、クロスは先のステージへと進んでいった。
 なお、彼を見かけて驚き、その間に虫に捕まり上に運ばれた悪魔によって、悪魔たちの間でニンジャが出たと噂が広まったりした。

成功 🔵​🔵​🔴​

イディエット・ブラインドネス
アドリブ・他猟兵との連携歓迎

まあ、ちょっとだけオブリビオンに同情しなくもないけど…
しょうがないねここの悪魔たち強いからね。
しかしまあ見事なまでにすし詰めというかなんというか、よくまあここまでぎちぎちに詰め込めたね。

虫なら火に弱いだろうし、めんどくさいし全部燃やしちゃおう。
UC発動。さあ来たれ生ける炎よ虫も悪魔も関係なくすべてを灰燼に帰せ。
まあ悪魔たちの耐久を信じて全力でウェルダンにしちゃおう。

近寄ってくるやつは下半身の腕で【怪力】【カウンター】で吹き飛ばしちゃおう。



 近寄ってくる虫や悪魔を巨大な白腕で吹き飛ばし、イディエット・ブラインドネス(盲目白痴にして全知全能に魅入られし魔王・f34591)は、一先ずの安全を確保する。

「まあ、ちょっとだけオブリビオンに同情しなくもないけど……しょうがないねここの悪魔たち強いからね」

 デビルキングワールドの住民である悪魔たちは逞しく、強い。その程度を見誤ったオブリビオンには哀れと言う他ない。
 それはそれとして倒しに行くのだが。

「しかしまあ見事なまでにすし詰めというかなんというか、よくまあここまでぎちぎちに詰め込めたね」

 この洞窟の空間は地下と言うことを忘れそうになるほど広大だが、それでもみっちり詰まっているのは感心してしまうが、おかげで通れそうな道は無さそうだ。
 さらにイディエットは異形の魔王であり、結構な巨体である。どう動いても引っかかってしまうだろう。

「虫なら火に弱いだろうし、めんどくさいし全部燃やしちゃおう」

 夢現な魔王の少女は特に考えず行動を決定。妨害しようと寄ってくる悪魔を下半身の異形が殴り飛ばしている間に詠唱する。

「ふんぐるい・むぐるうなふ……さあ来たれ生ける炎よ虫も悪魔も関係なくすべてを灰燼に帰せ」

 ユーベルコード『生ける炎よ我が敵を燃やせ(サモン・グレートオールドワン・クトゥグア)』によって召喚されしは巨大な生ける炎。それは主の命に従い火球を作り出し前方に放った。

「ん? いったい何ギャアア!?」
「いきなり炎がッー!?」

 焼き払い出来た道をイディエットは進み、遮られるたびに焼いて作る。無差別ゆえに悪魔が巻き込まれて叫んでいるが、耐久力を信じて纏めてウェルダンである。でも一応通った後に火は消しておくことにする。
 いろいろなものが焦げた臭いの中、悠々と真っすぐに歩んでいく姿はまさに魔王であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘンリエッタ・ネクサス
「……能動的脅威を多数検知。脅威度=グレードⅣ、任務遂行を最優先」
・「闇に紛れる」技能を駆使し、極力「目立たない」ように洞窟の攻略を試みる。小柄な少女のなりをしたヘンリエッタならば、満員電車めいた悪魔と巨大虫の巣窟もすり抜けながら突破できよう
・最短経路はサイバネ強化された感覚器と頭脳で合理的に割り出す
・それでも行く手を阻まれるのならば、左腕に内蔵された兵器を使わざるを得ない。前腕が縦に割れるなり二枚の金属板がせり出し、青白い閃光と共にローレンツ力を伴った弾丸が対象を貫かんとまっすぐ飛び出す。攻撃回数重視
「あくまでも虫だけに、無視したいのですが……ダメですか?」



 転移によって洞窟内部に現れたヘンリエッタ・ネクサス(棄てられた少女兵器・f35114)は、サイボーグとして機械的に強化された感覚器で探査・索敵を行う。

「……能動的脅威を多数検知。脅威度=グレードⅣ、任務遂行を最優先」

 巨大虫が蠢く音、悪魔たちの騒々しい音、振動する洞窟の壁や天井等、混沌とした情報群をその頭脳で分解し分割し分別し、分析を終えて最短経路を導き出す。
 わずかな時間で事を済ませたヘンリエッタは、素早く行動を開始した。
 小柄な少女の体は、巨大な虫の影、死角に入りやすく見つかりにくい。目立たないように動くことができ、また小さな隙間を抜けることもできる。

「集団の移動を感知……進路、修正」

 流動的に動く周囲の情報を逐一確認し、修正が必要であれば行い。複雑な洞窟の道を迷わず踏破していく。
 ならば、このまま抜けられるか……とは、ならないようで。

「おぅおぅ、こっから先は通せんぼだぁ!」

 幅の狭い通路を一際巨大な芋虫が塞いでいた。その頭上にはヤギのような角を持つ悪魔が、ボロボロだが立っている。どうやらこの虫を乗りこなし、道を塞ぐ妨害をしているようだ。
 ヘンリエッタは思案する。ここを迂回するとなると、かなり戻る必要がある。できるならここを抜けた方が良い。

「あくまでも虫だけに、無視したいのですが……ダメですか?」
「ダメ! 俺はここを蛹の如くしがみついて動かないぜ! ……ところで虫だけに、って台詞、今度使わせてもらっていい?」

 健気な少女の言葉にも頑として譲らない姿勢の悪魔。許可を取りつつも、どいてくれはしない。
 仕方ない、とヘンリエッタは左腕を突き出す。

「では、プランBを実行します」

 彼女の細く白い腕が縦に割れる。二枚の金属板がせり出し、バチバチと青白い閃光が威嚇するように弾けた。
 呆気にとられる悪魔と芋虫を無視して、ヘンリエッタは内部のトリガーを引く。ローレンツ力を伴った弾丸が空気の壁を破壊しながら真っすぐに飛び出し、芋虫を貫いて肉を消し飛ばす。彼女は道が開けるまで連射し続け、衝撃で悪魔はどこかへ吹っ飛び芋虫は体液を撒き散らして弾け飛んだ。

「任務を続行」

 腕を冷却してもとに戻したヘンリエッタは、合理的に力でこじ開け、さらなる奥へと進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルテミシア・アガメムノン
悪魔相手にデスゲームとはおバカさんですわねえ。
あまり害になりそうもない残念なオブリビオンさんですが、この魔界にオブリビオンに必要ありません。
わたくし直々に退治してあげましょう。
(政務の気分転換になりますしね!)

さあ、障害である虫さん達、そして参加中の悪魔の皆さん、そろそろゲームの終わりの時間ですわよ!
と入口付近で手のひらを掲げてデスゲーム会場(戦場全体)に『黄金の暴風』を吹き荒れさせます。
その後は阿鼻叫喚となった地下洞窟を悠々と進みましょう。



 狂乱冷めやらぬ会場も、時間が経てばそれなりに抜けるものも出てくる。最初に比べれば留まる参加者は減り、今だ抜けられない悪魔はそこそこ……いるものの、それでも人数はかなりのものだ。
 そして、終盤ともいえる状況に踏み込むのはアルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)。縦ロールの金髪と真紅の軍服を煌めかせ、堂々と周囲を見渡す。

「悪魔相手にデスゲームとはおバカさんですわねえ」

 デビルキングワールドの王の一人として、悪魔たちのことをよく知っている彼女から見れば、今回のオブリビオンはマヌケと言う他ない。

「あまり害になりそうもない残念なオブリビオンさんですが、この魔界にオブリビオンに必要ありません。わたくし直々に退治してあげましょう」

 放っておくわけにもいかない。義務を果たすべく、アルテミシアは不敵に笑う。

(政務の気分転換になりますしね!)

 王は大変なのです。息抜きはできる時にやるのは名君というもの。
 そうしているうちに四方八方から巨大虫が迫り出す。入り口付近に居ても目立つアルテミシアに気付いたようだが、彼女はゆるりと優雅に、白磁の如き手を掲げる。

「さあ、障害である虫さん達、そして参加中の悪魔の皆さん、そろそろゲームの終わりの時間ですわよ!」

 宣言とともにユーベルコード『黄金の暴嵐(ルドラ)』を発動。掲げた手のひらから暴風が吹き荒れて周囲の、否、洞窟内の大半の存在を巻き上げ、黄金の神雷が打ち据える。
 阿鼻叫喚の地獄絵図とはこのことかと、どこもかしこも大混乱に陥る中、アルテミシアは金糸のような髪を乱すこともなく、威風堂々かつ悠々と、洞窟を地下へと進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『魔暴虫キング・ジャーゴー』

POW   :    ジャジャジャジャジャアアアアッ!!
単純で重い【突進や圧し掛かり】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ジジジヤアアアアゴオオオウッ!!
【激しい咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ジィイヤアアアゴッ、ジャゴッ、ジャゴッ♪
戦闘中に食べた【仲間や家畜などの非常に美味しそうな餌】の量と質に応じて【僅かながら損傷個所の回復と巨大化を行い】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●最初は小さくて可愛かったそうです
 洞窟を進み、地下へと潜っていくと再び巨大な空間に出る。そこにいたのは、先に抜ていった悪魔たちと、新たな障害。

「ジャアアアッ!!」

 芋虫のような、百足のような姿の、とてつもなく巨大な虫……いや、怪獣たちである。頑丈な岩を削りながら暴れまわり進路上にいた悪魔を弾き飛ばして……あ、飲まれた。

「ジャジャ……ぺッ」

 吐いた。口に合わなかったのだろうか。吐き出された悪魔は唾液塗れになっており、そのまま別の虫に運ばれていった。
 ともあれ、ここを抜けるには、この『魔暴虫キング・ジャーゴー』の群れを倒す必要がありそうだ。さあ、戦闘開始だ。
クロス・フレイミー
※アドリブ&連携歓迎

へぇ、今度は虫退治ですか。中々迫力ある見た目ですね。
でっぷりと肥えてしまって…これが鰻やら鱧とかの魚系だったら肉を断ち切ってあとで焼いて食べてもよかったんですけどね?
これは多分、元は百足ですし食えたもんじゃないですよね。それに本当に百足が元なら牙が一番厄介です。

ここは背後から攻めることにいたしましょう。
これも戦術の内です。

地下の闇を利用して【闇に紛れる】ように接近、暗殺者のように【目立たない】ことを意識して奴らの背後に【ダッシュ】で近づいて【指定UC】で仕留めていきます。無差別攻撃は…音波の攻撃でしょうかね。【激痛耐性】で気合で耐えましょうか。

何はともあれ、このダンジョン…面白くなってきたじゃないですか。
この奥にいるボスの存在も…楽しみですねぇ?



 入り口の影に身を潜め、そろりと先を覗くクロス・フレイミー(狭間の剣士・f31508)の視界には、魔暴虫キング・ジャーゴーの群れが仲間同士でぶつかり合うも気にすることなく大暴れしている。

「ジャアアア! ジャゴオオウ!」
「へぇ、今度は虫退治ですか。中々迫力ある見た目ですね」

 間近で怪獣対決を見るような、洞窟が揺れている気がしてくるほどの迫力だが彼は涼しい顔だ。

「でっぷりと肥えてしまって……これが鰻やら鱧とかの魚系だったら肉を断ち切ってあとで焼いて食べてもよかったんですけどね?」

 残念? ながら虫である。いや、魔界の虫は食べれる可能性はあるし、世には虫食もあるのだから食材として優れているかもしれないが。技術も知識もなく調理はできず、元が百足らしきモノを食す気にはなれない。

「それに本当に百足が元なら牙が一番厄介です」

 毒をもつ虫は多い。百足はその代表格とも言える。巨大な質量も危険だが、特に牙は掠るのも避けたい。
 ならば、とクロスは姿勢を低くして静かに地を蹴る。キング・ジャーゴーの暴れている付近は平らに地ならしされているが、そこ以外は洞窟らしい起伏や岩の突起などが残って影と死角を作っている。
 こちらに意識が向いていないことを利用し、目立たないよう闇の中を駆ける。視界の端に敵を捉えながら背後へ回り込む。身体構造と、観察した結果の推測としてクロスは背中を死角と見て動いたが、どうやら事実だったようだ。

「これも戦術の内です、よっと」

 クロスは岩を蹴り、壁を駆け上がり、高度を稼ぐ。キング・ジャーゴーの体の端からよりは背中の半ば付近から斬り込む方が致命傷足り得ようと、巨体をある程度見下ろせる位置を選ぶ。

「さて、この速さについて来れますか?」

 腰に刷いた刀の鯉口を押し上げ、柄に手を添え岸壁を蹴り飛ばし空を跳ぶ。

「ジャァ?」
「【妖刀術】瞬雷爆烈(シュンライバクレツ)」

 それはまさに雷鳴の如く。キング・ジャーゴーが認識する間も無く、音を置き去りに黒い雷が迸る。
 抜刀したクロスの一閃が巨体に黒の一文字を刻み、遅れてソニックブームの爆音が響き渡った。キング・ジャーゴーが激痛に悶えようとするも、動き出すより速くクロスの追撃が放たれる。ジグザグの軌跡を描いて疾走しながら刃を煌めかせ、背中から頭部へと斬り裂く。

「ゴジャ……っ」

 斬り抜いて着地するクロス。体液を撒き散らして絶命するキング・ジャーゴー。

「何はともあれ、このダンジョン……面白くなってきたじゃないですか」

 後ろを振り返らず、クロスは再び走り出す。仲間の絶命に気付いた他のキング・ジャーゴーが怒りに任せて咆哮する。

「ジジジヤアアアアゴオオオウッ!!」

 物理的な破壊すら伴う咆哮は、強烈な衝撃波となって破壊の暴風を振りまく。距離を開けていたクロスでさえ、完全に逃れきれず巻き込まれるもガードし、全身を打つダメージを気合で耐えて踏みとどまってみせた。

「この奥にいるボスの存在も……楽しみですねぇ?」

 口角を持ち上げて好戦的な笑みを作りながら、クロスは最奥のボスを見据えるのだった。
 なお、肝心のボスは不意の悪寒に怯えていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

イディエット・ブラインドネス
【魔王国】

アドリブ・他猟兵との連携歓迎 

ほんとに虫まみれだねこのデスゲーム会場。
おや(アルテミシアを見つけて)、あなたもここに来てたんだね。
さてさてそれじゃあ私のUCで足止めと行こうか。虫に音楽を理解する頭があるかは知らないけれど特別サービスだ、たっぷり聞いていくといい。生きている音、頭に直接響く狂気の音色をね。あとは二人の活躍を見守りつつ抜けてきたやつがいたら【怪力】で吹き飛ばそう。
さて、あとは親玉だけだね。宇宙的恐怖を教えてあげるとしよう。


鬼鉄・マオ
【魔王国】アドリブ歓迎
(アルテミシアの魔法で転移してくる。)
急な連絡で少し驚いたが…仕事か。なに?デスゲーム?どういう…まあいい。戦いが絡むなら何でもしよう。

イディエットも一緒か。よし、まずはこの邪魔な虫共を片付けるか。 魔王2人が通るんだ。道を開けてもらうぞ。

イディエットが敵の動きを止めたら、敵を【怪力】で宙に打ち上げる。空中で魔王軍がボコボコにしている間、私はこぼれ球の処理をしよう。生き残って落ちてきた虫にUCを叩き込む。害虫駆除は徹底的にしないとな。(そう言いつつ、他の参加者悪魔も巻き込んで吹き飛ばす)
しかしまあ、この魔王2人に狙われるとは、このゲームの主催者は運が無いな。


アルテミシア・アガメムノン
【魔王国】
さて、進みましょうか。
とは言え話し相手が欲しいですわね。
(と少し考えて傭兵として魔王国に仕えるマオに魔法で連絡、呼び出しを)
ほほほ、楽しいデスゲームらしいですわよ?
一緒に楽しみましょう。あら、あそこに見覚えのある?
(盟友のイディエットと合流)
それでは作戦はイディエットさんが動きを止め、マオさんがそれらを空中に跳ね上げて、わたくしの配下(予め氷炎の魔王軍で呼び出した悪魔達)が処理(ぼこって外に搬出)をする、で行きましょうか。
(アルテミシア自身は配下の働きを今回は見守る感じです。配下の悪魔たちの冬のボーナスの査定に関わるかもしれません)
さあ、後は堕天使さんだけですわね!



 アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)にとって、眼前の巨大虫の群れは大した障害では無い。しかし、ただ蹴散らして進むだけでは退屈しそうだ。

「話し相手が欲しいですわね」

 瞬きを一回する程度の思案の後、絹の如き指を振るい魔法を使う。それから間を置かず、転移の輝きが彼女の隣に出現し、目的の人物である鬼鉄・マオ(怪力特攻傭兵・f33724)呼び出した。

「急な連絡で少し驚いたが……仕事か」

 アルテミシアを黄金とするなら、マオは鋼鉄。金属バットを肩に担ぎ、特攻服を着るマオはアルテミシアに雇われた傭兵だ。

「ほほほ、楽しいデスゲームらしいですわよ?」
「なに? デスゲーム? どういう……まあいい。戦いが絡むなら何でもしよう」

 愉快気に笑う雇い主の言に、マオは怪訝な顔をするが、とりあえず戦うということなら何だっていいか、と切り替え前に出る。
 ちょっとテンションの上がってきたアルテミシアは、マオの背中を見ている時、視界の端に見覚えのある雪のような白い姿を見つけた。

「一緒に楽しみましょう。あら、あそこに見覚えのある?」
「ほんとに虫まみれだねこのデスゲーム会場……おや、あなたもここに来てたんだね」

 アルテミシアの盟友にして同じ魔王であるイディエット・ブラインドネス(盲目白痴にして全知全能に魅入られし魔王・f34591)が、そこにいた。
 互いの存在に気付くと、片手を上げて気安い挨拶を交わす。せっかく会ったのだからと、協力することがあっという間に決まっていき、マオも含めて即席のチームが結成された。

「イディエットも一緒か。よし、まずはこの邪魔な虫共を片付けるか」
「それでは作戦はイディエットさんが動きを止め、マオさんがそれらを空中に跳ね上げて、わたくしの配下が処理(ぼこって外に搬出)をする、で行きましょうか」

 指揮を執るのはアルテミシアだ。流水のように作戦を定め指示を出せば、淀むことなくイディエットとマオが実行に移る。
 それまでの間、魔暴虫キング・ジャーゴーの足止めをしていた、アルテミシアのユーベルコード『氷炎の魔王軍(アガメムノーン)』で召喚されていた臣下の悪魔軍団はサッと一時的に後退。入れ替わりにイディエットが出る。

「さてさてそれじゃあ虫に音楽を理解する頭があるかは知らないけれど特別サービスだ、たっぷり聞いていくといい」
「ジィィィジャアアア!」

 言葉を理解しているのか、いないのか。キング・ジャーゴーは真っすぐに突っ込んでくる。盲目白痴に魅入られし魔王の曖昧な表情からは如何様な感情も窺えず、ただ淡々とうわ言のように紡ぐ。

「生きている音、頭に直接響く狂気の音色をね――歌え生きた音よ、我が無聊を慰めよ(サモン・アウターゴッド・トルネンブラ)」

 外からでは何の音も聞こえない。だが、対象とされたキング・ジャーゴーたちには確かに、その音色が響き始めていた。

「ジャゴ? ……ジャゴ」

 突進する勢いを弱め、体内に響きだした音に困惑するキング・ジャーゴー。音楽を理解し鑑賞する知性は無いかもしれないが、その不思議な音を無視することはできない。困惑か、狂気か、それ以外なのかはわからないが、いずれにしても足止めは成った。
 ならば作戦は次の段階へ移る。動きを止めた虫の懐へ、マオが飛び込む。

「魔王2人が通るんだ。道を開けてもらうぞ」

 掬い上げるバットの一撃がキング・ジャーゴーの腹に突き刺さる。比較的小柄なマオの体躯からは想像できない怪力が、巨大な怪獣の如き虫を空中にカチ上げた。

「ゴジャアア!?」

 強烈過ぎる衝撃に、キング・ジャーゴーは飲み込んでいた参加者悪魔たちを思わず吐き出す。

「で、出れぶふぉっ」
「助かっどはぁっ」

 吐き出された悪魔は地面にぶつかって蹲っているが、大丈夫そうなのでマオは気にせず他の虫を次々に打ち上げていく。
 空に浮く巨大虫という光景にアルテミシアは微笑を浮かべながら、頃合いと見て悪魔軍団に指示を下す。

「お行きなさい」

 透き通る琥珀のような瞳が見据える先に、配下の悪魔軍団は飛翔する。炎や氷の力を駆使して巨体にダメージを与え、あるいは外に搬出して的確に処理をするのはさすがは精鋭と言うべきか。あるいは、冬のボーナスの査定のためか。
 とはいえ、数と大きさは優れ過ぎているというほどの存在であるキング・ジャーゴー。運良く……あるいは悪く、生き残って落ちてくる個体もいる。

「害虫駆除は徹底的にしないとな」

 そういう個体には、下で待機していたマオが対処する。肩にかかるオレンジのツインテールを払い、黄金に輝く金属バットを構える。
 そして、タイミングよくフルスイング。

「星ごと吹っ飛ばす」
「ジャゴゥッ!?!?」
「待って俺らもいぼぉー!?」
「巻き込まれあばー!?」

 ユーベルコード『重爆星壊撃(ジオサイド)』単純で重く、強力な一撃はキング・ジャーゴーごと吐き出されていた悪魔も一緒に壁までホームラン。纏めて悪魔軍団によって外まで運ばれるのだった。
 後はもはや流れるまま。スッキリとして最奥まで続く道が残るのみ。

「さて、あとは親玉だけだね。宇宙的恐怖を教えてあげるとしよう」
「さあ、後は堕天使さんだけですわね!」

 どことなくワクワクを隠せないイディエットと、高笑いしそうなほどテンションが上がりつつあるアルテミシア。二人仲良く歩みを進める後ろをマオはついて行く。

「しかしまあ、この魔王2人に狙われるとは、このゲームの主催者は運が無いな」

 なお、道中で改めて経緯を聞いたマオは思う。いっそ感心するぐらい不運だな、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ルビー・ジュエルシード』

POW   :    弱きを挫く三叉槍
敵より【強い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
SPD   :    バッドアップルエリクシル
対象の【身体】に【『赤き宝石』を核とする茨】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[身体]を自在に操作できる。
WIZ   :    フォールダウン・アセンション
【重力を反転させ、空へと万物】を降らせる事で、戦場全体が【空中】と同じ環境に変化する。[空中]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠祭夜・晴也です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●不運な主催者
 主催者であるオブリビオンの堕天使『ルビー・ジュエルシード』の表情は虚無と絶望とどうすることもできない笑いが混ざった奇妙なものだった。
 坂道を転げ落ちるように状況は悪化の一途を辿り、最後の頼みの綱すら突破されてしまった。
 後は彼女の眼前にある装飾過多で、意味も無く大きい、無駄に金だけかけた扉だけが外と中を隔てている。

「くそぅ、余裕こいて隠し通路作らなかったのが問題になるなんて……!」

 一応武器は持ったが、状況の悪さにお菓子しか喉を通らない。

「できれば私より弱い奴来ーーい!」

 ソファーの上に仁王立ち、ルビーは猟兵を待ち構える。
クロス・フレイミー
※アドリブ&連携歓迎

どうもこんにちはダンジョンの主さん。いやぁ楽しかったですよ?道中の関門。自然を活かした作り、悪くありませんね。
こういうダンジョンを用意したってことは幸運に恵まれて生き残る突破者も出てくる可能性を考慮して…ってなんですか。そんな怖がらなくてもいいじゃないですか(不敵な笑みを浮かべながら)。

まぁ御託はいいでしょう、ひとまず俺と勝負してください。
同じ『堕天使』ですしここは同じ土俵に乗ろうではありませんか。

翼に【魔力溜め】をしてから真の姿になって【指定UC】でボスに雷の【属性攻撃】を与えつつ、その場にいる猟兵の方々に【浄化】の力を宿した治癒で支援しましょう。
元々翼を持っていますし、飾りじゃないんでね。【空中戦】は嗜んでおりますよ。堕天使なんで。
ああ、刀ですか?今回は接近戦になった際の【受け流し】にとどめておきますよ。


アルテミシア・アガメムノン
【魔王国】
さあ、ゲームも終わりですわね。ゲームの評価はラスボス戦で定まるというモノです。せいぜい頑張りなさい! マオさん、イディエットさん楽しみましょう!
(せっかくですから大技をくらってもらおうかしら?)
緒戦では後方から背中の翼から魔力の羽弾を放って攻撃。
(幾つかはわざと外して戦場全体を覆う仕掛けとします)
マオさん、イディエットさんの攻撃の後に
「さあ、終わりです……オーバーキルかしら?」と【天帝の審判】を発動。羽で仕込んだ戦場全域に敵のみを滅ぼす神雷を吹き荒ばせましょう。
敵wizuc対策:普通に空を飛んでスルー

いい気分転換になりました。それでは帰りましょうか。


イディエット・ブラインドネス
【魔王国】

アドリブ歓迎

どもー、魔王でーす。カチコミに参りましたー。それじゃあ張り切ってラスボス攻略と行きましょかね。さあ、ラスボスさん全力であがいて私たちを楽しませてね?
マオさんの攻撃の後ひるんだ敵に対してUC発動し【恐怖を与える】。さあ、その身をもって知るがいい、宇宙的恐怖、その神髄を。はたしてあなたは正気でいられるかな?(暗黒微笑)
敵のWIZUCは【空中浮遊】でスルー。ま、デビキンでデスゲームを行ったのが運の尽きだね。


鬼鉄・マオ
【魔王国】アドリブ歓迎
(魔王2人と、残念そうな敵の堕天使を眺めて)…これはもう、どっちがラスボスか分からんな。まあ、どちらがラスボスであろうと、お前の敗北は変わらん。諦めろ、オブリビオン。
アルテミシアの攻撃が飛ぶ中、前衛として接近戦を仕掛けるぞ。敵がUCを発動したら天井に落下するだろうが、【激痛耐性】と【気合い】で耐える。ふむ、この程度か? 受けたダメージを利用してUCで戦闘力増強、生命力吸収効果で傷を回復する。敵は空中にいるだろうが、強化された体と【怪力】で【ジャンプ】してぶん殴る。イディエットが技を決めやすいよう隙を作るぞ。
む、アルテミシアの技の準備が整ったな。…ゲームオーバーだ。


火土金水・明
「あなたがここの主ですか。今回のデスゲームの結果も出ました。後は、あなたと決着を付けるだけですね。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【属性攻撃】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【サンダーランス】で、『ルビー・ジュエルシード』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。(【空中戦】【空中浮遊】【空中機動】のいずれかの技能で空中環境の適応を試みます。)
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に繋げる事です。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



 腰が引けながらも槍を構えているルビーだったが、彼女にとって意外なことに扉は静かに開かれて猟兵たちは入ってきた。しっかり丁寧に閉めてもいる。

(どーん! と蹴り破ると思ったのに普通に入ってきた……)

 もしや交渉の余地があるのでは!? と希望を持つルビー。

「どもー、魔王でーす。カチコミに参りましたー」
「だと思ったよちくしょー!!」

 イディエット・ブラインドネス(盲目白痴にして全知全能に魅入られし魔王・f34591)の言葉に希望は無かった。

「どうもこんにちはダンジョンの主さん。いやぁ楽しかったですよ? 道中の関門。自然を活かした作り、悪くありませんね」
「え。そ、そう?」

 礼儀正しいクロス・フレイミー(狭間の剣士・f31508)の感想に、ちょっと持ち直してルビーは照れた。項垂れていた視線を上げて彼の顔を見ると。

「こういうダンジョンを用意したってことは幸運に恵まれて生き残る突破者も出てくる可能性を考慮して……ってなんですか。そんな怖がらなくてもいいじゃないですか」
(ヤダ―! イケメン君の笑みが何か怖いんですけどー!? へループ!!)

 クロスの不敵な笑みにルビーは顔が引き攣る。ただ静かに微笑んでいるだけなのに、なぜか背中に氷柱を突っ込まれたような悪寒がしていた。

「あなたがここの主ですか。今回のデスゲームの結果も出ました。後は、あなたと決着を付けるだけですね」
「さあ、ゲームも終わりですわね。ゲームの評価はラスボス戦で定まるというモノです。せいぜい頑張りなさい!」
「お願いします、帰って!!」

 意気軒高の火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)、アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)の宣言にもはや恥も外聞も投げ捨ててルビーは叫んだ。

「マオさん、イディエットさん楽しみましょう!」
「それじゃあ張り切ってラスボス攻略と行きましょかね。さあ、ラスボスさん全力であがいて私たちを楽しませてね?」
「ちくしょう聞いてない!」

 華麗に無視された。アルテミシアの溢れる魔力や、うねうねとやる気に満ちるイディエットの触手に怯えつつも、ルビーはヤケクソ気味に槍を構える。
 その様子を少し離れて冷静に見ていた鬼鉄・マオ(怪力特攻傭兵・f33724)は、呆れとも哀れみとも思えるため息を吐く。

「……これはもう、どっちがラスボスか分からんな。まあ、どちらがラスボスであろうと、お前の敗北は変わらん。諦めろ、オブリビオン」
「ま、まだよ! ピンチはチャンス、ゲームオーバーになるのはお前たちの方だー!!」

 いっそ追い詰められれば覚悟が決まるというものなのか。ルビーの叫びを皮切りに、ついに戦いの火蓋が切られた。

「そうよ、そんなゾロゾロと来たのはチャンス。天井にぶつかって潰れろ! フォールダウン・アセンション!」

 オブリビオンの堕天使が槍の柄頭で床を突く。水面を伝う波紋のように力が一瞬で広がり、室内の重力が反転する。地にあるのものは天へ。下から上へ急速に落ちる。
 それはルビーとて例外ではないが、彼女には堕天使の翼があり、飛行することで天井への落下を免れることができる。

「このまま天地でシェイクしてあげる! 私の勝……ち……」

 勝ち誇るルビーの表情が、唖然としたものに変わっていく。
 真の姿に変身し翼で飛ぶクロス。同様に翼で飛ぶアルテミシア。空中に浮遊するイディエット。魔法の箒に腰かけて飛ぶ明。唯一マオは天井にぶつかっているが、持ち前のタフネスと気合で耐えている。

「……飛べるやつ多すぎぃ!!」

 オブリビオンの慟哭が部屋中に響き渡る。

「同じ『堕天使』ですから元々翼を持っていますし、飾りじゃないんでね」
「わたくし、堕天使ですの。空を飛ぶ程度、造作もないですわ」
「浮けるから」
「ふむ、この程度か?」
「私はウィザードですので」

 各々の無慈悲な返答にルビーのメンタルはもはやヒビだらけだ。
 そして、わざわざ敵が立ち直るのを待つこともない。マオはユーベルコード『止まない鼓動(リジェネレーター)』の力で闘気を纏い、先ほどの負傷分戦闘力増強する。
 他者からのカバーを願わなかったのはこの強化のためだ。

「さあ、行くぞ」

 床となった天井をオレンジの軌跡を描きながら疾走する。距離を潰されていくルビーは、マオに気付くとどうにか距離を取ろうと足掻く。

「と、飛んでなけりゃどうにでもなる。高度と距離を稼いでっ」
「そう逃げずに、お相手していただけませんこと?」
「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に繋げる事です」

 左右の退路を塞ぐようにアルテミシアの翼から魔力の羽弾が無数に放たれ、頭上を蓋するように明のユーベルコード『サンダーランス』による雷の槍が降り注ぐ。
 ルビーは手にする槍で必死に防ぐが、雷による感電と痺れは防ぎきれない。一時的に動きが止まり、その隙に大跳躍したマオが肉薄する。

「吹っ飛べ」
「ちょまぐふぉっ!?」

 ミシミシと金属バットを握りしめ、怪力全開のマオの一撃がルビーの腹部に命中。増強された分と合わさった痛撃が敵を吹き飛ばし、さらに生命力を吸収してマオを回復する。

「お、お菓子が逆流しそう……くぉの、槍よ伸び……ないけど、喰らえっ」

 プルプルと震えてお腹を抑えながらもルビーは、跳んで無防備なマオに向けて手に持つ槍を投擲する。風切り音とともに突き進む槍は正確にマオを狙い。

「おっと危ない」

 クロスが割り込んで刀で弾いた。金属同士の衝突とは思えないほど静かに軌道を逸らされた槍は、ソファーを貫いて停止する。

「私のお気に入りのソファーが!?」
「まぁ御託はいいでしょう、ひとまず俺と勝負してください」
「良くないわ! こうなったらイケメン君から……槍ー!?」

 翼に溜めた魔力をバチバチと黒い雷に変換しながら闘志を燃やすクロスに、怒りのままに貫こうとして武器を投げたことを思い出すルビー。
 その間にマオは着地し、クロスの浄化による回復を受けながら射線を空ける。

「さあ、行きますよ」
「いやいや良くない、良くな」

 黒い雷を腕に絡みつかせ、クロスは敵に向けて大きく腕を振るう。その軌跡を辿るように黒い雷は拡散して放たれ、避け難い面制圧を成す。
 視界を塞ぐような攻撃に避けることもできず、ルビーは防御する他ない。

「あばばばば!?」

 範囲を広くとった分、ダメージこそは少なめだが痺れは如何ともしがたく。どうにか視界が晴れて前を向いた時にはクロスはおらず、代わりに白い巨体がいた。

「へ?」
「さあ、その身をもって知るがいい、宇宙的恐怖、その神髄を。はたしてあなたは正気でいられるかな?」

 視界を塞ぎ動きを止めている間に接近したイディエットが、普段は閉じている瞼を開く。黒曜石の如き黒く艶やかな眼には煌びやかな星々と渦巻く青白い光。けれど、ああ、しかし。その奥には。美しいヴェールに映る、その影は。

「さあ、よく見て。私の目の奥ずっとずっと奥底。中に輝く星々。……アハッ♪『観』たね? 『認識』したね? 『理解』しちゃったね?」

 動けずにいるルビーの頬に手を添えて、イディエットは相手の目を覗き込むようにして、自身の眼を見せる。
 無邪気な狂気の笑みを、だがルビーは見ることも聞くこともできない。言の葉に例えられない恐怖に侵され縛られ、いつのまにか召喚されていた異形たちが奇怪な槍を突き刺し、精神を蝕み思考をかき乱す。

「む、アルテミシアの技の準備が整ったな」
「はーい」

 マオの声に、イディエットはすっと瞼を閉じて引く。

「……、……はえ?」

 そして、呆然自失から正気に戻ったルビーが見たのは。

「魔力収束……【限定解放】混ざり者の鎮魂歌(ハイレティクス・レクィエム)」
「さあ、終わりです。天帝の審判(ゼウス)」
「我、求めるは、新たな雷撃の力。サンダーランス」

 髪が逆立ちそうなほどバチバチとルビーを囲む雷の檻、あるいは処刑場だった。

「……ゲームオーバーだ」
「ま、デビキンでデスゲームを行ったのが運の尽きだね」

 やることを終えたマオが重力が元に戻ることに備えて、イディエットに掴まって後ろに下がる。
 ルビーは叫んだ。

「こ、この悪魔どもめー!! ちくしょーー!!!」

 極大の雷が嵐となって吹き荒れる。アルテミシアが攻撃と同時に仕掛けた羽弾が陣となり、敵味方を識別する神雷を落とし、クロスが翼に溜めた魔力を解放して黒い雷が荒れ狂い、円状に配置された明の多数の雷の槍が中央の目標へ突き刺さる。
 全ての雷が重なり連なり紡ぎ合い、威力を高めて部屋内を蹂躙しつつも、味方には一切の被害を出さずに暴れまわった。

「……オーバーキルかしら?」

 アルテミシアがポツリと漏らす。言葉にはしなかったが、誰もが無言の肯定を返す。キルというかむしろデストロイ。
 全ての後には跡形も無い。重力反転も解除され、床に着地する。

「いい気分転換になりました。それでは帰りましょうか」

 それはそれとして、思いっきりやってスッキリしたのは事実。
 残ったここは悪魔たちが有効活用するので、後は帰るのみ。軽い足取りで、猟兵たちは帰還するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月04日


挿絵イラスト