●そういえば今年の夏は……
グリモアベースに、一人の女性の何やらつぶやく声が聞こえてきた。
「夏の思い出、か……水着コンテストは大いに楽しんだが、それ以上のこととなると……ね」
その声の主、アメリア・ツァオ(心はいつも十七歳・f09854)は日焼けさせていない白い肌を見せつつ、モニター越しにカクリヨファンタズムの海を眺めていた。もっとも、水着コンテストでも十分日焼け止めを塗って美白につとめていたようである。
「それにしても、これぐらい晴れていると海に入って遊びたくなるな」
アメリアはもう黒地にひまわりの柄のワンピース水着を着て、その上に白いワンピースと麦わら帽子と、夏を楽しむにはもってこいの格好をしている。
「まあ、夏のひととき、私と一緒に楽しまないかな?」
にこっと笑いつつ、アメリアはお誘いにと手を差し出した。
●昼はビーチではしゃいで夜は花火を見て楽しもう
「さて、問題のビーチだが、近くに露天風呂も湧いているらしい。ただ、混浴なので水着着用は必須なのだけどね。それと、夜には妖怪親分達が花火を打ち上げてくれるらしい。中には、一緒に打ち上げられて人間花火を体験したり、花火の柄に乗って空中散歩も楽しめるようになっているという。もっとも、私は見てるだけで楽しいのだけどね」
昼も夜もビーチではしゃいでもよさそうだし、ゆっくりと露天風呂に入りながら花火を見て楽しんでもよい。そんなアメリアは線香花火も持っていくつもりらしい。
「花火といったら打ち上げ花火という人もいるだろうが、線香花火もなかなか面白いぞ。一緒に楽しみながら夏が過ぎていくのを感じないか?」
夏は長いようで短い。一緒に息抜きに行かないかと誘うアメリアの顔には、満面の笑みが浮かんでいた。
ヨーシャ
最近コロナ禍で夏らしいことが全然できないでちょっと凹んでいるヨーシャです。
早くコロナ禍が終わってくれることを祈りますが、何はともあれ第六猟兵の中だけでも楽しく遊べるようにシナリオを作りました。
このシナリオではお昼にビーチで遊んだりビーチ近くの海辺の露天風呂に入ったりできるほか、夜はビーチや露天風呂から打ち上げ花火を楽しんだり、ビーチで線香花火を楽しんだりすることができます。
なお、露天風呂は混浴しかないので、水着着用は必須です。また、お誘いをいただければアメリアが皆さんの元に訪れると思います。一緒に水遊びを楽しんだり、夏の思い出を写真に撮ってもらったりすることもできます。
できれば、プレイングには時間帯(昼か夜か)と場所(ビーチか露天風呂か)の明記をお願いします。
プレイングの受付は断章が投下されてから随時投下してOKです。皆さんの楽しいプレイングをお待ちしております。
第1章 日常
『猟兵達の夏休み2021』
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POW : 妖怪花火で空へGO!
SPD : 妖怪花火の上で空中散歩
WIZ : 静かに花火を楽しもう
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●猟兵の夏休み
白い砂浜が続くビーチ。そしてその片隅には露天風呂。
ここで精一杯遊ぶもよし、魂の洗濯をするのもよし。そして夜には花火で楽しむのもよし。
今、ここに、夏の思い出を……作ろうか。
蘇・燎
『華胥』
海岸で、夜の花火を
流石にこういった場で鎧という訳にはいかないな。
平服で行くとしよう。
──ああ、故郷で見た満天の星々を思い出す。
幼い時分、眠れなかった時に天幕をこっそりと抜け出して見た夜空を。
あの時の星は遠く、空も違うが──
側には、あの星に負けないくらい輝くものがある。
「昔見た輝きを思い出した。俺はあれから幾度も手を汚して来たが、あの輝きだけは決して」
──忘れないだろう。この夜の思い出もまた。
土御門・泰花
『華胥』
海辺にて、夜の打上花火を。
実に久方ぶりに浴衣を纏いました。
(さて、あの方はどのようなご反応をなさいますかしら……?)
胸の高鳴りを鎮め切れぬまま、お傍へ。
「故郷にて幼い頃から幾度も観た花火も、こうして燎さんと共に見上げておりますと、違った輝きを感じます。」
(勿論、お隣に居てくださるあなたの方が、ずっと輝いて見えるのですよ……等と口にできたならどんなに良いでしょう。)
今はただ、頬が火照るばかり。我ながら情けないものです。
不意に燎さんのお声が聴こえれば、思わず其方を向き。
語られる昔の話が途切れると、ついその表情に見惚れて。
だって初めてですもの。常の戦と異なる、穏やかな眼差しも、優しい声音も。
●初日の夜 〜夜風に吹かれて〜
夏の間だけ幽世に設けられた砂浜は、夜の訪れと共に穏やかな陸風が吹いている。寄せては返すさざ波の音も、旅人の心を洗うにはもってこいのささやきに感じる。夜空には満天の星が輝き、風に合わせて揺れる椰子の葉のざわめきも心地よい響きであった。
その砂浜に立つは二人の若者。普段は鎧を着て戦場を駆け回る蘇・燎(星火、曠原を燎く・f32797)も今日は平服を纏い、夜風に吹かれて裾をたなびかせていた。その傍らには普段の凜とした装いの代わりに浴衣を纏った土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)が、胸の高鳴りを鎮め切れぬまま立っていた。
ふと、燎は故郷の空に浮かぶ満天の星を思い出す。周りに明かりのない、草原の夜。幼い時分、眠れなかった時に天幕をこっそりと抜け出して見た星だ。さぞかし、その空に浮かぶ星々は今もなお輝いているのだろう。あれから幾分と年月が経ち、今は違う空の下で輝く星々を眺めている。幼き頃に見た星々のその輝きは、今ここで見る星々の輝きと同じなのだろうか。燎の頭の中に、そんな思いがふとよぎる。ただ、違うのは己の隣に、あの星に負けないくらい輝くものがあるということか。
思いをめぐらす燎を照らすかのように、星々の輝きに負けないくらいの花火が爆音と共に輝いている。燎の隣で花火を見つめる泰花もまた、幼い頃に故郷の空に上がった花火を思い浮かべながら、打ち上げられては散る花火を眺めていたのだ。
久方ぶりの浴衣に、久方ぶりの花火。故郷で見る花火と違うのは、その隣にずっと輝く人がいるから。そんな泰花は、花火を見つめながらゆっくりと口を開いた。
「故郷にて幼い頃から幾度も観た花火も、こうして燎さんと共に見上げておりますと、違った輝きを感じます」
その頬は、うっすらと赤く火照っている。本当なら、お隣に居てくださるあなたの方が、ずっと輝いて見えるのですよ……と口にしたい思いを抑えつつ。泰花は燎の方を見てうつむいていた。いや、うつむくしかなかったのだった。
そんな燎が語りかけるのは、昔の思い出。
「昔見た輝きを思い出した。俺はあれから幾度も手を汚して来たが、あの輝きだけは決して……」
不意に、言葉が詰まってしまう。本当なら、言いたいのだ。幼き頃に見たあの星々の、あの輝きだけは決して忘れまいと。
その言葉を不意に聞くや、泰花はその声のする方に顔を向ける。言葉の途切れたときの燎の表情は花火に照らされつつも、その瞳は穏やかで、そしてその声は優しく。泰花がこんな燎を目にしたのは初めてなのだ。いつもの戦の時と、まるっきり違う。
ひときわ大きな花火が上がる。赤に青に緑に輝く花火は二人を鮮やかに照らしていた。そして幽世に浮かぶ月が、そして星が二人を見守っている。この夜の思い出も、決して忘れまいと。そう燎は思いを新たにしたのだった。願わくば、この幸せが永遠に続きますように、と。その思いは泰花も同じだった。こうして共に過ごす時間が、なんとも愛おしいものか。時が止まってほしい、そう思いたかった。
次々に打ち上げられる花火に見守られながら、二人の時間は儚くも過ぎていくのだった。
大成功
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●二日目の朝 〜朝日の写真を撮りながら〜
夜明けの風に吹かれながら、アメリアは夏の装いに身を包み、砂浜にたたずんでいた。爽やかな潮の匂いを運ぶ風を感じながら、カメラのシャッターを切る。レンズが捉えたのは、朝日に照らされた幽世の風景。
「さて、今日は誰との出会いがあるのかな……?」
これから訪れる出会いに胸を躍らせながら、アメリアはカメラに詰めたフィルムを巻き取っていた。
冬原・イロハ
ポノ(f00385)さんと昼のビーチで遊びます♪
海での遊び方で、砂で色々作るのが気になっていたのです
バケツをいくつかとスコップ、プラスチックのスプーンとか小さな紙コップも持ってきました♪
貝殻を集めにいくポノさんたちを見送って、私は砂の城作りです!
スコップでバケツやコップに砂と、海水をちょっとずつ、交互に入れて
バケツをひっくり返したら、土台の出来上がり♪ 何だかプリンを思い出し…
スプーンでちょちょいっと砂城を削って~
こっちは見張り塔、こっちは門構え♪
――これ、なかなか大変な作業ですねぇ
貝殻ゲット組が帰ってきたらお手伝いしてもらいます
好きなように貝殻で飾りつけ
ふふ、可愛らしい砂のお城が出来ましたっ
ポノ・エトランゼ
イロハ(f10327)さんと一緒に
昼のビーチで遊びましょ!
そういえば海で砂遊びしたことないわねぇ
というわけで砂のお城を作りましょう
アメリアさんも一緒に遊ばない?
(お誘いできたら)じゃあ手分けして綺麗な貝殻を集めよ!
ちょっと汚れていても海水で洗えば真っ白に
あ、これピンク色だ。かわいー
小さな巻貝や二枚貝、平べったく渦を巻いたとかあるのね
砂に研磨されたのかしら? ピカピカ綺麗な貝もみっけ♪
貝殻を集めたら、イロハさんのお城づくりのお手伝い
あはは、バケツでいっぱい形作ってるね。貝を埋め込んで飾りつけ
カワイイお城が出来上がったわね♪
スマホで記念撮影してっと
今年の夏も楽しかったわね~、満足満足♪
●2日目の昼 〜砂のお城を築こう〜
太陽は高く上がり、灼けそうなほどの真夏の太陽が砂浜を照らしている。そんな中、白いワンピースをまとったアメリアは砂浜に差したビーチパラソルの下でビーチチェアに腰をかけ本を読んでいた。ワンピースから覗く肩紐からわかるように彼女は水着を着ているのだが、今はまだその時ではないとビーチチェアに腰掛け歴史小説を読んでいるのであった。
そんなアメリアの元に、二人の女性がやってきた。南国の花々に飾られた紫のスカート付きビキニを着たポノ・エトランゼ(ウルのリコ・f00385)と、セーラーカラーのついたパステルグリーンのセパレート水着に身を包んだ冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)だった。
「アメリアさんも一緒に遊ばない?」
ポノの声に、アメリアはパパッと腰を上げる。
「遊ぶのもよいね。さて、どうするかな?」
アメリアは答えてすぐに立ち上がると、ワンピースを脱ぎ捨てたのだった。その下に着ていたのはひまわり柄のワンピース水着。
「バケツをいくつかとスコップ、プラスチックのスプーンとか小さな紙コップも持ってきました♪」
イロハも準備は万端だ。海遊びと言えば、砂のお城は定番中の定番だ。
「そうね、じゃあ手分けして綺麗な貝殻を集めよ!」
ポノはアメリアを連れて貝殻探しに出かけると、イロハは早速築城を始めるのだった。バケツやコップに砂と海水を交互にちょっとずつ詰めていくイロハ。これをひっくり返して置けば砂のお城の土台が出来上がるわけだ。
一方、ポノとアメリアは貝殻を探していた。ポノはひとつのきれいな二枚貝を見つけたのだった。
「あ、これピンク色だ。かわいー!!」
アメリアも負けてはいない。巻き貝の貝殻をバケツに入れていく。
「砂に研磨されたのかしら? ピカピカ綺麗な貝もみっけ♪」
ポノとアメリアの貝殻探しは和気あいあいと進むのだった。
イロハの築城も進んでいた。砂を詰めたバケツをひっく返し、砂の土台を作り上げていくのだが、そんな光景にイロハはプリンを思い出してしまう。
「……プリンが食べたくなってきてしまいましたが、まずはお城を作らないといけませんね」
砂で壁を作り、その中には門構えを作っていく。その一方、お城に必要な見張り塔も忘れないように作っていく。
「ただいまー。これだけとれたよ♪ ちょっと汚れていても海水で洗えば、ほら、きれいに!!」
ポノは集めた貝殻を海水で洗うと、輝きを取り戻す貝殻達。イロハが建てたお城に飾り付けを行っていく三人の猟兵たち。
「うーん、これじゃ防御が甘そうだ。城門は二重にしたらどうだろう……」
そう言いながら、既存の城壁の外にさらに城壁を作るアメリア。貝殻で飾りをつけていくポノに、砂の造形をスコップやスプーンを使って仕上げていくイロハ。そうこうしているうちに、城壁は三重になり、昔の城郭都市を思わせる壮大な砂のお城が出来上がったのだった。貝殻で飾られたその外観はちゃんとかわいさを主張している。
「ふふっ……何だかすごいお城ができあがりましたっ!」
にっこり笑って完成した砂のお城を眺めるイロハ。
「かわいいお城ね。スマホで記念撮影しなきゃ♪」
そんなポノはスマートフォンを取り出してお城の写真を片っ端から撮っている。
「そうだな、私もみんなで記念写真を撮るか!」
アメリアは三脚を用意するとカメラをセットし、タイマーを仕掛けてみんなで並ぶのだった。カシャッという音と共に、カメラのシャッターが切れる。
「フィルムだからすぐには見られないけど、現像したらみんなに渡すよ」
アメリアは写真ができたら見せると約束するのだった。
「今年の夏も楽しかったわね~、満足満足♪」
ポノは満足そうに、過ぎゆく夏を見送るのだった。
大成功
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●二日目の夕方 〜過ぎゆく夏を惜しんで〜
楽しかった砂遊びも終わり、アメリアは再びワンピースを羽織ってビーチチェアに腰掛けていた。夏の時間はゆっくり進むと思っていたが、意外にも時間の流れは早いもので、早速空は赤くなり夕焼けの太陽が水平線に沈もうとしていたのだった。アメリアは立ち上がると、カメラを手に夕焼けの光景をフィルムに焼き付けていくのだった。
もう、秋は近いのだ。
タビタビ・マタタビ
【WIZ】
夜のビーチで花火を楽しむよー。
取り出したるは、線香花火!
このぱちぱちした細い閃光が正にせんこうはなび……ってコレ、「せんこう」違いだね?
たき火もずーっと見てられるけど、線香花火も飽きないね。不思議。
この夏も色んな事があったよ。それにこの後、大きな戦いが控えてる予感がするし、今のうちに英気を養っておかないとね。
……なんて言ってきたけど、人間サイズの線香花火でも、ケットシーのボクにはなかなか立派な花火なんだよね。
あ、アメリアさん!
折角だし一緒に線香花火どうですか?
うわ、打ち上げ花火? 親分さん達だね!
凄い音!(耳を手でふさぎながら空を見上げる)
でも綺麗だなあ、世界が煌めいてるみたいだ
●二日目の夜 〜夏の終わりに送り火を〜
すっかり夜の帳が下りると、空には満天の星空が浮かんでいる。夜になると蝉の代わりに鈴虫や蟋蟀の鳴く声が聞こえてきた。夜になると、もう、秋なのだ。来年、このビーチを訪れることはできるのだろうか。
そんな思いが去来する中、ビーチで花火を楽しもうと一人のケットシーの青年がやってきた。彼の名は、タビタビ・マタタビ(猫勇者一歩手前・f10770)。そんな彼が持ってきたのは線香花火。
「このぱちぱちした細い閃光が正にせんこうはなび!」
「せんこう」違いであるが、実によい掛詞である。タビタビはビーチチェアで休むアメリアを見つけると早速声をかけるのだった。
「あ、アメリアさん、折角だし一緒に線香花火どうですか?」
アメリアは二つ返事で頷くと、早速線香花火を始めるのだった。
ビーチにはたき火も焚かれているが、タビタビにとってはたき火も線香花火も飽きずに見られるものなのだ。
「この夏も色んな事があったよ。それにこの後、大きな戦いが控えてる予感がするし、今のうちに英気を養っておかないとね」
線香花火を見つめるタビタビ。アメリアはアメリアでポトンと落ちてしまった線香花火に過ぎゆく夏の終わりを重ねるのだった。
「……なんて言ってきたけど、人間サイズの線香花火でも、ケットシーのボクにはなかなか立派な花火なんだよね」
確かに、タビタビにとってこの線香花火はなかなか立派なサイズだ。その火花も、なぜか不思議と心を癒やしてくれる。そんな感じで、二人は何本もの線香花火に火をつけては舞い散る火花を眺めていた。
その時だった。幽世の空に赤い大輪が咲いたのだ。続いて、青の大輪に緑の大輪。
「うわ、打ち上げ花火? 親分さん達だね!」
タビタビは一瞬花火の音に驚くが、その綺麗さに目を奪われるのだった。
「でも綺麗だなあ、世界が煌めいてるみたいだ……」
そんな揺らめきも一瞬で消えてしまう。二人は、そのはかなさに夏の終わりを感じるのであった。
季節は秋へと、移ろうとしているのだ。
大成功
🔵🔵🔵